スポーツ審議会健康スポーツ部会(第20回) 議事録

1.日時

2023年1月31日(火曜日)10時~12時

2.場所

WEB会議(ZOOMを使用)

3.議題

  1. 第3期スポーツ基本計画における成人のスポーツ実施率等の扱いについて
  2. 現場視察・ヒアリング及びガイドラインについて
  3. 目的を持った運動・スポーツの実施について

4.議事録

スポーツ審議会 健康スポーツ部会(第20回)
2023年1月31日
 
 

【渡邉部会長】  皆さん、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから第20回スポーツ審議会健康スポーツ部会を開催いたします。改めまして、皆様、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 ただいま、16名の委員の方々に御出席いただいております。本日欠席されておりますのは、山口委員となります。スポーツ審議会令第6条第1項及び第3項において、本部会の開催及び議決に当たりましては、委員の過半数の出席を求められております。本日は定足数を満たしており、開催とさせていただきます。
 また、本日は、スポーツ庁より、室伏長官、角田次長、星野審議官、和田健康スポーツ課長、佐々木障害者スポーツ振興室長、日比企画調整室長に御出席いただいております。さらに、オブザーバーといたしまして、厚生労働省健康局健康課女性の健康推進室、田邉室長、小田課長補佐、川上主査にもウェブで御出席いただいております。
 傍聴に関しましては、新型コロナウイルス感染症対策の観点から、一般の方についてはYouTubeでのライブ配信の傍聴とさせていただいております。御承知おきいただきたいと思います。
 まず、開催に当たりまして、事務局より御説明をお願い申し上げます。
【和田健康スポーツ課長】  事務局を務めさせていただいておりますスポーツ庁健康スポーツ課長の和田でございます。
 初めに、渡邉部会長及び久野部会長代理以外の委員におかれましては、本審議会の委員の任期は、御案内のとおり、令和6年8月まで更新となっております。引き続き委員に御就任いただくことに御礼申し上げますとともに、引き続き、本部会の審議への御協力を賜ればと考えております。よろしくお願いいたします。
 次に、開催に当たりまして諸連絡となりますが、本部会は前回と同様に、Zoomによるウェブと対面でのハイブリッド形式の会議とさせていただいております。本日、対面での御出席の委員は、渡邉部会長、久野部会長代理、北出委員、豊岡委員の4名であります。その他の委員の方々におかれましては、オンラインにて御出席いただいております。
 もしオンライン参加の委員より資料共有等の御希望がございましたら、Zoomの共有機能にてお願いいたします。御不明な場合には、事務局に御連絡をお願いいたします。
 また、御都合により途中退席される場合には、御退席の際にZoomのチャットにその旨をお知らせいただき、適宜、御退室いただきますようお願いいたします。
 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日の資料でございますが、お手元の議事次第を御覧ください。
 資料1が、第3期スポーツ基本計画における成人のスポーツ実施率等の扱いについて、資料2、現場視察・ヒアリング及びガイドラインについて、資料3、目的を持ったスポーツ・運動の実施についての取組、資料4、目的を持った運動・スポーツの推進について、資料5、今後のスケジュール、以上の5点となります。
 また、参考資料は1から5までございます。参考資料4でございますが、先週1月27日に室伏長官が考案・実演された自身の身体の状態を知ることができるセルフチェック動画が、eラーニング形式で学べる形となり、スポーツ庁のホームページで公開されておりますので、御紹介させていただきます。
 資料の不足等がございましたら、事務局までお申しつけくださいますようお願い申し上げます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、議事に移りたいと思います。
 議題(1)、「第3期スポーツ基本計画における成人のスポーツ実施率等の扱いについて」です。事務局より御説明をお願いいたします。
【和田健康スポーツ課長】  それでは、資料1に基づきまして、第3期スポーツ基本計画における成人のスポーツ実施率等の扱いについて御説明させていただきます。
 第3期スポーツ基本計画では、成人のスポーツ実施率に係る目標として、成人の週1回以上のスポーツ実施率が70%、障害者の方は40%になることなどを掲げております。
 こうした中、令和4年4月1日から、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことが背景となっております。
 2にお示ししたような整理を行いましたところ、基本計画における成人のスポーツ実施率等については、従前のとおり「20歳以上の運動・スポーツをする者の割合」等を指標として用いることが適当であると考えられます。
 理由といたしましては、目標達成を把握するための指標であり、連続性の担保に留意する必要があること。
 目標設定の検討に当たり、健康スポーツ部会などでは、20歳以上で算出した指標を基に議論がなされていること。
 基本計画では、スポーツを通じた健康増進により長寿社会の実現やスポーツ実施率の向上を通じた健康寿命の延伸等への貢献を掲げるなど、厚生労働省の施策と密接に関連すること。
 そうした中、現行の「健康日本21」の身体活動・運動に関する目標である、運動習慣者の割合と日常生活における歩数の増加では、「20~64歳」、「65歳以上」の区分で算出されたものを指標として用いていること。
 民法に定める成年年齢は、単独での契約締結ができるなどという年齢であり、成年年齢の引下げの後も、例えば、酒やたばこ等、年齢要件が20歳のまま維持されているものがあることなどが挙げられます。
 なお、基本計画の目標値において20歳以上の者を想定している他の箇所においても、同様な取扱いをすることが適当であると考えられます。
 おって、今後、「健康日本21」における目標の年齢階級の区分に変更等がある場合には、改めて検討を行うとともに、基幹統計等における年齢階級の区分の動向についても注視していきたいと考えております。
 説明は以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 ただいま、資料1に基づきまして、4つの大きな理由から、成人のスポーツ実施率等の扱いについては、20歳以上の運動・スポーツをする者の割合ということで御説明いただいたかと思います。何か皆さんのほうから御質問等ございますでしょうか。
 特にないようでしたら、健康スポーツ部会からは意見なしということで、審議会総会のほうにもお伝えさせていただきます。ありがとうございました。
【遠藤委員】  すみません。手を挙げていました。遠藤です。
【渡邉部会長】  遠藤委員、どうぞ。
【遠藤委員】  こちらの指標ですけれども、障害者のほうも同様の考えということでよろしかったですか。
【渡邉部会長】  はい。同様の考えでおります。遠藤委員、それでよろしいですか。
【遠藤委員】  加えて、障害者の場合は、障害種別なども出てくるけれども、トータル的にはこちらでやって、詳細エビデンスを取るときは、障害種別なども参考にするというようなお話でよろしいですか。
【渡邉部会長】  はい。そういうことです。
【遠藤委員】  分かりました。ありがとうございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。
 議題(2)、「現場視察・ヒアリング及びガイドラインについて」です。まずは、事務局より説明をお願いいたします。
【和田健康スポーツ課長】  資料2を御覧ください。
 4ページ目の下段に現場視察・ヒアリング実施の背景についてお示しさせていただいておりますが、前回の本部会では、部会としてガイドラインを策定することをお諮りいたしまして、御了承いただきました。ガイドラインの策定に当たり現場視察・ヒアリングを行うため、委員の御協力を賜り、昨年末よりヒアリングを進めてきたところでございます。本日の部会では、実際に視察・ヒアリングされた委員より概要・所見について御報告いただきたいと考えております。
 御報告に当たり、まず初めに事務局より現場視察・ヒアリングの進め方、改善等について御説明させていただき、その後、各現場視察・ヒアリングの御報告とさせていただきます。
 次の5ページを御覧ください。事務局が部会委員や視察先と、現場視察・ヒアリングについて調整させていただく中で、見えてきた課題といたしまして、推薦委員に視察先との調整を依頼することになり、調整に時間がかかる、また、委員の御負担が大きいということがまず挙げられます。
 必ずしも「現場」あるとは限らず、担当者のヒアリングが重要になる場合もあります。
 また、推薦委員は視察先の状況や取組にも精通されている場合がありまして、改めて足を運んでいただく必要性が希薄化する、そういったことも挙げられます。
 ガイドラインの検討作業と並行して現場視察を進めるため、随時視察先の変更や追加が見込まれまして、部会長・部会長代理や専門委員と事務局との間で視察先が決定できれば、効率的にできるのではないかと考えています。
 こうした課題を踏まえまして、進め方の改善案といたしまして、従来は、①委員が視察先を選定・推薦し、②推薦委員とそれ以外の委員1名以上、計2名以上で現場視察を行い、部会において報告するという方針でありましたが、次のとおり変更してはどうかと考えております。
 具体的には、推薦委員の視察同行は必ずしも条件としない。ただし、推薦委員は報告書において選定理由、取組内容への所見等を書いていただく。
 実際の「視察」のみならず、担当者等への「ヒアリング」のみの場合でも可とする。
 委員による現場視察・ヒアリングのみならず、事務局による視察・ヒアリングも並行して進め、報告書の作成や部会への報告、ガイドラインへの反映等に活用する。
 スポーツ庁において蓄積された知見も活用するため、状況に応じて、事務局からの視察・ヒアリング先の発案も可能とする。ただし、その場合は、あらかじめ部会長・部会長代理及び専門分野の委員に相談するとともに、報告書では当該専門分野の委員からのコメントを必ず記載していただくこととする、とさせていただければと考えております。
 次、6ページを御覧ください。現場視察・ヒアリングの進め方について、イメージをお示ししたものでございます。
 次の7ページ目を御覧ください。ガイドラインの名称、策定目的を案としてお示ししたものです。
 策定目的(案)の1つ目の丸のところで、第3期スポーツ基本計画で掲げる目標の達成や具体的施策の着実な実施を図るため、現場においてより実効的な取組が進められることを目指すとしています。
 3つ目の丸では、今後、スポーツ実施の環境整備や改善に取り組む地方公共団体や民間事業者、スポーツ関係団体、保険者等において、Sport in Lifeの理念の下、円滑に整備・改善が進められるよう、事例等を盛り込み、計画の目標達成に向けた取組を推進する際の参考となる手引きを策定するというように、ここでは案として掲げさせていただいています。
 こうした策定目的に鑑みますと、事務局としては、「ガイドライン」という名称よりは、むしろ「手引き」ですとか「ガイド(ブック)」、「参考資料集」としたほうがよいのではと考えて、案をお示しさせていただいたものでございます。今後、本部会におきましては、名称についても御議論いただきたいと考えております。
 次のページを御覧ください。現段階ではガイドラインという呼び名をさせていただきますが、ガイドラインのイメージ案としてお示ししたものでございます。これは、女性のスポーツ参画促進を例にお示ししたものでございまして、上から、「第3期スポーツ基本計画における目標」、「施策目標」、「取組内容」を掲げた上で、「取組事例とポイント」をお示ししてはどうかと考えております。
 本部会委員に視察・ヒアリングしていただいた取組事例については、ここの下のところに入るようなイメージで考えております。
 事務局からは以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 ここでは一応決めていくことが大事なんですかね。そうすると、幾つかポイントがあったと思いますけれども、実際に現場視察・ヒアリングを進める過程の中で、新たに課題が発見できたと。そうすると、そこはやはり改善をしながら進めていかなければいけないということで、改善案が示されました。
 この改善案については、まず皆さんのほうから御異議なければ、この改善案に従って進めてまいりたいと思いますが、いかがでしょうか。
 特に異議のある方いらっしゃいませんか。ないようでしたら、改善案に従ってこれから進めてまいりたいと思います。
 それと、次に大きなところは、従来「ガイドライン」という名称で取り扱っておりましたけれども、やはり内実を考えますと、名称を変更したほうがいいのではないかということで、現在7ページに3つの案が出ています。1つは「手引き」、1つは「ガイドブック」あるいは「ガイド」ですね。3つ目が「参考資料集」というふうに例示されております。
 事務局としては、「手引き」というのが一番でしょうか。
【和田健康スポーツ課長】  一応この上からの順番の順に考えております。
 名称については、今日ここでお決めいただかなくても、今後の部会の議論の中で、また最適なものをお決めいただければありがたいなと考えております。
