2025年9月26日(金曜日)10時00分~12時30分
1. 今後の施策実施に向けたヒアリング
2. その他
相澤委員、岩田委員、小熊委員、甲斐委員、北出委員、久野委員、小松原委員、佐々木委員、塩野委員、津下委員、能瀬委員、藤田紀昭委員、前田委員、松永委員、渡邉委員
室伏長官、浅野次長、籾井審議官、大杉スポーツ総括官、中村健康スポーツ課長、今村障害者スポーツ振興室長
厚生労働省健康局健康課
スポーツ審議会 健康スポーツ部会(第34回)
2025年9月26日
【久野部会長】 定刻になりましたので、ただいまから第34回スポーツ審議会健康スポーツ部会を開催いたします。改めまして、皆様、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、一部ちょっと遅れていらっしゃる委員の方がオンラインでおられるようですが、16名の委員の方々に御出席いただける予定です。スポーツ審議会令第6条第1項及び第3項において、本部会の開催及び議決に当たっては、委員の過半数の出席が求められておりますが、定足数を満たしておりますので開催とさせていただきます。
また、本日はスポーツ庁より籾井審議官、大杉総括官、中村健康スポーツ課長、今村障害者スポーツ振興室長に御出席いただいております。また、室伏長官、浅野次長は用務により遅れての参加と伺っております。さらに、オブザーバーとして、厚生労働省健康局健康課にもウェブで参加をいただいております。
続きまして、本日の会議開催に当たり諸連絡及び配付資料の確認をお願いします。
【中村健康スポーツ課長】 開催に当たりましての御連絡になります。傍聴に関しましては、報道機関及び一般の方については、ユーチューブのライブ配信での傍聴とさせていただいております。
本日の出席者は、お配りしている一覧のとおりとなっておりまして、岩田委員はオンラインで遅れての参加ということをお伺いしております。また、御都合により途中退席される場合は、御自身のZoomのチャットにその旨をお知らせいただいて、御退室いただければというふうに思います。
本日お配りしている資料でございますけれども、議事次第を御覧いただけますと資料のところに資料1から7までということで、甲斐委員の資料、松永委員の資料、スポーツエールカンパニー認定制度の見直しについて、障害のある人のスポーツ実施の促進について、そして世論調査の関係、関西万博の関係、そして最後にセルフチェックのモデル事業についてという7種類をお配りしておりますので、御確認いただければと思います。不足があれば事務局までおっしゃっていただければと思います。
以上でございます。
【久野部会長】 ありがとうございました。
それでは、今回も「今後の施策実施に向けたヒアリング」ということでお二人からということで、最初に、資料1の甲斐委員のほうから御発表いただければと思います。15分ぐらいでよろしくお願いします。
【甲斐委員】 本日は貴重な機会をいただきましてありがとうございます。
私からは働く世代のスポーツ実施率向上に向けて、企業における運動・スポーツの実施促進に向けた取組ということでお話をさせていただきます。
皆さん御存じのように、スポーツ実施率が働く世代は低いということは、皆さん、重々御存じかと思います。スポーツ基本計画の目標値70%にのせていくためには、この世代を底上げしていくことが重要です。この世代が運動・スポーツに取り組まない理由は、世代、性別問わず、1位が「忙しくて時間がない」、2位が「面倒くさい」というのが出ております。これを見るだけでも、運動は健康にいいですよ、スポーツはいいですよ、楽しいですよという啓蒙や教育だけではこの方たちは動かないのではないかということが想像されるかと思います。
啓蒙ではなく、具体的に何か支援したほうがいいんじゃないかとなるわけですが、どこで支援したらいいかといいますと、やはり働く人たちなので職場となります。では、職場で実際スポーツ実施を支援すると、スポーツ実施率が上がるかという調査を、これは渡邉委員のご所属の笹川スポーツ財団のスポーツライフ・データで検討させていただいています。このスポーツライフ・データは全国から無作為で3,000人に調査されているというものです。
こういう質問をしてみました。「あなたのお勤め先では、スポーツや運動習慣の定着に向けた具体的な支援はありますか」と。そうすると、「支援がある」と回答した方は、「支援がない」と回答した方に比べて、週2回以上スポーツ実施している可能性が45%高いという結果が出ました。1.45倍というのは、昨年スポーツ庁さんも同じような調査をされていまして、ちょうど同じぐらいの数値になっておりまして、かなり真実味のある数字なのかなと思っております。つまり、職場での具体的なスポーツ支援は、働く世代のスポーツ実施に好影響であるということがデータからは見えてまいります。
では、どんな支援をするとスポーツ実施に効果的かについて、2年後の2024年の調査でさらに深掘りする質問をさせていただきました。そうすると、これは一番下の「職場からの運動実践の支援なし」を基準としたときに、それぞれの支援を受けている方々が週1回以上のスポーツ実施を何倍しているかというふうに見るんですけれども、一番効果が高いと思われたのは、職場における運動器具やジム・運動室などの設置をされている企業に勤めている方々です。何と3.6倍もスポーツ実施をされています。2位が専門家による職場での運動指導、3位が職場における体操やストレッチなどの実施というふうに続いてきます。この上位3つに共通するものとして、職場でというのがあります。つまり、職場で運動する具体的な機会や時間をつくるということが効果的であろうというのが見えてきています。
下のほうの体力測定やスポーツイベントというのは、残念ながら統計的に有意ではありませんでした。スポーツイベントをやって、スポーツを始めるきっかけづくりをという話をよく聞くんですが、イベントだけでは定期的なスポーツ実施にはなかなかつながらないというのがこのデータからは考えられます。
では、事例です。一番効果が高いと思われた職場内に運動器具を設置するという、そんなのできるのと思われるかもしれませんが、今すごく増えています。ここに写真を出している企業は非常に力を入れて取り組まれている企業なんですけれども、経産省の健康経営度調査でも職場内に運動器具やジムを設置する企業というのは年々増加しておりまして、もう既に健康経営に取り組む企業に限定すると、40%弱に達していると思いましたので、全然不可能な話ではありません。
もう一つの事例としては、職場の中で何か運動する機会をということで、これを就業時間として認めるという企業も今とても増えています。就業時間中にヨガ教室をやります。昼休みを1時間延長して運動したら、そこは仕事をしているとしてみなしましょう。もしくは1時間早く退社して、そこで運動したら仕事をしているとみなしましょう。こういう企業があります。就業時間前に体操していますとか、昼休みに何かやっていますという企業は多いんですが、やはり投資として職場で運動する機会を就業時間中に設定するというのを、私どもは「時間投資」というふうに呼びまして、提案しています。
以上のように、職場で支援するとスポーツ実施率が向上すると考えられます。先ほど紹介した就業時間中にヨガ教室を実施するNISHI SATO社では、従業員の週1回以上のスポーツ実施率100%だそうです。このように、スポーツ実施率を高めらる職場での取組方法は見えてきているんですが、では、全国の企業でどのくらいこういうスポーツ実施が行われているかという調査を私どもやっております。
従業員50名以上の日本中の全上場企業に郵送による悉皆調査をこれまで10年間に3回行ってきております。あなたの事業場での運動の取組、実施状況はどうでしょうというのを聞いたところ、このピンクのところが「現在、実施している」、2013年で35%。残念ながら、10年たった2023年でも増えておらず、40%に届きません。かつ、この実施率は10年間でほぼ変化がないというのが分かっております。
でもこの10年間で例えば健康経営認証やスポーツエールカンパニーといった取組もあり、企業での健康意識というのが高まっておりますので、全く増えないのはおかしいなと思いまして、改めて企業規模別にスポーツ支援の実施状況をもう1回分析してみました。そうすると、500名未満、1,000名未満、1,000名以上というふうに分けておりますが、このピンクのところが、やっぱり企業規模が大きくなるほどそもそも取組が多い。そして1,000名以上の企業ではスポーツ支援に取り組む企業がこの10年間で増加しております。つまり、もともとスポーツ支援の実施というものは企業規模で格差があるのに、この10年でその格差がさらに広がっているという状況です。要は一生懸命健康づくりしましょうと啓発したところ、それが響いたのは大企業だけだったのかもしれないというのが、少し残念な状況として見えています。
では、スポーツ支援を実施するということに関連する要因は何だろうということで、これは探索的に行っております。一番下から見ていただきたいんですが、この調査の回答者が看護職だと、回答者が人事総務だった場合に比べて、スポーツ実施支援をやっている可能性が2.5倍になると解釈します。所在地や従業員規模など変えられないものもあるんですが、実はスポーツエールカンパニーを内容まで知っていると、スポーツ実施支援をやっている可能性が6.9倍でした。すごく高いなと思うんですが、これは横断的な検討なので因果関係はぐるぐる回っています。スポーツエールカンパニーってあるんだ。じゃ、スポーツ支援やってみようという企業もあれば、スポーツ支援やっているからスポーツエールカンパニーに応募してみようというふうに、そこは双方向の関連があるのですが、少なくとも意識の高い企業には、スポーツエールカンパニーというのは情報としては届いているというのが分かりました。
ただ、全体の母集団の中では、スポーツエールカンパニーについて知っていると答えている方は15%でした。健康経営について意味まで知っていると答えた方が77%だということを考えると、意識高い企業だけじゃなくて、もう少し裾野を広げていくというのも必要ではないかなと思ったところです。
ここまでまとめますと、職場におけるスポーツ支援は、働く世代のスポーツ実施率向上に寄与します。ただ、その支援がなかなか広がらないという現状があります。働く世代のスポーツ実施率向上には、特に中小企業が取り組めるような後押しをする仕組みや政策が必要ではないかと考えます。
そこで、方向性の提案なんですが、まず1つ目は、やはり健康経営とどう連携していくかということだと思います。これは健康経営に取り組む企業におけるスポーツ支援の状況ですが、大企業も中小企業も取り組んでいらっしゃいます。一番下を見ていただくと、「特に行っていない」というところが大企業で2.5%、中小企業でも5.7%しかありません。つまり、健康経営とスポーツ実施支援は非常に相性がいいんですね。そのためスポーツ支援を組み込んだ健康経営の裾野を広げていくということが1つの方向性と思っています。しかし、健康経営そのものもなかなか中小企業で広がっていないという現状があります。
そこで、私どもは、健康経営に取り組む中小企業を増やすための実証研究を行っております。中小企業はリソースが不足しがちなので、広報戦略だけでは動かないので、民間企業の力を借りて、中小企業にアウトリーチして伴走型支援ができないかということをやっております。これは横浜市さんと一緒にやっています。要は中小企業を回るタイプの民間企業の営業職員に、横浜市は横浜健康経営認証という独自認証を持たれているので、これを営業職員の方々に知ってもらって顧客企業に広げてもらうという活動です。
この活動の結果、健康経営に取り組む中小企業が着実に増加しています。コロナもあって、横浜健康経営認証の新規認証取得企業数は頭打ちだったんですが、このアウトリーチ型の伴走支援を開始しまして非常に増えてきています。特に、新しく認証した方々の72%は本スキーム経由でした。かつ、50名未満の小規模事業場の割合が増えるという興味深い成果を得ております。
さらに、認証取得をした企業では、認証取得していない企業に比べて、健康増進プログラムを行う企業が増えました。認証取得していない企業に比べて、取得されると4倍、まず6か月後にこの健康増進プログラムを行われている企業が増えまして、中小企業、小規模事業所だけに限ると、約7倍多いということが分かりました。1年半後、少し効果は弱まりますが、それでも2から3倍の効果量を保っていました。つまり、このような何らかの仕組みをつくれば、健康経営を行う中小企業は増やせるという手応えを感じました。
方向性の2つ目ですが、高年齢労働者の労働災害対策との連動というのが考えられます。高年齢労働者が増えたということもあり、労働災害が増えているというのは、皆様よく聞くかと思います。これに伴いまして、労働安全衛生法が改正になって、来年の4月より施行となります。つまり、高年齢労働者の労働災害防止対策が企業の努力義務となります。今、まさに厚生労働省では、この指針づくりが行われていますが、この指針の下敷きとなるのがエイジフレンドリーガイドラインです。
