2025年12月18日(木曜日)14時00分~16時00分
1. 第4期スポーツ基本計画の策定に向けた健康スポーツ部会における検討について
2. その他
相澤委員、小熊委員、甲斐委員、久野委員、近藤委員、佐々木委員、津下委員、能瀬委員、藤田紀昭委員、前田委員、松永委員、宮脇委員、渡邉委員
河合長官、浅野次長、大杉スポーツ総括官、中村健康スポーツ課長、赤間企画調整室長、豊島補佐(地域振興担当)
厚生労働省健康局健康課
スポーツ審議会 健康スポーツ部会(第35回)
2025年12月18日
【久野部会長】 ただいまから第35回スポーツ審議会健康スポーツ部会を開催いたします。皆様、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、14名の委員の方々に御出席いただいております。スポーツ審議会令第6条第1項及び第3項において、本部会の開催及び議決に当たっては、委員の過半数の出席が求められておりますが、定足数を満たしておりますので開催とさせていただきます。
まず、10月から就任されました河合長官にお越しいただいておりますので、初めに御挨拶を頂戴したいと思います。河合長官、よろしくお願いします。
【河合スポーツ庁長官】 先生方、お忙しい中、ありがとうございます。10月1日に着任いたしましたスポーツ庁の河合でございます。私、これまでも審議会の委員のほうをさせていただいて、9月末までいたんですけれども、このたびこのような立場でスタートをしております。
御存じのように、スポーツ基本法が今年改正されまして、それに基づいて、今、新たな時代を迎えているというふうに受け止めております。とりわけその中で、先日11月21日に、スポーツ審議会総会において第4期スポーツ基本計画の策定に向けた諮問をいたしました。こちらは、様々な社会課題が今急激な社会変革の中で生まれている状況の中で対応した新たな計画づくりということで、大きな方向性や施策の内容等について検討いただきたいということでございます。
とりわけ健康スポーツ部会の先生方においては、国民、特に人種、性別、年齢、障害の有無を超えて様々な方々がいるこの国民の皆さんに、スポーツを通じたウェルビーイングな状態をどうやってつくっていけるのかという部分がとても大きなポイントだというふうに思っておりますので、活発な議論をいただきながら、御提案をいただきたいというふうに考えております。
本日も先生方の専門的な立場からの御意見や思いをお伝えいただきたいと思っております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
【久野部会長】 河合長官、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
また、スポーツ庁におきまして人事異動があったとのことですので、御紹介をお願いいたします。
【中村健康スポーツ課長】 スポーツ庁のほうで12月17日付で障害者スポーツ振興室長が交代になりまして、本日、オンライン参加になっておりますけれども、遠藤室長が、着任をしております。
【遠藤障害者スポーツ振興室長】 遠藤でございます。オンラインにて失礼いたします。昨日付で着任をいたしました。今後ともよろしくお願いいたします。
【久野部会長】 ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
また、本日、スポーツ庁より浅野次長、中村健康スポーツ課長、赤間政策課企画調整室長に御出席いただいております。なお、大杉総括官は、公務の関係で遅れて参加とお聞きしています。さらに、オブザーバーとして、厚生労働省健康局健康課にもウェブで御出席をいただいております。
続きまして、本日の会議開催に当たり、諸連絡及び配付資料の確認をお願いいたします。
【中村健康スポーツ課長】 会議開催に当たりましての御連絡でございますけれども、傍聴に関しましては、報道機関及び一般の方はユーチューブでのライブ配信で傍聴をしていただいております。
本日の出席者は、お配りしている一覧のとおりとなりまして、本日、佐々木委員の代理として小野寺様に御出席をいただいております。それから、能瀬委員は用務によって遅れてのオンライン参加ということをお伺いしております。御都合により途中退席される場合には、退席の際にチャットにて御連絡いただければと思います。
資料の確認でございますけれども、本日、様々な資料をお配りしておりますけれども、配付資料といたしまして、1-1から5までお配りをしておりまして、そのほか参考資料もお配りしておりますので、もし資料の不足などがありましたら、事務局までお申しつけいただければと思います。
以上でございます。
【久野部会長】 ありがとうございます。
それでは、議事に入りたいと思います。本日の議事は、先ほど河合長官の御挨拶がありましたように、第4期スポーツ基本計画の策定に向けた健康スポーツ部会における検討ということで、第4期スポーツ基本計画の策定の委員会が、ちょうどお隣にいる渡邉委員が部会長という形で進んでいますが、健康スポーツのところはこちらで進めるということで、今日はそのための1回目の議論だというふうに理解をしております。
11月21日に開催されました第42回スポーツ審議会総会において、第4期スポーツ基本計画に関する諮問がなされ、スポーツ基本計画部会において関係団体ヒアリングが開始されています。第4期基本計画策定に向けた議論が本格的に始まった中で、本部会としても、先ほど申し上げましたように、今日から議論を進めてまいりたいと思います。
本日の議題の進め方としましては、初めに事務局より第4期基本計画の諮問内容及び今後の議論のスケジュールについて説明いただきます。その後、スポーツ基本計画部会長も務めていらっしゃいます渡邉委員より、第4期スポーツ基本計画に向けた期待などについて御発表いただいた後、委員の皆様に、第4期計画の策定に向けた期待、今後本部会において議論を深めるべき点等の御意見を、1人3分程度で頂戴したいというふうに思っておりますので、御協力をよろしくお願いいたします。
各委員から御意見をいただいた後、第4期スポーツ基本計画策定に向けた健康スポーツ部会における今後の検討について、資料4に基づき事務局より説明いただき、また意見交換の時間を取りたいと思います。
それでは、中村課長より、諮問内容及び今後のスケジュールについて説明をお願いいたします。
【中村健康スポーツ課長】 お手元の資料1-2を御覧いただければと思います。先ほど河合長官からもお話がございましたように、11月21日の総会において、第4期スポーツ基本計画について諮問がありました。
この諮問内容、御覧いただいているとおりですけれども、下半分のところにあります基本計画の策定についてというところで、踏まえていただきたい観点というところにございますように、スポーツには人々に楽しさや喜びをもたらす価値と社会活性化や課題解決、持続可能な社会の実現に貢献する価値があると。そういう観点、それから、少子化でありますとか、先ほど河合長官からもございましたように、年齢、性別、障害の有無にかかわらず全ての国民がスポーツの多様な価値を享受することができ、日本社会全体のウェルビーイングが向上すると。こういう観点での検討をお願いしますということでございまして、具体的に検討していただきたい点として、下に6点ほどございますけれども、この健康スポーツ部会の中では、1つ目の、子供たちが将来にわたり豊かで幅広いスポーツに楽しむ機会の確保・充実、それから、2つ目にあります年齢、性別、障害の有無にかかわらず誰もが生涯を通じてスポーツを継続できる環境の整備、共生社会の実現、そして、もう一つ、下から2つ目にありますけれども、気候変動にも対応した安心・安全な実施環境の整備、ここら辺を御議論いただければと考えております。
第3期スポーツ基本計画の中間評価のときは、この部会の中では、成人の取組を中心に議論をしていただいたんですけれども、第4期に向けた議論においては、生涯を通じたスポーツ環境について議論していくということで、子供も含めて、子供の頃からどういうふうに環境をつくっていき、それを学生、社会人にどうつなげていって、高齢者まで含めて、生涯を通じてどういう取組をしていくべきなのか、こういったことを幅広く御議論いただければというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【久野部会長】 ありがとうございます。
それでは、委員からの発表、発言に移りたいと思います。
渡邉委員よりよろしくお願いいたします。
【渡邉部会長代理】 皆さん、こんにちは。今日はまさか次長とか政策課の課長さんもいらっしゃると思っていませんでしたので、健康スポーツ部会のテーマについて話したいと思います。
お手元の資料の3番を見ていただきたいと思います。ちょっと最近、基本計画部会のヒアリングも重なっておりまして、ほぼメモ書き的な資料になってしまったことをあらかじめ御了解ください。行間を言葉で補足していきたいと思います。
この資料については、健康スポーツ部会におけます第4期基本計画の作成に当たって、私自身の課題認識、あるいは問題意識というのをここへ書かせていただきました。
1ページ開けていただきますと、これは笹川スポーツ財団のやっている事業ということで、後刻御覧ください。Sport for Everyone社会の実現に向けた、小さな組織ではありますが、Think TankとDo Tankを回しながら事業を展開しているといったような図になっております。
3ページ目、御覧いただきたいと思います。実は2017年にこの健康スポーツ部会ができたときから、久野先生と一緒に委員として務めておりました。当初は、所掌業務としては、スポーツ実施率の飛躍的向上に向けた方策について調査審議することといったことが名目として上がっておりました。今のこの部会におきましては、スポーツを通じた健康増進、共生社会等に向けた方策について調査審議することというふうに変わっております。
今までの健康スポーツ部会のアウトプットといたしましては、2018年のスポーツ実施率向上のための行動計画、その後に中長期的な施策、室伏長官になられましてからは、ライフパフォーマンスの向上に向けた目的を持った運動・スポーツの推進について、そして、最近ではSport in Lifeガイドブックということで、各所を訪問してガイドブックをまとめたというのがアウトプットであります。
一方、アウトカムを見ますと、第2期のスポーツ基本計画の目標が65%だったんですが、2021年では56.4%であったと。そして、現在の第3期スポーツ基本計画については、目標70%に対して、前回までの調査では52.5%ということで、なかなか結果が出ていないというのが実情ではないかなというふうに思います。
4ページ目、御覧いただきたいと思います。これは中間評価でまとめた表でございます。まず、これは皆さん御存じのとおり、説明は終わっているんですけれども、基本計画そのものを振り返ってみますと、構成としては、政策目標があって、そこに現状どうなっているかという状況説明があります。その上で施策の目標があって、具体的な施策が羅列されています。それを各年度、事業予算を確保して、事業展開をして、成果を得るといったような流れだと思います。
この中間評価を見ますと、厳しい現実がここの数字に出ているわけなんですけども、課題が一体どこにあるのかといったようなことを、基本計画部会の部会長という立場も含めて、自分で認識していることは何かと申し上げますと、まず、このロジックモデルの設計そのものに課題はないのだろうかと。そして、2つ目は、アクティビティという言葉がありますけれども、事業のコンテンツに課題はないんだろうかと。そして、3つ目は、事業を展開するプロセス、ここに課題はないのだろうかと。そして、最後には、KPIの設定そのものに課題はないのだろうかということを今意識しながら、第4期の計画の審議を進めているところであります。