【渡邉部会長】  分かりました。では、今日は、意見があれば意見をいただきたいということですね。
【和田健康スポーツ課長】  おっしゃるとおりでございます。
【渡邉部会長】  そういうことでございます。
 したがいまして、今の事務局の説明に関しまして、皆さんのほうから御意見等あるいは御質問ございますれば、挙手の上、発言をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【萩委員】  渡邉部会長、いいですか。
【渡邉部会長】  萩委員、お願いします。
【萩委員】  東海大学の萩です。
 進め方等々、特に問題はないと思います。大変よく丁寧にできていて、よろしいかと思いますが、ちょっと先の話かもしれないんですけれども、これ、「ガイドブック」という名称がよろしいかと思うんですが、これを、例えば自治体の首長さんが集まるときとか、あるいは、関係者が集まるときに、ぜひ紹介や解説、そういうものを加えていただいたらいいかなと思います。
 できて終わりになると役に立たない場合がありますので、先の話ではありますが、できたものをどう活用するか、その辺りも踏まえて、ぜひいろんな機会に解説をしたり、紹介をしたり、そういう機会を設けていただけるといいと思います。
 1点の意見でした。ありがとうございました。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 おっしゃるとおりで、作ることが目的ではなくて、できたものをやはり周知・啓発を徹底して実践に結びつけるというのが一番大事だと思います。ありがとうございます。
 そのほか、いかがでしょうか。
【津下委員】  すみません。津下です。
【渡邉部会長】  津下委員、お願いします。
【津下委員】  ありがとうございます。
 今回、私もこの現場視察の調整がつきませんでした。このように改正していただくことで、より円滑にこの事業が進むものと考えております。
 それから、ヒアリングについても、本当は現地ヒアリングがいいかと思うんですけれども、場合によってはオンライン等で補完して、より良い事例を負担なく集めるような方策も検討してはどうかと思います。
 2点目ですけれども、このガイドラインについて、先ほどの萩委員の話もありましたが、誰が読み手で、どう活用していただくか、その出口をしっかり意識することが重要と思います。誰に訴えかけるのか、どの部局に読んでいただくのか、自治体だけなのかどうなのか、そういうことを見据えた記載になるとよいかなと思いました。
 よろしくお願いします。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。まさにそのとおりかなと思います。
 こちらのほうの画面で挙手の状態が分かりませんので、発言される方は、発言すると発声をしてお願いできればと思います。
 ほかの方はいかがでしょうか。
【泉委員】  泉でございます。よろしいでしょうか。
【渡邉部会長】  よろしくお願いします。
【泉委員】  ありがとうございます。
 この視察・ヒアリングの進め方イメージについて、よく理解ができました。ただ、現在の実施率が56.4%、これをこの5年間で成人については70%、障害者については40%にするならば、この5年間で1,360万人増やさなくてはいけないことになり、非常に心配しております。このようなことを考えていきますと、このヒアリングの結果のガイドラインの策定が令和5年の秋頃とのことですが、スピード感を考えますと、できるだけ早く出していく必要があると思われます。このままでいきますとなかなか目標が達成できないという可能性も非常に強くなってくると心配をしております。スピードという点については、ぜひもう一度お考えいただければと思います。
 あと、ガイドラインはガイドブックという形にするのは良いと思います。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 貴重な御意見だと思います。と同時に、いろんな施策が今並行して展開しておりますので、そういった施策もスピード感を持ってやるということと、各施策を連動させるということが、何より実施率向上につながっていくかなと思います。貴重な意見、どうもありがとうございます。
 ほかの皆さん、いかがでしょうか。
 松永委員、お願いします。
【松永委員】  皆さんがおっしゃっていただいた意見に同感でございます。
 加えて、どうしても都市部、あるいは、市レベルの事例が多くなると思いますが、町村レベルや過疎地域など、幅広い地域特性の事例が必要になると思います。さらに、組織・団体・企業等であっても、規模に偏りが出ないように配慮することなど、中小企業なども含めた、様々な事例が視察先となることを重ねてお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。貴重な御意見賜りました。
 ほかの皆さんはどうでしょう。
【宮脇委員】  宮脇でございますが、一つよろしいですか。
【渡邉部会長】  どうぞよろしくお願いします。
【宮脇委員】  失礼いたします。
 先ほど来お話がございました、誰に見ていただくのかというお話とも関係があるんですが、自治体だけが持っていてもしようがないわけで、自治体は、そこからもう一つ、住民の皆さんに知っていただくための方法として、簡素化なり、あるいは、より分かりやすくした内容のものを恐らく作るという形になろうかと思っております。Sport in Lifeというのが、最近ではマスコミ媒体ではSport Lifeとか、inをつけていないことがちょっとどうかなということもありますが、住民向けには例えばスポーツライフの勧めというような形のリーフでも作って、お配りできるようなものがあれば、相当御理解を得るのに助かるというふうに感じておりますので、お願いできればと思います。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。一般の方にも分かりやすいものを作って、周知徹底させるということも大事かなと思います。
 ほかの皆さんは特によろしいでしょうか。ないようでしたら、先に進めさせていただきたいと思います。
 続きまして、現場視察・ヒアリング実施をさせていただきました。3件ございます。1つは鳥取県の湯梨浜町、本日、町長も御出席です。そして、東京都狛江市、さらには電設工業健康保険組合、それぞれについて御報告をさせていただきます。
 今回御推薦いただきました委員及び視察された委員におかれましては、感想などを含めまして御発言をお願いしたいと思います。また、ほかの委員からも御質問、御意見など、ぜひ御発言いただければと思います。
 それでは、鳥取県の湯梨浜町から参ります。
【和田健康スポーツ課長】  事務局でございます。鳥取県湯梨浜町の視察の概要について御説明させていただきます。
 健康スポーツ部会におきまして、現場視察・ヒアリングを進めるに当たりまして、視察のポイントや視察の報告様式等を含めた進め方の精査を図る観点から、先行して試行的な位置づけで、プレ視察として湯梨浜町において実施させていただきました。
 この視察の端緒でございますが、久野委員から御助言を受けまして、宮脇委員が首長を務める自治体である湯梨浜町に打診させていただきまして、視察することが決定したものでございます。
 日時でございますけれども、昨年の11月14日に行いました。視察委員は久野委員、宮脇委員となっております。
 視察の内容でございますけれども、湯梨浜町におけるスポーツを通じた健康づくりでございます。
 取組の概要でございますけれども、湖をはじめとした豊かな自然に恵まれた湯梨浜町では、高齢化の進展等が課題となっていまして、そういったことを踏まえまして、スポーツを通じた健康づくりに関して様々な取組がなされているということで、視察をさせていただきました。
 視察のポイントでございますけれども、キッズ健幸アンバサダーの養成が一つ挙げられます。これは、高齢者の多くが孫を含めた子供たちからの声がけに対して素直に聞く場合が多いという特性を生かしまして、スポーツを実施していない無関心層の高齢者等への行動変容をもたらす第一歩となるということで挙げられております。
 また、学校の授業の一環として実施するため、スポーツ嫌いのお子さんでも、日常的なスポーツ習慣を保持するリテラシーの向上や実施率向上の効果が期待できる。さらに、ウォーキングの取組は、観光業と一体となりまして、町内の住民の健康づくりにつながるとともに、グラウンド・ゴルフの発祥の地という特性を生かしまして、グラウンド・ゴルフの振興を通じて、高齢者の健康づくりやまちづくり、国際交流を行っている。そういったところをポイントといたしまして視察をさせていただきました。
 概要は以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、町長がいらっしゃいますので、宮脇委員、まず一言お願いします。
【宮脇委員】  このたび御視察いただきましてありがとうございました。
 町として認識しております課題といたしましては、本格的な取組を始めて2年ということでございます。SIBを活用した事業を実施しているんですけれども。
 ウォーキングにつきましては、平成25年に全日本ノルディック・ウォーク連盟が公認コースの第1号として指定してくださいまして、それを機にウォーキングで町を活性化しようということで、東郷湖一周ちょうど10キロのコースがありまして、そこで商工会がこういう冊子、「ミリミリ」といいますけれども、町内の7つのコースを紹介したりですとか、それぞれ文化や、そういうものにちなんだものとかいろいろあるんですけれども、そういうものを作成したり、それから、各種大会、全日本ウォークという東郷湖一周をベースにした大会とか、あるいは、航空会社が主催されるONSEN・ガストロノミーウォーキングとか、そういうことをやりながら、ウォーキングのまちとして、温泉もございますし、進めてきたところです。
 今お話がございましたグラウンド・ゴルフは、「友情と健康の輪を世界に」という合い言葉で、地方創生を活用しながら、世界へ普及し、国際組織が確立できまして、今10の国々で楽しんでいただいています。
 そういう中にあって、女性の参加というお話が先ほど出ておりましたけれども、会員が717名おられる「ゆりはまヘルシーくらぶ」につきましては、歩くのをベースにして、筋トレなども加え、指導いただきながら自分の体の状況を自分で管理していくということなんですが、717名のうち66.2%程度が女性の方ということで、結構女性の参加を多くいただいております。これをあと2年かけて2,000人台の大台に乗せようという目標で頑張っているところでございます。
 難しいのは、高齢者の80歳以上の割合を2割にすることを目標にしておりますが、この確保をどうやって進めていくかということです。町内には福祉施設もたくさんございまして、そういうところともタイアップした取組が必要になってくるというふうにも思っております。
 それともう一つは、町民総スポーツ的な観点から、この運動に親しむ人たちが、それぞれの個性に応じたスポーツを楽しめるような体制を組みたいということで、推進協議会というものを、スポーツの各種団体の代表の方たち、福祉施設の方たち、いろんな方を含めて協議会を設け、この間やっとそれが第1回の立上げを終わりまして、これからいよいよ本格化していくということでございます。また皆様のほうからいろいろな御指導がいただければありがたいと思っております。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 続いて、御推薦いただきました久野委員、お願いいたします。
【久野部会長代理】  筑波大の久野でございます。
 概要全体を事務局あるいは宮脇町長からお話がありまして、事前にこれも見せていただいて、特に追加はないと申しながら、改めてこの場でしっかりと見ていなかったということになるようで申し訳ないのですが、3点追加させていただけるといいかなと思いました。
 1つは、キッズ健幸アンバサダーのところです。学校の授業の一環というところが非常に重要で、イベント的にやる、あるいは、少年団のようなところを中心にやるとスポーツが好きな子供たちしか集まらないのですが、体育の授業でやることによって、嫌いな子供たちも接することができる。
 加えて、講師はオリンピアン、パラリンピアンの皆さんにお願いをしています。今回、メダリストが地方に行かれたんですが、やっぱりライブで見られると子供たちの顔や驚き、このときは車いすラグビーを実体験して、車いすに乗りながら鬼ごっこをする活動が、スポーツ嫌いな子供たちにも大きなインパクトを与えていたなと思います。こういうようなことを都市部は比較的容易に生で見ることができます。将来的に地方にいても、6年間のうち1回は経験できるとすごく意味があるのではないかと個人的に考えております。
 さらに、実は、授業の後に、自分の両親や高齢者、自分のおじいちゃん、おばあちゃんにお伝えして、一緒にスポーツをするというところを日記に書くとシールを貼るという形にしていて、記録をしていきます。一過性のイベントではなくて、これをきっかけにスポーツ習慣を続けていくところまでカリキュラムが組まれているというところが、教育的に見ても非常にいいと思ったと校長先生から評価していただいております。オリンピアンの皆さんがイベント的に各地でやられるのはありますが、持続的になっていくような仕掛けをいろんな形でつくっていくということがポイントではないかと感じます。
