初中教育ニュ-ス(初等中等教育局メ-ルマガジン)第386号(令和2年5月22日)

[目次]


【お知らせ】
□新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について
□「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」について
□令和2年度文部科学大臣優秀教職員表彰「社会に開かれた教育実践奨励賞」に係る推薦団体の募集について
□「STI for SDGs」アワード 社会課題解決のための地域における取組募集について

【発行】
□「初等教育資料」5月号について
□「中等教育資料」5月号について

【課長コラム】子供たちに学びの保障を
初等中等教育局教育課程課 課長 滝波 秦

【特別寄稿】(※次号387号にて別途配信いたします)
尼崎市の臨時休業期間における学習支援(ICT活用)に向けた取組について
~教育用PC環境10人に1台の自治体の挑戦~ Vol.2
尼崎市教育委員会教育長 松本 眞

□【お知らせ】新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する対応について

 文部科学省では、新型コロナウイルス感染症関連のお知らせを随時更新しております。
 学校の衛生管理の観点から、児童生徒及び教職員の感染リスクを可能な限り低減するためにまとめた「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」など、最新の通知等を掲載しておりますのでご確認ください。
 https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/index.html

□【お知らせ】「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」について

〔研究振興局参事官(情報担当)付〕

 新型コロナウイルス感染症対策に係る学校の休校において、子ども達への学習機会の確保については関係者の皆さまには日々様々な御尽力をいただいておりますが、オンライン会議ツールなどを用いた遠隔教育については、皆さまどのように行っていますか。
 国立情報学研究所(NII)では、遠隔授業等の準備状況に関する情報を、できるかぎり多くの関係者間で共有することを目的とし、3月下旬よりこれまで金曜日にオンライン(Webex及びZoom)で「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」を開催しているところです。こちらでは、大学をはじめとする関係者の皆様から、遠隔授業に関する様々な取組事例・課題等について幅広く発表・共有いただいています。
 名前には「大学等」とありますが、大学のみならず、初等中等教育段階の事例や、図書館の取組も紹介しており、リアルタイム参加は直近では2000名ほど、下記HPにアップされたコンテンツの延べ視聴回数は数万回に及んでいます。
※詳細、過去コンテンツはこちら(NIIウェブサイト)
https://www.nii.ac.jp/event/other/decs/
第9回シンポジウムは5月29日(金)10:30~より開催を予定しています(開始時間は変更となる可能性もあります)。プログラムや参加方法などは決まり次第上記HPに掲載しますので、ご確認の上、是非お気軽に御参加ください。
 
(お問合せ先)
国立情報学研究所サイバーシンポジウム窓口
メール:plan@nii.ac.jp
※国立情報学研究所では在宅勤務のため電話での応対を休止しています

(本件担当)
研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室学術情報係
電話:03-5253-4111(内線4080)

□【お知らせ】令和2年度文部科学大臣優秀教職員表彰「社会に開かれた教育実践奨励賞」に係る推薦団体の募集について

〔初等中等教育局初等中等教育企画課〕

 文部科学大臣優秀教職員表彰の一部門として、本年度から、民間の団体等(民間企業、公益法人、NPO 法人等)からの推薦を受け、有識者による選考を経て授与する「社会に開かれた教育実践奨励賞」を新設することとしました。
 本奨励賞の被表彰者候補は、文部科学省後援名義や文部科学大臣賞の使用許可を受け、教職員または教職員組織に対する表彰等を主催する民間の団体等からの推薦者となります。推薦いただける団体等の募集を開始しましたので、該当する団体等におかれては、積極的な御参画のほど、どうぞよろしくお願いします。

※詳細はこちら
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/daijin/1417596_00003.htm

(お問合せ先)
初等中等教育局初等中等教育企画課教育公務員係
電話:03-5253-4111(内線2588)