このエイジフレンドリーガイドラインの中に体力の状況の把握とか、身体機能の維持向上のための取組といったものが含まれております。ある程度これを下敷きに今後指針ができていきますので、こういうことが来年の4月から企業の中での努力義務になってきます。そうすると、労災対策として身体機能・体力向上といったものの企業ニーズが高まってくるのではないかということが予想されます。
少し事例をお見せします。職場で運動・スポーツによる労災対策、とても効果があります。私は、神奈川産業保健総合支援センターの相談員もやっているんですが、ここで健康運動指導士や理学療法士を中小企業に派遣する事業を行っております。健康運動指導士が職場で運動指導しますと、転倒労災や腰痛が減少することを経験しておりまして、労災対策をきっかけに運動・スポーツの実施につながるのではないかと期待しています。
まとめ、最後のスライドです。企業がスポーツの実施支援を行う意義として、もちろん従業員個人にもメリットがありますし、組織にも大きなメリットがあります。この組織的なメリットや企業のニーズや状況を踏まえて、働く世代のスポーツ実施率向上のためには、職場でスポーツ実施支援が行われることが有効です。特に中小企業や小規模な職場での実施を支援する仕組みをつくっていく。そのためには、運動プログラムを作ってホームページに上げて、さあ、これ皆さんやってくださいというだけではできないので、実際に具体的な支援できる仕組みや政策というものが必要なんじゃないかと考えております。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございました。事前に打合せをして、15分59秒までは罰金なしと言っていたら15分16秒ということで、何か見事に収めてこられたかなというふうに思いますが、重要なデータに基づいたお話、ありがとうございました。
先ほど中村課長からありましたように、全部お聞きしてから統合討論になりますので、引き続いてお二人目、松永委員より御発表をお願いいたします。
【松永委員】 失礼いたします。ただいま御紹介いただきました龍谷大学の松永と申します。貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
本日は、健康スポーツ部会でこれまで議論をしてきたテーマについて、少しでも参考になるような視点を4点にまとめ、事例も踏まえて御紹介させていただきます。
私の専門は地域スポーツのマネジメントで、エビデンスというキーワードは重要であると思っております。まず、今日の資料にも関連していますが、スポーツ基本計画のエビデンスの一部となるスポーツ実施状況等の調査についても、この部会で議論を深めてまいりました。
我が国のスポーツ実施の実態を示す調査の主なものには、資料に示した4つの調査があると認識しております。先ほど御紹介があったSSFさんのスポーツライフ・データも含まれています。特にこの部会では、スポーツ庁の「スポーツ実施状況等に関する世論調査」について、これまで議論を深めてまいりました。詳細については、また資料を見ていただきたいのですが、特にスポーツ種目の上位5位が掲載されているページをご覧いただくと、上位の種目名がそれぞれ異なることが分かります。特に、この部会でも少し話題になったのがスポーツ庁の調査の階段昇降という種目についてです。議論になったのが、運動・スポーツ種目なのか、スポーツ種目なのかという点など、スポーツ実施調査のスポーツの定義や範囲が論点となりました。次のページをお願いします。私は今、京都市のスポーツ推進計画を策定する委員会の委員長、京都府では委員をしておりまして、調査にも一部、関わっていますが、やはり国の調査が1つの指標になっています。もちろん各自治体独自でそれぞれ調査項目を設定するのですが、その際に階段昇降という種目の選択肢がいつも話題になります。京都市では5年に1回の調査に加え、一部の関連調査は毎年、実施しています。特に、コロナ禍でスポーツ施設等を利用したスポーツ実施が難しいという状況もありましたので、階段昇降についても議論をした結果、ここに書いてあるように、『日常生活に組み入れた運動(一駅歩き、エレベーターに乗らず階段を使用、車に乗らず自転車を使用、万歩計を携帯し意識的に行う歩行、テレビを見ながら足踏みなどの「ながら運動」など)』、明らかに身体活動を意識して「ながら運動」をしているというような行動は、階段昇降と同じ発想なのではないか?というような議論の下、京都市独自として「日常生活に組み入れた運動」という選択肢を採用した調査を実施しました。
結果の概要ですが、調査対象者の属性は、また御覧ください。週1回以上のスポーツ実施率等は58.1%ということでコロナ前よりも減っているということになりますが、次のページをお願いします。結果、「日常生活に組み入れた運動」が第2位となりました。次は、運動・スポーツを実施する理由としなかった理由なので、また見ていただきまして、次お願いします。今後、行ってみたい運動やスポーツも第1位はウォーキングで、第2位に「日常生活に組み入れた運動」が入っているという状況です。長官が発信しておられた目的を持った運動・スポーツというところをどう解釈するのかというところともかなりリンクしてくる調査結果ではないかと思います。
次に、今後、入手したい運動やスポーツに関する情報については、第1位が自宅や室内でもできる手軽な運動の情報で、第3位は仕事や家事・育児の空き時間にでもできる手軽な運動の情報でした。先ほど、運動・スポーツを実施しない理由の説明を飛ばしてしまいましたが、第1位が仕事、家事・育児が忙しいというものでした。先ほどの甲斐委員のご発表を踏まえて考えると、日常生活に組み入れた運動という選択肢は、気づきという点を踏まえても自治体の調査では必要性を感じております。加えて、京都市は運動・スポーツという調査のテーマになっているということと、結果を公表する際の気づきや行動変容にも役立つことを考慮しています。しかし、この部会では、あくまでも国のスポーツ実施状況等に関する世論調査であることを踏まえ、今後、どのように判断していくのかという点は、議論が必要だと思います。この辺りも踏まえて、今後の御検討の材料の1つにしていただければと思います。
あと、eスポーツについても、府県・市などさまざまな場面で話題になります。スポーツ基本法の改正を受け、この点も国の動向を見ている自治体も多いかと思いますので、また御検討の材料にしていただければと思います。
続きまして、2つ目の視点です。前回会議で、スポーツ習慣化に向けた大学期からの取組がテーマに挙がっておりました。
次お願いします。これは前回のスポーツ庁さんの資料なのですが、一番下の四角で囲ってある部分をご覧ください。スポーツ基本法の改正によって、大学期における取組も運動・スポーツ習慣化における重要政策課題として位置づけて、取組を推進することについて考えてはどうかという点が前回の議論に含まれていました。
この資料にもあるように、大学期についても、特に女性のスポーツ実施率・実施レベルが低いという点は、この部会でも話題になりました。特に女性の運動・スポーツ実施の状況を見ますと、スポーツ庁さんの資料では、エアロビクス・ヨガ・ピラティスのところが四角で囲ってありますが、実は3番目には、トレーニングが上位に入っております。
先ほど甲斐委員の御発表にもあったように、どこの大学にもトレーニング室はほぼあると思います。特にスポーツを強化しているような大学であれば必ずトレーニング室はあると思いますが、この本学の写真のように明らかにフリーウエイトメインとなっている場合があります。本学学生部調べによりますと、トレーニング室は一般学生も含めると、登録・講習会参加者が460人~470人。本学は約2万人の学生が在籍しており、利用するできる対象の学生は京都市内の深草・大宮キャンパスに1万7,042人となっています。一般学生の利用は全体の僅か数%となっており、加えてほとんどが男子学生です。実は登録して講習会に参加しても、この施設・設備を見て、講習会参加で終わってしまうという女子学生が圧倒的に多いという状況にあります。また教職員も福利厚生の一環として利用できますが、ごく一部の男性教職員のみが利用しているという状況です。
そのような状況の中、本学においても、先ほどの甲斐委員の資料と同じように、民間の力を導入した取組がスタートいたしました。具体的には、ゴールドジムさんに入っていただいて学内者利用限定という建付けで、まさにスタートしたところです。実はこの発表資料提出のタイミングの関係で、後期授業開始前のプレオープンである9月12日~22日の10日間の状況ではありますが、たった10日間で、これまでの年間のトレーニング室登録・講習会参加者の数字に近づいているというデータが出ています。またその多くは一般学生の320人で、男性が220名、そして女性が100名ということで約三分の一を占めています。体育局の学生は、先ほどのウエイトルームがありますので、ゴールドジムの登録今のところは僅かとなっています。あと教職員についても、この10日間で54名が登録。そのうち女性が22名という状況です。
実は本学は、京都駅から車で10分くらいと立地が良い環境ということもあり、近隣には、チョコザップさんやカーブスさんもありますが、本学のゴールドジムは当面の間は無料ということもありまして、大学期における学生の運動・スポーツ習慣化には、非常に良い動機づけになっているという傾向が既に確認できています。大学を卒業して働き出したら、自分でお金を出して会員になるくらい、運動・スポーツの価値を大学時代に高めてほしいと切に願います。
さらに、このゴールドジム内には、ストレッチエリアも設けていることと、一番奥の角のに女性専用のWomen's Areaというエリアのみで使う機器が一部設置されているのがこの写真になります。ここに掲載されているものは、すべて女性限定の機器になります。新規事業のため、エビデンスを蓄積していき、今後の成果については、また報告をさせていただきたいと思います。さらにこの課外活動専用施設には、一定時間をフリーで利用できる屋外トレーニング室(人工芝多目的グラウンド)や傾斜のある屋外ランニングコースも自由に活用できる施設となっておりますので、また順次御報告できればと思っております。
続きまして、3つ目の視点になります。これも部会で話題になっていましたが、過疎地域についてです。部会の中でも、都市部のみならず、地方や過疎地域の事例を意識して進めてまいりました。今回は、過疎地域の持続可能なスポーツ推進の組織と仕組みづくりの重要性について、事例を交えながら報告させていただきます。まずここに記載しているように、イノベーションは大切なキーワードで、政策・施策・事業にしっかり結びつけるということが重要になります。その際、組織のミッション・ビジョンを基盤に、目的をもって目標を立てて、しっかりPDCAサイクルを回す。最近ではOODAをしっかり回していくことも重要です。
特に、私は阿智村という過疎の村に御縁がありまして、もう25年ぐらいフィールドとして、伴走させていただいています。節目にはエビデンスをしっかり押さえることも意識し、20年以上前の勉強会からスタートし、現在ではNPO法人総合型地域文化・スポーツクラブチャレンジゆうAchiさんが村のスポーツ推進を担う大車輪としてなくてはならい存在になっています。過疎地域では早い段階から部活動の課題はありましたので、地域展開も比較的順調に進めておられます。また、その準備段階にもあたりますが、中学校の体育館の改修の際に社会体育施設として併用できるように設計・建設したという点も非常に重要な政策判断であったと思います。このように、村の課題や中長期の村の政策に、村民や地域のスポーツクラブのスタッフが関心を寄せ、条例を変えるレベルの働きかけしてきたという点もご紹介させていただきます。さらに、過疎地域の阿智村でICT(AIカメラ)を導入した部活動の遠隔指導の実証研究をさせていただきました。これは、日本スポーツ産業学会において、スポーツ庁長官賞を受賞させていただいたことを契機に実施し、まだまだ課題山積ですがまさにさまざまなことにチャレンジをしている過疎地域の総合型地域スポーツクラブと言えます。もう一つ、今回お伝えしたいのが、総合型地域スポーツクラブが展開している年に1回の子どもスポーツイベントと、先ほどの部活動の地域展開にも繋がる「阿智中クラブ」という活動です。甲斐委員の御発表にもありましたけれども、やはり単発イベントの成果には限界があり、それを継続的に実施するというレベルに繋げることは至難の業です。特に過疎地域においては、都市部に比べると、さまざまな運動・スポーツ種目を経験するという機会自体が少なく、村に1つだけの阿智中学校においても、運動部活動の選択肢が数種目しかない状況です。そこで、小学生時代にできるだけ多岐にわたる経験をさせてあげたいということで、1年に1回、本学の学生、NPO法人チャレンジゆうAchiのスタッフさんと阿知中クラブの中学生、そしてスポーツ推進委員さんがタッグを組んで20年以上続けている「チャレンジフェスティバル」という子どもスポーツイベントがございます。最近では、ボッチャやシッティングバレーなどのパラスポーツも導入をしていますが、参加前の期待度などの事前調査と参加後の満足度などの事後調査も実施しています。たった30分間のみですが4種目を体験することで、すべての種目において「満足度」が上昇しており、「楽しかった」という感想を得ています。その種目を継続的に実施したいというニーズが多ければ、地域スポーツクラブがクラブの活動種目に落とし込むというような流れも可能となり、楽しさや満足度などの「スポーツの価値」に関連するエビデンスは非常に重要であると実感しています。この部会の中でも「楽しさ」は重要なキーワードになっていますので紹介させていただきました。
