令和2年度高等学校「現代の国語」に関する教科書検定に係る経緯


(1) 令和2年度の教科書検定
 第一学習社より、小説5作品が掲載されている「現代の国語」が検定申請され、小説を取り上げた箇所については、教科用図書検定調査審議会(以下「審議会」という。)における審議の結果、「学習指導要領に示す内容の取扱いに照らして、扱いが不適切である。(内容の取扱い(4)のイ「「B書くこと」及び「C読むこと」のそれぞれの(2)に掲げる言語活動が十分行われるよう教材を選定すること。」)」との検定意見が付された。
 当該検定意見を踏まえ、発行者から提出された修正表においては、教材自体が変更されるのではなく、各小説教材の最後に学習活動として設定された「学習の手引き」「活動の手引き」の内容が修正された。
 当該修正がなされた図書について、審議会において確認が行われた結果、欠陥のある図書であるとは判断されず、当該図書は検定に合格した。


(2) 教科書発行者による宣伝
 当該教科書について、第一学習社は同社のホームページにおいて、「従来の「現代文」教科書のイメージでご利用可能」など、今般の学習指導要領改訂の趣旨に沿っていないかのような宣伝を実施していた。
 なお、これに関しては、当該趣旨を踏まえたホームページの内容とするよう文部科学省から同社に対して指導を行い、現在は修正がなされたものとなっている。


(3) (一社)教科書協会からの要望等
 教育委員会より文部科学省に対し、当該教科書と学習指導要領の規定との関係について問い合わせがあった。
 8月13日には、一般社団法人教科書協会より、小説を掲載した「現代の国語」に関し、学習指導要領の規定との関係について疑義が生じているとして、令和2年度の「現代の国語」の教科書検定に関する考え方と今後の検定における考えについて、文部科学省の見解を明らかにするよう要望書が提出された。