令和2年度体力つくり優秀組織表彰の概要

令和2年12月25日

 この表彰は,地域や職場における保健・栄養の改善及びスポーツ・レクリエーションの普及運動(体力つくり運動)を推進し,顕著な成果を上げている組織を文部科学大臣,体力つくり国民会議議長が表彰することにより,体力つくり運動の普及及び充実を図ることを目的に昭和43年から実施している。
 各都道府県教育委員会等から推薦された13組織について,別添概要のとおり,本年度の被表彰組織として決定した。

1.推薦基準

ア 体力つくり運動を推進するための,住民(従業員)参加による組織運営が円滑に営まれていること。
イ 体力つくりに関する実践・啓発・広報活動が積極的に行われていること。
ウ 体力つくりを実践するクラブ等の育成が積極的に行われていること。
エ 体力つくり関係施設の提供等が積極的に行われていること。
オ 過去において体力つくり運動に関する功績により国の表彰を受けていないこと。
カ 体力つくり国民会議議長賞を受賞し,受賞後原則として3年以上を経過していること。(文部科学大臣賞のみの推薦基準)
 

2.表彰式

 例年は「生涯スポーツ・体力つくり全国会議」の際に実施しているが,今年度は,新型コロナウイルス感染症対策のためにオンライン開催となるため,推薦元である各都道府県,健康保険組合連合会,中央労働災害防止協会を通じて令和3年2月5日(金曜日)付けで,表彰状を交付する。
 なお,生涯スポーツ・体力つくり全国会議2021(オンライン)にて,被表彰祖組織の取組について紹介する。
  ※生涯スポーツ・体力つくり全国会議2021(オンライン)
      ライブ配信:令和3年2月5日(金曜日)13時00分~16時50分
      オンライン配信:ライブ配信終了後,準備が整い次第,2週間程度

【参考】体力つくり運動について
 昭和39年12月「国民の健康・体力増強対策について」の閣議決定に基づき,健康の増進,体力の増強について国民の自覚を高めるため,推進されている運動。翌40年3月,趣旨の普及・徹底と実践的効果を高めるため,「体力つくり国民会議」が結成された。現在,8府省,213団体から構成され,事務局を文部科学省(スポーツ庁)に置く。
 

令和2年度体力つくり優秀組織表彰 被表彰組織概要

文部科学大臣賞(9組織)

【平川市(ひらかわし)】(青森県)
<昭和49年度平賀町(現・平川市)体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 平成27年に「平川市健康づくり宣言」を制定し,健康長寿のまち青森県ナンバーワンを目指して市民と関係団体及び平川市が一体となって健康づくりに取り組んでいる。「平川市スポーツデー」では,市内の幼児と市長による50m走やりんご袋かけ競走などユニークなプログラムが人気となっている。また,平川市スポーツ推進委員は,年齢や性別に関係なく運動を楽しめるよう体操やニュースポーツなど「軽スポーツ巡回教室」を開催し,市民への運動・スポーツの普及に努めている。さらに,3才児健診時に食生活改善推進員が手作りで栄養価の高いおやつを提供することや,秋の収穫に併せて開催する「ひらかわフェスタ」で健康食を無料で提供するなど,食から健康を考える取組を展開している。


【成田市(なりたし)】(千葉県)
<平成23年度体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 平成16年に「スポーツ健康都市」を宣言し,スポーツを愛し,スポーツを通して健康な心と体を育み,明るく豊かな成田市を築くことを目的に様々なスポーツ活動の基盤充実に努めている。平成29年にはシティプロモーション部創設により文化・観光・スポーツを一体的に推進していく体制を整えるとともに,スケートボードパーク新設やプール改修等の施設整備に努めるなど重点的にスポーツ振興に注力している。また,住民が主体的に保健事業の担い手となり活動している「健康ぼらんてぃあ」や地区保健推進員等が市と協働して寝たきり予防や軽度認知症支援など健康づくり普及活動をしている。加えて,子育て世代の健康教室や男性の料理教室など,幅広く市民の健康・体力つくりに取り組んでいる。


