スポーツ審議会健康スポーツ部会(第12回) 議事録

1.日時

2021年1月18日(月曜日)14時~16時

2.場所

WEB会議(Webexを使用)

3.議題

   (1)スポーツ審議会健康スポーツ部会運営規則の改正について
   (2)部会長等の選任等について
   (3)第1期健康スポーツ部会での取組について
   (4)今後の審議の進め方について
   (5)意見交換
   (6)その他

4.議事録

スポーツ審議会 健康スポーツ部会(第12回)

2021年1月18日


【小沼健康スポーツ課長】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第12回スポーツ審議会健康スポーツ部会を開催いたします。
皆様、大変お忙しい中御出席をいただき、誠にありがとうございます。
本日は、本部会第2期の最初の会議に当たりますので、後ほど部会長をお決めいただきますが、それまでの間、便宜的に事務局において議事を進めさせていただきます。
まず、本部会は、Cisco社のWebEXによるウェブ会議とさせていただいておりますので、初めに会議進行における留意事項を資料に基づき説明させていただきます。
事前にお送りいたしましたWebEXミーティングのやり方という資料があるかと思いますが、そちらの5ページのほうでございます。こちらの下のほうにマル1、マル2、マル3とございますので、こちらのところが留意事項ということになります。
まず、1点目のマル1でございますけれども、マイクのボタンでございます。ボタンを押しますと、オン、オフの切替えができます。オフの場合には斜線が入ります。御自身が発言されるときのみオンにしていただいて、それ以外はオフにしてください。
マル2番、ビデオボタン、ボタンを押しますとオンとオフの切替えができます。オフの場合は斜線が入ります。会議中は常にオンの状態、皆様の顔が映る状態にしてください。
マル3、意見交換の際などに御発言したいことがある場合には、その他ボタン、挙手を押してください。挙手のボタンを押して、御発言が終わりましたら「手を下げる」をクリックしてください。分かりにくいのですが、下のほうに赤丸のバツ印がございます。その横に黒い丸がございまして、四角く囲んでございますが、このボタンを押しますと、プルダウン形式で上のマル3のような主催者の役割とか、挙手とかという形で出てまいりますので、この挙手というところを押していただけると手を挙げたことになるということでございます。
以上よろしくお願いいたします。
続きまして、配付資料の御確認をさせていただきます。事前にお送りさせていただきましたけれども、簡単に御説明いたしますと、まず資料1といたしまして、第2期スポーツ審議会健康スポーツ部会委員名簿。資料2といたしまして、スポーツ審議会の概要。資料3といたしまして、スポーツ審議会における部会の設置について。資料4といたしまして、スポーツ審議会健康スポーツ部会運営規則の改正について。資料5といたしまして、第1期健康スポーツ部会での取組について、横長のポンチ絵のようなものでございます。資料6といたしまして、一枚紙になりますが、今後の審議の進め方について(案)というものになります。
そのほか参考資料といたしまして、参考資料1-1ということで、スポーツ審議会、親の審議会でございますが、こちらの運営規則。それから、参考資料1-2ということで、スポーツ審議会の会議の公開に関する規則。それから、参考資料2ということで、スポーツ実施率向上のための行動計画。参考資料3ということで、スポーツ実施率向上のための中長期的な施策。参考資料4ということで、「スポーツ実施率向上のための中長期的な施策」の具体的実施に向けた工程表ということになってございます。
メールでお送りしておりますので、多分、不足等はないと存じますが、もし何か読めないとかファイルが開けない等ありましたら事務局のほうにお知らせいただければと思います。よろしくお願いいたします。
続きまして、本日御出席の委員の方々を紹介させていただきます。資料1を御覧ください。なお、後ほど自由討議のセッションがございますので、ここでは委員の皆様のお名前のみ紹介させていただきます。
まず、最初に一番上から順番に参ります。公益財団法人日本スポーツ協会副会長兼専務理事の泉正文委員です。
日本放送協会制作局ディレクター、勝目卓委員です。
順天堂大学医学部附属病院順天堂医院教授の北出真理委員です。
筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻教授の久野譜也委員です。
和歌山県みなべ町長の小谷芳正委員です。
続きまして、ちょっとお役職のほうに誤植がございまして、大変失礼いたしました。正しくは健康保険組合連合会健康サポート部長(保健担当)の小松原祐介委員です。
お一人空けまして、失礼いたしました。公益社団法人スポーツ健康産業団体連合会会長の斎藤敏一委員です。
それから、一般社団法人日本経済団体連合会、ソーシャル・コミュニケーション本部統括主幹、オリンピック・パラリンピック等推進室長の左三川宗司委員です。
それから、日本商工会議所総務部長の塩野裕委員です。
それから、女子栄養大学特任教授の津下一代委員です。
それから、静岡県三島市長の豊岡武士委員です。
それから、東海大学大学院体育学研究科長、体育学部教授の萩裕美子委員です。
それから、日本福祉大学スポーツ科学部長、藤田紀昭委員です。
公益財団法人福島県障がい者スポーツ協会書記、増子恵美委員です。
龍谷大学経営学部経営学科教授の松永敬子委員です。
それから、公益財団法人笹川スポーツ財団理事長の渡邉一利委員です。
それから後ほどでございますが、少し遅れて入ってくるということでございますが、筑波大学大学院人間総合科学研究科教授の山口香委員がおられます。
また、本日は欠席されておりますけれども、千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門教授、国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター老年学評価研究部長の近藤克則委員が本部会の委員として指名されております。
なお、資料3の2ページにございますスポーツ審議会令第6条第1項及び第3項の規定において、本部会議の開催及び議決に当たっては委員の過半数の出席が求められているところ、本日は定足数を満たしているため、開催とさせていただきます。御了承をお願いいたします。
続きまして、オブザーバー、事務局の紹介に移らせていただきます。まずは第1期の部会に引き続きまして、厚生労働省よりオブザーバーといたしまして、健康局健康課の山口課長補佐が入っておられます。
同じく、磯崎課長補佐も入っておられます。紹介させていただきます。
続きまして、スポーツ庁からの出席者を紹介させていただきます。スポーツ庁長官の室伏でございます。
続きまして、スポーツ庁次長の藤江でございます。
続きまして、スポーツ庁スポーツ総括官の牛尾でございます。
続きまして、スポーツ庁健康スポーツ課障害者スポーツ振興室長の助川でございます。
最後に、私、スポーツ庁健康スポーツ課長の小沼でございます。改めてよろしくお願いします。
それでは、事務局を代表いたしまして、長官の室伏のほうから御挨拶を差し上げます。長官、よろしくお願いいたします。

【室伏スポーツ庁長官】 皆さん、お世話になります。第12回健康スポーツ部会の開催に当たりまして、一言御挨拶させていただきます。
委員の皆様におかれましては大変御多忙の中、本部会の委員に御就任いただきまして、誠にありがとうございます。
第1期の健康スポーツ部会では、我が国のスポーツ参画人口拡大のために、様々な審議を行っていただきまして、その成果としてスポーツ実施率向上のための行動計画、スポーツ実施率向上のための中長期的な施策を取りまとめていただきました。
今回の第12回健康スポーツ部会から始まります第2期健康スポーツ部会においては、行動計画、中長期的な施策の継続的なフォローアップを行っていただくとともに、コロナ禍における健康保持・健康2次被害対策のための運動、スポーツの在り方や、これまで議論してきました子供、ビジネスパーソン、女性などのターゲットがよりスポーツを実施するための方策、加えて、地域におけるスポーツの実施の在り方など、御議論いただければというふうに思っております。
第2期スポーツ基本計画の期間も残り1年となりまして、第3期スポーツ基本計画の策定も見据えて、国民の皆様のスポーツの実施率の向上に向けて、ぜひ委員の皆様に御知見、お力をお貸しいただきたいと思っております。
以上をもちまして御挨拶とさせていただきますけれども、ぜひとも活発な御議論、本日もよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【小沼健康スポーツ課長】 それでは、続きまして、議事に入る前に、新しい先生方もおられますので、健康スポーツ部会の設置根拠などにつきまして簡単に説明をさせていただきます。また、併せまして本部会の所掌についても簡単に説明申し上げます。
資料2を御覧ください。スポーツ審議会の概要でございますが、スポーツ審議会におきましては、スポーツに関する施策の総合的な推進に関する重要事項について調査審議をするということになってございます。上のほうの下線を引いてあるところになります。
続きまして、資料3を御覧ください。スポーツ審議会における部会の設置についてですが、記載のとおり、スポーツ審議会令及び運営規則の規定に基づきまして、平成29年7月7日に開催されましたスポーツ審議会におきまして、この健康スポーツ部会の設置が決定されました。健康スポーツ部会の所掌事務としましては、スポーツ実施率の飛躍的向上に向けた方策について調査審議することになっております。
以上、簡単にはなりますが、設置根拠の説明となります。
続きまして、議題の(1)に移らせていただきます。スポーツ審議会健康スポーツ部会運営規則の改正について説明をさせていただきます。
資料4を御覧ください。1の改正の趣旨の1つ目の丸にありますとおり、運営規則につきましては、健康スポーツ部会における会議の公開、会議の傍聴、資料の公開、議事録の公開などについて具体の手続を定めたものになっています。
今回の改正内容ですが、2の改正の概要にありますとおり、2点あります。1点目は、1つ目の丸になりますが、コロナ禍の現状やデジタル化の進展の観点から、各委員が参集して対面で行う会議のほかに、今回のようにウェブ会議サービスを利用して行えるようにしようというものです。
2点目は、2つ目の丸にありますとおり、運営上の手続については、健康スポーツ部会の上部機関であるスポーツ審議会の会議の公開に関する規則において同様のものが規定されていますので、これを準用することで簡素化しようというものです。端的に申しますと、ウェブ会議に対応するということ、同種の規定を整理しようというものになります。
以上簡単ではございますが、御審議をお願いいたします。御意見等があれば挙手のほうをお願いいたします。
(「異議なし」の声あり)

【小沼健康スポーツ課長】 特に御意見等ございませんようでしたら、議題(1)のスポーツ審議会健康スポーツ部会運営規則の改正につきましては御了承いただいたということで、改正した新しい運営規則に基づきまして以後の審議を進めさせていただきます。ありがとうございました。
続きまして、議題(2)の部会長等の選任に移らせていただきます。なお、人事に関する手続となりますことから、運営規則に基づきまして非公開とさせていただきます。会議の公開を一時中断させていただきますので、少々お待ちください。

(会議の公開を一時中断)

(非公開で部会長及び部会長代理の選任が行われ、部会長に渡邉委員、部会長代理に久野委員が選任された。)

(会議の公開を再開)


