スポーツ審議会健康スポーツ部会(第8回) 議事録

1.日時

2019年2月12日(火曜日)14時~16時

2.場所

経済産業省別館11階1111会議室

3.議題

  1. スポーツを通じた健康増進に係る最近の動向
  2. スポーツ実施率向上のための新たな制度創設・制度改正も視野に入れた中長期的な施策の方向性について
  3. その他

4.議事録

【渡邉部会長】  これから、第8回スポーツ審議会健康スポーツ部会を開催いたします。
 それでは、事務局より資料の確認をお願いいたします。
【安達健康スポーツ課長】  今回、資料が9点あります。
 資料1、前回の議事の概要でございます。資料2、スポーツ実施率向上に係る主な2019年度予算案について。資料3、総合型地域スポーツクラブに関する育成状況調査の結果について。資料4、総合型地域スポーツクラブにおける登録・認証制度の整備について。資料5、「第2回パブコン~もしもあなたがスポーツ庁長官だったら~」。資料6、文部科学省障害者活躍推進プランについて。資料7、「スポーツ・イン・ライフ」のロゴについて。資料8は日本学術会議に対してスポーツ庁が要請した依頼文書でございます。そして、資料9がきょうの中心の資料ですけれども、スポーツ実施率向上のための新たな制度創設・制度改正も視野に入れた中長期的な施策について(方向性)という資料でございます。不足等ありましたら、事務局までお願いします。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。本日は厚生労働省から、健康局健康課の木下課長補佐に御参加いただいております。
【木下課長補佐】  木下でございます。よろしくお願いします。
【渡邉部会長】  どうぞよろしくお願いいたします。
。 それでは、議事に入ります。議題1、スポーツを通じた健康増進に係る最近の動向についてでございます。スポーツ実施率向上に係る主な平成31年度予算案について、総合型地域スポーツクラブに関する実態調査の結果について、そして、総合型地域スポーツクラブにおける登録・認証制度の整備について、第2回パブコンの結果について、障害のある人の力を生かして未来を切り開くために必要な5つの政策プランについて、「スポーツ・イン・ライフ」のロゴについて、そして日本学術会議への審議依頼について、続けて事務局より御説明をお願いいたします。
【安達健康スポーツ課長】  それでは、事務局から資料の御説明を申し上げます。資料2から資料8までを使って、順次説明をさせていただきます。
 まず、資料2をごらんください。これは来年度の主な予算案についてでございます。 2ページ、スポーツ参画人口拡大プロジェクトでございます。スポーツ実施率向上のための行動計画に位置付けたメニューに沿った形で各種要望をさせていただいております。1として、スポーツ人口拡大に向けた官民連携プロジェクト、こちらは主にビジネスパーソン向けの事業でございます。2として女性スポーツの推進、3としては地域の住民の方の運動・スポーツ習慣化を促進する事業、4として子供の運動習慣化の事業、5としてスポーツ活動支援、6として生涯スポーツ振興、こういったものを来年度の予算として計上させていただいております。
 3ページをごらんください。1つ目の官民連携プロジェクトのメニューがあります。右下のところにございますが、こちらは新規事業としまして、マッチング機能等によるスポーツ活動ワンストップ化促進事業を計上しています。これは昨年度の第1回のパブコン、スポーツ実施率向上のための政策提言で長官賞をとったプランでございます。スポーツのポータルサイトを使ってスポーツ実施率を上げていこうというプロジェクトでしたので、その実現に向けて今、来年度の予算を準備しているところでございます。
 次の4ページ、女性スポーツ推進事業でございます。こちらは女性の活躍促進という形で3つのテーマがございますけれども、スポーツ実施率向上というところでいきますと、左側の女性スポーツ参加促進という事業がございます。行動計画でも御議論いただきましたけれども、主に若年者の女性のスポーツ参加を促進するための事業として、次年度は女性スポーツ促進キャンペーンなどを実施して、実施率の向上を図っていくというところでございます。
 次の5ページは運動・スポーツ習慣化促進事業でございます。これは先ほど申しました、地域の住民の方の運動・スポーツ習慣を促進しようというものでございます。中央の左に共通事項とございますけれども、スポーツ、運動につきましては、地方自治体の中ではスポーツ部局や健康福祉部局、いろいろな部局の関連がございますので、まずは行政内の連携、そして地域内の各種主体の方々の連携、こういったところで一体となって取り組んでいただくことを目指しております。来年度は、右下に2とありまして、医療と連携した地域における運動・スポーツの習慣化の実践、こちらを新しいメニューとして打ち出しております。こちらは、例えば生活習慣病や運動器疾患の何かしらのリスクを持っていらっしゃる方が地域の中で運動しようとすると、どうしても運動の機会がない、リスクに応じてどの程度の運動をすればいいかなかなか分からないといった声もございます。健康寿命を延ばしていくという観点からは、こういった方々にも運動、スポーツに親しんでいただくことが重要ですので、地方公共団体の方が中心となって医療機関とスポーツ関係者の方が連携を図りながらスポーツの習慣化を図っていく、そういった事業を来年度からスタートすることとしております。
 次に、6ページは子供の運動習慣アップ支援事業です。子供たちが楽しみながら多様な動きを身に付けることが重要ということで、従来よりプレイリーダーの育成などを行っております。次年度は引き続き、幼稚園の教諭、保育士、指導員等の類型ごとのプレイリーダーの育成、あるいは保護者向けに、運動遊びの重要性の啓発により子供たちの運動習慣を身に付けるような取組を、引き続き進めていきます。
 7ページはスポーツ活動支援事業ということで、総合型地域スポーツクラブの各種支援事業なども行ってまいります。
 8ページからは障害者スポーツの推進です。左下にございますけれども、引き続き、地域課題に対応した障害者スポーツの実施環境の整備も図ってまいりますが、1の(4)障害当事者以外に対する障害者スポーツ種目の体験・理解の推進など、行動計画の中で議論された事業も盛り込んで、取り組んでまいります。また、右下の3、障害者スポーツ用具活用促進事業ということで、こちらは新規ですけれども、地域のスポーツ用具資源の活用ということで、スポーツ用具の専門家、あるいは用具を持っていらっしゃる方、用具を利用する方、3者のマッチングを図っていくための事業を展開するというところでございます。
 9ページはSpecialプロジェクト2020ということで、2020年、全国の特別支援学校でスポーツ、文化、教育活動の全国的な祭典を開催すべく準備をしておりますので、来年度も引き続き準備をしていきたいと考えております。
 少しページが飛びまして、12ページをごらんください。スポーツ産業の成長促進事業です。こちらはスポーツの成長産業、スポーツビジネスの創出を図るものでございますけれども、2というところで、例えばスポーツ指導スキルとスポーツ施設のシェアリングエコノミー導入促進事業というものもございます。ICTを活用して、地域が有するスポーツ指導者と施設等のスポーツ資源をシェアリングして有効活用を図っていこうということで、こういった事業によりましてもスポーツ実施率の向上を図っていくというところでございます。
 次の13ページはスポーツツーリズム・ムーブメント創出事業でございます。スポーツツーリズムにつきましては、今年度はアウトドアスポーツ、武道ツーリズムを重点的なものとして取り組んでおります。また、スポーツ文化ツーリズム創造・発信につきましては、スポーツ庁、文化庁、観光庁の3庁連携で取り組んでおります。次年度もこういった取組をさらに推進していく中で、スポーツ実施率の向上も併せて図っていけるものと考えております。
 最後のページ、運動部活動改革プランでございます。昨年3月に運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインが策定され、各地域において今取組が行われているところでございますけれども、部活動を取り巻く様々な課題を踏まえ、各学校において持続可能な運動部活動が行われるように、各課題に応じた調査研究を実施して、その実施結果の周知普及を図っていこうという事業でございます。
 以上が資料2、来年度の予算案についてでございます。
 資料3をごらんください。こちらは総合型地域スポーツクラブの育成状況でございます。
 2ページのところです。総合型地域スポーツクラブにつきましては、従来よりその設置、育成に努めてまいりまして、このグラフにございますように、平成30年は3,599クラブとなっておりまして、前年度より19クラブの増加が見られたところです。市町村ごとの設置率を見ますと、こちらは0.1ポイント減少ですが、80.8%の市町村に設置されております。3ページに都道府県ごとの状況、あるいは市町村、町村部ごとの状況がございますけれども、都道府県ごとで見ますと若干ばらつきがあるところでございますが、市におきましては94.1%、町村部では69.1%となっています。 次は資料4でございますけれども、前回の部会におきまして、総合型地域スポーツクラブの登録・認証制度を今後整備するということで御議論いただきました。総合型クラブにつきましては、質の向上を図るため、登録・認証制度を整備するために国が枠組みを策定するという形になっております。前回の部会で御議論も頂きましたが、こういった国としての枠組みを取りまとめましたので、改めて御報告を申し上げます。
 まず1つ、登録・認証制度の基準についてでございます。登録というのは、そのクラブ自体を登録基準に合致したと判断した場合に、登録クラブとして名簿に記載するものです。認証というのは、登録を受けたクラブが、タイプ別に用意した認証基準に合致しているかどうか。このタイプ別というのは、総合型クラブが展開する、例えばプログラムの種類です。そういったクラブ全体に対する登録とタイプ別の基準による認証の2つをしていくという形で考えております。
 登録基準につきましては、(2)の1にございますけれども、総合型クラブ、従来から申し上げている多世代、多種目、多志向、という特徴を持ち、地域住民によりまして自主的・主体的に運営されるもの。2にございますけれども、持続可能な運営体制があるか、あるいは活動に見合った財源が確保されているか。3にございますけれども、規約に基づく運営、自己点検・評価に基づく活動計画の作成など一定のガバナンスが確保されているか、こういったものを登録基準として、枠組みとして考えるというところでございます。
 次のページ、もう一つの認証基準につきましては、先ほど申し上げた地域のニーズに応じたプログラムの展開ということで、こちらに例示が書いてございますが、例えば介護予防の実施、運動・スポーツによる放課後児童クラブ、放課後子供教室におけるスポーツ活動の機会の提供、あるいは学校部活動において、学校と地域が協働・融合した地域スポーツの環境整備、こういった地域の課題解決に向けた取組を基本的な要件とすることを書いてございます。
