スポーツ審議会スポーツ基本計画部会(第8回) 議事録

1.日時

開催日時:平成28年11月18日(金曜日)10時00分~12時00分

2.議題

  1. (1)第2期スポーツ基本計画の素案について
  2. (2)その他

3.出席者

委員

泉部会長代理、伊藤委員、大塚委員、久木留委員、桑田委員、境田委員、髙橋委員、田口委員、田中委員、友添部会長、萩委員、福井委員、増子委員、結城委員、和久委員

文部科学省

鈴木長官、平井スポーツ総括官、勝田参与、木藤参与、澤川政策課長、八木学校体育室長、井上健康スポーツ課長、田中障害者スポーツ振興室長、先﨑競技スポーツ課長、勝又オリンピック・パラリンピック課長、仙台参事官(地域振興担当)、由良参事官(民間スポーツ担当)

4.議事録

スポーツ審議会スポーツ基本計画部会(第8回)議事録
平成28年11月18日
 
 
【友添部会長】  おはようございます。秋も大分深まってまいりました。ということは、基本計画のゴールラインも大分近付いてまいっておりますので、本日もよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、第8回を開催したいと思います。お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、スポーツ審議会総会から山脇会長にも御出席いただいております。
 議事に入ります前に、まず、本日の配付資料の確認を事務局からお願いします。
【澤川スポーツ庁政策課長】  失礼いたします。お手元、議事次第をご覧ください。本日、資料の方は3点お配りしております。そのほか参考資料等々がございます。資料1は、第2期スポーツ基本計画の骨子ということで、全体についての目次です。資料2は、第2章についての記述ということで、資料1、資料2は前回御議論いただいたものの修正という形になってございます。資料3は、第3章、今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策の案ということでございまして、これは今回初めてお示しするものでございます。前回は目次という形でお示しいたしましたので、今回、具体的な記述を盛り込んだ形でお示しさせていただきます。あと、そのほか参考資料となってございまして、そのほか机上資料と、あと、今月11日に検討会議でまとめられました総合型地域スポーツクラブの今後の在り方に関する提言というものを参考にお配りしております。
 資料の方は以上でございます。不足等ございましたら、事務局までお申し付けください。よろしくお願いいたします。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 それでは、早速でありますけれども、議事に入ります。
 本日は、次第にありますとおり、第2期スポーツ基本計画の素案につきまして御審議、御議論いただければと思っています。
 なお、本日は、報道関係者から会場の撮影・録音を行いたいという申出がございます。許可しておりますので、御承知おきいただければと思います。
 それでは、第2期スポーツ基本計画の素案につきまして、資料1~3に基づいて事務局から御説明をお願いしたいと思います。その後、第3章「今後5年間に総合的かつ計画的に取り組むべき施策」について、各委員から御意見を頂くことにしたいと思っています。
 それでは、澤川政策課長から資料の御説明をお願いします。
【澤川スポーツ庁政策課長】  失礼いたします。それでは、まず最初に、資料1並びに資料2について御説明をさせていただきます。前回の部会での意見を踏まえて修正をしたものでございます。
 まず、資料1の方でございますが、何か所か修正してございますが、表現上の工夫のところは時間の関係で省略させていただきます。
 3章のところ、修正を加えておりまして、最初、1番目、参画人口と人材育成のところでございますが、(1)のところで、丸1ということで、「若年期から高齢期までライフステージに応じたスポーツ活動の推進」ということを入れております。前回の議論では、丸3にございます「ビジネスパーソン、女性」等、特定のカテゴリーのみを対象としていたということで、全体を見るということで若年期から高齢期という形で項目を追加しているところでございます。
 同じく丸3でございますが、「無関心層」とありましたが、これについては、「これまでスポーツに関わってこなかった」という形で表現を工夫してございます。
 あと、同じく2番の「活力があり絆の強い社会」というところでございますが、ここにつきましては、「女性」ということを追加しております。障害者、高齢者等々の中で女性も議論してございましたが、具体的に項目がなかったということでございまして、丸3の小項目として「女性の活躍促進」ということを入れてございます。
 あと、3番、「クリーンでフェアなスポーツの推進」というところでございますが、これは、丸1の「インテグリティ」のところと丸3の「コンプライアンス」、「ガバナンス」のところを統合してございます。この両方の施策につきましてはかなり密接不可分ということがありまして、施策をそれぞれ分けることが難しいと。記述が重複するということで両者の統合を図っているところでございます。
 あと、4番、「国際競技力の向上」のところでございますが、「次世代アスリートの発掘・育成」というものも重要な論点だということでございますので、小項目を立てるというふうにしてございます。
 以上が資料1、骨子(案)についての修正点の御説明でございます。
 続きまして、資料2、第2章のところをご覧いただければと思っております。
 まず、1ページのところでございます。
 1番、「スポーツで『人生』が変わる!」というところの(1)でございますが、最初のポツのところで、スポーツ基本法の記述を踏まえまして、より詳しい書き方をしております。スポーツとはということについての記述をより詳しくしてございます。
 その下でございますが、多様なスポーツの例示として、前回は「散歩」ということを挙げておりましたが、もう少し詳しくということでございましたので、「ダンス・健康体操、ハイキング」等々を入れているところでございます。できる限り詳しくということでここのところを盛り込んでいるところでございます。
 1ページおめくりいただきまして、2ページ目でございます。
 ここにつきましては、2番、「『社会』を変える!」というところの(1)でございます。スポーツ権等々の発言がございました。具体的にスポーツとの関わり方をどのような形で書くかというところでございまして、ここのところについてはより詳しく記述をするというふうな形にしてございます。
 あと、下のところ、※でございますが、スポーツへの投資が社会の発展に有効ということが国際的な潮流だということにつきまして、もう少し詳しくというふうなお話がございましたので、ユネスコの国際会議のベルリン宣言、2013年にまとめられました2013年のベルリン宣言を引用いたしまして、詳しく書いているところでございます。
 あと、2ページの下のところ、(2)のところでございます。障害者等々がというところでございますが、ここで書いてございます障害者、高齢者等々が、健常者、全ての人々とともにスポーツに親しむということを強調していただきたいと、そういう御意見がございましたので、その指摘に対応した修正をしてございます。
 あと、1枚おめくりいただきまして、3ページのところでございます。
 一番最初、3つ目のポツでございますが、災害復興ということについてより詳しく書いてございます。従前は、2つ目のポツのところで「災害復興」とのみ記述してございましたが、もう少し具体的な記述を追加して内容を充実させてございます。
 あと、その下のところでございますが、「トップアスリートは、」と書いてある段落でございます。そこにつきましては、トップアスリートの活躍のみならず、これまで培ってきた技術・知識・経験というものを社会的財産として生かしていくべきだと、そういう指摘に対応いたしまして記述を修正・充実しているところでございます。
 あと、3番のところでございます。下のところ、「『世界』とつながる!」というところでございます。
 2つ目のポツでございますが、当初は「『持続可能な世界』の実現に貢献」とのみございましたが、ここについてはレジリエンスということで、そういう観点も追加していただきたいということで、「持続可能で逆境に強い」というふうな形で文言を追加しているところでございます。
 また、同じページ、以下のところでございますが、委員からの御指摘を踏まえまして、国際人材の育成でありますとか、リーダーシップの発揮ということ。
 あと、次のページになりますけれど、オリンピック・パラリンピック2020年東京大会を好機として、「スポーツで『未来』を創る!」と、そういう形で修正を加えているところでございます。
 あと、最後、インテグリティについてでございますが、インテグリティについては表現の工夫をというふうな御指摘がございました。いろいろと調べてみましたが、現状において、インテグリティを正面から定義したような記述はございませんで、下の※のところに書いてございますが、インテグリティとはということで、様々な脅威によって脅かされることのない状態というような定義が一般的だということでございまして、ここはJSCの定義を引用しているところでございます。
 なお、国際的に他の用例はないかということを探したところ、Australian Sports Commissionにそういう定義がございました。これもJSCの定義と同じような形かと思いますが、そこの例も引用しているところでございます。
 以上が2章についての説明でございます。
 本日の審議のメインは第3章についてということでございますが、資料1並びに資料2についてお気付きの点等あれば、併せて御指摘いただければということでございます。
 続きまして、資料3、第3章を御用意いただければと思っております。
 まず、この資料3、第3章の全体の構成について、冒頭、中身に入る前に御説明をさせていただきたいと思います。
 資料3でございますが、資料1の骨子のところで示しました大きく4つの柱、大項目がございます。それに沿いまして文章を並べておりますが、その大項目の下に小項目というものがございます。これは(1)というところで表しております。1ページで見ますと、1番、「参画人口の拡大と、人材育成・場の充実」といった記述が大項目でございます。(1)「スポーツ参画人口の拡大」というのが中項目でございます。その下に更に小項目ということで、丸1「ライフステージに応じたスポーツ活動の推進」という記述がございます。
 全体の書き方でございますが、まず大項目を書きまして、その下に「政策目標」という形で柱全体の大きな目標を書くという形になっております。その下に中項目がありまして、小項目のところで「施策目標」という形で具体的に書いてございます。それぞれの施策目標に対応する形で「現状と課題」というところ、あとその下の「具体的施策」ということを記述しておりまして、全体の構成をやっているところでございます。この大中小ということと、「政策目標」、「施策目標」、「具体的施策」という並べ方につきましては、第1期の計画を踏襲しているところでございます。
 また、それぞれの数値目標については、「政策目標」で書けるところはいわゆるアウトカムの指標として書いてございますし、なかなかそれが難しいというところにつきましては、「具体的施策」のところでアウトプットの指標として書いているところでございます。
 あと、これまで、「具体的施策」というものがメインになりますという御説明を申し上げました。現行、第1期の計画は165個の「具体的施策」によって構成されているというところでございますが、あまり多過ぎてよく分からないとか焦点がぼけていると、そのような御指摘をいろいろ頂いてございまして、現時点での具体的な施策の数は114という形になっておりまして、165から114まで今の時点で削減をしているというところでございます。これからこの「具体的施策」につきまして御説明させていただきますが、本日の段階では最小限の記述にしているということでございます。これで終わりということではございませんで、要素のみというのでしょうか、まだまだこれからいろいろと詳しい説明をして最終的に文章を作っていかなければいけないと思っておりますが、現時点でお示ししているのは最小限の記述のみということでございます。ですので、本日のこの会議におきましては、この「具体的施策」を中心に、これが足りないでありますとか、この記述はこう改めるべきだとか、そういうような形で御意見を賜れればと思っております。あとまた、「具体的施策」、これが欠落しているというふうな御指摘もあろうかと思います。スペース、あまり多くするというわけにもいかないと思いますが、そういった施策が欠落していると、そういう御指摘についてもできるだけ対応していきたいと思っております。