【渡邉部会長】 それでは、議事を再開いたします。
非公開の審議で部会長の選任と部会長代理の指名が行われました。部会長に指名いただきました笹川スポーツ財団の渡邉と申します。どうぞよろしくお願いします。
また、部会長代理は筑波大学の久野先生、久野委員にお願いしています。
ここからの議事の進め方ですが、議題(3)、(4)についてはまとめて事務局のほうから御説明をいただきます。その後、議題(5)において、それまでの事務局の説明内容も含めまして、各委員からお一人ずつ御意見をいただきたく、意見交換という形で進めさせていただきます。
それでは、議題(3)第1期健康スポーツ部会での取組について、議題(4)今後の審議の進め方について、事務局より説明をお願いいたします。

【小沼健康スポーツ課長】 議題(3)の第1期健康スポーツ部会での取組について説明させていただきます。資料5を御覧ください。表紙のところに四角で囲んである4項目につきまして順番に説明をさせていただきます。
資料5の3ページを御覧ください。スポーツ審議会につきましては、1つ目の丸にありますとおり、平成27年10月にスポーツ庁ができたことに伴い、スポーツ審議会として設置されたものです。これ以前は中央教育審議会の中のスポーツ青少年分科会とされておりました。スポーツ審議会の大きな役割としては、2つ目の丸にありますとおり、スポーツ基本法に基づくスポーツ基本計画について審議を行うというものがあります。この基本計画では、成人の週1回以上のスポーツ実施率を65%、障害者につきましては40%以上に引き上げることなどを目標として掲げ、その実現に向けて全ての関係者が取り組んでいくこととしています。
お時間のあるときにお目通しをいただければと思いますが、スポーツ基本計画は法律に基づく計画ですので、具体の施策も出てきますが、どちらかといえば対策の方向性を示すという内容になっております。このため、国、自治体、スポーツ団体、地域住民などの関係者がどのようなことに取り組むのかを具体化することになり、3つ目の丸にありますスポーツ実施率向上のための行動計画や、中長期的な進め方を策定することになり、そのための審議の場として、健康スポーツ部会が設置されたという経緯になります。
4ページと5ページを御覧ください。これらはこれまでの健康スポーツ部会において御審議いただいた主な議題になります。先ほどの行動計画などの作成に向け、子供、女性、障害者といった対象ごとの対策や、スポーツをする環境を整備する観点から、総合型地域スポーツクラブの今後の在り方などについても御審議をいただいております。
7ページを御覧ください。ただいま説明させていただいたスポーツ基本計画と行動計画、中長期計画の関係をポンチ絵にしたものになります。繰り返しになりますが、基本計画で大きな方向性を示し、行動計画において子供、ビジネスパーソン、高齢者、女性、障害者といった対象ごとに具体の対策を定めております。そして、中長期的な施策で計画的に対策を進めるといったことが書かれております。
8ページ、9ページは、行動計画と中長期的な施策についてより詳しく解説したものになります。
8ページの行動計画について簡単に説明しますと、全体として、スポーツの捉え方、概念というものを競技的なものだけに限らず、日常的な身体活動まで広げていきましょうといったことや、そもそもスポーツに無関心な方々に対する取組を進めるといったことが書いてあります。その上で、下のほうに5つの箱がありますけれども、それぞれ子供、ビジネスパーソン、高齢者、女性、障害者について具体の実施事項を決めております。例えば子供については、運動遊びについての取組を推進するといったことが書かれており、後ほど御覧いただければと思いますが、20ページのアクティブ・チャイルド・プログラムの開発と普及といったことが決められております。同様に、ビジネスパーソンであれば、ウオーキングや企業における取組の後押しなどが、高齢者であれば、地方自治体の協力を得ながらスポーツ分野と医療分野の連携を進めるといったことが決められております。
9ページの中長期的な施策については、地域におけるスポーツの実施環境の整備でありますとか、スポーツ関係団体との連携、障害者スポーツの推進、エビデンスに基づく施策の実施と、こういった4つの柱を立ててそれぞれの対策を効率的に進めることといたしております。
続きまして、11ページを御覧ください。基本計画の大目標である成人のスポーツ実施率の現状になります。グラフでは、青線の右端にある53.6%、これは令和元年度における成人の週1回以上のスポーツ実施率になります。令和2年度につきましてはコロナ禍の影響から調査の実施時期が遅れており、現状ではまだ数値が出ておりませんので、1年前のデータということになります。
なお、現在の基本計画の計画期間は令和3年度末までとなっておりますので、終了までにあと1年と少しありますが、それまでの間は65%の達成に向けて、オリンピック・パラリンピックの効果なども活用しながら、スポーツに親しんでもらう方々を増やしていくべく取り組んでいく、こういったことになっております。
続きまして、12ページを御覧ください。年代別、性別のスポーツ実施率とスポーツをしない、できない理由になります。左側の棒グラフにありますとおり、年代別に見ますと、20歳代から50歳代までの実施率が60歳代以上に比べて低くなっております。また、男女別に見ますと、若い世代を中心に女性の実施率が男性の実施率より大幅に低くなる傾向が見られます。
次に、右側の棒グラフですが、スポーツをしない、できない理由としては、男女ともに「仕事や家事が忙しいから」、「面倒くさいから」が大きな割合を占めています。このような状況を踏まえながら、こうした課題の解決に向けて各種事業を展開しており、それが13ページからの資料になります。
13ページを御覧ください。スポーツ・イン・ライフプロジェクトの概要になります。この事業では、生活の中に自然とスポーツが取り込まれるという趣旨に賛同いただいた企業、団体、地方公共団体の皆様に会員になっていただき、会員主導によるスポーツの振興やスポーツ実施者を増やすための方策の検討、それぞれの御活動の水平展開などに取り組んでいくことにしています。今年度からスタートしましたので、コロナの影響もありまして進捗に遅れが出ておりますが、次年度以降はこうした点について本格的に活動を開始したいと考えております。
そのほか、先ほどの行動計画にある対象ごとのスポーツ実施率を向上させるために、スポーツ実施を阻害する課題解決のための実証事業なども行っており、それが14ページ、15ページ、緑の部分になりますが、になります。
16ページを御覧ください。こちらはビジネスパーソン向けのウオーキング、17ページにつきましては、社員のスポーツ実施を支援している企業の表彰制度になります。
続きまして、18ページを御覧ください。こちらは女性向けの事業になり、女性の場合は、特に年齢が若い層においてスポーツをしない傾向がありますので、こうした層が取り組みやすいような企画として、ダンスの動画配信を行うなどの取組をいたしておると、そういうものでございます。
19ページは飛ばさせていただきまして、20ページ、21ページを御覧ください。先ほどの行動計画で少し説明いたしました子供向けの事業の概要になります。アクティブ・チャイルド・プログラムとありますが、これは子供たちが遊びを通じて、走る、跳ぶ、投げるといった身体活動の基本動作を身につけていけるように開発した運動遊びのプログラムになっております。こういったものを普及していくことで子供たちの体力向上などにつなげていきたいということでございます。
それから22ページは高齢者向けに地方自治体の協力を得ながら、スポーツ分野と医療分野の連携などを進め、あるいはその地域で、例えば高齢者の方向けの体操教室であったり、ハイキングなどを行う、そういったような形の事業を通じまして、地域の方々に運動やスポーツを習慣化していただこうという、習慣化のための事業というものになります。
23ページを御覧ください。障害者の方の週1回以上のスポーツ実施率になります。障害者の方につきましては、第2期スポーツ基本計画での目標が週1回以上で40%ということになっており、令和元年度では25.3%であったということになります。
続きまして、24ページは、障害者の方が過去1年間にスポーツを行った日数になります。緑の枠になっておりますが、全く行われてない方が半数を超えております。こうしたことを踏まえまして、障害者スポーツの推進体制、スポーツをする場所の確保、指導者の確保、理解促進などを総合的に進めていくことといたしておりまして、それが25ページになります。
続きまして、資料が飛びますが、35ページ、最後の部分を御覧ください。ただいま説明させていただきましたスポーツの現状、課題、取組を踏まえまして、委員の皆様の御意見や御知見をいただきたい主な検討課題になります。私どものほうで勝手ではございますが、11項目ほど並べさせていただきました。コロナ禍への対応、ウィズコロナ、アフターコロナの中でどういう形で今後スポーツ・運動をしていくのか。あとスポーツ実施率の低い働き盛り世代への対応、ビジネスパーソンですね。こういった部分への対応をどうしていくのか。先ほども出てまいりました若年女性のスポーツをされない方への対応、あと地域のスポーツ資源、総合型クラブも含まれますが、そういったものの地域のスポーツ資源、それから高齢者の運動の習慣化、それから、スポーツ×健康ということの具体的な推進、同じくスポーツ×医療の連携、障害者のスポーツ環境の整備、スポーツ無関心層対策、そしてオリンピック・パラリンピックのレガシーとして何を残してつないでいくのかと、こういったところになります。
これ以外にも、例えば子供については体力の低下などが指摘されておりますので、そもそもどこまで子供の体力を高めていくべきなのかなど、いろいろと課題がございますので、こういった、ここに書いてある以外の事項につきましても御意見とか、御知見をいただければと考えております。
以上が議題(3)の部分でございます。
それから、議題(4)の今後の審議の進め方ということに入らせていただきます。
資料6を御覧ください。一枚紙になります。今後の審議の進め方についてになります。冒頭部分に書いてありますとおり、あくまでもこのスケジュールと議論のテーマは現段階での想定ということになります。今回、第1回でございますが、第2期の健康スポーツ部会の初回ということでございますので、概況をただいま説明させていただきました。この後は、先ほど座長のほうからお話しございましたように、委員の皆様から御発言をいただき、その結果を踏まえまして、少し自由な形で意見交換をさせていただくということになってございます。
そうしたものを踏まえまして、第2回目以降でございますが、第2回につきましては、そちらに書いてありますような個別のテーマ、それから先ほど説明させていただいた検討課題、あるいはこの後の議論を踏まえたテーマについて議論を深めることを想定いたしております。具体にはちょっとまだ決めておりませんけれども、この後の議論なども踏まえまして、また、座長などとも相談しながら進めさせていただきたいということでございます。
第3回以降につきましては、第2回での議論と重複する部分もございますけれども、ちょうど今から1年後ぐらいにスタートすることになります第3期のスポーツ基本計画、こういったものの策定を見据えまして、スポーツ実施率の向上ですとか、スポーツを通じた健康増進、オリンピック・パラリンピックのレガシーの具体化などについて、委員の皆様の御意見を踏まえて、テーマを設定していくと。現状ではテーマが決まっていないんですけれども、そういったことを踏まえてテーマを設定させていただきたいということでございます。この辺りは現段階で、冒頭申しましたように、流動的な部分もございますので、審議の状況などを踏まえながら、部会長にも御相談しつつ、会を進めさせていただければと考えております。
以上説明が長くなりましたが、よろしくお願いいたします。

