スポーツ庁長官による記者との懇談(第67回)

令和4年11月

室伏スポーツ庁長官 記者懇談会冒頭発言 映像版

令和4年11月29日(火曜日)に行われた、室伏長官の記者懇談会冒頭発言の映像です。


 

令和4年11月29日室伏スポーツ庁長官記者懇談会 冒頭発言(※「YouTube」スポーツ庁動画チャンネルへリンク) 別ウィンドウで開きます

室伏スポーツ庁長官 記者懇談会冒頭発言 テキスト版

皆さんお疲れ様でございます。それでは記者懇談会ということで11月始めさせていただきます。

まず、サッカーワールドカップカタール大会において日本代表の戦いぶりについてですけれども、11月20日より4年に一度、サッカーの世界一を決めるワールドカップがカタールで開催されました。日本代表サムライブルーはグループリーグの2戦を終え、勝ち点3、グループEで現在2位と、決勝トーナメント進出まであと一歩のところに来ているかと思います。スペイン戦、東京大会ではなかなか難しい、スペインも大変強くて東京大会では破れてはいますけども、今回、大変勢いもありますし大いに活躍していただいてスペイン戦で勝利を期待しているという状況です。本当にドイツに勝利した時には私もテレビで見させていただきましたけれども、本当に日本中が沸いて歓喜したということだったと思いますので、コスタリカ戦も頑張っていただきましたけども、1対0ということで、スペイン戦にぜひ期待したいなというふうに思っております。

続きまして、部活動の地域移行に関するガイドラインの意見の募集・実施状況についてですけれども、今月17日に学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインについて意見募集を開始いたしました。このガイドラインは、本年夏の検討会議の提言を踏まえまして平成30年に策定しました運動部活動、運動部だけではなくて文化部の部活動それぞれのガイドラインを統合・全面改定しまして、学校部活動の在り方に加え新たな地域クラブ活動の整備の全般的な考え方や必要な対応を示すものになっております。今後、12月16日まで意見公募を実施しまして国民の皆様からの意見を踏まえつつ取りまとめを行い速やかにお示ししたいというふうに考えております。また、運動部活動の地域移行等に関する多様な取組を例示した事例集も作成しておりますので、こちらの周知についても一層取組んでまいりたいと思っております。こちらはガイドラインの概要になりますけど、ⅠからⅣということで学校部活動、新たな地域の活動、こういう形で概要を示しておりますが、部活動は生徒の自主的・主体的な参加による活動を通じ責任感・連帯感の寛容等に寄与してまいりました。一方で、これも再三毎回述べさせていただいておりますけど少子化が進む中で学校単位での運営が厳しくなっていること、また必ずしも専門性や意思に関わらず教師が顧問を務める指導体制の継続は学校の働き方改革が進む中に困難な状況にあると、水泳を泳げない先生が教えなきゃいけないとか、こういうことも学校ではあったかと思いますけれども、こういった課題がありますので将来に渡り子供たちがスポーツに継続して親しむ環境を確保するために速やかに運動部活動改革に取組んでいく必要があるというふうに思います。あとは事例集ですね、こういった事例集は11月1日に出ていますけども、どういった事例が地域で行われているかということが記載されています。大きく分けて行政主導でやるタイプであったり、団体で行う、団体の中でも総合型であるとか、色々タイプ分けをして、こういった事例を、もう既に行われている事例がございますので全国で参考にしてですね、より具体的に進めていきたいというふうに思っております。スポーツ庁としましては、地域の子供たちは学校を含めた地域で育てるという意識のもと、再三お話していますけれども体験型のキャンプとかですね、体験格差をなくすということで一つのことにだけではなくて色んな体験をする、オリンピック・パラリンピックの競技も、障害者のそういったスポーツもたくさん見させていただきましたけれども、そういったことで学校では体験できない社会的な活動としてどんどんこういった取組を打ち出していきたいと、またプロスポーツとかですね、今スタジアム・アリーナ改革などさせていただいていますけども、そういうプロスポーツを間近で見る・見た体験がない子供たちも世の中にたくさんいます。見ること、またそこで運営している色んな支える方を見学するとか、こういうするだけではなくて見るとか感動体験が将来の日本を豊かにしていく、そういった個々の子供たちもそうですし教育的な意義が地域に移行することによってあるかと思いますので、様々な新しいコンテンツを出していけるように、生んでいけるようにまた取組んでいきたいというふうに思っております。

