初中教育ニュ-ス(初等中等教育局メ-ルマガジン)第425号(令和3年11月12日)

[目次]

【お知らせ】
■児童生徒向け
(1) 11月は留学関連イベント多数!ぜひご参加ください!!
(2) 中小企業庁 全国の高校生のビジネスプランを募集中!
■教職員向け
(1) 「動画でわかるSociety 5.0 令和3年版科学技術・イノベーション白書~職員解説編~」の作成について
(2) 「第43回少年の主張全国大会」WEB開催
(3) 中小企業庁 起業家等による出前授業実施校を募集中!
■学校・教育行政関係者向け
(1) 教育データ利活用ロードマップの検討状況に関しての意見募集について
(2) 放送大学が数理・データサイエンス・AIに関する公開講座を開講
(3) 2021年ユネスコ/日本ESD賞表彰式の開催について
(4) 令和3年度「学校における男女共同参画研修」実施報告
■文部科学省からのご案内
(1) 令和3年10月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)の紹介
(2) 令和3年度ユネスコ未来共創プラットフォーム事業「全国セミナー」の開催について
(3) 第13回ユネスコスクール全国大会(ESD研究大会)
(4) 「基本のキ 手洗い・マスク・ワクチン接種」

【発行】
(1) 『初等教育資料』11月号について
(2) 『中等教育資料』11月号について
(3) 教育委員会月報10月号を文科省HPに掲載しました!
(4) 総合広報誌『文部科学広報』10月号

【連載企画】「令和の日本型学校教育」を考える
「3つの成長機会」〔(一財)地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事 岩本悠〕

【児童生徒向け お知らせ】

(1) 11月は留学関連イベント多数!ぜひご参加ください!!

〔高等教育局学生・留学生課〕

 「トビタテ!留学JAPAN」は高校生や中高の先生向けに、海外進学や留学に役立つセミナーを11月も多数実施します。
 毎回大人気の、海外大学のユニークな講義を英語で体験した後、日本語で解説を受けられる模擬留学シリーズに加え、中学高校の教員向けに、海外進学に関する進路指導セミナー(基礎)を企画しています。

 他にも留学関連イベントを多数掲載していますので、ぜひご覧ください! 
 https://tobitate.mext.go.jp/news/detail.html?id=330 

 (お問合せ先)
 高等教育局 学生・留学生課
 官民協働海外留学創出プロジェクト トビタテ!留学JAPAN
 電話:03-6734-3624
 E-mail:ryugakujapan@mext.go.jp

(2) 中小企業庁 全国の高校生のビジネスプランを募集中!

〔初等中等教育局児童生徒課〕

 中小企業庁では、「Japan Challenge Gate 2022 ~全国ビジネスプランコンテスト~」を開催し、高校生等のビジネスプランを募集します。優秀なプランには最優秀賞・優秀賞(予定)を授与します。

 ※募集要領、その他詳細については下記HPをご覧ください。
 https://entre-japan.go.jp/

 (お問合せ先)
 〈お申込み・ご質問について〉
 中小企業庁 令和3年度起業家教育事業
 (事務局)株式会社ゼロワンブースター
  E-mail:edu@01booster.com
 〈その他〉
 中小企業庁 創業・新事業促進課
 創業普及啓発係
 電話:03-3501-1767(内線 5342)

 (本件担当)
 初等中等教育局 児童生徒課
 キャリア教育推進係 
 電話:03-5253-4111(内線 4728)

【教職員向け お知らせ】

(1)「動画でわかるSociety 5.0 令和3年版科学技術・イノベーション白書~職員解説編~」の作成について

〔科学技術・学術政策局研究開発戦略課〕

 令和3年版科学技術・イノベーション白書ポスターを用いて、「Society 5.0」を文部科学省職員が解説する動画を公開しました。日本が目指す未来社会「Society 5.0」について、3つの重要なポイントを説明しています。このポスターについては、アニメーションも作成しておりますので、あわせてご覧ください!