【渡邉部会長】 課長、ありがとうございました。
ただいま御説明いただきました資料5及び資料6をベースにしながら、議題(5)意見交換に移らせていただきたいと思います。本日は、第2期部会の最初の会議となります。資料6にもございましたけれども、各委員の自己紹介、ただいまの説明に対する御意見、あるいは各委員のこれまでの取組、研究等の内容、またはスポーツ実施率向上に関わる現在の課題等に対する意見等につきまして、お一人3分程度の御発言をいただきたいと思います。
なお、久野委員が途中で離席されると伺っておりますので、まずは久野委員よりお願いしたいと思います。その後は委員名簿に沿って御発言いただきたいと思います。

【久野部会長代理】 久野です。すみません。今、大学の教授会が並行してありまして、もうちょっとすると人事の会議なので、どうしても出ないといけないものですから、途中で抜けさせていただきます。
先ほど渡邉部会長からお話をいただきましたが、コロナ禍における健康二次被害を昨年2月から予想して、一生懸命我々は発信してきました。それに対して政府あるいはスポーツ庁も非常にタイムリーにいろんなガイドライン等を出していただけたんじゃないかと思っております。
ところが、残念ながら、一定の効果がある部分とそうではない部分があるんだろうと思っています。ここでデータを共有させていただきたいんですが、見えているでしょうか。事務局いかがでしょうか。

【小沼健康スポーツ課長】 見えております。

【久野部会長代理】 これが1月5日に今回のこの部会の委員でもある千葉大の近藤先生と、フレイルの予防を一生懸命やられています東大の飯島先生と3人で政府に対して出した提言の元です。真ん中の3のところを見ていただくと、高齢者の認知機能の低下者増が現状でなかなか止まらない。これは我々の研究室のデータですが、11月時の1回当たり1,000人近い調査をかけていますが、5月に比して約4倍というか、3.7倍ぐらいどんどん増加している。この辺り、スポーツの力が非常にこれを予防可能なんですが、実際に届いてない層が依然いるという問題意識が1点。
さらに、しばらくウィズコロナが続きますので、この啓蒙活動、あるいは具体化が非常に重要だと認識をしております。
それから、これまでどちらかというと私は高齢者の健康が専門と思っていただいていることが多いと思いますが、もう1つ、こちらに、「コロナと妊産婦のメンタルヘルスの悪化」というタイトルを入れておりますが、我々の調査では大きく自粛されているのが、高齢者に加えて、女性、特に妊産婦、妊婦の方と産後1年ぐらい、あるいは2年ぐらいのいわゆる子育て女性のメンタルヘルスが非常に悪くなっている。ここに非常に課題意識を持っています。このデータを見ていただくと、ここの下の左から2つ目の四角なんですが、経産婦の鬱傾向が高く、産後の経過とともに悪化ということで、通常、産後3か月以降はホルモンバランスの乱れが収まって、鬱が減ってくるという傾向らしいんですが、今回に限ってはやはりコロナの影響で、右のほうの赤く丸をしてあるところですが、8か月から11か月ぐらいのところでも非常にこの傾向が高い。やっぱり通常と違う状況が見えているということが示されています。
ですので、この辺りをエビデンスに基づいてきちっとした政策の方向性をいかに示していくか。皆さんも感じていると思うんですが、非常にマスコミ報道やSNSに一般国民が左右されてしまっている。スポーツを取り入れて健康二次被害を防ぎ、あるいはアフターコロナに向けたいろんな課題にもスポーツの力が効くはずですので、今回この健康部会でさらに具体化されることを期待しております。
以上でございます。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。
そうしましたら、続いて、泉委員、お願いいたします。

【泉委員】 日本スポーツ協会、泉でございます。御指名ありがとうございます。私のほうから2点、お話をさせていただければと思います。
まず1つ、日本スポーツ協会の昨年1年間はコロナの影響で国民体育大会、あるいは日本スポーツマスターズ大会の中止、また日本スポーツ少年団や、総合型スポーツクラブの活動等も立ち止まってしまったというのが現況でございます。
先ほど部会長代理のほうからも出ておりましたけれども、コロナにおける、高齢者の二次被害も非常に心配でございますが、実は、子供たちの体力の低下も非常に大きな課題かなと認識をいたしておりまして、立ち止まった影響をしっかり分析をしていきながら、次に、どういう施策を打っていくかということをしっかりと考えていきたいと思っております。
ちょうど私が日本スポーツ協会で少年団本部長と総合型スポーツクラブの育成委員長をやっております。既に皆様御存じのように、令和5年、あと2年後には教員の働き方改革の下に休日の運動部活動が地域に移行してくる。大きな改革の時代がすぐそこまで来ており、地域におけるスポーツの環境づくり、総合型スポーツクラブの質的な充実も含めて、今後しっかりと議論させていただければなというふうに思っております。
それから2点目でございますが、これは健康スポーツ部会のテーマとは少し外れる部分もございますが、オリパラレガシーの関連について一言提案をさせていただきたいと思います。これはオリパラレガシーとして、スポーツ参画人口を増やすということや、健康を意識した運動・スポーツの実施を呼びかけていくということは当然必要なことだと思いますが、現在、世界中がこの夏のオリパラに注目する中で、スポーツを実施する際の障害について解消する取組も必要ではないかなと感じております。
具体的にはゴルフの件でございます。オリンピックの正式種目にもかかわらず、国家公務員倫理規程によりまして、国家公務員あるいは地方公務員において、一部のゴルフプレーに規制が課せられています。原因は、過去に一部の公務員が倫理に反した行動したということですが、スポーツであるゴルフが悪いわけではありません。オリンピック憲章においても、誰もが差別なくスポーツをすることを規定しておりまして、これに反するものではないかとの指摘がゴルフのIFからも寄せられており、国会でも議論をされているところです。また、国家公務員に対するゴルフの規制が地方の公務員ではスポーツ全体の規制に拡大解釈されている事例もあるというふうに聞いております。このように見ると、ゴルフの制限を解消し、その印象を改善するということは、ゴルフはもとよりスポーツ全般を実施する環境を整えるということにつながってくると考えております。
オリパラ開催のこの時期、スポーツ界からも声を上げることが大変重要と思い、御提案をさせていただきます。
以上でございます。ありがとうございました。

【渡邉部会長】 ありがとうございました。御提案等につきましては、また、追って、審議の対象になろうかと思います。
それでは、今回初めて御参画いただきますNHKの勝目委員、よろしくお願いします。

【勝目委員】 よろしくお願いいたします。NHKの制作局で主に番組制作をしております勝目卓と申します。
私、スポーツ番組専門というわけでは全くなくて、これまではずっと生活情報番組といって、生活をよりよくするための役立つ情報を提供する番組というのを担当してまいりました。この部会にお声がけいただいたのは恐らく3年前に私が企画して立ち上げた「みんなで筋肉体操」という、テレビを見ながら筋トレをするというコンセプトの番組がきっかけだったというふうに思っております。当初はマッチョな筋トレをしている男性だけの出演だったんですけれども、今は女性やパラアスリート、高校生にも出演していただいたりしていて、少しずつこの間口を広げています。
あとは去年の外出期間中などは外出を控えている人に向けて、負荷の軽いトレーニング番組を制作して、再放送を何度も行うなどやっております。この番組のターゲットはバリバリ運動している人というよりも、むしろ体を動かさなきゃとか、体を動かしたいなと考えながらも、最後の一歩を踏み出せない人たちがメインでして、この部会の大きな目標であるスポーツ実施率の向上というのは、まさに番組がターゲットとしているような、最後の一歩を踏み出せていない人へのアプローチというのが非常に重要になってくるのではないかというふうに思っております。この3年間、テレビの前でトレーニングしてもらうためにはどうすればいいかというのを必死で考えてきましたので、そういったノウハウをシェアすることでこの部会に貢献できたらなと思っています。
コロナに関しまして、先ほど座長の渡邉さんからもありましたように、スポーツ実施率にはかなりいろいろなネガティブなインパクトがあったということなんですけれども、一方でふだんの生活の中で運動を取り入れる重要性を痛感した人が多かったりだとか、距離は離れていてもオンラインでつながれるツールを皆さん使えるようになったりとか、離れていても一緒に取り組める環境が広がったりとか、新たに生まれた機会もあると思いますので、今後そちらを伸ばすという発想も、アイデアも出していきたいなというふうに思っています。
最後に、配付していただいた行動計画なんですけれども、非常に穴がないというか、完成度が高い計画だなというのを読んで思いました。あとは、どうやって実行していくのかとか、どうやって周知広報していくのかとか、どうやって参加者を集めるのか。そういった現場に下ろしたときにどうやれば機能するかというところが課題になってくるのかなというふうに思いますので、その辺りもしっかり議論できたらなと思っております。
以上でございます。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。
続きまして、順天堂大学の北出委員、よろしくお願いします。

【北出委員】 よろしくお願いいたします。私は順天堂医院の産婦人科で教授をしています北出と申します。今回は初めて今年から参加させていただきます。そして、私は略歴が少し不十分でございましたけれども、女性スポーツ研究センターという院内のセンターの副センター長をしていて、女性アスリート外来というのをやっております。そういう観点から、大変微力なんですけれども、女性に関することを主にお手伝いさせていただければと考えています。
スポーツに関する、先ほどもの御提案は本当にすばらしくて、行動計画を見ると、私たちも問題かなと思っていたことが本当に事細かに過不足なく書かれていると思います。私たちが今考えているスポーツに関することですけれども、まず先ほど久野先生がおっしゃっていた産後鬱の問題は、数年前から産婦人科でも非常に問題になっておりまして、産後鬱ではホルモンバランスの変化によって、コロナということでなくても、やはり鬱を発症しやすいというのは問題で、自殺者が年々増えているということで非常に問題だったんですけれども、やはりコロナ禍でさらにその傾向が促進されるということが問題になっていますので、私たちもいろいろ調べたときに、マタニティスポーツをやることで、産後鬱というのがかなり低下するという、まだ小さいデータなんですけども、そういう報告も散見されますので、そういうこともひとつお考えいただければと思います。
それと、女性アスリート外来をやっていて思うんですが、女性アスリート外来に来る患者さんというのはもちろんスポーツをしているアスリートではございますけれども、やはり女性特有の問題がありまして、女性アスリートの三主徴として、摂取するエネルギーが消費エネルギーを下回ると、骨粗鬆症になって疲労骨折が繰り返されるという問題もありますけれども、今では摂食障害を繰り返してメンタルクリニックにお世話になっているような方も多いですので、実際今やっている人の問題点というのもあるかと思います。
あとは、先ほどのデータで、女性若年者のスポーツ実施率が低いと聞いて、女性のほうですが、性差にすごい驚いたんですけれども、実際、女性というのは気軽にインドアで、恰好よくできるスポーツというのに引かれると思います。ただ、やはりボディーメークというのにもすごく興味がある年頃ではあるので、うまく持っていくことですごく実施率を上げられるのかなと思うんですが、スポーツというカテゴリーの中に、例えばヨガとか、筋トレとかそういうものが入っているのかどうかというのもまたお聞かせいただければと思います。
最後に、私が最近経験したことでとてもすばらしいなと思ったのが、ダンサーのSAMという方がいらっしゃるんですけども、学会の懇親会でいろいろお話しいただいて、一般市民に対して行っている誰でもダンスという取組がございまして、一緒に私たちもさせていただきましたけれども、1回のレクチャーで簡単にできるということと、それによって全く動けなかった高齢者がとても行動範囲が広がったということをおっしゃっていて、各地方でされているみたいですけども、そういうような、ある程度名前が売れている方もそうですけれども、オンラインとか、気軽に誰でもできるような運動負荷の低めの運動を推奨するのも一つかと思いました。そういった意味で、私もこの取組には本当に興味がございますので、分からないことが多くて、いろいろ御迷惑をおかけするかもしれませんけれども、ぜひ御指導のほどよろしくお願いいたします。
以上です。