そういった前提条件に立って、5ページを御覧いただきたいと思います。今申し上げましたとおり、KPIを実現するためのアクティビティの果たして実行性と実効性は今どうなっているのかなと。先般、中間評価をいたしましたけども、ここもやはり時間の制約であったり、評価すべきデータの制約であったり、いろいろありましたので、中間評価も踏まえながら、第4期の基本計画策定に向けた作業が必要なんだろうというふうに思います。
昨年度、笹川スポーツ財団のほうで、全自治体の実態調査というのを行いました。これは、1,741ある市区町村のうちの65%程度の回収率ということになっているんですけれども、実は市区町村でスポーツ推進計画、基本計画の中では、国の計画を参酌してつくると、努力目標が掲げられておりますが、実際にうちの調査で出た、策定している率というのは42%でありました。すなわち50%以上がスポーツ推進計画がまだできていないというような結果であります。そのうち国のスポーツ基本計画、あるいは都道府県の計画を参酌しているところは、80%といった形になっております。
また、スポーツ推進計画をつくっている自治体におきまして、ビフォー・アフターのビフォーの実態調査をしているところが何%あるかといいますと、65.6%。すなわち35%は、推進計画をつくるんだけども、自分のところのスポーツの環境がどうなのかといった調査は行っていないといった結果が出ています。
以前、近藤委員のほうから、スポーツ庁が実施している世論調査の調査項目を全自治体に活用してもらったらどうだろうかといったような話があったと思いますけれども、実際には、そういった調査そのものも行われていないと。行われていても、それに準ずるものとは必ずしも限らないといったようなことからしますと、いま一度、各地方自治体でスポーツ推進計画をつくるといったことに対するサポートが必要ではないかなというのが、ここの四角の1番のところで言いたいことであります。
それから、2番目なんですけども、KPIとインパクトの因果関係が具体的に明示されて周知されているかというふうに書いてあります。これ、具体的に申し上げますと、スポーツ実施率の向上、あるいは運動習慣者の拡大というのが、インパクトとして、健康長寿社会であるとか、共生社会の実現というところへ結びつくわけなんですが、ここのエビデンスというものが分かりやすく国の政策、あるいはそれを活用する先の都道府県、基礎自治体で活用されるべく整理整頓されているんだろうかと。分かりやすく整理整頓されているのかなといったのが、これ、疑問符としてここに掲げております。
実は私ども、笹川スポーツ研究助成というのを、2011年から2019年まで9年間やっておりまして、そのときに日本科学協会という組織と共同でやっておりました。この組織は、もう37年間、若手の研究奨励というのをやっていまして、1万1,000件以上の助成の実績がある組織なんですが、そこの会長が常々申されていたのが、科学者というのは、自らの研究成果を平易な言葉で語りかけて、説明していくことが一番重要なんだと。分かりやすい言葉で社会に語りかけて、常に社会と会話する準備を持つことが研究者の務めであるといったようなお話をされておりました。
それがずっと頭にあるわけなんですけれども、そういった意味で、この部会には、久野先生をはじめ、研究のバックグラウンドのある方ばかりであります。むしろ私のような者は少数ということなんですが、それゆえに、私のような者でも、さらには都道府県や市区町村でスポーツ推進する人でも分かりやすいようなデータの整理というのが必要ではないかといったことが、この四角の2番で書いてあることであります。
それから、量的なところで言いますと、Sport in Lifeコンソーシアム、スポーツエールカンパニー、ここの数が増えるというのはすごく大事なことでありますけれども、やはりここにも質的な指標を改めて設定する必要があるだろうといったことが、5ページに書かれていることであります。
6ページを御覧いただきたいと思います。もう一つは、地理的なアプローチをいま一度考えてはどうかなと。すなわち健康スポーツ部会でも、今までターゲットとして、子供、女性、働く世代、あるいは障害者、高齢者、こういったセグメント別のアプローチというのを中心に議論してまいりましたが、人が営みをどこで行うかというと、やはり住んでいる地域地域ということになろうかと思います。
今までいろいろ議論している中で、いろいろなアクターがいろいろな活動を行っておりました。Sport in Lifeガイドブックにもそれが掲載されておりますけども、いま一つその点の活動が、協働の線という形になり切っていないのではないか。あるいは、自治体あるいは旧の基礎自治体でも構わないんですが、それを面とした産官学民の推進するプラットフォームというのが本当にできているんだろうか。実はうちの経験知からいうと、あまりできていないというのが実態であります。
したがって、第4期の基本計画を議論する場合には、セグメント別のアプローチというのは当然必要になると思います、これは女性とか働く世代とか実施率が低いわけですから。ただし、全体的な視点で、地理的なアプローチというのも考える必要があるかなと。ここは久野先生のほうがSmart Wellness Cityというのをずっとやっていらっしゃって、首長の研究会というのが133で合っていますかね。
【久野部会長】 はい。
【渡邉部会長代理】 133の自治体が参加しているということなんですね。
実は笹川スポーツ財団も30年以上、チャレンジデーという事業をやっておりまして、住民総参加型のスポーツイベントであります。ここは31年間で累計2,392自治体が参加していただいて、参加者の総計が3,743万人と。31回のうちの100万人を超えた年度が13回あります。200万人を超えた年度が7回、300万人を超えた年度が3回あったわけなんですが、ここも住民総参加型のスポーツイベントをやったんですが、その後、それが通年で住民のスポーツ実施率にどうつながっているかというのがいま一つ検証できませんでした。
だから、こういったものも一つ材料にしながら、いろいろな角度から今までやってきた実施事業も分析しながら、これからの展開を考えていったらどうだろうかといったようなことを6ページに書かせていただきました。
最後、7ページなんですが、ここは、そうするために、やはりいま一度オールジャパンの取組というのを真剣に考えて、実効性を高めていく必要があるだろうと。今、スポーツ推進会議で省庁間の情報共有が図られていますが、恐らく情報共有から先にはなかなか進みにくいのが現状ではないだろうかと思います。
それから、スポーツ関係の統括団体の皆さんとスポーツ庁の皆さんで円卓会議というのを進められていますけども、ここももしかしたらクローズな世界でとどまっていないだろうかと。当然、統括団体には加盟団体もありますし、都道府県の協会もあります。こういったところと中央と地方の縦と横の連携をいま一度強化すべきではないかなというのを、7ページに書かせていただきました。
細かな説明はいたしませんけども、それをやっていかないと、恐らくKPIの具体的な数字の実現というのはなかなか達成できないし、それが健康長寿社会であるとか共生社会の実現には結びつかないのではないだろうかといったようなことを、ちょっと私の問題意識として提起をさせていただきます。
以上です。
【久野部会長】 渡邉委員、ありがとうございました。第3期のときからの御経験を踏まえて、第4期に向けて、特にこの健康スポーツ部会での論点を幾つか提示をいただきまして、ありがとうございます。
この後、皆様からの御意見をいただいて、総合的にディスカッションをさせていただこうと思っております。
では、私のほうから指名をさせていただきますが、先ほど申し上げましたように、3分から4分程度ということで御発言をお願い致します。
なお、相澤委員、津下委員、小松原委員が途中退室の御予定ということなので、先に当てさせていただければと思います。
では、まず、相澤委員からよろしくお願いいたします。
【相澤委員】 よろしくお願いいたします。社会課題、あと、中間評価、諮問などを鑑みて発言させていただきます。
ライフステージごとのパフォーマンス、ライフパフォーマンス、そしてウェルビーイングの考え方、その必要性を鑑みまして、心身の諸問題が他覚自覚含めて顕在化する、その前に、自発的に目的に合わせて自身が適した運動・スポーツを実施することをもっと推進していくべきだろうと思います。
そのために、予備潜在能力、この中には神経認知とか、協調性とか、運動性とか含まれると思いますけれども、それらを前もって先んじて高めておくような、開拓していくようなことに向けた調査研究、これには実装モデル創出とか、活用、普及促進、周知啓発含めてですけれども、これらをさらに議論して推し進める必要があるというふうに考えております。
このような調査研究を、特に運動器の外傷とか障害リスク、あとは機能不全などに明るい専門職とか研究者と連携することで、さらに議論が深まるだろうというふうに考えております。
こういった観点での予防というのは、身体の効率的な動きにつながるために、要はパフォーマンスの向上にも寄与するというふうに考えています。ですので、引き続きですけれども、ハイパフォーマンスで得られた知見というのを重視していく必要があろうというふうに思います。
あと、これらの観点というのは、子供・若者のスポーツ機会の充実、部活動の地域展開含めて、これにも当てはまるというふうに考えております。これにもやはり専門職者とか研究者と連携して、効果実証研究、これに基づく実装、これは安心・安全、そういったスポーツ実施環境の一体的な整備につながるというふうに考えております。
あと、障害者のスポーツの障壁解消だとか実施率向上に向けては、人材循環不足だとか、無関心層への対策、これまで様々議論されてきたと思いますけれども、様々な部局が連携して、障害自体とパラスポーツの知識をさらに横展開していく必要があるというふうに、これについてもまたさらに議論を深める必要が、ベターではなく、マストだろうというふうに思っています。
これには、やはり既存のスポーツ庁でつくられたツール等がありますので、これを周知、活用、さらに発展させていくことが効率的なのではないかというふうに思っています。
あと、障害に関する理解の普及というのは、障害をお持ちの方に寄与することはもちろんだと思うんですけれども、その知識を享受した方の思考とか行動のポテンシャルが広がりますので、間違いなく。将来のライフパフォーマンスの維持向上につながる可能性が十分にあるというふうに思っております。
最後に、以上の取組を、社会の活性化とか課題の解決とか持続可能性に関する指標をもって判断する、そういったことも議論すべきだろうというふうに考えております。
相澤からは以上です。
【久野部会長】 相澤委員、ありがとうございました。幾つかの論点を提示いただきまして、非常にエビデンスベースでそういうデータも取っていくことも含めて、御提言いただいたというふうに感じました。ありがとうございました。
では津下委員、よろしくお願いいたします。
【津下委員】 御指名ありがとうございます。また、御配慮ありがとうございます。女子栄養大学の津下と申します。
医師としてスポーツ医学にずっと関わってきた立場として発言させていただきます。また、健康スポーツ部会にも長く参画させていただいておりまして、医師会における健康・スポーツ活動についてもこれまで取り組んでまいりました。第3期においては、誰もが自分の人生を向上させるためのスポーツの役割ということで、ライフパフォーマンスという言葉の定義が議論され、それを広げるための取組も検討してまいりました。
