愛知県名古屋市にて開催される「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」は、「国連持続可能な開発のための教育の10年(DESD: 2005-2014年)」を総括し、次のステップ「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)」を発表する場です。
「持続可能な未来に向けて今、学習する」をサブタイトルに掲げ、ESDの10年の成果を振り返り、得られた教訓をみきわめ、今後のESDの基盤作りを進めます。
また、ESDの10年を振り返る中で重要なイニシアティブやキーパソン、ネットワーク、アイデアが紹介される予定です。こうした世界中の事例は、グローバル・アクション・プログラムの下での今後の取り組みを決めるのに役立つものと期待されています。
世界中の関係機関によるESDプロジェクトの成功事例がアトリウム、イベントホールに展示されます。
ESDの活動を実践している団体がESDの各分野(国際理解学習、世界遺産や地域の文化財等に関する学習、気候変動、環境学習、エネルギー学習、生物多様性、防災学習、その他関連する学習)をテーマに、これまでの成果を総括するとともに、今後取り組むべき課題を抽出し、議論等を行うセミナー(21件)やこれまでの取組事例を紹介するパネル展示(51件)を実施しました。一般参加者としてセミナー等に、約2,000人を超える方が名古屋国際会議場に来場されました。各団体が実施したセミナーの内容及びその成果報告が閲覧できます。
「閣僚級会合及び全体取りまとめ会合」においては、国際的人材の育成や若い世代へのESDの普及・促進を目的として学生ボランティアを募集し、全国から選ばれた約200名の学生が各国代表団にアテンドしました。
5月に募集を行ったところ全国の大学生・大学院生から約600名の応募があり、英語能力等について面接を実施したうえで採用を決定しました。学生たちは10月に研修を受講し、活動内容等について学ぶとともに「代表団のリクエストにどう応えるか」というテーマについてグループワークを行い、本番に備えました。
会議期間中は、会議に参加した150のユネスコ加盟国からの代表団及び全体会合スピーカー等に付き添い、英語でコミュニケーションをとりながら世界会議参加登録の補助、会議場の案内等を行いました。
会議場内では学生ボランティアであることを示す黄色い腕章をつけた学生が、代表団とともに行動している様子が数多く見られました。国際会議は初めてという学生がほとんどで、代表団のスケジュールが急に変更になったりして戸惑うこともあったようですが、臨機応変に対応していました。
また、開会全体会合等の一部のプログラムは学生も傍聴することができ、普段経験できない国際会議の雰囲気を直に感じてもらうことができました。
学生ボランティアは各国代表団だけでなくユネスコ関係者にも大変好評で、ESDユネスコ世界会議の成功は彼らの力なくして成し遂げられませんでした。
会議後のアンケートでは「将来国際関係の仕事をしてみたい」「ESDを学ぶ貴重な機会になった」という声が聞かれたほか、「同じ目標を持つ他大学の友人ができた」「東京オリンピックでは英語で外国人をおもてなしするボランティアをやってみたい」という意見もありました。