 この登録・認証制度の運用体制についてでございますけれども、改めて申し上げますと、2の(1)に運用体制の在り方とありますが、日本スポーツ協会と、その中にございます総合型地域スポーツクラブ全国協議会、SC全国ネットワークと言っていますが、こういったところが基盤となって整備を進めていくと。2のところで、この運営主体である日本スポーツ協会や総合型地域スポーツクラブ全国協議会のガバナンスを確立することの必要性。そして、3にございますが、都道府県単位の運用というのも同様に、都道府県体育・スポーツ協会、あるいは都道府県総合型クラブ連絡協議会、こういったところを主体として運用していくということで考えるということにしております。
 (2)登録・認証手続の方法でございますけれども、こういった総合型クラブの登録・認証制度は都道府県単位で運用していくということと、2にございますが、審査の客観性を担保するために、都道府県行政の第三者を含む会議体を設置して、書類審査、実地審査といった審査に参画するのが適当ということで書いてございます。更新についても登録・認証と同様の手続で実施してはどうかということで書いてございます。
 こういった枠組みに基づきまして、2020年度までに登録・認証制度を導入するということで考えていますので、改めて御報告をさせていただきます。こちらが総合型地域スポーツクラブの関係でございます。
 資料5をごらんください。「第2回パブコン~もしもあなたがスポーツ庁長官だったら~」ということで、昨年に続きまして、全国の皆様からスポーツ実施率を向上させる提案を募集しまして、今回は全国から218の提案がございました。事前の書類審査におきましては、本部会の一部の委員の皆様にも御協力いただき、大変ありがとうございました。3連休の初日の2月9日に、スポーツ庁におきまして最終プレゼン会を実施しまして、一般部門から4組、行政部門から4組に参加を頂きまして、プレゼンの上で長官賞を決定いたしました。
 この審査会におきましても、長官を含め、泉委員、ロンドン・オリンピック銅メダリストの寺川綾さん、この3名で審査をしていただきました。本当にありがとうございました。長官賞ですけれども、一般部門は、「空き家大学「ヘルスフィットネス講座」-自宅付近での高齢者のスポーツ実施率向上と健康改善サポート」ということで、大学の教員あるいは学生たちの協働の下で、身近なスポーツ施設のない、なかなかアクセスできない高齢者の方を対象に、空き家を活用した運動・健康指導のプログラムを提供してはどうかということでした。そういった中で高齢者向けの個人カルテを作成し、スポーツによる健康状態を計測し、そのデータも活用して、運動・スポーツだけではなく継続的な地域包括ケアも実施できるのではないか、こういった取組が、特に、スポーツ学科を持っている大学が全国で約200ございますので、かなりスポーツ実施率に貢献できるのではないかという御提案でございました。
 (2)行政部門の長官賞は「ふとももすっきりプロジェクト」という御提案でございます。歩くという取組は今非常に多くございますけれども、少し歩幅の広い歩き方で負荷を大きくしながら、全体的に体をすっきりさせ、より健康になっていく、そういった御提案でございました。それをやるには、例えば公共交通機関やデパート、大学などに、いろいろ歩幅印を工夫しながら設置して、それを見ながら、自然と正しい歩き方、歩幅の広い、より健康的な歩き方を実践できるようにしてはどうかというものでございました。
 先ほどの一般部門は大東文化大学様の御提案、(2)の行政部門は経済産業省の紺野様の御提案でした。スポーツ庁としましては、こういった御提案の実現に向けて今後検討していくことになりますけれども、今回は長官賞の提案だけではなくて、スポーツ実施率の向上に向けて非常に参考になる取組も多くございましたので、そういった取組も参考にしながら今後とも検討をしていきたいと思います。
 資料6でございます。少しテーマが変わりますが、文部科学省障害者活躍推進プランという取組が今始まっております。これは障害者雇用を取り巻く様々な事案がございまして、文部科学省としましても障害者雇用率の達成と、より積極的な施策の推進が重要という問題意識から始まったものです。中央にございますけれども、文部科学省の浮島副大臣の下に、障害者の活躍推進の観点から「重点的に進める5つのプラン」というものを進めるため、障害者活躍推進チームを今年1月21日に設置したところです。
 5つのプランはこちらに書いてございますけれども、その5、障害のある人のスポーツ活動を支援する、ということも含めた障害者のスポーツ活動推進プランというものを今後策定することとしております。外部有識者からのヒアリングは実は本日も開催されているのですけれども、本部会の増子委員からも今後ヒアリングをさせていただくことになっております。こちらのプランにつきましては4月頃をめどに公表となっておりますので、昨年9月に策定した行動計画や、今後取りまとめるの中長期的施策とも歩調を合わせながら御議論していただくことにしております。以上が障害者活躍推進プランでございました。
 次に、資料7をごらんください。「スポーツ・イン・ライフ」のロゴについてでございます。昨年策定しました行動計画のサブタイトルで、「スポーツ・イン・ライフ」ということを打ち出しております。「生活の中にスポーツを」ということで、スポーツをより身近なものにし、生活の中に自然とスポーツが取り込まれている形を目指しているところでございます。こういった「スポーツ・イン・ライフ」のコンセプトを拡大するため、ロゴマークを策定しまして、今後、普及啓発に取り組んでいくことを予定しております。行動計画のメニューを進める上で、スポーツ実施率向上を図る各種の主体、団体、企業におきましても、こういったロゴマークも活用しながら取組を進めていただきたいと考えていますので、各委員の皆様におかれましても、御協力方お願いしたいと思います。
 次に、資料8でございます。科学的エビデンスに基づくスポーツの価値の普及の在り方に関する審議についてということで、昨年11月に、スポーツ庁長官から日本学術会議の会長宛てに審議依頼をしております。部会の中でもエビデンスの蓄積というのは非常に重要という御議論を頂いているところです。2つ目の段落にございますけれども、今、こういった行動計画を策定したところですが、「これらの計画に基づく施策の展開に当たっては、情報社会の深化により様々な健康情報などがあふれる中で、国民一人一人に対し、科学的エビデンスや知見に基づいて『スポーツの価値』を普及していくことが不可欠」、そういった問題意識がございます。
 次のページにございますとおり、4つの審議依頼をしております。そのうちの1つ目としまして、日常生活の中で自然にスポーツに親しむこと「スポーツ・イン・ライフ」が、個々人の心身の健康、体力の増進、さらには学習・認知能力や対人関係力等の伸長にどのように寄与・貢献するか、ひいては社会全体の便益、例えば医療費の抑制、経済効果をもたらすかといった、基本的問題に関する最新の科学的知見の整理を行っていく、こういったことを依頼しておりますので、今後、調査、御審議が頂けるという形になっています。
 2020年9月末までに御審議を頂くという形になっておりますので、また審議の状況については御報告をさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。た資料5にあったように、2月9日に第2回のパブコンの最終プレゼン会が開催されました。第1回目の長官賞は、先ほど、来年度の予算の説明にもございましたけれども、実際予算計上して、その実現に向けてスポーツ庁も取り組んでいくということになっています。今回第2回目のパブコンということでしたが、審査をされました泉委員、一言、感想も含めて頂ければと思います。
【泉部会長代理】  パブコンの最終プレゼンの感想ですが、実は、長官を含めて3人で審査しましたが、3人がばらばらの評価でした。一般部門も行政部門ともに、これがいいというのが3人ともばらばらで、それぐらいレベルが高かったということで、これも実現したい、あれも実現したいというような、提案がたくさんあったと思います。
 今説明がありましたように、長官賞になった提案については、極力来年度以降の事業に反映させるというお話がありましたが、全部の提案にすばらしいものがありましたので、その光るものを我々としても、何とか事業に取り組んでいければと思いました。1つだけが良いのではなくて、スポーツ実施率を上げるには色々なことを、様々な階層に向けて幅広くやっていかないとだめだと感じました。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。長官、いかがでしょうか。
【鈴木スポーツ庁長官】  今、泉委員からも御説明がありましたけど、大変レベルの高い提案が上がってまいりました。今回、大東文化大学さんが一般部門の長官賞、これは若者による提案、ふだんの考え方や価値観の中で上がってきたアイデアということでして、若者のスポーツ実施率が低いということから、若者の意見を参考にするのは非常に重要だと思います。そして、今、大学のスポーツ改革もやっていますので、こういうふうに大学を生かしながら地域密着で取り組んでいただくというのは、非常に効果的だと思いました。
 また、行政部門の「ふとももすっきりプロジェクト」は、タイトルがキャッチーでしたね。ここに、歩き方で「美しい体となり」と、そういう美のところから入ってこられたので、若い女性も含めて、いい形で取り組んでもらえたら、全国的な取組につながっていくのではないかということでございます。
 2年目にして、文科省の試写室に入らないぐらいの、非常に活気あるパブコン大会になりました。3年目も期待したいと思いますが、大学の先生もこの中には、委員でたくさんいらっしゃいますけど、大学の研究室も含めて、もっともっと若い人たちのアイデアをこれから募集していきたいと思います。ありがとうございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、先ほどの事務局の説明に対して御質問、御意見等、頂きたいと思います。「スポーツ・イン・ライフ」のロゴも御説明いただきましたので、そういったものも踏まえながら、皆さんから御意見を頂きたいと思います。
 それでは、豊岡委員、お願いします。
【豊岡委員】  ちょっとお尋ねしたいのですが、資料2のライフステージに応じたスポーツ活動の推進の6番の生涯スポーツ振興事業。予算額は余り大きくありませんけれども、このメニューを教えていただけるとありがたいというところでございます。それが1点です。
 それからもう一つは、総合型地域スポーツクラブの育成状況調査の結果についての中で、今まで聞いていた話ですと、総合型地域スポーツクラブは1市町村1つだというふうに伺ったんですが、2つでも3つでも構わないかどうかということを教えていただければと思います。
 以上です。
【渡邉部会長】  それでは、課長からお願いします。
【安達健康スポーツ課長】  まず、2つ目の総合型クラブでございますけれども、これは市町村によってかなりばらばらでして、1つの市町村においても複数設置されているところもありますし、今、委員おっしゃったように1つのところもありますので、そこはかなり地域によってばらばらでございます。
 最初の資料2の6、生涯スポーツ振興事業については、課長補佐より回答します。【川田課長補佐】  これは本省が直接執行しているものでして、例えば都道府県で登山やプールの研修会をやっていただく際に掛かる経費ですとか、本省で会議を開くための会議費ですとか、体力・運動能力調査に係る実費などを計上しております。
