令和元年度体力つくり優秀組織表彰の概要

令和元年12月23日

 この表彰は,地域や職場における保健・栄養の改善及びスポーツ・レクリエーションの普及運動(体力つくり運動)を推進し,顕著な成果を上げている組織を文部科学大臣,体力つくり国民会議議長が表彰することにより,体力つくり運動の普及及び充実を図ることを目的に昭和43年から実施している。
 各都道府県教育委員会等から推薦された10組織について,別添概要のとおり,本年度の被表彰組織として決定した。

1.推薦基準

ア 体力つくり運動を推進するための,住民(従業員)参加による組織運営が円滑に営まれていること。
イ 体力つくりに関する実践・啓発・広報活動が積極的に行われていること。
ウ 体力つくりを実践するクラブ等の育成が積極的に行われていること。
エ 体力つくり関係施設の提供等が積極的に行われていること。
オ 過去において体力つくり運動に関する功績により国の表彰を受けていないこと。
カ 体力つくり国民会議議長賞を受賞し,受賞後原則として3年以上を経過していること。(文部科学大臣賞のみの推薦基準)
 

2.表彰式

(1)日時:令和2年2月7日(金曜日)
   生涯スポーツ・体力つくり全国会議2020
   「オープニング・表彰式」10時00分~10時35分
(2)場所:松江しんじ湖温泉 ホテル一畑(島根県松江市千鳥町30)
  ※文部科学大臣,体力つくり国民会議議長から,表彰状及び記念品(盾)を贈る。

【参考】体力つくり運動について
 昭和39年12月「国民の健康・体力増強対策について」の閣議決定に基づき,健康の増進,体力の増強について国民の自覚を高めるため,推進されている運動。翌40年3月,趣旨の普及・徹底と実践的効果を高めるため,「体力つくり国民会議」が結成された。現在,8府省,213団体から構成され,事務局を文部科学省(スポーツ庁)に置く。
 

令和元年度体力つくり優秀組織表彰被表彰組織概要

文部科学大臣賞(4組織)

【犬山市】(愛知県)
<昭和44年度 犬山市体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 犬山市は,第5次犬山市総合計画(平成29年度~令和4年度)で「豊かな心と生きる力をはぐくむ教育を実現」を柱の一つに掲げ,市民が気軽にスポーツに参加できる機会の提供や指導者の育成など推進体制の充実を図るとともに,体育館などの施設を整備しスポーツ振興を推進している。
 「いぬやまランニングフェスティバル」「仲良しわんスポ交流会」など市民参加のスポーツイベントの積極的な開催や,行政主体のみならず体育協会やスポーツ推進委員等のスポーツ関係団体が主体となる幅広い取組を行い,市民の体力つくりに貢献している。
 また,保健・栄養分野にも力を注いでおり,各小中学校に栄養教諭及び給食調理室を配置し,食に対するきめ細やかな指導を行っている。犬山産の食材を積極的に使用するホットドッグ「犬山ドッグ」のアイデアを小中学生から募集して栄養バランスを意識させる取組や,おすすめの朝ごはんを市民に紹介する取組など,地域活性化と朝食の大切さの啓発活動に取り組んでいる。


【岩出市】(和歌山県)
<平成26年度 体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 岩出市は,「活力あふれるまち,ふれあいのまち」を将来都市像に掲げ,教育委員会と生活福祉部が協力し合い,取組を進めている。
 平成26年度体力つくり国民会議議長賞受賞を機にスポーツに対する機運が一段と高まり,これまでの事業継続に加え,新たな事業を展開している。市民対象のスポーツ大会やニュースポーツ体験会,体力測定の実施など,スポーツをする機会提供を積極的に行っている。1万人規模の「岩出市民運動会」や「岩出マラソン大会」は,行政機関だけでなく体育協会やスポーツ推進委員会,学校など様々な団体と連携して開催し,地域に定着した大会となっている。また,栄養や生活に関する講話や運動指導を定期的に実施することで体力つくりの意識向上や,「岩出市民ふれあいまつり」では地域福祉・健康づくりへの関心を高め,住民同士の交流の輪を広げるようを図っている。
子供から高齢者までの全ての世代が一緒に楽しめる仕組みをつくることで,地域コミュニティーの形成や世代間の交流を活性化し,長期計画の達成を目指している。


