4.4 海洋政策全体の基盤整備の基本的考え方と推進方策

4.4.2 海洋政策全体の基盤整備の具体的な推進方策

(1)人材の育成及び理解増進

1)人材育成の推進

●海洋教育の充実
これまでの取組み状況及び成果
(平成14年8月答申より現在まで)
今後の取組み予定と課題 平成19年度予算額
(単位:百万円)
機関名
【文部科学省】
 水産系の各高等学校において、これまでの水産や海洋に関する学習や実験・実習に加え、「課題研究」や新たな「海洋に関する学校設定科目」に取り組む傾向が見られている。
 大学において、海洋に関する幅広い知識を有し、海洋国家である我が国の様々な課題に対応しうる人材の育成を目指し、水圏フィールドにおける実地の教育研究を十全かつ安全に実践していくための実習用船舶の建造に係る支援を継続的に実施した。また、新たな教育研究ニーズに対応し、各国立大学等の個性に応じた意欲的な取組を重点的に支援する「特別教育研究経費」といった支援方策を活用し、海洋関係の教育研究の充実・強化を図った。
 平成15年10月に、東京商船大学と東京水産大学を統合して東京海洋大学を設置し、海洋科学部に国際的視点での海の利用、資源の利用、海洋利用の政策提言を行える問題解決型の人材を育成するという観点から「海洋政策文化学科」を新たに設置するなど、海洋関係の教育研究の充実強化を図った。
 海洋研究開発機構において、平成19年4月現在11校と連携大学院協定を締結し、連携・協力し教育研究に関わる活動を実施。
【文部科学省】
 水産系の高等学校については、現在進められている学習指導要領の見直しの中で、海洋基本法や本答申を踏まえ、教育内容の充実を図る予定である。
【文部科学省】
該当なし
文部科学省、海洋研究開発機構
 引き続き、実習用船舶の建造に係る支援及び特別教育研究経費等を活用した支援を実施する。 (2,283)
(国立大学法人船舶建造費補助金)
 引き続き大学との連携を進め、将来の研究人材の育成に貢献する。 海洋研究開発機構の運営費交付金の一部
【農林水産省】
 独立行政法人水産大学校では、水産に関する学理及び技術の教授及び研究を行うことにより、水産業を担う人材の育成を図っており、平成14年度以降、卒業生の70パーセント以上が水産関連分野へ就職している。
【農林水産省】
 平成19年度以降も、引き続き、水産に関する学理及び技術の教授及び研究を行うことにより、水産業を担う人材の育成を図っていくこととし、水産関連分野への就職率を75パーセント以上確保されるよう努める。
【農林水産省】
独立行政法人水産大学校の運営費交付金(2,185)の内数
農林水産省
●海洋にかかわる人材の育成
これまでの取組み状況及び成果
(平成14年8月答申より現在まで)
今後の取組み予定と課題 平成19年度予算額
(単位:百万円)
機関名
【文部科学省】
 大学において、海洋に関する幅広い知識を有し、海洋国家である我が国の様々な課題に対応しうる人材の育成を目指し、水圏フィールドにおける実地の教育研究を十全かつ安全に実践していくための実習用船舶の建造に係る支援を継続的に実施した。また、新たな教育研究ニーズに対応し、各国立大学等の個性に応じた意欲的な取組を重点的に支援する「特別教育研究経費」といった支援方策を活用し、海洋関係の教育研究の充実・強化を図った。
 平成15年10月に、東京商船大学と東京水産大学を統合して東京海洋大学を設置し、海洋科学部に国際的視点での海の利用、資源の利用、海洋利用の政策提言を行える問題解決型の人材を育成するという観点から「海洋政策文化学科」を新たに設置するなど、海洋関係の教育研究の充実強化を図った。
 海洋研究開発機構において、平成19年4月現在11校と連携大学院協定を締結し、連携・協力し教育研究に関わる活動を実施。
【文部科学省】
 引き続き、実習用船舶の建造に係る支援及び特別教育研究経費等を活用した支援を実施する。
【文部科学省】
該当なし
文部科学省、海洋研究開発機構
 引き続き大学との連携を進め、将来の研究人材の育成に貢献する。 海洋研究開発機構の運営費交付金の一部
【農林水産省】
 独立行政法人水産総合研究センターにおいて、中期目標・中期計画に基づき、多様なニーズに沿った人材育成プログラムの策定・実践、業績評価と処遇への反映、人事交流、研修の実施及び資格取得への支援等を通じて、職員の資質向上及び人材育成に努めた。
【農林水産省】
 引き続き独立行政法人水産総合研究センターにおける職員の資質向上及び人材育成を推進する。
 また、19年4月に策定した新たな水産研究・技術開発戦略に基づき、研究開発部門における将来の研究開発の展開等を展望した人材の育成、研究管理・支援部門における知的財産の活用や研究開発情報の普及・広報を担い得る人材の育成を促進する。
【農林水産省】
  • 独立行政法人水産総合研究センター試験研究・技術開発勘定運営費交付金(14,669)の内数
  • 独立行政法人水産総合研究センター海洋水産資源開発勘定運営費交付金(2,833)の内数
農林水産省
【国土交通省】
  • 1造船産業における人材育成を実施するため、造船産業集積地域に造船技能センターを設立し、センターを中核として座学や実技の集合研修を実施
  • 2船員教育訓練機関において、船員の資質の向上を図るため、各種シミュレータ装置の導入による実務の教育・訓練の充実、上級海技資格が円滑に取得出来る一貫教育システムを導入
【国土交通省】
  • 1我が国にとって重要な外航海運に船舶を安定的に供給する造船産業の基盤の整備を行うため、今後、技術革新の各となる優秀な人材の確保・育成を推進していく。
  • 2優秀な日本人船員の確保・育成の推進(若者の海への関心の醸成、船員志望者の裾野拡大、船員の育成・キャリアアップ・陸上海技者への転身の支援及び海事地域の振興等)のために必要な制度改正等所要の措置を講ずる。
【国土交通省】
該当なし
国土交通省