 以上です。
【豊岡委員】  どうもありがとうございました。できましたら、生涯スポーツの部分もさらに拡充していただけるとありがたいなと思ったところでございます。また今後御検討いただけるとありますので、よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。続いて、いかがでしょう。
 津下委員、お願いします。
【津下委員】  ありがとうございます。「スポーツ・イン・ライフ」のロゴは、とても爽やかで、チューリップか若葉か、これから広がっていくイメージで、すばらしいなと。このロゴは、どういう基準で運用されるかということについてお伺いしたいというのが1点です。
 2点目は、特に運動・スポーツ習慣化促進事業にすごく期待しておりまして、先日も愛知県の4つの市町村に来てもらって、あと都道府県と私たちのセンター、安達課長をはじめ松崎さんも来ていただいて、市町村のスポーツ部局と健康福祉部局の連携とか、その温度差について話し合ったところでございます。既にもう一緒に取り組んでいて、それが当たり前になっている地域と、そこで初めて名刺交換するようなところもありまして、かなり進み方に温度差があるのかなと。この事業に乗り掛かっていくことで、1つ新しい仕組みが整っていくといいのかなというふうに思っております。こういうメニューが出されますと、既に取り組んでいるところは手を挙げたいと思う一方、ハードルが高いなと思う市町村は動かないことが心配されます。多くのところが積極的にこういう事業に取り組んでいくための階段が必要と思いますが。先進的にやっているところがどんどん補助をとっていくという形ではなく、どう広げていくかという観点も非常に重要かなと感じております。
 行政、自治体によって、連携のしやすいところ、そうではないところ、また部局間でも随分違うところがあるのかなというふうに思いまして、こういう事業が何をもってゴールとするのか。申請が上がって、やったところがよかったねということなのか、さらにそれを広げるという大きな目的のためにこの事業を立てるのか、そういう将来的な構想も含めて御検討いただけるといいのかなと思った次第です。
 それから、こういう事業について、新規というのはあるんですけれども、これまでやってきた事業について、していただいているとは思うんですけど、何人参加という評価ではなくて、実際どういうアウトカムとして見ていくのかというのを検討すべき時期にあると思います。スポーツ実施率向上に向けて、この事業でどういう対象者がどういうふうに動いたのかとか、この事業があってどう変わっていったのかという評価指標を意識して計画を立ててもらうといいかなと思っています。これまでの本事業で何がどう進んだかというのがうまく把握できない状況でもありますので、その辺の整理をお願いできればというふうに考えております。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。以上3点について、課長、お答えいただけますか。
【安達健康スポーツ課長】  3点のうち3番目からいきますと、アウトカムにつきましては今続いている事業というふうに考えていまして、それぞれの事業で、そういった視点で進めたいと思います。特に御指摘のあった運動・スポーツ習慣化促進事業につきましては、地方自治体からの御提案の中で実際どういった複数のアウトカムを設定するのかということで、例えば高齢者を対象にするのであれば医療費がどれくらい下がったですとか、あるいはスポーツ実施率だけではなくて、参加者の運動、スポーツに対する意識の変化や継続性など、できるだけ複数の指標を持って事業に取り組んでいただいて、それを年度最後に御発表いただくような形でやっていますので、そういった取組は引き続き進めていきたいと考えております。
 2点目について、連携は非常に重要と思いまして、これからも進めていきたいと考えています。運動・スポーツ習慣化促進事業に限って言いますと、きょうは厚生労働省からも来ていただいていますが、私どもはどうしてもスポーツ部局へのアプローチになりますし、厚生労働省ですと健康部局へのアプローチということになります。今、この事業を推進するにあたって両方から募集を掛けてやっていただく形にしておりますので、その中で次の具体的な中身の連携も進めていきたいと考えております。
 1点目、資料7の「スポーツ・イン・ライフ」のロゴ、これは御指摘のとおりで、どういうふうに使っていただくかというのは、まさにこれからの御議論、検討になると思いますが、できるだけ幅広く使っていけるような形で、かつスポーツ実施率を上げていくという共通目標に向かってうまく活用していただくような検討をしていきたいと思います。次の議題2にも関連するかもしれませんけれども、うまく活用していきたいと考えております。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。ロゴマークの運用については、これから、基準も含めて、ちょっと詰めていかなければいけませんね。
 それから、先ほどの2点目の習慣化のところで出ました各部局との連携等について、以前より久野委員から、いろいろな経験に基づいて健康部局、スポーツ部局の連携が十分ではないといったような話もありますし、またそのエビデンスの話もよく久野委員から頂いておりますので、久野委員、一言お願いします。
【久野委員】  ありがとうございます。この後、手を挙げようかと思っていたところです。
 少し地方の方に変化が出てきたのではないかなと思うところがあって、きょうは豊岡市長さんもいらっしゃいますが、結構、市長部局にスポーツ部局を教育委員会から移動して、その中に健康部局と1つの部局にしている自治体が、比較的熱心なところには増えてきているのではないかなと。やはり同じ部局の中にあることによって、以前のような非常に縦割りというか、そういうものが少しずつ崩れてきているかなと。ただ、これはいい方向に来ているんですけど、このまま広がるかどうかは多分分からないと思うんですね。ですから、そういう事例が出てきているということを、どのように1,700の各市町村に伝えていくのかと。ですから全国市長会のような、あるいは町村会のようなところでそういう事例を伝えるとか、やはりそういう機構改革をするとうまくいくんだよというようなことを、そういうところの市長さんからお話しいただくとか、そういうようなことをしていかれると、さらに広がっていくのではないかなという感じがしています。
 それから、先ほど津下委員がおっしゃったことに全く同感で、資料2の5ページ、運動・スポーツ習慣促進事業の中で、ここは結構、私個人的には自治体に注目していて、今年度も昨年度と同様な予算を頑張って確保していただいて非常にありがたいなと思っています。その中でアウトカム、今、津下委員がおっしゃったように、やはりそこを本当に重視して選んでいただきたいですし、そこをある点、アウトカムがある程度出るには数年掛かるので、多分そういう方向でこれまでも見ていただいているんだけど、やはりそこの姿勢は崩さないでいただけると非常にありがたいなと。
 それからもう1点、その辺どうお考えなのか是非教えていただきたいのは、ほかの省庁の仕事なんかでも非常に今、こういうモデル事業的にやって、横展開がものすごく問われていて、それの具体化というのが非常に課題になっているんですが、逆に、これだけの予算を投下しているわけなので、これがどういうふうな成果でその後横展開していったのかということは間違いなく問われると思っていまして、そのあたりをどういうストラテジーというか、横展開していくかという仕掛けを、やはり今後考えておく。あるいはもうお持ちで、それは準備されているのか、その辺に関して是非教えていただければと思います。
【渡邉部会長】  では、課長、どうでしょう、アウトカム。実施する場合には中期的、長期的な視点が当然必要になってきて、そこへの事業化、予算措置も必要になってくると。一方で出たものをどうやって横展開するかという戦略についての御質問だったと思うんですが、今現在でお答えできる範囲で構いません。
【安達健康スポーツ課長】  ありがとうございます。この事業につきましては、今、久野委員おっしゃったとおり、どう横展開するかというのは非常に重要なところでして、この予算を付けている査定官庁からも同様の御指摘があるようなところでございます。毎年内容を評価しまして、好事例的を例年展開しています。久野委員おっしゃるとおり、いい事例を、より積極的に横展開していきたいと思います。例えば、久野委員がいろいろな自治体さんとの連携の中で取組をしていらっしゃるところに私どもも参画させていただいておりますので、この戦略のところは、むしろ逆にいろいろとお知恵を拝借しながら、より効果的な展開は図っていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
【久野委員】  1点だけ、若干本学の宣伝も入ってしまうんですが、茗荷谷の方に、ようやくこの3月で3年、博士課程で、いわゆるアクションリサーチと言われる、今までこういう研究は前後の比較だけで、よかった、よくなかったというエビデンスは出してきたんですけど、結局国のモデル事業でもあまり横展開していなかった。それはどうしてかということを検討していくと、1つはプロセスのところのノウハウの蓄積というものがなかなか外に出ないので、それを見ても、視察をしても、なかなか横展開しないという現実があるので、プロセスの記録をきちんとして、そこをノウハウとしてためて、それを基本的に、横展開のノウハウ集みたいなものを作っていこうという、今そういう博士課程を作って、この3月に初めて2人、やっと出すんですけど、その一連を見ていて非常に、やはりそのノウハウは、我々一応大学でずっと研究してきたんですが、あまりそういうのって、個人的には思ったり持ってはいるんですけど、全国に広げていくと、いろいろな人がそこに関わるときに、そのノウハウがなかなか伝わっていなかったなということは非常に感じていまして、ですからこういうようなモデル事業の評価の中に少し、プロセスを記録して、ノウハウ集、ノウハウをためていくような仕掛けをもしかすると条件付けされていくと、今後のその横展開というものに少し寄与できるのではないかなという気がしています。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。久野委員の最初の話にありましたが、首長部局にスポーツの部署を持っていくことによって、一体的な施策、政策の展開ができるといった話がありまして、どうやってほかの自治体に周知啓発していくのかといったことについて、豊岡委員、もしアイデアがあればお願いします。
【豊岡委員】  津下委員と久野委員からお話ありました、私どもの市は11万1,000人ぐらいの市なんですが、スポーツ部局はもう早く、教育委員会から、学校体育は教育委員会に残しましたけれども、スポーツ行政は行政部局へ、市長部局へ持ってきたんですね。ですからスポーツ部局と、それから健康づくり部局とが同じ部の中で一体となってスマートウエルネスの取組をしているわけです。来年度からは、今度は地域包括支援の、介護関係のところも介護予防の事業をやっておりますので、それも一緒の部にするということにいたしておるところでございます。
 久野委員がおっしゃいましたように、やはりエビデンスとアウトカム、成果目標みたいなものが非常に大事だと思っていまして、そのことにつきましてはいろいろな試行錯誤を続けているといったような状況でございます。【渡邉部会長】  ありがとうございます。津下委員、お願いします。