 以上、これから御説明させていただきますが、書き方でございます。「具体的施策」のところでございますが、第1期の現行の計画は、例えば民間事業者が○○することが期待されるということで、単に丸投げと言ったら少し語弊がありますが、外に委ねるということだけで、必ずしも国が何をするのかとかどうするのかということが分からない記述が多々あったというふうな御指摘があります。ですので、この1ページを見ていただけると分かるのですが、できるだけ「国は、」ということを主語にするような形にして、施策の主体を明確にしております。また、「国は、」の後に対応する形で、一番分かりやすいのは(イ)のところでございますが、○○を通じてということで、「調査や顕彰制度等を通じて」ということで具体的なアクションを書いてございます。国は、○○することを通じて、○○をしていくと。ここで言いますと、スポーツの機会を提供というふうな形で書いております。国は、○○を通じて、○○を、施策を推進すると、そのような形で全体を書いてございます。中にはこういった形できれいにフォーマットに落とし込めないようなところがありまして、若干、応用形、変形というものがございますが、基本的には、国又は何とかは、○○を通じて、○○をすると、そういう形になっているということでございます。
 以上が全体像でございまして、各論それぞれにつきまして御説明させていただきます。
 あらかじめ、事務方から配付させていただきました。若干、お送りしたときとバージョンが異なっているかもしれませんが、字句等の修正であり、大きく変わっておりませんので、御容赦いただければと思っております。
 資料3をご覧いただければと思います。
 まず1番目の柱でございます。「スポーツ参画人口の拡大と、人材育成・場の充実」ということでございます。
 「政策目標」につきましては、成人のスポーツ実施率を、週1回以上65%以上、週3回以上が30%程度ということでございます。
 中項目ありまして、丸1、ライフステージに応じたスポーツ活動の推進というところでございます。「施策目標」は、誰もが日常的にスポーツに親しむ機会を充実するということでございます。
 「具体的施策」につきましては、(ア)のところで、「ガイドライン」を策定・普及するということとか、(ウ)のところ、健康寿命の延伸に効果的な「スポーツプログラム」を策定する等々となってございます。
 1枚おめくりいただきまして、丸2のところでございます。丸2のところでございますが、これは子供の運動習慣の確保と体力の向上といった記述でございます。
 「施策目標」につきましては、自主的にスポーツをしたいという生徒を80%にする、スポーツが「嫌い」・「やや嫌い」の生徒を半減させる、子供の体力水準を昭和60年頃の水準に引き上げるということでございます。
 「具体的施策」につきましては、2ページ下、(ア)のところは、体育・保健体育の学習指導要領の改訂。(イ)のところが武道の指導の充実。(ウ)が小学校における体育専科教員の導入でございます。また、飛びまして、(オ)のところになりますが、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインの策定。(カ)のところが部活動指導員の制度化、外部指導員の制度化というところ。あと、飛びまして、(コ)のところでございますが、学校体育活動中の重大事故の情報提供や事故防止に関する研修の充実等々でございます。
 続きまして、小項目丸3のところ、ビジネスパーソン、女性、障害者や、これまで関わってこなかった人へのはたらきかけということでございます。
「施策目標」は、気軽にスポーツに親しむということで、成人のスポーツ未実施率を限りなくゼロに近付けるということでございます。
 「具体的施策」のところは、(ア)のところで、そういう環境づくりに取り組む企業の表彰・奨励でありますとか、(エ)のところ、健康、食、観光とスポーツの融合、ITを活用したスポーツの魅力向上等々でございます。
 あと、中項目、「人材」と「場」の整備のところでございます。
 小項目丸1、多様な人材の育成と活躍の場の確保ということで、ここの「施策目標」は、スポーツに関わる人材の全体像を把握し、アスリートのキャリア形成でありますとか、スポーツを支える人材を充実するということでございます。
 「具体的施策」でございますが、(ア)のところは、スポーツに関わる人材の全体像について調査研究をするというところ。(イ)のところは、デュアルキャリアの取組の定着の促進というところ。(ウ)は、引退後のキャリア形成の支援ということでございます。また、(エ)スポーツ指導者につきましては、その養成のためのモデル・コア・カリキュラムを普及すること等々となっております。1枚おめくりいただきまして、6ページのところでございます。(オ)のところで、スポーツ指導者の育成方針の策定という記述がございます。中ほど、専門スタッフ、審判員、ボランティア等でございますが、(ケ)のところで、こういう医療・栄養・スポーツ科学などの支援人材の資質向上と配置の充実ということでございます。(シ)のところは、審判員の表彰等々。(ス)は、大学が進めるスポーツボランティア育成の先進事例の形成支援ということです。(セ)につきましては、スポーツ推進委員等の選考と研修の充実ということです。
 小項目、総合型地域スポーツクラブの質的充実のところでございますが、「施策目標」につきましては、量的拡大という重点のこれまでの施策から、質的な充実に重点を置いた施策への転換というところでございます。そのためにということで、総合型クラブの登録認証制度の構築でありますとか、自立的な運営の促進とか、総合型クラブによる地域の課題解決に向けた取組ということを言っております。
 「具体的施策」のところでございますが、(ア)国は、総合型クラブの登録・認証等の制度枠組みを策定し、日体協が制度を整備するということ。(イ)のところは、県レベルで中間支援組織を整備し、この運用の改善等を図る総合型クラブを増やすということが書いてございます。
 続きまして、8ページのところでございます。スポーツの施設というところでございます。こちらのところの「施策目標」は、オープンスペースの創出でありますとか、スポーツ施設の確保とストックの適正化、あと、スポーツ施設に関する計画の策定等々となってございます。
 「具体的施策」につきましては、(ア)のところで、スポーツ施設の実態を定期的に把握するということ。(イ)のところで、学校体育施設の開放ということを促進するということ。あと、(ウ)でバリアフリー・ユニバーサルデザインということ。あと、(オ)のところで、PPP/PFI等々の民間活力を積極的に導入するということを書いてございます。あと、9ページ、(キ)のところで、オープンスペースの有効活用ということを言ってございます。
 あと、丸4、大学スポーツの振興のところでございます。
 「施策目標」につきましては、大学が持つスポーツ資源の潜在力を十分に活用するということと、国内体制の構築を目指すということを言ってございます。
 「具体的施策」のところでございますが、(ア)のところで、大学における体育活動やスポーツに係る研究を充実するということ。(イ)のところで、大学スポーツを一体的に管理・統括する部局や人材の配置ということを言ってございます。あと、1ページおめくりいただきまして、10ページのところ、(エ)になりますが、日本版NCAAの創設の支援ということになってございます。
 11ページが柱2つ目でございます。「活力があり絆の強い社会の実現」というところでございます。
 まず1つ目、障害者スポーツの振興と。共生社会等の実現の中にございます障害者スポーツの振興等というところでございますが、「施策目標」が、社会参画の促進ということで、人々の意識が変わり、共生社会が実現されることを目指すということで、障害者の週1回以上のスポーツ実施率を40%とするということを言ってございます。
 「具体的施策」につきましては、(ア)のところで、関係部局・団体等による連携・協働体制の構築でありますとか、(イ)のところは、スポーツ施設のバリアフリーの促進ということでございます。12ページになりますと、(カ)のところになりますが、障害者スポーツ指導者の養成でありますとか、活用の推進ということを言っております。あと、(ク)のところになりますが、全ての学校種の教員に対する研修の充実でありますとか、障害者スポーツ用具の整備ということを言ってございます。あと、(ケ)のところでございますが、2020年に全国の特別支援学校で全国的な祭典を開催する。(コ)のところは、障害のある子供たちのための全国的なスポーツイベントを開催するということでございます。
 小項目の丸2、健康増進のところでございますが、「施策目標」は、健康寿命に効果的な「スポーツプログラム」の全国展開ということでございまして、「具体的施策」は、(ア)のところ、エビデンスを整理し、「スポーツプログラム」を策定するということ。あと、(エ)のところは、被災地支援ということとの関わりでございますが、被災後に必要とされる運動支援に関する研修の充実等でございます。
 続きまして、丸3、女性の活躍促進というところでございますが、「施策目標」は、女性のスポーツへの参画を促進ということでございます。
 「具体的施策」につきましては、(ア)のところ、女性スポーツに関する調査研究を行うでありますとか、(エ)のところは、指導者講習・研修において、ハラスメントの防止でありますとか、女性特有の課題に取り組むということを言ってございます。
 あと、(2)スポーツを通じた経済・地域の活性化というところでございます。
 まず、丸1、スポーツの成長産業化のところでございますが、スポーツ市場を拡大し、スポーツ参画人口の拡大につなげると、そういう好循環を生み出すということで、スポーツ市場の規模を2020年までに10兆円、2025年までに15兆円にするということを目標として掲げてございます。
 「具体的施策」につきましては、15ページになりますが、(ア)のところで、スタジアム・アリーナ整備に関するガイドラインを策定するということ。(イ)のところで、新たなビジネスモデルの開発の支援をすること。(ウ)で、スポーツ経営人材の育成・活用を進めるということ。あと、(カ)のところになりますが、スポーツ市場規模の算定手法を構築するということで、16ページになりますが、関係省庁・団体等による継続的な議論の場を設けまして取組を推進するということで、一番下にございます好循環を実現するとなっております。
 あと、丸2、地域活性化のところでございます。ここのところの目標は、訪日外国人旅行者数を増やす、ツーリズム関連消費額を増やす、スポーツコミッションの設置数を増やすということでございます。
 「具体的施策」は、16ページ、(ア)でございますが、まず、プロモーションを行って、ツーリズムの需要喚起・定着を推進するということ。あと、(ウ)のところになりますが、スポーツ、文化、観光を組み合わせたスポーツ文化ツーリズムを推進するということ。あと、(オ)のところになりますが、経営的に自立したスポーツ組織について調査研究をすることということでございます。
 あと、(3)国際社会の調和ある発展というところでございますが、ここのところの目標は、「多様性を尊重する社会」「持続可能で逆境に強い社会」「クリーンでフェアな社会」の実現ということと、あと、次の段落でございますが、ラグビーワールドカップ・2020年東京大会の成功とその後のレガシーということでございます。
 「具体的施策」のところは、17ページ、(ア)のところでございますが、国際人材を発掘し、18ページになりますが、国際機関における役員数を増やすということで、ここのところの数値目標、○○となっておりますが、現在検討中と、そういう趣旨でございます。あと、(エ)のところでございますが、二国間交流等々によりますスポーツ・フォー・トゥモロープログラムを推進し、(オ)にございます、事業が終了する2020年以降も継続できる仕組みを構築するということ。あと、(キ)のところは、ラグビーワールドカップ・2020年東京大会に向けた政府としての開催支援でございます。あと、(ケ)のところは、そこに向けたオリンピック・パラリンピック教育の推進となってございます。
 あと、19ページ、3つ目の大きな柱でございますが、「クリーンでフェアなスポーツの推進」ということでございます。
 「政策目標」のところは、「インテグリティ(高潔性・健全性)」の保護でありますとか、選手の権利保護ということで、スポーツの価値の向上ということでございます。
 まず1つ目の小項目、コンプライアンスの徹底、ガバナンスの強化・スポーツ仲裁ということでございますが、ここの目標につきましては、ここに書いてございます、コンプライアンス違反、体罰、暴力の根絶を目指すということと、団体のガバナンスを強化するということでございます。
 「具体的施策」でございますが、(ア)のところに、ガイドブックを作成し、教育研修プログラムを推進するというところがございます。あと、20ページの(エ)のところになりますが、スポーツ団体の組織運営に係る評価指標を策定し、継続的にモニタリング・評価するということと、(オ)のところは、不適切な事案が発生した場合の対応手順を整備するということ。(カ)のところは、スポーツ仲裁についての理解増進とか専門的人材の育成を図るということで、自動応諾条項の採択等を進めるということでございます。