今年、日本臨床スポーツ学会で、多くの医療関係者が集まる学会だったんですけれども、このライフパフォーマンスをメインテーマに取り上げましたところ、例えば、障害予防とか、運動療法とか、健康づくりということを全て包含し、さらに向上させるというポジティブなイメージを持つワードとして広く受け止められたというふうに認識しております。
スポーツ庁がこれまで培われてきた様々なツールや発信が、まだまだ医療関係者には届いている問いは言えない状況です。そういう意味では、これまでのものをどこまで、どのように普及させていくのかということについて、国民に届けるための一歩手前の専門職種に対する普及ということが重要と思います。また、単に知っているレベルではなく、その人たちが活用できるようにどう仕向けていくかということで、実効性を高めていくということが可能になるのではないかなというふうに考えております。
それから、今回、年齢、性別、障害の有無にかかわらずということで、本当に同意するものでございますが、疾患においても、がんに罹患した人、サバイバーの方たちが運動をすること、スポーツをすることによって、より健康状態を回復するということや、心疾患、腎疾患など、昔は運動禁忌と言われていた病気も、どんどん運動・スポーツの効果が示されてきましたので、そのような、この疾患を持つ人たちへの普及も必要と思います・高齢化に伴って様々な健康状態になる人々、全てが、その人に合った運動、一時的には運動制限が必要な場合もあるかもしれませんけれども、スポーツを諦めない社会をつくっていくというようなメッセージを発信することで、医療関係者や様々な人も巻き込んでいけるのではないかなと思っております。
一方、スポーツに関する障害、トップアスリートではなく、普通の運動愛好家とか、そういう方々も、スポーツ障害、スポーツによるけがとか障害、スポーツし過ぎとか、間違ったトレーニングとかということによる障害の事例やデータも、実は医療関係者は持っているんですが、それがスポーツのほうに十分還元されているかというと、そちらのほうのつなぎ方もまだ不十分のような気がします。各いろいろなスポーツの中で特徴的な発生する障害というのがあって、そのためにスポーツを諦めなければいけないという方々が今も非常に多いということが分かります。
ですので、各競技団体等の連携も深めながら、ずっとスポーツを楽しめるようにしていくということも重要ではないかなと思っています。トップアスリートに対しては様々なメディカルサポートもあるわけですけれども、一般的な方々に対してのサポートを十分に検討していけるといいかなと思います。最後に、暑熱環境の話が、気候変動がありまして、これで運動制限がかかっているわけですけれども、子供たちの運動する機会が奪われるという観点もあると思うので、これについては、環境づくりも含めて、この第4期で暑熱環境のときのスポーツについても、もっと踏み込んだ議論が必要かなというふうに考えております。
以上です。ありがとうございました。
【久野部会長】 ありがとうございます。
では、引き続いて小松原委員、最後までいらっしゃるということですが、先ほど御指名させていただいたので、このタイミングでお願いいたします。
【小松原委員】 健健保連の小松原でございます。私からは、誰もが生涯を通じてスポーツを継続できる環境の整備、特にスポーツによる健康増進についてお話をさせていただきたいと思います。
第3期スポーツ基本計画は、多様な主体におけるスポーツの機会創出が掲げられまして、国民のスポーツ実施率向上を目指しておりました。経済的理由や時間的制約などから、特に働き世代のスポーツ実施率はいまだ低迷しているような状態になっています。この世代のスポーツ実施率を引き上げるには、一日の多くの時間を過ごす職場でのスポーツ実施環境を整備していかないと、今後これは絶対引き上がることは難しいと私は考えております。
少し一例を申し上げますと、ある大手電機メーカーさんでございますが、全日本玉入れ協会さんのアジャタ(スポーツ玉入れ)を導入し、社員の健康づくりと職域のコミュニケーション向上に一定の成果を上げております。この競技は、6人1組のチームで競い合うものでございますが、このスポーツのメリットは、性別や年齢に関係なく、社員みんなが参加できる点でございます。メタボ、ロコモ、フレイルといった連続した健康課題の中でスポーツ実施率向上策を考える際に、特に企業での取り組みを促すには、年齢や性別などで区別せず、社員みんなで取り組めるスポーツを普及させるという視点は大変重要であると考えておりまして、アジャタのような企業でも導入しやすい競技を、事例を交えながら紹介していく仕組みが必要なのではないかと感じております。
また、企業経営者や産業保健スタッフの中には、スポーツは余暇時間を使い実施するものと理解されている方がたくさんいらっしゃいます。就業中に実施するものではないと思われているということでございます。社員のスポーツ実施率向上は、企業経営者にとっても大変メリットがあるということを伝えていかなければなりません。
例えば、スポーツをすることで、労災事故の防止やメンタルヘルス対策、ひいては労働生産性の向上や医療費の適正化に寄与するということをしっかりとエビデンスで示していく。こういうことが第4期は求められるのではないかと考えております。
最後に、渡邉委員からもご発言がありましたが、企業や保険者を介したスポーツ実施率向上への社会整備を行っていくには、スポーツ庁の基本計画だけでは限界があると思っておりまして、経産省の健康経営や厚労省の健康日本21などと連携して基本計画をつくっていく必要があるのではないかと感じております。
私からは以上でございます。
【久野部会長】 ありがとうございました。他省庁との連携を踏まえたところを見据えた計画、仕掛けという点を最後御指摘いただきました。ありがとうございます。
では、今度は会場のほうで、小熊委員にお願いしてよろしいでしょうか。
【小熊委員】 ありがとうございます。私は内科の医師で、スポーツ医学と、あるいは地域で身体活動、スポーツ、運動促進というようなことに関わることも多くやらせていただいてきております。その立場から発言させていただければと思います。
今回の中で、特に年齢、性別、障害の有無などにかかわらず、誰もが生涯を通じてスポーツを継続できる環境の整備、共生社会の実現の中で、特に慢性疾患や障害のある方を含め、インクルーシブに行うためにというような視点で、特に発言させていただきます。
その中で、やはり地域の他分野の連携、今までもお話ししてきていますけれども、特に医療や健康分野との連携が必要かと思います。そして、就労世代という意味では、やはり職域が非常に重要になってきて、そういう意味では、先ほど出た健康経営とかの経産省との連携というのも非常に重要なところだと思います。
そして、今まで結果が十分出てきていないというところにおいては、より他分野連携を強化して、実践的に行っていく必要があるかと思っております。この点は健康日本21のほうでも、インクルーシブ・アンド・サステーナブル、そして実践というようなところを強調されているところかと思います。国レベルでは、省庁間の連携を特に強化しながら、地域でしっかり行っていく必要があるのではないかと思っております。
そして、安全・安心に行うといったようなエビデンスの整理とか、あと、現状生じている有害事象とかヒヤリ・ハットの把握とかというようなことも、スポーツを行う、あるいは運動、身体活動というような、区別してというよりは連携してそういう状況を把握していきながら、アウトプットとしては一緒に出していけるといいのではないかと思います。
その上で、医療とスポーツとの連携、地域での連携体制の構築といったようなことを地域でしっかり進めていく必要があるとは思うんですけれども、ぜひ共通して行える部分は国がしっかり後押ししていただいてやっていけるといいのではないかと思っております。
また、医師会あるいは医療との連携というのも非常に重要なところかと思いますし、今までも進めてくださっているとところだと思います。
そして、グッドプラクティスというか、いい例は、少しずつかもしれませんけれども、出てきていると思いますので、そういうものをしっかり横展開していくような仕組み、あるいは学術とか大学とかを絡めていただいて、幾つかは今、関わっているんですけれども、地域だけではなかなか評価のところまで手が回らないなんていうお話はよく伺っていて、そういうところに大学とかが関わらせていただいて、少し客観的な立場で評価の部分を一緒にさせていただくとか、スポーツだけでなく、地域の中で健康分野と連携するお手伝いをするとか、そういった視点も必要なのではないかと思っております。
私からは以上でございます。
【久野部会長】 先生、ありがとうございました。この計画をつくるのに、非常に地域資源というもの、その中の大学の役割というような視点もいただきました。ありがとうございます。
では、今度はウェブのほうから近藤委員、よろしくお願いいたします。
【近藤委員】 画面を共有させていただいてよろしいでしょうか。言いたいことは1点で、EBPMの推進ができるデータ環境の整備をぜひ進めていただきたいということに絞って発言したいと思います。
この間、高齢者についてはデータベースが整備できましたので、例えば、市町村間に随分スポーツ実施率に差があるとか、その背景要因の、これは一例ですけれども、住まいの近くに公園や歩道が徒歩圏内にあるよと答えるような高齢者が多いまちでスポーツの参加率が高い、こんなことが大変きれいに出てくると、市町村がスポーツ実施率を高めるために何をやればいいのかという手がかりをこのように示すことが可能です。
もう一つ、こういうことができるようになりますと、隠れたグッドプラクティス、例えば、36%の高齢者がスポーツをやっているまちというのは、私たちが、あなたのまちは実は今回データを御提供いただいた中で一番参加率が高かったんですよとお返しするまで、知りませんでしたというような状況でした。
こういう隠れたグッドプラクティスを見える化する、あるいは重点支援が必要なところを見える化することができるデータベースの整備を、ぜひ第4期には実現していただきたいなというふうに願っています。
一旦そういうデータベースができれば、いろいろなスポーツの健康への望ましい効果などの検証も可能になります。具体的にそういうことをやる予算がなかなか難しいということも以前に言われたことがあるんですけれども、スポーツ庁の予算ではなくて、都道府県とか市町村が地方スポーツ基本計画を立てるときに市町村、都道府県の調査予算でやる調査データを集める仕組みをつくれば、それを集めるところと分析のところだけスポーツ庁が予算を確保すれば、実施可能な仕組みです。全国の自治体がばらばらの調査項目でやると、結合したデータベースにできませんので、スポーツ庁が調査票のひな形を提示して、市町村にそれをぜひ使ってほしいというふうにアナウンスするだけで、全国のデータベースの構築が可能になります。
市町村が持っているだけだと、ほかの市町村と比較できませんので、その調査データをスポーツ庁に提供してほしい。提供してくれれば、それを分析した結果を見える化して市町村にお返しするからと、この部分だけをスポーツ庁が予算を確保してやれば、市町村にも、都道府県にも、スポーツ庁にとっても、みんなにとってウィン・ウィンになるようなデータベース環境の構築が可能になります。
これをやることができれば、グッドプラクティスの抽出とか、関連要因の実証分析とか、スポーツ政策による社会的インパクト評価とか、政策のPDCAサイクルを回すPlanの段階、Do、Check、Act、それぞれの段階においてエビデンスを提示できます。さらにヘルスや介護予防担当部局との連携の促進も、こういう見える化が進めば、お互いに協力したほうが明らかにメリットがありますねという合意が形成できますので、ぜひ第4期ではこのようなデータベースの構築を一歩前に進めていただきたいと期待しています。