【津下委員】  関連してですけど、私たちも糖尿病性腎症重症化予防プログラムなどを全国展開、横展開しようとしているときに、自治体の規模とか、それから現在ある資源をどう活用する、それで体制ができるのだと思います。三島市の取り組みが参考になる自治体となりにくい自治体があるんではないだろうかと。したがって、体制についての整理とか、それからプロセスも、何をチェックポイントとして見ていくかという事業のプロセスを見るとよいのではともいます。後追いではなかなか評価が難しいので、計画のときにどういう評価ポイントを持っていくとか、結果としてどういうデータを集めていくというように計画しておく。これは健康日本21の動きとも連動させることができるので、いい事例が横展開されることを期待したいと思います。
 そのためには型が見えないといけないので、成功したという結果だけではなくて、なぜ成功したのか、どうやってやって成功したのか当店を示すこと、もう一つ、何が失敗だったのかということも。やって難しかったことは表面に出ないんですよね。だけど、動かないことも実は情報として重要なのかなと思います。次のところに向けてはそういう情報発信もしてほしいなと思っています。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。それでは、類型化とか因果とか、その辺の話も踏まえながら、これから国のヘッドクオーターとして、どういうふうにやっていることをほかのところへ伝播させていくのかというのは、いいヒントだったと思います。ありがとうございます。
 大分いろいろな意見を頂きましたが、きょうの本題でもあります議題2に移らせていただいて、今、御質問をしたかったけどできなかった方は、そのときにまたお願いできればと思います。
 それでは、議題2につきまして、事務局から御説明いただければと思います。
【安達健康スポーツ課長】  それでは、お手元の資料9をごらんください。スポーツ実施率向上のための新たな制度創設・制度改正も視野に入れた中長期的な施策について(方向性)とございます。
 前回の部会におきまして、今後策定する中長期的な施策に関して、想定される論点について御議論いただきました。ありがとうございます。そこでの御議論ですとか、先ほど部会長からもございましたけど、各部会の皆様とも御議論を深めまして、また行動計画を周知する中でいろいろな団体からも御意見を頂きまして、そういった中で、お手元にございますような、中長期的な施策の方向性について整理させていただいたものがございます。こちらをたたき台として御議論いただければと思います。
 こちらでは大きく4つに分類して書いてございます。1つ目は、地域におけるスポーツの環境づくりについて、2つ目はスポーツに関わる関係団体との連携についてでございます。3つ目は障害者スポーツの推進について、4つ目としてはエビデンスに基づく健康スポーツ政策の取組の促進について、こういった形で整理をさせていただいております。
 まず1ページ目の地域におけるスポーツの環境づくりということで、3点ございます。(1)は総合型地域スポーツクラブの質的充実についてでございます。こちらは先ほど資料3、4でも、関連するところを御紹介したところです。1ポツ目はそういうところが書いてございます。2つ目のポツにございますように、総合型地域スポーツクラブは、地域コミュニティの核として、地域スポーツ環境の充実やスポーツを通じた地域の課題解決などの公益的な取組を通じて、地域への役割が期待されているところでございますけれども、現状ですと必ずしも十分に機能しているとは言えないところもございます。こういったところから、総合型地域スポーツクラブにつきましては、さらなる認知度の向上とともに質的充実を図ることが必要であるという形で、方向性としては書かせていただいております。既にこちらにつきましては、先ほど登録・認証制度という枠組みを示させていただいたところですけれども、こういった活性化に向けたさらなる御意見を頂ければというふうに考えております。
 (2)としては、スポーツ推進委員制度の新たな枠組みということでございます。御承知のとおり、このスポーツ推進委員は今全国で約5万人いらっしゃいます。それぞれの市町村から委嘱をされております。スポーツ推進のための事業の実施に係る連絡調整ですとか、住民に対するスポーツの実技の指導などの事業を行っております。このスポーツ推進委員につきましては、総合型クラブやスポーツ団体との連携・協働を促進する役割も期待されておりまして、さらなる資質の向上を図っていく必要があると考えております。こういった中でスポーツ推進委員におきましては、その知名度の向上を図りながら、地方自治体や関係団体との連携によって活躍の場をさらに広げることが必要であると考えております。こういった5万人のパワーをどのようにスポーツ実施率向上につなげていくかというところがございます。
 2ページ目の(3)スポーツをする場の確保でございます。こちらは今までも部会の中で多くの御意見を頂きました。場を確保することが重要だということで、1つ目のポツにありますけれども、スポーツを実施できない理由としては、時間とともに場所がないというところも多くございます。そういったところで非常に身近な学校施設の利用というところが求められておりますが、利用する条件が厳しいなどの理由で、必ずしも十分活用されていない面もございます。
 2つ目のポツにございますけれども、学校施設をスポーツの場として気軽に利用できるようにしていくことがまずは重要と考えています。また、それ以外にも公園や道路等の公共の場も含めて、あらゆる空間を活用してスポーツをしやすい環境を整備していくことが必要と考えております。さらに、民間との連携を一層図りながら効率的にスポーツ施設の整備、管理運営を進めていくことで、スポーツをする場の確保を進めていく必要があるのではないかというのが(3)でございます。
 次に大きな2つ目、スポーツに関わる関係団体との連携ということで、こちらも3点書いてございます。
 まずは(1)の医療機関等との連携の促進でございます。運動・スポーツは生活習慣病の予防のみならず、例えば治療中においても効果があるということも示されております。現状では医療機関において、この運動・スポーツを継続するための必要な情報というものがスポーツ関係者と共有されているとはなかなか言えない状況がございます。このため、例えば医師から生活習慣病の指導を受けた方が、運動・スポーツに関する情報が共有されることによりまして、運動・スポーツをしようというきっかけづくりになる、そういったことが必要であると考えております。医療機関と運動・スポーツ施設、あるいは運動指導者ですとか、そういった方との連携と情報共有を図り、こういったリスクを持った方々のリスクに応じた適切な運動プログラムの提供、あるいは機関同士の連携、危機管理の体制、こういったことを構築することが必要であるということでございます。そういったことを通じていろいろなリスクのある方も運動・スポーツの実施率が上がっていくのではないかというところが、まず1点目でございます。
 (2)はスポーツ実施率向上に向けた推進体制の構築でございます。行動計画が策定されまして、国のみならず、今地方自治体、企業、各種団体の皆様にスポーツ実施率向上の取組をお願いし、実施をしていただいているところです。それぞれの主体が、それぞれ独自に現状取り組んでいるところでございます。一方で、部会でも御意見ございましたけれども、いよいよ2020年東京大会も近付いておりますし、その後のワールドマスターズゲームズですとか、国内ではいろいろなスポーツ競技大会が開催されます。そういった機運も活用しながら、各主体が有機的な連携を構築して、スポーツ実施率向上のための取組を進めていく、そういった推進体制の構築を図っていく必要があるのではないかということで書かせていただいております。先ほど資料の中で「スポーツ・イン・ライフ」のロゴマークもございましたけれども、全体として共通目的に進んでいくためには、そういったロゴマークも活用しながら推進体制の構築を図っていってはどうかと考えております。
 (3)は企業における従業員のスポーツ実施の促進でございます。ビジネスパーソンにつきましては、スポーツ実施率が低調である反面、非常に母数が大きいですので、社員一人一人に訴えていくというのもありますが、企業としての取組というのが非常に期待されるところでございます。3ページの上のところにございますけれども、最近、健康経営という取組も非常に進んでおりますが、健康確保の一環として、企業の中でも従業員のスポーツの実施が促進されることが必要と考えております。厚生労働省が策定している「事業場における労働者の健康保持増進のための指針(トータル・ヘルス・プロモーション・プラン指針)」というのが来年度以降に改正されることになっておりまして、スポーツ庁とも連携しながら見直すということになっております。是非こういうことも1つの契機として、企業の取組として、従業員の方が運動・スポーツを実施しやすい環境整備を事業者に促していくことが必要であると考えております。
 大きな3番目は障害者スポーツの推進でございます。行動計画の中でも各種メニューを推進しているところでございますけれども、1つ目のポツにございますが、地域のスポーツクラブへの障害者の方の参加受け入れが十分でない面ですとか、あるいは運動部活動・クラブのある特別支援学校が6割にとどまるですとか、そういったところもございまして、施設整備の在り方や備えておくべき用具の基準、こういったハード面、制度的な面も併せて対応する必要があるというところがまずございます。また、人材の面でも、地域で障害者スポーツのコーディネートを行う人材について各種課題がありますので、こちらも一定の見直しなどを通じて、促進する必要がございます。さらに重度障害者の方もスポーツ実施が可能となるような、医療・福祉との連携をより促進するための仕組みを構築する必要があると考えております。
 最後の4番目は、エビデンスに基づく健康スポーツ政策の取組の促進でございます。これは先ほどの御議論の中でもございました。2つございまして、1つは地方自治体における現状の見える化というところでございます。スポーツ庁におきましては毎年調査を行いまして、全国のスポーツ実施率を公表しているところです。各地方自治体におきましてもスポーツ実施率の目標を定めて取り組んでいるということで、スポーツ実施率を把握し、見える化することが非常に重要です。できるだけ簡易な方法でスポーツ実施率の調査が可能となる仕組みを構築することが必要であると考えております。また、同じ項目や調査指標で実施することも必要という意見も頂いていますので、そういったところも考慮しながら実施をする必要があるということが(1)でございます。
 (2)はスポーツに関する研究の充実、調査研究成果の利用促進でございます。部会の中でも、エビデンスが不足しているという御意見がございまして、複数年にわたるスポーツが健康に及ぼす影響に関する研究や、運動・スポーツの習慣化のための行動変容につなげるための方策についてのコホート的なアプローチの必要性については御指摘があったところです。また、スポーツ庁でも各種調査をしておりますけれども、そのローデータがないと活用しづらいとの御指摘も頂いております。スポーツに関する研究の充実を図るとともに、調査研究の利用促進を図っていくことがスポーツ実施の振興につながるのではないかということで、そういった環境整備が必要であるということを書かせていただいております。
