総合科学技術会議が決定した『地球観測の推進戦略』では、次のような指摘がなされている。
『国際研究プロジェクトとして研究開発機関・大学等で実施されている観測の多くは、個々の研究者あるいは比較的少人数の研究グループが対応しており、長期継続的な活動は必ずしも担保されていない。国際研究プロジェクトに係る観測活動に関しては、国としての対応の重要度を評価し、重要なものについて関係府省・機関の組織的な対応を強化して、長期継続的な運用が可能となるような体制を確保する必要がある。これは国際社会の信頼を得る上でも重要である。』
ここで指摘されている内容は非常に重要な視点であり、新しく制定される地震及び火山噴火予知研究計画においても十分尊重されるべきである。地震及び火山噴火予知の観点では、とくに国際測地学協会(IAG)のもとで組織されているIGS(International GNSS Service)、IVS(International VLBI Service for Geodesy and Astrometry)、ILRS(International Laser Ranging Service)の国際研究プロジェクトが実施する長期継続的な活動がこれにあたり、これらの観測を実施している研究開発機関・大学等が長期的に安定して観測を実施するための施策を継続すべきである。