【福山市運動普及推進員連)絡協議会】(広島県)
<平成24年度 体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 平成5年に結成した福山市運動普及推進員連絡協議会は,地域に密着した健康づくりの運動の普及と啓発を行っているボランティア団体である。福山市健康増進計画2018に基づき「運動習慣を身につけることができる」を目標とし,定期的な運動教室等の開催やイベント時の運動実技指導等の実施など年間1500回以上の活動で市民の運動機会の充実に寄与している。
 意識的に歩く機会を増やすため,各公民館・自治会等の地域組織と連携し,小学校区ごとに身近な名所・史跡を楽しみながら歩ける「福山市ウォーキングマップ」を作成して市民への啓発,地域の公民館や集会所等での定例運動教室の実施,健康ふくやま21フェスティバルでの運動実技指導,健康づくり講演会やウォーキング大会等のイベントの開催などに取り組んでいる。
 これらの活動を通して,市民の健康意識向上に大きく寄与するとともに地域づくりにも貢献し,他の模範となるような地域の体力つくり運動の普及や推進活動を実践している。


【関東ITソフトウェア健康保険組合】(健康保険組合連合)
<平成26年度 体力つくり国民会議議長賞 受賞>
 関東ITソフトウェア健康保険組合は,健康増進と疾病予防を両軸とし,健康増進事業(体力つくり事業),疾病予防事業,各種健康診査事業を強力に推進することにより,加入者の健康意識の向上と健康維持・増進を図っている。
 10万人規模の一大事業である健歩大会や,ウォーキング大会,ハイキング大会など年間を通じて「歩くことが健康を守る大事な一歩である」と意識づける事業に力を入れている。また,全国のスポーツ施設等との契約,家族や事業所単位で参加できる野球やテニスなど各種スポーツ大会の開催を通じてスポーツをする場や機会の提供に取り組んでいる。加えて,保養施設を活用した宿泊型健康増進セミナーでは,家族が参加しやすい多様な体力つくり事業を提供している。平成30年度からはスマートフォンアプリを活用したウォーキングイベントを新規に立ち上げ,より多くの加入者が参加できる体制を整備し,更なる事業拡大を図っている。
 運動・スポーツへのリテラシーを向上させる一方で,禁煙の啓発活動のほか,BMIが25kg/m2以上の加入者を対象にしたWeb活用型ダイエットプログラムや,生活習慣病リスク保有者に対する改善プログラムなどの事業を展開している。
今後は,事業主と健診データ等を共有し,事業主と一体となった効果的な体力つくり事業が推進される予定である。

体力つくり国民会議議長賞(6組織)

【佐倉市】(千葉県)
 佐倉市では,すべての市民がスポーツに親しみ,自分らしく暮らし,多くの人々が訪れる魅力あるまちを実現するために策定した第5次佐倉市スポーツ推進計画(平成29年~)を推進している。
 体育協会やスポーツ少年団,スポーツ推進委員連絡協議会など様々なスポーツ団体が充実し,子供から高齢者まで幅広い層がスポーツに触れる事業を実施している。「ニュースポーツまつり」や体育の日に開催する「スポーツフェスティバル」では,誰もが参加できる多種多様なスポーツを紹介し,体力つくりへの意識を高めている。また,市内外から1万人以上が参加する「佐倉朝日健康マラソン大会」では,市内中高生など多くのボランティアが関わり,スポーツの魅力を伝えるよう図っている。さらに,市民の自主的な健康増進を目的とした運動事業では,玄米ダンベルや運動器具トレーニング,サーキットトレーニングなどの実施,ロコモティブシンドロームなどの講習会,スポーツ施設の自由開放などに取り組んでいる。加えて,市民の歴史・郷土を学びながら楽しくウォーキングができるよう「健康ウォーキングマップ」を作成し,普及している。


【武蔵野市】(東京都)
 武蔵野市は,住民や関係団体と協力して,住民参加による体力つくり関連事業や,広報・啓発活動を積極的に行い,組織的に住民の健康・体力つくりを推進している。
 スポーツ推進委員協議会が行っているニュースポーツや障害者スポーツの普及啓発,地域の方々が運営委員となり全世代のスポーツ活動の場として継続的に提供している「市民スポーツデー」や学校施設開放,コミュニティセンターでの「自主参加・自主企画・自主運営」の体力別地域健康クラブの実施等に取り組んでいる。また,オリンピック・パラリンピック担当を設置し,様々な団体と連携強化しながら「Sports for All」のイベントを実施し,運動に関心の低かった方々の参加を増やしている。さらに,市内企業と「相互協力に関する協定」を締結し,地域スポーツクラブの設立や生涯を通じてスポーツを楽しむ機会の創出,みるスポーツやアスリートと触れ合う機会の拡充を図っている。
 「福祉のまち武蔵野」として,高齢者が身近な場所で生きがいや健康づくりができるよう,個人宅や団地集会所,営業時間外の店舗等で行う介護や認知症予防のための体操や脳トレ等の活動を支援している。また,健康づくり支援センター付属診療所と連携した取組や,対象者層に合わせた運動・保健・栄養・歯科の各分野からの支援を通して,市民がいつまでも健康に暮らせるまちづくりを推進している。