私からは以上です。
【久野部会長】 近藤委員、ありがとうございました。
では、こちらから、甲斐委員、お願いいたします。
【甲斐委員】 私は運動疫学を専門としておりまして、特に産業衛生、産業保健の中で研究活動をしておりますので、その観点から、働く世代のスポーツ実施率向上に向けて提案をさせていただきたいと思います。
まず、新しい提案として、やはり働く世代のスポーツ実施率を高めるためには、職場や職域でどういうふうにスポーツ実施を応援していくかというのがとても大切なんですが、ぜひ企業向けの運動スポーツ習慣化促進事業を新しくやってはどうか。今、自治体向けはございますので、それをぜひ企業向けをしてはどうかなというのをまず一つ提案したいです。例えば、応募にはコンソーシアムに必ず加盟しましょうとか、助成を受けたらスポーツエールカンパニーを取得しましょうとか、他の政策と連携ということで、モデル事業をうまくつくっていけるんじゃないかなというふうに考えております。
2つ目が、先ほど小松原委員もおっしゃいましたが、どうしてもスポーツ、もちろん語源は遊びなんですが、今、職場が抱える、企業が抱える社会課題、たくさんスポーツ・運動、解決できますので、就業時間中に運動・スポーツをやってもいいんだということに向けたエビデンスもそうなんですが、機運醸成というのが物すごく大事で、例えば、省庁だからできるのは制度だったり、モデルをつくるということだと思います。今具体的にというのは分からないんですが、機運醸成や制度化に向けて何かできないかというふうに考えています。
3つ目が、それをやっていくために産業保健領域との連携強化と人材育成です。先ほどから健康経営というものがございまして、こちらももちろん大事なんですが、来年4月から、高年齢労働者の労働対策が企業の努力義務化されます。今、その指針づくりに関連しておりますが、体力チェックとか身体機能の維持向上のための取組というものが企業に今後求められていきますので、これ、スポーツ実施のチャンスでもあるんですね。
ただ、産業保健の中にこれを担える人材が不足しておりますので、例えば、健康運動指導士の再教育を行うとか、社内でスポーツ経験者を人材発掘して、担当になってもらうためのセミナーをやるとか、厚労省や産業衛生に関する関連団体と連携して、産業衛生全般について学ぶ機会――スポーツの中身じゃなくて。をすることで、スポーツ人材がもっと生きるのではないかと思います。
最後に、地域職域連携協議会というものが各地域にできておりまして、ここにぜひ地域の、例えばスポーツ協会さんとかが参画していくようなことを促してはどうかと思っております。
それに関連して、次の自治体の地域スポーツ基本計画を、その地域の他分野の健康系とか福祉系の計画と連動しましょうということをきちんと促していってはどうかと思っています。
以上です。
【久野部会長】 コンパクトにまとめていただいて、ありがとうございます。新たな企業向けの事業や、特に人材育成などに関して触れていただきました。
では、ウェブのほうから松永委員、よろしくお願いします。
【松永委員】 松永です。よろしくお願いいたします。専門はスポーツマネジメントになります。
渡邉委員からの御報告とも関連しますし、この部会でも過疎地域関連については前回も発表させていただきましたが、やはり都市や地方のレベルによって、それぞれの地域特性を考慮していかなくてはいけないですし、DXを活用しつつ、人材確保や環境づくりについても補完していくことも考える必要があると思います。さらにDXを活用していくためには、同時に情報リテラシーの向上というところもセットで推進していく必要があると思います。もう1点、渡邉委員がおっしゃったように、町村はスポーツ推進計画の策定に至っていないケースが多く、過疎地域では、そもそもスポーツの部署が独立していないケースもあり、計画策定を視野に入れつつ、スポーツ関連の部署との横断的な連携というところも必要になってくると思います。
別の視点では、児童という表現や子供という表現はよく使われているのですが、やはりポイントになってくるのは幼児期ですね。就学する前の未就学児の運動・スポーツの楽しさについて、体験を通じて実感してもらうための環境や仕組みづくりはとても重要です。そこは保護者の意識も含めて重要になるかと思います。また、スポーツと幸福、ウェルビーイングなどのエビデンスや指標の可視化というところもやはり重要になってくると思います。筑波大学の朝倉先生が国際研究の動向を報告されていますし、今後は関連するさまざまなエビデンスを蓄積していくことも重要だと思います。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございました。
では、こちらから小野寺さん、よろしくお願いします。
【佐々木委員代理(小野寺)】 私、日本スポーツ・健康産業推進協会の小野寺のほうからお伝えさせていただきます。
最初に、私どもの団体の名称が変更となったことを御報告させていただきます。先月まで日本スポーツ健康産業団体連合会、略してスポ団連だったんですけれども、この12月から正式名称が日本スポーツ・健康産業推進協会、略称がJSHIPAという形で進めさせていただきます。
私どもの基本理念は、スポーツをする人を増やして、国民の健康増進とスポーツ産業の発展に貢献することで、具体的な事業としては、情報発信と産業交流、この2つを2本の柱としています。セミナー、シンポジウムの開催と、日本最大のスポーツの展示会であるSPORTECの共催団体としての活動になっております。
会員構成が、フィットネス産業協会、ボウリング場、テニス場、ゴルフ練習場といった、日常的に身近な環境で、場所でスポーツをする施設を運営している事業者の団体、そして、あとは指導者団体に加盟いただいています。
この2点から発言をさせていただきます。本日の主な検討項目の1点目の気候変動に伴うスポーツ実施環境の変化について、これは言うまでもないんですが、エネルギー価格の高騰が水光熱費の高騰を伴って、各事業者、特に水回りの大きいところなどは非常に運営経費が大きくなって、単一店舗のレベルだと、事業の継続が難しくなっているところもあるというのはしばしば聞いております。ですので、日常的な健康増進の場であるスポーツ施設に、何らかの形で、そのような対策を施すことをしている施設であったりとかのところに、何らかの施策、取組ができるとよいのではないかなと考えております。
もう一つの、年齢、性別、障害の有無にかかわらず、全ての国民がスポーツの価値を享受できる環境について、SPORTEC、展示会のほうと、あともう一つ、ウエルネスをキーワードする展示会、Wellness Tokyoを始めておって、そちらの中で、女性のスポーツとウエルネスをテーマとする、そういったようなシンポジウムなども開催をしてきております。
あと、ちょうど今週の12月15日に、これは東京大学のほうで行われた、障害の有無にかかわらないスポーツ環境の実現をテーマとするシンポジウムがあったんですけれども、私どもが協力団体となって、私どもの理事でフィットネス産業協会の専務理事である吉田正昭さんに御登壇いただいております。
この中で、パラスポーツ協会医学委員長である緒方先生のほうから、障害を持っている人がどのような運動ができるのか、あるいはできないのかとか、どのような配慮が必要なのかとか、そういったことが、スポーツの施設側であったりとか指導者と分かりやすく共有できるようなシステム的な解決方法が取れないかと。そういうふうなことを考えることがある。
一方で、吉田さんのほうからは、医療機関と病中・病後の回復に関してそのような取組が、少しではあるけれども行われることもあるというようなことをお聞きしております。
そういったところから、障害だけではなくて、生活習慣病も含めて、マイナンバーのような仕組みをうまく利用できればいいと思うんですけれども、個人の運動に関する適切な情報、そこについて施設側あるいは指導者側と共有できるような、そういった仕組みの構築について御検討いただけないかなというところを考えておる次第であります。
私どもからの発言は以上になります。
【久野部会長】 どうもありがとうございました。障害をお持ちの方々と施設の関係に関しても、言及をいただきました。ありがとうございました。
そうしましたら、ウェブのほうから藤田委員、よろしくお願いします。
【藤田(紀)委員】 藤田です。私からは、障害者に関するスポーツの充実、向上というところを中心に、3つの観点からお話しさせていただきたいと思います。
まず、1つ目が、子供の頃からスポーツを好きになるよう、あるいは嫌いにならないようにするための施策が必要ではないかということです。パラスポーツ実施者のインタビュー調査からは、ほとんどのアスリートがスポーツに関心があり、スポーツが好きだということが明らかになっています。一方で、スポーツ庁の調査では、障害者でスポーツをしない理由として、関心がないとか、嫌いという理由が多く見られています。障害のある人は、障害種であるとか発生時期、それから障害の程度が非常に多種多様で、これらのそれぞれに応じた施策を実践するというのは非常に難しいと思っています。それよりも、スポーツから関心がなくなることや、スポーツ嫌いをつくらないということが重要ではないかなと思います。
そのためには、指導者の責任というのは非常に重要だと思いますが、教える指導ではなくて、子供たちであるとか、障害の選手たちに考えさせる指導ということが重要になってくるかなと思っています。
このことは、障害者だけではなくて、障害のない人、女性、ビジネスパーソンにおいても同じだと思います。スポーツに関心があり、好きであれば、忙しくても、あるいは育児中であっても、スポーツに関心が向くはずだと思っています。
2つ目が、障害者のスポーツ実施率向上に関して、各地域あるいは自治体において、障害者のSport in Lifeに向けたビジョンをつくるとともに、関連組織が連携することが重要だと思います。
具体的には、教育委員会、特別支援学校、リハビリテーション、医療機関、パラスポーツ協会、社会福祉協議会等が連携するということが必要だと思いますが、また、連携した各機関が、障害のある人に対して、情報であるとかをどのルートでどのように提供していくか。そして、その活動を定着させて、その後の強化に結びつけるのかという、各地域のビジョンが必要だと思います。国がそうしたモデルビジョンを示して、自治体が実情に合わせて修正して、自治体の推進計画、スポーツ推進計画の中に落とし込むということが必要ではないかというふうに思っています。
最後ですけども、地域のスポーツ指導者が、障害のある人にどう対応すればいいかを知る必要があると思います。現在、スポーツ庁が作ったスポーツハンドブックが利用されていますが、これをさらにより現場で生かせるような形でブラッシュアップさせて、どの競技団体の指導者、あるいはどのような資格のスポーツ指導者であっても、障害者に対応できるようにすることが重要だと思います。
競技団体とかJSPO認定の指導者が障害者の受入れ、あるいは対応が可能になることで、例えば、山間地域とか、そういったところ、障害のある人が集まりにくいところでの健康教室とか、そういったところであっても、障害のある人の受入れが可能になるかなというふうに思っています。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございました。関連組織、いろいろなステークホルダーの連携というのが不十分だという前提の中で、御指摘を幾つかいただいた部分があったと認識をいたしました。
今、障害をお持ちの方々の話題が続いたので、宮脇委員、ちょっと飛ばさせていただいて、すみません、前田委員から先にお願いします。