最後の4点目です。この後も障害者スポーツのことが話題になりますが、実は体育系大学と福祉系の大学も出ていまして、介護福祉士の資格も取得させていただいていることもあり、できるだけスポーツ×福祉とスポーツマネジメントという視点もテーマにしております。
この部会では、Sport in Lifeのガイドブックをかなりの時間をかけて作成してまいりました。その中にも改正障害者差別解消法やスポーツ施設のユニバーサルデザイン化についてもコラムにて紹介をさせていただいています。スポーツを「する」「みる」という際に、やはり環境はとても重要で、特に公共スポーツ施設はまだまだ和式トイレが多く残っているという現状がございます。滋賀国スポ・障スポでは会場となるスポーツ施設には補助を出すという予算化をして、トイレの洋式化や多目的トイレ設置を加速させる取り組みを実行しいただきました。また、カームダウンスペースというエリアも、滋賀障スポ(第24回全国障害者スポーツ大会)の全競技会場で設置をしていただくなど、大会初の取組を予定されています。スポーツに参加する際の障壁を取り除くという視点は非常に重要なテーマであると思っております。
今回はトランスインサイトというニューヨークにあるスポーツマネジメントの企業の代表である鈴木さんに情報提供をいただきまして、アメリカのADAというアメリカ障害者保護法についてご紹介させていただきます。ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、非常に細やかな障害者に対する視点やユニバーサルデザインについて制定されています。日本はまだまだADAに比べると、各種の基準が少ないと認識しております。投影のみにはなりますが、ADAでは、スタジアムなどの全座席数の最低1%相当の車椅子席の設置が義務付けられているという基準に感化されまして、2023年シーズンに京セラドームにて車椅子席の調査をさせていただきました。年間を通して調査させていただきましたが、障害者の皆さまがスポーツ観戦を楽しむためには課題があるということだけでなく、車いす利用者の約3割が電動車椅子であり、バッテリー問題なども含め、新たなフェーズに入っていることも皆さまに認識していただきたいと思いました。
あと先ほど御紹介したカームダウンスペース、センサリールームの写真です。これもアメリカでは設置が当たり前になっており、日本も少しずつ設置はされつつありますが、まだまだ遅れているという状況です。
最後の写真です。メジャーリーグでは、今シーズンに初めて女性審判が誕生しました。しかし、もう随分前からメジャーリーグ機構がマイナー施設も含め、写真のような女性の控室、ロッカーや化粧室などの設置を義務化されていて、ADAとは無関係で自主的にMLBが基準を変更したものだそうです。こういったダイバーシティの視点も含め、日本も諸外国の事例をどんどん参考にして、新たなスポーツ環境づくりを促進し、スポーツの価値を高めていく努力が必要だと思います。
以上です。よろしくお願いします。
【久野部会長】 ありがとうございました。松永委員も時間を守っていただきましてありがとうございます。
意見交換に移る前に、スポーツ庁のほうから関連した御説明を、中村健康スポーツ課長、よろしくお願いいたします。
【中村健康スポーツ課長】 甲斐先生、それから松永先生に御発表いただいた企業の取組をどういうふうに促進するかという観点に、今回、スポーツエールカンパニー認定制度を少し変更して1つ加えさせていただきました。これまで企業、地方公共団体等がスポーツエールカンパニーの対象になっており、大学であっても大学の職員向けの取組を評価しようというところでとどまっていたのですが、大学が学生向けに行うスポーツ推進の取組もスポーツエールカンパニーの対象にしようということで見直しをしております。
それからもう一つ、地方公共団体は入っていたのですけれども、国が入っていなかったということで、国、いわゆる中央省庁もスポーツエールカンパニーの対象にしました。それから独立行政法人や国立大学法人なども対象にしようということで、今回見直しをしております。今、募集中ですので、委員の先生方もこの周知に御協力いただければというふうに思います。
それから、甲斐先生の御発表、それから松永先生のほうにもありましたけれども、企業の中でジムをつくるところが増えているというお話とか、企業の中での取組を進める企業が増えているというお話があったんですけれども、スポーツ推進を進めようという企業をサポートする企業ですね、いわゆるジムであったり、専門的な指導者の派遣であったり、そういったBtoBのサービスをやっている企業がSport in Lifeのコンソーシアムにたくさん加盟していただいていますので、そういった企業をサポーター企業として認定をして、コンソーシアムの中で、スポーツ推進に取り組む企業に対するサポートを後押しする「スポーツエールカンパニーサポート制度」という枠組みをSport in Lifeの中につくることにしました。今年から始めたいと思っておりますので、今日の御議論の御参考に御紹介をさせていただきました。
以上になります。
【久野部会長】 ありがとうございました。
それでは、意見交換に移りたいと思います。御意見、御質問などがございましたら挙手、もしくはウェブの方は画面上のリアクションボタンから手を挙げるのボタンを押していただくようお願いいたします。その後、発言が終わりましたら、手はリアクションボタンを下ろしていただければと思います。
まず、甲斐委員の話から、御質問とか御意見があればいただければと思いますが、もしかしたら両方共通のお話をされたり、質問されたいという場合は、それでも結構ですが、どなたか最初、口火を切っていただける方はいかがでしょうか。では、何となくこの分野はやっぱり津下委員からスタートを切っていただくのでもよろしいでしょうか。
【津下委員】 ありがとうございます。甲斐委員から働く世代のスポーツ実施率向上に向けての戦略のご説明、ありがとうございます。すぐその場でできること、職場の仲間がしていること、スポーツをしていることが周りに認められる、つまり望ましい行動だと認知されること、隙間時間でできることなど、様々なことがスポーツ実施の追い風になっている。松永委員がおっしゃったように、きっかけと継続性の両面をしっかりとつくるということが重要と思いました。器具を置くだけでなく、それを1回体験してもらうための工夫、どんなふうに使うかとか、そういうサポートがあると、今まで使ったことがない人も1回使ってみたことで、自分でもできるんだなという感覚が得られると思います。ただ器具を設置すればいいですよというメッセージではなく、そこに人が関与するとか、きっかけづくりも併せてやっていくといいのかなというふうに思いました。
中部圏の実施率が高いという興味深いデータがあったんですけど、やはり企業同士のコミュニケーションの中でお互いの情報交換をしている。そういうことで体力チェックもやっているし、運動プログラムもやっている、そういう情報が横に広がっていくこと、よかったと実感する企業が積極的に動いてくれるということがとても大事なのかなと思いながら聞いていました。
あと、松永委員に伺いたいんですけれども、京都市のデータで、日常生活に組み入れた運動をしている人と、意識的な運動をしている人に関する分析ですが、両者の重なりとか、ほかの運動を全くしていないけど、日常生活に組み入れた運動だけをしている層というのはどうなのかというのが気になりました。もし年代による特徴とか、運動の必要性は感じているんだけど実施できない理由が大きいのかが気になりましたので、もし分かりましたらお知らせください。
【久野部会長】 ありがとうございます。まず、甲斐委員から、津下委員のコメントに何かあればお願いいたします。
【甲斐委員】 ありがとうございます。まさにスポーツ施設の設置についてはおっしゃるとおりで、設置したはいいけど、使われないという企業もあるので、プラスそこにソフト的な政策といいますか、みんなが使えるように、先ほど先生がおっしゃったのがすごく重要なのは、そこを使ったり、運動していることがいいことなんだという社風をつくるというのがすごく大事で、そこがやっぱり健康経営とか、あとは高齢労働者の労災対策にしても、じゃ、ハイリスクな人だけ別にやるとかじゃなくて、ポピュレーションアプローチ、職場ぐるみでやっていくというムードをどう高めていくのかが、トップの関与も含めてすごく大事だなと考えています。あと、中部がなぜ実施率が高いのか。実は分からなかったんですけれども、今のお話でヒントがありました。ありがとうございます。
【久野部会長】 ありがとうございます。松永委員、お願いいたします。
【松永委員】 御質問ありがとうございます。実は京都市さんが公表されている結果にはクロス集計などはあまりございませんので、重なりの部分などはお答えできない状況です。傾向としては10代~40代の女性が日常生活に組み入れた運動を実施している層であり、育児・家事に忙しい女性の層の方が数値は高いという状況のように感じております。
以上です。
【津下委員】 ありがとうございました。
【久野部会長】 ありがとうございました。では、ウェブからオンライン参加の北出委員から手が挙がっておりますので、北出委員、お願いいたします。
【北出委員】 ありがとうございます。まず、甲斐委員にちょっとお聞きしたいというか、私はお話をお聞きしていて、すごいすばらしい、中小企業でも今、運動の設備がそんなにあるのということをお聞きして、かなり驚いたんですけれども、なかなか中小企業ではハードルが高いかな。コストもかかりますし、そういうところもあると思うんですけれども、さっきお話しいただいたNISHI SATOさんでしたっけ、勤務の従業員がほとんど100%参加できるシステムというのは本当にすばらしいと思っておりまして、私自身は、実は施設の機関に行かせていただいたんですけれども、もともと講師というのも従業員が手を挙げて講師になる、育成するための資金を補助していただいたりとか、あとは業務時間内にみんなが順番で、全員が一緒じゃなくて、お昼の時間以外のところで順番でフレキシブルに予約できるようなシステムが、すごく継続できる理由なのかなというふうに思った次第です。
何よりも、そこでは小さな会議室でやっていたんですけれども、すごく小スペースということが非常に重要かなと思っていて、中小企業ではなかなか大きな設備というのは難しいと思うんですけれども、そういうようなとても勉強になるいい取組だと思うので、先ほどのスポーツエールカンパニーのサポーター企業としてもぜひどうかなと思いまして、発言させていただきました。
あとは企業の中のスポーツというのもいいと思うんですけど、例えばですが、レンタサイクルとかのポートが近い企業であれば、そのレンタサイクルとかの費用の負担とかで、通勤という時間を利用してできればいいのかなと思いましたけれども、それに関して、もし何か御意見とかありましたらお願いいたします。
【久野部会長】 お願いします。
【甲斐委員】 ありがとうございます。そうなんですね。NISHI SATOさんはヨガ講師も社内で養成されたりして、持続できる体制づくりを非常に工夫されています。こちらの企業は、従業員30人ぐらいのデザイン系の会社で、全然運動指導とかと関係ない会社です。しかし、このぐらいの規模の企業でも掘り起こすと、中には1人ぐらい運動・スポーツを割とできる人がいるというのが、実はほかの企業でも少しまねできる、自社社員の中から人材を掘り起こすみたいな、小さい小スペースの会議室でやるみたいなのは非常に参考になる事例かなというふうに北出委員がおっしゃるとおりだと思っています。
もう一つ、何でしたっけ。すみません。
【北出委員】 レンタサイクルとか、通勤とかの時間を利用するようなことは。
【甲斐委員】 ありがとうございます。実は今回御紹介したスポーツライフ・データのどういう内容がいいかという調査で、通勤支援のデータも取っておりますが、ここ今日示さなかったんですが、残念ながら今のところは統計的有意にはなっておりません。というのも、まだそれをやっている企業が少ないんですね。なので統計には出てきませんが、北出委員がおっしゃるとおり、通勤を支援するという方法もこれからはあると思います。ありがとうございます。
【北出委員】 ありがとうございました。
【久野部会長】 ありがとうございます。では、塩野委員、その後、能瀬委員という順番でお願いします。