 丸2は、ドーピング防止活動の推進ということでございまして、目標は、クリーンなアスリートを守り、大会の公正性を確保するということで、ドーピング防止活動を質と量の両面から強化するということでございます。
 「具体的施策」につきましては、(ア)のところは、JADAと連携し、検査員をはじめ必要な体制を整備することとか、(イ)のところで、情報を共有できる仕組みを構築すること等々となってございます。
 最後、4番目、大きな柱「国際競技力の向上」のところで、22ページでございます。
 ここのところの「政策目標」は、NFが行う競技力強化を支援するということと、JOC、JPCの設定したメダル目標を踏まえて、過去最多の金メダル数を獲得する等の支援をするということでございます。
 丸1、中長期の支援システムの確立ということで、目標は、NFが行う中長期の強化戦略に基づき支援する強化システムを構築するということになっております。
 「具体的施策」のところは、(ア)のところで、まずNFが中長期の強化戦略を策定するということで、(イ)のところで、国等々は、ターゲットスポーツの指定とか各種事業の資金配分にそれを活用するということ。(ウ)のところで、ナショナルコーチ・スタッフの配置を促進するということとか、あと、(カ)のところで、指導者ということで世界トップレベルのコーチの育成を支援するということを書いてございます。
 あと、丸2、小項目、次世代アスリートの発掘・育成というところで、ここの目標は、将来有望なアスリートの発掘と育成・強化パスウェイに導くということでございます。
 「具体的施策」は、(ア)のところが、アスリートの発掘、種目転向の促進等々になってございます。(イ)のところで、これら発掘された方に対する集中的な育成・強化ということになってございます。
 あと、24ページでございますが、小項目丸3のところでございます。医・科学、技術開発、情報等による多面的で高度な支援ということで、目標のところは、こういった機能を備えた「ハイパフォーマンスセンター」の機能を構築するということでございます。
 「具体的施策」につきましては、(ア)のところ、JSCにおいてはということで、情報を収集・分析するということと、技術開発等々を行う、データを一元管理するという「ハイパフォーマンスセンター」の機能を強化するということが挙げられております。
 あと、最後になりますが、トップアスリートのための拠点の充実ということで、目標は、「ハイパフォーマンスセンター」・競技別の強化拠点を充実し、同一の活動拠点で集中的・継続的にトレーニング・強化ができるようにするということで、「具体的施策」は、NTCの中核拠点の拡充等の整備でありますとか、それによるオリ・パラの共同利用化の実現ということ。あと、最後になりますが、競技別強化拠点の活用を推進ということが書いてございます。
 以上、第3章を中心に御説明させていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 それでは、御意見をお伺いしたいと思います。幾つか議論を整理しながら進めていかないと生産的な議論にならないかと思っています。それぞれ委員の立場から、例えば「政策目標」の捉えが大項目に応じて少し違うのではないか、この点はむしろこうではないかというような御提案あるいは御意見を頂ければと思います。あるいはまた、「政策目標」そのものの捉え、もっとこういう目標が設定されるべきではないか、あるいは肉付けしてこういうこともどうだろうか、それは具体的に「現状と課題」のそれぞれの委員のお立場からの捉え方の違いがもしあれば、本日御披露していただければと思いますし、「具体的施策」のところでこれが抜けているのではないか、例えば「施策目標」を掲げるのであれば、こういう具体的な施策がもっと必要ではないかというような御意見を含めて頂ければと思います。あるいは、大局的な立場からの御感想でも結構であります。
 御意見を頂く際には、どの大項目の、そしてどのところなのか、ページ数等、具体的に言っていただいた方が誤解なく進められるかと思っておりますので、その点、よろしくお願いします。いかがでしょうか、どこからでも。髙橋委員から。
【髙橋委員】  ありがとうございました。理解が十分できるところと、これから更に議論を深めた方がいいという2点について、簡潔に申し上げたいと思います。
 まず、理解が十分できるのは、大項目の3、4、ページで言うと19ページ。今、座長がおっしゃったように、ページで言えば19ページの3からと22ページからの4の大項目、特に3については、健常者、障害者に関係なくこれは推進していくべき項目でございますので、よく分かりますし、大項目の4につきましてはオリ・パラが両方でしっかりやっていこうという記載がバランスよく書かれているという意味から、大項目の3と4は理解ができると考えています。
 一方、これから更に検討を深めていただきたいというところが1ページから18ページの大項目でいう1と2であります。何が問題かといいますと、障害者に対する記載の量の問題と質の問題と両方で、この18ページまでの間には更に検討していくべきところがあると思っています。18ページ中、量のほうで言いますと、障害者スポーツに特化して書かれているのは11ページと12ページの2ページだけで、18ページ中の2ページが、若干「障害者」という言葉が出てくるページもありますが、基本的にここに集約されていると思います。18ページ中の2ページで量が十分かという気がいたします。障害者は800万人、障害者手帳を持っているのがおりまして、そこに例えば子供でいえば2人親がいるとすれば、1,600万人が直近の家族でいるわけです。800万と1,600万で2,400万は、これは800万の方だけが障害者ではなくて、1,600万人の直近の方も含めて当事者であるという意味から見ると、2,400万人が障害者に関する当事者であるという観点から見ると、果たして2ページで十分かという気がするというのが1点目の量の問題であります。オリ・パラ合同とか共生社会と言われているこの第2期目の計画の中の1つの大きい柱が障害者であってほしいと思うし、共生社会の項目の中には載っていますけれども、いかんせん2ページでは量が不足しているというのが量の問題です。
 質については4点、具体的にこういう視点で、今後、小項目ベースで書いていただければという議論をしたいというのを4つ申し上げます。
 1つは、健常者以上に障害者は運動の日常化ということが必要なので、運動の日常化及びそれに伴う課題を整理して、解決策を書いていくというのが1つ、運動の日常化であります。
 2つ目は、一般校に通学している障害のある子供のスポーツ機会の充実であります。これはこういう会議でも何回も申し上げているとおり、体育を見学していると一部記載はありますけれども、具体策のところまで踏み込むのは若干不足しているのではないか。一般校に通っている障害のある子供のスポーツ機会の充実。
 もう一つ、3点目は、特別支援学校における体育とクラブ活動の充実。
 それから4点目が、大学スポーツにおける障害者スポーツの振興。これも前も申し上げたと思うのですけれども、こういう視点。
 最後に、リハビリテーション期間におけるスポーツの推進。これは保険点数の問題も含めて意見を申し上げたと思うのですが、この5つについて触れていただきながら、更によいものにしていただければと思っております。
 以上です。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 田中室長、何か御意見ございますでしょうか。
【田中障害者スポーツ振興室長】  ありがとうございます。
 まず、量につきましては、障害者スポーツを担当する者としては思いは一緒でございますが、そこは全体の方針がございますので、そうした中で質について私の方から申し上げさせていただきますと、まず、記載にある程度の記述があるものから説明をさせていただきますと、一般校の充実、これは我々の方でも、特別支援学校以外の生徒の中で特に体育においては見学等が多いというようなことも課題としては認識をしております。そうした中で、特に学校教育の場合はその直接の担い手である教員によるところが多いわけでございますので、教員に対する障害者スポーツの理解を深めるということが重要であろうと考えております。そうした中、12ページの(ク)のところでございますが、ここであえて「全ての学校種」という言い方をしておりまして、すなわち、特別支援学校だけではなくて、小・中・高等学校も含めて全ての学校種の教員に対する障害者スポーツへの理解を促進するための研修等を推進する。これは、一般校の充実の施策の柱としては考えて記載しているところでございます。もしこのほかにも必要なものがあるということであれば、また御意見を頂ければと思います。
 それから、特別支援学校の子供たちの充実ということにつきましては、例えば(エ)でございますが、全ての特別支援学校が地域の障害者スポーツの拠点となると。これは実際に本年度から日本障がい者スポーツ協会の指導員、いわゆる外部指導者を特別支援学校に派遣して、特別支援学校を拠点とした地域のスポーツ拠点を作るという事業をしております。これは地域住民だけではなくて、その外部指導者が当該特別支援学校の生徒の指導にも携わることによって部活動の充実を図るということも企図しております。
 それから、特別支援学校につきましては、幾つか様々なところで記載を設けておりますが、主なものとして、例えば(ク)のところでございますが、やはり障害者スポーツにつきましては用具がなければなかなかできないというのがございますので、(ク)の後段のところで、特に特別支援学校に障害者スポーツ用具の設備を整備すると。そうしたことと、先ほど申しました特別支援学校だけではなくて小・中・高等学校も含めた教員の理解促進によって、学校における障害者のスポーツ環境を充実すると。地域だけではなくて、学校における環境を充実するということを(ク)で明記しているもつもりでございます。
 ただ、1点ございますのは、例えば特別支援学校の部活動が健常者の中・高等学校より少ないというデータもあります。ただ、これをどんどん増やしていくということについては制度的な課題もございまして、例えば特別支援学校の生徒はスクールバス等で通っている、遠距離で通っている子供たちが多いと。すると、スクールバスを子供に合わせて増発するとか、それから、障害のある子供は公共交通機関では帰れませんので、スポーツをやりたくてもスクールバスの関係上できない、部活動ができない。これは文化もそうですが、そういったような課題もございます。そうした中、健常者の中・高等学校のように、運動部活動の数を2倍、3倍にしていくというのは難しいという面もありますが、質的に子供たちの運動部活動も含めて充実させていく、そういったものは先ほどのような記載も含めて記載をしたいと思っておりますし、もし足りないというものがあれば御意見頂ければと思います。
 それから、運動の日常化と、それから保険制度も含めたリハビリ期間につきましては、恐らく趣旨としては、中途障害者を含めてスポーツを始める前の人にどう働き掛けるかということが趣旨だと思います。そうした中では、前々回の会議で御紹介させていただきましたとおり、我々も、この目標値に掲げるような障害者のスポーツ実施率を上げるためには、今、スポーツを実施している人だけではなくて、今、スポーツを実施していない、あるいは無関心層への働き掛けは重要だと思っています。そうした観点から、スポーツ庁では今年度、障害者当事者8団体と意見交換を行いまして、そうしたものにつきましても意見をまとめておりますので、今後の審議、あるいはそういったものをホームページ等を通じて公開することによって、取組を進めていきたいとは思っております。
 制度的なことでいきますと、このスポーツ基本計画は文部科学省のクレジットで出しますので、基本的に「国は」というのは文部科学省ということになります。それと、特に保険期間の部分は厚生労働省の管轄ということがございますので、率直に申し上げてどこまで書けるかという話がございます。ただ、今後、この計画につきましては厚労省も交えたスポーツ推進会議でも議論いたしますので、そうした場で厚労省にも意見を伝えていくということはしてまいりたいと思います。
 それから、特に障害者スポーツ行政が文部科学省に移る中で障害者福祉部局に働き掛けだけではなくて、スポーツ関係者がいわゆるアウトリーチの考え方のように出ていくということも重要だと思っております。その政策面での取組が「Specialプロジェクト2020」というものでございまして、そうした観点も必要かなと思っております。
 以上にさせていただきます。
【友添部会長】  ありがとうございました。田中室長の障害スポーツ政策に懸ける意気込みと情熱を非常に感服しながら聞いておりましたけれども、髙橋委員、一応お伺いしながら、これ、こちらの方でまた精査をさせていただくということで進めさせていただきます。
【髙橋委員】  ありがとうございます。
【友添部会長】  ほかによろしいでしょうか。久木留委員、どうぞ。