【前田委員】 ポイントはちょっと絞って話をします。障害のある人のスポーツ実施率をいかに高めていくかというところに焦点を当てる中で、今日発言したいのは、障害者スポーツセンターの在り方というところです。これに関しては、2年前にスポーツ審議会の健康スポーツ部会障害者スポーツ振興ワーキング中間まとめというところで、センターの在り方ということが整理されています。非常にうまく整理をされていて、非常に大事だということはよく分かります。
その中で、広域レベル、都道府県単位で1つ以上整備するということが提言されています。その中で、先日、12月の上旬なんですけれども、長野県でパラスポーツセンター協議会、障害者スポーツセンター協議会というのがありまして、基調講演の講師ということで参加してきました。
その中で、自分も発表する中で、自分が障害当事者として、パラスポーツセンター、非常にお世話になっているし、また、今の立場、また、こういった委員をしている中で、非常に重要性を感じるところだなと思いました。
また、いろいろな方のシンポジウムの発表を聞いている中で、やはりちゃんとセンターがあるところで、特にハブ機能と、それとサテライト機能、そういったのがしっかり昔からあるところというのは非常に振興が進んでいる。自分たちがずっとお世話するだけじゃなくて、その先の地域の中でうまく回ってきているという事例とかも聞いている中で、非常に重要だなということを思いましたし、また、そういったセンター協議会でいろいろな情報交換がされている。これはより多くの方が聞くべきじゃないのかなというふうに思いました。
そんな中で、センター協議会に登録されている団体というか、施設なんですけれども、20都府県で31施設なんです。全県で整備を目指している中で、まだ未整備県が27道県あるということで、まだ未整備のほうが多いということになっています。
それは考え方なんですけれども、しっかりしたプールもあり、体育館もあり、何でもそろっている、そういったセンターができるのを待つだけじゃなくて、実は障害者専用とか、優先スポーツ施設と言われているものが全国で161か所あるということ、これも2年前の笹川スポーツ財団と藤田紀昭先生の研究の中で打ち出されています。
ですので、探せばありますので、今あるところをうまく活用して、何とかそういった地域のハブ機能として活用できそうなところは早くお願いをして、センター協議会に来てもらって、いろいろなノウハウを共有して、地域振興に生かしていければ、やはり地域振興の要であるということは確かなので、そこを中心にいろいろなステークホルダーと連携をしていって、地域振興を進めていければいいんではないかなということで、ぜひそちらのほうの施策を盛り込んでもらえるといいなというふうに思います。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございました。今の障害者のセンターの実態も踏まえて御提言をいただきました。
では、宮脇委員、お待たせしました。よろしくお願いします。
【委員】 当町では、後期高齢者の方たちの医療費とか介護給付費が随分かかり出したということもありますし、そんなにぜいたくな町じゃありませんから、一般財源も不足しているため、当町の健康づくりは、第3期計画書で見る限り、スポーツが高齢者の健康づくりを担えるということもあって始めたものでございます。
Smart Wellness Cityに100番目に参加させていただきまして、SIBで幾つかの自治体と連携して取り組みその成果が明らかに表れております。
例えば、事業開始前は参加者の約80%が運動不足層という状況でしたけれども、開始から2年で参加者の歩数は970歩増加して、5,000歩未満の割合が11%減少しました。
それから1人当たりの医療費や介護給付費を見ましても、参加していない方と比較して、1人当たり11万8,000円もの差額が生じる結果がはっきりしました。
これらのことから、歩くことによる健康づくりというのは非常に有効なことだということの証左であろうというふうに思っています。今後の取組としては、参加者のうち、年齢層が比較的高い層が少な過ぎるということで、75歳以上を増やすこととか、あるいは、3か月後に例えば1,500歩増やすというのはなかなかできないということもあるので、その辺のきちんとした取組方を考えるようにしておりまして、最終的には1.5億円のインカムを目標とする形のものを内閣府の制度も利用させていただいてやっているところでございます。先ほど来いろいろなお話がありましたが、気候変動に関しましては、よく私たちが要望を受けるのは、子供の遊び場です。保護者の方が雨の日や休みの日に子供がゆっくり本を読んだりするような場所ではなく、キャッチボールできるとか、バレーボールを投げ合ったりできるとか、そういうところを求めていたので、体育館、公民館、地区の集会所も含めて、子供の遊び場として開放しているか調査してみましたら、地域によってうんと差があるわけです。今でも開放しているところと、利用開放的にやっているところと、鍵を渡すのが面倒だから、やっていないところとあったりします。
そういった意味からしますと、先ほど渡邉先生がおっしゃった、オールジャパンが当たり前の世界に持っていければ子供の遊び場の開放を常時できると思いました。
それから、先ほど先生がおっしゃいました企業への支援、実は当町が国保と健保と3者で取り組みました。国保は協力してくださいましたけど、健保では個人情報ということもあって、なかなか了解いただけない。それを、見方を変えて、組合員の健康を守るために情報を活用してみようということになれば、お互いウィン・ウィンの関係ができるんじゃないかと思っています。そこに、企業にお金を出してあげるか、保険者が活用方法を考え出して、より効果的になればなと思っているところでございます。
以上でございます。
【久野部会長】 宮脇委員、ありがとうございました。
【宮脇委員】 1つだけ。すみません。地方自治体は、やっぱり私ども弱小の町村はそんなにお金を持っていませんから、ぜひ施設面での支援とか、あるいは人材、それらについてもお考えいただければありがたいと思います。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございました。首長のお立場から、これまでの実績、今後の問題意識をお話しいただきました。
皆様の御協力のおかげで、結構、早めに終えることができました。ありがとうございました。
次に移る前に、私の委員としての立場でちょっとだけ発言し、議事録にコメントを残させていただきたいので、一つ、今日、部会長としての立場でまず先に感想を申し上げさせていただくと、それぞれの委員の御専門のところから、非常に重要な事項を挙げていただいたと思いました。
健康スポーツ課のほうでうまくまとめていただければと思いますが、逆にちょっと個々のお立場で来たので、健康スポーツ部会として、次の第4期でこの計画を立てることによって何を達成、つまり、解決して、どこがゴールなんだというところが、若干まだ見えていないといいますか、合間合間の、今日はそういうふうにお願いはしていないので、全然皆様に責任があるわけではないんですが、少し後半、まだディスカッションの時間がございますので、これがどういう社会課題の解決につながっていくのかという柱を、健康スポーツ部会としてある程度立てておかないと、非常に網羅的にいろいろなものが上がった計画がただできるみたいな形になるかなと思いました。
また、宮脇委員から自治体の財政難の話もありましたが、ある面、政府も非常にお金がない中で、いわゆる実現することを、予算をうまく取っていく。つまり、あまり他省庁を当てにしたような形の計画は当然つくれないわけですが、例えば自治体であれば、それがまちづくりというような視点の中で、設備とかそういうところは国交省からの予算が取れていく。キーコンテンツとして、スポーツがそういうことにうまくつながっていく。自治体の首長や企画部門やスポーツ政策の担当者には見えている。そういうふうな発想になるような計画づくりが必要じゃないかと思いました。
ちょっと私がやってきたことで恐縮なんですが、今、宮脇委員や、先ほど渡邉委員の御紹介で、Smart Wellness Cityという首長の研究会を立ち上げて十何年、今、135ぐらいの首長の皆さんと一緒にやらせていただいているんですが、立ち上げのときに、ある首長から、Smart Wellness Cityの「City」を入れたのは大正解だと言われたんですね。
その意味は、どちらかというと、我々、健康がまずメインにあったんですけど、健康施策だと、自治体からしても大事なんだけど、やっぱりワンオブゼムなんだというんですね。Cityというのは、まちそのもの、まちづくりそのものは、ど真ん中になってくる。だから、スポーツだけにするとワンオブゼムなんですけど、それがこれからの社会課題のいろいろな解決、地域活性やいろいろな問題につながるということになると、かなり総合的な、一丁目一番地の、例えば自治体にとっても施策になってくるし、他省庁との連携、あるいはそういう中での予算を取ってくる、財務省から取ってくる分も含めて、やっぱりその辺りの戦略が非常に重要じゃないかなというふうに感じました。
あと、専門的な観点からいくと、これから施設の在り方は、スポーツ実施率を上げる一つのヒントは間違いなく、シンガポールが実際にやった事例を見ても、体育館とかスポーツ施設だけにしていかない、複合施設が一つの方向性としてあるんだろうというのが1点。
それから、企業のお話も今日かなり出たんですが、どうしても企業のところが、これまで健康経営も含めて、大企業からスタートしてしまうところを、日本全体では中小企業の方のほうが多いので、中小企業からやれるやり方で進めていくというような逆転の発想がないと、同じことが繰り返されるんじゃないかと。
それから、ジェネレーションの問題からいくと、日本の女性の方の健康状態が非常に悪い上に、体力が低いというデータが出ている。体力が低いのはなぜかというと、ルッキズムで痩身願望が強くて、痩せている人が多いという問題がある。教育に実課題があって、欧米だと、ボディーイメージ教育というのが普通に位置づいているのに対して、日本ではボディーイメージ教育が非常に弱いので、結果的に世界で一番痩せた方が多いみたいなデータが出ている。その辺りを考えていく必要がある。
最後に、これだけお金がない中で、新設というよりは、リノベーションがキーワードになってくると思っていまして、特に首長さんとお話をしていると、学校統合の問題、そこに部活動の問題がやっぱり絡んでくるんですけど、移行の問題も絡んでくる中で、まだ使える施設が空き家になってくるところをどうリノベしながら、さっきの複合施設というようなキーワードも含めて考えていくのか。その辺りも非常に大事な視点じゃないかなと、私の意見としても最後申させていただきました。どうもありがとうございました。
まだ本日、発言し切れなかった御意見等もあると思いますので、この後、事務局からの説明後、多少時間を取っておりますので、改めて御発言いただければと思います。
では、次に、健康スポーツ部会における今後の検討事項について、中村課長、説明をお願いいたします。
【中村健康スポーツ課長】 ありがとうございます。今、部会長からも、第4期を考えていく上での戦略とか狙いをどういうふうに定めていくかという御意見がありまして、今後の議論を進めていくに当たって、たたき台として、資料4-1で、どういう方向性でどういう論点を議論していくのかという御提案を本日させていただければと思います。
ちょっと冒頭、御説明し忘れたことがあるので、関連で資料2を御覧いただければと思いますけれども、今後の議論の進め方ということで、冒頭御説明したように、11月21日の総会の諮問を受けて、本日を含めて、この健康スポーツ部会で議論を進めていこうと思っていますけれども、1月2月3月と、少し集中的に議論をさせていただいて、第4期の目標をどうするのか、重点施策をどうするのか、それを年度内ぐらいに一旦取りまとめて、渡邉委員がやっていただいている計画部会のほうにお示しをし、そこで議論を進めていくと。こういうスケジュール感で、少しスケジュールがタイトなんですけれども、年度内に集中的に議論を進めていきたいというふうに思っています。