2)市民の海洋に対する関心を高めるための施策

●海洋に関する理解増進活動
これまでの取組み状況及び成果
(平成14年8月答申より現在まで)
今後の取組み予定と課題 平成19年度予算額
(単位:百万円)
機関名
【文部科学省】
 学校教育においては、小・中・高等学校の児童生徒の発達段階に応じて、社会や理科などにおいて海洋に関する学習を行うこととしている。また、総合的な学習の時間において、例えば、環境教育の一環として、海の環境について自ら調べたりする学習が展開される例もある。
 社会教育においては、住民のボランティア活動を推進する取組み等を通じて、地域における環境教育を含め様々な課題に関する学習活動を支援している。
 海洋研究開発機構において、広報誌の発行、インターネットホームページ公開、船舶・施設公開等により研究開発成果の発信・提供を実施。
【文部科学省】
 学校教育において、海洋に関する教育が適切に行われるよう努める。
【文部科学省】
該当なし
文部科学省、海洋研究開発機構
 社会教育においては、引き続き、住民のボランティア活動を推進する取組み等を通じて、地域における環境教育を含め様々な課題に関する学習活動を支援する予定である。 該当なし
 引き続き、海洋研究開発機構において研究成果の普及と活用への促進を行う。 海洋研究開発機構の運営費交付金の一部
【国土交通省】
 みなとの良好な自然環境の市民による利活用を促進し、自然環境の大切さを学ぶ機会の充実を図るため、自治体やNPOなどが行う自然・社会教育活動等の場ともなる海浜等の整備を行った。
【国土交通省】
 引き続き推進していく。
【国土交通省】
港湾整備事業費の内数
国土交通省
●市民と海洋とのふれあいの促進
これまでの取組み状況及び成果
(平成14年8月答申より現在まで)
今後の取組み予定と課題 平成19年度予算額
(単位:百万円)
機関名
【文部科学省】
 社会教育においては、住民のボランティア活動を推進する取組み等を通じて、地域における環境教育を含め様々な課題に関する学習活動を支援している。
 また、国立青少年教育施設において、立地条件や各施設の特色を生かした自然体験活動等の機会と場を提供している。
 海洋研究開発機構において、広報誌の発行、インターネットホームページ公開、船舶・施設公開等により研究開発成果の発信・提供を実施。
【文部科学省】
 社会教育においては、引き続き、住民のボランティア活動を推進する取組み等を通じて、地域における環境教育を含め様々な課題に関する学習活動を支援する予定である。
【文部科学省】
該当なし
文部科学省、海洋研究開発機構
 また、国立青少年教育施設において、引き続き、立地条件や各施設の特色を生かした自然体験活動等の機会と場を提供する予定である。 該当なし
 引き続き、海洋研究開発機構において研究成果の普及と活用への促進を行う。 海洋研究開発機構の運営費交付金の一部
【農林水産省】
 親水性施設や海辺へのアクセスを可能とする施設の整備や砂浜を有する海岸におけるバリアフリー対策(スロープ、安全施設等の整備)を実施した。
【農林水産省】
 引き続き、親水性施設や海辺へのアクセスを可能とする施設の整備や砂浜を有する海岸におけるバリアフリー対策(スロープ、安全施設等の整備)を実施する。