【久木留委員】  各論の方は後で述べさせていただくとして、まず、総論の方で、ここまでよくまとめていただいていると思います。雇用のことも、持続可能なSDGsについても書かれていますし、ずっと首尾一貫して私が言っている評価のところで1つお聞きしたいのですけれども、今、スポーツの中で特にPDCAを回せと言われて、評価のことがすごく言われています。で、ここの計画ができた中で、例えば、「政策目標」、「施策目標」、「現状と課題」、「具体的施策」があって、このときの評価として政策体系が機能しているかどうかを見ていくのが評価とするならば、例えば「具体的施策」、(ア)、(イ)、(ウ)をやったから何がどのようになったということをちゃんと毎年評価できるような体系になっているのかどうかということをお聞きしたいと思います。
【友添部会長】  この点、澤川課長、いかがでしょうか。
【澤川スポーツ庁政策課長】  失礼します。この中に数値目標がいろんな形で散りばめられております。残念ながら、現在のスポーツ庁の施策は全てが数値目標で管理できるような形にはなっておりませんで、できるところから増やしていこうという観点で今回まとめてございます。数値目標がどうやってフォローアップできるかにつきましては、それぞれの個々の政策に幾つか会議があったりして、そこでフォローできるものもございますが、中にはないものもございます。ですので、そういったものについては恐らく今後の話で御相談になりますが、今後のスポーツ審議会におきましても定期的にこの第2期のスポーツ基本計画の進捗状況を報告して、それがどうなっているのかということで、場合によっては途中で軌道修正をしたりとかやり方を変えるということも考えられるのではないかなと思っております。
 御指摘の点は、本日まだ示しておりませんが、恐らく第4章と、最後のところで第3期に向けたという形での次の期への申し送りの記述を置ければと思っておりますので、御指摘の趣旨は第4章のところで生かせるように記述を工夫したいと思っております。
【久木留委員】  ありがとうございます。
【友添部会長】  よろしいでしょうか。今回、全てのところで数値目標が欠けているかというと、決してそうではなくて、第1期になかったところが随分増えています。スポーツツーリズムだとか大学スポーツだとか。それも、今、課長がおっしゃったように、スポーツ審議会の中で随時検討しながら、方向をもう一度確認して進めていきたいということかと思っています。
 和久委員、どうぞ。
【和久委員】  少し確認なのですけれども、今は個別の具体の施策レベルまで意見を言うのか……。
【友添部会長】  結構です、どうぞ。
【和久委員】  それでは、この全体です。全体を……。
【友添部会長】  それもオーケーです。
【和久委員】  では、まず、学校体育とスポーツ参画人口の拡大のところで3点ほど発言したい、提案したいのですけれども、まず、参画人口の拡大のところでは、参加促進を促すための社会的なキャンペーン、これを全国的に展開する必要があろうということです。それが1点目。
 それと、丸2の学校体育のところでは、女子の体育の在り方であるとか、女子のスポーツ活動への参加のアプローチというのを充実させていくことが2点目です。
 3点目は、(ク)のところで、放課後子供教室など触れられてはいるのですけれども、フィジカルリテラシーをしっかりと保護者と幼児期の子供たちにやっていくという取組が必要ではないかと思います。
【友添部会長】  フィジカルリテラシーについては、イギリスのナショナルカリキュラム、アメリカのスタンダードの両方とも最近言い出していますけれども、この要望、とるかとらないかは別にして、全く身体的な教養というか、そういうものを含めて配慮していくことについての重要性は私も認識しております。今、御意見を賜ったということで、こちらの方で検討させていただくということで進めたいと思います。
 ほかに。結城委員、どうぞ。
【結城委員】  ありがとうございます。大変なものをおまとめいただいて、拝読していろいろ思うところございました。3点差し上げます。
 1つは、そもそも論に近いのですが、今、和久委員がおっしゃったように、今回、この10年という計画を作るに当たって、やはりどうしても一番大きな特性、特徴、変化というのは、東京オリンピック・パラリンピックが来て、国民の世論の意識が大きくスポーツというものに関して高まるであろうということです。どのように高まるのか、そこを何とかつかんで、正にこの一番最初から大きく掲げていらっしゃるスポーツ参画人口の拡大というものにつなげていこうと、そこが特性であると、私は考えております。そのために、なぜスポーツをするのがいいのでしょう、スポーツの価値とは何でしょう、楽しさとは何でしょう、豊かに生きる、そのためのあなたの本当のアセットになります、文化になります、その辺りの、今、キャンペーンと和久委員はおっしゃいましたけれども、なぜという部分をもう少し国民の前にデータとして、いろいろな事例として、それから先ほどビジネスの部分でありましたけれども、それを価値に換算するような何か研究データとして提示をすることで、それを企業も個人も自治体も推進していけるようなベースを作るというのも1つ大きなものではないかと思っています。スポーツの本当の価値、人に与える人格形成とは何か、社会に与えるつながりというものは何か、そしてそれがもたらし得るあなたへの利益は何か、そういった辺りの視点に立った、特に無形の価値と言われるものがなかなか価値に換算できないこと、これが、ここまでの日本のスポーツの地位がなかなか高まってこない、体育か娯楽かとついて言われてしまう、市民スポーツがなかなか育ってこない、その一番大きな原因だと言われています。この無形の価値というものをどのようにいろいろな事例を出しながら説得力のある形で、あなた方の社会の、私たちの社会のためになるのだと言っていくのか。そのデータ、そして研究、発信、この辺りを是非最初の章の辺り、スポーツ参画に直結しますので、どちらかに入れ込んでいただきたい。これがそもそも論です。
 あとは簡単に。2つ目は、先にいただいております骨子(案)と今いただいたこの内容との整合性をとるために、恐らくいろいろお考えになってこうされたとは間違いなく思うのですが、1つは、第3章、1.(1)の中の丸2、「学校体育をはじめ」とある、ここに、本文中の施策などではたくさん入ってくる「部活動」という言葉が抜けています。学校体育や部活動若しくは学校体育(部活動を含む)、これが日本のある意味でスポーツ育成の根底を支えるものだという認識は、やはりどんなに課題があっても捨ててはいけないような気がいたします。
 ついでに、大きな3の「クリーンでフェアなスポーツ」云々、ここも本文中にはたくさん「インテグリティ」が出てきて、いろいろな定義もございますが、この骨子の方にはそれが反映されてない、カットされています。やはりここでは「インテグリティ」という言葉が具現するものを理解していただくことがまずスポーツの価値の理解にもつながるのではと思いますもので、例えばですけれども、ここの一番最初、「コンプライアンスの徹底」というところの前ぶりとして、「スポーツの高潔性・健全性」、何でもいいのですが、「(インテグリティ)保全に直結する」とか「つながる」とかして、「コンプライアンスの徹底」という形の、何か、インテグリティを守るためなのですよ、これはただやれと言っているのではない、これをすることでスポーツの一番根幹の価値が守られるからなのですという一文をお入れになった方がと思いました。
 最後に、大変細かい点ですが、今度は本文の方の8ページの丸3、スポーツ施設、「具体的施策」、(ア)の部分で、スポーツ施設という定義、「国は、公立や民間のスポーツ施設の実態を定期的に把握」。今、特に高齢者などの運動の仕方というのは、いわゆるスポーツ施設ではない部分が多いし、逆に、こういう小さな体操するお部屋とかそういったものの融通がなかなかできずに困っている。その辺りはスポーツ庁の直轄ではない可能性もありますが、そこをコーディネートするという意味合いも含めて、例えば「スポーツ施設」、「スポーツで使う」若しくは「スポーツを行う施設」とか、少しここに入れ込んでいただいて、「スポーツ施設などのストックの適正化」といったように含みを持たせていただいた方がよろしいのではないかと思います。それから、スポーツ施設の実態というときに、スポーツ施設をどう使っているのか、その「ニーズの実態を把握する」と入れ込んでいただければと思いました。
【友添部会長】  貴重な御提案ありがとうございます。
 ほかに御意見。はい、どうぞ。田中委員、どうぞ。
【田中委員】  ありがとうございます。友添先生、第2章でもよろしいでしょうか。資料2でもよろしいですか。
【友添部会長】  結構です。
【田中委員】  大丈夫ですか。
【友添部会長】  はい。
【田中委員】  資料2、第2章、もちろん第3章に関連することとは思いますが、第2章の4ページの4番「スポーツで『未来』を創る!」というところで、結城委員も少しおっしゃっていたところです。無形のレガシーという意味にもなろうかと思いますが、ここのインテグリティの部分、先ほど御説明いただいたところで※の赤の部分、JSCの定義とASCの定義とほぼ似たようなことになろうかと思いますというような御提示を頂いたかと思います。もちろん文言としては似ているのですが、主語が違うと思うので、ここを区別することが逆にスポーツの価値を言語化することになるのではないかという点で提案をしたいと思います。
 何を言っているかというと、日本語の方、例えば、「将来にわたってスポーツの価値を維持する『インテグリティ』の保護が重要」、これは大変重要な視点かと思います。この点ではJSCの定義がとても分かりやすく書いているかと思うのですが、この部分でのJSCの定義の方、主語が何かが、これはもちろん日本語は主語をあまり出しません。IとかYouとかOneとか言わないので、どこを主語にしているかとこの日本語を捉えれば、これは「国が」とか「スポーツが」というような主語になるかと思いますが、ASCの方などを見てみますと、そこだけでなく、もちろん国がインテグリティの保護をするというような視点もとても大事なのですが、もう一つ、A personって書いてあります。ASCのものは人が、あなたがという意味のpersonです。A personが、その人そのものがやるべきことをやるということが、個々のその人の信念や価値観に基づいた、やるといったことをやることをインテグリティといいますというような文章が入っています。これを日本語にするのは難しいのかもしれませんが、なぜここが重要であると思うかというと、せっかく今、スポーツ庁の長官こそが元選手でいらしたというところをうまく日本の皆さんに伝えるための分かりやすい部分として、選手たちは、考えたこととか感じたことが体に出てしまうということをすごく分かっています。心身相関と言ったりします。そこで行動が伴わないというのは、実は自分の考えていることとか感じていることが伴っていないときは行動に出ないのだなんていうことは、スポーツならではの感じる部分です。筋感覚が研ぎ澄まされるなんていうことは、競技引退後に次の社会で仕事をする上でも、そのことがその選手の価値観になったりもします。競技引退後に嘘をつかないとか、自分の考えたことをしっかり行動に移すなんていうような規範的なものをスポーツで学んだというような引退後の選手たちもおります。せっかくの機会なので、インテグリティという言葉の浸透のためにも、スポーツならではのインテグリティを広めるためにも、ここの文言を2つに分けるとか何かできればいいかなと思います。
 以上です。
【友添部会長】  ありがとうございました。インテグリティを保護したり擁護する主体は誰かという問題の御提起と受け取りました。ありがとうございました。
 桑田委員、どうぞ。
【桑田委員】  ありがとうございます。1点確認なのですが、本日の参考資料として総合型スポーツクラブの今後の在り方に関する提言という資料がございます。ここと、資料3の中にある総合型の、ここの関係性とか、これは詳細がこちらという感じなのでしょうか。併せて議論をしたいのか。私、読み込んでないので。
【友添部会長】  はい、了解しました。井上課長、どうぞお願いします。
【井上健康スポーツ課長】  ありがとうございます。机上に配付いたしました総合型スポーツクラブの今後の在り方に関する提言、この中から今回の計画の中に盛り込もうということでやっております。ただ、提言の方はかなり幅広に書いてございます。具体的に書いてございますので、その中の要点を入れ込んだ形。あと、提言の中にはかなり長い目で見た提言も入ってございます。そういったものについてはもう少し検討した上でということになろうかと思います。
【桑田委員】  この提言の方は、スポーツクラブの100年構想という立場を踏まえながら、長期スパンと短期スパン、その中の特に短期スパンのところで、今、施策として必要なものがここに抽出されてきているという理解で、よろしいですか。
【井上健康スポーツ課長】  はい。
【桑田委員】  大変分厚い、大変なボリュームで、大変感動しております。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 次に、福井委員どうぞ。