【塩野委員】 興味深いお話、ありがとうございました。中小企業ということで、商工会議所の立場から申しますと、特に健康経営の推進、言っていただいたとおり、中小企業はまだまだではありますが、以前に比べれば右肩上がりに増えております。私ども商工会議所としては、生命保険会社さん、損害保険会社さん等と一緒に健康経営の推進をしております。ただ、特に運動・スポーツを強調しておらず、健康経営推進の中での運動・スポーツへの取組の訴え方しっかり考えたいなと考え、甲斐委員にもお知恵をいただきたいと思っております。
そんな中で、運動と健康経営といった数字はあるんですけれども、運動やスポーツの支援が、直接的に従業員の健康やエンゲージメントの向上、あるいは組織としてのチーム力の向上などに効果があるというエビデンスが知りたいと思った次第です。特に経営者に対しては、何か訴えやすいものが欲しいと思っております。
それから、ちょっと感想めいた話ですが、甲斐委員のところの最初のページでスポーツ実施率がM字カーブになっていますが、例えば70代がこれだけ高くなっているのは、恐らく、ウォーキングなどが中心だろうと思います。その世代が考える運動が、働く世代にとっては運動と捉えられていない、という点が大きいのではないかと思います。やはり意識をそろえるべきなのか、それともその人その人に合った運動・スポーツで考えるとこのような数値の出方で、それはやむを得ない、あるいはその方がよいのかと、特に70代の突出を見て思ったものですから、改めて、感想として述べさせていただきます。以上です。
【久野部会長】 ありがとうございます。甲斐委員、何かありますか。
【甲斐委員】 ありがとうございます。おっしゃるとおり、今回紹介した健康経営を増やしましたという研究は、大手生命保険会社と一緒にやった研究で、保険会社や金融機関などが今、健康経営をサポートしてくださっているので、そこに運動・スポーツをのっけていくというのはすごく大事な視点だと思います。
もう1点、ワークエンゲージメントなんですけれども、私たちの調査で職場で運動している人たちはワークエンゲージメントが高いというデータはあります。ですので、もうちょっとそういうデータを表に出していこうと今すごく思いました。ありがとうございます。
【久野部会長】 多分、今の観点、結構今、我々も中小企業のところをずっと取り組んでいるのを見ると、経営者は、健康指標は必要なんですけど、あまり関心ないんですよね。特に中小企業に関して。ですから、今、塩野委員がおっしゃるような点があって、そして健康にもプラスという、そういうロジックにしないと、まず、中小企業には広がらないな。これはかなり主観なんですけど、そんな感じをこの2年間やってきて非常に感じています。ちょっとすみません、追加発言させていただきました。
能瀬委員、よろしくお願いします。
【能瀬委員】 御発表ありがとうございました。甲斐委員に御質問させていただければと思います。働く世代で女性のスポーツ実施率が低いということが課題になっていますけれども、今回、企業でスポーツ・運動に参加する方が増えているということで、企業においても女性のほうが参加率が低いのか。もし男女のデータがありましたら教えていただきたいということと、あともう1点、資料の2ページのところで、40代、50代でスポーツに取り組まない理由としては、男女ともに「忙しくて時間がない」ということで、ここには男女差があまりないにもかかわらず、女性のほうがスポーツ実施率が低いというところで、家事・育児以外で何かの調査をされていて、ほかの要因、女性がスポーツ実施率低い要因がもし、印象としてでも結構ですので、あれば教えていただきたいです。お願いします。
【甲斐委員】 ありがとうございます。まず、スポーツライフ・データに関しては、男女別にはn数の問題があって分けて分析はしておりませんが、調整はしておりますので、職場で支援があるとスポーツ実施率が高いというのは、男女問わず、傾向は認められます。男女を分けたデータをまた見てみたいと思います。
女性がなぜしにくいかということなんですが、先ほど松永委員の発表にもありましたけど、スポーツの現場が若干男性向きなところが多いような気はしております。先ほど写真でお見せしたようなトレーニングできる施設を設置している企業もちょっとマッチョな感じがするところもありまして、聞いてると、そういうところは男性がよく使っているとか、それを気にして、ヨガだったり、女性に人気がある種目を実施すると女性が参加するみたいな、やっぱり女性が行きやすい場だったり、機会というものをいかに企業や職域の中につくっていくかということが大事かなと思います。今後は女性の健康支援が企業の中で1つ柱が立ってきそうなので、そこにスポーツで解決できるよというメッセージを出していくというのも1つだなというふうに思っております。
【能瀬委員】 ありがとうございます。時間的な制限というよりは、環境要因も大きいということですかね。
【甲斐委員】 そうですね。
【能瀬委員】 ありがとうございます。
【久野部会長】 松永委員、今の件に関してですか。
【松永委員】 すみません、同じ理由なのに女性は実施率が低いというところで、フィットネスクラブを見ていただいても分かるように、いわゆる三種の神器のプール、マシン、スタジオが揃っている施設がフィットネスクラブと言われていた時代から、カーブスさんのようにプールや水回りの設備を最小限に抑え、プール入水後や運動後に汗をかいてメイクを直すことや、運動・スポーツ時に髪を濡らしたら乾かすこと、さらには髪を結ぶとゴムの痕が残ってしまうことまでが、スポーツ実施を躊躇させる要因になっているようです。特に女子学生に個別に聞いた意見では、運動・スポーツ後の活動を考えると、運動・スポーツをすることは避けたい、単純に面倒くさいなど、運動・スポーツ活動時に加え活動後の時間や行動が制約されてしまうという点も女性の運動・スポーツ実施率を下げてしまっている要因ではないかと思います。つまり、非常に汗をかく手前ぐらいで終わる活動や、シャワーを浴びなくても良いくらいの身体活動量がポイントになってくるのかもしれません。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございます。小松原委員、お願いします。
【小松原委員】 健保連の小松原でございます。甲斐委員の資料と先ほど久野部会長のお話にございました、特に中小企業は運動・スポーツに全く関心がないという点ですが、甲斐委員のご提案にありますとおり、健康経営と労災対策の連携は、保険者側から見ても、まさしくそのとおりであると私は思います。
現在、健保連では、ロコモ対策として体力測定を各健保組合に実施してもらえるよう、モデル事業を始めておりますが、健診はすべての健保組合で行っているものの、体力測定はごく一部の健保組合しか行っていないというのが実情でございます。中小企業の方へ就業時間内での体力測定の実施をお願いしますと、運動やスポーツは余暇の時間にやるべきだという発想があり、その概念をまず変えていかなければならない、スポーツイコール遊びでないということもしっかりと伝えていかなければならないと思います。
スポーツの中ではやはりウォーキングが一番多いのですが、ウォーキングは瞬発力や柔軟性はつかないので、長官がおっしゃっている、それぞれの部位に関わる部分をしっかりとエビデンスを出して言っていく必要があると思います。その点で、甲斐委員のおっしゃった健康経営と労災対策については、特に女性の転倒災害が現在一番多い状況ですので、瞬発力や柔軟性が必要な事をアピールして運動実施率を上げていくことが非常に有効ではないかと思い、共感した次第でございます。
【久野部会長】 ありがとうございます。私の社会人の教え子で、保健師でデパート健保にいる者がいるんですけど、今、60代、70歳ぐらいまで結構デパートのような小売業で雇用されていて、突然転倒骨折が起こるので、翌日から来られなくなる、現場に混乱がどうしても起こるということを教え子から聞いておりましたので、小松原委員のお話をお聞きしてそうだなと思いました。
そうしましたら、渡邉委員の方からもぜひ一言。
【渡邉部会長代理】 甲斐委員も松永委員もうちのデータを使っていただいてありがとうございます。すごく両発表とも分かりやすい発表だったと思います。まず、甲斐委員のお考えを聞かせていただきたいんですけど、今日の発表はよく分かりました。事例として横浜の例も挙げていただいたんですけど、横浜というのは人口も事業所も多くて、すごくリソースが整っていますよね。横浜健康経営認証というのもありますし、ところが地域格差ということを考えると、全国で考えると、圧倒的に中小・零細企業が多いわけで、ほかの地域、地方部に行ったときにどういうアプローチをしていったらいいのか。久野部会長のほうから、まず、中小企業はワークエンゲージメントを高めると、それが健康経営というところにつながるというようなロジック、そういうロジックが大事だという話があったと思いますけど、地方に対する展開はどのようにしたらいいと思われているか、ちょっとお聞かせください。
【甲斐委員】 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。地方に行くほど、人材不足という問題がありますので、一昔前だと企業の中で人件費はコストだというふうに言われてたのが、今、いかにその人に長く元気に働いてもらうかという視点がすごく大切だと思いますので、むしろそっちをアピールといいますか、健康のためになんですけど、長く元気で働いてもらうためには、やっぱり体を動かしていくのが大事だよねという、まず1つそういうアピールがあるかなと思います。
今日あまり触れなかったんですけれども、地域ごとにも例えば健康運動指導士会とか必ずあるんです。そういう人たちがいかに職域の中に入っていけるのかという、残念ながら、今、職域で活躍している健康運動指導士は非常に少ないと認識しておりますので、そういう地域の中の人材を発掘して、いかに結びつけていくかという仕組みをつくっていくというのはすごく大事だろうと思っています。
【渡邉部会長代理】 甲斐委員にもうちのスポーツライフ・データの委員をやってもらっていますけど、別の先生がGPAQ、身体活動量の調査をやってもらっていまして、人口規模が比較的10万人よりも少ないところのほうがいわゆる仕事の身体活動量が多いということがありますよね。今日何件かお話がありましたけれども、そういった通勤も含めて、あるいは仕事の時間中も含めて、各中小企業とか零細企業で地方にあるところがどんな支援のやり方、今1つ考え方だと思うんですけれども、その他に何かお考えがあれば教えてください。
【甲斐委員】 ありがとうございます。地方に行くと、通勤がどうしても車主体になるので、一駅歩いてくださいみたいなのは、逆に効きづらい施策になると思いますが、地方の中にも、例えばすごく面白いなと思った事例が、公共のスポーツ施設を企業がある時間借りて、そこでいつでもスポーツできるよというようなのをやって、週にそれを2回も3回もやっている企業さんとかがあって、そうすると、地域住民さんも一緒にスポーツできますみたいのをやるとスポーツ実施率がすごく上がるとかいう事例がありまして、その地域地域に合わせた仕組みをつくっていくかというのはすごく大事だなと思います。
【渡邉部会長代理】 ありがとうございます。
【久野部会長】 ありがとうございました。そのほか、どなたかいらっしゃいますか。小熊委員、よろしくお願いします。
【小熊委員】 甲斐委員の分ですか。
【久野部会長】 どちらでも結構です。
【小熊委員】 ありがとうございました。甲斐委員には、実際、中小企業で健康プログラムにつながったということで、ごく短く、御紹介いただきましたが、実際にどんなことをやっていたのかというところを具体的に教えていただければと思います。
そして、後半の松永委員におかれましては、大学とジム、ゴールドジムと組んでやられ始めたということで大変興味深く伺いました。これは無料で提供しているということですが、どこが費用負担されて行っているのか。継続性としてどうお考えなのかというところをぜひ教えてください。
以上です。
【甲斐委員】 恐らく私がやった健康増進プログラムを行う企業が増えたという中身だと思いますが、残念ながら、それについては調査できていないので分かりません。質問項目としては、食や運動としているので、何らかの運動をサポートする施策を行っていると思うんですが、横浜市のウォーキングポイント事業につなげたという話は多いので、それが結構入っているのかなと思います。
【久野部会長】 松永委員、内容把握、大丈夫ですか。
【松永委員】 費用負担はどこがしているのかということと、2つ目は聞き取れずすみません。
【小熊委員】 それと関連して、今後の継続性も含めて教えていただければと思います。
【松永委員】 御質問ありがとうございました。基本的には当面は大学負担になりますので、学生および教職員の皆さんの利用料金は、当面の間は無料です。教職員にとっては、福利厚生の一環ということになるかと思います。今後については、一部、受益者負担についても検討されます。
