令和8年1月
「スポーツを通じて誰もが自分らしく生きられる社会へ」
あけましておめでとうございます。
昨年10月、3代目のスポーツ庁長官として室伏広治前長官からバトンを受け、早3か月が経過しました。スポーツを通じて誰もが自分らしく生きられる社会の実現に向け、スポーツ庁長官としてスポーツの楽しさや魅力、価値などを国民の皆様に分かりやすくお伝えし、スポーツのすばらしさを実感いただけるよう努めていく所存です。
さて、スポーツ基本法の制定から14年、スポーツ庁の創設から10年が経過する中で、スポーツを取り巻く社会環境は大きく変化してきました。そのような中、昨年改正されたスポーツ基本法を踏まえ、まずは同法の基本理念の実現に向け、人種、性別、年齢、障害の有無等にかかわらず、多様な人々がスポーツに親しみ、参画し、豊かさを実感できる社会づくりに貢献してまいります。
昨年は、我が国で東京2025世界陸上競技選手権大会や第25回夏季デフリンピック競技大会東京2025が開催されました。アスリートが限界に挑む姿は、多くの人々に勇気と感動を与えてくれます。世界陸上では、競技場に集った多くの観客の声援、テレビ中継の大きな反響からも、有観客でのスポーツの盛り上がりを再認識できる機会となりました。日本で初めての開催となったデフリンピックは、子供から大人まで幅広い世代が手話やデフスポーツを知るきっかけにもなり、スポーツを通じた共生社会の実現につながる、大きな意味を持つ大会となりました。
本年は、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック・パラリンピック競技大会、第20回アジア競技大会・第5回アジアパラ競技大会(愛知・名古屋)、2028年はロサンゼルス2028オリンピック・パラリンピック競技大会等、大規模な国際競技大会がこれからも続きます。スポーツ庁は、これらの大会において全てのアスリートが自らの持つ可能性を最大限に発揮できるよう、スポーツ医・科学、情報等の知見も活用しながら、競技直前まで選手・コーチ等をサポートする体制の構築を図る等、更なる国際競技力の向上に取り組むとともに、今後日本において開催されるアジア・アジアパラ競技大会、ワールドマスターズゲームズ2027関西等の成功に向けて、機運醸成等にも全力を挙げて取り組んでまいります。
急激な少子化が進む中、学校単位ではチーム編成ができない、やりたいスポーツがあっても選択肢が少なくてできないといった地域が増えており、将来にわたって子供たちが継続的にスポーツに親しむ機会を確保・充実することは、喫緊の課題です。スポーツ庁では、これまでも部活動改革に取り組んできたところですが、昨年12月に新たに策定した「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」に基づき、令和8年度から13年度までの「改革実行期間」において部活動の地域展開等の全国的な実施を推進できるよう、令和7年度補正予算で82億円、令和8年度予算(案)で57億円を計上しており、自治体への継続的な支援等を行ってまいります。部活動改革は、子供たちのスポーツ活動の充実に向けた未来への挑戦です。未来を担う子供たちが持続可能な形で多様なスポーツ活動に親しめるよう、地域の声をしっかりと聞きながら、地域の実情等に応じて安定的・継続的に地域クラブ活動を行うことができる仕組づくりに取り組んでまいります。
さらに、スポーツは、体力向上や心身の健康の保持増進だけでなく、国民のウェルビーイングの向上にもつながるため、全ての国民が生涯を通じてスポーツを継続・実施できるよう、関係機関とも連携しながら、エビデンスに基づく効果的なスポーツの推進やスポーツの場づくりを含めて環境整備を進めます。また、スポーツが持つ、地域に楽しみやつながりをもたらす等の高いポテンシャルを発揮させることも重要であるため、「スポーツツーリズム」や「スポーツコンプレックス」等の更なる推進、スポーツ産業の裾野拡大を通じて、経済・地方活性化及び成長産業化を一層推し進めます。
こうしたスポーツの価値を社会に広めていくためには、スポーツ・インテグリティを高めていくことも重要です。アスリートへの誹謗中傷等に係る対策や、「スポーツ団体ガバナンスコード」等に基づくスポーツ団体のガバナンス・コンプライアンスの強化・徹底、暴力やハラスメント、ドーピング等のスポーツの価値を脅かす問題の根絶等に向けて、スポーツ庁をはじめ、スポーツに携わる全ての関係者や関係機関が自覚と責任を持って取り組んでまいります。
最後に、本年は、令和9年度から5年間のスポーツ施策の方向性を示す第4期スポーツ基本計画の策定に向けた検討が本格的に始まります。現在の第3期スポーツ基本計画を検証し、関係者や関係機関の皆様ともしっかり議論しながら、我が国におけるスポーツの5年先、10年先を見据え、次期基本計画を策定してまいります。
スポーツ庁長官 河合 純一
スポーツ庁政策課