 ※動画はこちらからご覧ください。
 https://www.youtube.com/watch?v=ggS9VQLsMrQ

 ※アニメーションはこちらからご覧ください。
 https://www.youtube.com/watch?v=NpK08gtYihw

 ※令和3年版科学技術・イノベーション白書ポスターについて
 https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa202101/1421221_00022.html

 (お問合せ先)
 科学技術・学術政策局 
 研究開発戦略課 総括係
 電話:03-6734-4012(直通)
 E-Mail:kagihaku@mext.go.jp

(2)「第43回少年の主張全国大会」WEB開催

〔総合教育政策局地域学習推進課〕

 国立青少年教育振興機構では、中学生が日常生活を送る中での感謝や思い、感銘を受けた経験などを発表する「少年の主張全国大会」を実施しています。
 本大会は、参加者及び関係者の都道府県をまたぐ移動のリスク等について関係機関と協議した結果、開催方法をWEB開催とさせていただいており、全国40万人を超える参加者の中から地区大会を経て選考された12名の中学生が、日頃抱いている思いや考えを発表している動画を、また惜しくも全国大会に選出されなかった35名の作文をご覧いただけます。
 11月14日(日)には、審査委員会による全国大会審査結果(内閣総理大臣賞、文部科学大臣賞等)の公表を予定しています。
 彼らの鋭い感性と素直な思いから生まれる真っ直ぐな“主張”をお聞きください。

 全国大会出場者の主張発表動画は下記URLよりご覧いただけます。
 → https://www.niye.go.jp/services/plan/syutyou/

 ■開催期間 令和3年11月1日(月曜日)~11月30日(火曜日)

 (お問合せ先)
 国立青少年教育振興機構 事業課
 電話:03-6407-7621

 (本件担当)
 総合教育政策局 地域学習推進課
 青少年教育室施設係
 電話:03-5253-4111(内線 2650)

(3)中小企業庁 起業家等による出前授業実施校を募集中!

〔初等中等教育局教育課程課、初等中等教育局児童生徒課〕 

 中小企業庁では、起業家教育に取り組む一歩として、起業家や起業経験者等を招聘した講演(起業家・経営者としての経験や体験を語っていただく出前授業)を実施する高等学校等を広く募集しております。実施校に対しては、実施までのプロセスを事務局でサポートするほか、講師への謝金の一部を負担いたします。
 詳細につきましては、下記リンク先をご確認ください。
  【事業Webページ】https://entre-japan.go.jp/schoolvisit/

 (お問合せ先)
 〈お申込み・ご質問について〉
 中小企業庁 令和3年度起業家教育事業
 (事務局)株式会社ゼロワンブースター
 E-Mail:edu@01booster.com
 〈その他〉
 中小企業庁 創業・新事業促進課
 創業普及啓発係
 電話:03-3501-1767(内線 5342)

 (本件担当)
 初等中等教育局 教育課程課
 企画調査係
 電話:03-5253-4111(内線 2565)
 初等中等教育局 児童生徒課
 キャリア教育推進係 
 電話:03-5253-4111(内線 4728)

【学校・教育行政関係者向け お知らせ】

(1)教育データ利活用ロードマップの検討状況に関しての意見募集について

〔デジタル庁国民向けサービスグループ、総合教育政策局教育DX推進室〕

 文部科学省では、デジタル庁等と連携し、GIGAスクール構想の1人1台端末の真の活用に向け、学校内外のデータの将来的な連携も見据えた教育データの蓄積・流通の仕組みの構築に向けて、目指すべき姿や必要な措置を盛り込んだロードマップを検討しています。
 
 つきましては、教職員や保護者、教育委員会職員をはじめ、幅広く教育関係者の皆様からの意見募集を10月25日から11月26日まで実施しています。
 教育現場の皆様からの御意見をお待ちしております。

 詳しくは、以下URLを御覧ください。

 <URL>https://www.digital.go.jp/posts/tGZmsuPh

 (お問合せ先)
 デジタル庁国民向けサービスグループ 
 電話:03-4477-6775(代表)

 (本件担当)
 総合教育政策局 教育DX推進室
 電話:03-6734-3621(直通)
 E-mail:kyoikudx@mext.go.jp

(2)放送大学が数理・データサイエンス・AIに関する公開講座を開講

〔総合教育政策局生涯学習推進課〕

 放送大学では、2021年4月より初級レベルの数理・データサイエンス・AIについて分かりやすく学べる公開講座を開講しました。
 「数理・データサイエンス・AI」については、AI戦略においてデジタル社会の基礎知識と位置付けられ、初等中等教育においてもその素養を身に付けることが目標とされています。
 初等中等教育に携わる皆様も、この機会に、数理・データサイエンス・AIの世界に触れてみてはいかがでしょうか。