【農林水産省】
海岸事業(19,338)の内数
農林水産省
【国土交通省】
  • 1青少年、社会一般に対し、海が果たす役割等に関する理解を得るための一環として、毎年、7月から12月にかけて、北海道から沖縄にいたる博物館や資料館等において、海事関係団体等を活用した「海と船の企画展」を開催している。
  • 2船員教育訓練機関において青少年等を対象とした、海洋教室、練習船の一般公開や体験航海、学校等の施設見学会、中学校・高校を訪問し、海に関する講義を行う等、海の普及啓発活動の充実を図った。
  • 3「みなとの博物館」の関係者や港湾管理者が中心となって全国の「みなとの博物館」をネットワーク化し、多彩なアイデアの結集と積極的な相互協力を図ることにより、利用者の利便性や博物館の魅力を向上させるため、「みなとの博物館ネットワーク・フォーラム」が設立(平成16年6月)。
  • 4親水性施設や海辺へのアクセスを可能とする施設の整備や砂浜を有する海岸におけるバリアフリー対策(スロープ、安全施設等の整備)を実施した。
  • 5毎年7月の「海岸愛護月間」として、海岸愛護思想の普及と啓発を図った。平成16年12月のスマトラ島沖地震に伴う津波災害を契機として、全国規模で津波防災訓練を実施した。
【国土交通省】
  • 1今後も引き続き当該事業の継続を図るとともに、より一層効果的な利用の促進を検討する。
  • 2海事広報活動を戦略的かつ効率的に進めるため、海運、造船及びマリンレジャー等海事産業全体の人材確保や海事地域の発展等広い視野に立ちつつ、幅広い海事関係者と連携し、海事産業の人材確保・育成に関する基本戦略を確立し、総合的・一体的に海事思想普及・海事広報活動を実施する。
  • 3引き続き実施していく。
  • 4引き続き、親水性施設や海辺へのアクセスを可能とする施設の整備や砂浜を有する海岸におけるバリアフリー対策(スロープ、安全施設等の整備)を実施する。
  • 5引き続き、これまでの取組を実施する。
【国土交通省】
  • 12該当なし
  • 3該当なし
  • 4海岸整備事業費(港湾のみ)の内数
  • 5該当なし
国土交通省
【環境省】
 平成16年6月にエコツーリズム推進会議(議長:環境大臣)が取りまとめた5つの推進方策に基づき、地域におけるエコツーリズムの推進に取り組んできたところ。モデル事業では、地域ごとに行政や事業者、NPO等が参画する協議会が設けられ、この協議会主導でガイドの育成や資源の保全ルール策定などの取組が行われた。
 また、自然とふれあう行事の実施と情報の提供、国立公園内の保護管理業務を行うボランティア活動の支援を行っている。
【環境省】
 エコツーリズム推進法施行を踏まえ、地域の自然環境の保全に配慮しつつ、地域の創意工夫を生かしたエコツーリズムの取り組みを支援するとともに、引き続き子どもを始めとした自然体験活動の推進やボランティア等の人材育成、各種情報の提供を図る。
【環境省】
  • エコツーリズム総合推進事業費(129,344千円)の一部
  • 自然公園等利用ふれあい推進事業経費(5,024千円)の一部
  • 自然ふれあい体験学習等推進事業費(4,503千円)の一部
環境省

