スポーツ庁長官による記者との懇談(第76回)

令和6年9月

室伏スポーツ庁長官 記者懇談会冒頭発言 映像版

令和6年11月27日(水曜日)に行われた、室伏長官の記者懇談会冒頭発言の映像です。

室伏スポーツ庁長官 記者懇談会冒頭発言 映像版
 

令和6年11月27日室伏スポーツ庁長官記者懇談会 冒頭発言(※「YouTube」スポーツ庁動画チャンネルへリンク) 別ウィンドウで開きます

室伏スポーツ庁長官 記者懇談会冒頭発言 テキスト版

私の方から冒頭4件ございまして、記者懇談会を始めさせていただきます。

まず、「持続可能な国際競技力向上のための施策に関する評価検討会」設置についてです。この度、「持続可能な国際競技力向上のための施策に関する評価検討会」を設置しまして、先週20日に初回会議を開催いたしました。東京オリンピック・パラリンピック競技大会後の令和3年12月に策定しました「持続可能な国際競技力向上プラン」に基づいて行ってきた取組について、北京冬季大会やパリ夏季大会の結果も踏まえながら検証、改善を行うことを目的としております。今後3回程度会議を開催し、今年度中に現行プランの改定を行うことを想定しております。パリ大会においては非常に素晴らしい結果となりましたが、プランの策定時から状況が刻々と変化する中に、コンディショニングやアスリートのウェルビーイングの向上、国際情報戦略等、重要性が増している観点もございまして、持続可能な国際競技力向上のために先手を打って対応していきたいと思っております。こうした観点に立ち、今後より一層、オリパラ一体で全てのアスリートが可能性を発揮できる環境の実現に向けて、有識者の皆様のご意見も踏まえながら取り組んでまいりたいと思っております。

続きまして、これは部活動の地域移行、地域連携とも関係あるトピックですけれども、マルチスポーツコンベンションについて、多くの方にお越しいただきました。スポーツ庁では、特にジュニア期の子供たちを対象にニーズに応じながら多様なスポーツに親しむ環境、いわゆるマルチスポーツ環境を構築するために筑波大学に委託して事業を実施しております。その事業の一環として、11月7日水曜日に筑波大学東京キャンパスにおいて世界各国の有識者等によるマルチスポーツコンベンションが開催されました。冒頭では、私からも講演をさせていただきまして、私自身の経験であったり科学的知見も交えながらマルチスポーツの意義等についてお話しさせていただきました。また、ニュージーランド、オーストラリア、アメリカ、スペインの有識者から各国におけるマルチスポーツに関する取組の事例などを紹介いただきまして、特に早期の専門化、一つの種目に絞ってしまうことですけれども、が将来的な怪我などのリスクを高めることや、多様なスポーツへの参加が子供たちに高い幸福感をもたらすということなども示されました。こうした世界各国の先進的な取組も参考にしながら、我が国の子供たちのスポーツ活動の一層の充実を図るべく、引き続き日本型マルチスポーツ環境の構築のための取組を推進してまいりたいと思っております。

続きまして、薬剤師へのスポーツ庁の取組の周知についてです。スポーツによるライフパフォーマンス向上、ウェルビーイングの向上ですけれども、健康増進の取組を進めるためにはスポーツ団体のみならず、人々の健康を医療の側面から支える団体との連携も必要だと考えております。スポーツ庁では、本年度においても6月に日本医師会と「運動・健康スポーツ施策に関する要望書」に基づく意見交換を行うとともに、さらに7月には、皆さんにはお伝えしましたけれども、日本製薬団体連合会と医薬品のスポーツにおける不適切使用の防止に関する共同宣言の調印を行うなど、連携の取組を進めております。こちらの意図は、病気や怪我などのために開発された医薬品が、スポーツのパフォーマンスの向上を目的に使用されたり、また最近ですとフィットネス関係も含めて蔓延していたりとか、そういうことがありますので、これはトップアスリートのアンチドーピングの精神だけではなくて社会全体として取り組んでいくということで意見が一致し、さらに日本薬剤師会の協力を得てスポーツにおける医薬品の不適切使用の防止を周知するチラシやライフパフォーマンスの向上の取組を促すチラシを日本薬剤師会の会員の皆様に配布することとなりまして、11月末より順次これを送付させていただくことになっております。こちらは北海道東川町での取組などを紹介させていただきまして、腰痛や肩こりといった運動器の痛みは日常生活に支障をきたす主な症状の一つですけれども、その症状の軽減には医薬品を適切に使用する、オーバードーズの問題もありますけれども、そのことに加え、運動・スポーツをバランスよく実施していくことが重要だということと、東川町で行われた実証研究においても運動、スポーツを実施することで対象者の腰痛が軽減したり、体の機能が改善し、さらにはQOL(Quality of Life)が高まったということが報告されていますので、そういうことも載せています。こうした成果を踏まえまして、医薬品の適切な使用とセルフチェックや改善エクササイズも含めた運動をバランスよく行うことは痛みが改善し、日常生活を快適に過ごすことにもつながり、ひいてはライフパフォーマンスの向上につながることについて、薬剤師の皆様を含めて広く周知を図っているところです。今後も、スポーツ庁では医療に関わる団体とともに連携しながらスポーツを通じたライフパフォーマンスの向上や健康増進の取組の推進を進めてまいりたいと思います。

冒頭の最後の案件ですけれども、「障害者スポーツの初歩的な指導方法ハンドブック」についてです。スポーツ庁では、障害のある方へのスポーツ指導について今まで機会がなかった方や、またこれから始められる方などに読んでいただくために、障害者スポーツの初歩的な指導方法ハンドブックを作成しております。まだこれからアップデートしていく予定ですが、障害の有無に関わらずスポーツを行うことは様々な効果が期待される一方で、障害のある方がスポーツに親しむ機会はまだ十分なものとはなっていません。この背景の一つに、指導者不足であったり指導者の理解不足もあるのではないかと考えております。そこで、本ハンドブックは障害の種類ごとにそれぞれの基礎的な情報や指導のポイント、事例などを幅広く取りまとめています。視覚障害であったり聴覚障害であったりとか、精神的な疾患であったりとか、様々な観点から具体的にこういった点を気をつけるとコミュニケーションが図れるよということが書かれています。なお、このハンドブックについてはできれば教師の皆さんなど、実際に学校現場も含めて使用していただきご意見をいただいて、さらにはパラアスリートのインタビューも今後行っていって、年度末までにさらにブラッシュアップしていこうと思っております。本ハンドブックを入口として指導者が多様な指導方法を習得され、インクルーシブなスポーツ環境やスポーツを通じた共生社会につながることを期待しておりますけれども、障害の有無に関わらず指導するときの大事なポイント、それは相手の背景や特徴、そしてレベルだったり、生まれてからどうここに行きついているのかも含めてよくその立場を理解し、相手の立場になって指導しなければ、暴力とか、そういうハラスメントの問題もあると思うのですけれども、よく相手のことを理解しないことによる様々な問題というのはあるかと思います。ですので、こういったものをまた指導者としての幅広い知見を持って指導していって、より素晴らしい指導者になっていっていただきたいという思いで今進めていますので、ぜひ周知の方をご協力いただければと思います。

以上

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スポーツ庁政策課

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