□【お知らせ】「STI for SDGs」アワード 社会課題解決のための地域における取組募集について

〔科学技術・学術政策局人材政策課〕

 国立研究開発法人科学技術振興機構(「科学と社会」推進部)では、2019年度に未来共創推進事業の一環として創設した表彰制度 "「STI for SDGs」アワード" にて、科学技術イノベーション(Science, Technology and Innovation : STI)を用いて社会課題を解決する地域における優れた取組を表彰しています。
 本制度は、国内の団体が地域で行っている優れた取組を表彰することで、それらの取組のさらなる発展や同様の社会課題を抱える地域への水平展開を促し、SDGsの達成に貢献することを目的としています。また、文部科学大臣賞や科学技術振興機構理事長賞などに加えて、中高生、大学生といった、次の時代を担う若い世代の皆様中心の取組を対象とした"次世代賞"も設定しています。
 本制度では、取組に用いるSTIについて、分野、用途、新規性、技術水準等の要件は設けていません。最新の高度な技術である必要はなく、身近な技術であってもうまく活用して社会課題の解決に取り組まれている、他地域へも展開ができるような取組を広く募集しています。
 2030年まで残り10年となった今、SDGsの達成へ向けた活動をより推進していく必要があります。数多くのご応募をお待ちしています。

●募集期間 :2020年4月24日(金)~2020年7月15日(水)
         ※日程については変更の可能性があります
●詳細URL:https://www.jst.go.jp/sis/co-creation/sdgs-award/
         ※昨年度の受賞取組内容も、こちらのサイトでご覧いただけます
●募集ページ: https://www.jst.go.jp/sis/co-creation/sdgs-award/2020/
●後援:文部科学省

(お問合せ先)
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 「科学と社会」推進部
「STI for SDGs」アワード事務局  E-mail:sdgs-award@jst.go.jp  

(本件担当)
科学技術・学術政策局人材政策課理解増進係
電話:03-5253-4111(内線4029)

□【発行】「初等教育資料」5月号について

〔初等中等教育局教育課程課〕

 今月号の特集1は「自己有用感を高める教育の充実」としています。社会性の基礎となる自己有用感を高める教育活動について解説し、学校教育において自己有用感を高める必要性や教育活動における工夫などについて、論説や座談会、実践事例を示しています。
 特集2は、新学習指導要領社会科における「第3学年・第4学年の学習内容について」をテーマとしています。まず、各学年における系統的、段階的に再整理された第3学年・第4学年の目標と内容のポイントについて、解説と対談を通して示しています。また、教育委員会や校長先生、実践者のそれぞれの立場での取組について紹介しています。
※詳細はこちらを御確認ください。
http://www.toyokan.co.jp/book/b507572.html (株式会社東洋館出版社HP)

(お問合せ先)
初等中等教育局教育課程課
教育課程第一係
電話:03-5253-4111(内線2916)


□【発行】「中等教育資料」5月号について

〔初等中等教育局教育課程課〕

 「中等教育資料」は、中学校・高等学校における学習指導要領上のねらいや授業の実践、校内研究に必要不可欠な理論・実践事例を豊富に紹介している月刊誌です。

 本号の特集は、「PISA調査の結果を踏まえた今後の展望」です。
 令和元年12月にPISA2018の結果が公表され、数学的リテラシー及び科学的リテラシーについては、引き続き世界トップレベルでした。一方、読解力については、OECD平均より高いグループに位置していたものの、前回2015年調査よりも平均得点及び順位が統計的に優位に低下しており、学習指導要領の検討の検討過程においても指摘されていた、判断の根拠や理由を明確にしながら自分の考えを述べることなどについて引き続き課題が見られました。また、学習活動におけるデジタル機器の利用が他のOECD加盟国と比較して低調であることも明らかとなりました。
 そこで本号では、子供たちが未来社会を切り拓くための資質・能力を育成することを大きな柱とした新学習指導要領の実施に向けて、今回の調査結果をどのように生かしていくかを、具体的事例を交えて考察します。

※ 詳細はこちら(学事出版ウェブサイト)
http://www.gakuji.co.jp/magazine/chutokyoiku/index.html

(お問合せ先)
初等中等教育局教育課程課教育課程第三係
電話:03‐5253‐4111(内線3706)