(3)情報の流通

●海洋データの収集・管理・提供の促進

これまでの取組み状況及び成果
(平成14年8月答申より現在まで)
今後の取組み予定と課題 平成19年度予算額
(単位:百万円)
機関名
【国土交通省】
  • 1気候変動に与える影響の大きい海洋情報をリアルタイムに収集し解析処理を行い、データベースに蓄積するとともに、国内外の関係機関へ提供するシステムを運用した。また、内外船舶の海上気象観測資料を収集し、その統計を実施してきた。さらに、海洋モデル・海洋データ同化システムを開発・高精度化し、モデルアウトプットと再解析データセットの作成を行い、その精度に関して比較・検証を行うとともに、これらのデータセットの提供を開始した。
  • 2海上保安庁は、我が国唯一の総合的な海洋データバンクである日本海洋データセンター(JODC)を運営し、我が国の海洋データの一元的な管理・提供や世界各国とのデータ・情報交換を行っている。この期間に新たに収集した水温、塩分、潮汐、海流等の各種海洋データは品質管理後、ホームページで公開して研究者などのユーザーに公開した。また、過去のアナログの海洋データをデジタル化し、解析後データセットとして纏めて研究機関に配付した。
【国土交通省】
  • 1海洋情報をリアルタイムに収集し解析処理を行い、データベースに蓄積するとともに、国内外の関係機関へ提供するシステムを引き続き運用する。また、内外船舶の海上気象観測資料を収集し、その統計を引き続き実施する。さらに、海洋モデル・海洋データ同化システムを高精度化し、モデルアウトプットと再解析データセットの作成を行う。この精度に関して比較・検証を行うとともに、これらのデータセットの提供を引き続き行う。
  • 2引き続き、日本海洋データセンターの運営を推進する。
【国土交通省】
  • 1気象庁予算の内数
  • 2海上保安庁予算の内数
国土交通省

●海洋保全に関する情報の集積・提供

これまでの取組み状況及び成果
(平成14年8月答申より現在まで)
今後の取組み予定と課題 平成19年度予算額
(単位:百万円)
機関名
【国土交通省】
  • 1海洋に関する様々な観測データを収集・整理し、その変化傾向等を評価した「海洋の健康診断表」の提供を平成17年度に開始した。
  • 2油流出事故等が発生した際、迅速かつ的確に油防除活動を行う上で必要な沿岸域における自然的・社会的情報等をデータベース化し、沿岸海域環境保全情報の整備を図っている。平成15年4月から、Web-GIS使ったCeis Netを運用し、国、地方公共団体を対象にこれらの情報をインターネットで利用できるようにした。平成16年2月には一般からの利用も可能とした。
  • 3(GISの利用の推進について)
    「GISアクションプログラム2010」(平成19年3月22日測位・地理情報システム等推進会議決定)等に基づいて地理情報システム(GIS)の普及の促進等の施策を推進している。
【国土交通省】
  • 1「海洋の健康診断表」を引き続き提供することにより、海洋の環境状況を常時把握するとともに、地球温暖化予測に基づく適切な対策、海洋汚染の防止等海洋環境保全のための対策策定・実施に寄与する。
  • 2平成19年3月に調査を終えた海岸線のESI(Environmental Sensitivity Index:環境脆弱性指標)情報を順次デジタル化し、Ceis Netへ掲載するとともに、油流出現場等でインターネットが使用できない状況を勘案し、PDF版のESIマップの整備を推進する。
     また、沿岸海域環境保全情報の拡充を図る。
  • 3(GISの利用の推進について)
    地理空間情報活用推進基本法(平成19年法律第63号)の成立を受け、地理空間情報活用推進基本計画の策定・推進を行う。
【国土交通省】
  • 1該当なし
  • 2海上保安庁予算の内数
  • 3(305,935千円)の内数
国土交通省
【環境省】
 平成14年3月に決定された「新・生物多様性国家戦略」において、自然環境の劣化を早期に把握し、要因を特定するため、国として全国1,000箇所程度の監視地域(モニタリングサイト)を設定し、動植物及びその生息・生育環境の長期的なモニタリングを実施することが主要テーマとして掲げられた。これに基づき、平成15年度より全国の代表的な生態系にモニタリングサイトを設定(毎年度200箇所程度)し、生態系の動態を指標する動植物やその生息・生育環境の長期的なモニタリングを開始している。
 特に海域に関しては、藻場、干潟、岩礁潮間帯、砂浜、サンゴ礁、島嶼を対象としている。
【環境省】
 今までに設置したモニタリングサイトを中心に、地球温暖化をはじめとする様々な人為的要因による生態系変化を迅速に把握し、予防的保全対策を進めるため、水、大気、気象など物理化学的要素を含めた総合的かつ継続的な生態系モニタリングを実施する。
 特に、温暖化による影響が顕著で緊急性が指摘されている生態系タイプについては、重点的調査を行うほか、人工衛星「だいち」が取得した画像データの利用などリモートセンシング技術を活用し、その改変状況を迅速に把握する。以上により、広域的な生態系情報の収集・解析システムを構築し、わが国の生態系の現況を定量的に把握するとともに、生態系の将来予測のための基礎的資料とする。
【環境省】
重要生態系監視地域モニタリング推進事業(269,600千円)の一部【再掲】
環境省