続きまして、スポーツ庁では今年度から新たにスポーツ実施率の向上に向けた総合研究をスタートしております。前回も発信させていただきましたが、令和4年度の研究テーマは配付資料の通り、合計で七つのテーマに今、取組んでいるところです。第三期スポーツ基本計画では、科学的根拠に基づいたスポーツによる健康作り・コンディショニングの方法のわかりやすい発信を掲げており、コンディショニングに関する研究では先日、有識者によるキックオフ会合や研究シンポジウムを開催するなどもう既に行っておりますけれども、こういった関係者と連携して研究も進めていきたいと思っております。例えばですけど、スポーツというと運動そのもののことの研究が多いかと思われるかと思うんですけども、睡眠であったり栄養の取り方であったり回復方法・メンタルの持ち方と、様々なそういったスポーツの持つ角度があるかと思いますけども、こういったスポーツの持つ側面を新たなスポーツならではの視点に着目して全面に押し進めていくことが重要だというふうに考えております。例えば、コンディショニングですと、こういったスランプ研究、スランプの研究は一体誰がやるのかというと、医学の世界でもメンタルなのか何なのか、これすごくちょうどどこにも属し得ないようなスポーツ独特のものであり、こういった人生にも皆さんも心身の不調とか伸び悩みとか、こういうものがあるかと思いますけど、こういうものを仮説を立ててですね、特に同じことをずっと繰り返してやると、さっきの部活動に繋がってきちゃうかもしれませんけどスランプになりやすいとか、そういうものもあり、スランプのメカニズムとそれをどう解消して乗り越えるかということも重要な視点だと思っております。また運動器の機能の低下に対する地域における効果的な運動療法のあり方に関する研究ということで、運動することでメタボにならないようにとかあるんですけれども、そもそもスポーツというと運動器ですね、体の筋骨格系の状態が肩こりとか簡単な腰痛とか、こういうのは病院に行っても薬が処方されるか電気をあてて終わりみたいなこともあります。こういうのは運動療法とかこういうものがですね、適切に処方されるとずいぶん痛みが軽減するとか違和感がなくなるとか、こういうものがスポーツが持つ運動機能の低下をどう維持し上げていくかということは高齢化社会を迎える我々日本でも大変重要な取組で、こういったものを自治体レベルで取組んでいくことになっています。もう1点は、スポーツの価値を高める運動スポーツが体に与える影響に関する新たな研究促進ということで、例えばですけど運動中の内臓の位置とか、こういうものに関して研究されたことは世の中でないです。これは内科の先生がやるのか整形外科の先生がやるのか、ちょうどそこは間で、こういったものがスポーツで運動中に内蔵の位置がどうなっているのかということもですね、新たな運動のきっかけになるというふうに思っています。こういったものがスポーツを通じて色んな分野の方がこれはどういうメカニズムになっているかということを調査し、具体的に活用できるような形にしたいというふうに思っています。

グランドスラム東京2022大会におけるスポーツ庁関連事業についてということで、12月3・4日と東京体育館にて柔道の国際大会であるグランドスラム東京2022が開催されます。そこでスポーツ庁も支援させていただいておりますテクノロジーの活用の体験ブースが設置されます。具体的には、最新のデジタル技術を用いてウルフ・アロン選手や大野将平選手の柔道の技を普段見ることができない360度カメラであらゆる方向から技を繰り出している状況が見れるというような体験ブースが出展されます。また、これらの映像がNFTですね、デジタルカードが配布される予定にもなっていまして、他にも新規事業の創出の支援として選手の活躍予想コンテンツなどの取組等を実施予定になっております。ぜひ皆さんにもご来場いただきまして、今まで見ることができなかった視点での柔道を楽しんでいただき、ますますまた柔道ファンが増えますようにお願いしたいというふうに思います。

