スポーツに関わる全ての皆様へ

今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、国からの要請等も踏まえ、様々なスポーツの競技大会やイベント等が中止・延期しています。
そして3月24日。国際オリンピック委員会と東京2020組織委員会は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の延期を発表いたしました。

出場予定の大会等が中止等となり、辛く、悔しく、悲しい思いをされているアスリートの方々や運動部活動等に取り組んでこられた方々も多くいらっしゃると思います。
今後出場・参加する予定の大会等の開催が果たしてどうなるのか、報道等を見て不安に思われている方も多くいらっしゃると思います。

私も、スポーツ庁長官としての立場だけでなく、かつて同じように夢や目標に向かってがむしゃらに前に進む日々を過ごしてきたアスリートの一人です。皆さんの努力の積み重ねと、今回の事態に直面しての戸惑いや喪失感が計り知れないことを痛感しています。
そのような状況でも、子供たちを励ます動画をSNSに投稿するスポーツ選手の姿。悔しさをこらえて次の目標に向けて努力することを気丈にも語る高校生の姿。深く心を打たれました。

大会等の主催者の方々等におかれても、長きにわたり使命感と熱意をもって準備をしてこられながらも、出場者等の安全と安心を考え、感染拡大の防止の観点等から検討し、身を切る思いで中止や延期等の御決断をいただいています。
改めて、感染拡大の防止に向けて様々に御配慮いただき、御対応されている全てのスポーツに関わる皆様に、心から敬意を表し、また感謝申し上げます。

このような時だからこそ、私はスポーツの価値を改めて強く感じています。

スポーツは、心身の健康の保持増進に不可欠なだけのものではなく、国民に誇りと喜び、夢と感動、そして勇気を与えるものです。人と人をつなぎ、地域と地域をつなぎ、国と国をつなぐものです。
こうしたスポーツの持つ力や素晴らしさが社会の活力につながるよう、国民の皆様の安全と安心の下に我が国にスポーツを取り戻すことに向けて、皆様からお寄せいただいている御意見や御要望をしっかりと受け止めながら、スポーツ庁長官の私が先頭に立って、スポーツ行政をしっかりと牽引してまいります。

最後に。お一人お一人の心構えと対策の実施が、感染拡大防止にとても重要であると思います。スポーツ界も一体となって、感染症対策への引き続きの御理解と御協力をいただきますよう、お願いいたします。

スポーツ庁長官
鈴木 大地