  ※詳細は放送大学のホームページをご覧ください。
  https://www.ouj.ac.jp/hp/special/article/datascience.html

 (お問合せ先)
 放送大学総合受付
 電話:043-276-5111(代表)

 (本件担当)
 総合教育政策局 生涯学習推進課
 放送大学振興係
 電話:03-5253-4111(代表)

(3)2021年ユネスコ/日本ESD賞表彰式の開催について

〔国際統括官付〕

 ユネスコでは、2021年「ユネスコ/日本ESD賞」の表彰式を開催します(日本語同時通訳あり)。
 本賞は、世界中のESD実践者にとってより良い取組に挑戦する動機付けと、優れた取組を世界中に広めることを目的として、我が国の財政支援により、ESD活動に取り組む機関・団体が実施する優れたプロジェクトをユネスコが表彰するものです。
 表彰式はオンラインでどなたでも御視聴いただけます(事前登録不要)。
 ESDの先進事例について学ぶことのできる好機となりますので、是非御覧ください!

 ■日時 令和3年11月19日(金曜日)21時30分~23時00分(日本時間)

 視聴をご希望の方は、こちらを御覧ください。
 → http://webcast.unesco.org/events/2021-11-ESD-Prize/
 (画面下部のJPボタンを押すと、日本語同時通訳が流れます。)
         
 (お問合せ先)
 国際統括官付 ユネスコ第二係
 E-mail:jpnatcom@mext.go.jp

(4)令和3年度「学校における男女共同参画研修」実施報告

〔総合教育政策局男女共同参画共生社会学習・安全課〕

 国立女性教育会館(NWEC)では、7月29日(木)~8月31日(火)に教育委員会や教育センター等の職員と初等中等教育諸学校(特別支援学校を含む)の管理職・教職員を対象にオンライン研修を開催しました。
 この研修は男女共同参画の視点から、自身の持つ「無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)」や固定的な性別役割分担意識に気付くこと、教職員自身のキャリア形成や女性管理職の育成、多様な児童生徒への対応について理解を深め、解決に向けた方策を探ることを趣旨とし、全国から241名が参加しました。

 ※詳細は、こちら
 https://www.nwec.jp/event/training/g_kyoin2021.html

 (お問合せ先)
 国立女性教育会館事業課
 電話:0493-62-6724
 E-mail:progdiv@nwec.jp

 (本件担当)
 総合教育政策局
 男女共同参画共生社会学習・安全課
 男女共同参画学習室 男女共同参画推進係
 電話:03-5253-4111(内線 2654)

【文部科学省からのご案内】

(1)令和3年10月の文部科学省選定作品(学校教育教材等)の紹介

〔初等中等教育局修学支援・教材課〕

 文部科学省では、映画その他の映像作品及び紙芝居について、教育上価値が高く、学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と認められるものを選定し、併せて教育に利用される映像作品等の質的向上に寄与するために、教育映像等審査規程(昭和29年文部省令第22号)に基づいて映像作品等の審査を行っています。選定された 作品については、文部科学省のホームページ上で毎月掲載しています。

 詳しくは、こちらを御覧ください。                                                                        
 https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/movie/020301/1422891_00026.htm
                                                                                                                            
 (お問合せ先)
 初等中等教育局 修学支援・教材課
 E-mail: emedia@mext.go.jp

(2)令和3年度ユネスコ未来共創プラットフォーム事業「全国セミナー」の開催について

〔国際統括官付〕

 文部科学省では、令和3年度「ユネスコ未来共創プラットフォーム」事業の一環として、「全国セミナー」をオンライン開催します。
 日本のユネスコ加盟70周年を機に、ユネスコ活動を例として、社会課題解決や価値創造の活動を「どのように自分(たち)ごと」にできるか、さらに、「多様な主体による協働」を促進するにはどうすれば良いか、共に考え合い、実現に向けた動きにつなげます。
 ぜひ、御参加ください。