【渡邉部会長】 ありがとうございました。
続きまして、みなべ町長の小谷委員、よろしくお願いします。

【小谷委員】 和歌山県みなべ町長の小谷でございます。よろしくお願いします。
皆様方から様々な専門的な意見をいただいたわけですけれども、行政を預かる者といたしましては、やはり町民の安全・安心に加えて、健康で長生きをしていただきたい。そういう意味を込めて、今まで様々な形で町民の皆さんにスポーツに親しんでいただいています。一例を挙げますと、日本体育大学とスポーツ・健康に関する協定を結んでおりまして、毎年8月に約3日間、町内の中学生が日体大で指導していただいたり、また、日体大から先生方に町内へお越しいただいて、子供たちにスポーツの楽しさ等を教えていただいたりしています。
それから、最近特に増えてまいりましたのは、みなべ町民、約1万2,000人の町ですけれども、ボルタリングを楽しまれる方が年間3,000人以上おられます。これにつきましては、2015年に紀の国わかやま国体がございまして、ボルタリングの施設、レンタルであったのですが、国体が終わった後に町で買い取りまして、廃校の中学校の体育館に設置し、子供たちも含めて、30人ぐらい、毎晩楽しみにしていただいています。ただ、昨年、約3か月間、新型コロナウイルスの影響でお休みさせていただいたため、実数としては2,000人ぐらいであったかと思いますけれども、非常にスポーツに親しんでいただいています。
特にスポーツを進めている一つの理由は、やはり健康寿命を延ばしていただきたいということで、みなべ町の国民健康保険の医療費は県下で最も低く、非常に健康な町だと思っております。
加えて、健康で長生きをしていただきたいということで、今、健康寿命を延ばすために様々な方策を実施しています。
ちなみに、平均寿命と健康寿命の差の全国平均は、男性で8.8歳、女性で12.3歳の開きがありますが、みなべ町の男性は1歳半。女性は3歳半ということで、非常に寝込む期間の短い町かなと。これも日頃スポーツに親しまれているおかげと、併せて健康食品といにしえから言われております南高梅、梅干しを食べていただいて、健康に取り組んでいただいているおかげだと思います。ですので、今後スポーツに親しんでいただいて、健康で長生きをしていただくことによって町民の医療費が安くつくのではないか。ひいては、国民健康保険税も安くなるという仕組みになればと考えていますので、皆様方、各委員さん方の御教示を賜りながら、また、先進事例を手本とさせていただいて、町民の皆さんの健康を守ってまいりたいと考えています。よろしくお願いします。

【渡邉部会長】 ありがとうございました。
続きまして、健康保険組合連合会の小松原委員、お願いします。

【小松原委員】 健康保険組合連合会の小松原でございます。前期の健康スポーツ部会から引き続き参加させていただいております。よろしくお願いいたします。
私ども健康保険組合連合会は、通称「健保連」と呼ばれておりますが、全国に約1,400ほどある健保組合で構成され、被保険者とその家族、合わせますと国民の約4分の1にあたる3,000万人が加入している組織です。一定規模以上の社員のいる企業が設立する健保組合の連合組織として、昭和18年に健康保険法に基づく公法人として設立されて以来、各健保組合の活動を支え、予防健康づくりをはじめ保険者機能の充実強化に向け、活動を行っております。
皆様、御存じのとおり、日本の国民医療費は43兆円を超え、その医療費の約3割を生活習慣病が占めています。生活習慣病は、皆様ご存じのとおり、食生活の乱れや、運動不足、ストレス等といった生活習慣の積み重ねによって起きることが明らかになっており、特に40代、50代の運動不足が、私たち医療保険者のメタボ対策にとっても大きな課題となっています。保険者が実施する特定健診・保健指導をはじめとしたメタボ対策や、企業が行なう健康経営、健康投資などと連携しながら、働く世代のスポーツ実施率を引き上げていき、健康寿命延伸に寄与していきたいと思っています。
昨今のコロナによって今までと対策の打ち方が大きく変わってきたと認識しております。皆様方と意見交換などをさせていただきながら、実施率向上に努めていきたいと思っておりますので、引き続き御指導のほどよろしくお願いいたします。

【渡邉部会長】 ありがとうございました。
続きまして、日本の健康スポーツを牽引してきたお一人、斎藤委員、よろしくお願いします。

【斎藤委員】 私、スポーツ健康産業団体連合会の会長をしております斎藤と申します。名前のところにルネサンスと書いていますが、私、ルネサンスの創業者で40年ぐらいやっています。
スポーツ健康産業団体連合会というのは、日本にスポーツ産業なるものが芽生えてきた頃、三、四十年前ですが、経済産業省さんが中心になってできた団体です。今はもちろん内閣府の管轄ということになっております。傘下には、私が属しているフィットネスであるとか、それからゴルフ、テニスの協会、それからボーリングであるとか、そういうスポーツの施設を運営するような団体の連合会ですが、最近はアシックスさんやミズノさん、ゼビオさんとか、JTBさん、それから、製造している団体もありますし、販売している団体もあります。先ほど言いましたような個社も企業会員として入って運営しております。主に、今SPORTECという日本で最大級のトレードショー、コンベンションが年1回、このコロナの最中でも青海で先日行いまして、長官にも御出席いただきました。ありがとうございます。
それと「スポーツ振興賞」というようなものをスポーツツーリズム推進機構、これは原田先生が会長をしている団体ですが、と共催で、スポーツ庁さん、観光庁さん、経産省さん等の協賛も得て、それから、商工会議所さんの協賛も得て、スポーツ振興している団体を表彰して励ますというようなこともしております。
実は、主に話したいのはコロナのことですが、残念ながら、私どもが所属しているフィットネス関連の企業が、昨年の2月頃、ちょうどコロナのはしりの頃に、千葉県のあるクラブ、それから、名古屋のあるクラブで、二、三人ぐらいの数なんですが、やはり感染が出たということで、これはマスコミでやっぱり最初の案件ということで大々的に報道されて、スポーツ、特にフィットネス、ジムという名前で報道されましたけど、危険だという印象がついてしまったんですね。フィットネスクラブというのは全て会員を把握していて、誰が来ているかも分かるわけですから、PCR検査も、そこの日、その日に来た人全て行うというと100人とか200人の規模でそういう検査をしたというのが報道されると、何かそのぐらいの人が感染しちゃったんじゃないかというようなイメージで、テレビなんかを見ている人に伝わって、危険だという印象が倍化してしまいました。
ちょうど昨年4、5月の緊急事態宣言のときも、これは当然全ての施設が止まったわけですが、我々がなかなか5月25日が近づいても、そこから外れるということができないくらいの状況でした。ただ、フィットネス産業協会で一生懸命ガイドラインをつくって、これは感染症学者の方々とか、あと当然お役所の方々にチェックいただいて、ソーシャルディスタンスも取る、マスクもする、体温もはかる。それから、マシンの間には全てプラスチックで境を置く。そういうあらゆることをやって、大変ありがたいことに解除することができたわけです。東京でも再開できる業種の対象外だったのが、2番目ぐらいの運動施設と同等の施設ということで認定をいただきました。
ただ、今回、再び時間短縮ということで、緊急事態宣言の対象ではないんですが、働きかける先として8時までの運営にしてくださいというお願いというか、要請がありまして、我々協会としても、やはりそこに通うために、交通機関を密にするとか、実際は車で行く人が多いので、さほどではないんですが、やっぱり理屈から言うと当然電車で通うとか、そういうこともあるので、我々は今自主的に8時で営業をストップしております。
実は、これはほかの業種、特に飲食が大変なのはよく分かりますが、スポーツクラブも大手で言うと、4月、5月だけで数十億円の赤字になっています。コロナ禍の前は大概黒字で、いわゆる大手は年間10億円、20億円、あるいは30億円という利益を出していたところが2か月だけで数十億円という赤字になった。今回も協力すると休会する人が出てくるので、これだけで追加で数億円から、下手すると10億円ぐらいマイナスが増える。これについては、非常にスポーツに関係のある先生方、特に元オリパラ大臣の遠藤先生に御尽力いただいて、スポーツ・健康産業推進議員連盟というものをつくっていただきました。10人ぐらいの国会議員の先生、それからスポーツ庁さん、それから経産省さん、厚労省さん、それと内閣府さんなどお役人の方々も参加していただいて、久野先生からも力強いメッセージをいただきました。やはり国が、あるいは国会議員の先生方も国と言えると思うんですが、スポーツは不要不急のものではないと。一番最初に久野先生がおっしゃったように、二次被害を避けるためにスポーツは重要なんだ。現在は500万人ぐらいの人たちが、四、五千か所のスポーツクラブで運動をしていますから、無症状の感染者が全く使わないというわけではないんですが、それがクラスターになったというのは協会の非加盟のクラブですが、この数か月で1回あったという程度で、確率から言ったらそのくらいのものです。ほとんどなくなったと。そういうような状況ではありますが、営業時間の短縮が続いていくと、かなり倒産が出るのではないかというようなことで、非常に憂慮しております。
それから、今後は、スポーツ施設だけではなくて、当然のことながら、スポーツ用品のショップであるとか、製造とか、そういうところにも影響が出てきますので、我々もいろいろ今後もスポーツ庁さん、あるいは経産省さんと連絡を密に取りながら、この産業をなくしてしまわないように努力したいと思いますので、皆様にもお力添えをお願いしたいと思います。
以上です。