 2つ目は、4番の「ゆりはまヘルシーくらぶ」事業の件ですが、これは、湯梨浜町を含めて、4自治体がDXを活用して連携してやっている事業です。この連携する意味は、いわゆる歩数のデータを取ったり、どれぐらい歩けているといった民間のプログラムを活用しているのですが、ICTを使っているので、利用者が多くなれば実はコストが下がるのけど、湯梨浜町の1万人ぐらいの人口だと、利用者数に限界があってコストが下がらないと。それがDXで4つの自治体が連携して、この事業者は、いわゆる一つの自治体の料金という設定をすることによって、全体のコストを下げて事業の持続性を担保するわけです。通常連携というのは隣の自治体といったことになりますが、DXを活用することによって広域の飛び地連携が可能になってきます。それも一つ、この湯梨浜町が先進的にやられているポイントではないかと思います。
 最後は、多分宮脇町長は遠慮されておっしゃっていましたが、グラウンド・ゴルフの発祥の地の中で、グラウンド・ゴルフの一番メインの場所を何回か見させていただいておりますが、ここは、海岸沿いで本当に風景が良く、グラウンド・ゴルフをやっていて、そこを知ったら、絶対一度は一回ここでプレーをしたいと思うような場所です。
 たまたま、福岡県の飯塚市長がグラウンド・ゴルフを整備したいということで、ち相談を受けたときに、湯梨浜町を見たほうがいいということで、見にいかれてすぐ電話があって、すごく感動したそうです。プレーをする場の環境だけを考えていたけど、来たくなるような場所の設定も非常に重要だし、結果的に、市民だけではなく外から人が来ることによって地域活性にもつながるというようなことを、飯塚市長もすごく感動しておっしゃっていて、この辺りが、地域の健康だけではなく、地域活性につながっているいい例だと思い、、そういう点を3点追加させていただきました。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  久野委員、ありがとうございます。
 事業の継続性や地域活性につながる事業を展開しているといったお話だったと思います。
 時間の関係もありますので、ほか2事例あります。2事例終わったところで、皆さんのほうから御意見いただきたいと思います。
 続いて、狛江市についての御報告です。こちらは津下委員の御推薦となりましたが、津下委員が当日御都合がつかなかったといったようなことから、まずは、事務局より御説明をお願いいたします。その後、視察をされた委員の皆様から一言ずついただきたいと思います。よろしくお願いします。
【和田健康スポーツ課長】  事務局でございます。1月12日に東京都狛江市を視察させていただきましたので、御報告させていただきます。
 視察委員は、渡邉委員、勝目委員に加え、三島市の御担当者の方に豊岡委員の代理として御参画いただきました。
 視察の内容でございますけれども、運動の習慣化による健康づくり事業「脳とカラダの元気教室」という内容となっております。
 取組の概要でございますけれども、運動・スポーツの習慣化を図り、高齢者が健康に生活できるよう、インストラクター(ラジオ体操指導者等)の先導の下、認知機能と身体機能の連動性に着目し、ラジオ体操を活用した運動プログラムを実施しているというものでございます。楽しくカラダを動かしながら記憶力や集中力を向上させる運動教室を全6回(月に1回程度)実施しております。活動量計の利用や専門家によるミニ講座を組み入れ、理解を深めながらアタマとカラダを元気にするコツを学ぶという内容になっております。
 視察のポイントでございますけれども、狛江市では日頃から医療・介護等と連携し、様々な分野で運動・スポーツを通じた健康づくりを実施しております。スポーツの裾野をさらに拡大する取組として、高齢者が自宅でも気軽に実施・継続しやすい運動である「ラジオ体操」に着目したというものでございます。
 教育委員会社会教育課(スポーツ主管課)が主体となりまして、健康、介護予防主管課や、狛江市医師会、ラジオ体操連盟等の関係機関と連携し、狛江市スポーツ推進計画の中で掲げる「スポーツ・運動を通した心身の健康づくり」に努めているというものでございます。行政が、医師会・専門医療機関と連携して、患者等も含めた住民の受入先を作ることの参考例となり得る。そういったことをポイントといたしまして、視察をさせていただきました。
 概要は以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、視察に同行いただきました勝目委員、一言お願いできますか。
【勝目委員】  視察の日に行われていた運動プログラムを拝見させていただきましたが、ほぼ満員で、参加者のモチベーションも非常に高い様子が見てとれまして、単なる身体の健康増進にとどまらずに、コミュニティへの帰属意識とか参加感も得られ、心の健康にもつながっていると感じました。
 あとは、司会進行や講師の方の熱意やスキルが非常に高く、それも参加者の満足度につながっていると感じました。
 2つ特徴があるなと思いまして、1つは、地域で行われている既存の取組につなげることで、一過性に終わらせない工夫をされているなというところです。例えば、地域の体育館の運動指導員を講師に招かれていて、その体育館で通年行っているプログラムを講義の中で紹介することによって、この講義が終わってもその体育館に行こうと思えるような工夫がされていました。
 もう一つが、初年度とは思えないほど、非常に複数にわたる関係機関と連携されている点です。行政だけにとどまらずに、民間のリソースを非常にうまく生かされているということが印象的でした。これは医師会の幹部の方がプログラムの作成に非常に深く関わっていられるということで、かなり属人的な人脈などのリソースによっているものではありますけれども、こうしたキーマンを見つけるということが、一つ、こうしたプログラムを成功させる要因になるのかなと感じました。
 課題感としましては、市が主催する80人向けの講座としてはややオーバースペック、すごく豪華だなというところもありましたので、今後継続する上では、例えば、もう少しリーチできる人を増やすとか、低コストで運用するための工夫が必要だと思いました。
 今回のプログラムに関しては、コスト高ではあるものの非常に優れていて、参加者の方たちの満足度も高いものだなというのが全体の印象です。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 部会長の渡邉ですが、私も同行させていただきまして、本事業に関しましては、行政、地元の医師会、あるいは大学病院、あるいは看護大学、さらには、ラジオ体操連盟等々との連携がうまく図られていたと。そして、ここの教室で受講された方が、市内のほかのプログラムにもつながっていくような創意工夫があったというのは、これは評価に値するかなと思います。
 ただ、一方で、これはあくまでも補助事業として行われています。来年以降のお話を聞いたところ、継続するかどうか、当然そこには予算措置が必要になってきますので、ここがまず未定だといったお話でございました。したがって、やはり事業の継続や拡大といったもの、そして、基本にあります狛江市のスポーツ推進計画との連動性、こういったところに今課題を残しているのかなと思います。
 属人的という言葉がただいまございましたけれども、地元の医師によるいろんな人脈をうまく駆使して、この事業が成り立っているわけです。そこにいろんなステークホルダーが関わっているわけですから、これから地域の推進のプラットフォームを、これをきっかけにしっかりつくっていって、地域のスポーツ推進計画をうまく連動させながら、住民が一人でも多く健康になるために、スポーツ・運動を実施できるような環境整備が必要かなというふうには私は感じました。
 最後になりますが、御推薦いただきました津下委員、一言お願いできますでしょうか。
【津下委員】  ありがとうございます。
 推薦したのは、医療側の立場から見て、どうスポーツ現場とつながっていくかという視点で御紹介させていただきました。
 狛江市の医師の染谷先生は、御自身が健康スポーツ医で活動されているんですけど、なかなか自分の医療機関だけではできない、継続性が担保できないとか、いろいろな課題を感じておられました。実際、医療機関の中でやれることとしては、動機づけ、側方支援ぐらいしかないわけで、実際に運動する場につなげていかないと継続率は上がらないということが悩みでありました。
 健康スポーツ医の医師会の活動の中で、地域とつながっている事例や、行政でやっていることがどんなことがあるのかということを研究されました。また、専門医療機関や運動指導者ともつながっていって、患者さんを必要に応じてそちらの場へつなげていくことから始まっています。自治体の運動プログラムについても、患者さんが安心して参加できるようにどうしたらいいんだろうというような観点で働きかけをしているということと伺っています。まずは自治体としても打ち上げたところはすばらしいなと思うので、これを何とか継続してほしいと考えています。
 また、この活動については、日本医師会の健康スポーツ医学の再研修会で、約800名近くの医師に視聴していただくことができました。これが狛江市だけの取組ではなく、各地で広がる可能性も秘めていると思います。健康スポーツ医とかスポーツドクターって結構数はいるんですね。だけど、十分に活動できていない、地域とつながりが持てていない、ほとんどの医師はそう思っています。そういう中で、こういう活動の事例を知り、医師自身も資格を持っているだけでは駄目よ、アクションして地域に出向くことや、患者さんから情報を聞くことも大事ですよというようなメッセージを医師の中でも伝えられる事例としては、参考になるのかなと思いました。
 狛江市だけではない展開を期待しているところです。
【渡邉部会長】  津下委員、ありがとうございました。
 豊岡委員の代理ということで、三島市から池田さんも視察されておりますが、何かコメントございますでしょうか。
【豊岡委員】  今、両委員からお話があったようなことを含めて聞いているところでございますけれども、私が思いますに、やっぱり今お話ありましたように、属人的にされているということで、継続性であるとか、あるいは、今後もっと広がりを持たせるためのプラットフォームをどう整備するかというところにも課題がおありかなというふうに感じたところでございます。
 しかし、こうして熱心に取り組んでいらっしゃるわけでございまして、大変参考となったところでございます。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 続いて、最後の報告となりますが、電設工業健康保険組合、こちらにつきましては、小松原委員より御推薦をいただきましたので、まずは小松原委員のほうから概要の説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【小松原委員】  健保連の小松原です。よろしくお願いいたします。
 1月19日に、渡邉部会長をはじめ、勝目委員、宮脇委員と私、小松原4名で視察に行ってまいりました。
 電設工業健康保険組合の設立は昭和34年ですが、視察した施設は、平成5年に設立されました。総合健康管理センター「へるすぴあ」という名称になっておりまして、各種健診のみならず、健康相談、体力・健康づくり等の保健事業の推進拠点として設置されています。
 主な事業実施ですが、水泳教室をはじめ、ゴルフ教室、各種健康づくり教室、また、健康フェスティバルといったものを、健保組合の加入者向けに実施しています。
 今回の視察のポイントですが、健保組合の加入者のみならず、地域にもこの施設を一部開放していること、子供から大人まで幅広い年代を対象とした各種スポーツ教室等を年間を通じて提供していることです。
 主な成果・工夫ですが、
 冒頭申し上げたとおり、健診センターと併設になっていますので、健康診査や健康相談と体力・健康づくりがシームレスで一体的に実施することができるという特徴があります。加入者がスポーツの習慣化を意識しやすい環境が、提供されているということです。
 また、健保組合の加入者のみならず、地域住民の方にも施設を開放し、子供ルーム等も設置して、子育て世代を含め、子供から大人まで幅広い年代を対象としたスポーツ教室を開催し、住民のスポーツ実施機会の提供にも一部貢献しています。
 最近では、全国展開している民間スポーツ企業が数多くあり、質の高いプログラムが色々な所で提供されています。この保険者では、地方の加入者もいらっしゃいますので、全国の民間スポーツ企業、フィットネスクラブ等とも提携して、加入者に運動・スポーツができる環境を提供しています。
 課題といたしましては、2点あると思っております。
 1点は、健康・体力づくりを健保組合として積極的に取り組んではいますが、利用者がどれだけ健康になったのかといったエビデンスがないということ、また、医療保険者として、健康・体力づくりが医療費抑制等にどう効いているのかといったところも見えてきておらず、効果検証が十分にできていないという悩みがあるということです。
 今後は、健診データとレセプトデータとの突合等も含め、電設工業健保組合でも努力をしていきたいということでしたが、なかなか一保険者で効果を示すというのも困難であるということから、国の力も借りたい、また、アカデミアの先生の協力も仰ぎたいということでした。
 2点目は、地方自治体との連携というところで、この施設は板橋区にありまして、板橋区のスポーツ施策と合致する事業は多々ありますが、公的医療保険者の施設をどこまで民間に開放していいのか、税制上の問題を含め色々な制約があるということです。電設工業健保組合としては地域にも開放していきたいが、限界があるという話でした。