 以上のとおり、方向性を事務局でまとめさせていただきましたが、こちらについて御意見を頂ければ伺いたいと考えております。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。ただいまの説明はスポーツ実施率向上のための新たな制度創設、制度改正を視野に入れた中長期的な施策をどう構築していけばよいかといった方向性についての御説明でありました。
 きょうは方向性について皆さんに御意見頂くのですが、この後の作業スケジュールについて説明願います。
【安達健康スポーツ課長】  ありがとうございます。本日はこちらの方向性について御議論を頂きまして、今後の予定としましては3月末頃に、本日の御意見も踏まえて中長期的な施策についての事務局案をまとめさせていただきたいと考えております。そして、6月頃までには最終的な部会としての取りまとめができればと考えております。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。今御説明いただきましたが、大きな柱としては4つあると、4つの中に幾つかの方向性についての提案があったということでございます。
 ただいまの説明に対する御質問あるいは御意見等、忌憚のないところでお願いしたいと思います。泉委員、お願いします。
【泉部会長代理】  失礼いたします。資料の最初に総合型地域スポーツクラブの質的充実というのがありますので、補足の説明も含めてお話をさせていただきます。
 現在3,599、80%以上の市町村に設立がなされています。当然、ここに書いてありますように中長期的にも質の充実を図っていかなくてはいけない段階に入ってきております。特に日本スポーツ協会としても、主体的にこの事業を担わせていただくというところで、先ほど報告にもありましたように運動部活動との連携が重要と認識しております。運動部活動のガイドラインが、徐々に浸透してきておりますが、その受け皿となる総合型地域スポーツクラブには、実は中学生、高校生は部活動中心なので、総合型地域スポーツクラブにあまりいない。また、スポーツ少年団は小学生が主体です。これを地域のスポーツ体制として、中学生、高校生をスポーツ少年団あるいは総合型地域スポーツクラブにこれから招き入れて、しっかりとした基盤を構築をしていくという段階にあります。
 そのために今必要なのは、登録・認証制度であり、1年間掛けて調査し、モデル事業もやってまいりました。その結果、ほぼ次のステップに向けての新しい制度、登録・認証制度の案が出来上がっております。その新しいシステムを都道府県体育・スポーツ協会、あるいは関係団体に、説明して、御理解を頂くように進めております。
 これから都道府県体育・スポーツ協会が中間支援組織としてしっかりとその役割を担うことが、この質的な充実にもつながってくるわけです。ただし、都道府県体育・スポーツ協会にそういう役割を担っていただくには、行政との連携が大事でして、特に経済的な支援をしていかないと、なかなか順調に乗っていかないというところが今一番、困っているところです。
 この総合型地域スポーツクラブの質的充実へのロードマップはできて、スタートしておりますが、ポイント、ポイントでスポーツ庁の方からも御支援を頂きながら対応していく方向で、要望させていただければと思います。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 近藤委員、お願いします。
【近藤委員】  4点ほど意見を述べたいと思います。
 まず1つ目は、スポーツをする場の確保というのが2ページの一番上に(3)でございますが、今のこの書きぶりですと、ハードといいますか、物理的な場所、地理的な場所を指しているようなニュアンスが強いんですけれども、例えば東京マラソンなんかはものすごい人気があって、参加も難しいといううわさを聞いていますけれども、ああいういわゆるイベント型もなかなかばかにならないというのを感じております。私どもいろいろ分析していて、定期的にスポーツをやっている人が少ないのに、なぜか鬱が少ないという地域を見付けて、何か秘密ないんですかと聞いたら、農村で、農繁期はみんなで集まっている暇がないと、農閑期に大きなスポーツイベントがあって、そこには数百人集まるんだそうです。そういうところだと結構交流があり、地域の結び付きが強くなるというので、イベントというのはなかなかばかにならないなというのを感じる機会があったものですから、場の確保だけではなくて、いうなら機会の増加とか機会の拡大とか、そういうものも併記されて、促された方がいいのではないかというのが1点です。
 2点目が、来年度予算の中にもありましたけれども、マッチング機能というのをここに位置付けなくていいのかなということです。幾ら場が増えても、その存在が知られなかったり、やってみたいという人がマッチングされないと、宝の持ち腐れといいますか、機能しないものですから、マッチング機能というのも(4)ぐらいで加えられたら、次の政策の予算の重点の1つでもありますし、いいのではないかなと。
 そのときに、是非そのイベントを登録するというようなことを御検討いただいたらいいのではないかなと。といいますのは、こういう登録するとなると、何か情報を持っていないと登録できないというので、これは質問になるんですけれども、いわゆる総合型スポーツクラブの登録、認証が始まるので、それをマッチングシステムに登録するというのが思い浮かぶんですが、それだけだと、実際には地域にもっといろいろある地域資源、スポーツ資源が結局見えないまま終わってしまうのではないかなという思いがありまして、そういうマッチングシステムに載せる基準みたいなものは少し緩めにして、地域にあるスポーツ資源が、漏れなくというのは無理だと思うんですけれども、できるだけカバーできるような形で進めていただくと利用も広がるでしょう。もう一つ、4番のところのエビデンスづくりというときに、できるだけ実態が正確に分かるデータがあった方がいろいろな分析結果がきれいに出て、皆さんの納得が得られるという意味でも、できるだけ、地域に埋もれているといいますか、見えにくい資源を把握できる方法を工夫していただきたいという、これが2点目です。
 3点目は、その下の2番の関係団体との連携になります。ここに、行政文書によくある「医療機関等」とか、きっとこの「等」の中に入っているんだとは思うんですが、保険者です。健康保険者あるいは介護保険者というのを明示していただきたいというふうに思います。これはなぜかと言いますと、その人たちにとってプラスだというのもありますし、先ほどもアウトカムが大事だというときに、医療費とか要介護認定率というようなことがよく出てまいります。しかし、そういうデータを持っているのは保険者でして、最初の段階から巻き込んでおかないと、それはうちとは関係ないといってデータを出してくれないということをたびたび経験しております。そういう意味で、もう最初からテーブルに一緒に着いてもらって、一緒にやりましょう、お互いのためですよねと、なのでデータを将来リンケージして評価にも使いましょうねというのを最初の段階から合意しておかないと、実際にはいつまでたってもアウトカム評価ができないというおそれがありますので、是非、保険者というのは入れておいていただく意味は大きいのではないかということです。あと同様に、大学もあっていいかなというのが、先ほど学生を使おうとか研究評価をやろうというのもありましたので、ちょっと明示していただいてもいいかなというふうに思いました。
 それから4番目、これが最後ですけれども、4番のエビデンスに基づく取組の促進のところで、これは是非、私どももできる限りの御協力をしたいなというふうに思いながら読んでおりました。それを進める立場から見ると、私たちの苦労は、データ収集のコストが大き過ぎてなかなか手が届かないということがあります。それは、先ほど一例を出しましたけれども、保険者が持っている医療費データとか認定データと、誰がスポーツをやっているという情報をくっつけるだけで、ものすごく大変なんですね。さっきの保険者をテーブルに着けておくことで1つくっつくんですが、もう一つ、実は誰がスポーツをやっているという情報が、例えばスポーツクラブなんかも、何人登録していますという情報はあるんですが、どこのどなたですという情報は個人情報保護法上出せないと言われて、結局いつまでたってもアウトカムの評価ができないという現実があります。
 そういう意味では、是非総合型地域スポーツクラブの認証制度の基準の中に、この効果評価のための個人情報の提供のための同意をとっていることというようなものを入れておいていただけるかどうかで、効果評価に掛かるコストが全然違ってきますので、是非そのようなことを総合型地域スポーツクラブの認証のところで。あとスポーツ推進委員も、いうならば地域のスポーツ実践者の見本となって、スポーツ推進委員をやっているとぼけないよみたいなデータを出したいので是非御協力くださいというので、もう推進委員の同意書の中に、自分の追跡データを是非使ってほしいという同意を頂いていますというようなものをとっておいていただけると、そういうことができるようになりますので、そんなことも是非、国の方でひな形を。自治体でその同意書を個別に作り出すと、またこれ、何かが漏れていたとかいって大騒ぎになるものですから、国の方で、これが標準のひな形ですというのを示すようなことも含めて、是非、データ収集のコストを下げる、あるいは効率よく必要なデータが集まるような仕組みづくりも併せて御検討いただきたいと思います。
 以上、4点です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。近藤委員の御発言に絡めた発言でも構いません。
 久野委員。
【久野委員】  すみません、何回か。ちょっと今の近藤先生のと関係している点も含めて3点あるんですが、1つ目のスポーツ実施率向上のところで、やはり自治体が動くという主語で、この場合。いろいろな狙いがあるんですけど、自治体が動くということでいくと、今いろいろな自治体から我々のところに相談があるのは、やはり扶助費、医療費だけではなくて介護の問題も非常に多くなっていて、両方合わせて扶助費と彼らは言っていて、これを何とか抑えたいというのはもう切実なところで、ここがスポーツの力でどれぐらい落ちるかということを見せると、ここに、結果的にこのスポーツの実施率を上げようと。実施率を上げてくださいではなくて、こういうメリットがあるんだ、だからそれが必然的にスポーツをやるというような、そういう思考になるような見せ方、働き掛けというのがすごく大事ではないかなと。
 例えば、話題に出てきたところでいくと、見附市で医療費が下がったというのは前にもここで紹介されているんですが、最近、介護を見ていて、そうすると大体4年間で、4万人のまちで12億ぐらいの削減効果が出てきているんですね。1年あたりにすると3億で、見附市がいわゆるこの事業で使っているのが、補助も入れているんですが、大体年間4,000万ぐらいなんです。そうすると、それで十分おつりが来るよねという議論が、自治体内の財政当局を口説くときにもそういうものが出てくると、結構そういうふうな事業展開にできると。そういうエビデンスのところとここが連関して、単に実施率を上げましょうという問い掛けではなくて、こういうメリットが、もうこれだけのエビデンスがあるので、こういう実施率向上策でなくて、結果的に扶助費や市民の健康、それがつながりますよという見せ方の方が、ここは上がっていくのではないかなと。
