第3章 各教科固有の条件

[国語科(「書写」を除く。)]

1 基本的条件

(1) 小学校の第3学年において取り扱うローマ字のつづり方については,「ローマ字のつづり方」(昭和29年内閣告示第1号)の第1表及び第2表(「そえがき」を含む。)によっていること。

2 選択・扱い及び構成・排列

(1) 小学校の各学年において,小学校学習指導要領第2章第1節別表「学年別漢字配当表」において当該学年より後の学年に配当されている漢字又は「学年別漢字配当表」に掲げられている漢字以外の漢字については,振り仮名を付けるなど,児童の学習負担に必要な配慮を行った上で使用することができること。
(2) 「学年別漢字配当表」において当該学年より後の学年に配当されている漢字又は「学年別漢字配当表」に掲げられている漢字以外の漢字を使用する場合には,少なくとも単元ごとの初出の際に読み方を示すものとすること。
(3) 小学校の第2学年以降の学年においては,「学年別漢字配当表」において当該学年の1年前の学年に配当されている漢字を学習することができるよう必要な配慮がされていること。
(4) 中学校の第1学年及び第2学年においては,「学年別漢字配当表」において小学校の第6学年に配当されている漢字を学習することができるよう必要な配慮がされていること。
 また,中学校の第3学年においては,「学年別漢字配当表」に配当されている漢字について文や文章の中で使い慣れることができるよう必要な配慮がされていること。
(5) 新出の文字及び語句の提出の方法は適切であり,特定の単元やぺージに偏っていないこと。
(6) 各学年の教材については,小学校学習指導要領第2章第1節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の3及び中学校学習指導要領第2章第1節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の3に基づき,適切な配慮がされていること。特に第2「各学年の目標及び内容」の〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕に示す事項を学習することができるよう,適切な配慮がされていること。
(7) 学習する上の配慮による表現内容の改変は最小限にとどめ,原作を尊重していること。
(8) 異本や異版のある作品については,適切な配慮がされていること。

[国語科「書写」]

1 選択・扱い及び構成・排列

(1) 手本,作例などに,偏った筆使いや字形をもつものなどの不適切なものは取り上げていないこと。
(2) 使用する用具は,硬筆は鉛筆を,毛筆は兼毫(ごう)を主としていること。
(3) 書写される漢字の字体については,児童又は生徒の習得の程度に応じて,「とめ」,「はね」などに関して活字とは異なった書写の便宜上行われている形のあることを理解させる上に必要な配慮がされていること。
(4) 漢字の筆順は,原則として一般に通用している常識的なものによっており,行書で筆順が異なる字については,適切な説明を加えていること。なお,漢字の楷書,行書及び仮名の書き方の理解を深める際に,法帖(じよう)や碑文等の文字を取り上げる場合には,原則として歴史的に評価の定まったものを用いていること。

2 正確性及び表記・表現

(1) 手本,作例などの印刷は正確であること。

[社会科(「地図」を除く。)]

1 基本的条件

(1) 中学校学習指導要領第2章第2節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の1の(3)に示す「適切な課題を設けて行う学習」は,取り上げなくても差し支えないこと。

2 選択・扱い及び構成・排列

(1) 小学校学習指導要領第2章第2節の第2「各学年の目標及び内容」の[第6学年]の3「内容の取扱い」の(3)のアについては,選択して学習することができるよう配慮がされていること。
(2) 未確定な時事的事象について断定的に記述していたり,一面的な見解を十分な配慮なく取り上げていたりするところはないこと。
(3) 近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること。
(4) 著作物,史料などを引用する場合には,評価の定まったものや信頼度の高いものを用いており,その扱いは公正であること。また,法文を引用する場合には,原典の表記を尊重していること。
(5) 日本の歴史の紀年について,重要なものには元号及び西暦を併記していること。

[社会科「地図」]