継続性というところで、登録時には学内のポータルサイトを使用していますので、配慮しつつ最低限の情報は追跡できる状況です。また、ポータルサイトで調査実施も可能ですので、今後、エビデンスをしっかり蓄積していく準備をしております。まず、登録をして、初会講習会に参加したかどうか、その後、どのようなペースで利用しているのかなども把握できそうです。あとは、登録・初利用前の運動・スポーツ実施率がどのように変化していくのか?最終的には卒業後にも継続しているのかどうか?などの成果について、エビデンスを蓄積してくことは理想ではありますね。さらに、これから継続性を考えると、マシンやストレッチスペースのみならず、他の魅力的なプログラムの立案なども踏まえてPDCAをまわしていくなど積み重ねていきたいと思います。ありがとうございます。
【小熊委員】 ありがとうございます。
【久野部会長】 今、龍谷大学であそこまでの施設なり、あそこに投資をしたという辺りは何か、どういう考えなのかとかという辺りは、御説明していただくことは可能でしょうか。
【松永委員】 ありがとうございます。課外活動を支援するというところについては、それは文化活動も含めて大学としては力を入れています。本学では、男女バドミントン部や女子柔道部、端艇部(ローイング)などは、日本一などトップレベルで、競技力向上のため支援の一環でもあると思います。
一方で、一般学生という呼称がいいのかどうかは置いておいて、課外活動クラブ生以外の一般学生の健康増進や教職員への福利厚生についても、大学執行部はかなり課題意識を持っていたと思います。本学は、先ほどお伝えしたように京都駅から車でも10分ぐらいの都市部に位置し、京都市内の深草・大宮キャンパス内にはグラウンドがなく、課外活動は専用バスに乗って課外活動専用グラウンドに行くという状況のため、正課のスポーツ関連の実技の授業は、体育館内およびテニスコースで実施できる種目に限定されています。一方で、瀬田キャンパスという滋賀県大津市の瀬田キャンパスには野球場やグラウンド、体育館などがあるので、スポーツ系の実技の授業を必修とする学部もあります。このように同じ大学内でもスポーツ環境に差があり、特に京都市内の深草・大宮キャンパスの学生は、正課・課外活動ともに運動・スポーツ環境において制約があったことも、今回の投資にも影響があったと言えます。本日の事例報告の施設は、課外活動専用の施設として建設しましたので、正課では一切使用できないという建付けになっています。
ちょっと長くなりますが、京都市内の深草キャンパス内の限られた敷地にある校庭については、以前は多くが土でしたが、現在はすべて天然芝と人工芝にしています。芝生の環境にした途端、急にモルックやフライングディスクなどのレクリエーションをする学生が増えるなど、やはり芝生の効果は絶大だなと感じております。その辺りもあったのか、今回の課外活動専用施設の屋上には人工芝の多目的グラウンド(屋外トレーニング室)も設置され、早速活用されています。やはり、大学執行部に運動・スポーツ、健康増進などに対する意識や理解が深いかどうかという点は非常に大きいと思います。
【久野部会長】 ありがとうございました。国交省の公園の政策で、噴水があって、アスファルトだったりコンクリートのところを芝生の公園に変えるというのが結構ここ7、8年進められてきて、南池袋公園はその事例でよく出てくるんですけど、昼間でも実は危ない地域が、芝生に変えたら大きく変化が起きて、昼間は子育ての人とか、お昼休みは近くのサラリーマンという、そういうハードの在り方は結構人の動きを変えるという事例はあるので、今お聞きしていて、ああなるほどなと思いました。
津下委員、最後お願いします。
【津下委員】 今、大学の施設の話があったんですけど、自治体の施設でもそうですけど、運動する人としない学生と二極化があるだろうと。このアウトカムをどうするのかなと。自治体でも何人使いましたという値を公表していて、1人が100回使うのと、100人が1回使うのは同じ扱いなんですけれど、本当は登録率のように、どれだけの人が使ってくれたかというのも指標にしたほうがいいんじゃないかなと思っています。この施設の評価として、どういう評価指標を立てているのか。もし、やっていない人をやってもらうという観点でいうと、ただ何人利用したかでは見えないのかなと思っているので、その辺りをお伺いできればと思いました。
【松永委員】 ありがとうございます。今まさに制度設計をしている最中でございまして、先ほどお話ししたこれまでのトレーニング室の実績として、初回の講習会に来て、2回目は来ない学生が一定数いるということが分かっております。今回の施設では、先ほどお伝えしたように、ポータルサイトで利用頻度についても追跡ができますし、体力測定結果や利用満足度などの指標なども紐づけられると思います。あくまでも構想段階です。
そういった意味では、運動・スポーツ実施状況や現在の健康状況などは、登録・利用前にあらかじめ調査をしておく必要があると思いますし、その他の評価指標においても検討しております。卒業前までだけでなく、卒業後の運動・スポーツ実施状況まで追跡ことが理想だですが、課題も多いと思っています。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございました。熱心な御討論、感謝をいたします。
少しだけまとめますと、今日2人のお話を聞いていて、企業も、ある面大学も環境の整備が、非常に重要な要素だということを改めて示していただいたなと思いました。さらにそこに制度がうまく絡んできて、そこを使いやすく、動きやすくするということが、多分、環境があって、制度があって、あと加えて、今日のお話を聞いていて思ったのは、先ほど申し上げたように、今、中小企業の中で、地域金融、地銀の方とお付き合いの中で、地銀の役員の方から、制度だけつくっても会社の風土は変わらないというのが結構、私の今心の中に非常にあって、ですから環境、制度、そしてそこから甲斐委員がおっしゃっていますけど、経営層がそういう風土に変えていくようなところ、やっぱり風土まで変わってこないと、その会社にいると、みんながちょっとした時間に運動・スポーツするのが普通だというような、そういう風土づくりというところで、あともう一つ、何か政策的にも仕掛ける観点があるのかなとお聞きしながら感じました。ありがとうございました。
では、次の議題に行きたいと思います。次は、障害のある人のスポーツ実施促進に関して、まず、事務局より御説明をお願いいたします。
【今村障害者スポーツ振興室長】 障害者スポーツ室長の今村です。よろしくお願いいたします。まず、本日、どういった狙いといいますか、どういった目的で皆さんと意見交換したいかというのをお話しいたしますけれども、現在、スポーツ審議会、次のスポーツ基本計画に向けた議論が始まっているという状況でございますが、我々の政策目標であるスポーツ実施率について、大体スポーツ庁発足後この10年で、障害者の値は20%程度だったのが30%程度と大体1.5倍に上がっている状況です。他方で、近年は横ばいという状況で、第3期計画期間、今のところは目に見えて成果は上がっていないというところでございます。ですので、次の計画に向けては、これまでの延長線ではなく、また新たな視点も加える必要があろうかと思っております。本日はそういう視点で幾つかデータを御用意して問題提起をいたしたいと思いますので、それを踏まえて、御意見を頂戴できればと考えております。
では、具体の説明に入りますが、次のページで1ページ目です。スポーツ実施率を上げるためには、今、スポーツなさっていない方々の状況を把握、分析する必要があろうかと思います。こちらのグラフは、3つの帯グラフがありますけれども、スポーツの実施頻度ごとに、週1日以上、真ん中がやってはいるけど、頻度は多くない。一番下がやっていないという人たち、それぞれについて、スポーツ実施、御自身がよくできていて満足しているかどうか、もっとやりたいとか、そういうことをアンケートで聞いています。
着目していただきたいのは、真ん中の、やっているけど、頻度は多くない人たちの中にも、もっとやりたいけど、できないという人が3割程度いらっしゃって、あとは一番下の「行っていない」で、そもそも関心がないという方が7割以上という状況で、この方々がどういった理由でこういうふうにお考えなのかというのを見てみました。
次のページでございます。週1日未満、頻度が多くない人たちにとってスポーツができない障壁は何かとお伺いしております。よくバリアフリーが進んでいないとか、交通の便が悪いといった御意見はあるんですが、実際のところ、この方々はそういった理由ではなく、「体力がない」とか、「体調に不安がある」とか、そういう自信がないということをお答えになっていらっしゃいます。
続いて、その次のページですが、これは今スポーツやっていなくて、そもそも関心がないとおっしゃっている方々も、実は似たような傾向で、「体力がない」というのが一番の理由となっております。そこで、ここから考えましたのが、体力がないとか不安があると思っている方々に対して、次のページで文字に書いておりますが、そういった方々に障害の程度やスポーツ・運動に関する志向ですね、より競技性が高いものから、レクリエーション、余暇活動、遊びといったいろいろな志向に合わせて、スポーツ機会の提供が必要と書いておりますが、機会自体をつくり出すというよりも、今、現に日本中に様々な場が存在しておりますので、情報を届けることが必要ではないかと考えた次第です。
続きまして、もう一つ皆様に御紹介したいデータとして、では、今スポーツをやっている人たちもかつてはやっていなかったはずで、その人たちは何をきっかけにして始めたのかというのを見ることで、そのきっかけを再現、つくり出すことができれば、今やっていない人たちにもやってもらうことになるのではないかということで確認してみました。これがスポーツを始めたきっかけで、選択肢としては、周りの人に勧められたというのが多いんですが、著名人とかメディアとか創作物の影響なども選択肢としては設けています。ただ、圧倒的に多いのは、一番上の家族、上から4番目の医師、それから最後から2番目、特に理由はない・なんとなくというのが、35%が選択されており最も多い回答となっております。これは複数選択です。
特に理由はない・なんとなくと言われてしまうと、ちょっと再現のしようがないなというふうに思いまして、そこで、障害の種類ごとに見ると何かヒントが得られないかということで見てみたのですが、ちょっと順番間違えたので、8ページからお話しいたします。このアンケートにおいて、障害種ごとに見て、回答者の人数、割合が一番多かったのが精神障害なんですが、これは全体と同じ傾向となっています。家族、医師、それから特に理由はないと。上のページに戻っていただいて、次に人数が多かったのが肢体不自由で車椅子は不要という方々です。これも全体と同じ傾向となっております。
何かほかに特徴的な傾向はないかと探したところ、その上に戻ってください。肢体不自由で車椅子が必要という方々は、ほかの障害種と比べて全然違う傾向を示していまして、家族、医師は一緒なんですけれども、友人・知人に勧められたという回答が多かったです。特に、ほかの障害種で多い回答である、理由はない・なんとなくというのが少なくて、理学療法士などの医療の専門職、それから介護福祉士等の福祉職から勧められたというのが他の障害種にはない特徴でございました。
ここで得られるというか、こういうことかなと考えましたのが、もしかすると車椅子が必要という障害のある方々の周りの医師以外の様々な専門職の方々は、車椅子に乗った競技というのがパラリンピックなどで目にすることがあるので、スポーツを勧めやすいのではないかということも考えられますし、そもそもこの障害者の人たちは病院などで様々な人に出会うので、その人から勧められたというのも考えられます。なので、今後考えていかなければいけないのが、障害の種類ごとに日々の生活において、どういった方々と接しているかというのをよく精査した上で、その上で家族や医師以外のそういった方々に対し、日本にはいろいろなスポーツの場があるというのを、半分ぐらいの都道府県でパラスポーツセンターというのがあったりとか、そういうのがなかったとしても、どの都道府県にもパラスポーツ協会があって様々な体験の場があったり、そういった情報や、あとは必ずしも日本のトップを目指すような、パラリンピックを目指すようなものでなかったとしても、毎年毎年全国障害者スポーツ大会というのがあって、必ずしもトップの成績じゃなくても、日々の練習の成果をお披露目する場があるといった、パラスポーツの業界の人たちにとっては常識になっていることをより多くの人たちに伝えて、障害者の周りの方々に伝えるといった、そういった働きかけが重要なのではないかなと思っている次第です。
イメージとしては、このほどスポーツ庁では、初めて障害者と向き合う指導者向けのハンドブックというのを作成しましたが、指導者向けではなく、障害者を取り巻く様々な人たちに対するパラスポーツの基礎・基本的な情報を届けられたら、多少は変わってくるのではないかなと考えている次第です。
以上のデータの見方とか、そこから得られた我々の現時点での感想、方向性について、ぜひ皆様の御意見を頂戴できればと思います。よろしくお願いいたします。