【渡邉部会長】 ありがとうございました。
続きまして、日本経団連の左三川委員、お願いします。

【左三川委員】 経団連の左三川でございます。前期に引き続きましてよろしくお願いいたします。
経団連がスポーツに関わる最大の意義は、やはり今年の夏に予定されております東京オリンピック・パラリンピックを国家的イベントとして成功させ、その後の日本経済社会の発展につなげていくことです。これが一番大きな目的でございますが、この仕事を数年やっている中で、経団連加盟のスポーツ産業の方々、あるいはアスリートを雇用なさっていたり、チームを持っていらっしゃる会社様がいろいろな協力をしてくれていまして、せっかくスポーツの大イベントなので、子供たちにもスポーツの機会を持たせ、取り組んでもらおう。それから、障害を持った方がスポーツに取り組める環境をつくろうといったことを、全国展開してまいりました。
残念ながら今の状況では、全国津々浦々に企業人が出向く、不特定多数の方に気軽に参加していただく、障害を持った方と健常者が触れ合うといった、これまでの活動を一時的に中止せざるを得ず、今はオンラインでの活動を中心に進めているところです。何よりも、今年の夏のオリンピック・パラリンピックを何としても成功させ、やっぱりやってよかったという状況になれば、よりスポーツへの関心が高まると思いますので、ぜひ開催の成功に向けて、お手伝いをさせていただきたいと思っております。
もう1つ、これはスポーツ庁様ともいろいろと連携させていただいておりますが、企業人、ビジネスパーソンのスポーツの実施状況に関して申し上げます。NHK様をはじめ、現在の状況でも運動するための有益な情報を提供されているので、自分で情報を取りに行くこともできますが、実際にはそうでない人もたくさんいらっしゃいます。そうした方々を念頭に、経団連の会員企業に情報提供したいと考えておりますので、ぜひこの部会、スポーツ庁様の御協力をいただきながら、「こういう情報を企業人に流すといいよ」ということがあれば、広く展開してまいります。
また、テレワークが浸透する中で、日常生活における運動量が少なくなっている企業人も多いと思われますので、なおのこと、有益な情報を提供していくことが必要だと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。
続きまして、日本商工会議所、塩野委員、お願いします。

【塩野委員】 日本商工会議所、塩野でございます。よろしくお願いいたします。今回から参加させていただきます。少し見当違いなことも申し上げるかもしれませんが、お許しください。
まず、簡単に商工会議所についてお話をさせていただきますと、全国に515の商工会議所がございまして、そこには120万超の会員企業がいらっしゃいます。従業員の健康管理が非常に重要ということで、健康経営の推進を一生懸命しております。従業員の健康管理そのものが経営課題であり、前向きに投資していくよう取り組ませていただいております。
日商ではありませんが、東京商工会議所では健康経営アドバイザーという資格制度を設けておりまして、現在、1万4,000人超の方が取得され、健康経営を推進できる方が一定数生まれている、そんな取組がございます。
何点か申し上げますが、コロナ禍における経営課題についての調査を、夏場に実施いたしました。コロナ禍で従業員の健康管理に関してということで不安を感じる、やや不安を感じるといった企業が実に85%超となりました。運動不足については、3分の1ぐらいの企業が懸念されるとしております。ほかには、64.7%の企業が従業員のメンタルヘルスが不安だと回答されました。もちろんメンタルヘルスは、運動であるとか、スポーツによる改善効果があると思いますので、こちらも、今回の議論に関わりがあると思いながら見ておったところでございます。
個人的に思うところとしては、女性の方の取組が少ないという話がございましたが、スポーツといいますと、最初の印象として、運動神経がよくないといけないとか、競うものであるとか、苦手と捉える方が多く、そういう方にスポーツという話をすると、それだけでかなり抵抗感を持たれることがあるのかなと思っております。ですので、もちろんこの部会はスポーツの取組を推進するのですけれども、スポーツと思わせずに体を動かさせるというようなことを、ステルス的にやるということも考えなければいけないのではないかと思います。
先ほど、例えば、オンラインでダンスをするという話もあったかと思いますが、特に今オンラインによっての健康指導的なこともできると思いますので、健康指導なのか、それともスポーツなのか、そういったことが分からず、ただ楽しいから取り組んでもらえるような取組をどうやって進めていくか、なかなかスポーツという言葉で振り向いてくれない層に対する働きかけが必要ではないかと思っております。
定義を広げるといったお話もあったかと思いますが、家事であったり、今の時期であれば雪下ろしであったり、農作業などについても運動になりますので、定義をどこまで広げていいのか存じ上げませんが、その辺りも含めていってもいいのかなと思っております。
また、健康に対する効果ということで、例えば有酸素運動をしばらくの期間行えば、相当程度健康数値が改善するということが、恐らくここにいらっしゃる皆さんは常識的にお分かりだと思いますが、健康保険組合などで話をしていても、なかなか御存じない方も多く、それをいかに伝えるのかというところと、また、そういったことを、誰が伝えていくのかというのは非常に大事だと思っております。室伏長官など、非常に皆さんの印象も高いところなので、うまく皆さんへの働きかけをしていただければありがたいと思ってございます。
最後でございますが、先ほど斎藤会長からもありましたとおり、私どもとしても、今、コロナ禍でスポーツ関連産業が非常に大きな影響、打撃を受けていると認識してございます。まさに健康、スポーツを、支える受皿でございますので、経営的に厳しいところがございますが、いかにしてうまく多くの方に運動していただけるような環境にしていけるかという提案を考えているところでございます。
先ほど経団連さんからありましたように、私ども、健康経営、健康についての発信をできる限り企業さんに向けて行っていきたいと思いますので、また、いろいろと御意見をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。

【渡邉部会長】 ありがとうございました。
引き続きまして、前期に引き続いて女子栄養大学の津下委員、お願いします。

【津下委員】 どうぞよろしくお願いいたします。私は、前期はあいち健康の森健康科学総合センターの立場で出させていただきましたけれども、今年から女子栄養大学に異動しましたので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
もともと糖尿病をはじめとする臨床医をやっておりまして、患者さんに薬物治療だけではなく、非常に運動療法が有効であると実感し、そういう研究をしてまいりました。運動の必要性は分かっていても、運動に自信がないとか、下手だからやりたくないとかという患者さんも少なくなく、そういう方々にどう行動変容を進めるかということをやっておりました。20年以上前から、愛知県で生活習慣病の予防対策に関わってきたんですけれども、厚生労働省の委員として健康日本21、特定健診・保健指導における行動変容、その中で運動をどう定着させるかとか、それから、今年から始まりましたフレイル健診では、フレイルの方を早期に発見をして、例えばレジスタンストレーニングとか、栄養改善とか、そういうようなプログラムに参加してもらう機会をつくったりとか、また、それから働く方の労働災害において、最近は高齢労働者の転倒事故が非常に増えているということで、やはり働く上でも体力が必要だぞということで、多くの企業では健診の際に体力テストを一緒に行うようにして、運動を励行されるようになってきている。こういうような政策の策定段階に関わる機会をたくさんいただきました。
そういう中で、やはり厚生労働省とスポーツ庁がもっと一緒にお仕事をされると効果も上がることを実感します。患者さんに接する医師とか、看護職とか、スポーツの専門職じゃない立場で、最後の一押しとして直接声をかけられるにはどうすればよいか、そのように思って、研修とかプログラムづくりなどを進めているところです。
健康日本21で言うと、間もなく第2次の健康日本21の10年の終わりが近くなってきて、次の期に入ります。運動好きの人だけがするのではなく、健康格差を減らすという意味では、多くの方が運動のチャンスがある、その人に親しめる運動環境にアクセスできるということが非常に重要だろうというふうに思います。第2次の都道府県レベルの計画書で、例えば総合型スポーツクラブの言及があった自治体というのは、私の見る限りでは1つしかないですね。市町村レベルだともう少しあるとは思うんですけれども、都道府県だと、なかなか健康の部局とスポーツの部局はコミュニケーションにまだまだ課題がある都道府県も少なくないかなという気がしております。
それから、日本医師会で健康スポーツ医の養成の事業にも関わっているんですけれど、今まで内科系と整形外科系が一緒になって問題を話し合うという機会が少なかったんですけど、ここのところ非常に増えてきました。高齢者の方で幾つものリスクを抱える人にどう安全に進めていくかという研究についても引き続き研究をしながら、また、実践につなげていきたいというふうに思っています。
コロナのことで言いますと、1度は閉じ籠もりがちになっても、健康管理の上で運動の必要性を再認識された方が多いということはウエアラブルの記録からはかなり分かってきています。運動の施設に行って指導者に会ったりするだけでなく、ICTの組合せなど、新しい方策についてどんどん使っていくことが重要なのかなというふうに思いました。コロナ禍で、通勤時の身体活動とか、外で知らず知らずに動いてしまう時間が減ってしまったので、逆に意識的に運動しないと駄目という、そういうことだろうと思います。日常生活のレベルで、なかなか健康維持できる身体活動量を確保するというのは難しくて、例えば集中的に1日必ず30分とか、時間を区切って、これは自分への投資としてしっかりやるというような、促しもかえって必要になっているように思います。日常生活での運動量が減っちゃったからこそ意識的にやらないといけないというメッセージをしっかりと伝えていきたいと思います。運動に関心がある医師やメディカルスタッフの方は多いので、その辺りにも広げていきたいなというふうに思っています。よろしくお願いいたします。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。
引き続き三島市長の豊岡委員、お願いします。