 ◆日時:令和3年12月4日(土曜日)10時00分~16時40分
 ◆開催形式:Zoomによるオンライン開催
 ◆詳細:https://unesco-sdgs.mext.go.jp/archives/2528

 (お問合せ先)
 国際統括官付 ユネスコ振興推進係
 電話:03-5253-4111(内線 2602)
 E-mail:jpnatcom@mext.go.jp

(3)第13回ユネスコスクール全国大会(ESD研究大会)

〔国際統括官付〕

 文部科学省及び日本ユネスコ国内委員会は、「第13回ユネスコスクール全国大会/持続可能な開発のための教育(ESD)研究大会」を開催します。
 日本のユネスコ加盟70周年、東日本大震災から10年を振り返りながら、ESDを取り巻く最新的知見やユネスコスクールにおけるESD活動を通じた諸課題の解決などを検討・共有し、更に、2030年の社会と教育を想定したESDの今後を展望します。ぜひ、御参加ください。

 ◆日時:令和3年11月27日(土曜日)10時00分~17時20分(予定)
 ◆開催形式:web開催(YouTubeライブ配信)
 ◆詳細:http://www.jp-esd.org/conference2021/

 (お問合せ先)
 国際統括官付 ユネスコ振興推進係
 電話:03-5253-4111(内線 2602)
 E-mail:jpnatcom@mext.go.jp

(4)「基本のキ 手洗い・マスク・ワクチン接種」

〔研究振興局研究振興戦略官付〕

 近年、抗菌薬が効きにくい薬剤耐性(AMR)をもった細菌が世界的に増え、大きな社会問題になっています。
 日本では毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」と位置づけ、重点的な啓発活動を進めています。
 薬は医師の指示を守って正しく服用。感染症は予防が大切。
 HPよりダウンロード。「はたらく細胞」コラボキャンペーンポスター。
 http://amr.ncgm.go.jp/information/campaign2021.html

 (お問合せ先)
 研究振興局 研究振興戦略官付
  電話:03-5253-4111(内線 4368)

【発行】

(1)「初等教育資料」11月号について

〔初等中等教育局教育課程課〕

 令和元年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査結果」によれば、いじめの認知件数、暴力行為の発生件数、不登校児童生徒数が調査開始以降最多となるなど、生徒指導上の課題が明らかとなりました。
 そこで、特集1では「生徒指導の充実」をテーマに、生徒指導の意義や小学校における生徒指導の充実、学校や教育委員会における取組の工夫などについて解説、論説、座談会、実践事例で紹介しています。
 特集2の図画工作科では、「図画工作科における『知識』の習得と活用」をテーマとし、指導の在り方、工夫について解説、座談会、実践事例で紹介しています。

 ※詳細は株式会社東洋館出版社HP
 https://www.toyokan.co.jp/pages/shotokyoiku

 (お問合せ先)
 初等中等教育局 教育課程課 
 教育課程第一係
 電話:03-5253-4111(内線 2916)

(2)『中等教育資料』11月号について

〔初等中等教育局教育課程課〕

 本号から令和4年3月号まで、「高等学校の学習指導と学習評価の工夫改善」について特集します。本年8月、国立教育政策研究所教育課程研究センターは、「『指導と評価の一体化』のための学習評価に関する参考資料(高等学校)」を公表しました。これを参考に、指導と評価の一体化を図り、創意工夫の中で学習評価の妥当性、信頼性を高める実践が一層進むことが期待される中、本号では、高等学校の国語と外国語を取り上げます。

 ※ 詳細はこちら(学事出版ウェブサイト)
 http://www.gakuji.co.jp/magazine/chutokyoiku/index.html

 (お問合せ先)
 初等中等教育局 教育課程課
 教育課程第三係
 電話:03-5253-4111(内線 3706)

(3)教育委員会月報10月号を文科省HPに掲載しました!