資料4-1のほうに戻っていただきまして、この資料4-1のほうで、今後の議論を進めていくに当たってのポイントを少しまとめさせていただいています。
1ページ目は御説明したとおりの諮問そのものでございますので、2ページ目を御覧いただければと思います。まず、第4期スポーツ基本計画で何を目指していくということでございますけれども、大きな流れとして、日本で最も今どの分野も課題となっているのが少子高齢化であると。少子高齢化が進んで、社会保障費がどんどん増えていくという中で、今後も日本の社会経済の活力を維持し、成長させていく。これが今一番重要な政策課題だと思いますけれども、そのためには、やはり国民の心身の健康や体力の保持増進、これが土台となる極めて重要な要素であろうと。これが社会の活性化とか課題解決にも結びついていくという観点で、人への投資――単にスポーツを振興するというだけではなくて、こういった日本を支える人を、国民という意味で、人への投資としてスポーツ振興を図って、誰もが生涯を通じてスポーツを継続できる環境を実現していくと。こういう打ち出しをしてはどうでしょうかというのが、1つ目に書いているものでございます。
ただ、先ほど御議論もありましたように、みんなでやりましょうというだけではなくて、やはりどこが課題になっているのかということも踏まえながら、例えば、今お話のありましたように、働く世代とか女性とか、どこを重点的なターゲットにしていくのかという、重点化というのも必要なのではないかということでございます。
そして、3点目として、久野先生からもありましたけれども、スポーツ庁だけとか、国だけでできることってやはり限られていて、国全体を支えていくという意味では、当然、地方公共団体とかスポーツ団体だけではなくて、民間企業、大学、学術団体、現場の指導者とか、医療関係者とか、様々な方がやはり協力して連携して取り組んでいくということが必要だと思っております。
第3期スポーツ基本計画は国が何をやるしか書いていないんですけれども、そうではなくて、それぞれのステークホルダーがどういうことをやっていくべきなのかということを、第4期では位置づけていければなというふうに思っているというのが、1つ目に書いてある内容でございます。
2つ目として、では、議論を進めていくに当たって、今、主要課題となっているのは何なのかと。この課題設定が非常に重要なのだろうなというふうに思っております。資料4-2のほうにも関連するデータをつけておりますけれども、生涯を通じてスポーツを継続できる環境をつくるという意味で、子供の頃から学生時代までの課題は何なのかと。先ほど子供についても幾つか御意見をいただきましたけれども、子供の運動習慣の形成・体力向上をどういうふうに図っていくべきなのかとか、特にこの部会でも議論いただきましたけれども、スポーツ実施頻度が下がるのが大学期だと。そこから社会人の低い実施率につながっているということで、大学にどうてこ入れをしていくのかと。そういったことが、まず社会人になる前の課題としてはあるのではないかなと。
社会人の課題としては、何度も御議論いただいているように、現役世代の実施率の低さ、それから、年々拡大している男女差、女性の実施率と男性の実施率の差が開いていると。それから、久野先生からありましたように、三、四十代の女性の体力低下という社会課題をどういうふうに対応していくのか。こういったことが考えられるのかなと。
世代差以外のものとして、渡邉委員からもお話がありましたけれども、地域の課題ということで、よくこちらでお示ししているデータでもありますけれども、地域別の格差というのをどういうふうに埋めていくべきなのか。スポーツ実施率だけを見ても、かなり地域によって差があるところをどう埋めていくのかということ。それから、特に地方部に行くと、過疎化・高齢化が進んでいく中で、特に高齢者のスポーツの環境というのをどういうふうに維持していくのか。こういったことが課題として出てくるのかなと思います。
そして、それらに共通する課題として、今、お話のありましたように、少子化によって学校の数がどんどん減っていっていると。本日お配りしている資料4-2の15ページ目のほうにもありますけれども、国内のスポーツ施設の実は6割が学校運動施設になっていまして、こういう少子化によって、子供だけではなくて、地域で運動できる場もどんどん減っているということで、こういう問題に対してどう対応していくのかということ。
そして、大きな影響を及ぼしている気候変動、暑熱環境でスポーツができなくなっている。こういったことに対してもどういうふうに対応していくのかということが、主な問題としてあるのかなと。
そして、いろいろ御意見いただきましたけれども、障害者については、健常者と比べてかなりスポーツ実施率に差があるということで、障害者の方々のスポーツ実施率をどういうふうに全体で引き上げていくのか。こういったことも背景の課題としてあるのかなということで、今後議論を進めていただくに当たっての参考として書かせていただいています。
そして、こういう様々な課題を踏まえてスポーツ推進を図っていくことで、これ、副次的な効果も含めて、社会課題の解決に結びつけていくということを、もう少し明確にスポーツ基本計画の中でも打ち出してはどうかということで、例えば、どういうことにスポーツ推進というのは寄与していくのかということで書かせていただいたのは、1つ目は、医療費・介護費などの社会保障費の増大に対して、それを押し下げる効果があるのではないかと。疾病関連のものでありますとか、高齢者の災害の減少とか、メンタルヘルスの減少とか、こういった効果があるだろうと。
それから、2つ目として、これはプラスの効果ですけれども、社会・経済の活力につながるような生産性向上や女性の活躍促進・少子化対策、こういったことにもつながっていくだろうと。プレゼンティーズムやアブセンティーズムの問題とか、女性の健康問題でありますとか、あと、少子化ということであれば、スポーツは男女の出会いの場にもなっていくのではないかと。こういった観点も含めて言えることがあるのではないかと。
そして、子供や若者世代であったり、単身世帯・単身高齢者の孤独・孤立の解消にもスポーツが非常に役に立つということが言われていますし、それから、障害者の社会参加の推進、そういう観点でも、スポーツは様々な社会課題の解決に結びついていくということで、どういう打ち出し方をするかというのはまた御議論いただければと思いますけれども、こういったこともきちんと社会に対して発信していったらどうでしょうかというのが2つ目でございます。
具体的な議論を進めていく上で、4ページ目5ページ目に、目標のことを書かせていただいております。今、スポーツ基本計画第3期では、成人のスポーツ実施率という目標を立てているんですけれども、生涯を通じてスポーツを継続できる環境を育成するということで、児童・生徒期の今はスポーツの総運動時間、スポーツを卒業後もやりたいかとか、体力の評価を上げていくかとか、こういったことが今第3期の計画になっているんですけれども、第4期ではどういう目標を設定するべきだとか、それから、実は大学期については、具体的な数値目標が設定されていないので、社会人へのつなぎという意味で非常に重要な期間である大学期について、何か数値目標を設定するべきかどうかということ、そして、社会人については、今、成人全体の平均のスポーツ実施率ということで挙げているんですけれども、重点を絞っていくという観点では、例えば、働く世代とか女性など、特定の対象についての具体的な目標設定というのも議論してはどうかということでございます。
そして、次の5ページ目に行きますけれども、この部会でも御議論はありましたけれども、週1回のスポーツ実施率というのが、それが1日5分なのか8時間なのかということも全部一緒くたになってしまっていて、質を評価できていないのではないかという議論もありましたので、例えば、実施時間とか質を評価するような目標をつくるべきかどうかということもあるかなと思っております。
それから、これも同じくこの部会で議論がありましたけれども、年1回以上のスポーツ実施率、今は100%に近づけるという目標を立てていますけれども、そもそもこの目標自体が妥当なのかということも議論が必要かなというふうに思っております。
それから、子供については体力の目標があるんですけれども、成人についてもこういう体力の目標をつけるべきかどうか。女性の体力低下が課題になっているという議論もありますので、そういったことも含めて議論が必要なのかなというふうに思っております。
そして、先ほど課題のところでお話をさせていただきましたけれども、地域格差について、目標をつくるかどうかということについても議論が必要なのかなということで書かせていただいております。
目標としては、最後になりますけれども、障害者については、今、第3期のスポーツ基本計画で、健常者と同様に、週1回、年1回のスポーツ実施率ということを目標にして、それから、障害者スポーツの経験者の割合というのを目標にしているんですけれども、第4期もこのままの目標でいいのかどうか。数字をどうするかというのもありますけれども、この目標自体もこれでよいのかどうかという議論が必要なのかなというふうに思っております。
そして、あとは、先ほどの温暖化の課題がございましたけれども、スポーツ実施に関して大きな影響を及ぼしている熱中症だけではなくて、スポーツ中の安全確保という意味で、何か具体的な目標が必要かどうかということも、この部会の中で御議論いただければなというふうに思っております。
今お示ししたのは、一応、事務局としての議論の論点でございますけれども、これ以外にも先生方から御意見があるかと思いますので、そういったことも含めて議論を進めていければなというふうに思っています。
こうした目標を踏まえて、さらに、この議論は2月以降になると思いますけれども、重点施策をどうしていくのかということでございまして、実施レベルが下がっているようなところを重点とするような立て方をするかどうか、具体的にはどういうことを重点にしていくか。
それから、今日の御議論もありましたけれども、実は子供の頃からのスポーツの経験というのが、大人のスポーツ実施率に非常に関係しているということが調査でも分かっていますので、子供の頃からのスポーツへの考え方とか姿勢とか習慣というのも重要な施策になっていくのではないかということでございます。
こうした重点対象をどうするか、何をするべきなのかということを検討するに当たっても、そもそも運動時間が長期的に見ると減少傾向にある子供であるとか、スポーツ実施率が低い大学生、それから働く世代について、なぜ上がらないのか、なぜ低いままなのか、なぜ下がるのか、こういった要因をきちんと分析して、それを踏まえて実施率向上に結びつける。どういう取組が効果的なのかと。こういう検討ができればいいのではないかというふうに考えております。こういったことを踏まえて、何をやるべきなのか、それは誰がやるべきなのか、そういったことも議論をしていければなというふうに思っております。
一応、今後の議論に向けて、論点として提示をさせていただきました。
【久野部会長】 中村課長、御説明ありがとうございました。
ただいまの説明を踏まえ、次回以降、第4期における目標設定や重点的に推進すべき施策について、本格的な議論に移りたいと思いますが、今日の段階で皆様から何か御意見、御質問等があれば、この後いただければと思います。
