令和4年度「障害児・者のスポーツライフに関する調査研究」の調査結果について

令和5年3月24日

~障害者の週1回以上のスポーツ実施率は20歳以上で30.9%、7~19歳で35.3%~

このたび、令和4年度「障害児・者のスポーツライフ調査」結果の概要を別紙のとおり取りまとめましたので、お知らせします。
第3期スポーツ基本計画において、「障害者の週1回以上のスポーツ実施率を40%程度(若年層は50%程度)、障害者の年1回以上のスポーツ実施率を70%程度(若年層は80%程度)とすることを目指す。」との目標(※)を掲げています。
スポーツ庁では、この達成に向け、障害者スポーツの実施環境を整備するとともに、一般社会に対する障害者スポーツの理解啓発に取り組んでまいります。
※ 第3期スポーツ基本計画(令和4年度~8年度)においては、「成人のスポーツ実施率」は「20歳以上の運動・スポーツ実施率」を用いて評価することとしている。

1.障害者の運動・スポーツの実施率について

  • 〇20歳以上の運動・スポーツ(学校の授業等を除く。以下「スポーツ等」という)の実施率は、週1回以上では30.9%(前年度から0.1ポイント減)、年1回以上では54.1%(前年度から4.6ポイント減)、週3回以上では16.9%(前年度から0.4ポイント増)となった。

  • 〇7~19歳のスポーツ等の実施率は、週1回以上では35.3%(前年度から6.5ポイント減)、年1回以上では64.0%(前年度から9.1ポイント減)、週3回以上では16.1%(前年度から2.8ポイント減)となった。

  • 〇20歳以上、7~19歳ともに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための自粛前である令和元年度から本年度までの経年変化(令和元年度~本年度までの週1回以上のスポーツ実施率の推移は、20歳以上で25.2%、24.9%、31.0%、30.9%、7~19歳で30.3%、27.9%、41.8%、35.3%。)をみると、令和2年度は減少したが、令和3年度には大幅に増加している。本年度は前年度と比べて減少しているが、令和元年度と比べて増加している。

  • 〇障害種別の週1回以上のスポーツ実施率では、肢体不自由を除き、20歳以上では前年度と比較してほとんどの障害種で増加しており、7~19歳では前年度に比べ減少しているものの、令和元年度と比較すると増加している。

  • 〇過去1年間に行ったスポーツでは、20歳以上はウォーキング、散歩(ぶらぶら歩き)、階段昇降、7~19歳でウォーキング、散歩(ぶらぶら歩き)、なわとびが上位を占めている。また、スポーツを実施する場所としては、20歳以上では自宅等が増加している。

2.運動・スポーツに対する関心、スポーツ等を行うにあたっての障壁

  • 〇スポーツ等を実施する上での障壁は、「特にない」「十分に活動できている」を除き、「体力がない」(25.8%)、「金銭的な余裕がない」(13.4%)、「運動・スポーツが苦手である」(11.4%)、「やりたいと思う運動・スポーツがない」(11.2%)の順であった。

  • 〇スポーツ等を実施する上での障壁について、「特にない」と回答した者の割合は32.3%と前年度から6.1ポイント増加した。現在のスポーツ等への取組について、スポーツ等非実施者(過去1年間に1回もスポーツ等を実施していない者)のうち「特にスポーツ等に関心はない」と回答した者の割合は78.1%(前年度から4.4ポイント増)と、スポーツ等に無関心な者の割合は変わらず高い割合を示している。

3.運動・スポーツを行うきっかけ、やってよかったこととやらない理由、スポーツがもたらすもの

  • 〇運動・スポーツを行うきっかけは、「特にない」(42.9%)を除くと、「家族に奨められた」(26.1%)、「医師に奨められた」(22.0%)できっかけの大半を占めており、障害者手帳等を持っている人は「医師に奨められた」(24.1%)と「家族に奨められた」(23.5%)がほぼ同じ割合となっている。

  • 〇スポーツ等実施者がスポーツ等をやってよかったことの上位は、「ストレスが解消される」(33.5%)、「体を動かすこと自体が楽しい」(25.2%)、「体力・身体的機能が向上した」(24.9%)、「外出が増えた」(23.5%)、「行動範囲が拡大した」(21.1%)と、令和元年度から大きな変動はみられない。

  • 〇スポーツ等非実施者でスポーツ等を実施する上での障壁が「特にない」と回答した人がスポーツをしない理由は、「特に理由はない」(50.8%)「わからない」(24.4%)が変わらず約7割を占める中、「スポーツ等が嫌いである」(11.6%、前年度から7.4ポイント減)「スポーツ等に興味が無い」(12.3%、前年度から4.1ポイント減)となった。

  • 〇運動・スポーツが何をもたらすと考えるかについては、「健康・体力の保持増進」(63.7%)と最も高く、「精神的な充足感」(39.3%)、「リラックス、癒し、爽快感」(28.3%)と、生活の豊かさにつながる回答が上位を占めた。

4.今後の対応について

  スポーツ庁では、第3期スポーツ基本計画も踏まえ、以下の取組を実施していきます。

    1.障害のある人とない人が共にスポーツをするインクルーシブなスポーツ環境の整備
    2. 障害者特有のスポーツの実施に係る障壁の解消とスポーツ実施体制の課題の解消
    3. 特別支援学校等の運動部活動の地域連携・地域移行

  なお、本調査結果の詳細については、下記のurlに掲載いたします。
 https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/toukei/chousa04/sports/1402342_00002.htm

※調査方法について
 本調査は、平成25年度より令和元年度まで2年に1回の頻度で実施し、令和元年度より毎年実施している。
 本年度の調査の概要については以下のとおり。

  • 〇調査方法:無記名式のインターネット方式

  • 〇調査内容:主な調査項目は、以下のとおりである。

  • ・障害児・者の基本情報(障害の種類、障害者手帳の保有状況など)

  • ・運動・スポーツの実施状況(実施種目、頻度、施設、目的など)

  • ・運動・スポーツの実施における障害

  • ・今後行いたいと思う運動・スポーツ

  • ・スポーツクラブや同好会・サークルへの加入状況

  • ・過去1年間のスポーツ観戦状況

  •  〇調査対象及び回収結果:インターネット調査会社が保有するリサーチモニターのうち、以下に該当する者を調査対象とした。

  • ・障害児・者本人あるいは同居する家族で障害児・者がいる

  • ・障害児がいる場合、7歳以上である

 
該当する回答者は5,230人であった。兄弟、姉妹、第4子以降の子で障害児・者が複数いる場合は、それぞれ年齢が一番上の者についてのみ、回答を依頼した。その結果、回答者本人及び同居する家族内の障害児・者を含めた障害児・者の総数は7,093人であった。

 

別紙 「令和4年度障害児・者のスポーツライフに関する調査研究」の概要

お問合せ先

スポーツ庁健康スポーツ課 障害者スポーツ振興室

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(スポーツ庁健康スポーツ課 障害者スポーツ振興室)