 私からの説明は以上になります。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、ここにも勝目委員が同行されましたので、一言お願いしたいと思います。
【勝目委員】  もう小松原委員がおっしゃったことで、ほぼ全てかなと思います。
 実際に伺いまして、非常に多岐にわたる運動施設や質の高いサービスを特に低価格で提供されていて、あと、非常に管理が行き届いていて、とてもきれいで、施設を利用する人たちの満足度は非常に高いだろうということがうかがえました。
 ただ、そうなると、どうしても地理的な要因で利用できない組合員の方の不公平感が出るのではないかというふうに感じたんですけれども、その点は、お住まいの地域の民間スポーツクラブを低額で利用できるようにするなど、不公平感が出ないような工夫もされておりました。
 一方で、維持管理費、利用者1人当たりの運営費が若干高くなっているということで、利用者を増やしたいという課題があるということでした。地理的に利用が難しい組合員ではなく、非組合員や地域住民の方を増やすことも可能性としてはありますが、実行に移すにはいろいろと健康保険組合の制度上の縛りがあるということで悩んでおられました。
 その点は、健康保険組合の健康増進施設に関する規制がもう少し緩和できないものだろうかと感じました。スポーツ施設、運動施設の公共的価値というのを、もう少し広く見てもいいのかではないかと思いました。そういった施設のもたらすメリットは健康増進はもちろんですが、その施設がその地域にあることによって、例えば、その代わりに、空き地だったりとか、駐車場だったりするよりは、スポーツ施設があるほうが、利用しない人でも、その地域に住んでいる満足度が高くなるとか、そういったことがあるのではないか。こういった施設が運営費のコスト高で閉鎖してしまうよりは、何らかの形で存続させるために、外部効果、外部経済的な価値を測定するみたいなことがあっても、公的支援につながりやすいのかなとは感じました。
 抽象的な話になりましたけれども、以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 宮脇委員も御同行されました。一言お願いします。
【宮脇委員】  ここは私も伺いまして、びっくりいたしました。というのは、健康診断関係については、肉体的な面ですね。そっちのほうはMRIや、CTや、そういった器具をきちんと備えた上でなさっていますが、驚いたのはメンタルの面です。心の健康の問題についても対応できるようなことをやっておられるということで、驚きました。
 それと、もう一つは、そういうことが可能な施設ですから、ドック的なものを多く受けられる方々、板橋区と連携してもあると思っていますし、そういう方たちのデータを蓄積して、アドバイスも提供しながら健康づくりを進めていくということも、この施設だったら可能だなと思って拝見したところでございます。
 私の町でも、やっぱり高齢者の介護状態からの回復、フレイル対策などを進めるという観点から健康づくりを始めてから、トレーニング機器等の導入を公民館の中にいたしましたけれども、本当に羨ましい状況です。ぜひその域まで国のほうで高める取組をしていただき、御支援いただければいいなということを感じていたところでございます。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 私も同行させていただきました。今、皆さんの発言のとおりでございます。
 私、1点思いましたのは、この組合のこの施設、非常に内容的には、御報告のとおり、すばらしいなと思います。組合健保というのは、全国で1,387あるそうです。ただし、全体の60%が財務状況的には赤字だと。組合の解散というのも少しずつ増えてきている。ただ、一方で、被保険者とその家族を合わせますと、およそ3,000万人、全国民の4分の1ということになります。
 したがって、スポーツ庁が進めるSport in Lifeというものを考えたときには、これはスポーツ庁、厚労省と、さらには、こういった健康保険組合の連合会、要は、点ではなくて面で日本地図を考えていただいて、いろんな取組ができるのではないかなというふうに感じました。
 ただ、私自身、実態がよく分かっていないので、表面的な話しか今できませんけれども、これから少し組合の関係も勉強させていただいて、何か施策としてできることがあるのではないかと考えますので、また考えたところを発表させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
 それでは、3つの事例を今報告させていただきました。こうした事例を積み重ねながら、仮の名称で言うと、ガイドラインをつくって全国に普及・展開していくということになりますけれども、今3つの事例を皆さんのほうで聞いていただいたところで、御意見があればいただきたいと思います。どなたでも結構です。挙手の上、発言をお願いいたします。
【藤田委員】  藤田ですが、よろしいでしょうか。
【渡邉部会長】  よろしくお願いします。
【藤田委員】  非常に関心を持って報告を聞きました。
 2つ目の狛江市のことでお伺いしたいことがあるんですが。連携を地域でしてスポーツを推進していくというのは、第3期の基本計画の中でも課題となっていることなんですが。実行委員会を組んだりとか、あと、行政の教育委員会と健康、介護予防の主管課が連携できているというふうになっています。これができるのがすごいなと思うんですけれども。ともすれば予算取りのところから尻込みがあったりとか、仕事を増やしたくないとか、いろんなことがあって、連携というのがなかなか難しいところがあると思うんですが、どうしてこれがうまく連携できたのか。現場レベルでは属人的なという言葉もございましたが、どうしてこのネットワークとか連携がうまくいっているのか、できたのかというところを知りたいです。
 あと、この予算は、どの課の予算でやっているのかということを教えていただければと思います。もしかしたら市長さんなんかのリーダーシップがあったのかなとか、いろんなことを想像するんですが、実際はどうだったのかなというのを知りたいです。
 あと、もう一つなんですが、自治体の報告のときに、できれば人口規模であるとか、高齢化率であるとか、その辺を一つ一緒に報告していただけるとイメージがしやすいかなと思いました。
 以上です。お願いします。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 2点目の市政概要的なところは、これからつけていただくようにお願いしていきたいと思いますが、まず1点目の質問について、事務局のほうで御説明できるところをまずお願いしたいと思います。
【和田健康スポーツ課長】  どこの予算かということについて御質問がありましたが、スポーツ庁健康スポーツ課の運動・スポーツ習慣化促進事業の予算を使ってということになります。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  藤田先生の質問に、私の聞いた話の感想をちょっと述べさせてもらいますと、国の補助金があるからこの事業がうまくいったようなところも実はあるようです。ただ、根っこのところは、津下委員おっしゃったように、染谷先生という方がいらっしゃって、いろいろお医者さんの立場から、どうやって住民の健康増進を行政と一緒につながって進められるかといったところがきっかけだと思うんですけれども。要は、財源的な話をしますと、国の予算がついているから、それにマッチアップするような感じで、多分市の予算がつくんです。それでこんな事業が展開できていくと。
 ただ、来年度に関しては、国の予算がつくかどうかまだ分からない。したがって、この事業を継続するかどうか分からないといったのが担当者のお話だったかなと思います。ですから、私はさっきそこが課題だなといった発言をさせていただきました。
 藤田委員、これ以上の細かいところは多分分からないんですが、今の回答でまずはよろしいでしょうか。
【藤田委員】  分かりました。また深掘りできれば、お願いしたいと思います。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 津下委員、お願いします。
【津下委員】  補足でよろしいでしょうか。
 渡邉部会長おっしゃったとおりなんですね。患者さんの健康状態改善のために、地域で運動ができる環境づくりを進めたいと思っているドクターたちがたくさんいます。ほかの地域の事例なども健康スポーツ医学委員会の中で共有することができて、こんなことをやれているということを知ったということと、あと、スポーツ庁の運動習慣化事業とか、そういう情報をいろんな部局に持っていって、これをやればいいんじゃないのみたいな話で進んで行くケースがある。地域の医師会はいろんな自治体の部局と関わっているんですよね。健康だけではなくて、保険者とか、介護とか、いろんなところに関わっていて、スポーツにも関わっている。学校医としても関わっているということで、いろんな部局に、横のつながりとして機能する可能性がある。行政の外側にあるところが、それぞれいろんな課とつながれるというところで行動されたというように伺っております。
 この事例は、染谷先生個人のご尽力は大きいですが、こういう医師とか医師会という特性というのは、共通しているところがあります。どこの地域でも情報が集まってきて、群市医師会単位で動ける形になっていけば、もっとスムーズに動いていくのかななんていうことを感じているところです。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 ほかの皆さんはどうでしょう。
 北出委員、お願いします。
【北出委員】  ありがとうございます。
 視察の委員の方々、大変お疲れさまでした。拝見しまして思ったのは、本当にこの3つとも大変すばらしい取組かなと感じました。
 ただ、皆様が問題点として挙げていらっしゃるのは、コストをどうするか。最初はいいですけれど、やっぱりそこから継続するのをどうするかというのが大きな問題になっているかと感じました。
 先ほどの御質問とちょっと関係しますけれども、やはりwin-winになる施設を取り込んでいくということが非常に重要かと思いまして。私も津下委員のお考えに賛成なんですけれども。例えば、先ほどの2番目、3番目もそうですけれども、健康スポーツ医、スポーツドクターは非常に多いんですけれども、アスリートがそんなに多いわけではないので、アスリート外来をするといっても限りがありますし、どうやって地域に貢献するかというのはなかなかできなくて、むしろ悩んでいる医師も多かったりしますし、あとは、例えば、地方の病院でしたら、やはりいかに地域貢献して、患者さんに来てもらうということも目的にしていると思います。
 それ以外にも、アカデミアであれば、データの収集と報告ということもありますし、民間企業であれば、スポーツの用品を使ってもらったりですとか、例えば、スポーツクラブとかの出張のイベントをやったりとか、いろんなコラボができるのかなと考えているんですけれども。
 その中で最も重要なことは、もしかすると、2番目の施設で、狛江市だと思うんですけど、高齢者の認知機能と身体機能の連動性に着目されたのは本当にすばらしいと思うんですけど、そのデータが出れば、そして、さらにそれがビッグデータになれば、とても強いアピールになるのではないかと考えております。そうすると、やはりその地域のところだけではなく、本当にスポーツの健康に関するすばらしさというか、効率が効果的なところがよくアピールできるのかなと思いますので、やはりいろんなところに関与してもらうということは大きいのかなと感じました。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 いろんなお話を聞いていますと、やはり人、施設、プログラム、財源、こういったリソースをいかに融合させて事業が展開できるかというところが肝になってくるんだろうと。
 北出委員がおっしゃるように、やっぱりデータというものをビッグデータ化していく。あわせて、そのエビデンスというものをしっかりと捉えていく。それをその事業に展開させていくというところ、これをやはり健康スポーツ部会としては、重きを置いて進めていかなければいけないかなと思って聞いておりました。
 豊岡委員、お願いします。
【豊岡委員】  今、部会長がおっしゃることと全く同じなんですけれども、3か所ともすばらしい取組をされているなというふうに伺ったところでございますけれども、特にエビデンスの面で、例えば、湯梨浜町の場合には、教育委員会のほうで担当されていて、例えば、介護認定率であるとか、あるいは、後期高齢者の医療費がどうなったかという点は、そういったところのエビデンスまで網羅して検討していただいているとすばらしいなと思うんですけれども、そういう点で、教育委員会で所管していることについて支障はなかったかどうかなということでございます。
 もう一つは、健保組合のほうは、これこそまさに健診データとリンクして、そして、実施した後のエビデンスを取っていただけないかなというふうに強く思ったところでございます。私たちが市民の皆さんにスポーツ実施を高めてくださいと言ったときの説得力になるのはエビデンスですね。