【大磯町(おおいそまち)】(神奈川県)
<昭和53年度体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 大磯町は,「健康増進,食育,スポーツ」の取組を統合し,平成29年に策定した「けんこうプラン大磯」では,「生涯健康でこころ豊かにいきいきと暮らせるまち」の実現を目指している。平成24年から開催している町民参加型のスポーツ健康イベント「大磯チャレンジフェスタ」は毎年約5,000人の参加があり,スポーツ体験や健康づくりの意識高揚を図っている。転倒や骨粗しょう症の予防を目的とした「おおいそ骨太体操」と太極拳の動きを取り入れた「大磯こゆるぎ体操」は町オリジナルの健康体操であり,年間100回以上講習会を行っている。また,町内24地区に定期的に保健師を派遣して健康相談を行い予防医学の大切さを普及啓発する「おあしす24健康おおいぞ事業」や,町内の小・中学生を対象に地元の農水産物に対する理解を深めて食への関心を高めるための「Oisoレシピ事業」など多種多様な健康づくりに関する施策を講じている。


【見附市(みつけし)】(新潟県)
<平成13年度体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 住んでいるだけで健康で幸せになれるまち「スマートウエルネスみつけ」の実現に向け,市民の健康・体力つくりに積極的に取り組んでいる。「歩く」ことを基本とし,市民の誰もが参加して生活習慣病や寝たきりを予防する「日本一健康なまちづくり」を目指している。平成24年には「見附市健幸基本条例」と「見附市歩こう条例」を制定し,施策を体系的に推進するための「健幸づくり推進計画(平成26年~)」を策定した。健康・スポーツに関する相談を気軽にできる窓口「健幸スポーツの駅」を市内5か所に設置し,「健幸コンシェルジュ」が市民一人一人の体の状態や興味関心に合わせて運動・スポーツを紹介し,実施につなげている。また,平成14年から継続している中高年向けの健康運動教室は,参加者の体組成や運動量など各種測定データを基にした個別の運動・栄養プログラムの作成,参加者の体力年齢や医療費抑制効果の検証などを行っている。


【白山市(はくさんし)】(石川県)
<平成2年度鳥越村(現・白山市)・平成3年度河内村(現・白山市)体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 平成17年に1市2町5村(松任市,美川町,鶴来町,河内村,吉野谷村,鳥越村,尾口村,白峰村)が合併して白山市となった。第2次白山市総合計画(平成29年度~)で掲げた「健康で笑顔あふれる元気都市白山」の実現に向けて取り組んでいる。誰もが気軽にスポーツに親しめるよう市の鳥「うぐいす」にちなみ,「うまいへたは抜きにして」,「ぐるーぷや地域やファミリーで」,「いつでもどこでも」,「すこやかにスポーツを楽しみましょう」の頭文字をとった「うぐいす運動」を合い言葉に,旧市町村の取組を継続しながら,市内28地区の公民館を中心にニュースポーツ大会などの各種事業を展開している。また,日々の活動量や体組成の変化を可視化する「はかる」から始める取組や,大学と連携した食の取組,白山市健康づくり宣言事業所認定制度の創設など健康づくりを中心としたまちづくりを推進している。


【かつらぎ町(ちょう)】(和歌山県)
<平成12年度体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 町民憲章において「スポーツに親しみ,健康で明るいまちづくり」を掲げ,平成25年に「健康寿命日本一宣言」を行い,かつらぎ町社会教育計画(毎年度計画),健康寿命日本一推進計画(平成28年~)を基に取り組んでいる。「かつらぎ町体育祭り」は昭和46年黒潮国体(和歌山県)を契機に始め,「スポーツをみんなのものに」をスローガンに開催している。また,行政と総合型地域スポーツクラブ等のスポーツ関係団体が連携して,地域に根付いた「三谷マラソン大会」や「紀の国万葉の里マラソン」,各種スポーツ教室等を実施している。転倒予防教室,認知症予防教室,生活機能を総合的に評価して介護予防につなげるフレイルチェック教室など,スポーツ分野と保健分野に携わる組織が協力し,子供の体力向上から成人の健康維持・増進などに寄与する取組を継続的に推進している。


