スポーツ庁長官による記者との懇談(第70回)

令和5年6月

室伏スポーツ庁長官 記者懇談会冒頭発言 映像版

令和5年6月2日(金曜日)に行われた、室伏長官の記者懇談会冒頭発言の映像です。


 

令和5年6月2日室伏スポーツ庁長官記者懇談会 冒頭発言(※「YouTube」スポーツ庁動画チャンネルへリンク) 別ウィンドウで開きます

室伏スポーツ庁長官 記者懇談会冒頭発言 テキスト版

皆さん、こんにちは。さっそく記者懇談会を始めさせていただきたいと思います。お足元悪い中、大変ご苦労さまでございます。

冒頭5件、お話させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
まずWADA執行委員会への出席ということで、モントリオールに出張で行って参りましたのでご報告させていただきます。この度、ドーピング防止活動の関連でスポーツ庁長官就任後初めての海外出張に行ってまいりました。5月9日、カナダ・モントリオールで開催されました世界ドーピング防止機構WADA執行委員会に出席してまいりました。まず経緯について少しお話させていただきますが、我が国では1999年のWADA創設以来、理事国、執行委員国として国際的なドーピング防止体制の普段の改善のための議論に参画してまいりました。これまでは文部科学副大臣がアジア地域を代表するWADA理事及び執行委員を兼任されておりましたけども、意思決定プロセスを合理化・効率化するために理事会及び執行委員会への役割を明確化しそれぞれの権限を分立するために同一人物によるそういった重複がなされないようにということでWADAのガバナンス改革を受けまして2023年からスポーツ庁長官が執行委員に就任するという整理でこの度、私が就任することになりました。WADA執行委員会は会長・副会長に加えまして政府代表5名とスポーツ代表、ほぼIOCのメンバーになるんですけども5名、そして独立メンバー3名、そしてアスリート代表1名ということの16名で構成されております。私は政府代表のほうとして参加させていただいております。執行委員会はIOC、IPC、国際競技団体、各国アンチ・ドーピング機関等の世界ドーピング防止規定の署名当事者に対する資格停止処分及び制裁措置を決定する権限などを有するなど重要な役割を担っております。執行委員会はクローズドな形式で行われていますので、内容についてはWADAのウェブサイトで公表されている以上の内容はお伝えできませんけども、WADAの予算に関係することであったり世界ドーピング防止規定及び各種国際基準の改定のことであったり、昨今ですとロシア国内のアンチドーピング機関の規定不遵守案件に関する最新情報の提供、また研究助成・科学研究助成の交付に関する承認をすると、こういったことに関して意見交換をしてまいりました。アジア地域の政府代表として世界の議論における日本、そしてアジアのプレゼンス向上を目指しつつ他地域の政府代表とも連携・協力して国際的なドーピング防止活動により一層貢献してまいりたいと思っております。

次になりますが、スポーツ庁長官表彰「スポーツ・健康まちづくり優良自治体表彰2023」の募集開始についてです。スポーツ庁では第3期スポーツ基本計画に基づき各地域で特色あるスポーツによる地方創生まちづくりの取組を創出し、スポーツを活用した地域の社会課題の解決を目指しております。またその一環でスポーツを活用したまちづくりに取り組む自治体の計画を表彰させていただきましてその実現を後押しする「スポーツ健康まちづくり優良自治体表彰」を実施しておりまして、今年で3回目となります。この表彰につきましては本日6月2日より募集を開始したところです。全国の自治体からスポーツを活用したまちづくりのアイデアを募集します。募集の締め切りは8月9日、表彰式は11月を予定しています。表彰された取組についてはそれが実行へ移され成功し、より一層発展を遂げ地域の活性化へ繋がっていきますようスポーツ庁が最大限サポートしていきたいと思っております。募集のご検討にあたってはスポーツ庁のホームページに設置されておりますワンストップ相談窓口もぜひご活用いただければというふうに思っております。地域の特性を生かしたオリジナリティあふれる計画を期待しております。また表彰式でお会いできるのを楽しみにしておりますし、毎回おそらくまたくじ引きみたいな形でさせていただいて直接、町を訪れてその様子も見させていただく機会をいただけると思いますので楽しみにしているところでございます。