 それで、例えば、私どもの地域は糖尿病が多いんですけれども、国民健康保険のデータによって皆さんにお話をしているわけでございますけれども、そうすると、やはりたくさん歩くと糖尿病の血糖値が下がってくるというようなこともありまして、そうしたデータでもって市民の皆さんにお話をしたり、それから、着実に私どものまちでは、後期高齢者の医療費が、10年前にはかれこれ1人当たり年間80万円を超していたんですけれども、現在では70万円ちょっとぐらいのところまで下がってきているんですね。これがスマートウエルネスの取組をしていった成果かどうかというのはよく分かりませんけれども。いずれにしましても、しっかりとしたエビデンスが必要だなと思っておりまして、そうしたベースでもって、また今後いろいろと御指導いただければと思っています。
 それから、議会からも常に費用対効果を求められるわけですね。そのときに、健康づくりの施策についてエビデンスがあれば、しっかりと議会でも説明できて、予算を確保する上でも非常に大事になるわけでございますので、今後エビデンスベースの取組がすばらしいところがありましたら、ぜひ御紹介いただいたり、御指導いただけたら幸いに思っているところでございます。
 少し長くなりましたが、以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 ほかにもあろうかと思いますけれども、一旦議事の進行に移らせていただきたいと思います。皆さんのほうからの御意見等は、次の議事が終わった後に、またお受けいたしたいと思います。
 それでは、議題(3)、「目的を持った運動・スポーツの実施について」に移りたいと思います。本議題につきましては、まず室伏長官より御説明いただきまして、その後、事務局より御説明と伺っております。
 それでは、室伏長官、よろしくお願いいたします。
【室伏スポーツ庁長官】  ありがとうございます。
 今回、大変貴重な機会をいただきましてありがとうございます。また、現場視察、ヒアリング等、大変充実した3件をやっていただきまして、運動の効果というものが随分あるなということで、委員の方には直接御指導いただいて、それぞれ大変すばらしい内容だったと思います。ありがとうございます。
 私のほうからは、この目的を持った運動・スポーツ実施についての取組ということで、今日、テーブルの上にもなぜか飲物が3つあるんですけれども、皆さんで、たまには、無理なことはさせませんので、オンラインの方も何かお手元のものとかを使って一緒に少し体を動かしてみようかなと思います。部会長、よろしいですか。
【渡邉部会長】  はい。お願いします。
【室伏スポーツ庁長官】  私がアスリートだからといって、そんな無理なことをさせることではありませんので、途中で幾つかちょっとやってみようかなと思います。
 それでは、早速、副題として、目的を定め、心身に多様な変化を与えるということで、本目的は、運動効果を最大限引き出すために、目的を持って運動を行うということが大切だということです。
 また、長く飽きさせないように、これは先ほどいい運動をやっていましたような、飽きさせないで、長くスポーツに親しんでいただくにはどうしたらいいかということで、そのためには様々な多様な変化、刺激を与えていくということを継続して、最初はいいんですけど、今度飽きてくる。これが一番の問題で、これをどう取り組んでいくかということで、これをクリアすることが大切だと思いますので、お話させていただきたいと思います。
 皆さんにはもう釈迦に説法の話になってしまいますが、運動・スポーツというものは、今現在、こういったコロナウイルス感染症の影響によるストレスや、少子高齢化、社会変化に伴う現代の課題として、家に閉じ籠もってしまって、テレワークなどの増加で運動不足、こういうことがあり、医療費が年々増大している。こういうものに対して、スポーツは貢献できるということで、健康増進のために、運動・スポーツが求められる理由となっております。
 スポーツ庁では、今、泉委員のほうからありましたが、週1回のスポーツ実施率を調査していき、できるだけスポーツに参加していただくことが健康に結びつくということで、現在ちょっと落ち込んでしまって56.4%ですけれども、こういう状況になっています。
 また、調査をしておりまして、エビデンスの話もありましたけれども、様々な運動が健康にいいことは示されている。エビデンスはこれからも大事だとは思いますが、もう十分分かっている。しかし、なぜできないのかというところもあるかと思います。これはスポーツ庁の調査では、仕事が忙しいとか、面倒くさいとか、若い女性の運動実施率が低いとか、こういうことを調査もしながら、ターゲット別にそれを丁寧に、これを施策に落として取り組んでいこうということでやっております。
 Sport in Lifeプロジェクトということで、これもぜひどんどん浸透していくように、先ほどありましたSport Lifeとか、inが抜けてしまったら困るということもありましたけれど、これを立ち上げたものが、オリンピック・パラリンピックのレガシーとしてもそうですけれども、浸透していきますように、このロゴもどんどん広まって、数も大事ですけれども、バリューをどう高めるかということも大切なことかと思いますので、これは皆さんの御指導をいただきながら進めていくということになります。
 先ほどから予算の話もありましたが、運動・スポーツ習慣化促進事業という事業もやっておりまして、ここでは運動・スポーツは生活習慣病予防や介護予防に加えて、こういった様々な疾患、病気にも効果があるということも分かっていますし、これを効果的に、地域の体制の整備も含めて、まさに今回の事業がそういった事業に入るかと思いますが、健康づくりのために運動・スポーツを習慣的に実施するための取組を支援ということで、こういうことをしてきました。
 このように、そういう中で我々は週1回の実施率を70%にすることを目標にしようとして、まさにやろうというところなんですが、今ここまで話して、一体どのような運動をどこまでやるかということは、行政の立場なのでということはあるのかもしれませんが、もう少し、本当にその現場でやる人のことを考えた施策を考えた場合、どのような運動を行うか、その方法や目的を明確にした、サイエンス・ベーストな運動提案が必要となるのではないかということと、また生涯かけて長くスポーツや運動に親しむためには、同じような運動をずっとやるというよりは、様々な変化を持たせて刺激を与えるということが大切ではないかと。こういった点をもう少し丁寧にやっていく必要があると思います。
 右にありましたけれども、目的を定め多様な刺激を与え、変化を与えるというところが大切かと思います。そもそも人類は、氷河期も乗り越えたというのはありますけれども、本気を出すと様々な能力というのが実は眠っていて、こういったものが運動や刺激によって進化してきたケースはもちろん御存じだと思いますし、また、運動を全くしないと、衰えてしまう。例えば、ずっと家にいて寝たきりになってしまえば、1日で3%程度筋量が減っていってしまう。萎縮していく。使わないものは、刺激を与えないと衰えるということが確実に起こる。ですので、いろんな様々な刺激を与えていくということが、偏らずに刺激を与えることにつながり、また生涯にわたり、スポーツ・運動に親しみ、健康増進、こういった様々な刺激を与えていくことが、well-beingにもつながっていくということで、下のほうにありますけど、スポーツ、エクササイズに関係する心身の要素というものを分けて考えていく。
 一見ちょっと難しいかなと思う方もおられるかもしれませんが、こういったリテラシーを高めていくことも、運動する側にとって大切だと思います。実際にこの後、少しやってもらいます。
 どういうことかと言いますと、いきなり健康のためにスポーツをやる、部活動、競技スポーツ、日頃の労働や日常生活とありますけれども、いきなりそこにいく以前に、やはりこういった筋肉や骨格系、これはハード、ソフトだと神経系、呼吸・循環系、内分泌系・代謝系、メンタル系、こういうふうなものに支えられていて、こういうものが逆に向上しないと、スポーツ自体も楽しめなくなってくる。すぐ息を切らしてしまって、日常生活にも支障が出たり、メンタル的にも疲れてしまう。
 ですので、競技スポーツもそうですね。こういう目的別にちゃんとトレーニングしているかというと、していないケースもあって、例えば、100メートル速くなるのに10本も20本も走りなさいとやった場合、これは短距離の練習ではなくて、これはもう循環器系、持久力のトレーニングになっているとか、こういうケースもあって、何の運動をどうするかというリテラシーがあって、その上で、こういったものが、ICTの話もありますけれども、今、脈拍だとか歩数計ぐらいはありますけど、これに応じたいろんなセンシング技術も発達してくると思います。こういうものを軸にしてやっていくことが、心身を支える要素がそもそもあるということです。
 もう少し詳しく説明すると、筋・骨格系の向上は、筋肉・骨が丈夫になるということですね。逆に、筋肉・骨を丈夫にしたければ、やはりこういった運動器系に刺激を与えるということが大事だということで、神経系の向上は、バランスや姿勢の向上、柔軟性や機敏性とかですね。持久系の改善は、呼吸・循環、内分泌・代謝になりますけれども、心肺機能の向上、持久力の向上となる。メンタルのほうは、リラクゼーションだとか、集中力を向上させることにつながる。、こういうふうに、それぞれの目的によって効果が異なるということです。
 実際に次、ウォーキングということで、早速、説明だけだとあれですので、少しよろしいですかね。皆さんももしよければ、ちょっと立ってやっていただければと思うんですけれども。ありがとうございます。
 例えば、8,000歩を歩こうと言って、普通に歩くだけでももちろん効果はあると思うんですけど、例えば、足腰を鍛える、筋肉を鍛えたいのであれば、ちょっと姿勢を低くして、ゆっくりこうやって歩いていく。もう本当に重心をゆっくり、能の動きみたいに。片脚の時間をできるだけ長くしてください。歩行というのは8割が片脚です。なので、片脚になる時間をできるだけ長く、じんわり、じんわりやっていく。
 ちょっと重心を低めにすると、足がちょっと浮きますよね。できるだけゆっくり。そのとき、姿勢が前になったりしない、真っすぐしてやっていくと。片脚のところをできるだけゆっくりやっていく。
 今のは筋骨格系ですけれども、今度はちょっと構えていただいて、ちょっと速く、交互に足を速く足を動かす。例えば、今、速くやるということをやりましたけれども、もちろんリズムとか、ゆっくりやる、速くやるとか、いろんな要素があります。
 あとは、私がやっている新聞紙を丸める運動なんかもあって、これは、皆さん、握力を鍛えたいという場合、まずグーパーグーパーをこうやってずっとやってください。じゃ、今から100回やりますとやると、ちょっと気合を入れないといけないし、大変な感じしますよね。それを、新聞紙1枚を取ってもらって、丸めていきます。自分の手のひらで、片手だけで。女性は半分ぐらいでもいいかもしれません。これはアスリートも結構きついと言って、腕の筋肉もぱんぱんになります。これはまさにDual課題ですよね。同じ形に一回もならないので、結構これはやりたくなっちゃうんですけど。ゆっくりやってください。指の動きも一回も同じような動きにならないし、なので変化があるので、さっきみたいに繰り返して何回やりなさいという強制されることもなく、自然と。
 両手でやったり。こんなようなことで、これも神経系と筋トレにもなりますし、こんなようなことを工夫すればできる。
 次に、有酸素運動で私がいいと思うのは、ペットボトルなんか持ってもらって、例えば、歩行をやるんですが、その前に、物を上げるって上に押しますよね。こうやって押すんですけれども、これを歩行しながら、引くほうだけを意識すると、楽に勝手に上がるんですよ。足踏みと一緒にこうやってもらって。引くと、勝手に逆側の手が上がりますね。これ、ナンバになるといいです。
 今度はまた違うのでやってみましょう。小さく、細かく。これは手を引くんですけれども、押すほうを意識すると勝手に逆側の手が上がっていく。みんな重いものを上に上げると思っているんですけど、片側を下げると逆側が上がっていく。これも一所懸命こうやってやると重いんです。私はやったことないんですけれども、牛の乳絞りみたいに、逆に握って下に押すんです。そうすると、勝手に上がるみたいな。これは拮抗筋が働いて引っ張る。下に握って押せば楽なんですけど、こうやって上げると引きつってきて、肩が痛いみたいになるんですけど。これを繰り返せば、有酸素の運動になります。みんなでやって、オンラインでもみんな今一緒にできましたし、簡単なものを使ってできます。
 メンタルも、みんなで散歩して歩くというのもあるし、あと、私がよくやっているのが、手のひらの中心をおへその下3つぐらい持って、丹田のところに手を当てて、反対側もその上に乗せて、目をつむって眉間のしわが伸ばされるというか、目と目の間をリラックスして、じっと丹田のほうに意識を集中すると、すごく鎮まりますよね。この状態で歩くとか、静かな状態になったりとか、今すごい運動しましたけれども、今、それで歩いてもらってもいいですけれども、ちょっとした工夫で、一瞬にして、今5分で筋肉に刺激する運動もやって、モータルコントロールの運動もやって、有酸素の運動もやって、メンタルの運動もやるみたいな形で運動できます。
 というように、今、工夫ということでやりましたけれども、これをもうちょっといろんな展開をして、もっといろんな有酸素があるし、いろんな筋トレの仕方も無限にあるし、こういうのはそれぞれがどんどん編み出していくと、かなりいいかなと思います。一緒にやっていただきましてありがとうございます。
 