(4)国際的な問題への対応

●国際共同事業への積極参加及び技術移転の推進

これまでの取組み状況及び成果
(平成14年8月答申より現在まで)
今後の取組み予定と課題 平成19年度予算額
(単位:百万円)
機関名
【外務省】
 航行の安全確保の関連では、東南アジア諸国に対して、制度作り、人材育成を中心に支援を実施した。
 海洋の環境関連では、平成17年9月まで4年間に亘りパラオ「国際サンゴ礁センター強化プロジェクト」を実施し、地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク(GCRMN)のミクロネシア地域の拠点としての機能を担う同センターの能力強化のための協力を行った。また、平成16年1月から平成21年1月までエクアドルにてガラパゴス海洋保護区の参加型管理システムの強化を目的とした「ガラパゴス諸島海洋環境保全プロジェクト」を実施している。
 水産資源関連では、JICA(ジャイカ)では平成14年以降、水産資源の保全管理にかかる協力をマレーシア、セネガル、ガーナ、トリニダードトバゴ、モーリシャス、フィリピン、エルサルバドル、コスタリカ、バヌアツ等で実施してきた。セネガルの例では平成15年6月から平成18年11月まで開発調査「漁業資源評価・管理計画調査」を実施し、同国排他的経済水域の漁業資源評価を実施すると共に、住民参加による沿岸漁業資源管理モデルを提案した。そのモデルを世界銀行が採用し、「沿岸漁業資源総合管理計画(平成17年〜平成22年)」において、モデルを活用した資源管理を実施している。また、カリブ地域においては、カリブ共同体(CARICOM)をカウンターパート機関とし、水産資源管理のための広域開発調査を開始すべく事前調査を実施した。
【外務省】
 航行の安全確保については、アジア沿岸諸国への支援、特に、マラッカ海峡の安全航行のための支援を重視していく。
 海洋の環境関連では、引き続き平成21年1月までエクアドルにてガラパゴス海洋保護区の参加型管理システムの強化を目的とした「ガラパゴス諸島海洋環境保全プロジェクト」を実施していく。
 水産資源関連では、JICA(ジャイカ)の地域別の水産分野協力方針を作成し、地域的な課題にきめ細かく取り組んでいく。今年度は、中西部アフリカと大洋州について協力方針を作成する予定であり、中西部アフリカにおいては、零細漁村振興、水産物流通改善、内水面養殖振興、女性活動支援と並んで水産資源管理を開発目標の一つとして位置づける方向で検討中。水産資源管理については、国境を越えた対応が求められ、我が国のみの投入では達成することが難しいため、FAOや世界銀行等の他機関との連携の方策を探ることとする。また、大洋州においても、資源管理が重点課題の一つとなる見込みであり、資源管理に当たっては、地域機関であるForum Fishery Agency(FFA)、Secretariat of Pacific Community(SPC)、University of South Pacific(USP)との連携を進めることとする。
【外務省】
ODA(無償資金技術)国際協力機構の運営費交付金の一部
外務省
【文部科学省】
  • 日仏海洋開発専門部会
    日仏科学技術協力協定下に設置され、概ね2年に1度開催。日仏の科学者が共同で実施するプロジェクトの推進について協議してきた。
  • 日露海洋の科学的調査に関する専門家会合
    日露科学技術協力委員会の下に、海洋の科学的調査に関するワーキンググループの設置画合意されている。平成18年11月にモスクワで海洋の科学的調査に関する専門家会合を開催し、科学的調査における両国間協力について協議した。
  • 統合国際深海掘削計画(IODP)
    地球深部探査船「ちきゅう」が平成17年に完成。平成19年から開始する統合国際深海掘削計画(IODP)による国際運用に向け、平成18年から掘削技術の蓄積を目的とした試験掘削を実施した。
  • ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)
