スポーツ庁長官による記者との懇談(第72回)

令和6年1月

室伏スポーツ庁長官 記者懇談会冒頭発言 映像版

令和6年1月24日(水曜日)に行われた、室伏長官の記者懇談会冒頭発言の映像です。


 

令和6年1月24日室伏スポーツ庁長官記者懇談会 冒頭発言(※「YouTube」スポーツ庁動画チャンネルへリンク) 別ウィンドウで開きます

室伏スポーツ庁長官 記者懇談会冒頭発言 テキスト版

皆さん、こんにちは。よろしくお願いいたします。

まず冒頭、いくつかございまして、今回の会見に先立ちまして、この度の能登半島地震でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々、全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。1日も早い被災地の復旧と被災者の生活再建に向けて、政府全体で全力を挙げて取り組んでおりますけれども、スポーツ庁としましても適切な段階で、これは段階があるかと思いますが、必要な支援をさせていただきたいと思っております。例えば、避難生活が続きますと運動不足や健康を害することもございますので、被災された方々の健康管理も含めてそういったところでスポーツ庁としましては関係省庁とも連携の上、こういった被災者の心身の健康保持、運動・スポーツの観点から支援を行っていきたいと思っています。今後、被災地域のニーズに、もちろん地域のニーズを聞いた上だとは思いますが、そういう中で適切に支援ができるように準備をしていきたいと思っております。

続きまして、コンディショニング研究に関する調査研究についてですが、まずコンディショニングとは、最高の能力を発揮できるよう精神面、肉体面、健康面などから心身の機能を調整することであり、スポーツを支える土台として大変重要です。スポーツ庁では、昨年度からコンディショニングに関する研究に取り組んでおりまして、事業が2年目を迎え研究の成果が出つつあります。研究成果の公表する記者報告会を、いつもこういう定例なのですけれども、そういった研究の成果を公表するような、発表するような場を今、検討しております。これまでも発信はしておりますけれども、本研究では東京オリパラ競技大会で得られた科学的知見をアスリートのみならず、一般の方々に普及することと、新たな視点でスポーツの価値を高めることを目指しており、人々のライフパフォーマンスの向上にも資するものと考えております。研究のテーマは、お配りしている資料にございますが、スポーツ庁らしいあまり見られない研究があるかと思います。例えばですけれども、スランプ、イップスも含めた、そういった要因と、その解決策という研究、また運動器障害、体の外の機能の障害の腰痛等の予防のための地方自治体における住民の効果的なコンディショニングの実施に関する実証研究、また身体挙動による内臓器、肝臓や胃の動きと健康状態の関係を明らかにする研究、外の動きと中の研究をすることは世界で多分ないことですので、こういった面白い研究もさせていただいております。またこちらは、スポーツ観戦が観戦者の健康増進、ウェルビーイング及びスポーツ実施に及ぼす影響ということで、応援する、観戦する、スポーツを見ることでどういう影響を人々に及ぼすのかということを、様々な成果が出ておりますのでこういった視点でまた発表させていただく機会を予定しております。記者報告会は3月頃を予定しておりますけれども、日時等の詳細はまた追ってお知らせさせていただきますので、ぜひこういった報告会に来ていただければと思います。

次にシンガポールの出張についてですけれども、今のような様々なコンディショニングの取組をやっております。こういうものを海外にも展開していこうということで、Sport for Tomorrowによる新たな日本型スポーツコンテンツのプログラムの国際展開を目的に本年、シンガポールで開催することを予定しております。具体的には、スポーツ庁が実施していますライフパフォーマンス向上のためのコンディショニングプログラムの初の海外展開への取組として、シンガポールのスポーツ関係者などを対象にワークショップ等を実施する予定になっております。また、それだけではなく観光庁さんも含めてツーリズム、インバウンドとか、今はコロナが開けて随分回復し、コロナの前を上回るのではないかという勢いになっていますけれども、そういうものに拍車をかけてスポーツのツーリズムも力をしっかり入れていく必要があるかと思います。特にまた武道にもそういった秘めた力がございますので、こういった武道関係者にも参画していただきながら進めていこうとなっております。また、それを通して当然ですけれども、スポーツを通したシンガポール、またできればその周辺のASEANの地域の方々もとは思っていますが、連携を強化し、国際交流もしっかり取り組んでいきたいと思っております。