 また資料に戻りたいと思います。
 さっきの筋トレでも、ゆっくり片脚の時間を長くというのは、一番左にありましたけど、壁をぎゅっとゆっくり押すアイソメトリックストレーニングもありますし、やり方は無限にあるというところだと思いますが、歩くという最も単純な運動でも、工夫するとこれだけ刺激を与えられます。また、オンラインでも今はできます。これが良ければ、全国で一緒にやってあげたいなと思いますけれども。
 次、さらに、これは今言った筋・骨格系、神経や、呼吸・循環系もそうですし、メンタル、スポーツにはいろんな目的があって、健康でいたいということはもちろん当然ですけれども、ボディメイクなんかも最近ありますし、メタボ予防も当然そうですし、認知症予防とか、ここにはいろんな目的があって、どれも運動の効果として、ここにもありますとおり、目的に応じた運動・スポーツの実施によって得られる効果というのは、それぞれやはり異なるので、それを理解して、どの運動をするとどういう効果があるということを理解してやることが、より効果的になると思います。
 さらに次のページですけれども、いつどんな運動、これはスポーツから来る大事なスケジューリングですね。例えば、月曜日から日曜日まであります。月曜日は3番をやろう、火曜日は1番をやろう、水曜日は2番をやろう、木曜日はちょっと休もうと。休む話が全然この健康スポーツ界にはなくて、休み方も研究されているわけですから。また3番をやって、4番はリラックスしてとか、パターン2は、仕事が忙しい人は週末集中型で、Rest、体力系、Rest、体力系、Restで、筋トレは週末やろうとか、そういうスケジューリングなも考えられる。ライフステージに応じてやっていく。
 さらに、1日に2つ選ぶと、こういうことにももちろんなって、体力系をやった後に筋トレやろうとか、木曜日は完全に休もうとか、こういった一週間にどういうスケジュールで何を入れていくかということも、サンプルとしてあると、しかも、毎日これを8,000歩必ず歩くんだというよりは、それももちろん大事なんですけれども、いろんな刺激を与えていくほうがよくて、何とかこういう形でみんなが続けられるようなことをやっていくといいかなと思います。
 次ですけれども、これは厚生労働省の調査ですけれども、身体の自覚症状や違和感ということで、腰痛、肩こり、これが男女ともにトップ2にある。肩が痛い、腰痛になって、ちょっと違和感があると病院に行って、なかなかここは湿布を貼って取りあえず見てみましょうということで帰ってくることも多くて、スポーツ側からすると、ここは大きく貢献できるところで、運動器に対する運動療法というところですね。
 こういった一つの例ですけれど、スポーツ庁でも、こういったセルフチェックですね。自分の身体の状態を調べるようなことは推奨してやっております。こういったものもぜひ活用していただきたいと思います。
 皆さんにもやってもらってもいいですけれども、両方の手を腰に置いてもらって、ひじはちょっと前に出して。身体を傾けずに、これは鏡を見ないと評価が難しいんです。首を傾くかどうか、あとは、ちゃんと回るかどうかとか、回らないなとか。回らなかったり傾けないのに無理に運動をすると、けがをしてしまったりということがある。あとは、野球選手なんか、肩甲骨にどっちが触れるとか。年齢等で難しくはなるんですけど、ただ、若い子で、全然触れないのに投げてしまうとかいうこともあったりするので、いろんな障害予防にも使ってもらえるようにということでやっています。
 11項目ありますので、またこれは見ていただければと思いますけれども、点数化されています。
 こういう運動器をチェックする方法というのは、FMSという、器具を使って専門家がやるものがあったりもするんですけれども、今回、このセルフチェックは、専門家と同じだけのスクリーニングができたという研究論文が出ていますので、こういうものが普及していくと、本当にリテラシーも高まるのではないかと思っています。
 また、以前もお見せしましたけど、50点満点のうち、どんどん点数が下がっていくと、運動中の痛みの強さがどんどん増していくということで、機能が悪いほど運動中の痛みは強いということで、こういったものを運動療法でやっていく必要がある。
 スポーツ庁では、この痛みの研究を基に、点数ごとに青、黄色、赤と色づけしています。赤は気をつけながらやってください、チェックして改善してくださいということですけど、こういうように分かりやすく、先ほどの痛みのデータを基に、こういった点数化することをやって、後から説明ありますけれど、今これはオンラインで受講できるようになっていまして、これでオンラインでやったという証明のものをもらって、こういうものは、例えば、トレーナーの人とかに使ってもらう、こういうこともできるかと思います。
 これは改善運動ですけど、それぞれに対応した運動器の改善運動があります。これも、今日はちょっと時間がないので飛ばさせていただきますけれども。
 改善運動をすると、まずその場で点数がweek1bで上がり、2週間、1日置きにできないところを2セットやるだけで、week2で点数がこれだけ上がっていくと。
 さらに、最初にあった痛みも、この研究では、みんなもうなくなるということで、スポーツすれば健康になるというのは、いろんな条件があり、やはり健康にスポーツするということも大切ですので、こういった運動療法によって痛みを軽減することも、医療費削減や、安全に運動できることにつながると思います。
 これはまだ公開していない、これから発表する研究なんですけど、400名の80歳までの方を測定したところ、こういう形で、年齢とともに運動器の機能というのはどんどん下がっていっているのが分かると思いますが、特に30代から35歳、40歳あたりがすとんと落ち始めていってしまうという傾向があるのが分かると思います。ですので、できるだけ早い段階から運動を適切にしていくということも、このカーブを落とさないということも大変重要なことだと思います。
 下が日常生活レベルで、上に行けば行くほど体力が高いとして、体力の定義というのはいろいろあるとは思うんですが、あまりこういったぎりぎりのところでの体力というよりは、余裕を持ってやることで、日常生活も楽になりますし、スポーツも楽しめない、孫とも遊べないというふうになっていってしまうこともあると思いますので、やはり心や身体、体力に余裕を持たせるということが、QOLの向上にもつながってくるはずだと思います。
 最後になりますが、健康診断等での健康ももちろん大切ですけれども、Well-beingということ、健康診断の健康と、それだけではなくて、さらにこういった心と身体を健康にしていく。それがやはりスポーツの可能性で、こういったエクササイズやコンディショニングに関する研究も、現在スポーツ庁でさせていただいていますけれども、こういったものにつながると思います。
 また先ほどの最初の図ではないですけれども、それぞれの4つの項目がありました。こういった具体的な目的と目標を持った施策、様々なバリエーションを持って取り組んでいこうという雰囲気が重要です。ついつい、できないからもっと同じことをやらせるみたいな、ちょっと強制的に、先ほどの新聞紙の話ではないですけれども、100回やりなさいと言われなくても新聞紙を握るだけで皆さん、100回以上握ったわけですね。というように、自然とできるような形で現場に落とし込めていけば。
 これに関しては、啓発をどうしていくかということも含め、課長からも話がこれからあると思うんですけれども、対象者としては、いろんな健康・スポーツ指導者や、SILもそうですね。エールカンパニー、大学、地域スポーツ、体育。体育の授業って先ほどもありましたけど、やっぱり教育というのは本当に大事だと思いますし、パラスポーツ、フィットネス関係も、何を目的にしているかというのをしっかりしていくことが大事だと思いますし、あとは、世の中に普及していく。教材やSNS、民間のメディアも含めて、こういう形で取り組んでいければと思いますが、先生方のアドバイスをいただいて、また進められると思います。
 ありがとうございます。
【渡邉部会長】  長官、エクササイズを踏まえた楽しい時間を過ごせました。ありがとうございました。
 ここについては、事務局の和田課長のほうから補足説明をいただきたいと思います。
【和田健康スポーツ課長】  資料4、目的を持った運動・スポーツの推進について、を御覧ください。
 前回と今回の本部会におきましては、長官のほうから、目的を持った運動・スポーツの実施に関して御説明をいただいておりますが、これから御説明させていただく資料につきましては、その趣旨や内容をどのように施策として推進していくかについて、前回の本部会でいただいた御意見も踏まえまして、案としてお示しをさせていただいたものでございます。
 次のページを御覧ください。前回の本部会における主な御意見でございます。
 趣旨については、科学的根拠に基づく運動・スポーツの心身への効果やその方法に関する情報が充実することは有益である。目的・分類等の考え方につきましては、生涯スポーツや健康づくりのために運動・スポーツに取り組んでいる方に、より具体的な目的を持たせることができるかが課題である。取組の方向性につきましては、推進していくための具体的な方策を考える必要がある。また、運動・スポーツの未実施者に対して、ライフスタイルに合った目的とうまく紐づけて周知できるとよい。推進していくためには、個人のリテラシーの向上が必要である。周知啓発のためのキャンペーンや指導者へのアプローチが必要である、などの御意見をいただきました。
 次のページを御覧ください。目的を持った運動・スポーツの推進についての案でございます。
 まず1の趣旨についてでございますが、1つ目の丸には、この施策が目指している上位目標のようなものを掲げております。より多くの人々が、「楽しさ」や「喜び」、スポーツを通じた健康増進等といった、スポーツの価値を享受できることを目指し、もって人生の生きがいを最大化できるような、そういった社会の実現に資するとしております。
 こうした中、背景のところにありますように、第3期スポーツ基本計画では、国民の方のスポーツ実施率を向上させる施策を推進して、それによって多くの人々がスポーツの価値を享受できるようにすることを目指しております。
 2つ目の丸でございますが、1つ目の丸の実現に資するため、こうしたスポーツ実施率の向上に向けたこれまでの取組に加えまして、目的を持った運動・スポーツの実施をさらに推進していくこととしております。
 ここで「目的を持った運動・スポーツ」とは、個人のライフスタイルや健康状態等に応じまして、心身の機能への効果や影響に着目して行う運動・スポーツとしております。
 次に、こうしたことをさらに推進する意義でございますが、3つ目と4つ目の丸にありますように、目的を持った運動・スポーツの実施により、将来にわたってスポーツを楽しめること、QOL(生活の質)を高められること、目的を持った運動・スポーツを実施することによって、その効果を実感していただくことによって、運動・スポーツの継続や定着、また、運動・スポーツへの新たな関心を高める、そういったことが期待されるということが挙げられます。
 次のページを御覧ください。目的を持った運動・スポーツをめぐる現状について御説明させていただきます。