【豊岡委員】 静岡県三島市長の豊岡と申します。よろしくお願いいたします。今期も委員を仰せつかりまして、大変ありがたく思っているところでございます。
三島市のスポーツと運動に関しての基本的な取組の考え方でございますけれども、もちろんスポーツ推進計画をつくってございます。それから、健康面では、こうしたスマートウエルネスという取組でございますけども、久野先生の御指導をいただきながら、アクションプランを触媒にして、多くのプランを推進しているということでございます。これは市民の皆さんが元気で明るく楽しく暮らしていただきたいなということと、先ほどみなべ町長さんもおっしゃっていましたけれども、例えば国民健康保険に市の一般会計から予算を投入することがないようにしたいということもありますし、健康寿命を延ばしていただいて、高齢になっても元気で明るく楽しくお暮らしいただけるようにというようなことが根底にございまして、この2つの取組を進めているところでございます。
今日もお話がありましたスポーツ実施率向上に向けた検討課題ということでございますけれども、コロナの下でスポーツの大会はほとんど実施できなくなったわけでございます。また、御高齢の方々がひきこもりまして、認知症や、あるいはフレイルな状態になってしまうということが大変危惧されたわけでございます。そこで、すぐにコロナに勝とう!ポイント事業というのを設けまして、できるだけ高齢の方たちも歩いていただいて、ポイントをためていただき、そして抽選でもって、三島市の誇る箱根西麓野菜が当たるというような取組をいたしまして、7,000通以上の応募があったところでございます。その方々が、御高齢ですけれど、自分の健康のことを考えて、もちろん景品のことも考えながら歩いてくださったのではないかなと思っているということでございます。
それで、コロナが終わった後、アフターコロナにおきましても、市民こぞってスポーツや運動に取り組んでいただけるようにしなければならないところでございまして、引き続き努力をしていきたいと思っているところでございます。
もう1点だけ御紹介させていただきますと、これはコロナで始まったわけじゃありませんが、先ほど久野先生から妊婦さんのお話がございましたけれども、三島市内にHiPsという、女性のジョギングをする団体がございます。お産をした後、腰回りが、独身のときより大分広くなってしまったというようなことがありまして、そういうところをしっかりと元のボディーに戻そうというようなことをきっかけとして、仲間を募って、ジョギングをしている団体がございます。このようなことも、津下先生にもぜひ御覧になっていただければなと思っているところでございます。
したがいまして、私から申し上げたいことの1点目は、コロナ、アフターコロナのときにどのように具体的にスポーツや、あるいは健康づくりに取り組んでいくようにしていったらいいかということが1つでございます。
それからもう1つはオリパラのレガシーのことでございますけれども、私どもの地域は自転車競技でございまして、伊豆市というところでバンクを回る自転車の競技、それからマウンテンバイクの競技がございます。また北側のほうには、小山町のスピードウェイがゴールになるわけですけれども、東京を出発した自転車のゴールになってございまして、オリンピック期間中、そしてまたパラリンピック期間中は当市を経由して、観客等々が会場に向かうわけでございます。そういう中で、静岡県はこの伊豆市を中心に自転車競技のメッカにしていこうというような取組がされているわけでございまして、今後はバンクを回る自転車競技だけではなくて、自転車全般にわたってのメッカにしようというような方向で進んでいるところでございます。そこで、静岡県の東部地域、富士川から東側で20の市町がございますけれども、20の市町でE-Spoという組織をつくっております。静岡県東部スポーツ産業協議会というんですけれども、ここが中心になっていろいろな競技をするんですけれども、いろいろと自転車を楽しんでいただくイベントをこの団体が進めていくということになっているところでございまして、既に多くの大会等が開催されているところでございます。
そこで、自転車はもちろんですけれども、そのほかのオリパラのレガシーとしての今後のスポーツについてどのように取り組んでいったらいいかなということを考えているわけでございますが、1つぜひ御検討いただければと思いますのは、オリンピック・パラリンピックが終わった後、それぞれの競技団体が、レガシーとしてどのような方向に進んでいくのかということをお調べいただけないかな、そして情報提供していただけないかなというふうに思っているところでございます。可能でしたら、ぜひ御検討いただければと思います。
そのほか、いろいろとお話し申し上げたいことがございますけれども、次回以降にさせていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

【渡邉部会長】 ありがとうございました。
続きまして、東海大学の萩委員、お願いします。

【萩委員】 東海大学の萩と申します。1期から引き続いて、またこの部会で一緒にやらせていただきます。よろしくお願いいたします。
私は1期でつくった行動計画、先ほどもよくできているというふうに言っていただきました。本当によくできていると思うんですね。対象者を限定して、ある程度絞り込み、さらにそれを具体的にどうするという行動計画を、、誰がやるのというところまで明確にして出しているんです。そういう意味では本当に行動計画になっていると思うんですが、残念なことに、この行動計画を本当に実行してほしい方たちがどのぐらい知っているのかなというのを疑問に思うところなんですね。いろんな地方自治体のスポーツ委員会等々出たりするんですけれども、担当者がこの行動計画をあまり知らなかったりとか、詳しくは理解してなかったりとか、そういう現状があるのではないかなと思うので、まずはこの行動計画をしっかりしかるべきところに周知をしていくということがまず第1段階必要なことじゃないかなと思います。
恐らくアプローチの方法としては、ポピュレーションアプローチというか、非常に広く皆さんに知らしめて啓発をしていくというレベルと、もう1つ、今までいろいろな委員の先生たちが課題に挙げられました、もっとセグメントを絞り込んで、課題を明確にして、その課題解決のためにスポーツをどうするとか、体を動かすとどうするとかもう少し細かくやらないと、多分実行に移せないんじゃないか。そういう意味では、多分医療の世界ではハイリスクアプローチとか言っているのかもしれませんけれども、多分2つのアプローチを目指していかないといけないのでないかなと感じています。
ポピュレーションのほうは、先ほどNHKの勝目さんがおっしゃっていましたテレビなど、マスコミを使うというのは非常に大きいと思うんですけれども、ただ、テレビを見ている若者ってすごく少ないんですよね。若者たちは今ほとんどSNSでお互いが交流しているということを考えますと、厚生労働省さんがコロナ禍、LINEさんとタッグを組んでやりましたよね。LINEというのは、一番今若者たちが日頃からやり取りしているSNSですから、こういうものをスポーツ庁さんも、今度LINEさんとうまくタッグを組んで、それこそエビデンスのある正しい情報を提供するというようなこと、そのぐらいのキャンペーンをしていかないと、ポピュレーションアプローチは非常に難しいんじゃないかなと感じております。
ハイリスクと言うかどうか分かりませんが、私もひとつ研究では、中学生の女の子たちがあまり体を動かさないと。最も動かさなきゃいけない時期に動いていないという、非常に危機感を感じているので、昨年もちょっと調査をさせていただいたんですけれども、あまり運動したがらない人たちがどんなときに体を動かして楽しいと感じているのかな、スポーツをするときに楽しいと感じているのかなって調査をしたら、結構面白いことが分かりまして、実は勝負に勝てないということがやる気が失せるというか、やりたくない理由の1つなんですね。逆に勝負に勝てると楽しいんですね。やはり楽しさをどう感じているかというのを私たちがしっかりと押さえた上でアプローチしないと、この問題は解決しないかなというふうに思います。
昨年までの事業で女性スポーツ推進事業の中で、チコちゃんが出向いていって、これも多分ネットで出ていると思うんですけど、高校生の女の子たちが自分で運動会を考えてイベントをして。それは非常にエキサイティングなイベントだったんですけど、結局、自分たちが自分事にする、自分たちで何かを考えて、何かイベントができるということはすごい楽しいことなんですよね。ですから、何かそういう上からやらせられるというアプローチではなくて、もうちょっと若い女の子たちがどういう仕掛けをしたら楽しいと感じるのかというところをきちんと私たちが精査してアプローチするなんていうことも大事かなと思いますので、ポピュレーションの部分と、もっとセグメントを細かくして、丁寧に見ていかなければ解決しないところ、この両方をこの2期のほうでもうちょっと詰めていけたらいいんじゃないかなと思っております。
また、今回もどうぞよろしくお願いいたします。以上です。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。
続きまして、日本福祉大学の藤田委員、お願いします。

【藤田委員】 よろしくお願いします。日本福祉大学の藤田でございます。昨期に引き続き参加させていただくことになりました。どうかよろしくお願いします。
資料をちょっと共有したいのですが……。ちょっとうまくいかないようなので。では、口頭で申し上げたいと思います。
私は研究の中身が、まさに障害スポーツの普及と、それからパラリンピックのレガシーのことについてやっております。面白いデータがあって、それを皆さんに御覧いただこうと思ったんですが、1つは、パラリンピック関連、障害スポーツ関連の報道というのは今物すごく増えておりまして、2019年の例なんですが、1万件を超える新聞の記事があります。それまでというのは年に大体800件とか1,000件とかというようなことが多かったんですが、10倍近く伸びている。なんですが、先ほどもありましたように、実際に障害のある人でスポーツをやっている人というのは、25%程度ということで伸びはそれほど大きくはないというような現状があります。ここをどうしていくかというのが大きな課題の1つかなというふうに思っています。
もう1つ、とはいえ、それだけ報道等で取り扱っていただいているということで、障害スポーツの認知は物すごく上がってきておりまして、例えばボッチャという競技は2014年のソチ・パラリンピックのときは知っている人は1.8%ぐらいだったんですね。それが2019年の調査では3割ぐらいの人が知っているということで、これはもう確実に、皆さんが注目して認知度が上がってきたというのが分かります。そういったことをさらに実際の障害のある人のスポーツ参加にどうつなげていくかということを考えていかなくてはいけないかなというふうに思っております。
一方で、私、これはヤマハ発動機のスポーツ振興財団というところの調査でプロジェクトですね。おととしと去年、実際に障害のある人のインタビュー調査をずっとやっているんですね。その中で分かってきたことが幾つかあるんですが、2つのアクセスというんですか、それが非常に重要だというのが分かってきました。1つは情報を提供して知っているだけでは駄目で、初めて障害のある人がスポーツをやる場までどう結びつけていくか、そこに連れていってあげるかということが非常に大きなポイント。もう1つは日常的にスポーツをやるときのアクセスですね。これを確保しないとなかなか、特に障害のあるお子さんなんかはスポーツに参加できないということがあろうかと思います。そういったことをどういうふうに施策として展開していくかというのを今回のこの部会でぜひ皆さんと一緒に考えていくことができればなというふうに思っております。
あと、私、ボッチャという競技の普及強化にずっと携わっているんですが、昨年はやれたことがゼロなんですね、コロナの影響で。といいますのも、ボッチャをやっている選手というのは大体重度の障害があって、非常にリスクが高いということ。それから、審判とか、それからコーチなんかで携わっている方は医療に関わっている方が結構多いので、そういった方が、人が集まるところに行って何かをするというのは避けたいということで、審判等がなかなか集まらないというようなこともありました。あと、関わってくれるボランティアの方に高齢者が多いということもありまして、なかなかその辺、せっかくここまで認知度が上がってきたものを、どうやって、この先うまく運営していくかというのは非常に大きな課題だと思っていますので、ガイドラインどおりやればいいということだと思うんですが、それでも皆さん「やっぱり」と思って、なかなか参加をちゅうちょするところがありますので、そこをどういうふうにしていくかというのを、また皆さんと一緒に検討できればというふうに思っております。
以上でございます。