1 基本的条件

(1) 小学校においては,基本として次のような地図を取り上げていること。
ア 地図の初歩的な読み方を理解させるための諸図
イ 日本全図,日本地域別図,世界全図,世界大陸別図その他の小学校学習指導要領第2章第2節の第2「各学年の目標及び内容」において取り扱うこととされている地理的範囲に応じた一般図
(2) 中学校においては,基本として次のような地図を取り上げていること。
ア 地図の読み方を理解させるための諸図
イ 日本全図,日本地域別詳細図,世界全図,世界大陸別図,世界主要地域詳細図その他の中学校学習指導要領第2章第2節の第2「各分野の目標及び内容」において取り扱うこととされている地理的範囲に応じた一般図
(3) (1)及び(2)の一般図に関連して,学習上必要な各種の主題図を取り上げていることは差し支えないこと。

[算数科及び数学科]

1 基本的条件

(1) 中学校学習指導要領第2章第3節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の4に示す「課題学習」は,取り上げなくても差し支えないこと。
(2) 中学校学習指導要領第2章第3節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の1の(1)に示す「後の学年の内容の一部を加えて指導する」場合には,第2章「各教科共通の条件」の2の(14)から2の(16)の例によること。

2 選択・扱い及び構成・排列

(1) 定理,公式等の知識や計算技能の習得に偏ることなく,学習内容のねらい,有用性などが明らかになるよう配慮されていること。
(2) 小学校学習指導要領第2章第3節の第2「各学年の目標及び内容」の各学年の2「内容」に示されている「算数的活動」をすべて取り上げていること。
(3) 中学校学習指導要領第2章第3節の第2「各学年の目標及び内容」の各学年の2「内容」に示されている「数学的活動」が,「A 数と式」,「B 図形」,「C 関数」及び「D 資料の活用」のいずれかの領域に偏ることなく適切に取り上げられていること。

[理科]

1 基本的条件

(1) 実験及び観察等における作業の安全について適切な配慮がされていること。

2 選択・扱い及び構成・排列

(1) 小学校学習指導要領第2章第4節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の2の(3)及び中学校学習指導要領第2章第4節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の2の(3)に示されている内容が指導できるよう配慮がされていること。
(2) 中学校学習指導要領第2章第4節の第2「各分野の目標及び内容」の[第1分野]の2「内容」の(7)及び[第2分野]の2「内容」の(7)については,自然科学的な見地から扱っていること。

[生活科]

1 選択・扱い及び構成・排列

(1) 具体的な活動や体験を通した学習がなされるよう適切な配慮がされていること。

[音楽科]

1 基本的条件

(1) 小学校学習指導要領に示す「共通教材」はすべて取り上げていること。
(2) 中学校学習指導要領第2章第5節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の2の(1)のアに示す歌唱教材としての「共通教材」は,3学年間にすべて取り上げていること。

2 選択・扱い及び構成・排列

(1) 学習指導要領に示す「共通教材」は,楽曲の性格に即して適切に扱われていること。
(2) 国歌「君が代」及び小学校学習指導要領に示す「共通教材」である歌唱教材には,歌詞を別記し,その他の歌唱教材には,必要に応じて,歌詞を別記していること。
(3) 表現教材における調の選択に当たっては,その学年の児童又は生徒の声域並びに楽器の特性などを十分考慮していること。
(4) 音楽の記号及び用語並びに楽曲の構成などに関するものについては,単なる理論や概念の学習に偏ることなく,楽曲と関連付けて扱われていること。
(5) 楽曲には,作曲者名,作詞者名,編曲者名,採譜者名などが示されていること。

3 正確性及び表記・表現

(1) 楽譜の表記は適切であり,不統一はないこと。また,楽譜の大きさは適切であること。

[図画工作科及び美術科]