【すさみ町】(和歌山県)
 すさみ町は,すさみ町民憲章(昭和60年11月策定)で「スポーツにしたしみ,健康で希望にみちた明るいまちをつくりましょう。」と掲げ,健康で活気あふれる町を目指し,教育委員会と環境保健課が協力し,時代のニーズに併せて様々な取組を行っている。
 毎年,全町民の約4分の1が参加し,40年以上継続的に実施している「すさみ町民運動会」は高齢者と子供が共に参加できる玉転がしや,地区対抗リレーや綱引きなど老若男女が楽しめるよう工夫している。また,年に2回開催される「歩こう会」は,広域にわたり住民や歴史と触れ合うことができ,長年親しまれている。さらに,高齢化や時代の変化に伴い病気やけがの予防を目的に開催している「いきいきふれ愛まつり」では,血圧や骨密度測定,健康相談会場の設置,各種レクリエーションスポーツ大会の開催等,子供から高齢者まで誰もが体力つくり活動を生活の一部となるよう,すさみ町一丸となって取り組んでいる。


【高森町】(熊本県)
 高森町は,スポーツを通して町民の心と体の健康を増進し,幸福度を向上させるとともに,町民の交流を促進し,地域を活性化することが重要と考え,「健康で豊かな暮らしを送れる町民総スポーツ社会」を目指している。
 平成24年度に設立し,高森町が運営の一助を担っている高森町総合型地域スポーツクラブ「高SPO」は,町民総ぐるみでスポーツ・文化活動を通して健康つくり,体力つくり,仲間つくりを図る活動をしている。Jリーグ「ロアッソ熊本」との連携事業や幼児児童体育教室等,子供たちが運動できる環境を年々増加させている。また,田植前の水田でスポーツをする「泥りんピック」や,高齢者がいきいきと楽しく過ごせるための場の取組等,活動は多岐にわたる。
 さらに,高森町情報発信ケーブルTV「たかもりポイントチャンネル」内で「なんさま体操」を1日3回毎日放送し自宅でも体操できる環境を提供している。


【ホトニクス・グループ健康保険組合】(健康保険組合連合)
 ホトニクス・グループ健康保険組合は,「疾病保険ではなく,真の健康保険を目指す」という設立理念の下,健保組合と事業所間が一体となって,各種健診事業やデータヘルス計画に基づく重症化予防対策など,疾病予防に重点を置いた幅広い保健事業を展開してきた。
 毎年参加率が高く30年以上続く体力測定は,健保組合の職員と健康運動指導士が全事業所に出向き,従業員を対象にメディカルチェック後,各種体力測定を就業時間内に実施し,「自身の健康管理も仕事のひとつ」という風土を定着させた。測定結果には体力向上・健康維持のアドバイスとともに,経年変化を通知する。また,メディカルチェック結果は保健師につなぎ,疾病予防や早期発見に役立てている。
 食事と運動の両面からライフスタイル改善策を学べる「ボディデザインスクール」や月20万歩を目標に競う「Webウォーキング」等の家族参加型事業のほか,インセンティブ事業など加入者個人の健康づくりを多岐にわたり支援している。
 今後はホームページ内で体力測定・健診結果の閲覧,余暇時間を使って活動量を向上させる事業を計画しているほか,更なるコラボヘルスの推進を目指している。


【ヤマウチ株式会社鹿沼工場】(中央労働災害防止協会)
 ヤマウチ株式会社鹿沼工場は,組織的計画的に「事業者における労働者の健康保持増進のための指針」に基づき,活動を継続している。
 25~45歳は5年ごと,50歳以上は2年ごとに実施する体力測定では,結果を基にした個別運動指導と個別栄養指導を実施している。体力測定の全実施者対象の個別運動指導は,自身の運動機能について認識させ,転倒災害等の防止につなげている。
 そのほか,コミュニケーションを良くするためのスポーツイベントや鍋パーティー等の開催,ストレスチェックの実施と集団分析,生活習慣病予防セミナーやメンタルヘルスセミナーの開催,産業医による健康相談指導の実施,健康に配慮した昼食の提供等に取り組んでいる。従業員のうち35%が所属する野球部には会社が活動を支援し,従業員の50%近くが参加するゴルフコンペやソフトボール等のスポーツイベントは会社と労働組合が共催している。

お問合せ先

スポーツ庁健康スポーツ課

健康・体力つくり係
電話番号:03-5253-4111(内線2998)

(スポーツ庁健康スポーツ課)