【渡邉部会長】 ありがとうございました。
続きまして、福島県から御参加いただいております増子委員、お願いします。

【増子委員】 皆さん、こんにちは。公益財団法人福島県障がい者スポーツ協会に勤務しております増子恵美と申します。画面、が固まっておりますが、音声は入っておりますので、どうぞよろしくお願いします。
私は、画面からは見えないのですが、車椅子ユーザーでございます。車椅子バスケットボールをしておりました。今は車椅子の健康スポーツということで、日常的に運動を心がけている一般の車椅子ユーザーとなっております。
私はふだん福島県の障害者スポーツ協会において、県内の障害者スポーツの普及振興をしているんですが、そのほかにも日本障害者スポーツ協会の技術委員会のスポーツ推進部というところにおきまして国内の障害者の地域スポーツの普及、振興に携わらせていただいております。地元福島では運動導入教室といって、障害児や障害を中途で発症されて、その方々がスポーツに取り組むまでの準備の運動指導のプログラムをつくって、年齢や性別、障害程度にそれぞれ合った運動プログラムに基づいて作成して、指導をさせていただいております。今回2期目ということで務めさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
以前、前回までは障害者のスポーツ実施率が低いということで、現状把握をしていただきました。2013年から2019年まで、18.2%の実施率、2019年には25.3%までとなりました。一般のスポーツに比べましたら、すごく大きな変動ではないと感じるかもしれないんですが、障害者のスポーツに関していえば、7%増というのは「こんなに増えたんだ」と感じております。正直申しますと、2021年の障害者のスポーツ実施率も、東京2020の追い風があって数値が伸びるのではないかという期待を非常にしていたところに、コロナの影響で現状のような社会状況になっているところで、この先、数字は、藤田先生がおっしゃったように、障害のある方は活動を控えている状況が多く見受けられますので、2019年より少し下がってしまうのかなと懸念しているところです。
一般の人に比べて障害者のスポーツというのは歴史も浅いということもあるんですが、スポーツの効果というのは一般同様で障害者が運動しないことによっての経済損失というのは大きくはないんですが、やはり医療費の問題に深く関わっています。そして、スポーツ文化の醸成、パラリンピックですね。そういったものの機運を高めるだけじゃなくて、障害者の健康の維持増進という側面も持っているというふうに思っています。特に障害者は、これらに加えて、障害によって外出の機会が非常に少ない状況が現在、国内において言われています。不活性な状態が続くことによって生じる2次障害、いわゆる肥満であったり、高血圧であったり、生活習慣病の発症に簡単につながってしまうということで健康寿命に大きな影響が出やすい状況です。そうしたことで、今日パラリンピックが、競技スポーツのほうがメインとなってはおりますが、障害のある方も日常的に運動をすることで、そうした高血圧、生活習慣病等を抑えていくということがまず重要になってくると思っています。
今回、コロナの影響がありまして、障害のある方、もちろん障害特有の呼吸器系の障害のある方などを除いて、例えば脊髄損傷などの運動することで機能回復や健康を維持できる人たちも、障害があるとコロナが重症化するというような、そういった認識が広まってしまった部分があって、健康を維持したほうがいい障害者まで運動を控えているような状況になっています。ですので、今回第1段階としては25%まで運動の実施率が上がったので、第2段階は、障害者がなぜ運動をしなければいけないのかというか、したほうがいいのかということをしっかりと共感してもらえるような方法であったり、対策というものを皆さんの御助言をいただきながらしっかりと進めてまいりたいと思っています。
久野先生がおっしゃったように、高齢者や妊産婦の方々のうちのコロナの影響というのもあるんですが、障害者にも、先ほど言いましたように、障害に加えて、2次的な障害、そして、今回コロナによって3次的な障害というか、被害というかも発生しています。例えば、メンタルヘルスでは、スポーツをしないことで生きがいの喪失であったり、そして、精神疾患、精神障害の方は鬱の悪化であったり、そういった影響もございます。また、身体障害者に関しては、残存機能の低下、筋力とか、そういった運動をしない、外出をさらに控えたことによって、筋力の低下も実際に起きていますので、一般のそうした情報を障害者のほうに変換しながら進めていけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。

【渡邉部会長】 ありがとうございました。
続きまして、龍谷大学の松永委員、お願いします。

【松永委員】 龍谷大学の松永と申します。私も第1期目からとなりますが、また微力ながらお役に立てればと思っております。よろしくお願いします。
皆様のご発言と、重なる部分は省きたいと思いますが、大きく3つの視点からお話をさせていただきます。私の専門はスポーツマネジメントになります。その観点から一番関係するところでは、第1期でも話題になっていた経営人材の育成等についてです。地域スポーツ関連(部活動含む)、福祉(障害者スポーツ)関連、あるいは異分野との融合等を含めて、コーディネートやマネジメントをする人材をどのように育成していくべきか、あるいはどのように発掘して、どう現場に配置をするのかという仕組みも含めてさまざまな領域で課題になっています。スポーツ庁においても、経営人材関連の事業を、別途、進めているとは思いますが、第2期についても重要な視点となると思っております。
2点目は、少し触れられていましたが、スポーツ、運動・スポーツ、健康スポーツなどという言葉の定義についてです。例えばスポーツ庁において実施されている世論調査で示されている実施種目の内容については、各自治体やスポーツ関係者も参考にしており、かなり影響が大きいといえます。このコロナ禍にあって、ながら運動も含め、健康2次被害を防ぐためのちょっとした日常生活の中の運動というものも、私たちはスポーツ、運動とみなしていくという検討が必要であると思います。運動・スポーツ、健康スポーツに関係する行為がもたらすベネフィットをどう捉え、どのように定義していくのかというところも踏まえて、このコロナ禍において再度、見直すべき視点であるのではないかと思います。
最後の3つ目の視点は環境整備についてです。まず、このコロナ禍で浮き彫りになったのは、デジタル面の環境整備の遅れです。私は、過疎地域のある村のスポーツ推進に長年年関わっていますが、今回はデジタル面の環境整備の遅れを改めて痛感しました。ただ、一方で、多方面においデジタル化が進んだという側面もありますので、コロナ禍においてはデメリットばかりではなく、メリットもあったと思います。しかし、過疎地域はそもそもWi-Fi自体が入りづらいという根本的なデジタル面の遅れなどの課題が残っており、これが解決されると、ICTの活用なども含め、運動・スポーツの実施率向上にプラスになるということも見えてきています。各地域の特性に応じた視点、特に過疎地域のデジタル面の環境整備等を含めたサポートなどの視点も今後は重要になってくると思います。さらに別の環境整備の視点で言うと、都市部だけに限りませんが、公園や広場などの様々な活動場所の芝生化の推進もスポーツ実施率向上に影響をもたらすと思います。本当にちょっとしたスペースでも土なのか、芝生なのか、それが人工芝であってもいいと思いますが、その環境の違いだけで行動変容が確実に起こりますよね。本学にも本当に狭いスペースなのですが、キャンパスの中央に広場があります。そのスペースを人工芝に張り替ただけで、バドミントンなどをする学生を見かけるなど、今までにない光景を目の当たりにしています。明らかにちょっとしたハード面の環境の変化で行動変容を促進できることを実感しています。特に芝生化については、それが人工芝であっても天然芝であっても、土であるのと芝生であるのとでは明らかに異なると思います。一方で、ボールを使用してはいけないなどの公園のルールが課題にはなりますが、身近な芝生の公園で、ちょっと体を動かすというための環境整備は、このコロナ禍においてとても重要であると言えます。室内での活動にプラスして自宅の周辺のちょっとしたスペースや公園等で体を動かすということを推奨していくときに、重要な要素となり、急務になってくると思います。また、芝生化だけでなく、歩きやすいまたは走りやすい道路、走行しやすい自転車の専用道路などを含めた環境整備の重要性については、このコロナの状況下で改めて浮き彫りになったのではないかなと思います。第1期でも発言をさせていただいていた、運動・スポーツ施設や学校施設のトイレ等の整備の問題も含め、スポーツ実施率の向上のためには、身近な活動場所や施設の環境整備が急務であるということを3点目に挙げたいと思います。
以上です。どうぞよろしくお願いします。