続いて、北海道冬季国スポへの出張予定についてです。1月27日から2月3日にかけて北海道苫小牧市で第78回国民スポーツ大会、国民スポーツ大会は1回目ですけれども、冬季大会国スポ2024が開催されます。昨年までは国民体育大会であったものが、今年から名称が変更しましたが、この度、開始式に出席させていただきまして、また加えて競技視察も行ってまいります。式典出席、競技視察等を通じまして、大会に参加する選手の皆さんを激励させていただくとともに、開催準備に取り組んでいただいております北海道道民の皆さんに感謝を伝えさせていただきに行きたいと思っております。

また2月21日から2月24日にかけては山形県で第78回国民スポーツ大会冬季大会スキー競技会「やまがた雪未来国スポ」も開催されます。こちらも同様に出席させていただく予定になっております。冬季国スポを通じてウインタースポーツの魅力を全国に発信できるよう、期待しております。

続きまして、これは新しい報告になりますけれども、デジタル部活動・地域クラブ活動プロジェクトについてです。デジタル動画を活用した部活動、地域クラブ活動のサポート体制を構築することを目的として、スポーツ庁の一大プロジェクトとしてデジタル部活動・地域クラブ活動プロジェクトに取り組んでいきたいと考えております。プロジェクトの具体的な取組としましては、子どもたちが部活動や地域クラブでスポーツ活動を主体的に実施する際に活用できるよう、競技団体等が保有している既存のコンテンツ活用も含め、子ども自身の基礎的、専門的技術の習得を可能とする自主学習向けのトレーニング動画の収集及び発信ということで、第1の矢、第2の矢ということで、各地域で取り組む部活動の地域クラブ活動への移行の実証事業でのコンテンツ活用手法の充実に向けた取組、第3の矢ということで、競技団体、大学、民間企業等からなるコンソーシアムを形成し、より専門的な動画の活用も含めた多様なスポーツ活動の推進等を段階的に進めていく予定になっております。このプロジェクトの背景としましては、部活動改革が単なる地域へのスライドではなく、持続可能で多様なスポーツ機会を創出することを目指すものであり、そのために地理的、人的要因による体験格差を生じさせないことが極めて重要であることから、デジタル動画の活用が効果的な手段の一つだと考えております。また指導者不足であったりとか、みんながみんな同様に指導を受けられないことがありますので、こういった解消にもしていきたいということになります。デジタル動画活用の充実を図ることにより、子どもたちの主体的な学びを後押しし、楽しみながら自身の課題や目標に向かって意欲的に取り組む習慣の醸成などにもつながっていくと思っております。スポーツ庁としましては、各競技団体や自治体とともに連携しながら、デジタル動画の整備、活用に向けた取組を行っていきたいと思っております。

特に今の点は、やる意義としましては自分でその動画を見て学んでいくことにより、指導者もある一定のレベルまで自分で、スキルがあれば指導もしやすいということで、1から全て教えるということももちろん大事なのですけれども、ある程度予習をしておいてやっておくと、指導者が困るということではなく、指導者をむしろアシストするようなものにもなっていくと思いますので、日本の子どもがあらゆるスポーツで最低限のスキルがちょっとアップしたところからスタートできると上達も早いのではないかなということで、そういった意味で競技団体も含めて一緒に取り組んでいくような環境を整えるということで進めていきます。

最後になりますが、熊本市向山小学校での特別授業についてですが、先週1月18日に熊本市教育委員会が主催しますKumamoto Education Weekの一環で、熊本市立向山小学校を訪問させていただきまして、当初は小学校6年生ということだったのですけれども、その場で5年生もやりましょうということでお声がけさせていただいて、小学校6年生と5年生を対象に特別授業をさせていただきました。特別授業では、紙風船を使ったトレーニングを紹介させていただきまして、様々な動きを実践してもらいました。紙風船は重さもないですし、本当に日本では身近なおもちゃだったとは思うのですけれども、子どもから高齢者まで楽しみながら手軽に取り組めるような内容になっております。運動の目的としましては、イメージがないとできませんので、認知機能だったりとか、バランス感覚や、またタイミングであったり、全身を使うような運動を行いました。こういった形で子どもたちの、これは運動ができる、できないに関わらずあまりそこに差がないようなコンテンツになっておりますので、何か授業で私はできなかったとか、できたとか、そういうこともないですし、みんなが楽しんでできた内容になったかと思います。子どもの運動欲求がございますけれども、そういった運動欲求を豊かに答えていって、豊かな成長に結びついていくように、また機会がありましたらこういった直接授業をさせていただいたりする機会がまたあればいいなと思っていますが、すごく子どもたちも喜んでいる姿を見て、私もまたそういうところに、現場に行くことは大切だなと改めて思いました。

以上

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スポーツ庁政策課

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