 さらにそこを促進させるのに、ここで何回か申し上げている中で、SIB、ソーシャル・インパクト・ボンドみたいな、成果型支払いみたいな考え方をやはり入れた方が、民間活用の促進という中で、やはり成果が出てこないと大きくしていけないので、この間ちょっとある会で聞いたんですが、2019年度、内閣府に成果型支払いの推進室もできるというふうに聞いていて、これは必ずしもSIBとしてでなくて、成果型支払いを自治体との連携で促進していくということを含んでいるみたいなんですね。SIBにすると全部、投資も受けないといけないので、ここは結構ハードルが高いんですが、成果型支払いの導入にすると、民も非常にチャンス、いい民が伸びるというチャンスになってくるので、こういうようなことからいくと、医療費とかそういうのを下げるには、多くの人が参加しない限り自治体としてはメリットが出ないので、そうすると実施率が上がると、そういうような意味での成果型支払いを入れることによって結果的に実施率を上げていくみたいな、そういうロジックがあるのではないかなというのが、長くて済みません、1点目です。
 2点目はエビデンス、4番目の地方自治体の現状の見える化なんですが、これは私が勝手に言っていいかどうか分からないんですけど、国交省の都市局の都市計画課とまちづくり課などが連携して、今、全市町村のレーダーチャートがオープンになっているんですね。これは全部オープンデータで作られていて、我々ちょっとこの間話してきて、まちづくりとの関係の中で、その中に医療費とかそういう関係が入っていなかったのを、今、それを入れるように彼らの方で直してくれるということで、さらにここにスポーツ実施率とかそういうのも入れてもらうと、実は全市町村のデータがもうオープンで、毎年これは更新されるので、そういう連携をすることによって、改めてこちらのスポーツ庁で作らなくても、そういうものが見られる。さらに学術機関は、それはエクセルでデータがもらえるので、例えばスポーツ実施率とかそういう関係で分析をするとか、そういうこともいろいろな研究者がやり出すことによって各地域にフィードバックを掛けるということにもなるので、せっかく同じ政府内でやっていることなので、これを活用しない手はないのではないかなと。もうこれはホームページで簡単に見られますので、一度見ていただくといいのではないかなというふうに思いました。
 3つ目は、今年、大阪の高石市をフィールドにさせていただいて、子育ての母親のスポーツ実施率が低いということで、そこの調査を我々の研究室で掛けたんですが、その結果が出てきたところ、やはり85%が運動していないと、子育て母親です。ただ、いいデータは、そのうち90%はやりたいと答えているんです。つまり、やれていないけど、やりたいと。そのときにどういうやり方がいいのかということをいろいろ聞いていく中で実は一番多かったのが、子供を預けて自分がやれるような体制をとればいいのか、自治体の施策に寄与するための聞き方をしているので、そういうことかなと思っていたら、一番多かったのは一緒にやりたいと。子供と一緒にやれるような環境が欲しいんだけど、そういう場が非常に少ないというのが1つは出てきていましたので、このあたりも、やはりこういうデータが出てくると政策の組み方が。イメージと意外にギャップがあるものですから、このあたりは非常に参考になるし、この辺が促進することによって政策がよくなっていくのではないかなというふうに思いました。
 ちょっと長くなりましたが、以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。どれも貴重な御意見だと思います。
 津下委員、お願いします。
【津下委員】  スポーツ推進委員制度なんですけれども、これは、委嘱される方はこれまでスポーツをやっている方に委員になってもらうことが多いんですか。それともスポーツが嫌いな人も当たるのでしょうか。というのは、地域でボランティアをやっているスポーツの委員の方は、これまでの、特に御高齢の方だと昔風のスポーツのイメージで、好きな人がやることに対しては割と関心があるんだけれど、やっていない人も含めてすることにはあまり関心がなさそうにも見えます。これから目指す実施率においては、同じ人が繰り返し参加することよりも実施者を広げていくところにあると思うのですが、このスポーツ推進委員さんの大きな役割があるという、スポーツ推進委員さん自身の活動目標をどう上げていくのか、どうシフトしていくのかということです。そのあたりも御検討いただければと思っています。
 それから、実はスポーツとは本人は思っていないかもしれないけど、お祭りとか、自治体でいろいろなイベントがあるとき、その準備から含めて、かなりの身体活動量になっているし、それから子育て中の母親が運動していないかというと、子供を抱っこして買い物をして家事をするなど、女性の筋力というのは維持される傾向にあります。男性の筋力は20代以降どんどん落ちるんですけど、女性の筋力って落ちないですよね。かえってたくましくなっていくというようこともあります。スポーツと捉えていないけれども、子供と一緒に買い物に行き、荷物を運んだり、いろいろな家事そのものが、身体活動という意味ではもう少し評価してこいいんじゃないかなとも思います。スポーツをどう捉えるかということもあるんですけれども、子育ての中にスポーツを入れるとかいうようなことも、見方を変えることもどうなんだろうなというふうに思ったりします。
 それから、総合型地域スポーツクラブが学校の部活よりも何かいい点があるといいなと。例えば、スポーツの分野のプロとか、アマチュアでもかなり実績のある方に時々教えてもらえるとか、総合型スポーツクラブに中学生、高校生が行きたいと、そこに行けば何かいいことがあるという、強みは何でしょうか。部活の受け皿というよりも、そこならではの強みが見えてくると、子供たちも積極的に参加したくなるのではないかなというふうに思います。広域に実施できるとか、そういうスポーツ協会と連携しているというあたりの強みで、魅力とか楽しみとか、又は総合型スポーツクラブ同士での対戦とか、いろいろそういう参加したくなるスポーツクラブづくりというのにすごく期待をします。一方では高齢者などが、例えば通いの場とか、いろいろなところでスポーツを実施するんですけれども、そのリーダーたちを育てる場とか、そういう総合型スポーツクラブが学びの場であり、そこで習ったことがもうちょっと小さいコミュニティの中で発揮できてくるような、面的な取組をもっともっと進めていただくといいのかなと思っています。
 それから、中長期的というときに、中期と長期の、これは何年をめど、10年をめどとか、いろいろあるかなと思います。何年後にどういう状態になっていればいいということのイメージがまずできると、計画に落としやすいのかなというふうにも思いました。医療費、介護給付費、扶助費を減らすという面も大事だし、それから次世代を育てるという面と、両方狙った計画になるといいかなというふうに思います。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。とりあえずきょうはいろいろな意見をまずは聞きたいというふうに思います。
 豊岡委員、お願いします。
【豊岡委員】  2点、お話しさせていただきたいと思います。
 1つは総合型地域スポーツクラブでございますが、私どもの市では、この文面にありますように、総合型地域スポーツクラブは――間を飛ばしまして――現状、必ずしも十分に機能しているとは言えないという実態があるんですね。それはなぜかというと、まず後発なので、体育協会という競技団体が中心となった組織があって、もう一つはスポーツ推進委員制度があって、もう一つは小学校区ごとに体育振興会という組織があるんですね。そういう中で、この総合型スポーツクラブが地域のコミュニティと連携ができないんです。とうことで、やはりちょっと宙に浮いてしまったような状況になっていざるを得ないという状況にございます。
 ですから、ここの文言の中の「地域コミュニティの核として、地域スポーツ環境の充実やスポーツを通じた地域課題解決などの公益的な取組」をしている組織は、実は小学校区ごとの体育振興会という組織でございます。ですから、その体育振興会という組織を強化するということ、これが一番末端でもって子供から御高齢の皆さん方までのスポーツや健康づくりをやっている団体でございますので、是非そのところを強化するということを国策としてやっていただきたいというふうに思うのが1点でございます。
 それから2つ目は、後段に行きまして障害者スポーツの推進のところがございますが、コーディネートを行う人員という意味で、コーディネートを私どものところもスポーツ推進委員さんが、かなり意識の高い方たちがいまして、担ってくださっているわけです。ですからスポーツ推進委員の役割の中の1つに障害者スポーツをサポートするというところも考えていただけると、よろしいのではないかなというふうに思います。
 最後に全体を通じまして、私どものところは、鈴木大地長官がおっしゃっていますように、スポーツを通じて健康づくりをして医療費を下げようと、健康寿命を延ばそうということを主眼にして取り組んでいるまちでございますので、そういう点で、久野先生から御指導いただきながら取り組んでいるところでございます。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。多分自治体によって、三島市ですと小学校区ごとの体育振興会が中心なようですけれども、我々が目指すところは、総合型クラブもそうですし、スポーツ推進委員もそうですし、そういった人たちがみんな連携することによって地域にスポーツを推進するためのプラットホーム、核を作っていこうというのが文脈であると思いますので、そこはそこでまた工夫が必要かなと思います。今、スポーツ推進委員の話が津下先生からも出ましたけれども、スポーツ推進委員の実態について簡単に、萩委員、御説明願いします。
【萩委員】  スポーツ推進委員さんたちが今1つ抱えている問題は、高齢化という部分と、役割意識が、我々が求めているものとは違うのではないかなということです。ほぼボランティアで、すごく一生懸命現場ではやってくださっているんですけれども、私たちが期待するような役割は、今の状態のままでは無理ではないかと思います。もちろんそういう方たちに力を付けるということも必要だろうと思います。しかし、実際は体育推進委員さんがスポーツ推進委員さんという名前が変わっただけで中身は何も変わっていない、旧態依然としておりますので、その辺のところは本当にがらっと変えないといけないのではないかと思います。
 津下委員も御指摘されたように、中長期的なというあたりが具体的に何年ぐらいをめどにどうしようというところが見えて、制度化とか制度改正という、かなりこの大きな手術というか、ドラスチックに変えていかないと、これは実現しないだろうなと思います。学校開放の問題も同じで、今、学校開放は教頭先生や副校長先生が鍵の開け閉めなど、いろいろな連絡調整をやっていますけど、こういう制度だったらやはり改善しないと思うんですね。これも地域のスポーツクラブにお願いするというような制度改革ぐらいドラスチックに変えていかないと、きっと何も変わらないかなと、ちょっと心配しているところでもあります。