【いの町(ちょう)】(高知県)
<昭和52年度吾北村体育会(現・いの町)体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 平成16年に吾北村,伊野町,本川村が合併し,いの町となる以前より,旧町村の体育会(現・地区体育会)が活動拠点となり,体力つくり運動を推進している。明るく豊かで活力に満ちた地域社会の形成や世代間を超えた健康づくりを目指して,地区体育会による住民主体の22競技の活動やマラソン大会等の各種スポーツ行事を通じて,住民の多様なニーズに対応した運動機会の充実に取り組んでいる。中でも,各地区で開催する「地区民運動会」は,子供から高齢者まで誰もが参加できるスポーツ・レクリエーション種目で構成し,体力つくりの推進とともに世代間交流や地域コミュニティの構築にもつながっている。また,昭和56年から継続している食育や減塩推進などの食生活推進活動,平成15年に開発した町オリジナルの介護予防体操「るんるん若ガエル体操」の普及啓発など,幅広く活動している。


【嬉野市(うれしのし)】(佐賀県)
<平成16年度嬉野町体力つくり推進協議会(現・嬉野市)体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 平成18年に塩田町と嬉野町の合併により誕生し,「体育と文化に親しみ歓声の上がるまちづくり」を市民憲章に掲げ,「やろうよスポーツ!楽しもうよスポーツ!創ろうよスポーツ!」をスローガンにした第2次総合計画(平成30年~)を進めている。「スポーツによるまちづくり」を大きな軸に,市民ニーズに応えた柔軟な運営による総合型地域スポーツクラブ,多彩な少年スポーツクラブなど,行政だけでなく地域住民や各スポーツ団体,企業等が協働して,多世代に対する様々なスポーツ活動を展開している。また,ロコモ予防運動教室や運動機能向上教室,食生活改善推進協議会による食育教室や講習会など数多くの活動を通して,幅広く市民の体力つくりに寄与している。


【ボッシュ健康保険組合(ぼっしゅけんこうほけんくみあい】(健康保険組合連合会)
<平成28年度体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 「健康維持・増進の支援活動を通じ,加入者の幸せで文化的な生活の実現」を理念に,直営診療所や健康増進センターに在籍する多数の専属医療・健康スタッフによる専門性を生かした保健事業やデータヘルス事業などに積極的に取り組んでいる。昭和60 年から継続している重点施策「さわやかヘルスプラン」は,コラボヘルスの象徴的事業で,事業主,労働組合,健康保険組合の三者協働により,体力測定と健康教育を行っており,令和元年度からは歩行姿勢測定を取り入れて生活習慣改善への動機づけを行っている。また,職場体操の実施や体育奨励金,アプリ型ウオーキング事業への参画,健康増進センターでの新規運動プログラム開発や設備改善など,多くの加入者に対し運動機会の提供を行っている。さらに,事業所への産業医派遣,食生活を向上するために健康メニューの提供や食生活改善セミナーの開催,各種検診などを実施し,健康づくりを網羅的に支援している。
 

体力つくり国民会議議長賞(4組織)