    IOCは、国際協力による地球規模での海洋学に関する知識、理解増進のための科学的調査の推進を図ることを目的に、ユネスコ内に設立された海洋科学調査及び研究活動に係る唯一の国際機関である。IOC関係会合に出席し、我が国が実施している「海洋の科学的調査」、「技術移転」等について協議した。信託基金を拠出し、海洋調査事業、教育訓練事業等の実施に貢献した。
【文部科学省】
  • 日仏海洋開発専門部会
    第22回会合を平成19年12月に仏で開催する予定である。
  • 日露海洋の科学的調査に関する専門家会合
    ロシアEEZ内は、我が国の気候変動等にも大きな影響をもつ等科学的に重要な海域である。海洋分野における日露間の協力関係を円滑にするため、今後も引き続き協議を続ける。
  • 統合国際深海掘削計画(IODP)
    平成19年9月より、「ちきゅう」は統合国際深海掘削計画(IODP)による国際運用を開始予定である。
  • ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)
    海洋の科学的調査を世界各地で行う我が国にとって、海洋の科学的調査が一定のルールの下円滑に実施されるよう各国に働きかけを行うこと及び技術移転を推進することは非常に重要であり、引続きIOC関連会合において関係各国との協議を続ける。
【文部科学省】
該当なし
文部科学省
【農林水産省】
 多国間の取組として、IOTCやIATTCにおける科学情報の収集や混獲回避に関する協力等を行うとともに、データ収集や調査活動に必要な資金を国際機関への供出金として拠出した。また、二国間の取組として水産に関する研究所の供与、資源管理のための研修生の受入れや専門家の派遣を実施した。
【農林水産省】
 引き続き、水産資源の維持・回復・管理を図るため地域漁業管理機関の活動及び二国間協力について積極的に参画する。
【農林水産省】
  • 政府開発援助国際連合食料農業機関等拠出金(水産関連拠出金)8件:(372)
  • 政府開発援助国際漁業振興協力事業
  • (水産関連委託費)1件:41百万円の一部
  • (水産関連補助金)4件:(1,186)の一部
  • 水産無償資金協力【外務省計上】(4,950)の一部
農林水産省
【国土交通省】
 ユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)等により、海洋のグローバルな観測網整備を目的として開始された長期的な国際共同プログラムである全球海洋観測システム(GOOS)に対してその構築に貢献してきた。また、GOOSの地域事業として北東アジア地域海洋観測システム(NEAR−GOOS)を中国、韓国およびロシアとの協力により実施してきた。さらに、全球海洋データ同化実験(GODAE)計画の国際科学運営委員(IGST)および気候の変動性と予測可能性に関する研究(CLIVAR)における海洋モデル比較実験(OMIP)の海洋モデル開発ワーキンググループ委員(WGOMD)として、国際的な研究開発プロジェクトを積極的に推進し、国内外での連携・協力体制を構築した。
【国土交通省】
 GOOSの構築に対する貢献を引き続き行う。NEAR−GOOSを中国、韓国およびロシアとの協力により引き続き実施する。また、引き続き全球海洋データ同化実験(GODAE)計画の国際科学運営委員(IGST)および気候の変動性と予測可能性に関する研究(CLIVAR)における海洋モデル比較実験(OMIP)の海洋モデル開発ワーキンググループ委員(WGOMD)として、国際的な研究開発プロジェクトを積極的に推進し、国内外での連携・協力体制を構築する。
【国土交通省】
気象庁予算の内数
国土交通省

●アジア大陸の環境負荷の増大による海洋環境への影響の解明

これまでの取組み状況及び成果
(平成14年8月答申より現在まで)
今後の取組み予定と課題 平成19年度予算額
(単位:百万円)
機関名
【環境省】
 海洋環境モニタリングにより、我が国周辺海域の海洋汚染の発生状況、環境濃度推移等を継続的に把握してきた。
【環境省】
 引き続き、我が国周辺海域の海洋環境の状況及び経年的経過を把握する。
【環境省】
(182,323千円)
環境省

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