1 基本的条件

(1) 小学校学習指導要領に示す内容のうち「B 鑑賞」については,「A 表現」と関連付けて取り上げていること。
(2) 小学校学習指導要領第2章第7節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の1の(4)に示す「共同してつくりだす活動」及び中学校学習指導要領第2章第6節の第3「指導計画の作成と内容の取扱い」の2の(4)に示す「共同で行う創造活動」は,取り上げなくても差し支えないこと。

2 選択・扱い及び構成・排列

(1) 材料及び用具の選択及び扱いには,学習を進める上で不適切なところはないこと。
(2) 色に関する学習は,単なる知識や理論の学習に偏ることのないよう配慮されていること。
(3) 参考作品及び鑑賞作品の図版には,作者名のほか,原則として,年代,国名,大きさ,材質などが付記されていること。また,美術館などに所蔵されているものについては,必要に応じて所在を示すよう配慮されていること。

3 正確性及び表記・表現

(1) 作品,参考作品,鑑賞作品及び説明図の印刷は正確・鮮明であること。

[体育科及び保健体育科]

1 基本的条件

(1) 小学校においては,小学校学習指導要領第2章第9節の第2「各学年の目標及び内容」のうち,[第3学年及び第4学年]の2「内容」の「G 保健」及び[第5学年及び第6学年]の2「内容」の「G 保健」のみを取り上げていること。
(2) 中学校の体育分野においては,中学校学習指導要領第2章第7節の第2「各分野の目標及び内容」のうち,[体育分野 第1学年及び第2学年],[体育分野 第3学年]の2「内容」の「H 体育理論」のみを取り上げていること。

2 選択・扱い及び構成・排列

(1) 小学校学習指導要領第2章第9節の第2「各学年の目標及び内容」の[第5学年及び第6学年]の「G 保健」の(1)のウについては,「A 体つくり運動」の(1)のアと,中学校学習指導要領第2章第7節の第2「各分野の目標及び内容」の[保健分野]の2「内容」の(1)のエについては,[体育分野]の内容の「A 体つくり運動」の (1)のアと,それぞれ密接な関連を持たせて取り上げていること。

[家庭科及び技術・家庭科]

1 基本的条件

(1) 中学校の[技術分野]及び[家庭分野]においては,中学校学習指導要領第2章第8節の第2「各分野の目標及び内容」に示す項目のすべてを取り上げていること。
(2) 実験及び実習における作業の安全について適切な配慮がされていること。

2 選択・扱い及び構成・排列

(1) 中学校学習指導要領第2章第8節の第2「各分野の目標及び内容」の[家庭分野]の2「内容」の「A 家族・家庭と子どもの成長」の(3)のエ,「B 食生活と自立」の(3)のウ及び「C 衣生活・住生活と自立」の(3)のイについては,選択して学習することができるよう配慮がされていること。
(2) 中学校学習指導要領第2章第8節の第2「各分野の目標及び内容」の[技術分野]の2「内容」の「D 情報に関する技術」のうち,コンピュータに関するハードウェア,機器の操作,プログラムの作成及びソフトウェアの利用については,一般的な例を扱い,その際,必要に応じて異なる例への適切な配慮がされていること。
(3) 実習といわゆる座学との組織及び分量の配分は適切であること。

[外国語科]

1 選択・扱い及び構成・排列

(1) 各学年の教材は,「聞くこと」,「話すこと」,「読むこと」,「書くこと」などのコミュニケーション能力を総合的に育成する上に適切な配慮がされているとともに,中学校学習指導要領第2章第9節の第2の3「指導計画の作成と内容の取扱い」の(2)に基づき,適切な配慮がされていること。
(2) 中学校学習指導要領第2章第9節の第2「各言語の目標及び内容等」の2「内容」の(3)のエに示す「文法事項」については,言語活動と効果的に関連付けて取り上げること。

2 正確性及び表記・表現

(1) 言語表現は,原則としてその外国語の現代慣用によっていること。

お問合せ先

初等中等教育局教科書課

電話番号:03-5253-4111(代表)(内線2396)

-- 登録:平成21年以前 --