〔初等中等教育局初等中等教育企画課〕

 特集記事「令和2年度文部科学白書」「教育再生実行会議第十二次提言」をはじめ、読み応えのある記事を掲載しております。ぜひご一読ください。今年度4・5月号から10月号までの各号もお読みいただけます。
 ↓こちら↓からお読みください!
 https://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/geppou/index.htm

 (お問合せ先)
 初等中等教育局 初等中等教育企画課
 地方教育行政係
 電話:03-5253-4111(内線 4676)

(4)総合広報誌『文部科学広報』10月号

〔大臣官房総務課広報室〕
 → http://www.koho2.mext.go.jp/

 ◆特集
 日本代表選手団の活躍を後押しする「サポート拠点」
 
 ◆Monthly Line Up
 ・国際科学技術コンテスト
 ・伝統的酒造りの登録無形文化財への登録について
 ・書道の登録無形文化財への登録について
 ・歌舞伎研修生・太神楽研修生募集 ~国立劇場~

 ◆Topics
 末松文部科学大臣が就任 新文部科学副大臣 文部科学大臣政務官就任

 (お問合せ先)
  大臣官房 総務課 広報室
 事業第一係
 電話:03-5253-4111(内線 3603)
 E-mail:mextjnal@mext.go.jp

【連載企画】「令和の日本型学校教育」を考える

 令和3年1月26日に中央教育審議会において「「令和の日本型学校教育」の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」(答申)が取りまとめられました。
 急激に変化する時代の中で、我が国の学校教育には、一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるよう、その資質・能力を育成することが求められているとされています。答申では、2020年代を通じて実現を目指す学校教育が「令和の日本型学校教育」と名付けられ、その姿が「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」と描かれました。
 答申のとりまとめから、早くも1年近くが経とうとしています。この間、新型コロナウイルスの感染拡大により様々な制約が続く一方で、オンラインを生かした新しい形の授業が普及するなど、学校教育を取り巻く環境は急速に変化しています。こうした中では、教育に関わる一人一人が、これまで以上に、様々な変化に柔軟に対応していくことが求められます。そこで、この連載企画では、これからの「令和の日本型学校教育」の実現に向けて考えていくために、様々な分野で活躍されている方々にコラムを執筆していただくことにしました。
 第2回は中央教育審議会初等中等教育分科会にご参画いただいている、(一財)地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事 岩本悠さまからのご寄稿です。

(本連載は毎月第2週に連載します)

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「3つの成長機会」〔(一財)地域・教育魅力化プラットフォーム代表理事 岩本悠〕

 子どもや若者の目を見張る変容を多く見るなかで、系統的で計画的なカリキュラムを越えて、人が大きく成長する「3つの機会」があると思うようになった。

 一つは、「熱狂」。
 情熱をもって夢中で取り組むこと。個別最適な興味・関心やワクワクから生まれる甚だしい行動や試行錯誤。プロジェクトや創作、探究への傾倒。
 こうしたのめり込み体験を通して子どもたちはバイタリティーや生命力、学びに向かう力を大きく開花させていく。
 夢中に勝る努力なし。

 もう一つは、「逆境」。
 失敗や挫折、苦境。板挟みや衝突、ある種の修羅場体験。
 こうした困難を乗り越えていった先に、フニャフニャやチャラチャラではない、骨太でしなやかな、どこか凛とした人間性や逞しさが育っていく。
 先回りしすぎず、小さな失敗は見守れる大人でありたい。

 三つ目は、「越境」である。
 既知の範囲から未知の領域に入ること。異郷への留学や異分野での新たな挑戦、他流試合など。
 想定外を幾度となく体験することで、今までの「当たり前」が問い直され、自らの見方・考え方・在り方の再構成につながっていく。
 異なる組織・環境・文化に飛び込む越境体験からは、異質なものと対話し多様な他者と協働する力も育成される。
 同じことが良いことで違うことが悪いことかのように感じる同質性の高い学校においては、越境者を受け容れることによる変化も大きい。
 かわいい子には旅をさせたい。そして「かわいくない」子も受け容れていきたい。

 「熱狂」「逆境」「越境」これら3つの機会は、ときに痛みも伴う非連続で飛躍的な成長機会である。
 小さくても一皮むける体験を積み重ね、不確実で変化の激しい時代においても、いきいきと前向きに生きていける「幸せに生きる力」を子どもたちに育みたい。
 そのためにも、私たち自身が「熱狂」「逆境」「越境」を前向きに歓迎しながら、学び成長し続ける大人でありたい。

お問合せ先

初等中等教育局「初中教育ニュース」編集部

03-5253-4111

(初等中等教育局「初中教育ニュース」編集部)