【福井委員】  ありがとうございます。うまくまとめていただきましてありがとうございます。
 国際競技力の向上に向けたところの環境整備のところで1つ確認といいますか、前々回、私と久木留委員の方から、優秀な人材が大学あるいは高校、教育関係者あるいは民間の企業の方におられて、その方たちに現場に出ていただいて指導していただきたいのだけれども、どうしても会社の事情、学校の事情があって、キャリアにマイナスになってしまうのでお願いできないということで、今回、6ページの(コ)のところに、「スポーツ参画人口の拡大」の「『人材』と『場』の整備」というところで書いていただきまして、ありがとうございます。一定期間指導に専念できるようという、「キャリアに勤続年数で通算する等」と具体的に書いていただきまして。で、ページを22ページに飛んでいただきたいのですが、その「具体的施策」の(ウ)のところで、NFのニーズ等を踏まえたナショナルコーチやスタッフを配置するというところで、本当はナショナルスタッフになっていただきたいのだけれども、先ほどの問題のようなことがあってなかなかNFの本当に欲しい方がなっていただけないところがあるのという競技団体がありました。そこで先ほどのようなところをお願いしたので、正に問題が6ページにありますので、何かうまく連動させていただくと、ナショナルコーチあるいはナショナルスタッフをNFがお願いするときに、先ほどの6ページのような文言があるとより細かく具体的に、また、お願いした方もこういう項目があると非常に気持ちよく出していただけるというところがあるのかと思いました。書いていただいているので連動しているとは思いますけれども、我々特に強化現場にいる者にとって、22ページの(ウ)のところでとてもとても必要になるということがありますので、少しその確認をさせていただきました。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 少し私の方から1点、2点、今の福井委員のところで言いますと、23ページをご覧ください。「施策目標」のところで、真ん中辺りに「多様な主体の参画の下、新たな手法の活用も」のところで、例えば、「当該アスリートをNFの本格的な育成・強化パスウェイに導く」って、一般の方が読んで分かりますかね。多分まだこれからブラッシュッアップしていかなければいけないのだけれど、ここは一般の人に見ていただいたときにやはり難しいというところがもしあれば、どうも専門家集団だけでディスカッションしていると普通に流してしまうところが意外と、これ、私はよく分かりますけれども、この辺り、1つ例示をしましたけれど、もしこんな点もあれば言っていただければと思います。久木留委員、ここ辺り、どうでしょうか。
【久木留委員】  全く友添部会長がおっしゃるとおりだと思います。横文字が多くて分かりづらいという話はよく聞きますので、その辺りはやはりしっかり分かりやすく、要するに、この中でも議論があったように、スポーツ以外の人たちに分かってもらわないとスポーツの価値は上がっていかないので、その辺りはやはり気を付けるべきだと思います。
 1点だけよろしいですか。
【友添部会長】  はい、どうぞ。
【久木留委員】  先ほど福井委員からお話のあった6ページの(コ)のところですけれど、これは私と福井委員が言ったと思うんですけど、「国は、民間事業者等」とありますけれど、具体的に「国は、大学をはじめとした学校と民間事業者等と」としていただければ、特にオリンピックの場合は大学の教員が多いので、そこをしっかり書き込んでもらうと。パラの方もそうだと思います。
【友添部会長】  はい。これ、クロスアポイント制度って分かりますかね。私の大学では違う表現をするのですけれども。給料をこちらが出して出向してもらうというのね。クロスアポイント制度でいけるかどうか、ここもちょっと側注みたいなものがあってもいいのかなと。
 それから、ついでですけど、NFなんて分かりますかね。あるいは日障協とかIPCだとかJADAだとかWADAだとか、いわゆる凡例を付けて初出のときには書いていますけど、読んでいただくときにはなかなか、まとめて書いておいた方がいいのではないか。
 それから、「モデル・コア・カリキュラム」って、コア・カリキュラムというのは、我々専門家が説明するのもなかなか大変な概念なのですけれども、これも、「何のこっちゃ、これ」って読まれてもしようがないので、「難しいな。基本計画出たのだけれども」って言われる前に、丁寧にこの基本計画部会の合意事項である「みんなに分かるものを出す」ということで、少しそこも検討しながらというふうに考えたいと思います。
 こういう点も含めて、この言葉、難しいのではないのかという用字用語も含めて言っていただければ結構です。いかがでしょうか。泉委員、どうぞ。
【泉部会長代理】  今ちょうど友添部会長にお話を頂きましたので、この「モデル・コア・カリキュラム」は、できればその前に「グッドコーチ育成のための」とか入れていただければ、より分かりやすいのかと思います。
 私の方から、「『人材』と『場』の整備」のところで、細かいところで大変申し訳ございませんが、5ページ目の3行目、今お話がありました「モデル・コア・カリキュラム」のところですが、ここの3行目、2つ目の黒ポツのところでございますけれども、この「『モデル・コア・カリキュラム』の普及等を通じ、」、この後ろに「原則としてコーチング現場に立つ全ての指導者が資格を」というようなことで追記していただけると大変分かりやすいかと同時に、25年7月のスポーツ指導者の資質・能力向上のためのタスクフォースの中にもこういう表現をしてございますので、御活用いただければと思っております。
 また、5ページの下から4番目のところですが、今お話ししましたように、「グッドコーチ育成のための『モデル・コア・カリキュラム』を基準カリキュラムとして位置付け」と、ここも追記をしていただけると大変有り難いと思います。と申しますのが、19ページのところにも同じような表記がございますので、ここは統一して使っていただけると大変有り難いかなと思っております。
 それから、総合型地域スポーツクラブの件で、8ページの一番上段のところで、(ウ)の「地方公共団体は、」云々とございますが、実はここに飛ぶ前に、114の「具体的施策」にまとめていただいたところで、項目を増やすのは大変申し訳ないのですが、よろしければ、この前に「地方公共団体は、地方スポーツ推進計画に中間支援組織の整備の必要性を明記し、中間支援組織の取組を支援」と、こういったようなことを入れていただけると、前後の順番が非常に分かりやすくなってくるかなということと、中間支援組織の取組が非常に重要だというところの御認識を是非頂ければと思っております。
 以上でございます。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 いかがでしょうか、そのほかに。萩委員、どうぞ。
【萩委員】  ありがとうございます。第2章の方でスポーツの定義をより具体的に入れていただいて、この計画が終わる頃には、国民がスポーツと聞いたらこのことを言わなくても分かるような世の中になっているといいと思いました。
 それで、先ほど友添部会長から御指摘がありました点で1点、私が少し気になったところでございますけれども、「健康経営」という言葉です。これ、非常に難しいというか、分かりにくい言葉かと思いますし、いろいろな方々、立場によって捉え方も違うので、4ページの「具体的施策」の(ア)のところに「『健康経営』を促進」と書いてある、この「健康経営」については少し御説明を頂けると有り難いかと思います。
 さらに、表彰とか奨励というのが国としてやるべきことということになっているのですけれども、そのことがどれほど無関心層とかあまりスポーツをしてない人に響いていくのか、これをするだけでは少し足りないのではないか、もう一歩踏み込んだところで何か国の施策としてできるものはないのかと思ったところですので、その辺も加えていただけると有り難いと思います。
【友添部会長】  今、お尋ねがあったかと思うのですけど、いかがでしょうか。では、井上課長、お願いします。「健康経営」のところ、御説明をお願いします。
【井上健康スポーツ課長】  「健康経営」のところにつきましては、萩委員がおっしゃるとおり、いろいろな解釈があると思います。ここで書きたかったことは、健康経営につきましては、厚労省、経産省がやっています。そういったところの連携をとって何かやりたいというようなことですので、ここについては注釈を入れるとか、そういったところで対応できるのかなと思っています。
 それから、表彰とか奨励以上のというお話もございましたけれども、先ほど和久委員の方からもお話がありましたキャンペーンみたいな話、国民みんなにやっていただくようにPRするようなキャンペーンのようなことも、この言葉上は書いてございませんけれども、そういった具体的な施策についてはやってまいりたいと思っております。
【友添部会長】  ありがとうございます。
 伊藤委員、お願いします。
【伊藤委員】  どうもありがとうございました。3章だけを取り上げて言うと何か細かくなり過ぎるかと思いましたが、1章、2章と流れを把握しながらかみしめていくと、すごく工夫してくださっているのだなということがとても有り難く思っております。2点です。
 1点は、先ほど髙橋委員の方からもお話がありました一般校に通う障害児の保健体育の時間の見学、これは私も多分前々回お話ししたかと思うのですけれども、せっかく一般校に一生懸命通っていても、体育の時間が見学になってしまうだけで特別な子だとなってしまうところを何とかしたいと思っていまして、1点目は、この中に具体的ではないのですが、まず、現在の体育の教員、保健体育の教員、小学校では全般ですけれど、どうしていいか分からないので、何かプログラムを付与するということによって推進できるのではないか。障害のある子供が体育の時間に何とかして参画をするという意味でということです。
 そのもう一つの方法としては、これから教員になっていただく人材を育成する大学教育において、保健体育の免許を取る先生に障害者スポーツの単位とか授業などを、必須にするのは難しいと思うのですけれども、何らかの形で加えていくということができるのではないかと思っています。そこはどうなのでしょう。2ページの下の方の丸2の「具体的施策」の(ア)のところに「体育・保健体育の学習指導要領の改訂において」というところで記述されている、この中に、例えば障害者スポーツに関する授業を組み込むなり、あるいは障害のある子供が体育・保健体育に参画できるような何かを入れるなりということができると、そこが少し前に進むと感じました。
 2点目は、9ページの「スポーツ施設や広場等のスポーツに親しむ場の確保」というところで、少し細かいのですけれども、9ページの上のところの3行目、(キ)のところですが、この項目は、公立や民間のスポーツ施設というふうに進んできているので、ここの部分で国がスポーツ団体と連携するだけではなく、自治体や、あるいは民間、産業界というところとも連携して、オープンスペースというのを広く提供していただければと思いました。そういう記述が一言あってもいいかなと思います。民間企業は、もちろんそれぞれの企業の思いや何かでいろいろやっていくところではございますけれども、例えば駐車場とかショッピングセンターとか商店街とか、少しスペースがあったら少し遊ぶことができるというところを民間の皆さんにも日常的に心がけてスペースを提供していただけるようなことに進んでいくと、日常的に楽しく少し遊ぶということで運動・スポーツに親しむ場がもっともっと創り出せるのではないかと考えました。
 以上です。
【友添部会長】  最後のスポーツ団体のところ、「等」の中に多分それが含まれているということかと思ってきたのですけれども、やはり特出しして書き込んだ方がはっきりするかと思います。
 あと、学校体育の方は、八木室長の方からお願いします。
【八木学校体育室長】  学校体育室長をしています八木と申します。
 御指摘の一般校に通う障害者に対する配慮につきましては、部会長も御存知だと思いますけれども、今現在、学習指導要領の改訂作業をしておりまして、その中で特別な配慮を要する児童生徒への指導というのが保健体育は従来不十分であったというような御指摘がありますので、この点も踏まえて改訂作業を行っていくこととなります。そうすると、これ、全国の基準となりますので、当然それに沿った形で先生方が指導を行っていくということになると思います。
【友添部会長】  よろしいでしょうか。
【伊藤委員】  ありがとうございます。
【友添部会長】  じゃ、境田委員、お願いします。
【境田委員】  2つ確認、質問したいのですけれども。
【友添部会長】  はい、どうぞ。