 まず運動・スポーツの心身機能への効果等についてございますが、真ん中あたりの参考の2つ目の四角のところにありますように、前回と先ほど長官から御説明がありましたように、運動・スポーツの実施により身体の健康への効果を高めるとする場合、その実施方法によって維持・向上される心身機能は異なるものでございますので、目的に合った適切な方法で行うことが、より効果的・効率的であるということでございます。
 また、3つ目の黒四角にありますように、運動・スポーツの急な実施や、個々の身体状態に合わない方法や強度で実施すると、筋骨格系の負担や怪我の受傷のリスクがありますので、適切な方法や強度により実施されることが必要であるということを書かせていただいております。
 次に、6ページを御覧ください。目的を持った運動・スポーツの実施状況についてですが、上段の1つ目の丸のとおり、アスリートに加え、医学的配慮が必要な方や、疾病・介護予防等のために運動が必要な方につきましては、それぞれの目的に応じた方法で運動・スポーツが実施できるような取組が行われております。なお、この詳細については、参考の2つ目の黒四角のところを御参照ください。
 一方で、これ以外の多くの方々につきましては、上段の2つ目の丸にありますように、目的を持った運動・スポーツの実施状況は、個々のリテラシーや取り巻く環境等によって多様であります。
 次に、課題について御説明させていただきたいと思います。次のページを御覧ください。先ほど御説明いたしました現状なども踏まえまして、4つの課題を掲げております。
 1つ目は、より多くの人々が、個人のライフスタイルや健康状態等に応じて、目的を持った運動・スポーツを実施するための普及啓発や環境整備でございます。
 2つ目は、より安全で効果的な実施を図るため、個々の状態・状況に即した適切な運動・スポーツの実施のための取組の充実でございます。例えば、先ほど長官から御説明がありました事前のセルフチェック動画の周知等が挙げられます。
 3つ目でございますが、国民の皆様方が自発性の下、各々の関心、適性等に応じて、安全かつ効果的な環境の下、スポーツに親しみ、スポーツを楽しむことができるような十分な配慮が必要であること。
 4つ目でございますが、多様なライフスタイルや健康状態等に応じ、目的や方法を柔軟に選択・変更できるよう配慮が必要である。そういったことを課題として書かせていただいております。
 次のページを御覧ください。具体的方策のイメージです。
 目的を持った運動・スポーツの実施推進のための方策のイメージでございますけれども、1番目として国の役割、2番目として関係機関等に求められること、の2つに分けて考えられることを列挙させていただいております。
 まずは国の役割でございますけれども、目的を持った運動・スポーツの実施を推進するため、関係団体・関係機関等の連携の促進、地域での体制整備の支援、リテラシーの向上を含めた周知啓発、身体状態の事前確認に関する周知啓発、実態やニーズを把握し、科学的根拠に基づく具体的な方法の例示、具体的なメニューを推奨するツール作成等の検討が挙げられます。
 次に、関係機関等に求められることとして、自治体においては、地域住民が身近な地域で目的を持った運動・スポーツを実施できるような取組、また、多様な背景や目的を持つ住民の方が、安心して安全かつ効果的な運動・スポーツを実施できるよう、地域の医療関係者等との連携の下、地域住民の健康状態に応じたスポーツ実施場所等の情報を見える化したマップの作成・活用を推進するといったことを挙げています。また、民間事業者や保険者が行うスポーツの実施を通じた健康保持増進に関する取組におきましては、目的を持った運動・スポーツの実施を推進していただくということが考えられます。
 最後に、目的を持った運動・スポーツの推進について、本日の部会での御議論や、いただいた意見を踏まえまして、さらに検討を進めていきたいと考えており、次回の本部会におきましては、そういった御意見も踏まえまして、文章の形である程度まとめたものを事務局から提示させていただきたいと考えておりまして、その際には再度議論いただきたいと考えております。
 説明は以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 ちょっと整理をすると、今長官が御説明いただきました「目的を持った運動・スポーツの実施について」というものについては、従来ある施策に加えて、あるいは、併せてこれから展開していきたいと考えている。ただ、そこには現状の課題もありますし、推進するための具体的な方策というものもイメージとしてはあるんだけれども、これをまた具体的な形に施策として落とし込んでいく。それを次回の部会の中で諮っていただくという流れの認識でよろしいでしょうか。
【和田健康スポーツ課長】  はい。資料4をもうちょっと肉づけした形で、そういったものをお示しさせていただきまして、次回の部会で御議論いただきたいと考えております。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 そういったもくろみを前提にしながら、ただいま長官の御説明、それから、課長による補足説明に関しまして、御意見、御質問等いただけたらと思います。どなたでも結構です。挙手の上、発言をお願いいたします。
【泉委員】  泉でございますが、よろしいでしょうか。
【渡邉部会長】  泉委員、どうぞ。
【泉委員】  今のテーマ、目的を持った運動・スポーツの実施推進のところですが、実は、今、日本スポーツ協会は約3,600の総合型地域スポーツクラブと関わっています。去年から、この総合型スポーツクラブの登録・認証制度を始めまして、医療連携型スポーツクラブ、運動部活動連携の総合型スポーツクラブ、あるいは、学童保育型スポーツクラブ、と言ったような目的を持った総合型スポーツクラブを認証していこうという動きが始まっております。、ちょうど今お話が出ております目的を持った運動・スポーツの推進にしっかり日本スポーツ協会としても取り組んでいきたいと思っております。
 先ほどの3つの事例も発表いただき、勉強になりましたが、総合型スポーツクラブが、この自治体の取組等について、どのように連携して一緒にやっていけるのか、事業連携がこれから非常に重要になると
感じております。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 私のほうから何人かに御発言を促したいと思いますが、近藤委員、ただいまの御説明を聞いていただいての御意見、御質問等お願いします。
【近藤委員】  ありがとうございました。
 スポーツの実施率向上を目指すということが基本計画でうたわれて、言わば量的に実施する人を増やそうという側面に対して、同じ運動でも、目的を意識しながらやり方を工夫することで、言わば質を高められるという、そういう論議なのかなと感じながら伺っておりました。
 そのときに、スポーツ・運動の種類といっても、実にいろんな種類があるんだなというのを感じたものですから、それがまさに今後の研究の課題なんでしょうけれども、そういう運動学の専門の方にぜひ整理していただきたいなと思っているものがあります。
 今、画面共有できたでしょうか。いろんな運動の種類が目的によって選べるんだ、より楽しいとか、そういう運動の価値にも着目しながらというお話がありました。
 あとは、身体的なものではなくて、心理的なものもあるんだというようなお話もありましたので、こういう全体像を俯瞰できるようなものを用意していただいて、その上で、身体面で言うと、そこだけでもこんなにいろいろありますよとか、心理的なもの,あるいは社会的な、スポーツだからこそ、連帯感が生まれるとか、そういうものもあるような気がしますので、そんなことにも目を配りながら整理していただくといいのではないかなと感じました。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。非常に分かりやすい絵を示していただいて、ありがとうございます。
 ほかの皆さん、いかがでしょうか。どなたでも。
 津下委員、いかがでしょうか。
【津下委員】  ありがとうございます。
 どこに行けば、どんな目的を持った方が適切な運動支援を受けられるのか、そういうことを見える化していると、様々な対象者に運動を勧めやすくなると思います。本人の希望や状況をアセスメントをしながら、どういう運動から始めるといいかなとか、考える選択肢が具体的にあることが有用と思います。
もう一つですが、大きな目標とか目的があっても、急にそこまで行こうとするのではなくて、段階的に進めていかなければいけないことがあります。こういうステップを踏んでいくと、あなたのしたいことまで到達できるという、その道筋をきちんと見せていかないといけないと思います。
 医療の立場からいくと、運動をやって、歩き過ぎて膝を傷めて運動もできなくなっちゃったということでやめてしまう方は非常に多いので、焦らないで段階的にどういうふうに進めていくのか、どういうことが合格点なのか、できていないことを指摘するのではなくて、この段階はできていますね、じゃ、次の段階とかですね。
 あと、健康のためにとか、病気を良くしたいために運動を始めた方が、運動の楽しさにはまってしまって、本当に生活が豊かになって変わってくる。目的としてはは、最初は健康のため、人に勧められてはじめたとしても、実施していくうちにだんだん考えが変わってきて、上位の目標になってくることもあり得るかなと思います。
 ありがとうございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 久野委員、お願いします。
【久野部会長代理】  ありがとうございました。長官のお話、よく理解できました。
 我々、スポーツ科学、スポーツ医学を専門としてきた者が良いと思う方向性をスポーツ庁のほうで、具体的に長官自らお示ししていただける、リードしていただけるということは、非常にうれしく感じました。
 一方で、この政策的に広げていくという観点で、少し整理をしていただいたり、検討いただかないといけないことは何かなと考えたとき、例えば、無関心層はなかなか動かないので、都市で自然と歩かされてしまうまちづくりをするというような方向性を国交省も言い出して、政策に入ってきているし、厚労省も健康都市という概念を打ち出して推進しています。
 当然、目的を持っていただくのが絶対必要なんですが、現場の、例えば自治体で考えると、教育委員会、あるいは、スポーツ部局だけでなく、多くの自治体は健康部局の専門職の保健師さん等も関わってくるので、そこへの理解促進という視点で進めていただきたい。そのためにも他省庁の政策との整合性といいますか、どういう形でうまく現場でそれを推進される方々に落としていくのかという点も検討していく。実際に広げていくための具体的なやり方とか、政策の広げ方という部分の検討が大事だなと感じました。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 非常に大事な視点かなと思います。国があって、被益者の日本に住む方、国民に限らず、日本の住む方がいて、当然、その間には、政策というものを考えると、推進する立場の方がいて、どうそこをつなげながら広げていくかという観点のお話だったと思います。
 