【久野部会長】 ありがとうございました。では、意見交換に入りたいと思うんですが、ぜひ、これは最初、前田委員、相澤委員、藤田委員、まず御発言いただきたいと思いますので、その後、それ以外の委員の方からもぜひ御発言いただければと思います。では、前田委員。
【前田委員】 スポーツを始めたきっかけというのは非常に面白いなと思います。それも車椅子の方と車椅子が必要でない方と比較すると、確かに違うなと思います。これプラス先天性なのか、それから突然の障害でなったのか、それによっても大きく異なってくるのかなと思います。
ちょっと自分のことを話しますけれども、私は鹿屋体育大学というところに陸上競技の推薦入試で入って、大学1年生のときに事故に遭って脊髄損傷になって車椅子になりました。そのときに、車椅子になって一番ショックだったのが、陸上で世界陸上とか出たいな。ジャパンつけて行きたいなと思っていたんですけど、それができなかったというのがショックで、リハビリをしている中でも一向気持ちが晴れないまま、目標がなくなったというのが大きかったんですけど、実はきっかけになったのは知人というか、同じ入院している患者で、僕よりももっと障害の重い、頸髄損傷の方だったんです。その方が私に「前田くん、若いから車椅子マラソンに挑戦してみたら」って言ってくれたんです。そこで初めて車椅子マラソンという存在を知って、私自身、車椅子になったんだけど、その前、陸上していましたので、走り幅跳びをしていたんですけど、また陸上競技、車椅子マラソンなので、陸上競技にまた挑戦できるんじゃないかというので一気にやる気が出たというか、それからリハビリもすごく真面目にして、大学に復学して、陸上部にもう1回入って、それで車椅子マラソンでデビューしていく。将来的に、1回だけですけどジャパンつけたことがあるんですけど、そこまで行けたということで、きっかけというのがあって、たまたまそういう知っている人がいたということだったんですね。
確かに家族の人も多いのかもしれないですけれども、入院中とかにヒントをもらえることが多いのかなと思いました。また、理学療法士の方も、私の担当の方は割と詳しい方で、その方は車椅子バスケの話とかされたんですけど、何せ球技が苦手だったもので、あまり響かなかったんですが、それよりも車椅子マラソンのほうがたまたま響いたんですけど、特に医療機関の、医者ってあまり付き合いはないんですけど、入院中お世話になるのは理学療法士の方とか、手にも麻痺のある方なんかは作業療法士の方とか、そういった方々というのは本当に長い時間一緒にいるので、そういう人たちがいかに引き出しを持っているかというのは本当に大きいなと思いました。私はけがしてもう30年以上たちますけど、30年前とかでも詳しい方がおられて、そういう方にヒントをもらえてという人は周りでも多かったように思いますので、そういう人たちにいかに知ってもらうかということが大事だと思います。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございます。では、相澤委員、お願いいたします。
【相澤委員】 貴重なデータを見させていただきました。恐らく当事者の方と専門職の方、視点を合わせて、予防とかリハビリテーションに加えて、見合ったスポーツでパフォーマンスをさらに高めていくというか、許容範囲を広げて、開拓してウェルビーイングをさらに高めていくということだと思います。先ほど室長がおっしゃったように、パラスポーツやアダプテッドスポーツ、これらと障害とのマッチングとか、そういうことを専門職に教育することも大切ですし、その人を通じた養成課程の学生の教育も含めて、それらをもって社会実装していくということが重要であるという点は全く同感です。そのツールとしてガイドブックとか、何かしらのものがないといけないだろうなというふうにも思います。
あと興味があるのは、障害、心身機能、運動・動作、福祉の専門職であっても、こういったパラスポーツに関する意識、知識、受けた教育、自分が思う理想などの実態は分かっているのかなというのが少し気になります。それがもし定点で観測できれば、教育の必要性や重要性の根拠になると思います。実装とその根拠の両方の観点が重要であり、これらを連動させて回していくということが重要だろうと思って聞いておりました。また、スポーツ庁で既に作られたハンドブックもこの枠組みで十分に活用できるのではないかと思っております。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございます。ここまでで、今村室長から何かお二人にコメントは、特によろしいですか。
【今村障害者スポーツ振興室長】 はい。
【久野部会長】 では、藤田委員、よろしくお願いします。
【藤田(紀)委員】 ありがとうございます。私はこのデータに基づいて話せるところとそうじゃないところもあるんですけれども、今日これを見て思ったことは、障害のある人にスポーツを普及させていくのに4つのことを考える必要があるかなと思っていて、1つは、室長がおっしゃったとおりで、どういう障害のある人がどういうところにいて、どこにアウトリーチしていく、どこに情報提供していけばいいかということをしっかりと考えなきゃいけないかなと。非常に多様なので、ただ、体力がないとか、そういう人はこれまで運動した経験がない人たちなので、スポーツのリソースというか、スポーツの支援を頼ってアウトリーチしていったのでは引っかかってこない人たちが多いと思うんです。なので、例えば当事者団体であるとか、それから自治体の社会福祉協議会関係の組織であるとか、そういったところに情報提供をしていく、あるいは障害者施設の人たちに情報提供できるようなルートを探っていくということが必要かなと思います。
私の大学の卒業生なんかは、たくさん障害者施設とかに就職しているんですけれども、時々実習とか見に行っても、ほとんどスポーツの知識がないというか、ないんですね。施設なんかで一番やっていることというと軽体操とウォーキング、要するにラジオ体操と散歩なんです。それぐらいなので、そういった人たちにどういうふうに情報を提供していくかということは考える必要があるかなということですね。
子供であれば、放課後デイサービスなんかの指導者にどういうふうに情報を提供していくか。こういう人たちはスポーツをベースにして、障害のある人にどう教えればいいかということじゃなくて、スポーツ自体、どう教えればいいかというか、どういうふうに提供していけばいいかということを考えなくてはいけないので、今、スポーツ庁で作っているガイドブックももちろんいいんですけれども、もう少しさらにスポーツ初心者指導者に対して提供できる情報というのを考える必要があるかな。
相澤委員、それから前田委員もおっしゃったんですけれども、学校とPTということが出てきましたが、学校の先生とPTさんを押さえてしまえば、スポーツ実施率でもぐんと上がってくると思うんです。中途障害の人は必ず前田委員のようにPTと出会うんですね。それから、先天的な障害の人は必ず学校に行きますから、そこで運動の仕方であるとか、楽しい経験とかができれば、あるいは情報がもらえれば、その後続いていくと思います。なんですが、体育の教員を取るのに障害スポーツ関連の授業というのは必修じゃないので、私の調査では大体全国の保健体育の教員免許を取れる大学の約半数は障害スポーツ関連の授業、設定はしているんです。どれぐらい取っているかはちょっと分からないんですが、一番それをしていないのが、設定していない率が高いのが地方の国立の教育系の学部なんです。お金がない。これもう半期、例えば集中で15万円あれば、1人先生を呼んできてやれるはずなんです。そういうことができない。あとPTもカリキュラムの中には入っていませんが、PTなんかがそういう情報を提供しているだけで、その後、PTになった後、障害スポーツ、パラスポーツに関わりたいという人の率がぐんと上がってきているという調査があります。これが2つ目です。
3つ目が、加えて、今のガイドブックなんか一番使いやすいのは、一般のスポーツ施設の指導者であるとか、競技スポーツの指導者であるとか、健康運動指導士の人たちであるとか、そういう人たちに障害のある人のスポーツの指導の仕方とか配慮点が分かれば、もちろん職場にそういう人がいた場合も入ってこれるだろうし、地域の高齢者の例えば運動教室とかでも教えられるだろうし、いろいろなところで生かされるというか、たまたま障害のある人が来たときにどうすればいいかということが解決できれば、かなりこれは増えてくると、実施率が上がってくるんじゃないかなと思います。
最後は、今言った3つは短期的、中期的なやり方だと思うんですが、長期的な視点で見ていくと、やっぱりスポーツ嫌いをつくらない。これは女性のスポーツにも関わってくることだし、全体のスポーツ実施率にも関わってくることだと思うんですが、私、ヤマハのスポーツ振興財団の研究プロジェクトで100人の障害のあるスポーツ選手にインタビュー調査をしました。分かっていったのは、やっている人はほとんどスポーツに関心がある人、当たり前なんですけれども、関心なかったというのは、重度障害で脳性麻痺でボッチャの選手が初めて途中でボッチャに出会ってやるようになったという人はいたんですが、それ以外の人はほぼ障害を持つ前に前田委員のように運動をやっていたとか、スポーツやっていたとか、あるいは自分が障害者スポーツに出られると知らずにずっとやっていたとか、いろいろなパターンの人がいるんですが、とにかくスポーツに関心がある人が多い。これは前回のこの会でも話したんですけれども、そういう関心のない人をつくらないためにはどうすればいいかという。学校の体育の授業であるとか、いろいろなところ、スポーツクラブであるとか、そういったところで障害のある人をしっかりと運動経験させてあげられる。自分は運動ができないと思わせないような仕組みをつくっていく。これは長期的な視点で見ると非常に重要なことではないかなと思います。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございました。幾つかすごく重要な視点を御指摘いただきましたが、今村室長、何か今の点、よろしいですか。
【今村障害者スポーツ振興室長】 もう報告書最終提言みたいな形で4点にまとめていただいたので、これを踏まえて検討してまいります。どんなことができるかを考えた上で、ぜひ次期の計画にも位置づけて政策を推進する必要があるなというふうに受け止めました。
【久野部会長】 ありがとうございます。小松原委員、お願いします。
【小松原委員】 日本の障害者スポーツの実施率は世界でどの位置にいるのでしょうか。例えば、イギリスはパラの発祥と言われておりますが、イギリスの実施率が高いのであれば、なぜ高くなったのか、先行事例を研究し、日本で取り入れられるものがないか調べてもよいのではないかと思いました。日本が世界から見て非常に高い位置にいて、さらに高くしようと思うとかなり困難なことではありますが、世界の中で低い位置にいて、これを上げていこうとするならば、良い先行事例があるはずですので、参考にされたらよいのではないかと思ったところです。
【久野部会長】 ありがとうございます。
【今村障害者スポーツ振興室長】 国際的なデータというのをしっかり整理してというのは、今のところ持ち合わせていないです。エピソードとして、どこどこの国は高いというのは、まさにこういう審議会の場でも何人かの委員から御紹介いただいたりとかあります。あと、今お話を伺っていて関係あるかなと思いましたのが、都道府県ごとにも大分差があります。ですので、同じ日本国内で国民の特性とかも考えてばらつきがあるというのは、その要因を分析して、環境の整備、例えば東京都とか高いんですけれども、東京はいろいろな資源があるというだけでなく、恐らくオリパラなどの機運の醸成というのも影響していると思いますが、そういう値が高いところの自治体の状況というのを分析するというのは大いに参考になろうかと思います。
【久野部会長】 ありがとうございます。松永委員、お願いします。