【境田委員】  まず1つ目ですが、15ページの「具体的施策」の(エ)のところです。「国は、スポーツ団体における中長期の経営ビジョン・事業計画の策定やアマチュアスポーツ大会へのビジネス手法の導入への支援等を通じて」とありますが、今後、こういったスポーツの成長産業化とか地域の振興というのは、やはり情報の利活用、だからITシステムの利活用を推進というのをスポーツ団体において行うことが非常に重要だと思っています。バスケットボールは競技人口が62万人もおりまして、今まで十分そういった情報が利活用できていなかったというのもあって、こういったところを例えば都道府県協会と連携することなどによって情報を共有することによって、その地域のスポーツの振興とか普及とか新たな競技者の獲得とか、そういうことにも役立つと思いますので、具体的な施策としてITシステム、これをスポーツ団体がもっと取り入れたり利活用する、こういったことをやればという問題意識を持っているのですけれども、そこはいかがでしょうかというのが1つです。
 もう一つが、「クリーンでフェアなスポーツの推進によるスポーツの価値の向上」という19ページのところですが、これはスポーツ団体のガバナンスというのが課題なのですけれども、、NFのガバナンスのみならず、NFを中心とした都道府県の協会、もちろんこれ、実際は日体協の各都道府県が担っていらっしゃる部分も大きいのですけれども、バスケットボール協会であれば、各都道府県のバスケットボール協会のガバナンスもすごく重要で、もう少し言うと、NFを頂点とした地方の都道府県協会とのガバナンスの構築がすごく重要だと思いますので、そういったところも取り入れていただいてはいかがかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
【友添部会長】  1点目の方の経営のビジネス手法の導入の支援のところ、由良参事官、お願いします。
【由良参事官】  考えておりますポイントは正に御指摘のとおりでございますので、文言の中に反映することで勢いを付けたいと思います。ありがとうございます。クリーンなNFと県協会の関係のところも御指摘のとおりだと思っておりますので、反映したいと思います。
【友添部会長】 
【由良参事官】  ガバナンスのところ、県協会の方も御指摘のとおりでございますので、文言に明記することで取組の方向性もはっきりさせていきたいと思います。
【友添部会長】  ありがとうございました。よろしいでしょうか、境田委員。
【境田委員】  はい、ありがとうございます。
【友添部会長】  では、和久委員、どうぞ。
【和久委員】  4ページのスポーツ人材の育成と、8ページのスポーツの施設・広場などの場、それと12ページのスポーツを通じた健康増進、ここに関係するところなのですけれども、まず、無関心層の取り込み、あるいは女子の、あるいは女性のスポーツ参加促進の中で、身近なロールモデル、インフルエンサーというのが非常に効果的であるということが明らかになっていますので、この女性スポーツ参加促進のためのインフルエンサーの育成、ここについては更に積極的に取り組んでいく必要があろうかと思います。
 それと、8ページ、12ページの健康増進に関係するところなのですが、スポーツというのがどういう健康レベルでも効果的にやれば健康状態の改善につながるということはもう科学的に証明されているわけですので、このスポーツの場の確保と健康増進の観点から、スポーツのプログラムだけではなくて、よりスポーツを実施しやすい、手軽に安全にできる環境整備というところにも踏み込んだ記述が必要ではないかと思います。
 以上です。
【友添部会長】  ありがとうございました。貴重な御意見ありがとうございます。
 ほかに。田口委員、お願いします。
【田口委員】  ありがとうございます。先ほど田中室長から御説明いただいた部分で、12ページの(ク)の部分で、「国及び地方公共団体は、特別支援学校等に障害者スポーツ用具等の設備を整備することにより」というの、この「等」という部分が微妙なのかもしれないのですけれども、このイメージだと、障害者用具、車椅子をぽんと置けばいいのかとか、そういうイメージになってしまうと思います。実際は、それぞれ車椅子の大きさは身長等によって変わってきますし、義足もそうです。あとは、子供たちのレベルについても、本当に世界を目指すのか、若しくは体育の授業で遊ぶ程度なのかという部分では、この「等」では学校での管理では多分難しいと思います。そういう意味では、以前、日本障がい者スポーツ協会の方がお話しされた際の資料にいろいろ、県立リハビリテーションセンターとか大学、あと障害者スポーツセンターなどの施設が拠点となり、業者と関わっていくという、そういう部分を、もちろんこれだと長いとは思うのですけれども、もう少し踏み込んだ形で書いていただけると、より障害者に沿ったそういう道具とかが用意できるのではないのかと思います。
 もうあと2点あるのですけれども、11ページの真ん中の「現状と課題」の部分に、是非、中途障害者がどのように、先ほどこちらも田中室長がおっしゃっていたのですけれども、リハビリとの連携がすごく重要です。実際、今、中途障害者がどれぐらいスポーツをできる環境になっているのか、その辺りの数値を具体的にしていただきたいと思います。おっしゃっていたとおり、厚生労働省とまたがる部分があるからこそ、やはり数値を書かないとぼやけてしまうと思いますので、その辺りを具体的に書いていただければと思います。
 あと、23ページの(ア)の部分です。「具体的施策」の部分で、「国は、JSC、地方公共団体、JOC、JPC」という部分で、「アスリートの発掘や種目転向等の促進支援等により」という部分なのですけれども、パラリンピックスポーツの場合は、それぞれの障害のクラス、体系だけではなくてクラスとか、それによって適性とかが関わってきますので、何かうまい言葉で、「障害者適性によるそういうアドバイス等により」とか、そういう言葉を是非書いていただければなと思います。
 以上です。
【友添部会長】  貴重な御意見ありがとうございました。反映の方向で努力をしていただけると思っております。
 桑田委員、どうぞ。
【桑田委員】  ありがとうございます。少し細かなことで恐縮ですが、14ページ、15ページの「スポーツを通じた経済・地域の活性化」ということで、スポーツの成長産業化ということで、私どもの総合型地域スポーツクラブも細々ながらでも貢献していきたいと、また、いくべき、そういう内容なのだろうと思っておりますが、ここで、特に15ページの「具体的施策」の中で、いろいろなところとコラボレーションだとかということが指摘をされています。大変必要だと思っておりますが、ここで「民間事業者等」という表現がございます。これはどうも、私どもの総合型地域スポーツクラブあるいは地域の公益法人、NPO、一般社団等を含めて、この辺も多分ここに入るのだろうとは我々は理解するのですが、現場の末端に行ったときに、やはり民間事業者という書き方だけですと通常の一般企業というイメージが少し強くて、市区町村レベルの行政ですと少し理解が進まないのかなという気がしておりますので、括弧書きなり注意書きなりで範囲を、NPOとか入っているということを1つ補足いただけたら非常に有り難いと思います。
 それと同時に、総合型は、前にも申し上げた自主・自立ということでの活動をしているわけですが、特に施設の問題で、8ページの「スポーツ施設や広場等のスポーツに親しむ場の確保」という中の「具体的施策」の中の(イ)「学校体育施設の開放について運用の適正化を図りつつ、有効活用を促進」ということは、大いに結構ですし、また、我々もそう願っているわけですが、ここに、「収益事業等も含め有効活用を促進していける」と一言入れていただけると、なかなか難しい局面はあろうかと思いますが、現状、全国では、公共の学校施設を使ってやったときに、受益者負担というのでしょうか、その考え方の整合性がなかなか現場では難しいので、そこを1つ触れておいていただけると、現場からいろんな意味での御提案が市区町村レベルでできると思いますので、1つ御提案です。
【友添部会長】  御意見を賜るということで、次に進んでいきたいと思います。
 いかがでしょうか。まだ時間は十分ございますので、おまとめいただいて、まだ御発言いただいてない委員の方、特に御発言いただければと思います。それでは、結城委員、どうぞお願いします。
【結城委員】  恐縮です。先ほどは、これが今回の中に入っていないと思ったものですから、第2章、何も発言をいたしませんでしたが、もしさせていただければ……。
【友添部会長】  はい、どうぞ。お進めください。
【結城委員】  いいですか。むしろ文言の部分になります。4点ございます。
 一番最初の部分で、先般、友添部会長からもちらっと私に御下問のあった一番最初の括弧の中の一文で、「スポーツに携わる者の最大の使命」、これが思い入れがあってということなのかと拝察いたしますが、例えばここは、最初の部分というのが私たちみんなにとっていいことなのです、次の部分が社会もすばらしく、それで前向きになり得るのですということをおっしゃりたいのでしたら、最初の一文の最後の部分というのは、「一層根付かせることが私たち若しくは国民の皆の豊かさ若しくは未来につながる」とか、そのような、それが私たち自身のことなのですという導入部分であった方が、「スポーツに携わる者」という文言で、あ、これは私のことではないと感じてしまう方がいると少しもったいないかもしれないと思いました。
 下に参ります。1、(1)「スポーツを『する』ことで、スポーツの価値が最大限発揮される」、これはどうでしょう、個々人これを読む方の視点からいうと、「発揮される」というよりも、「教示される」とか「自分のものになる」というような言い方の方がいいのかもしれない。御勘案ください。
 (2)のところの1つ目の点、スポーツの関わり方、「『みる』『ささえる』こともある」、「入る」でもいいかと思います。
 細かいことは以上ですが、あと大きなところで2つ。
 2.「スポーツで『社会』を変える!」の(2)「スポーツは共生社会や健康長寿社会の実現」云々「貢献できる」とございます。これも本当にいろいろな皆様の御意見があって、御苦労なされているのは本当に分かるのですけれども、「子供、高齢者、障害者、女性、在日外国人など配慮が必要な様々な人々がその他全ての人々とともにスポーツに親しむ」、逆にここを分け隔てしてしまっているようなニュアンスになってしまいます。「配慮が必要な」という方も、先般御指摘いただいた方もいらしたように記憶しています。例えばですけれども、「在日外国人など配慮が必要な」というのを取って、「様々な立場の人々が」、そして、ここの一番の趣旨というのは、その人たちが特別な存在ではなくなること、一緒にできることだと思いますもので、例えばですが、「立場の人々が、当たり前に」、「普通に」若しくは「違いを感じることなく」、「分け隔てを感じず」、「その他全ての人々とともに」というよりも、「社会の中で一緒にスポーツに親しむ状況を作ることで心のバリアフリーが生まれ、共生社会が実現する」みたいな感じの方が、分け隔て感が減るのかという気がいたします。御勘案ください。
 最後に、3ページの上の3つ目のポツです。「スポーツは、人を元気づけるとともに」で始まるところです。その上もそうなのですが、「地方創生が実現する」、「災害の復興に貢献する」、これは非常に強い表現かもしれないという気もいたします。意気込みが感じられてすばらしいのですが、例えば災害復興、東日本大震災のときは、当初は1か月、2か月、スポーツに関わる皆様方自身が、何をできるのか本当に困った若しくは自問自答した期間だったように記憶をしています。直接の人の生死に関わる部分というよりも、やはりスポーツというのは心の復興でございますので、それを災害の復興に貢献するという部分に、例えばですが、「災害からの心の復興に貢献する」とか、何か少し工夫をされた方がよろしいかと思います。その上の「地方創生が実現する」という表現、「実現」というのも「貢献する」とか「つながる」とかいう形でもいいのかもしれないと思います。
 その下の「トップアスリートは」で始まるくだりで、ここはもし可能でしたら、アスリートの「活躍は人々に夢と希望を届け、チャレンジする」というくだりに、やはりその直前の災害とか人々が逆境から立ち直るという部分が流れてくるわけですので、「努力の意義」若しくは「諦めないこと」、そういった部分が1つあった方がしっくり読み手に届くかという気が少しいたしました。
 そして最後に、同じ行で、「生き方は社会的な財産であり」、これ、当然、アスリート御自身、皆様の財産でもあるので、「社会的な財産でもあり」というような形で少し余裕を持たせていただければと思います。
 以上です。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 1点だけ、私の方から逆にお尋ねさせていただいてよろしいでしょうか。ごもっともだと思います。1つ、少し確認をさせていただければと思うのですが、2ページの(2)の「スポーツは共生社会」云々のところ、「貢献できる」というところで、2つ目のポツのところの「子供、高齢者、障害者、女性、在日外国人」と書くか、「定住外国人」と書くか、これは少し検討しなければいけないかと思うのですけど、こういう特別な、今まで意図的にスポーツ機会が少なかった方たちにも特にという意味でここへ書き出しをして、なおかつ、前回の御指摘を受けて「その他全ての人々」と追記をして、最終的にここでメインは何かというと共生社会の実現ということで、あえてこういう今までスポットライトを浴びなかった方たちを含んでという意図でここに書かれていますが、これはやはり消してしまった方がいいということと理解していいでしょうか。