また、先ほど少し申し上げたように、どういう社会課題を取り上げていくべきかとか、あるいは、先ほど御発言、非常に時間が限られた中で、ちょっとぜひこの点は補足しておきたい点、この辺りは御自由に御発言いただいて構わないと思いますので、よろしくお願いします。
また、ぜひ御提案等もいただきたいんですが、こういうのを考えてくださいというだけ、あとは事務局が考えてくださいというのは、事務局も大変ですので、ぜひ具体的な点も踏まえてお話をいただけると、非常に事務局側も助かるんじゃないかと思いますので、その点もよろしくお願いします。
ウェブの方は挙手ボタンを押していただければと思いますし、こちら、現地の方も少し手を挙げていただければと思いますが、最初、いかがでしょうか、どなたか。
じゃ、藤田委員の手が挙がりました。藤田委員、お願いします。
【藤田(紀)委員】 ありがとうございます。先ほども申し上げたんですけれども、子供時代のスポーツ実施をどうするかというのはすごく大きな課題だと思うんですが、これまでうまい子供たちを、うまい子を評価していったりとか、それから、実施率をとにかく上げるためにやらせなきゃいけないとかという考え方だと、余計にスポーツ嫌いが増えていくような気がするんですね。
そうではなくて、いかにスポーツ好きをつくるか、スポーツを好きになってもらうか、そのために何をすればいいかというふうな考え方、それは障害者であれ、女性であれ、誰であれ、スポーツ好きをたくさんつくっていくという理念というか、ベースのところ、考え方がないと、これまでと同じようなやり方では何も変わらないのではないかなという気がしています。スポーツ好きをたくさんつくろうという方針が必要かなというふうに思います。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございます。藤田委員、これ、基本計画で進めていくと、結構、今のところは学習指導要領とかも関わっているような気がするんですが、その辺、何か進め方、アイデアとか、これまでの御経験で、こういう点をやるといけるんじゃないかなど、何かございますか。
【藤田(紀)委員】 なかなか難しい。文科省の中での縦割りがいろいろとあって、連携を取ってやっていくというところ、厳しいところもあるかと思うんですけれども、そこは省内でしっかりと連携が取れると一番いいのかなというふうに思います。
【久野部会長】 ありがとうございました。
今、事務局から、能瀬委員が参加いただいているというふうにメモが入りましたが、能瀬委員、いらっしゃいますか。
ちょっとまた退室されたようですので、また引き続きこちらで議論をしたいと思います。
そのほかいかがでしょうか。
前田委員、お願いします。
【前田委員】 スポーツの実施率の表、よく出てくるし、それを目標に皆さん頑張っているところなんですけれども、成人のスポーツ実施率という表と、障害者のスポーツ実施率という表、それぞれ集計の仕方が違うんでしょうかね。ちょっとそれ、質問もあって、成人のほうは各県の数字というのが出てくるみたいなんですけれども、障害者のほうが各県の数字というのがなかなか公表されないというか、探しても出てこないので、ぜひその辺りを公表していただければいいなと思っています。
というのは、私も鹿児島県のスポーツ推進審議委員もやりましたし、今はそこは退いて、鹿児島市のスポーツ推進審議委員というのをやったりしています。その中で、鹿児島市は鹿児島市で調査をしたりしているんですけれども、その辺の調査の仕方とか、国のデータとどれぐらい違うのかとかというのをやっぱり見ていったほうがいいですし、それぞれの自分のところの市とか、自分のところの県とかで目標を設定して、それが全国でどれぐらいの立ち位置なのかというのがクリアに分かったほうが、よりやる気が出ていくんじゃないかというふうに思いますので、ぜひその辺りも公表していただければなというふうに思います。
【久野部会長】 ありがとうございます。
今の点でお願いします。
【中村健康スポーツ課長】 実は、調査自体はほぼ同じ内容でやっているんですけれども、障害者のほうの調査の母数が少ないという問題がありまして、都道府県別に分けてしまうと、ちょっと安定性を失って、信頼性の問題から今、公表できていないという状況なんですけど、今後、母数を増やしていけるのかも含めて、検討させていただきたいと思います。
あと、先ほどいただいた学習指導要領も含めての話なんですけど、当然、スポーツ庁の中ではよく連携したいと思っていますけれども、この部会の議論で学習指導要領をどうするべきだというよりも、先ほど藤田委員からもいただいたように、子供のスポーツ環境をつくっていくためにはこういうアイデアもあるんじゃないかというベースでいただければ、私たちもそれをどう受け止めるかということが考えやすいかなというふうに思っておりますので、方向性などをいろいろ御提言いただければなというふうに思っています。
【久野部会長】 ありがとうございます。
では、そのほかいかがでしょうか。
そうしましたら、松永委員、お願いいたします。
【松永委員】 ありがとうございます。今日の話題の中であまり上がってこなかったのですけれども、するスポーツの実施率を上げるということも重要なのですが、まず、「見る」スポーツが足がかりとなって、スポーツの楽しさを実感した人が「する」スポーツに行動変容するという視点も重要かと思います。特に、障害者スポーツのところでは、見るスポーツについては議論されないのでしょうか?という発言を、以前、させていただいたことがございます。その際、障害者スポーツ部会のほうでも、次の段階では検討しますという御回答をいただきました。やはり、見るスポーツから楽しさ、幸福、ウェルビーイングというところにつながる話にもなると思います。都市計画やまちづくりという観点からも、スタジアム・アリーナを全国展開されて、そろそろ成果も出てくるところですが、その辺りはこの部会の検討事項となるのか否かというところも踏まえてご質問させていただきます。
【中村健康スポーツ課長】 この部会のテーマは実はすごく広くて、国民にスポーツをしていただくために何をやるべきかということは、施設とかハードも含めて幅広く議論できればと思っていますので、見るスポーツも含めて何かの議論を排除しようというところはございませんので、御意見はいただければ、受け止めさせていただければというふうに思います。
【松永委員】 ありがとうございました。
【久野部会長】
では、そのほか。甲斐委員、どうぞ。
【甲斐委員】 中村課長、ありがとうございました。とても論点が整理されていて、頭がクリアになりました。基本的には私はとても賛成で、先ほど私も発言しましたが、結構、働く世代とかという言葉をたくさん入れていただいて、やっぱりここをどうしていこうかというのはとても大事なポイントだと思います。年齢、性別にかかわらず環境を整備していくというのが視点として入っていたかと思います。
もし可能だったらなんですが、個人のスポーツ実施率だけではなくて、それをサポートする、例えば職場がとか、企業が、団体が増えたかというのを、もしも目標値に入れられる――目標値なのか。目標値にするということは、KPIを設定するというのとほぼ同義だと思いますが、今、スポーツエールカンパニーとかの数は入っていると思うんですが、もちろん目標2,000団体というのはとても意味がありますが、やっぱり働く場を考えたら、全然母数が違うので、そこを何か調査をするとか、そうやって捉えて、実際、こういう職場が、企業、団体が増えているのかというようなものを何か目標で設定できるといいかなというふうにはちょっと感じたところです。
以上です。
【中村健康スポーツ課長】 まさに今やっているんですけれども、世論調査の中でも、職場でスポーツ推進の取組があるかということは実は調べていて、数字も取っています。甲斐委員おっしゃるように、スポーツエールカンパニーはいまだ1,500とかというところなので、これが日本全体を表すかというのは、またそれは議論のあるところだと思いますので、例えば、スポーツの取組をしている企業の割合とか、そういうことも含めて、第4期で例えばKPIにしていくとか、そういう議論は十分あり得る話だというふうに思っています。
【久野部会長】 小松原委員、お願いします。
【小松原委員】 ありがとうございます。中村課長に御説明いただいた資料ですが、論点が整理できて、よかったと思います。ありがとうございました。
この健康スポーツ部会は、「健康スポーツ」とついている以上、そこに少し焦点を当てていく必要があると思っております。
先ほどの課長の説明資料で、「少子高齢化が進み、医療費等の社会保障費が増大する中」とございますが、国の施策としては、生涯現役社会の構築というところをもう少し前面に出して、定年退職を迎えたらそのまま社会的コストになってしまうのではなくて、社会にとっても大事な人材として社会参画をしっかりしていってもらえるような社会づくりをするという意味で、少しメッセージをそういうふうに持っていったほうがよいのではないかと思っております。いきなり医療費の削減とか、適正化だとか、介護費の削減と言っても、企業側はあまり気にしていなくて、定年延長がどんどん延びていく中で、元気でいつまでも働いてもらえるかに一番注力していると思いますので、もう少し大枠で考えたほうがよいと思います。
また、久野先生がおっしゃっていたWellness Cityも全く同じだと思っておりまして、ハードなまちづくりというのもあると思いますが、いつまでも現役で活躍できる人たちがいるまちづくりというのも私は非常に大事だと思っております。そのような人たちに少しでもタックスペイヤーになっていただいて、消費行動や納税、あるいはボランティアに参画してもらうというのは非常に重要なことだと思います。そのようなKPIを目指して、この健康スポーツ部会が基本計画を書いていくということが必要なのではないかと思っております。
【久野部会長】 小松原委員、ありがとうございます。非常に重要な点を御発言いただいたと思います。
あともう1人ぐらいお時間ありますが、いかがでしょうか。
そうしましたら、策定部会長、今日、渡邉委員から最初お話をいただきましたが、今日の議論を聞かれて、再度、渡邉委員からコメントをいただければと思います。
【渡邉部会長代理】 各委員の皆さん、ありがとうございました。私、先ほどいろいろ申し上げましたけれども、皆さんの意見というのはすごく腑に落ちましたし、中村課長のこの整理というのもよく分かります。それを受けての皆さんの発言もよく分かりました。
ちょっと寄り道になるかもしれないんですが、藤田委員がスポーツ好きの子供をという話をされていましたよね。私、おととい、日本財団がやっているHEROsというプロジェクトがありまして、ここには、元アスリートの方、現役の方もいるんですけれども、それぞれが個々に社会貢献をされているんですよ、地域で。そういった方々が個で展開するよりも、一つのプラットフォームで情報を共有しながら、あるいは、複数の人がタッグを組んで、いろいろ社会貢献していこうと。そんなプロジェクトなんですね。
アスリートの持っている価値というのは、僕らとまた全く違いまして、子供たちに触れると、子供たちが覚醒するような部分というのがあるんです。ちょっとオーバーな表現なんですけどね。今、Jリーグから始まって、Bリーグもそうなんですけど、地域密着でいろいろ地域の子供たち、学校の出前もそうですし、いろいろなクラブへ行って指導されていますよね。前田さんももしかしたら障害者の方の指導をされていると思うんですけど、すごく影響力を受けるんですよね。
だから、今度、スポーツ庁でスポーツ好きの子供たちを育てるというときには、さっき私、オールジャパンという話をしましたけれども、そういったクラブであるとか、アスリートであるとか、元アスリート、特に地域に眠っていて、なかなか表で活動しない人が実は全国にたくさんいるんですよね。そういった人たちも地域と連携することによって、うまく発掘して、活躍してもらえる場を設けるといいんじゃないかなと。そうすると、先ほど小松原さんが言ったような生涯現役社会というところにも、プレーヤーとして参加することもできますし、いろいろな副次効果があるかなと。
