スポーツ庁長官による記者との懇談(第69回)

令和5年4月

室伏スポーツ庁長官 記者懇談会冒頭発言 映像版

令和5年4月7日(金曜日)に行われた、室伏長官の記者懇談会冒頭発言の映像です。


 

令和5年4月7日室伏スポーツ庁長官記者懇談会 冒頭発言(※「YouTube」スポーツ庁動画チャンネルへリンク) 別ウィンドウで開きます

室伏スポーツ庁長官 記者懇談会冒頭発言 テキスト版

皆さん、お疲れ様でございます。お集まりいただきましてありがとうございます。それでは記者懇談会のほうを始めさせていただきたいと思います。

冒頭、6点ございますので一つ一つご説明させていただきたいと思います。

まずプロジェクトチームのところですけども、スポーツ庁とJOCが中心となりまして設置したプロジェクトチームにおいて策定した大規模な国際、または国内競技大会の組織委員会等のガバナンス体制等のあり方に関する指針についてということで、先月30日(木曜日)にスポーツ庁とJOCが中心となり設置したプロジェクトチームにおいて大規模な国際、または国内競技大会の組織委員会等のガバナンス体制等のあり方に関する指針を策定いたしました。本指針は元組織委員会職員・組織委員会からヒアリングを行ったり、また海外の事例等の調査・分析などを通して大会組織委員会のガバナンスの実情や課題を把握するとともに、競技団体や経済団体からもご意見をいただきながら今後、我が国で開催される大規模な競技大会において参考となる適切な運営体制の構築に向けた指針として策定されたものになります。本指針についてはJOCとともに連携しスポーツ団体や地方自治体に対して遵守を促す事務連絡を発出しておりまして、引き続きこの趣旨の周知徹底を図ってまいりたいというふうに思いますが、今後の刑事手続き等で新たな事実が判明することもあるかと思います。その場合は必要に応じて本指針の修正等の検討を行ってまいりたいというふうに思っております。今後、大規模な競技大会を運営する地方自治体やスポーツ団体におかれましては本指針の趣旨や内容をご理解いただき公平公正な大会運営に一層努めていただきたいというふうに思っております。

続きまして、運動部活動の地域連携・地域移行に係る改革推進期間が今月から始まったということでお話させていただきます。運動部活動の地域連携・地域移行に係る改革推進期間の初年度が今月からスタートしました。それに先立ちましてスポーツ庁では先月、自治体からワンストップ相談窓口となる地域スポーツクラブ活動アドバイザー事務局を設置するとともに、スポーツ庁広報ホームページ「DEPORTARE(デポルターレ)」において昨年末に公表しましたガイドラインの周知用動画「先進事例の取材記事」等の公表をさせていただきました。ガイドラインの周知用広報動画について私も出させていただきまして説明をさせていただいております。また運動部活動の改革に関する情報を一元的に取りまとめた運動部活動改革ポータルサイトも先月末に公開しておりまして、今後もコンテンツの充実を図っていきたいと思っております。スポーツ庁でもこの改革推進期間において地域スポーツクラブ活動の体制整備事業をはじめ、一層の取組強化を図ってまいりたいと思いますが、携帯で見ていただけますように色んな自治体向けとか保護者向けとか、わかりやすくホームページにまとめてありますのでアクセスもしやすくなっております。さらにこれをまたブラッシュアップして改革が進むように取り組んでまいりたいと思っております。

続きまして目的を持った運動・スポーツの推進ということで、スポーツ庁ではスポーツを通じた国民の健康増進・健康寿命の延伸を目指してスポーツ実施率の向上に取り組んでいますが、先月公表した令和4年度のスポーツ実施状況等に関する調査では20歳以上の週1日以上のスポーツ実施率が一般で52.3%、障害者で30.9%となりました。第3期スポーツ基本計画で掲げる一般で70%、障害者で40%程度の目標を達成するためにはさらなる取組が必要だと思われます。
目標の達成に向けてスポーツ庁としましては実施率を上げていこうということも大切なんですけども、一体どんなものを運動するかということもしっかり指導というか見せていく必要があると思います。ただ運動を何でもすればいいんだということではなくて、もう少しどういう運動がどういう効果があるのか、目的をもう少し示させていただいて、人によってはスポーツをやらないとスポーツ実施率にならないと、階段上りは入れてないとか、色々これもスポーツの定義の議論になるとちょっとごちゃごちゃしちゃうところはあるんですが、ただ運動実施率だけを目指すのではなくてこういった目的を持つということで、昨年10月からスポーツ審議会の健康スポーツ部会におきまして目的を持った運動・スポーツの推進について議論を行ってまいりました。目的を持った運動・スポーツとは個人が心身の維持・強化が必要な機能に焦点を当ててその効果や影響に着目して実施するスポーツを指しております。もちろん気晴らしのために運動するということもあるんですけども、ロコモ・フレイルとか筋力強化も高齢者になっていく段階でするのであれば、ただもちろんウォーキングだけでも効果もないということではないですけど、かなりそこは筋肉とか骨に刺激を与えるようなことを積極的にやらないと衰えていってしまうわけですし、こういったバランス、神経系を早く動かすとか姿勢とか、また柔軟性とかバランスをとるとか、こういうものも転倒予防とか、高齢者であればとかありますし、ゆっくり歩いてるだけで心肺機能は向上しませんけど少し早めに歩いたりとかするとそれは体力を向上することになるとか、本当に疲れて何も考えずにただ歩きたいんだと、メンタルのためにということももちろんあるんでしょうけど、こういうふうに目的を絞ることで効果も変わってくるということで、今日は会見ですけどせっかくなので誰かに試していただこうと思います。どなたか前に来て一緒にやっていただける方がいれば。例えばですけどもウォーキングをする時に普通に歩くんですけれども、もちろん動くことは大切なのでいいんですけども、ちょっと(重心を)低めにしていただいてゆっくり時間を長くしてゆっくり歩いてください。こうすると足にくるとか、普段、早く小刻みに動かすとか、動かさない人は衰えていきますから、こういうものをやったり早く20分間、意識してやれば少しぜいぜいするなというくらいになると脈拍も上がって効果があるというように、こういうことも周知していけるように、またわかりやすく説明をしてやっていくことが大切だと思っています。これまでもアスリートにはハイパフォーマンスを目指し目的を持って運動はもちろん行って競技スポーツをやっているわけですけども、今後はアスリートのみならず国民一人一人が目的を持って運動・スポーツを実施することでそれぞれのライフパフォーマンスを向上し、クオリティライフ、生活の質が高められるように取り組んでいきたいというふうに思います。人間は生まれてからはいはいで立ち上がり最後まで2足歩行で自分の足で生活しなければいけないと、腰痛や肩こりとも闘いながらもそういうものをやっていくということで、国民一人一人がそういったライフパフォーマンスの向上が図れるようにやっていきたいと思っております。こういった普及啓発の方法も含めさらなる検討が必要だと思いますが、スポーツ庁では有識者の方々・先生方のご意見も伺いながらスポーツを通じて人々の人生がより豊かになるよう取り組んでまいりたいと思っております。

