資料1 健康スポーツ部会(第7回)での主な御意見

【スポーツ実施率向上のための行動計画の策定の報告】
<全体>
○地方スポーツ推進計画に係る調査に関しては非常に有益なものと思う。この結果のフィードバック、周知をしっかり実施していく必要がある。

○民間企業で様々なイベントを実施されているが、イベントの前後で、スポーツ実施率がどのように変わったかというエビデンスを取っていくことが重要である。

○今、震災被災地で、中心市街地活性化法を活用してまちづくりをしているグループがある。そこで、スポーツ、健康を軸にしたいというオファーもいただいている。

○未利用・低利用の公共施設とか公園・廃校等の活用について、文科省にすごく後押しをしていただいている。8月に大きなイベントもあったが、問い合わせ、オファーがたくさん来ているところ。

○他省庁との連携・協力は、現実的には結構難しいところもある。スポーツ庁が主体となって取り込んでいくのか、また、既に先方が動いているところにうまく入れ込むなど具体的なイメージが必要。

○地方スポーツ推進計画に関して、現状、地方自治体がこういう計画づくりで疲弊しているという状況もある。そういう状況の中で政策効果を出していくためには、やはり何らかのインセンティブがないと小さい自治体は動かない。

○健康ポイントは、厚生労働省がそういうものをやると国保調整交付金で上乗せができるというインセンティブを用意して誘導している。財源が必要なことはすぐにはできないかもしれないが、検討しないことには始まらない。

○スマートウエルネスの取組は、スポーツを推進する課だけではできないので、全庁的な取組にして、様々な分野から、また、障害者も含めて取り組んでいる。

○スポーツと観光を組み合わせたスポーツツーリズムに関して、スポーツ産業振興協議会において、東京大会の自転車競技が静岡県東部で行われるのに合わせて、様々なアクションを起こしている。

○1歳半の健診のときに、ボールをプレゼントして、スポーツ推進委員がお母さんに遊び方を教えるということも行っている。

○これまでのスポーツ環境の整備やスポーツをする人の条件設定という段階から、内発的動機付け、楽しいからスポーツをするという楽しさの指標や楽しさの分類、枠組みを踏まえた施策の具体的な中身を構想していく段階に来たと感じている。

○楽しさには階層性があり、運動欲求を満たすだけの楽しさの段階から非常に高次な段階まで、どの楽しさの質に応じて具体的な施策を行っていくかを、ある程度分類しながら、枠組みを示していくことが必要ではないかと思っている。

○楽しいから人は運動する。楽しくなければ、体に良くて健康に良くて、あるいは様々な疾病予防につながることはわかっていても、運動しない人達がいるというのはデータで出てくる。

○診療のためとか健康のためという観点では、「運動してデータがよくなったね」とか、そういう体の変化のフィードバックを、日常の診療とか健診の場面でメッセージとして出していくことが重要かと思う。

○経済産業省と厚生労働省が一緒になって健康スコアリングを出している。特定健診の中に運動3項目があり、そのスコアを出して、「この健保は上位1/3」だとか、「業態平均と比べて高い」とかそういったデータを提示している。

○日本スポーツ協会では、「スポーツ推進方策2018」を策定し、競技として行うものだけではなくて、健康維持のための体操、運動、あるいは新たなルールやスタイルで行うもの、こういったものも全て、スポーツとして捉えようということを明記した。

○日本スポーツ協会では、6月に提言を行った「今後の地域スポーツ体制の在り方について-ジュニアスポーツを中心として-」の中で、スポーツ少年団、あるいは総合型地域スポーツクラブ、運動部活動の連携を進めることを明記している。


【「地域における健康スポーツ活動」(津下委員説明資料)について】
○運動・身体活動は、高血圧や肥満・メタボの改善、さらには循環器疾患、がんなどの予防につながる。また、これらの疾病について、運動習慣がある人の方が再発予防にもつながるというエビデンスが集積されている。

○メタボ系の生活習慣病のほかに、ロコモ、フレイルなどの整形外科、運動器の疾患が増えてきており、これらは薬剤で改善できず、運動習慣の獲得が重要。

○健康スポーツ医の役割で重要な点として、運動したいけれど今はしていないという人の健診や診療の場面に遭遇し、運動に対して背中を押せるとか複数のリスクを抱える患者さんにアドバイスできるといったことがある。