【結城委員】  いえ、消してしまってという意味ではございません。ただ、そのニュアンス的に、対立するものではなく、もともと障害というのは高齢者も含めた障害ですとみんなが持っているもの、若しくは女性といってもピンキリございます。外国人とおっしゃってもいろんな方がいらっしゃる。ということで、そのカテゴリー、カテゴリーで分けて、一般の人々というふうに対立させて一緒にというと、少し何か違うような気がいたしましたもので、なだらかにしただけでございます。
【友添部会長】  はい、分かりました。よく理解できました。ありがとうございます。
 ほかに。はい、増子委員、どうぞ。
【増子委員】  第3章に戻りまして、2ページの一番下の「具体的施策」の(ア)なのですが、伊藤委員、髙橋委員の方からもお話がありましたが、あと、学習指導要領の改訂の方で特別な配慮が必要な児童生徒に対しての対応のものについては明記していただけるということで回答はいただいているのですが、教員免許を取得されている方とかそういった方々が学習指導要領の改訂の中身を見ることはあると思うのですが、我々一般の者は、この基本計画を見たときに学習指導要領の中に障害児童生徒のことを謳っているのかというのは分からないので、やはり伊藤委員がおっしゃったように、このページにおいて「障害のある児童生徒も含む」といったような文言が明記されることが分かりやすいのかなとも感じました。障害者のところのスポーツについては特出しをしていただいて、相当触れていただいているところなのですが、この一般の学校体育、部活動等についての障害児の児童生徒の明記がないと、ぱっと見たときに、一般の我々が見たときに、あ、障害児も含まれるのかなという不安を一瞬覚えたのが第一の印象でした。ですので、その辺を少し工夫していただけたらいいと思いました。
 次に、3ページの(ク)のところで、2行目に「放課後子供教室等で多様な運動を体験する機会が提供されることを促進し」ということがあります。「小学生の運動経験を充実」ということがあるのですが、これは障害児にも同じことが言えると思います。特別支援学校等が終わりまして放課後児童デイサービスの方に子供たちの送迎があって、放課後のデイサービスの方に移動しますと、ではそのデイサービスの中で何がされているかというと、運動の提供というのが行われているところというのは非常に少ない現状があります。ですので、こうした放課後子供教室等のところにも障害児童について少し何か明言というか、文言を盛り込んでいただけたらば、これを読んだときに、障害児のそういったサービスを扱う事業所なんかも運動の提供について少し意識をされるのではないかと思いました。そこは、放課後児童デイということなので、また省庁の区別のところにもなるかとは思うのですが、運動・スポーツというところで広く障害児、一般の子供たちのところで運動を提供するというところでは少し謳っていただきたいと思いました。
 以上です。
【友添部会長】  ありがとうございました。学習指導要領は、法的拘束力があって、先生方が全員目を通すところでありますけれども、今頂いた御意見を踏まえながら検討させていただこうと思います。ありがとうございました。
 ほかに。はい、大塚委員。
【大塚委員】  まとめていただいてありがとうございます。3点ほどあります。
 1つは、資料3の17ページ、「スポーツを通じた国際社会の調和ある発展への貢献」の「具体的施策」の(ア)の部分で、「国は、スポーツ団体と連携し、国際人材の発掘、ロビー活動支援、職員派遣」等々のこの項目のところですけれども、実際、現在、JOCで行っている国際人養成アカデミーを通じては、IFの専門委員会に多くの人材を派遣しています。是非この項目の中に「JOCは、国の支援を活用した国際人養成アカデミーの充実により」というような項目を入れていただき、専門委員会への派遣という部分をぜひとも加えていただければと思っております。
【友添部会長】  はい。現状、現実にそういうことで推進しているということを。
【大塚委員】  そうですね。このアカデミーの方は非常に充実してきておりますので。
【友添部会長】  それも検討させていただくということで引き取らせていただければと思います。はい、どうぞ、大塚委員。
【大塚委員】  それから、22ページ、「国際競技力の向上に向けた」の部分の丸1、中長期の強化戦略に基づくプランの中の「具体的施策」の中に、鈴木プランにもある「トップアスリートの競技間トランスファーの国による支援」という項目を是非入れていただければなと思います。これはもう他国では既に始まっていることですし、具体的にプランの方も出始めておりますので、この強化戦略の中に加えていただければと思っております。
 それから最後になりますが、同じく「国際競技力の向上」の丸4「トップアスリート等のニーズに対応できる拠点の充実」のポイントなのですけれども、こちらに関しましては、「ハイパフォーマンスセンター」と、これと同じレベルで競技別のナショナルトレーニングセンターのことが少し記載されているのですけれども、特に「現状と課題」の中において、NTCでは対応が困難な競技は競技別の拠点を設置するという課題になっておりますが、これは実際対応が困難なことではなくて、もともと競技の特性に応じて競技別のナショナルトレーニングセンターを設けているということに感じますので、NTCと競技別強化拠点の同一・均一化を今後図っていくということと、「ハイパフォーマンスセンター」を競技別強化拠点でも有効に活用できるということが必要ではないかと考えております。
 加えて、最後のところに、「具体的施策」がずっとある中で唯一、海外における活動の在り方の部分というのが「検討」という表現でまとめています。ここだけ少し曖昧な表現なのですけれども、是非とも海外での競技別強化拠点をここで認めると。海外強化拠点を実施に向けていくというところを一歩踏み込んでいただければと考えております。実際は、カヌーでメダルをその点でとれましたので、その点まで踏み込んでいただければと思っております。
【友添部会長】  「具体的施策」に書き込んでいくと、具体的な指標で、久木留委員がおっしゃるように実現可能性がないものについてはなかなか書けないし、かといって、最初に課長がおっしゃったように、「期待される」で丸投げしてしまっても実は実効性がないというところで、今、大塚委員の御指摘があったところは非常に大事なところかと思います。これについては事務局の方でも十分に精査していただいて、可能性を含めてここの記述、検討していただけるということで進めたいと思います。よろしいでしょうか、大塚委員。
【大塚委員】  はい。
【友添部会長】  あと、現状認識のところ、対応が困難ではないということ、ここは大事な視点だと思いますので、ここは是非書き直しということで進めていきたいと思います。
 ほかに。久木留委員、お願いします。
【久木留委員】  2つありまして、まず1つは17ページなのですけれども、先ほど私が話した持続的開発目標のことがよく書かれていると思うのですが、この基になっている「政策目標」を見ていくと、最後に「国際貢献に積極的に取り組む」と。この国際貢献の捉え方がどうも招致をすれば国際貢献しているようにとれるところがあるので、これ、「施策目標」が2つありますけれども、僕はこれ、2つではなくて分けた方がいいのではないかと思っています。特に持続的開発目標で言えば、前回もお話ししましたけれど、ミレニアム開発目標でスポーツということがなかったのが、今回入ったのだと。これが2030年まで今後15年間、世界の中で行動指針になっていく。そこで日本のプレゼンスを上げるのに、国際的にスポーツ基本計画の中にこのSDGsのことを具体的に意識した政策を書いていくべきだと。なぜならば、要は招致して終わりではなくて、招致して都市開発にどう関わったとか、健康や教育にどう関わったかという具体的なことを書くべきだと思っています。
 2点目ですけど、今度は22ページになりますが、22ページの施策のところを見ていただきますと、これ、いろいろ読ませていただいて、大体「具体的施策」が114あって、主語が国でないものが18ありました。私は、鈴木長官が今回、鈴木プランを出してくれたのですから、ここは、特に「具体的施策」、(ア)の部分は、「国は、」にして、「国は、NFが策定する中長期の強化戦略を日常的・継続的に更新しつつ、実践することを踏まえ」として、「計画的に競技力を強化することを検証するとともに」としていただいた方が、基本計画の意義があるのかなと思っております。
【友添部会長】  御指摘ありがとうございました。検討の方向で進めさせていただければと思います。
 髙橋委員、どうぞ。
【髙橋委員】  ありがとうございます。冒頭に私が申し上げたことを補足するという意味も含めて、1点、表現というか、構成で意見を申し上げたいと思います。
 先ほど私は、11ページ、12ページに「障害者スポーツの振興」という小項目を出していただいてまとめていただいているということは有り難いと申し上げましたけれども、1ページから10ページまでの中には障害者のことが入っているのかどうかという読み方の問題なのです。見ていくと、広場のこと、例えば5ページのアスリートのキャリア形成でもそうですし、6ページの専門スタッフもそうですし、8ページのスポーツ施設もそうですし、これは障害者のことも含めて書いているのか、健常者のことだけを書いているのかというのを読んでいくと、どう見ても主に健常者のことが書かれていて、JOCという言葉は出るけど、JPCが入ってないところを見ると、10ページまでは健常者のことが書いてあると。だとすると、では障害者のときにはスポーツ施設や広場の問題はないのか、大学スポーツの問題はないのか、専門スタッフ、審判員、ボランティアの問題はないのかと。そう見ると2ページでは足りないとも言えるし、1から10ページ目に全部入っているのですというのであれば、もっと障害者のことを1から10ページに書き込んでいただかないと。このどちらかが分からないので、そうした視点で、もし障害者だけを2ページというか、1項目出すのだったら、もっと書き込んでいただきたいし、前半でもっと振ってという、そこの整理をもう一度していただくと分かりやすいのではないかと思います。そうしないと、先ほど増子委員がおっしゃったように、1ページから読んでいくと、あれ、障害者のことが書いてない、書いてない、書いてない、書いてないというふうに読まれて、せっかくの議論を進めていただいた事務局の方々の○○がうまく反映していないのではないかという気がするという読み方の問題です。もう一度御検討いただければ有り難いと思います。
【友添部会長】  貴重な御意見ありがとうございました。
 ほかによろしいでしょうか。境田委員、どうぞ。
【境田委員】  今、髙橋委員から御指摘あった大学スポーツのところで、9ページです。「現状と課題」のところ、2つありまして、本当にここに書かれているように、「我が国の大学が持つスポーツ資源の潜在力(人材輩出、経済活性化、地域貢献等)を十分に活用する」という、これは非常に重要だと思っています。ここで「具体的施策」で、(イ)で大学スポーツを振興するための体制を整備すると。これも今後、各大学が取り組むものだと思っているのですが、恐らく多くの大学における課題は、やはり運動するための設備が十分ではない、施設が不十分だった、若しくは老朽化しているとかって、そういう問題を抱えている大学はいっぱいあると思います。そういった施設を直ちに国がちゃんと予算を付けるというのは、なかなか難しいというのも承知しておりますが、こういった課題にやっぱり大学は取り組まなければいけないので、そこに対して何らか国もサポート支援をするということも検討いただければと思います。
 それとあと、今回のスポーツ計画は今後5年で、ちょうど2020が入ります。だから、各大学も2020のオリ・パラに向けていろいろ取り組むというのは、取り組んでいる大学もあるかと思いますけれども、大学っていろいろなリソースがあるし、いろいろな研究があるし、いろいろな生徒もいるし、バリアフリーを専門にしている人たちもいますから、いろいろな形で貢献ができると思います。ボランティアの提供とかスタッフの提供も含めて。だから、そういったものも1つ「具体的施策」として書き込んでいただくのもいいかとも思いましたので、御検討いただければと思います。
【友添部会長】  ありがとうございました。今、貴重な御提案を頂いたところであります。大学スポーツについては初めての書き込みということで、これで十分かということであれば、まだまだ不十分なところがありますので、適宜やっぱりブラッシュアップしながら、スポーツ審議会、部会の方も含めながら、5年のスパンでまたブラッシュアップしていければというところも含めて検討させていただくということで引き取らせていただければと思います。
 ほかによろしいでしょうか。泉部会長代理、どうぞ。