続きましてスポーツ団体のガバナンスコードの今後のあり方に係る諮問についてということで、先月29日(水曜日)にスポーツ審議会に対してスポーツ団体のガバナンスコードの今後のあり方について諮問させていただきましたのでご報告させていただきます。スポーツ団体ガバナンスコードに基づく適合性審査は今年度で全中央競技団体に対して一巡する予定になっております。第3期スポーツ基本計画においてスポーツ庁は初回のガバナンスコードの適合性審査の実施により得られた課題を踏まえまして、ガバナンスコードの改訂や適合性審査のあり方の再検討を含め、各団体にガバナンスを強化させるための仕組みについて見直していこうとしております。これを踏まえまして令和6年度から始まります2巡目の適合性審査に向けてスポーツ団体ガバナンスコードの今後のあり方について審議をお願いする諮問をさせていただきました。スポーツ団体の持続的な発展・成長のためには各団体が受身ではなくより自主的かつ積極的にガバナンス確保に取り組むことが重要だと考えます。スポーツ審議会の委員の皆様、またスポーツインテグリティ部会を開催していきますけども、これらの先生のご意見をいただきながらガバナンスコードの今後のあり方について検討を進めてまいりたいというふうに思います。

続きまして、スポーツ施設のユニバーサルデザイン化ガイドブックの利用についてということで、皆さんに配布資料がいっていると思いますが、スポーツ庁では性別・年齢・能力等に関係なく地域のスポーツ施設でスポーツを行いやすい環境を整備するスポーツ施設のユニバーサルデザイン化を推進しております。3月にはハード・ソフト両面において配慮すべき事項や取組事例を構想計画・設計・建設、そしてその後の管理・運営、またその後の改修等のフェーズごとに整理したスポーツ施設のユニバーサルデザイン化ガイドブックを公表いたしました。引き続き地域において誰もが気軽にスポーツに親しむことができる場づくりが実現できるよう、地方公共団体のスポーツ施設担当局だけではなく計画・設計・施設運営等を行う民間事業者とも連携した対応を進めていきたいというふうに思っております。

最後になりますが私のほうで考案させていただきましたセルフチェック動画のeラーニングについてですが、誰でも気楽に自分の身体の機能の状態を知ることができるセルフチェック動画を一昨年からスポーツ庁のホームページにて公開させていただいております。本年1月にはセルフチェックの方法をeラーニング形式で手軽に学ぶことができるビギナーコースを公開しました。そして先月末にエキスパートコースを公開しました。セルフチェックの正しい方法だけではなく体の各部位の改善方法についても学べるようになっております。指導者はもとより、セルフチェックの方法をより深く学びたい、問題のある部位に対して改善運動を学びたいという人にご活用していただける内容になっております。学習を終えた方は修了書を発行させていただいています。多くの方に学んでいただけるよう、ぜひ周知のほどよろしくお願いしたいと思います。こういったものは部活動でもぜひ使っていただいて、前の時も話したかもしれませんけど、例えば野球でノックをして一生懸命頑張っている生徒がいて、でもなかなかうまく取れないとか、実は足首の可動域に問題がある、しゃがめなかったみたいなケースもあるわけです。それをノックで解決することはなかなか難しくて、そういうことも他のスポーツでも、可動域の問題だったりとか身体の状態が実は問題があるというケースも多々あります。ですので安全に運動をやっていただくためにもこういった周知啓発をしていきたいと思いますのでご協力お願いします。

以上

お問合せ先

スポーツ庁政策課

(スポーツ庁政策課)