○健康スポーツ医学委員会川原委員を中心に、産婦人科医がスポーツに関する講習を受ける取組を実施しており、声がかかれば動けるように準備を進めている。


【スポーツ実施率向上のための新たな制度創設・制度改正も視野に入れた中長期的な施策について】
○自治体を訪問していると、もったいないなと思うことがたくさんある。先程、通知、依頼をするという発言があったが、受け取る側の進め方のところへもう少し踏み込んでいかないと進まない、

○最近、コレクティブ・インパクトという考え方もあり、経産省ではSIBでやっているが、公共政策を進める手法としていろいろなことが研究されているので、そういうことを共有するようなことも考えられたらよい。

○公式の会議の他、もっと意見を言い合える非公式会議もやったらよい。

○ハードの側面とソフトの側面と2つがあり、どう議論していくか。ハードの側面で超えなければならない壁もあり、ここをどのように超えていくのか、スポーツ庁が勧告や助言をするのか、あるいは協力関係を作っていくのか。

○スポーツ参加のための内発的な動機づけをどう担保していくのかという点は、それぞれのレベルにとってやはり必要な内容である。どういう条件が必要で、どういう環境が作られていく必要があるかは丁寧に議論して示すことが必要。

○エビデンスが足りない領域がある。厚労省であれば厚労科研費が政策とリンクした形であるように、スポーツ政策科研費のようなものを作れないか。

○SIBの話題があったが、完全なSIBをやるためには、民間からお金を入れるその仕組みまでを全部作るのは結構大変。仕組みの中で後半のところだけを取ったような成果型での実施を図っていくことが考えられないか。

○企業の取組については、健康経営を含めていい事例が出てきているが、非常につらいのが中小企業。中小企業をしっかりやっていかないと、健康格差という意味での是正にもならない。

○人材育成の観点からは、保健師の方々とスポーツ指導者系の方々のリンケージをどうしていくか。特に保健師の方々に、いわゆるスポーツの力がこれから予防、健康づくりにもっと貢献するという理解を深めていただくことが重要。

○例えば、日本看護協会と日本スポーツ協会が連携協定を結んでフレイル対策を一緒にやるとか、そういった具体的な取組の中で、いわゆるこれまでの医療側の人材に、よりスポーツを理解してもらうような仕掛けも具体化していくことが大事。

○柱の一つとして、評価方法の研究が必要である。今後、市町村間でいろいろな進捗度合いを調べるときも自治体によって質問の仕方が違ったりするとすぐ1~2割ずれてくる。国が標準的な評価手法を提示することも重要。

○今まで進めてきた障害者スポーツは、医学的な観点、リハビリテーションが発達したもの。今後は教育現場などで、障害児が子供の頃から発達段階に合わせたスポーツの取組に、体育の授業や部活動も含めて取り組んでいくことになる。

○学校現場で障害者スポーツの浸透を図っていく際に、学校の体制がどのようになっているかを把握し、どのように根付かせていくかを検討していく必要がある。

○小さい頃、スポーツをやっていた人がそのままスポーツをやっているわけではない。むしろ、面白いとかのめりこんだとか、気持ちよかったとか、そういう気持ちで運動を経験した人が運動習慣を持ち越している。


【総合型地域スポーツクラブにおける登録・認証制度の整備について】
○現状、様々なクラブがあり、ガバナンスが脆弱なところ、これは民間主体ではないかと思うところ様々ある。ガバナンスを効かせるということが、時代として必要になってきたのではないかと感じる。

○総合型クラブでは、志の高い、熱意がある人が在籍していたときはよいが、その人が抜けてしまったら体制が崩れたといったクラブもある。そういった課題を今後うまく整理できていければと思う。

○きちんと基準を満たせるところがどれくらいあるかは気になる。また、ただ単に認定で終わるのではなく、その認定に至るプロセスをどうサポートするかということも併せてやっていかないと、質の向上にはつながらない。

○2020年に、この制度をスタートできるよう、今年度は新潟県と兵庫県で実証実験を実施している。都道府県の行政がいかに県体協あるいは県のスポーツ協会、市町村を含めてしっかりとご指導いただけるかということが大きなポイント。

○今回訪問した中で、人口616人の村で活発に活動する総合型地域スポーツクラブがあった。これまで想定できていなかったところで、こういった例は、まだ、見逃しているところもあるかと思う。                                       

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