【泉部会長代理】  23ページをちょっとご覧いただきたいと思いますが、次世代のアスリートの発掘・育成の戦略的な体制の構築のところで、一番下の(ウ)のところの国体でございます。国体の主催は、国、日体協、そして開催都道府県、この3者でございまして、この表記は本当に有り難く、夏の東京オリンピックに向けては9種目、もう既に新しい種目をオリンピック種目で、今まで国体になかったものを導入しました。この文言については、我々の取組に対して大変後押しをしていただくということでは非常に有り難い項目だと思っておりますが、冬に向けては、少し御説明させていただきますと、開催できる県が13県ぐらいしかありません。それですぐどんどん回っていってしまうものですから、非常に県の財政等にも負担が掛かって、JSCからも施設の整備には相当お金を頂けるようにも非常にすばらしい改正をしていただけましたが、なかなか難しいというのが、開催費用が全て県に負担が掛かりますので、開催県がなかなか了解してもらえないという苦しさを今持っております。この辺については是非御理解いただければと思いますが、実はここにもう一つ入れていただきたいのは、制度を決めるのはこの3者で決めるのですが、実際に選手を派遣・育成・発掘しているのは都道府県体育協会です。ですからここに、都道府県体育協会が各県の競技団体と連携してジュニアアスリートの発掘・育成、非常に大事なポイントでございますので、ここを入れ込んでいただけないかなと思います。例えば、今、現実に、1つの県が1年間に強化費が平均1億としても、47億、毎年、県が負担して強化をやっているわけです。そういう意味からして非常に大きな力を持っておりますし、ここを日体協のネットワークを活用してという、今度の鈴木プランにもここが出ておりますので、この辺の表記も是非御検討いただければなと思います。
 以上です。
【友添部会長】  ありがとうございました。なるほどという気持ちで聞いておりました。
 いかがでしょうか。山脇会長、どうでしょう。中締めというところで。
【山脇会長】  ありがとうございました。
 最初、久木留委員の方から、「政策目標」と評価という話がありましたけれども、今回、分かりやすい計画にしようという一つのところが、やはり数値目標をできるだけ書き込むということが分かりやすい計画の一つの要素ではないかと思っています。1期の計画より大分数値目標が増えていると思っているのですけれども、全体を見ると、議論にもありましたとおり、数値目標が書き込まれているところとそうでないものがあるということで、数値目標がないところにつきましてはできるだけ数値目標、成果を象徴して、それが評価できるような数値目標を掲げるということを、今後、本日の議論も踏まえて次のところでもう少し頑張っていただきたいと思っております。「施策目標」のところでなかなか書き込めないというところでは、ここにも書いてありますけど、具体的な施策の中でアウトプットの数値目標を書くというようなことも工夫ができるのではないかと思います。
 それから、スポーツ庁創設1年なので、蓄積がある部分と引き継いだばかりという部分があって、「具体的施策」を見ても、かなり詳しく書き込んでいるところと、少し粗いということがあるという、これはやむを得ない部分というのはあると思うのですけれども、今後5年間ですので、なかなか蓄積がなくて粗いというところについても、今分かっているというか、見えるところだけではなくて、これから何をやるのかという、皆さんからいろいろ意見を聞かれた、それを受け止めて決意表明というか、こうやるというようなところも少し積極的に盛り込んでいただいたらいいのではないかと思います。
 それから、主語が相当はっきりしてきた、「国が」というところというのが主語がはっきりなってきたというところは、大変分かりやすくなってきたということで大きな進歩だと思うのですけれども、まだ国が情報提供にとどまっているようなところは、情報提供ではなくて、更に国の取組を盛り込んでいくというふうに考えていただきたいと思います。これ、「国が」ということで主語がはっきりしたのはいいのですけれども、国がこうやるということを示すことによって、読んでいる方に、実際にそれを受け止めて、国とともにやるのは主役はあなたたちです、アスリートであり、団体であり、皆さんが主体だ、何か国がやってくれて全部それを受け止めるのではなくて、やはり自分たちもこれを受けてやらないといけないというニュアンスが出てくるようなものになるといいのではないかと思います。そういう意味では、いろいろ専門用語が並んでいますけれども、やはり分かりやすく、あなたたちが最後みんなで一緒にやりましょうという5年間をというような方向にするのがいいのではないかと思います。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 まだ3分ほどございます。言い残したということがございましたら、いかがでしょうか。勝田参与、1分で御感想を頂けますか。その次、木藤参与、1分で御感想頂けるでしょうか。
【勝田スポーツ庁参与】  
 スポーツ基本法の第2条の6項には「我が国のスポーツ選手(プロスポーツの選手を含む)」と書いてありますが、このプロスポーツ選手のことについて書かれているところが産業のところだけです。しかも、プロスポーツ選手、インテグリティの問題が出ておりましたが、インテグリティの問題は特に、八百長、ドーピングあるいはフーリガン、見る人あるいは人種差別の問題、そういったことがあります。プロスポーツ選手に関わることに関しては多様な分野で検討する必要があると思います。それが実は教育転換にも、見る人のスポーツの価値、そういったところにも転換していくと思います。これを見ていて、プロスポーツが産業のところだけにとどまっているというのは、もう少し多様な範囲で検討する必要があると。インテグリティのところもそうですし、それから、競技力強化も実はプロスポーツ、フルタイムというのは非常に重要な観点になっています。本日福井委員がおられますが、錦織選手もそうですし、それから、最近、内村選手もプロ化宣言をしていますし、そういう意味では競技力強化を非常に推進していくためにも、プロ、フルタイムというのは非常に重要な柱。そこと向き合う競技団体がこれまでアマチュア的な組織、これがプロと向き合うというふうなところにまた難しさが出ている。特にエージェントとどう関わっていくかというようなこととかがあります。したがって、もう一度申し上げますが、インテグリティの問題、それから競技力強化の問題、それからいわゆる産業の問題、それからそれを価値としていく教育の問題ということを鑑みると、このプロスポーツということに関する言葉を少し検討の材料としていただければと思います。
 以上です。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 では、木藤参与、お願いします。
【木藤スポーツ庁参与】  木藤でございます。
 簡単に申し上げまして、2章でかなり価値を議論するようになりましたので、今までバイスポーツといいますか、手段としてのスポーツという面がかなり出ていたのですけれども、今回のスポーツ基本計画はやはち楽しむとか、もともとスポーツを通じてというふうな変革というところが出ているので、そこのメッセージが伝わるといいと思い、今、見守っているところでございます。
 あと、先ほど来、障害者スポーツのところに関していろいろと御意見頂いていて、やはりそういうところは大事だなと思っているのですが、スポーツ参画人口の65%の目標、ここの数値の調査に関しましては、もちろん健常者だけではなくて障害者の方も含んだ数字になっておりますので、本来ここには入ってしかるべきだと思っております。ですので、要素としては事務局側は入れているつもりでしても、まだ文言として足りなかったところが、抜け落ちているところがあると思いますので、今後、その辺は精査して、より分かりやすい、ちゃんと対象者に伝わるようなものになっていけばいいと思っております。
 以上です。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 仙台参事官、何かありましたら、御発言いただければと思います。
【仙台参事官】  あ、よろしいでしょうか。
【友添部会長】  はい。
【仙台参事官】  どうもありがとうございます。スポーツの施設に関しまして貴重な御意見頂きまして、どうもありがとうございます。基本計画を書くに当たりまして、施設というのは横糸のような感じだということで、それぞれの項目に書くのか、それともまとめて書くのかということで、今、項目出しのところですので、できるだけ必要最小限、シンプルでということで、どちらか1か所に書くとか、そういうことをしたつもりでおりますので、そこで、入っていないのではないかとか、いろいろ御意見頂いたと思います。今後、肉付けしていく段階で皆様に分かりやすいようにしていきたいと考えておりますし、また、施設以外について、ニーズですとか、ちょっとしたスポーツの場所についても、後で見ていただければと思うのですが、できるだけ書いたつもりなのですけれども、また今後、調査の方向ということは検討していきたいと思います。
 貴重な時間を頂きまして、どうもありがとうございました。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 ほぼ時間が参りましたので、本日の議論はもうこれで閉めたいと思います。
 本日まで頂いた御意見、実は次回は中間報告案をお示ししようと思っています。今まで頂いた貴重な御意見を含めて中間報告案を作成して、次回、お諮りしたいと思っています。本日はこれで終了させていただきます。
 最後になりましたが、鈴木長官から締めの御挨拶をお願いします。
【鈴木スポーツ庁長官】  本日はまた皆さん活発な御議論を頂きまして、ありがとうございました。
 本日の記載とは少し関係がないかもしれませんけれども、本日、障害者の議論の中で、ここからここまでがスポーツ庁、ここから先が厚労省であるみたいな話もございましたけれど、やはりこの障害者スポーツ全般を話して議論しているときに出た発言ですので、境界線があるかもしれませんけれども、多少踏み込んでも、我々スポーツ庁がやらなくてはいけないというような気概を見せていくことが大事なのかなと思います。その辺が、やはり国民がこのスポーツ庁に期待しているところでもあると思いますので、そのような気概を見せていくということが必要だと思っています。
 それから、先ほど出ていましたけれども、今度の基本計画は分かりやすく、一般の方にも理解できるようにというのが大事なところでありまして、本日出ていた専門用語の乱発、これはやはり気を付けなくてはいけないだろうということと、同時に、スポーツの根源的なよさとかすばらしさを一般の方が理解できるようなところも必要かと思いました。
 長時間にわたりましてありがとうございました。
 以上でございます。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 それでは、最後になりましたが、澤川課長から次回のスケジュール等をお願いします。
【澤川スポーツ庁政策課長】  はい。失礼いたします。
 それでは、参考1をご覧ください。スケジュールでございますが、次回、第9回の部会につきましては12月6日(火曜日)になります。6日の火曜日になります。16時から18時ということで、場所は千代田区麹町にございます弘済会館というところで開催いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 議題につきましては、ここに書いてあるとおり、中間報告案についてということでございまして、本日、資料3でお送りしましたものを更に具体的な記述という形で文章の形で仕上げて、1章から4章、全体像をお示しする予定でございます。少し時間の関係でどこまで完成度が高められるかというところもあるのですが、まずは12月6日に御議論を頂きたいと思います。そういう原型をお示ししたいと思っております。ですので、本日お気付きになられてまだ御発言いただけなかったとか、後で気付いた点というのがあれば、早めに事務局までお申し付けいただければ、それを含めた形で修正をさせていただきたいと思っております。
 また、文章作成するに当たりましては、山脇会長からの指摘でありますとか、あと髙橋委員から、どの項目に書くべきかというところで、非常に我々も悩ましいところで、どこにすべきかというところはしっかり考えていかなければいけないところだと思います。ここだという形で1つで決められなくて、多岐にわたるところがありますので、再掲という形で同じことを書くのか、ちょっと記述に文言を一言、二言付け加える形で書くのかとか、いろんなやり方があるかと思いますので、全体見て分かりやすい形で項目の配列とかいうことも併せて考えていきたいと思います。その他、用語を分かりやすくするとか、横文字を少なくするとか、本日頂いた意見を踏まえまして、まず案文その1というものを12月6日にお示ししたいと思っております。
 どうぞよろしくお願いいたします。
【友添部会長】  ありがとうございました。
 それでは、これで散会します。ありがとうございました。
 
―― 了 ――
 

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