各都道府県・指定都市教育委員会体育主管課長 各都道府県・指定都市スポーツ主管課長 各都道府県私立学校事務主管課長 小中高等学校を設置する学校設置会社を所轄 する構造改革特別区域法第12条第1項の認定 を受けた各地方公共団体の学校設置会社担当課長 殿 各国公私立大学担当課長 附属学校を置く各国公立大学法人担当課長 各国公私立高等専門学校担当課長 各スポーツ関係団体の長(※)
スポーツ庁競技スポーツ課長 籾井 圭子 (印影印刷) スポーツ庁政策課長 鈴木 敏之 (印影印刷) スポーツ庁参事官(地域振興担当) 増井 国光 (印影印刷)
スポーツの実施にあたっては,スポーツを行う者の心身の健康の保持増進及び安全の確保が図られることが重要です。
しかしながら,今般,一部の競技において,本来であれば鉄欠乏性貧血が重症かつ緊急の場合など,経口による鉄剤の投与が困難又は不適当である場合に限って使用されるべき鉄剤の静脈内注射について,不適切な利用の実態があることが確認されました。
鉄剤の静脈内注射は,鉄分の過剰摂取につながりやすく,鉄が肝臓,心臓,すい臓,甲状腺,内分泌臓器及び中枢神経などに沈着し,機能障害を引き起こしたり,ヘモグロビンをつくる能力の低下を招いたりする恐れがあります。また,鉄剤の静脈内注射は経口による鉄剤の投与が困難又は不適当である場合に限って使用されるべきものとされています。
したがって,鉄剤の静脈内注射が選手の健康を害する危険性を理解した上で,疲れやすく競技のパフォーマンスが低下しているなどの競技者からの訴え等に対して,指導者等は安易に鉄剤の静脈内注射の使用を医師に求めることなく,医師の診断に従い,適切に治療を受けるよう促すことが必要です。
鉄欠乏性貧血は,食事において鉄分をはじめとする必要な栄養をしっかりとるとともに,休養やトレーニング強度・量に配慮することで予防することができます。特に成長期の競技者については,骨や筋肉の発育・発達のために鉄分が消費されることから,鉄欠乏状態になりやすいことに留意が必要です。
ついては,地方公共団体又は学校設置者におかれては所管又は所轄の学校及び関係機関等に対して,都道府県におかれては域内の市区町村に対して,このことについて周知くださるようお願いします。
また,スポーツ団体については,統括団体におかれては加盟団体に対して,中央競技団体におかれては年齢・学校種・地域等の別に応じて組織されている関係団体に対して,このことを通知の上,指導者等への周知啓発に御協力くださるようお願いします。
なお,本件に関して,公益社団法人日本医師会から各都道府県医師会に対して,別紙1のとおり周知がされています。
(※)「各スポーツ団体」の送付先(順不同)
・公益財団法人日本スポーツ協会
・公益財団法人日本障がい者スポーツ協会
・公益財団法人日本オリンピック委員会
・公益財団法人全国高等学校体育連盟
・公益財団法人日本中学校体育連盟
・公益財団法人日本高等学校野球連盟
・一般社団法人日本トップリーグ連携機構
・公益財団法人日本プロスポーツ協会
【参考資料】
(貧血予防等に関する参考資料)
1.公益財団法人日本陸上競技連盟「アスリートの貧血対処7か条」(別紙2として添付)(※公益財団法人日本陸上競技連盟ウェブサイトへリンク)
(スポーツと栄養に関する参考資料)
2.文部科学省「食に関する指導の手引-第1次改訂版-」(第6章6.(4)スポーツをする児童生徒)
3.国立スポーツ科学センターウェブサイト「スポーツ栄養」(※国立スポーツ科学センターウェブサイトへリンク)
4.公益財団法人日本陸上競技連盟「アスリートのエネルギー不足予防10か条」(※公益財団法人日本陸上競技連盟ウェブサイトへリンク)
(ジュニア期のスポーツ全般に関する参考資料)
5.公益財団法人日本スポーツ協会「ジュニア期のスポーツライフマネジメント」(※公益財団法人日本スポーツ協会ウェブサイトへリンク)
(女性アスリートの健康等に関する参考資料)
6.国立スポーツ科学センター「成長期女性アスリート指導者のためのハンドブック」(文部科学省委託事業)(※国立スポーツ科学センターウェブサイトへリンク)
7.東京大学医学部附属病院「Health Management for Female Athletes Ver.3 -女性アスリートのための月経対策ハンドブック-」(スポーツ庁委託事業)(※東京大学医学部ウェブサイトへリンク)
スポーツ庁競技スポーツ課企画係