室伏スポーツ庁長官 就任会見

 

令和2年10月2日

室伏スポーツ庁長官初登庁

 室伏長官の初登庁、長官訓示、就任会見を動画にまとめましたので、ご覧ください。
(※「YouTube」スポーツ庁動画チャンネルへリンク)


先ほど、萩生田文部科学大臣から辞令をいただきまして、10月1日付けで新たにスポーツ庁長官に就任いたしましたことをご報告いたします。

皆様、何卒よろしくお願いいたします。

スポーツ庁長官として臨むにあたりまして所信を述べさせていただきます。

まず、5年間という長きに渡り初代スポーツ庁長官という重責を負われながら勤め上げられた鈴木前長官には、心から敬意を表したいと思っております。
それとともに、私自身の担うこのスポーツ庁長官の立場の重要性というものを、ひしひしと感じておるところです。
鈴木前長官の基盤を受け継ぎ、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

ご存知の通り、スポーツ庁はスポーツ基本法の理念である「スポーツを通じて国民が生涯にわたり心身ともに健康で文化的な生活を営むことができる社会」の実現を目指し、他省庁とも連携して多様なスポーツ施策を展開する、その中核的な役割を担うものとして平成27年10月に設置されました。
現在、菅総理大臣が、行政の縦割りを破ると会見等でおっしゃられておりますが、まさにその目的を持って5年前に創設されたのがスポーツ施策を総合的に推進する役割を担うスポーツ庁と言えるのではないかと考えており、その理念の具現化に一層努めながら、職務にあたっていきたいと考えております。

スポーツは、昨年行われましたラグビーワールドカップ2019日本大会の例を挙げるまでもなく、様々な方に勇気や感動、一体感を与えるものです。
そのスポーツの力で国民の皆様や社会に活力をもたらすためにも、まずは政府の一員として、来年に延期となった東京オリンピック・パラリンピック競技大会を、安全・安心な環境のもとに開催できるよう務めてまいりたいと思っております。

その前提といたしまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により影響を受けたスポーツ活動の再開・継続のご支援を一層進めることはもちろんのこと、改めてスポーツの価値を皆様にお届けすることもスポーツ庁にとって重要な役割だと考えております。

スポーツ庁はスポーツ界に留まらず、様々な分野における社会課題の解決等に貢献していくことが大切だと思っております。
例えば、スポーツを通じた国民の皆様の心身の健康増進、地域資源とスポーツを掛け合わせて国内外から人を呼び込む地域の活性化、スポーツ産業の自立的好循環やスポーツイベント等の実施により生まれる波及的効果等を見据えた経済の活性化、スポーツの力を活用して世界と繋がる国際交流など、スポーツは社会にとって多様な価値を有するものと思っております。
そのスポーツの価値を国民の皆様に享受できるようにするためにも、まず前提となる国民のスポーツ実施率の向上に向けたムーブメントや環境作りに取り組んでまいりたいと思っております。

運動することが心と体に良い影響を与えるということは科学的にも証明されているにも関わらず、その運動習慣のない層の運動需要を喚起できてないという問題もございます。
特に、コロナ禍において外に出る機会も少なくなってしまった、そういった国民全体が体力低下に陥ることも問題となっていると思いますが、新型コロナウイルス感染の影響によって以前と同じようにスポーツを実施して良いのか不安に思われている方もいらっしゃるかと思います。
また、実施したくても様々な理由でスポーツに取り組めない方も多くいらっしゃいます。
こうした現状を踏まえまして、スポーツや運動の効果を目に見えるかたちで国民の皆様に分かりやすく発信していくこと、スポーツが実施できない、実施しようと思わないその理由を分析して、その解決策を模索していく、提案をしていくこと、そして新しい生活様式のもと、最先端技術も活用しながら安全・安心にスポーツや運動を実施できる方法を開発して普及していくことなど、取り組んでいきたいと思っております。
スポーツの価値を高め、国民の心と体の健康に少しでも貢献できるよう、引き続き一層進めてまいりたいと思っております。

また、トップアスリートの競技力向上・強化を国等において支援することの重要性は計り知れません。これも「鈴木プラン」というかたちで鈴木前長官のもと、競技力強化が進められてきたところでございますが、私としましても引き続き安全・安心な練習環境を前提とした上で選手たちの競技力の向上が進み、またオリンピック・パラリンピックという舞台等で大きく活躍できることを最大限にサポートしてまいりたいと考えております。

私自身も大学のスポーツサイエンスセンターのそういったサイエンスについての分野の教員を務めてまいりましたので、科学的、またメディカル、医学的な視点やエビデンスに基づく手法の導入を積極的に進め、スポーツを実施する方にとって真に適正な環境のもと活動ができるよう環境を整えてまいりたいと思っております。
そして、悪しき習慣であるスポーツ界におけるハラスメントや体罰の防止、スポーツ団体のガバナンス欠如や不祥事といった事態への対応は当然の前提であり、スポーツインテグリティの向上についても引き続き取り組みを強化していくつもりでございます。
スポーツは体のみならず、やはり精神の成長というものもございます。感動していただけるスポーツ界を目指して取り組んでいきたいと思っております。

スポーツを未来につなぐという理念のもと精一杯取り組んでまいりますので、様々な方々からのご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。
私自身は陸上出身で、一つの競技は極めておりますけども、スポーツという意味ではすごく狭い範囲のことであって、スポーツには様々な種類、個人競技、団体競技、また水の中で行う競技、室内、また冬季、雪や氷で行う、そういった様々なスポーツがありますので、一つ一つ学んでいき、スポーツ界のみならず社会に少しでも貢献していくスポーツ界になるように取り組んでまいりたいと思っております。

お問合せ先

スポーツ庁政策課