次に地域の医科学支援のあり方に関する検討会議ということで、これまで5回に渡り行ってまいりましたけど、第三期スポーツ基本計画及び持続可能な国際競技力向上のプランにおいて国は移住地域に関わらず全国のアスリートがスポーツ医・科学によるサポートを受けられる環境の整備に取組むとしていることを踏まえまして、スポーツ庁では本年5月に地域におけるスポーツ医・科学支援の在り方に関する検討会議を設置し、今後の施策推進に向けた課題等について議論を行ってまいりました。この度、本検討会議において提言を取りまとめいただきましたのでご報告させていただきます。提言では、アスリートの心身の状態を、全国にですね、当然トップ選手は国立スポーツ科学センター(以下:JISS)を拠点にやっていますけども、全国にもこういったセンターがございまして、こういったところをしっかり活用して、個々でやるというよりは一体的に、JISSも含めて一体的に機能していき、JISSはですね、どうしてもメダリストやトップアスリートが使うことが多いんですが、こういったところは地元の全国入賞レベルと、こういった方も使われていたりとかですね、これをいかにして更に部活動とかグラスルーツまで強化・サポートを広げていくかということが大切なところになります。アスリートの心身の状態を客観的に把握するためにアセスメントを行い、その結果に基づく適切なサポートを行うという一連の流れでスポーツ医・科学支援を実施することが重要であること、その上で地域におけるスポーツ医・科学支援の実施にあたっては、支援の質の向上と対象の拡大、グラスルーツも含めて両輪で進めるため各地域の実情に応じ地域の資源を有効に活用した実施体制を構築していくことが不可欠であると、そのためには関係機関間の連携を主導するアドミニストレーターを中心に関係機関からなるコンソーシアムを形成することが重要だということでやっております。元々はこういうような形で、これはJISSでも八つの取組をやっていました。フィットネスチェック・メディカル・栄養・心理・動作解析・レースゲーム分析・化学的知見に基づくトレーニングサポートとか栄養ITサポートなど八つあって、ただしこれを個々で存在するのではなく、システム化するということ、安心安全に、やっぱり一番大事なことは怪我をしてしまったら競技人生はストップしてしまいますので、これをいかにして一つのシステム化するということで、これをただ個々でやるのではなくてアセスメントするということとサポートするという動きを作ってですね、まずアセスメントから入りどういう問題がありどういうトレーニングをするべきなのかということをしっかりアセスメントした上で適切にサポートをしていくということで、そしてまたそれをフィードバックしてということで、こういう動きを作ることにより支援が実現していくというふうに思っております。更に、競技レベルが上に行くほどトップ選手ということで、JISSは本当に上のほうになりますので、マンツーマンで見たりとか、栄養に関しても直接、毎回作ってくれるという場合もトップアスリートではあると思うんですけども、下の方までどうやってやるかというと食事に関しても例えば中学生高校生でもeラーニングとか講習会とかですね、そういうことを行うことによってずいぶん食事の仕方に関しての知識も得られるでしょうし、先ほどみたいなセルフチェックみたいなスクリーニングなんかでも怪我防止にも繋がると思いますし、対象者をできるだけ広げるために色んな手段を変えながらやっていくことがやはり日本全体の強化にも、若い大事な選手を怪我をさせてしまったり素質を駄目にしてしまうことは一番よくないことですので、できるだけこういう形で地域も含めて一体的に取組んでいこうということでやっております。

続きまして、セルフチェック動画のeラーニング化ということで、私が考案させていただいております誰でも道具を使わないで自分の体のチェックをする方法をホームページに出させていただいております。これをやはり安心安全で皆さんに運動していただくと、部活動では子供たちもですね、肩の可動性や肩甲骨の可動性がないのに無理やり投げさせてケガをしたみたいなことに、一方でトレーナーもいる学校もいれば全くそういうケアをしてくれる人もいないとかですね、こういう学校や地域によって差がたくさんできてしまうというのはちょっと、そういうサポートがない人たちにとってはあまり良くないことだと思いますので、こういったセルフチェックのようなものですとトレーナーがいなくてもそれに近い運動中の痛みとの関係が点数が悪いとあるということもありますし、事前にこういったことが広まればそういう体制がないところでもかなり怪我を防止させたりとか無理な運動をさせないようなことに繋がると思いますので、できるだけこういうものをeラーニング化し、しかもそれを修了書みたいなものも用意して、自分たちでチェックできるようにですね、していこうと、こういうことも取組んでいこうとやっておりますので、記者の皆さんもご興味あれば修了書を取っていただいてやっていただきたいと思いますけども、こういうことでグラスルーツですね、みんなが安心安全に運動ができるようにということで取組んでやっております。

以上

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