【松永委員】 先ほど藤田委員のお話にありました障害者スポーツに対する教育ですとか、知識を得る機会が非常に少ないというところは同感です。先ほど私の発表で、過疎地域阿智村のイベントのお話をさせていただきましたが、今、お話があった放課後子ども教室とタッグを組んで、阿智村の小学生の約4割の145人ぐらいが参加している子どもスポーツイベントを実施しています。その中でパラスポーツを導入するだけでなく、今年から福祉施設とタッグを組んで、1クールだけボッチャを福祉施設入所者の皆さんと一緒に体験するというプログラムを始めました。その結果、ボッチャは知っていたけど見たことがない、やったことがない、こんなに簡単にできるんだね、などという感想が多く、テレビでは見ていても、実際に目の前で見たり、経験したりすることで、楽しい!ということを実感したようです。また、これだったら放課後子ども教室でもできるよね、と指導者の方も子どもたちも認識を深める良い機会となりました。放課後子ども教室の指導者の方は、障害者スポーツの知識も経験もない方が多く、福祉施設にもそのような用具が揃っておらず、入所者さんも体験する機会がなかったようです。今回、連携して共同でボッチャを体験したことで、共生社会の意識だけでなく、新たなスポーツの価値を認識するなど、かなりの相乗効果はあると実感しましたので、本当に藤田委員のおっしゃるとおりだなと思いました。地域スポーツをはじめ、さまざまな立場の方が、障害者スポーツに関心を寄せ、普及につながる組織体制や人材育成など見直す必要があると思います。草の根的な活動も重要で、現状の活動を工夫したり改善したりするところから始めることも重要だと思いました。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございました。すみません、最後ちょっと私からも一言だけ。今、私の社会人の院生で、視力のない方の運動指導をされている学生さんがいて、女性なんですけど、彼女のテーマで勉強させてもらっている中で、オンラインで指導するという可能性を探っているんですね。その意図は、なかなか移動の問題が非常に、例えばやりたいと思ってもやれる場所への移動という問題がすごく障害のある方は出てくるときに、オンライン上でリアルで指導していくと。視力のない方なので、もともと運動・スポーツ指導も難しいんですが、さらにオンラインだと、そこを加味した指導法が必要だということで今やっているんですけど、そういう指導者育成とか、そういう人たちを増やしていくとか、そういうのも障害のある方のスポーツ実施を増やしていくには、自宅でもできるみたいな環境づくりというのも1つ可能性があるのかなと思いましたので発言をさせていただきました。
大体時間ですが、今村室長、最後何かありますか。特によろしいですか。
【今村障害者スポーツ振興室長】 大丈夫です。
【久野部会長】 以上でこの点は終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
では、議題2のその他について移りたいと思います。事務局、中村課長のほうからよろしくお願いします。
【中村健康スポーツ課長】 初めに、資料5のほうを御覧いただければと思いますけれども、前回この健康スポーツ部会でも一度御議論いただきまして、今日、松永先生からも話がありましたけれども、運動・スポーツの中に日常生活における身体活動というのをどういうふうに捉えていくべきなのかと。特に女性のスポーツ実施率を議論する中で、実際は、女性は家事とか育児などでかなり体を動かしているのではないかといった御指摘もあって、一度この部会でも御議論いただいて、今後、これから11月に予定している我々のスポーツ実施率の調査の中でもどう捉えていくかという整理をさせていただきました。
スポーツ実施率については、有識者の先生方にもいろいろ助言をいただいておりますけれども、この部会での議論を踏まえて、有識者の先生方の御意見ということで、1ページ目を見ていただきますと、スポーツ庁がやるスポーツ実施率の調査の中で、ここで言うスポーツというのは何なのかということ、なかなか難しい議論があるんですけれども、そもそも日常生活の中で普通にやっている家事による身体活動のようなものをこの実施率の中に入れていくというのは、この調査の本質とは違うのではないかという御意見であるとか、いわゆる余暇時間にやっているスポーツと日常生活の活動というのを混ぜるというのは、調査としても分かりにくくなるのではないか、逆に身体活動を日常生活の中でやっている方と、それとは別にスポーツを実施している方を調べることでいろいろ分析ができるというのは理解できるんだけれども、それをどういうふうに使うのかということをもう少ししっかり議論したほうがいいのではないか、そういった御議論もありまして、今回、この11月から始める実施率の調査に日常生活中の家事などの身体活動量を入れていくということは、ちょっと時期尚早なのではないかという御意見がありましたので、今年度の調査の中では、日常生活における身体活動の調査を入れていくというのは見送りたいなというふうに思っております。
もう1枚おめくりいただきまして、実はこれから第4期のスポーツ基本計画の議論が始まっていくに当たって、今年の世論調査は非常に重要だと思っておりまして、出発点となるデータを取るタイミングですので、その観点で幾つか見直しをしたいなということでございます。1つ目は、松永先生の京都の事例の中でも御紹介があったんですけれども、これまで我々の調査の中でウォーキングとか階段昇降とか自転車、サイクリングなどについて実施していますかという調査をしているんですけれども、例えばそれが通勤で普通に歩いていますとか、通勤で階段を上っていますというのが、回答者によって入れたり入れてなかったりという状況があるのではないかということで、我々の調査の位置づけとしては、日常生活で、ただ普通に自発的ではない形でやっているような身体活動というのは除いたほうがいいのではないかということから、今回は、ウォーキング、階段昇降、自転車についても普通の通勤通学の過程でやっているものは入れずに、例えば一駅余分に歩きますとか、もともと車で行くところを自転車に切り替えていますとか、そういうものは入れていくと、こういう明確なすみ分けをしたほうがいいのではないかということで、今回の調査からそういうことが分かるような調査項目にしたいなというのが1点目でございます。
2点目として、この部会でも議論になっていたのですけれども、週1回以上スポーツをしているか、週2回しているかといった調査になっていて、1回当たりのスポーツの量というのを調べてなかった。例えば週1回やっていると言っても、5分で終わっているもの、1時間やっているものというのが全く差別化できていなかったので、今年の調査から実施している運動・スポーツの種類ごとに、それぞれどのぐらいの頻度をやっていて、1日当たりやる場合は平均のどのぐらいの時間をやっているのかということも含めて調査をすることで、このスポーツ実施の質をきちんと拾えるような形にしたいなというふうに考えていますというのが2点目でございます。
3点目として、先ほどお話もありましたけれども、今回のスポーツ基本法の改正でいわゆるeスポーツが基本法の対象になったということで、今年から情報通信技術を活用したスポーツ、いわゆるeスポーツについても実施率の中で調査をしてはどうかということです。ただ、それに当たっては、先ほどのこの調査におけるスポーツの定義ということにも関わるんですけれども、身体活動を伴うeスポーツを想定し、全く動かずに指だけでやっているようなゲームのようなものは入れずに、身体活動を伴うeスポーツについて、スポーツ実施率の中の1つの種目として調査をしてはどうかということで考えておりますという御報告でございます。もし先生方からもお気づきの点などがあれば、よろしくお願いしたいと思います。
【久野部会長】 ありがとうございました。全体的にというところと、1枚目、身体活動量の調査項目は、今回は具体化するのは見送るという2つの論点があるように思いますが、何でも結構ですが、御意見いかがでしょうか。
ウェブでJSPOの岩田委員がお入りいただいているので、岩田委員、いかがでしょうか。
【岩田委員】 すみません、途中からの出席で、甲斐委員、松永委員の話を聞けずに残念でございます。今、資料を読み解いているところでございます。
今、中村課長から7年度のスポーツ実施状況に対する世論調査の説明をいただきまして、ありがとうございます。1から3に関しましては、とても悩ましいところでございますが、こういう整理をしていただくと、また、調査の後の統計上で見ながら、また改善していけばいいのかなというふうに考えておりますので、とても腑に落ちたというか、すっきりした感じがあります。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございます。そのほか、どなたか御発言いかがでしょうか。ウェブのほうからももちろん結構ですが、いかがでしょうか。松永委員、お願いします。
【松永委員】 整理をしていただいて、ありがとうございました。3番目のeスポーツについて、新たに入れていただくという判断をしていただくことによって、各自治体にも1つの方向性をお示しいただけたと思います。ありがとうございます。一方で、今、御説明にありましたが、手を動かすだけの場合はeスポーツに含めないということですよね。
【中村健康スポーツ課長】 eスポーツ自体には入っていると思うんですけれども、今回、スポーツ実施率の算定根拠とする範囲をどこまでにするのかということで、まだ、結果がどう出るかということで、今後を見ていかなければいけないと思うんですけれども、今回、まず初めにやる調査としては、体を動かすことがまず前提になっておかなければ、スポーツ実施率の上がり下がりとか、目標とかにも関係してくるものなので、今回はそういう限定をしてはどうかという御提案でございます。
【松永委員】 ありがとうございます。その表記の仕方の具体的な文面が非常に重要になると思っておりました。皆さん、御承知かと思いますが、以前、アジア大会でチェスが種目に入っていたということがございます。そのチェスもどちらかというと手を動かしています。もちろんどちらも頭で考えるということは大前提ですが、細かいことを言い出すとかなり難しい線引きになるとは思います。ただ、非常に重要な一歩だと思いますので、表記の仕方について、また御検討いただければと思いました。
以上です。
【久野部会長】 その点は今後のスケジュールで、これに関する有識者委員会がありますので、今日の議論というか、こちらの意見はそちらに多分伝わるものだと理解していますが、それで、課長、よろしいでしょうか。
【中村健康スポーツ課長】 はい。
【久野部会長】 ですので、そういう点をお伝えするということでよろしいかなと思います。これ最後で、これで次に行かせていただこうと思います。
【小熊委員】 みません、ありがとうございます。なかなか整理、難しいところだと思いますが、整理していただいてありがとうございました。今回の調査が第4期におけるベースラインになるのだと思うので、そこで、多分1番なんかはきっと少し今までより下がるのだろうと思いますが、ベースラインとして、回答者にわかりやすく、皆が同じ視点で答えられるようにぜひしていただければと思います。ただ、普通にというのは解釈がひとによってことなり、なかなか難しいなと思いつつです。ぜひよろしくお願いします。2番については定量化していただいて、本当にありがとうございます。
以上です。
【久野部会長】 ありがとうございました。
そうしますと、一応部会として確認しておきたいのは、1ページ目の下の部分になりますが、今年度の導入は見送る方針としたいとあるところに関しては、部会として了承したいと思いますが、よろしいでしょうか。じゃ、そういう形で進めさせていただければと思います。
以上、御議論ありがとうございました。
では、その他で、引き続き中村課長、お願いします。
【中村健康スポーツ課長】 あと2点ございまして、こちらは御報告ということでございます。まず、資料6のほうを御覧いただければと思いますけれども、まだ続いております大阪・関西万博において、9月3日から8日まで、スポーツ庁のほうでWASSEというイベントスペースを使って様々な取組をさせていただきましたという情報提供でございます。来場者数延べ約77,000人ということで、非常に多くの方に御来館いただきまして、毎日待ちの列ができるような状況でございました。
実際にやったイベントとしましては、2ページ目のほうにございますけれども、ステージイベントとしてスマートフェンシングというフェンシングを少し変えた、楽しめるようなトーナメントということで実施をしたもの。これが具体的には3ページ目のほうにございますけれども、金メダリストの宇山選手にも御参加いただいて、視聴者参加型のイベントとしてやらせていただきました。
それからもう一つ、スポーツ×宇宙ということで、この部会でも御紹介させていただきましたけれども、一般向けイベントとして、4ページ目のほうにございますけれども、室伏長官、それから増子次官、それから宇宙飛行士の方々などにも参加していただいて、宇宙とスポーツとの掛け合わせによる今後の新たな可能性についてトークセッションをやっていただいて、多くの方に御参加をいただきました。
それから最後、ブースも幾つかつくっておりますけれども、5ページ目のほうにブースのイベントとして、「スポーツがもたらす共鳴のカタチ」ということで様々な取組をさせていただいて、その中でも紙風船エクササイズを茶室の中でやるといったような取組もさせていただきました。委員の中には、もし御覧いただけた委員がいらっしゃれば御存じかと思いますけれども、多くの方に体験をしていただいて、スポーツ庁10周年のイベントとしては非常に成果のある形で実施できたのではないかなと思っております。
もう一つ、資料7のほうを御覧いただきますと、この部会のほうでも御紹介させていただいたセルフチェック、身体診断をどういうふうに社会実装させていくかということについて、今年、モデル事業を現在実施しております。具体的な実施内容として事業内容のところにございますけれども、4種類設定しておりまして、1つは、年1回必ず受けていただく健康診断の機会とうまくコラボして実施するような仕組みがつくれないかというモデルづくりです。