【渡邉部会長】 ありがとうございました。
続きまして、筑波大学の山口先生はいらっしゃいますかね。発言をお願いします。

【山口委員】 皆さん、こんにちは。筑波大学の山口です。よろしくお願いします。ちょっと遅れて入ってまいりまして、申し訳ありません。前半の議論というか、御説明、聞き逃したところもありますので、少し的外れなことを言うかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
私自身は、うんと若い頃はアスリートとしてやってまいりましたので、トップスポーツの観点からというところもあるのかと思うんですが、そしてオリパラの話も出ておりました。そういったところから少し今のスポーツ実施率といったところでお話をさせていただきたいと思うんですが、自分自身がトップスポーツでやってきて言うのもなんですが、先ほど塩野さんですかね、おっしゃられた、スポーツにあまり得意じゃないとか、いい印象を持っていない人が多いというようなお話がございました。また、萩先生のほうからも負けるのが嫌だからというお話がありました。私は特に子供たちのスポーツを、これは長官にもお願いして、ぜひ変えていただきたいなというふうに思っております。それはやはりチャンピオンシップありき。日本ほど、全国大会をやっている国はありません。小学生から全国大会です。そして、中学校、高等学校。そして、そこに向かう子供たちのレベルがかなり違うにもかかわらず、同じレベルとして扱って、ノックアウト方式で負けたら終わり。中学生なんて、夏の前に負けたら引退です。高校生も引退です。日本人ほど引退を繰り返す人はいないというぐらいです。
ただ、私が見ていて、例えば私、柔道ですけれども、本格的に柔道の強化をしている私立の中学校と公立の中学校が対戦したら、レベルが違いすぎて互いにとって楽しむ試合にはなりません。それで本当にスポーツが楽しくなるかと言ったら、それは多分ないし、サッカーでも同じだと思います。レベルの違いがありすぎた場合には、これがサッカーの点数なのかと言うほどに点差ができてしまいます。でも、日本人は、オリパラを別に批判するつもりもないし、それはそれなんですが、やっぱり勝ち負けが大好きなんですね。でも、それを推し進めてきた結果、スポーツ嫌い、運動嫌い、体育嫌いをつくってきたというのも、これは間違いないところだというふうに思っています。みんなが競うことが好きなわけでもないし、負けるのもそうですけど、そもそも部員が多すぎて試合に出られない子たちもたくさんいます。そうすると、スポーツというものが楽しいものという発想がどうしても子供の頃からないので、また、トップスポーツでやってきた人たちもよく言われるんですけど、体育指導者の運動不足、医者の不養生。アスリート出身で、解説などをしておられる方の中には、昔アスリートとは思えないような体型をしていらっしゃる方も見受けられます。つまり、アスリートとしてはやっていたけれども、その人たちが今でもスポーツに親しんで、自分の健康とか何かを気にかけているかというと、そこはちょっと違うんじゃないか。つまり、勝ち負けの世界でしかスポーツをやってこなかった人、そういった刷り込みが日本ではやはりなされているという現実を私たちは持ちながら、どういうふうに子供たちに、あるいは一般の人たちに勝ち負けを超えたスポーツの楽しさ、それこそ私は、言えばオリパラのレガシーになるかなというふうに思っております。
それから先ほど来、御意見も出ておりますが、私、初めて入れていただいて、すごく多種多様なというか、いろんな方々がこの部会に入っていらっしゃって、いろんな御意見が伺えるというのはすばらしいなというふうに思いました。先ほど松永先生からもありましたが、環境を整えると言っても、本当に省庁をまたいでのことがすごく必要になると思うんですね。公園の事業、あるいは芝生化、学校についてとか、いろんなこともやはりそういった横串を刺してやっていかないと変えていけないことがたくさんあるので、この部会では、そういった分野を超えた話合いがなされて、様々な提言がなされていくということがいいのではないかなというふうに思っています。
それから最後に、高齢者の運動不足という話が出ていましたが、私も今高齢の両親がいますけれども、どうでしょうか。やはり高齢者の多くはICTが苦手だと思います。さらに、高齢者には教えても駄目だと思って教えてこなかったこともあると思います。しかし、こういう時代は高齢者にこそこういったICTを活用するという発想がきっと必要で、それがまた、スポーツにも、あるいは身体活動にも可視化されて効果が出てくるというふうな形でなっていけばいいなというふうに思っています。
皆様といろんな議論をさせていただいて、私も何か持ち帰って、形にできるようにできればと思っております。以上です。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。
ちょっと私の進行のまずさがありまして、予定時間となってしまったんですが、10分程度の延長をお許しいただきました。
私、自己紹介というのは本当に短くします。笹川スポーツ財団というところで働いております。スポーツ分野のシンクタンクというのを標榜しておりまして、スポーツ白書を制作したり、あるいは定期的なスポーツ実施率を調査したりといったようなことをしております。
先ほど冒頭でもお話しさせていただきましたが、コロナの感染が広がってくる中で、やはりここ1年、スポーツの実施状況がどういうふうに変遷を見るのか。これは将来的に大きな記録として意味を持つだろうということで、今4か月ごとに調査をしております。サンプル数としては5,000サンプルを4か月ごとに取っておるわけなんですが。当初、自粛が始まった頃は、やはり高頻度で運動・スポーツをされる方、この人たちの高頻度の実施率というのが下がりました。これは当然斎藤会長がいらっしゃるようなフィットネスクラブとか、公共施設とか、こういったところが閉館になりました。したがって、水泳とか、テニスとか、あとはスタジオプログラムですね。あるいは筋トレ。高頻度でやっている方の頻度が若干下がったと。しかしながら、自粛で自宅にいる時間が多くなりましたので、歩くこと、ジョギングすること、手軽な分野が随分伸びたんですね。ただ、これが自粛が明けると、また、だんだん元に戻ってきたといったような状況が今見て取れます。これは引き続き調査を実施することによって、これからいろんなエビデンスが取れてくるのではないかなと思います。
それと、私、もう1個懸念するのは、今コロナ禍ということで、健康とか、スポーツ実施ということが注目されておりますが、昨年、一昨年見ると、災害大国日本です。2019年には台風15号、あるいは19号、こういったところで多くの被害が出ました。昨年も熊本県の球磨川の氾濫等をはじめいろんな災害の被害が起こっております。したがって、これから先をスポーツ実施率の政策、施策を考えるときには、やはり自然災害への対応、さらには新しい感染症が生まれたときの対応、こういったものもある程度視座に入れながら考えていく必要があろうかなというふうに思っています。
今日の発言については、山口委員が先ほどおっしゃったように、非常に多岐にわたるそれぞれ専門をお持ちの方が情熱的に3分間を有効に使っていただきましたので、いろんなキーワードが出てきたと思います。幾つかに整理しますと、やはりエビデンスベースで政策、施策を考えるべきだというのはもうそのとおりであります。ただし、人に伝えるときには分かりやすく伝える。すなわち、運動・スポーツというものがなぜ必要なのか、そこにどういう価値があって、それが人の健康の問題であったり、人と人とのつながり、こういったところの社会課題の解決にどういうふうに結びつくのか。これをしっかりと伝える必要があろうかと思います。その伝える手段としては、勝目さんはじめいろんな方の発言もありましたけども、様々なメディアをうまく有効に使っていくと。若い人たちが積極的に使うツール、あるいは高齢者の人が、その人に届くようなツール、こういったものもミックスさせながら、しっかりと個々に届くようなやり方を周知啓発としては考えていかなければいけない。そんなことを皆さんの発言から今日は学び取ることができたと思います。
ここまで、各者各様で、それぞれ専門の領域を持っている方の発言でした。それぞれの発言に対しての質問であり、もしくはそれに呼応するような発言であり、何でも構いませんので、5分間だけお時間をスポーツ庁のほうからいただきましたので、皆さんのほうから、忌憚のない意見交換をしていただきたいと思います。発言ある方は、恐れ入ります、挙手のボタンがありますので、そのボタンを押していただければと思います。遠慮せずに、皆さん、よろしくお願いします。
久野委員、よろしくお願いします。

【久野部会長代理】 すみません。途中抜けましたが、ほとんど参加できました。
スポーツ庁のほうも今後の主な検討課題という、先ほど35ページを御説明いただいた中で、真ん中より下で、健康寿命の延伸、医療費削減に向けた具体的な方策についてというようなキーワードが挙げられているんですが、これから2040年ぐらいまで、我が国は80歳、90歳が非常に増えるという中で、医療費という観点だけではなくて、介護が非常に重要なキーワードで、そこにスポーツの力の果たす役割って非常に大きいと思うんですね。ここはやっぱり意図的に医療費や介護費への貢献という、その抑制に関する貢献、あるいは生きがいのある人生100歳時代への貢献というような、そういう観点、当然これはもう含まれてつくられているということは重々承知しているんですが、キーワードとしてきっちり挙げていったほうがいいんじゃないかと。
それから、最後、山口先生が言われていたこととリンクするんですが、いわゆる高齢者のICTリテラシーの問題で、高齢者も65から高齢者に入るわけですが、70代ぐらいまでの高齢者と日本の寿命とかを考えると、80、90代とはかなり違うんですね。体力も違うし、例えばいろんなICTへのリテラシーも違うと。ここ、高齢者同一で扱うと、かなり誤解が生じるというか、間違ってしまう中で、コロナでスマホを使っている世代が80、90になるまで待つしかないかなと個人的に思っていたんですが、誰一人取り残さない社会というものを目指す中で、ICTが使えない世代の問題って非常に大きく出ているので、この辺り、どのようにスポーツという観点でも関わっていくのか。これは重要な課題のような気がします。
すみません。以上、追加です。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。
ほかは皆さんいかがでしょうか。言い足りないようなお話でも構いません。もしないようでしたら、一旦この議論はここで終了したいと思いますが、皆さん、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
本日予定していた議題は以上で終了となります。
引き続き、今後の日程等につきまして事務局より御説明いただきたいと思います。

【小沼健康スポーツ課長】 事務局でございます。ちょっと1点だけ追加いたしますと、先ほど北出先生のほうから運動・スポーツの調査の中にヨガとかそういうものが入っているのかということでございました。一応それは調査の中に入っているということはお伝えいたしておきたいと思います。
あと久野先生からもお話がありました点につきましても、介護とか人生100年とか、そういった部分についても少しはっきり書くなら書いていく。あとそれから、70歳代と80歳代以上の情報への接続の仕方ですか、その辺につきましても十分理解をした上で進めていきたいと思っております。大変余計なことで恐縮でございます。
それで、次回につきましては、後ほど正式に調整をさせていただきますが、先般、2月22日月曜日の14時から16時ということで、大体先生方のほうのお時間を取れるというお話を伺っておりますので、こういった時間の中で設定をさせていただければというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いします。
それから、本日と同様にオンラインでの開催ということで予定させていただいております。また、詳しいことにつきましては、後ほど事務局から別途御連絡をさせていただきます。
以上でございます。

【渡邉部会長】 ありがとうございます。長官も最後まで御同席いただきましたので、最後、長官のお言葉をいただいて閉会としたいと思います。よろしくお願いします。

【室伏スポーツ庁長官】 皆さん、大変お疲れさまでした。最初に久野先生のほうから具体的な認知機能に関して高齢者のことであったり、また、妊産婦のメンタルヘルスということも具体的なこともコロナ禍においての問題もどこにターゲットを置くかということもいただきました。
あと全般的に、塩野先生、また、増子先生、山口先生もそうですが、スポーツの定義というところでありましたけども、スポーツをしなくてもフィジカルアクティビティーは日常で生きていく上で必要ですので、スポーツの定義というところでいえば、今後そういったところを、WHOもしっかり分けて、週1回のスポーツだけしていればいいわけではなくて、日常でも身体活動量、MET’Sとか、そういうことで厚労省もやっていますけども、少し早歩きをしたり、少し何か動かしたり、家の中でするだけでも身体活動量を稼げますので、決してそういうスポーツすればいいということではなくて、アスリートも結構不健康、山口先生もおっしゃっている、たくさん不健康な人がいて、体の機能が悪い人はそれしかできないという人はたくさんいますから、決してスポーツをやれば健康になるというわけではなくて、やはり専門家の医師の先生や整形外科の先生や、様々な先生の御意見を聞きながら、身体活動量をどうやって日本で上げていくかということも、そういった医療費削減のところにもつながっていくかと思いますので、その辺の第3期のスポーツ基本計画のほうに、我々の身体活動というのは何なのかということも取り上げてやっていきたいというふうに思いますので、引き続き御助言いただければというふうに思います。
泉委員のほうからゴルフの件がありましたけども、私も10月から国家公務員になりまして、こんなルール、聞いてはいたけど、あるんだなということで、ゴルフはスポーツにも拘わらず、ゴルフという名前だけで国家公務員倫理規程の中に具体的に書いてしまっているところがございまして、こういったものも、皆さん、再三おっしゃっていただいています東京オリンピック・パラリンピックのレガシーとしても、こういった取組としてやっていく必要があるかなというふうに思います。
皆さん、今日、本当に様々な分野の方から御助言いただきましたので、ぜひ今後ともまた引き続き御指導いただきまして、いい形にしていきたいと思います。健康スポーツはスポーツ庁のベンチマークだと思いますので、誰もが健康で生き生きとした生活を送ることが大切だと思います。また、御助言をお願いいたします。ありがとうございました。

【小沼健康スポーツ課長】 それでは、本日はこれにて終了といたします。皆様どうもありがとうございました。
 

―― 了 ――

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