【藤田委員】  藤田ですが、よろしいでしょうか。
【渡邉部会長】  藤田委員、お願いします。
【藤田委員】  長官のお話、それから、その補足の説明、いわゆるスポーツの手段論と目的論の微妙なバランスを勘案しながらの御報告だったと思います。その後、近藤委員が出していただいた図表、私はあそこの上位の価値のところに、例えば、相手に勝ちたいとか、あるいは、あの人に負けたくないとか、新記録を出したいとかというような、スポーツの面白さというか、楽しさというのがあって、そこに向かっていくときに、長官の御説明にあったような、様々な身体的な部分、心理的な部分、社会的な部分、いろんなものが出てくると思います。
 障害者スポーツで、リハビリの手段としてスポーツが非常に有効だったというのは、まさにその部分なんですね。楽しいから、あるいは、次の機会で勝ちたいからというような動機づけがあって、そこに向かって努力していくということがあったと思いますので、そこの部分を抑えた上で、ぜひ進めていただきたいなと思います。
 そのときに、近藤委員からあった指標を示していくというのは非常に重要なことで、これは、例えば、もしかすると捉え方にもよるんですが、目的によって指標があって、その指標を一つ一つクリアしていくということが、もしかしたら自己新記録を出していくというのと同じような動機づけになっていくかもしれないと思いますので、そういった指標、自分が今どの段階にあるのかというのが分かるようなことを示していくというのは重要なことかなと思いました。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 もしないようでしたら、ここで一旦締めたいと思いますが、皆さん、よろしいでしょうか。
 松永委員、お願いします。
【松永委員】  すみません。先ほどの室伏長官のお話の中で、休み方や休養という御指摘があったと思います。津下委員からも、むしろ運動・スポーツによって健康を害してしまうというようなお話もありました。ここにいらっしゃる方には本当に釈迦に説法だとは思いますが、この部会では、健康づくりの3条件という基本的なところの「運動」のお話をしていますが、「休養」と「栄養」については、なかなか話題に出てこなかったと認識しております。今日は、休み方や休養というところに長官が触れてくださったのでプラスアルファとして「栄養の」についても、併せて情報発信をしていくことも必要であると改めて感じました。部会として、あまり広げ過ぎると大変かもしれませんが、重要な視点であると思います。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 
 皆さんからいただいた御意見に関しましては、先ほど和田課長が申し上げていただきましたけれども、また次回の資料、これからの進め方に反映させていきたいと思います。
 それでは、今日は楽しいプレゼンテーションをしていただきました室伏長官に、最後一言いただきたいと思います。
【室伏スポーツ庁長官】  皆さん、大変貴重な御意見をいただきました。
 本日はお忙しい中、部会に御出席いただきましてありがとうございます。また、活発に御議論いただきまして、御礼申し上げます。
 委員の皆様方におかれましては、第3期スポーツ基本計画で掲げる目標の達成や施策の着実な実施を図るため、部会における現場視察、直接御覧いただいたり、また、ヒアリングにおいて多大なる御協力をいただいておりますことを心から御礼申し上げます。
 また、先ほど御説明させていただきました目的を持った運動・スポーツに関しては、前回に引き続き、私からも具体的な例を直接やっていただきましたけれども、そういった方向性で説明させていただきました。
 今後推進していくためにも、具体的な方策について様々な角度から御議論いただきましたことを感謝申し上げますとともに、スポーツ庁としましても、今いただいた意見を反映して実行していけるように、また精いっぱい頑張っていきたいと思っております。
 東京オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーとして、東京大会で得られた知見をアスリートのみならず国民全体に普及し、国民がスポーツを通じて心身ともに健康になることは非常に重要だと考えております。
 委員の皆様方からは、引き続き、健康スポーツ部会において貴重な御意見、知見を賜れればと思います。御協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 ありがとうございます。
【渡邉部会長】  長官、ありがとうございました。
 最後に、事務局より今後の日程等について御説明をお願いいたします。
【和田健康スポーツ課長】  本日は、委員の皆様方におかれましては、貴重な御意見をありがとうございました。追加の御意見、御質問がございましたら、事務局までメールにてお寄せいただければと存じます。
 今後のスケジュールにつきましては、資料5を御覧ください。
 次回の第21回は、3月開催を現在予定しております。また、第19回の本部会におきまして設置をお認めいただきました障害者スポーツ振興ワーキンググループにつきましては、本部会の藤田委員に主査をお願いいたしまして、昨年12月に第1回、今年1月に第2回を開催させていただきまして、御議論いただいているところでございます。併せて御報告させていただきます。
 その他視察などの動きも記載しておりますが、詳細につきましては、後日改めて事務局より御案内させていただきたいと思います。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、これをもちまして第20回健康スポーツ部会を閉会とさせていただきます。皆様、御協力どうもありがとうございました。

 

―― 了 ――

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スポーツ庁健康スポーツ課

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