それから2つ目として、フィットネスジムなどと組んで、そういったところに来ていただく方にセルフチェックを実際に体験していただいて、ジムとかエクササイズの中に組み込んでいくようなことができないかというモデルづくり。
それから3つ目として、様々な大会やイベントなどでセルフチェックというものを普及させていくためのモデルづくり。
そして4つ目として、運送業とか客室乗務員など体を動かすような業務に就いていらっしゃる方にうまくセルフチェックを使って改善を促していくようなモデルがつくれないか。こういう4つのモデルづくりを今年進めておりまして、下の表にありますけれども、それぞれのモデルについて、ここに示しているような企業・団体に今協力をいただいて進めているという御紹介でございました。
以上になります。
【久野部会長】 ありがとうございました。何か御質問ございますか。特によろしいでしょうか。
では、ちょうど室伏長官も会議に御参加いただいたところですが、皆様、報道でもう御存じのように、室伏長官が今月末で任期を無事終えられるということで、まず、長官のほうから御挨拶をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【室伏スポーツ庁長官】 久野部会長、ありがとうございます。今ございましたとおり、9月いっぱいで5年にわたるスポーツ庁での長官職を辞することになっております。最後まで全うできましたのは、皆様の御支援のおかげだと思っております。このようにしてまた迎えられることを感謝申し上げます。
今日はプレゼンの資料も用意していただいていますけれども、これはまた御確認いただければと思いますけれども、私としましては、これまで当然スポーツの実施率を中心に、いかに多くの方に運動していただけるかということであったかと思うんですけれども、さらにそれを前進していきまして、ライフパフォーマンスであったり、トップアスリートがやっているようなコンディショニング方法を使って、それを町が元気になるのかどうかということもしっかりした調査も行ったり、また、これまでスポーツ庁にはなかったですけれども、研究発表みたいなことを、内臓研究であったりとか、スポーツらしい、また、これまでにないようなイップスのことであったりとか、こういったこともさせていただいたり、いろいろな形でさせていただきました。
私としましては、ぜひ振出しに戻らないように、部会長はじめ皆さん、またより一層御協力いただきまして、スポーツの可能性は我々の知らないところにまだあるのかと思います。ぜひ、これがさらにまた発展していって、中村課長、一生懸命やっていただいていますけれども、進めていければと思います。
何か健康、もちろん病気にならないこと、けがをしないことも大切ですけれども、我々は日頃よりクオリティライフを高めたり、労働生産性を高めたり、より生きがいのある、生きがいという言葉が海外でも浸透してきているようですけれども、何かそういった人生に生きがいを持ち、一生懸命やっていこうと思う気持ちに転換していくことが、スポーツや健康増進のこういった取組に関してはあると思いますので、医療費削減以外にも新たな視点が持てたことはよかったのかなと思います。そういう中で、ぜひ今後ともまた御支援いただきまして、他省庁ともちろん連携はしていくかとは思いますけれども、スポーツならではのよさをぜひ引き出していただきまして、今後、また御支援いただければと思います。(拍手)
【久野部会長】 長官、ありがとうございました。少し最後ということで意見交換といいますか、コメントを委員の皆様からいただく時間がありますが、ちょっと全員から一言ずつという時間はございませんので、大変恐縮ですが、私のほうから何人かにお当てさせていただければと思っております。5年間、この会議をずっと一緒に健康スポーツ部会部会長としてまとめてきていただいている渡邉委員から、ぜひお願いします。
【渡邉部会長代理】 室伏長官、5年間、お疲れさまでした。長官が就任したときはちょうどコロナの流れがあって、オリパラも1年延期ということになったと思います。私は就任されたときに健康スポーツ部会の部会長をしていましたけれども、ずっと審議会の委員もやっておりまして、長官から学ぶことが実はたくさんありました。いろいろなレガシーを残されたと思います。先ほどセルフチェックの話がありましたけれども、このレガシーをさらに生かすためにも、文科省という教育行政の場ですから、学校現場なんかでもこういったものを活用されたらどうかなと思います。今、子供の運動能力、体力という問題もありますので、成人ばかりでなくて、学校教育の現場でもこういったものを生かしたらいいかなと思います。
また、長官のほうからライフパフォーマンスの話、目的を持った運動・スポーツの話がありました。先ほど中村課長のほうから、今度、世論調査の調査の仕方が変わるというような話がありましたけれども、第4期のまた基本計画づくり、基本計画部会のほうは部会長をやっておりますので、成果指標の設定とか、それとの連動とか、そういったものもしっかりと生かせるように、室伏長官から教わったことを次に私も生かせるように、また審議会の活動を行っていきます。本当にありがとうございます。長官も今度大学の副学長ということでありますし、私のところも一応スポーツシンクタンクということをうたっておりますので、ぜひそこら辺の連携をよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
【室伏スポーツ庁長官】 ありがとうございます。
【久野部会長】 ありがとうございました。そうしましたら、津下委員、ぜひお願いします。
【津下委員】 ありがとうございます。5年間、大変お世話になりました。ライフパフォーマンスということをしっかり考える検討会に出させていただき、最近はスポーツと宇宙とか、それから障害者スポーツの見方が変わりました。健康スポーツ的に考えると、健康のためにスポーツをしましょうという発想なのですが、もっともっと広い可能性や深みを学ばせていただき、本当にこんな勉強になる機会はなかったなと感じています。それをどう政策に活かしたり、世の中に定着させていくのかというのがこれからの役目と思いました。私は医療の関係なのでそちらのほうにも少しでも貢献したいと思いながら、臨床スポーツ医学会でもライフパフォーマンスをメインテーマにしましたので大変お世話になりますけれども、少しでもこの学びを広げていきたいと考えております。本当に5年間、ありがとうございました。
【久野部会長】 ありがとうございました。ウェブから、やはり5年間、委員を御一緒された北出委員から、ぜひ一言お願いいたします。
【北出委員】 ありがとうございます。室伏長官、本当に5年間、ありがとうございました。大変お疲れさまでした。私は、長官の前の鈴木大地長官から推薦がありまして、室伏長官が就任されたときから、ともにいろいろお世話になって御指導いただきました。本当に様々な知見があって、Sport in Life、スポーツエールカンパニーとか、いろいろな取組をかなり拡張していただきましたし、やっぱり委員の皆さんおっしゃるように、ライフパフォーマンスという考え方は本当にとても浸透がよくて、私たちも非常に分かりやすくて、いろいろなところで使わせていただいておりました。
実際、スポーツというのもいろいろなハードルがあるかと思うんですが、室伏長官がおっしゃる、どういうパフォーマンスがどこに効くか、身体のどこに効くかということをはじめ、エビデンスというか、そういうところもありながらも、例えば高齢者とか、なかなか忙しい人でも気軽に楽しくできるという運動のパフォーマンスというか、やり方や種類をさんざん教えていただきまして、私自身は本当に勉強になりました。本当に感謝し切れないぐらいなんですけれども、教えていただいたことを自分のものとして、私たち自身も努力していろいろなところに広報すること、つなげていきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。
【久野部会長】 ありがとうございます。もうちょっとだけ、まだお時間がありますのでお付き合いいただくということで、小松原委員、塩野委員、藤田委員とお願いできればと思います。まず、小松原委員からお願いします。
【小松原委員】 ありがとうございます。小松原でございます。私も鈴木大地長官のときからこの審議会に入らせていただいて、室伏長官になられて、大変お付き合い深くさせていただきました。私どもの健康保険の雑誌にもインタビューで出ていただいて、目的を持ったスポーツというものがいかに大事かということをおっしゃっていただいたことによって、単なるウォーキングだけやっておけばよかったということから柔軟性の必要性などライフパフォーマンスを高める目的を持った運動に着眼点が移ってきたのは、非常によかったと思っております。ありがとうございました。
【久野部会長】 塩野委員、お願いします。
【塩野委員】 ありがとうございます。セルフチェックでしたり、ライフパフォーマンス、また、目的を持った運動・スポーツといったお話、長官、御本人のお考えということに感激し、また勉強させていただいたこと、強く印象に残っております。中小企業への浸透、働く人の運動実施率を上げることが非常に難しいと思いながら、長官からお教えいただいた多くのことがうまく活かせるのではないかなと考えておりますので、引き続き、この職を離れてもまた御指導いただければと思います。よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
【久野部会長】 藤田委員、お願いします。
【藤田(紀)委員】 室伏長官、5年間、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。紙風船体操、それからライフパフォーマンスとか、長官が自らリーダーシップを取って進めていくという姿が、新しいスポーツ庁長官の姿かなというふうに受け止めて、非常に新鮮で、しかも、それが非常に影響があるということですばらしい時間だったなと思っております。
障害スポーツ、パラスポーツに関して言いますと、長官がオリンピアン・パラリンピアン、オリンピック・パラリンピック、障害者スポーツ、一般のスポーツ、本当に同じように扱って考えてくださったおかげで、いろいろなところでそういう長官の姿というか、態度というかやり方をいろいろな人たちが見ることができて、そういうこともあってスポーツの認知度とか、障害スポーツの認知度であるとか、実施率というのも上がってきているんじゃないかなと思います。そういう意味では本当に、障害スポーツに関しても長官がリーダーシップを取っていただいたというのはすごく感謝しております。ありがとうございました。やっぱり私一番思い出に残っているのは、一緒に紙風船体操をこの会でやったことが思い出に残っています。いい思い出をどうもありがとうございました。
【室伏スポーツ庁長官】 あれから会議も何かいい感じになった。
【藤田(紀)委員】 どうもありがとうございました。
【久野部会長】 ありがとうございました。そろそろ時間ですので、すみません、最後に私からも一言述べさせていただきます。本当に5年間、お疲れさまでした。今、御挨拶いただいた中で、次に向けてしっかりとさらに発展させてくださいという宿題といいますか、強いメッセージもいただきまして、我々健康スポーツ部会も、すみません、今日は時間の関係で、ずっと御一緒だった方だけに最後コメントをいただきましたが、今期、次に向けてメンバーも新たに新しい方も加わって、非常にここまで活発でいい議論ができてきている。これもある面、会議にしっかりと長官が最初から最後まで毎回いられるというのは、無言の圧力といいますか、パッションを委員の皆さん、多分感じられていろいろな国の委員会に出させていただいてきましたけど、またすごくそういうコンフォータブルないい感じの委員会をやらせていただいたかなと思っております。
我々メンバーはある面、長官のレガシーになるよう、さらに発展するよう頑張りたいと思いますし、逆に今度は、ちょっと自由な立場で物も言いやすくなる部分があると思いますので、また、いろいろな形で連携をさせていただければと思います。
最後、盛大な拍手をもって労をねぎらわせていただければと思います。どうもお疲れさまでした。(拍手)
【室伏スポーツ庁長官】 ありがとうございました。たくさんすばらしい言葉をいただきましたけど、ぜひ、私も陰ながら、一応少しまた参与という形であるみたいですので、何かまたありましたら、私のほうも何か御協力できることがあれば幸いです。でも本当にすばらしいハンドリング、久野部会長にやっていただきましたので、本当に雰囲気がいい会だなと思いました。日に日に増して皆さんも何か元気になっていくような感じがより一層していますけれども、本当にすばらしい雰囲気で会議を収めていただきまして、久野部会長、ありがとうございます。渡邉委員、ありがとうございます。それでは、またよろしくお願いいたします。(拍手)
【久野部会長】 会議はここで終わらせていただきます。本日もどうもお疲れさまでした。
スポーツ庁健康スポーツ課