令和6年7月
令和6年7月10日(水曜日)に行われた、室伏長官の記者懇談会冒頭発言の映像です。
令和6年7月10日室伏スポーツ庁長官記者懇談会 冒頭発言(※「YouTube」スポーツ庁動画チャンネルへリンク)
皆さん、こんにちは。それでは、記者懇談会を始めさせていただきます。冒頭8件ということでちょっと多いのですけれども、お付き合い願えればと思います。
まず、パリオリンピック・パラリンピック競技大会開幕について、今月26日からパリオリンピック、来月28日からはパリパラリンピックが開幕します。今大会では、団体競技での躍進、またあらゆる競技における経験豊富な選手から若い選手まで幅広い世代の選手たちの活躍が期待されます。先週5日には日本代表選手団の結団式、壮行会も行われましたけれども、選手の皆さんの姿を拝見しまして非常に心強く感じました。私としましては、選手の皆さんが日本代表として誇りを持ち、日頃の練習の成果を思う存分に発揮され、各自が満足のいくパフォーマンスを発揮していただけますように、また国民、そして世界中の皆さんに感動を届けてスポーツの素晴らしさを伝えていただきたいと願っております。スポーツ庁としましても、日本代表選手団の活躍に向けて引き続き支援してまいりたいと思っております。
続きまして、マルチスポーツについてですけれども、子供たちのスポーツ活動の一層の充実を図るべく、特にジュニア期の子供たちを対象にそのニーズに応じながら多様なスポーツに親しむ環境、いわゆるマルチスポーツ環境を構築していくことが極めて重要かと思っております。また、一つの競技に限定せず様々な競技を経験することは体の機能の向上や怪我の防止だけではなく、子供たちの社会性や協調性等を育む機会の増加につながるなど、教育的な意義が大きいかと感じております。そこで、スポーツ庁では令和6年度において地域における子供たちの多様なスポーツ機会創出支援事業として、我が国における子供たちのマルチスポーツ環境の望ましい姿について検討を行い、それを踏まえ日本型マルチスポーツ環境を構築し充実していくための必要となる取組を筑波大学に委託し実施することにしております。事業内容としましては、マルチスポーツに関する国内外の先進的な取組や研究成果等の調査、スポーツ団体等と連携したマルチスポーツ体験イベントの実施、子供の自主学習に向けてのトレーニング動画の作成の3本柱で構成されております。配布資料にございますように、2ページ目には筑波大学における現時点での具体的な取組の概要がありますのでご確認いただければと思います。
続きまして、部活動の地域連携、地域移行の取組についてですが、皆さんご存じのとおり、令和4年12月に策定しました国のガイドラインでは令和5年度から7年度までを改革推進期間として位置づけ、休日の部活動の地域連携や地域クラブ活動への移行について地域の実情等に応じて可能な限り早期で実現を目指すということになっております。改革推進期間の2年目となる令和6年度は、取組を加速するため昨年度から実施している実証事業の規模をさらに拡大しまして、新たに重点地域における政策課題への対応で支援を行ってまいります。今年度の実証事業では、510自治体で実施するとともに、7県を地域スポーツ環境の整備に先導的に取り組む重点地域として指定させていただき、他の地域でも参考になるような課題解決に取り組んでいただくこととなっております。また、改革推進期間における成果や課題、地方自治体の意向等も踏まえまして令和8年度以降の支援方策の検討につなげていくことは非常に重要であるため、この夏を目途に会議体を設置します。それでさらに具体的に検討を進めていきたいと思っております。今後とも、このような取組を通じまして将来にわたり子供たちがスポーツ活動に継続して親しむ機会を確保していくよう取り組んでまいりたいと思っております。
続きまして、昨日行われましたがスポーツ庁と日本製薬団体連合会においてスポーツにおける医薬品の不適切使用の防止に関する共同宣言を昨日、調印式で調印させていただきまた。本宣言では、主にトップアスリートを対象としたアンチドーピング活動の知見を広く社会に展開し、国民のライフパフォーマンス向上に寄与するべくスポーツにおける医薬品の不適切使用の防止についてスポーツ界と製薬業界が連携した情報発信などを推進していくことを表明しております。また、本宣言では世界ドーピング防止機構や国内スポーツ関連団体に加え日本医師会、日本薬剤師会などからも賛同いただいております。我々としましては、本来治療目的で使用されるべき医薬品について一般の人々でもスポーツ目的での不適切使用が容易になっている現状がありますので、これらの状況を解決するために関係団体が一団となって取り組んでいく必要性を強く認識し今回の共同宣言の調印に至るところになります。また、共同宣言の調印に合わせまして具体的な取組の第1弾としてスポーツ庁において筋肉増強剤の乱用防止キャンペーンを始動させております。健康維持増進のためのフィットネスや、いわゆるボディメイクと称されるような体作りのためのトレーニング方法が広く浸透しておりますけれども、一方でトレーニング愛好家による筋肉増強剤の乱用なども問題としても懸念されるところでございます。このキャンペーンにおきましては、配布資料にポスターがございますけれども、ご覧いただければと思います。副作用を含む健康被害やSNS等のそういった情報の信頼性の問題とか、筋肉増強剤のリスクを広く発信、乱用の防止につなげていきたいと思っております。また、サプリメントの問題なんかも、今日はあまり細かく言いませんけれども、そういった簡単にそういう医薬品が身近にあってしまってそれが知らない間に使用してしまったり、これが健康被害になるということは皆さんご存じのとおりかと思います。今後とも、スポーツ庁では製薬業界をはじめとした関係団体と連携し、公衆衛生上の問題でもあるドーピングの防止に向けた取組を一層充実してまいりたいと思っております。