続きまして熱中症予防に関して、スポーツ庁ではスポーツ活動における熱中症事故の防止について、例年夏前に地方公共団体やスポーツ関係団体に対して通知を発出し、周知を図っておりますが、これから夏を迎えるにあたり、汗をかいて体を暑さに慣らし、熱中症の予防に取り組むことは大変重要だと思います。そこで私から国民へ文章として発出させていただいておりますけれども、私のほうから国民の皆様に熱中症の予防を呼びかけるメッセージ動画を制作し、SNSで発信しました。具体的な内容ですけども、まず体を暑さにならさせるために日常生活の中で運動や入浴により汗をかくことが大切であるということ、そして暑さに慣れるには数日から2週間程度かかるためさっそく本格的に暑くなる前に、今ちょうど梅雨時期で台風でジメジメし始めてはいますけども、やはり突然そういう本格的な夏が来る前に今の時期から始めていただきたいと、運動習慣がある方に関しては急に気温が上がったり湿度が上がった時はトレーニングの一部の強度を少し下げたり、まだ体が慣れてない時に無理な追い込みをしたりということがないように、また休憩時間を少し長くしたり、これはオリンピックの時もありましたけどもアイスブレイクだったりとか、早め早めに量や強度よりも質に注目したトレーニングをしていただいて早め早めの対応をしていくことが大切だと思われますのでこういったことに留意してやっていっていただきたいと思います。体が暑さに慣れていないと熱中症になる危険性が高まります。スポーツ庁としましては今から無理のない範囲で汗をかいていただけるように引き続き周知していきたいと思っております。

続きまして運動部活動中の事故に関してですけども、スポーツ庁では運動部活動中の事故について5月上旬に北海道の高校女子硬式野球部においてバッティングゲージを複数の部員によって移動していた時にゲージが倒れてしまい、そのうち1人の方がそのゲージの下敷きになってしまい頭部外傷を負い意識不明の重体になるという事故など、今年4月以降に複数の重大事故の報告を受けております。まず負傷されました生徒の方に関しては1日も早い回復を心から願っております。事故の詳細については警察が事故の原因等の調査を行っていたり当該学校において第三者による調査委員会を設置し、事故の原因究明と再発防止を検討したりしていると伺っております。スポーツ庁としましては、昨年9月にも長崎県にて同様の事故が起きていることから5月30日付けでバッティングゲージの取り扱いの留意点を具体的に示した事務連絡を発出したところでございます。感染症等を巡る状況が変わり久しぶりに体を動かす児童生徒も多くいるかと思います。学校の設置者におかれましては体育活動の安全管理の徹底により一層努めていただきたいというふうに思っております。

最後になりますが、Sportin Lifeの取組ということで、アスリートのみならず国民の一人一人が目的を持ってスポーツを実施することは人々のQOL(クオリティ・オブ・ライフ、生活の質)やライフパフォーマンスと最近呼んでいますけども、この向上に繋がります。スポーツ庁としては東京大会等で得られた科学的知見の活用を目指し、昨年度からコンディショニングに関する調査研究に取り組んでおります。その中では運動器障害の一次予防対策として東京大会で実施されました事例を地域に展開し、一般の方の運動器機能の低下の予防に繋げられるかどうか明らかにするための研究を行っています。一般の方でも腰痛・肩こりとか病院に行こうか迷うようなところがあったり、生活の中でもそういうものは運動療法でずいぶん緩和されることがわかっていますので、こういった知見が広まっていき町単位でこれをやっていくということで、具体的には今年度は北海道の東川町在住の地域の住民の協力のもと実証研究を今行っているところでございます。またスポーツを実施する際には自主的かつ自律的に自分の体の状態を把握するためのセルフチェック、私のほうでこういう動画を流させていただいてますけども、心身の維持・強化が必要な機能に焦点を当て、その効果や影響に着目し目的を持って行うことが特に重要だと考えており、これらを普及啓発するためにもセミナーを実施することになっております。よく言うんですけども、運動すれば健康になるというのは条件があって、やり方によっては怪我をしてしまったり、必ずしも健康にはならないことがあります。やはり正しく目的を持ってやることによってその効果も大きくなっていくと思いますし、逆に無理をして足が痛くなってしまったみたいなこともありますので、こういったことを徹底していきたいということになっております。

これは急遽用意した資料ですけど、我々はスポーツはもちろん心と体の健康に寄与するもので、例えばこの赤いラインが健康ラインでみんな健康になることを目指してやるということも大事なんですけども、健康な人はなかなか、別に今は健康に感じているので運動をする必要はそんなにないんじゃないかというふうになっていってしまい大きなお世話だみたいな話になってしまいますので、我々はもちろん健康を目指すんですけども、さらに皆さんが行っている仕事であったりとか、日常生活が本当にキビキビした生活とか回復力に富んだ生活とか仕事の効率性が上がるとか、こういったそれぞれの年代や置かれた立場でそれぞれのライフパフォーマンスが向上していくようなことを目指していく時に、自然と健康も獲得していけるんじゃないかということで、こういう方向性で健康よりさらに先を目指すということの中で、この東川町の取組もこういうことをさせていただいてます。こういうことで健康が最終目標じゃないということで、こういう取組をやっていこうと思っております。

以上

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スポーツ庁政策課

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