 スポーツ推進委員さんについて、5万人はいるけれども、この5万人にどういう働きを期待できるかというと、今のままでは難しいと思います。また、新たに若い人たちがなかなかやりたがらないという問題もあろうかと思います。魅力的なものであれば、それこそイベントを企画運営したりとか、そういうことも一緒にできるような役割になれば、もっと活性化していくのではないかなと思います。
 以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。村上委員、お願いします。
【村上委員】 関連してお話しさせていただきます。1つは町村の場合、2040年問題の関係もありまして、どんどん少子高齢化が進んできております。町村においては、スポーツ推進委員さんを行政区の区長さんにお願いをして、やっと見つけているのが現状です。保護者等の若い方々が引き受けてくださっても、自分たちの子供が小学校又は中学校にいる間だけだと期間を決めて引き受けています。そのため、保護者は子供が中学や高校に入学すると、推進委員を辞めるケースが多いです。若い方々がスポーツ推進委員を継続していかないことが現状であります。そういった意味では泉委員や他の委員の方々が話されていたように、総合型地域スポーツクラブやスポーツ推進委員の問題を考えながら制度等の中身も変えていかなければならないと思います。 
次に中長期的な施策の方向性に、学校施設をスポーツの場として開放しスポーツをしやすい環境を作っていく、と整理してくださりありがとうございました。田舎であればあるほど、学校の校門はチェーンで塞がれているため、校庭や体育館を開放してもらえずグラウンドでスポーツをすることができない状況です。そのため今回、このようなことを施策の方向性として整理いただけたので、よかったなと思います。
 蔵王町では、教育委員会の中にスポーツ振興課を立ち上げました。私の部局の保健福祉課と教育委員会のスポーツ振興課が連携をし、温水プールや体育館を使いながら健康増進を図っております。このようなことをしながら、宮城県内の中でも医療費の削減は五本の指に入っていると思います。そういった努力はさせていただいているのですが、いろいろなことを進めていくに当たって、町の財源がどんどん出ていくことも現状であります。
 あとは施策の方向性を策定する上でのスケジュールの問題です。この施策の方向性が、2020年東京オリンピック・パラリンピックが過ぎた後に出来上がると意味がないと思います。国民の皆さんがオリンピック・パラリンピックに向かい、スポーツを通じて健康増進を図っていくことを目的として進めていると思いますので、是非一つ、計画的にスケジュール等を進めていただければと思います。もう1点、官民連携についてです。この官民連携において地方自治体と民間の役割等を明確に記載する必要があるかと思います。それと、2019年度の予算からいうとどのようなことができるのかと思いましたので、できればそれぞれの都道府県の中に1つのモデルを作ってもらうと良いではないかなと思います。最初の段階から皆さんでスタートしましょうといっても、この予算の中から見た場合いろいろな問題が出てくると思います。できるだけ市町村の中も見ながら進めていくことも必要ではないかなと思いました。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 松永委員、お願いします。
【松永委員】  失礼します。まず1点目です。資料9の総合型地域スポーツクラブの質的充実のところで、総合型地域スポーツクラブが全市町村の80.8%に設置されていることが明記されています。資料3も同様で、毎年このような形でスポーツ庁から示されている点について、この場が適切かどうか分かりませんが発言をさせて頂きます。これは各市町村に最低1つの総合型地域スポーツクラブ設置が目標とされ、都道府県内の全市町村にそれぞれ1つの総合型地域スポーツクラブがあれば100%と明記されています。しかし、全国的に市町村合併の流れがあり、旧市町村単位でみてみると数値は当然低くなります。つまり、実感としては身近に総合型地域スポーツクラブが少ないにもかかわらず、100%など高い数値を表記することで、総合型クラブについては、一定設立するクラブが落ち着き、創設等についての役割は終わったというような印象となり、逆に総合型地域スポーツクラブ創設を減速させているのではないかという気がしています。当初、各中学校区に1つの総合型地域スポーツクラブがあることが理想といわれていたことや、スポーツ実施率の向上ということを新たに提案しようとすれば、設立されたクラブの質的充実も重要ですが、身近に総合型地域スポーツクラブがない地域への支援もまだまだ必要となります。つまり、総合型地域スポーツクラブが多い市町村と少ない市町村で実施率がどのように異なるのかですとか、総合型地域スポーツクラブがある地域(エリア)の実施率や運動・スポーツ・健康・医療費などに関連する数値などを示していく必要があると思います。スポーツ庁の評価指標はなかなか変えられないとは思いますが、この資料3と資料9の表記では、各自治体との温度差があり、次のステップへと広がりを見せるための工夫が必要だと思います。
 2点目です。先ほどからスポーツ推進委員、総合型地域スポーツクラブ、部活動の関連のお話が出ていますが、共通する人材の件について、まず部活動の外部指導員の状況についてのお話をさせて頂きます。大阪市の教育委員会では今年から教員免許取得を目指す現役の大学生やこれまで同様にスポーツに深く関わってきた方を部活動の外部指導員として認めていくなど、人材発掘にあたり対象を広げています。ただし、現役の大学生には、研修会への参加や大学からの推薦書を求めるなど一定のハードルを設け、時給2,500円という設定をしています。一方で、総合型地域スポーツクラブの一部のスタッフ、あるいはスポーツ推進委員さんは、ほぼボランティアベースでやっていただいていいます。部活動、総合型地域スポーツクラブ、スポーツ推進委員の活動内容や時間帯も異なりますので単純には比較はできませんが参考にすべき時給であり、採用された新たな外部指導員という人材は地域という共通するキーワードで繋がる存在となります。地域スポーツ推進にあたってはさまざまな部署、団体・組織がいろいろな方法で人材を集めていますが、先ほどからキーワードとして出ているプラットホームや中間支援組織など、人材発掘・育成についても総合的な仕組みづくりが非常に重要となります。プロに関わる人材も含めて、スポーツ界で働く人材の条件が良いとはいえない現状も踏まえて、早急に考えていかねばならない課題です。
3点目です。先ほどから皆さんの御発言の中で、キーワードとして学校施設が挙がっていました。特に久野委員からは、学校施設でお子さんと一緒に活動したいという方がおられるというご発言がありました。小・中・高等学校のみならず、多くの大学でも大学スポーツ振興の関係で地域貢献プログラムや応援促進プログラム等を進めていると思います。大学においてもやはり女性あるいはお子さんがいらっしゃる方への施設の整備はほとんどできていないというのが現状です。託児施設等はもちろんないケースがほとんどですし、例えばお子さん(乳幼児)と一緒に来られてトイレに入っても、ベビーチェア等は学校や大学にはほとんどない状況です。また、いろいろなところで発言させて頂いていますが、和式トイレが依然として多くを占め、洋式トイレ化が進んでいない学校施設、公共施設、大学の施設も多く、スポーツ関連施設のみならず、公共施設全般、特に学校(大学)を含めた施設の整備は急務です。場合によってはそのための補助制度なども考えていかないと整備はなかなか進まないのかもしれません。
スポーツ実施率向上について、異なる3つの視点からお話をさせていただきました。以上です。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 それでは、増子委員、お願いします。
【増子委員】  今皆様のお話をお伺いしていて、障害者スポーツが東京2020が来る関係で、競技スポーツに関しては格段に情報も集まって、知名度も高まって、広まっているところを感じている反面、障害者の生涯スポーツや地域スポーツというのはまだまだこれからなんだなということを痛感しておったところです。
 2年前に第2期スポーツ基本計画が策定されるときに、パラリンピアンズ協会の委員の皆様が審議会の方に入られて、ますますの障害者スポーツの充実ということで章立てして、特出しをした形で進めていただいて、今現在これだけのボリュームのものができあがってきました。その中で、障害者の地域スポーツと障害者の健康スポーツ、障害者の一生涯のスポーツが、いかに一般の生涯スポーツと連動していて、影響されているかというのを非常に感じているところです。
 そうした中で、これだけのボリュームのもの、医療、福祉、教育とずっとお話を聞いていく中で、ではエビデンスに基づく障害者の健康スポーツのものというのがあったかと考えるとあまりないというのが正直なところです。最近のスポーツ庁の取組を見ると、大学のスポーツの連携ということで、いろいろなことがどんどん進んでいく中で、障害者の地域スポーツを大学が研究で取り扱っていただけるというところがなかなか見当たらないところが実情です。、そういった専門の研究機関の御協力をそれこそ得ながら、ここにありますエビデンスに基づく、障害者の健康スポーツに関しても現状が見えるような形で把握をする必要があるなということと、また、2番にありますスポーツに関する研究の充実・調査研究成果の利用促進のところにも障害者の医療費にも関わってくると思います。うんですね。障害者というのは、等級が重くなればなるほど医療費が控除されているということもございますので、障害者が増えていく中で、そういった国の負担、医療費の負担も多くなっているというところにも関係してくることもあります。
 あらゆる面で、そうしたエビデンスに基づくデータの活用をして、見える状態にして、何をしていくのかという整理がまず必要なのだなということ、あとは、この障害者スポーツの推進にありますような、ここはピンポイントでやるとスポーツ実施率が高まっていくだろうというところを併せて進めながらも、そうした根っこの部分というのも整理していく。大学の皆さんの研究の実績、そういったことを御協力いただきながらしていく必要があるというのを感じておりました。
 また先日、生涯スポーツ全国会議の方でも、女性スポーツの分科会の方でご一緒させていただきました日本スポーツ協会の医・科学委員会の川原先生が、障害のある人こそスポーツをした方がいいということをおっしゃっておりました。女性スポーツの分科会の方障害者というのは調べていくうちに女性の比率が高かったのですが、けれども、運動されている方も少ないし、寝たきりというか介護になる方も、障害を負ってしまった後は女性の方が多いということも調べていくうちにわかりました。それは健常者のときに、障害を負う前に運動習慣が少なかったということや、元々の筋力差というものもあって、リハビリテーションを男性と同じ内容でやっても成果には時間の差が出てくるというところもお話をさせていただいたところです。
 そうしたものも含めまして、いろいろな情報を集めながら、御協力いただいて、連携して進めていけたら、と感じました。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。先ほどの総合型地域スポーツクラブと市町村合併の話の統計のとり方もそうなんですけれども、エビデンスの重要性というのを毎回やるたびに認識させられますね。