続きまして、ライフパフォーマンスに関する中間取りまとめということで、スポーツ庁では多様な人々のスポーツを通じたライフパフォーマンスの向上に向けた取組を推進しており、現在実施している調査研究の中ではライフパフォーマンスについて具体的に示し、分かりやすく発信していくために実態ニーズ調査検討委員会を設置しました。同検討委員会では、スポーツや健康、医療の分野のみならず、心理学、薬理学、経済学、地球惑星科学等の専門家の方々にも参画いただいております。この度、この検討委員会で行ったライフパフォーマンスについての中間取りまとめをスポーツ庁のホームページにおいて公表させていただきましたのでお知らせさせていただきます。中間取りまとめでは、こうした様々な分野からの視点も踏まえ、ライフパフォーマンスとは何もないように過ごすという健康ではなくて、何かあっても立ち直れるような、そういった困難な状況に陥ってもそれを乗り越えるような力、まさにスポーツらしい健康の定義かなとは思っているのですが、それぞれのライフステージにおいて環境変化や心身の変化を知覚し、心身の機能を適用させながら個々の課題解決や目標達成に向けて発揮できる能力ということで整理しております。例えば、高齢者であれば寝たきりにならず家事や外出、社会参画ができるなど、生活活動の機会を維持向上できる能力、また働く世代、子育て世代であれば元気に通勤し家事、子育てをきびきび行うことができる、仕事と家事を両立し人間関係の構築を図りながら活躍し続ける能力とか、このようなイメージが考えられます。このようなライフパフォーマンスの考え方は、これからの時代を切り開くための必要な力の一つであり、心身の健康の保持増進はもとより、QOLの向上やウェルビーイングの最大化に資すると考えております。スポーツ庁では、現在実施中の調査研究に加えまして新たに、先端技術を活用したコンディショニング基盤実証研究事業などを開始する予定であり、今後もスポーツを通じて多様な人々のライフパフォーマンス向上を図れるよう取り組んでまいりたいと思っております。
続きまして、令和5年度多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアムアリーナ選定拠点表彰式の開催についてですが、スポーツ庁では経済産業省と共同でスタジアムアリーナ改革を推進しておりまして、そのモデル施設として多様な世代が集う交流拠点としてのスタジアムアリーナを選定しております。令和5年度は川崎新アリーナ、長崎スタジアムシティ、等々力緑地球技専用スタジアム、新とどろきアリーナの3拠点を選定し、8月21日、選定した3拠点の表彰式を過去の選定拠点の一つである横浜BUNTAIで開催することになっております。当日は、私から表彰状とトロフィーを授与させていただくことになっております。また、過去の選定拠点やこれからスタジアムアリーナを新設、改修に取り組もうとしている予定の自治体や事業者など、ご興味のある方々にお招きしまして、そしてこの横浜BUNTAIの施設ツアーなどもさせていただくということになっております。詳細等、お越しいただける方は事務方にお問い合わせいただければと思います。
続きまして、「スポーツ・健康まちづくりデザイン学生コンペティション2024」及び「スポまち!長官表彰2024」の開催についてです。スポーツ庁では、スポーツによる地方創生・まちづくりに関する政策の一環として今年もスポーツ・健康まちづくりデザイン学生コンペティションとスポーツ・健康まちづくり優良自治体表彰を開催させていただきます。今年で2回目となりますスポまち!学生コンペは、施設や場について都市デザインの観点を盛り込み、どこでもスポーツに親しむことができる街を実現するために学生の皆さんから多様で柔軟なスポーツ・健康まちづくりデザインのアイデアを募集します。スポまち!長官表彰では、スポーツを活用しましたまちづくりに積極的に取り組もうとする優良な自治体を表彰し、日本全国でスポーツ・健康まちづくりの取組が広がっていくことを期待しております。今年で4回目となります今年度は、新たな賞を設けるなど、より充実した内容の式典を開催する予定となっております。
冒頭、最後になります。武道ふれあいフェスタの開催についてですが、スポーツ庁では、スポーツツーリズムを活用した地域活性化に積極的に取り組んでいます。特に、インバウンドのニーズの高い日本発祥の武道を活用し、歴史と文化を組み合わせた武道ツーリズムを推進し、訪日外国人が各地域に根付く本物の武道を体験し地方に訪れるなど、スポーツを活用した大都市圏をハブとした地方への誘客を推進していくこと、促進していくことが重要だと考えています。その一環で、スポーツでは武道ツーリズムをより身近に体感してもらえるようなイベントを実施しています。昨年は相撲、忍者、空手フィットネスなど、体験いただけるような取組を東京の有楽町で開催し盛り上がりました。今年度につきましては、京都において去年に勝る内容のイベントを開催したいと考えています。これは文化庁の方とも相談しながら今進めている案件になりますが、詳細につきましては決定次第改めてプレスリリースなどを行いますのでご確認いただきたいと思います。
以上
スポーツ庁政策課