【関原コミュニティ推進協議会(せきはらこみゅにてぃすいしんきょうぎかい)】(新潟県)
 地域住民の交流と地域コミュニティの醸成を図ることを目的に,平成16 年に関原コミュニティ推進協議会(長岡市)を設立し,各部会委員や関原地域の推進組織委員が中心となり,関原地域における健康,福祉,体力つくりに関する取組を積極的に行っている。具体的には,地域と幅広い年齢層の交流を主目的とした関原地区市民運動会や町内親善スポーツ大会,健康料理教室や母子保健推進員による相談会「ままのまカフェ」等を開催している。中でも,平成27年からこれまで延べ23,000名以上が参加した朝のラジオ体操の会は,回覧で広く参加を呼びかけ,出席カードや継続者表彰で参加意欲を高め,体力つくりに関する知識向上のために茶話会や運動講演会等を開催するなど工夫をしている。


【大津町(おおづまち)】(熊本県)
 大津町の最上位計画である第6次大津町振興総合計画に基づき,平成28年熊本地震からの復旧・復興施策の一つとして,町民のスポーツ活動の推進とともにスポーツ環境の整備に取り組んでいる。また,大津町健康づくり推進計画に基づき,健康寿命の延命や生活習慣病の予防と重症化予防の徹底など,町民の健康づくりを推進している。町が運営の一助を担っているNPO 法人クラブおおづでは,「スポーツを通した元気な町づくり」を目的とし,町民のスポーツ活動の充実や健康な生活習慣の啓発など,地域住民とともにスポーツを通じた仲間づくりや健康づくりの推進を担う中心的組織として活動している。サッカー,ミニバスケットなど15種目19サークルの活動を展開した「クラブ&サークル事業」,健康保険課及び福祉課と協同開催する「健康推進事業」,児童の多種多様な運動を放課後に実施する「学校サポート事業」,熊本地震後から住民の心のケア等を目的とした「支え合い事業」など広く町民の生活環境の充実に貢献している。


【東京実業健康保険組合(とうきょうじつぎょうけんこうほけんくみあい)】(健康保険組合連合会)
 東京実業健康保険組合は,加入者が健康・体力つくりに関心を持ち,自主的に日常の生活習慣を見直して健康つくりのための運動習慣化を目指せるような事業を展開している。体育奨励事業では,「スポーツで体を動かすことが健康つくりの第一歩」の理念の下,50年以上続けている事業所対抗軟式野球大会や卓球大会,ボウリング大会,スキー・スノボー教室など多岐に亘る。また,遊園地や公園でのウオーキング大会,果実狩りと組み合わせたハイキング大会等スポーツが苦手な方や子供でも気軽にできるイベント,事業所への巡回体力診断・体操指導の実施など多くの加入者が体を動かす機会を提供している。さらに,職場で毎日決まった時間にラジオ体操を実施しており,その功績が認められ「平成25年度ラジオ体操府県等表彰(東京都表彰)」を受賞した。健康管理事業では,事業主との協働(コラボヘルス)を行い,生活習慣病の重症化予防,継続的受診を視野にした特定健診・特定保健指導の実施率向上に取り組んでいる。


【古河電気工業株式会社千葉事業所(ふるかわでんきこうぎょうかぶしきがいしゃちばじぎょうしょ)】(中央労働災害防止協会)
 「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」に基づき,平成7年より体力測定(運動機能検査),平成28 年より転倒リスクのセルフチェックを計画的に実施している。個人結果をフィードバックすることに加え,集団結果の全国標準値との比較や経年変化を示すことで,身体機能の維持・向上や転倒防止が事業所全体の課題であることを根付かせている。また,職場で就業前体操や転倒予防体操を毎日実施することや,歩数に応じて健保のポイントを付与する「ウォークラリーde 健康づくり」等に取り組んでいる。これらの体力つくりに関する施策を各職場に普及する際には,各職場の安全リーダーに協力してもらうことで組織的に取り組み,全従業員を対象に実施することが可能となっている。さらに,敷地内全面禁煙や,生活改善の掲示物を食堂に設置,健康カレンダーの職場への配布等,幅広く従業員の健康づくり活動を行っている。
 

お問合せ先

スポーツ庁健康スポーツ課

健康・体力つくり係
電話番号:03-5253-4111(内線2998)

(スポーツ庁健康スポーツ課)