□【コラム】子供たちに学びの保障を

〔初等中等教育局教育課程課 課長 滝波 秦〕

 本年度からいよいよ小学校から順次、新学習指導要領が全面実施され、各学校で周到な準備の下、順調に新学期のスタートが切られているはずでした。
 しかし、今年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、3月に全国一斉学校臨時休業、4月には緊急事態宣言の全国発令もあり、多くの学校が引き続き臨時休業を余儀なくされました。その後、多くの地域で緊急事態宣言が解除され、順次学校再開の動きが出てきていますが、子供たちの笑顔があふれる学校の日常風景が長く遠ざかった状況には、何とも言えぬ寂しさを感じました。
 それでも、多くの学校でやむを得ず登校できない子供たちのために、子供たちや学校、地域の状況も踏まえながら、指導計画を踏まえた適切な家庭学習を与える、あるいは登校日の設定、家庭訪問、電話、メールなど様々な手段で学習状況や成果をきめ細かく把握しようと努力する姿が見られました。
 少しずつでも登校できるようになった後、子供たちの学習内容の定着を丁寧に見取り、補充授業や補習で学習の遅れを補ったり、十分身に付いていない子供に個別補習を施したりするなど学校の献身的な努力も見られます。
 長期にわたる学校休業という未曽有の事態に見舞われる中、子供たちが学び続けられる環境づくりに、学校、教育委員会や家庭、地域社会の多くの関係者が力を尽くして頂いていることに、衷心より敬意と感謝を申し上げます。

 私たちも、学校休業中や分散登校などで授業が思うようにできない中でも、子供たちが家庭で学び続けられるよう、教育委員会や民間企業等の提供する無償のオンライン教材などを学年・教科別に紹介するポータルサイトを設け、随時内容充実を図っていく取組を進めています。
https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/index_00001.htm
 また、制度的にも、休業中の学校が課した家庭学習を適切に評価する仕組み、分散登校などの学校運営上の工夫、次年度以降を見通した教育課程編成、学校の授業における学習活動の重点化など、この危機において子供たちの学びを保障するための思い切った特例的な対応を含めた取組を順次進めています。
https://www.mext.go.jp/content/20200410-mxt_kouhou01-000004520_1.pdf
https://www.mext.go.jp/content/20200421-mxt_kouhou01-000004520_6.pdf
https://www.mext.go.jp/content/20200501-mxt_kouhou02-000004520_2.pdf
https://www.mext.go.jp/content/20200515-mxt_kouhou01-000004520_5.pdf

 私自身、11年前の5月、地方都市の教育委員会に勤務していた際に、新型インフルエンザの流行に遭遇しました。近隣地域で国内初の新型インフルエンザ感染が判明したのを受け、市の対策本部決定により、極めて切迫した状況の中で、管下の小中学校や幼稚園・保育所、放課後児童クラブなどが、1週間にわたって一斉臨時休業を余儀なくされました。一方で、突然の臨時休業に対して、企業や産業界を含む社会全体の準備が整っていなかったこともあり、家庭で過ごすことになった子供たちの生活・学習面への影響や、仕事を休んで子供の世話をすることになった保護者への負担が大変大きくなりました。
 休業中の子供たちの生活指導・学習指導について各学校が十分に対応することが困難だったほか、各学校において夏季休業期間の短縮を始めとする指導計画の見直しなども余儀なくされました。後にこの新型インフルエンザは低病原性であることが判明したとは言え、各学校からは普段通りの日常がいかに大切かが身に沁みた、との声もしばしば聞かれました。
 そうした経験がある中、この立場において、このたびの新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う学校の長期臨時休業やそれに関わる様々な課題に直面することとなったのは、奇遇というほかありません。

 苦難の中始まった新学習指導要領は、よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と社会が共有し、連携協働する「社会に開かれた教育課程」の実現を理念に掲げています。
 新型コロナウイルス感染症については、学校を含め社会全体が長丁場の対応を前提としなくてはなりません。道のりは大変険しいですが、ポストコロナを見据え、今こそこの理念を一層大切にし、子供たちや学校、家庭、地域の置かれた状況を丹念に注視して、かつての経験も振り返りながら、子供たちに少しでも健やかな生活と豊かな学びを保障することができるよう、学校、家庭、地域社会の全ての関係者の皆様の御協力の下、微力を尽くしてまいりたいと考えています。
 この危機においても子供たちの健やかな生活と豊かな学びが保障されますよう、全ての関係者の皆様の御尽力を何卒よろしくお願い申し上げます。

お問合せ先

初等中等教育局「初中教育ニュース」編集部

03-5253-4111

(初等中等教育局「初中教育ニュース」編集部)