学校がこれからどんどん統合されていって、どう利活用しようかという話があったと思うんです。今、ボートレース場というのが実は全国24か所ありまして、ボーネルンドと組んで、子供の遊び場を提供しているんです、低額予算で。そうすると、36の基本的な動きだとか、そういうものも遊びながら、楽しみながら習得できるような環境があるんですよ。
だから、廃校利用なんていうのも、オールジャパンで物事を考えるときには、各自治体とも連携しながら、そういった遊具を置いて、当然、受益者負担でお金をもらって、うまくビジネスサイクルに持っていくと、それはそれでプラスになるんじゃないかなというふうに思って聞いておりました。
だから、いろいろな施策の展開があるんだろうと思いますので、ここでがっと出して、いろいろ議論して、基本計画部会のほうに流してもらえるといいなと。そんなふうに思います。ありがとうございました。
【久野部会長】 渡邉委員、ありがとうございました。
以上で意見交換は終わりにさせていただきます。
次回以降、先ほど中村課長から1月から3月が集中的にということでございましたが、第4期における目標設定に関しての議論や、推進すべき施策についての議論が始まります。今日はそういう意味ではイントロダクションということで、中村課長のほうから整理いただいて、皆さん頭がすっきりしたと思います。次回に向けて具体的な、ここに幾つかの論点が出ているかと思いますので、それぞれの御専門のところに関して次回以降御発言をいただくことになると思いますので、何とぞ御協力よろしくお願いいたします。
では、議題1はここまでとさせていただきまして、議題2に移ります。資料5の令和6年度体力・運動能力調査の結果について、中村課長より御説明お願いします。
【中村健康スポーツ課長】 報告するタイミングがなくて、このタイミングになってしまったんですけれども、今年の10月に発表した体力・運動能力調査の結果ということで、実はこの部会の議論にも関係するような内容もありますけれども、資料5の1枚おめくりいただいたところからが今年の主な結果になっておりますけれども、加齢に伴う運動能力の変化の傾向でありますとか、体力・運動能力の年次推移の長期的傾向ということですけれども、調査結果の分析のところにありますように、性別、年代別に、体力測定の結果がどのように推移しているかということを見ていくと、御覧いただければ顕著にお分かりのように、これ、35歳から39歳女子としていますけど、実は40代も同じ傾向になっておりまして、そこだけが下がり続けていると。ほかは横ばいかおおむね上がっていると。こういう傾向が体力・運動能力調査の結果でも顕著に出ているというのが1点目でございます。
それから、次のページの3ページ目、これは学生時代――小学校から大学まで含まれますけれども――の運動の経験が将来の運動の習慣化にどういうふうにつながっているかというのを分析したものでございまして、右上のグラフは、これは体力測定の結果が、Aが一番高いんですけれども、それによって運動習慣がどうなっているかということを見ると、体力と運動習慣がかなり関係しているということが、これは明確に出ていますということと、その下が、学生時代に運動をしていたかどうかということが、20代30代の運動をやるかどうかということにも影響を及ぼしています。
実は左側を御覧いただくと、運動の頻度に影響があるのは、大体20代から30代ぐらいが顕著に出ていて、年齢を追うごとに、若い頃の経験というのは影響は減っていく。想像すればお分かりだと思いますけれども、そういうことが調査から分かっていますということなので、特に働き盛り、20代30代の運動の習慣化ということを考えるのであれば、今日御議論いただいたように、子供の頃からの経験をどういうふうにつくっていくかということが大事だなということは、国の調査からも見えてきていますということの御報告でした。
以上になります。
【久野部会長】 ありがとうございました。
以上をもちまして、本日予定しております議事は全て終了いたしました。
最後に、再度、中村課長より事務的な御連絡をお願いいたします。
【中村健康スポーツ課長】 次回は1月29日の15時からということで、次回は、第4期の目標の集中的な議論ということで、案もお示ししながら、具体的な議論をいただければなというふうに思っております。よろしくお願いします。
【久野部会長】 ありがとうございました。
もし今日の議論で、目標で今度案が次回出てきますが、何かそこでぜひというような御意見があれば、ぜひ事務局のほうに出していただければと思います。あるいは、今日ちょっと言い足りない点とかももし残っていれば、お出しいただければと思います。よろしくお願いいたします。
では、以上で今日の議事は全て終了いたしました。御出席いただいた、ウェブ、現地の委員の皆様、ありがとうございました。スポーツ庁の皆さんもありがとうございました。
以上で終わらせていただきます。お疲れさまでした。
―― 了 ――
<付記>
本会議に御欠席された委員の方から書面で御意見をいただいております。
〇岩田委員書面提出意見
①年齢、性別、障がいの有無等に関わらず、誰もが生涯を通じてスポーツを継続できる環境の整備、共生社会の実現
【テーマ】
子どもの運動習慣の定着について
【意見】
第3期スポーツ基本計画では、20歳以上の週1回以上のスポーツ実施率をR8年度までに70%、年1回以上のスポーツ実施率をR8年度中に100%に近づけることを目標としているが、目標達成は現時点では、なかなか難しいと考える。
ジュニア・ユース世代、さらには幼少期からスポーツに親しむ機会を創出し、「スポーツは楽しい」という気持ちを子どもたち自身が強く身につける(育む)ことが重要である。
幼少期からの運動習慣の定着は、将来のスポーツ実施率(継続率)を高め、運動遊び身体を動かす体験を通じて楽しさを感じる機会を増やし、結果として生涯にわたりスポーツに携わる習慣の定着化が図られる。
この観点から、次期計画ではスポーツ実施率の対象となる年代ごとの施策のみならず、幼少期からの運動機会の創出と確保、また、動きの質の向上に向けた指導体制の確立、家庭・地域・学校の連携による継続的な支援体制の充実、誰もが参加できるスポーツ環境整備の確保(年齢・性別・障がいの有無を問わない)など、多方面から専門的に議論されることを期待する。
②気候変動にも対応した安心・安全な実施環境の整備
【テーマ】
暑熱対策と指導者の重要性について
【意見】
近年、気候変動による猛暑の影響で、スポーツ活動における熱中症リスクが益々高まっている。特に子どもや高齢者、障がいのある方にとって、暑熱環境下でのスポーツ実施は最も重大な安全課題であると認識している。
第3期スポーツ基本計画では、スポーツを実施する者の安全・安心の確保に関する項目において熱中症に関する記載はあるものの、具体的な対策や指導現場でのスポーツ実施に関する具体的な指針が十分であると言えない。
こうした状況に対応するため、次期計画では暑熱対策の指針を標準化し、安全・安心なスポーツ実施環境を整えることの重要性を明記することが不可欠であると考える。
また、日常のスポーツ実施現場においては、指導者が暑熱対策の実践において中心的な役割を担うことが考えられる。そのため、指導にあたる者には、暑熱対策(熱中症予防等)について正しく理解し、適切な指導を行うことが求められる。このことから、資格や専門的な知識を有する指導者をさらに確保し、現場での安全管理を徹底することが重要である。
これは暑熱対策に限ったことではなく、全ての環境下において安全・安心なスポーツ実施を整備するうえで、知識とスキルを備えた指導者の確保が大変重要な観点だと考える。
もちろん、暑熱下での大会、イベント開催などにおいては、その実施可否、対策を施したスケジュール管理などは、大会運営者が責任を持って、全ての参加者(選手、監督、審判、運営者、観客等々)への安全配慮を行い対応することは最低限の基本である。
暑熱下での日常の継続的実施、特に発育発達期の子どもたちのスポーツ実施にあたり、適切な指導体制の整備が急務であり、基本計画に明記する内容であると考える。
〇金岡委員書面提出意見
【意見】
働く世代や女性のスポーツ実施率が低いことの背景には、スポーツに取り組む時間的経済的な余裕が少ないことが挙げられるが、それに加えて運動スポーツを行うことによって得られる健康上のメリットについての理解(健康リテラシー)が低いため優先順位が下げられていることが考えられる。
今後は、運動スポーツを行うことが、メタボリックシンドロームなどの内臓器障害の予防となるのみならず、生涯自身の足で歩き続けるための運動器の健康維持にも重要であるという健康リテラシーを高める方策が求められる。
〇藤田明美委員書面提出意見
①年齢、性別、障がいの有無等にかかわらず、誰もが生涯を通じてスポーツを継続できる環境の整備、共生社会の実現
【ポイント】
eスポーツやニュースポーツの活用による多様な主体の参画、共生社会の実現を図る。
【意見内容】
多様な主体の参画・共生社会の実現という観点から、eスポーツというものを活用してみてはどうかと考えています。
「eスポーツ」は「スポーツ」なのかどうかという議論があることは承知していますが、欧州スポーツ憲章では「スポーツとは、気軽にあるいは組織的に参加することにより、体力の向上、精神的充足感の表出、社会的関係の形成、あらゆるレベルでの競技成績の追及を目的とする身体活動の総体を意味する」と定義されています。eスポーツのゲームの種類も様々で、まさに年齢、性別、障がいの有無にかかわらず楽しめる要素を持っており、eスポーツを通じて、人々が「集い」、「つながる」、ことによって、世代間交流が生まれ、地域活性化にもつながっていくのではないかと考えています。
さらには、子どもから高齢者まで誰でも、いつでも、どこでも、気軽に楽しめるニュースポーツを一緒に行うことにより、その効果はより一層高まっていくのではないかと思います。
②気候変動にも対応した安心・安全な実施環境の整備や、人材・資金の好循環等のスポーツ推進のための環境の整備
【ポイント】
既存施設を活用した環境整備と広域での人材確保
【意見内容】
近年、気候変動による猛暑により、熱中症予防の観点から夏場の運動は屋内屋外を問わず活動時間等の制限がされています。
また、北海道、東北、北陸等は冬場の積雪や降雨等により、地域によって期間の差はありますが、冬場の屋外での運動ができないことが課題となっています。
それらの課題をクリアするためには、冷暖房完備のオールシーズン利用できる屋内体育施設、さらに、屋外競技を行うとなれば、床面は人工芝等の施工も必要になるため、かなりの経費が必要となります。
また、人口減少が進んでいる地域では、小中学校の統廃合に伴い、廃校になった校舎、体育館等の活用方法等が課題となっています。そういった体育館を改修して、屋内体育施設として活用することも考えられます。改修費用はかかったとしても、新たに建設することを考えれば、費用もかなり抑えることができ、改修にも民間の資金と運営ノウハウを活用することにより、利用者にとって、より使い勝手のいい施設となり、新たな利用者の確保にもつながると考えられます。
人材確保については、市町村が単独で行うのではなく、近隣市町村と連携して、指導者バンク等をつくり、広域での対応が必要だと思います。実際に、地域のスポーツクラブも子どもたちの減少に伴い、市町村を越えての活動も見受けられている昨今、指導者についても同様に考えます。
将来的には広域で連携し、種目によって活動する市町村(野球はA市、テニスはB町、柔道はC村)が決まってくるようになるのではないかと思っています。
―― 了 ――
スポーツ庁健康スポーツ課