 さて、髙﨑委員、お願いします。
【髙﨑委員】  定期的にお話ししていることですが、資料9を読ませていただくと、本当に大事なことばかりで、時間を掛けてまとめ精度を上げられるのだと思います。
 ただ、考えてみると3年ぐらい前から、同じようなテーマが続いているわけです。ひょっとすると、これは構造的に問題があるんじゃないかなということで、我々の領域で言う経営のノウハウだと考えられます。以前にもお話ししたことがありますが、この部会の役割の一つは、ソーシャルマーケティング=政策をどうやってうまく伝えて社会を動かすことだと言えます。これは、英国のロイヤル・ソーシャル・マーケティングセンターでも言われていることですが、政策と戦略と実行という部分があると言われています。この3つの段階を全部やりきり、資料9にあるものも効率的かつ効果的にやったとしても、おそらく同じような成果の来年が来てしまうのではないかと思います。私達は今週、健康経営に取り組む企業の健保組合の方々に、ポスターやチラシの作り方の研修をします。来週は国民健康保険を担当されている自治体の方にも研修をするんです。そのような具体的なオペレーションの部分を、政策立案の後に啓発できたらいいなと思います。
 1月25日と26日に、健康スポーツ課の安達課長や厚労省の皆さんも来られてて、広島でFUN+WALKと、厚労省のスマート・ライフ・プロジェクトとの合同イベントを行いました。経産省中国局も加わり3省連携で開催されたのですが、モールウオーキング、ヨガ、健康セミナー、表彰もありとすごく盛り上がり実施されました。このような手法を本日の冒頭に出たとおり横展開をすれば、47都道府県にはできるのだと思います。また、先日、経団連に陸連の早野さんや安達課長にもお越し頂き、スポーツ実施率向上やランナーを増やそうというお話しを頂きました。陸連の皆さんは、各地を回って説明をされています。広報・啓発について関係者が勉強できるといいと思います。博報堂の横山委員もおられますので、このようなことは、できるだけ具体的に早く進めることをお勧めする次第です。よろしくお願いいたします。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。それでは、小松原委員、お願いします。
【小松原委員】  先ほど近藤委員もおっしゃっていましたように、我々保険者も是非連携をさせていただきたいと思っております。実は髙﨑委員のところと今、一緒になって、特定保健指導のときに、食事指導ではなくて運動指導で介入できないかということで連携を図っていますが、やはり個人情報の壁があります。せっかくスポーツクラブに通ってもらっても、そこでどのくらいの運動しているかというデータが取れなくて、今後エビデンスで世の中に物を申していくには、そういうところまでしっかりと取れるようになるといいなと思っています。
 もう一つは、企業における従業員のスポーツ実施の促進という項目がありますが、企業での健康確保というと、メンタルヘルス対策であったりメタボ対策、あるいはがん対策というのが現状です。そこで運動やスポーツの重要性というものをどうやって企業側に訴えていくかというのは、やはり先ほど久野先生がおっしゃったように、なぜ企業に運動やスポーツを推奨していくのかという理由付けが必要になってくると思います。今働き盛りの人口がどんどん減ってきていますので、定年延長などで高齢になっても元気で働く人たちが増えてくることを鑑みると、ロコモ対策としての運動、スポーツというのは非常に大事になってきます。メッセージとしてもっと前面に出して、企業のトップの方にも運動やスポーツを取り入れていこうとい、そういう醸成をしていかなければいけないと感じております。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 大久保委員、お願いします。
【大久保委員】  私からは2点、意見をお伝えしたいと思います。1つめは、「1の(3)スポーツをする場の確保」についてです。その2つ目のところの、「学校や公園、道路などのあらゆる空間を活用してスポーツをしやすい環境」という意味では、今回のパブコンの行政部門の「ふとももすっきりプロジェクト」というのも、この項目とリンクしていると考えました。今回のパブコンに私も少し携わらせていただきまして、学校部門でも、学校での遊び場とかアスレチック計画とか、思わず動きたくなる場所を作ろうというプランもあったかと存じます。都市部では、そういった意味では歩道や車道に自転車の通路が最近はできて、自転車通路を設けるような環境整備がなされてきています。同じように、歩道に、そういったマーキングというか、マークをすることで、思わず歩くというようなことにもつながっていくのかなと思いました。
 また、今回の行政部門の御提案が経産省の方からということもありましたし、厚労省や国交省や環境省などとも連携することで、「生活の中にスポーツ」という姿に一歩近付けるのかなとも考えます。先ほど、泉委員が今回のパブコンでは、ほかにもよいプランがたくさんあったとおっしゃっていました。そのようなよいプランのアイディアもこの項目の中で生かせていけるのかなと思いました。本日、長官からも、大学の研究室でもっと積極的に取り組んでほしいというご要望があり、実際に一般部門でも大学の研究室からの応募が受賞に至るという経緯があり、取組がなされてきていると思いますので、私たちも大学でさらなる議論をして、今後のスポーツ実施率向上に向けての一助になるべくフィードバックできたらと思います。
 もう一つ、最後に、4つ目のエビデンスのところで、2018年の海外のレポート、研究論文の中で、世界の14億人以上の人が今、運動不足であって、非感染性の疾患のリスクが高いというレポートも出てきています1)。既に皆さん御存じかもしれませんが、WHOにおいても身体活動に関する世界行動計画というものが策定されて、2018年から2030年までの間の行動計画が出てきています2)。その中では2025年までに世界で運動不足を10%減らすという目標を掲げているというようなことからも、世界の健康をつかさどるWHOとしての流れも私たちと同じ方向で行動計画が策定されているということをお伝えしたいと思いました。
 以上になります。
文献(後日ご本人より)
1)Guthold R, Stevens GA, Riley LM, et al. Worldwide trends in insufficient physical activity from 2001 to 2016: a pooled analysis of 358 population-based surveys with 1·9 million participants. Lancet Glob Health. 2018 Oct;6(10):e1077-e1086.
2)WHO. Global action plan on physical activity 2018–2030: more active people for a healthier world. 2018
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 後山委員、お願いします。
【後山委員】  私も髙﨑委員のお話と同様なんですけれども、やはり実行をどういうふうにするかというところが大事かなと思っておりまして、特にこの研究成果の利用促進というふうにあるところなんですけれども、学術会議さんの方にもお願いしているエビデンスとかをどのように伝えていくかということがすごく重要なのではないかと思っています。単純にプレスリリースに配信するだけではなくて、きちんと伝えるということをしていった方がいいのではないかなというふうに思いました。
 特に、萩先生のお話を聞く前までは、スポーツ推進委員が5万人いるのであれば、この方々を活用しながら、いわゆる各自治体であったりとかに広げていくというのがいいのかなと思ったんですけれども、実態をお聞きすると、なかなかそういったことも難しいということであれば、このスポーツ推進委員というもの自体をやはりきちんと考え直すべきなのではないかなというふうには思いました。
 例えば、この5万人というのが、もしネットワーク化されているのであれば、この方々を活用しながら、国が調べたエビデンスだったりとか、スポーツ庁さんがやられる新しい事業だったりとか、そういったものをいかに、自治体さんだったりとか、あと地元の企業さんだったりとか地元の人々に伝えていくかというところができるのではないかなと思ったので、このスポーツ委員がどうなるか今分からないんですけれども、ここに関してはきちんと実行できる部隊としての新しい考え方をしていくべきなのではないかなというふうに思いました。
 以上でございます。
【渡邉部会長】  ありがとうございます。
 時間になってしまいました。まさにオペレーションはソーシャルマーケティングの観点でしっかり実行していかなければいけないし、エビデンスというのも整理するだけでなくて活用をどうするか、それを実行にどう結び付けるかというのが大事であると再認識いたしました。
 それでは最後、長官から一言お願いしたいと思います。
【鈴木スポーツ庁長官】  皆さん、きょうは、渡邉部会長、また泉部会長代理を中心に活発な御議論を頂きましてありがとうございます。きょういろいろお話をお聞きして、大変勉強になりました。議論1のところで、各自治体の首長直下のスポーツ部局を設置する傾向にあるという、非常にいい傾向だというふうに思いますが、それをさらに促進させるためには、まず国がいろいろな省庁ともっと連携を図っていくところを示していかなればいけないだろうと思います。私たちは厚労省さんとまず昨年、連携会議を持たせていただきましたが、まだまだだと思っています。先日、財務省でも講演をさせていただきましたが、何々省に就職するのではなくて、日本国に就職した気持ちでみんな頑張りましょうという話をさせてもらいましたが、やはり連携とか横串を刺すということがこれから大事なんだろうと思います。
 議論の2のところも結局は、やはりいろいろな省庁や各組織と連携を図っていけばもっと進むんだと思いますが、まだまだ進まない部分があります。まさにここにいらっしゃる委員の方も、それぞれのフィールドで発信に御協力いただきたいと思います。
 この分野、少しずつですけど、進めてまいりたいと思います。皆さんの御協力をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは最後に、事務局から今後のスケジュールをお願いします。
【安達健康スポーツ課長】  ありがとうございます。今後の日程につきましては、また追って事務局より御連絡させていただきます。また、きょうは本当に大変貴重な御意見、ありがとうございました。言い足りない部分もあると思いますので、毎度のお願いですが、御意見やお気付きの点は事務局に、メールで結構ですので、お寄せ願います。
 最後に1点、次回についての御連絡です。ペーパーレス会議の導入を今進めておりまして、前回のスポーツ審議会総会もペーパーレス会議となっております。次回は健康スポーツ部会におきましてもペーパーレス会議の導入を検討しておりますので、あらかじめ、お知らせさせていただきます。
 きょうはありがとうございました。
【渡邉部会長】  ありがとうございました。
 それでは、第8回健康スポーツ部会を閉会いたします。ありがとうございました。

―― 了 ――

お問合せ先

スポーツ庁健康スポーツ課