深海地球ドリリング計画中間評価報告書について

平成18年2月
科学技術・学術審議会・海洋開発分科会

序文

 平成15年10月に統合国際深海掘削計画(IODP)が、18年間取り組まれ大きな成果を挙げてきた国際深海掘削計画(ODP)後の新しい計画として、日米の主導により開始された。平成17年7月には、IODPの主力掘削船となり、日本が世界に誇る最先端の科学掘削船「ちきゅう」が完成し、現在、操船訓練、噴出防止装置の設置訓練等が行なわれている。また、「ちきゅう」は日本各地で一般に公開され、既に約4万5千人の方々が見学に訪れており、その関心の高さが窺える。今後は、本格的な掘削訓練等を経て、平成19年よりIODPにおける国際運用を開始することとなっており、本計画も新たな段階を迎えることとなる。
 本計画は、地球環境、災害防止、資源問題等の社会的課題の解決への貢献についても大きな期待を受けるとともに、大きな予算が投入されており、常に適切に評価を受けながら進められることが必要である。
 本中間評価においては、本計画が我が国にとって科学的及び社会的に意義が高いものであり、本計画に関する取組みは、科学的・社会的ニーズ等を踏まえ、関係各機関により適切に行なわれてきたと認められた。一方、いくつかの課題も指摘された。特に、研究体制については、必要な研究推進組織が構築されたと評価できるものの、IODPの根幹となる掘削計画の提案等関連研究活動については課題があり、引き続き改善に向けて努力が必要であるという議論が行なわれた。
 今後は、本計画の成果が最大限に得られ、社会に大きく貢献していくために、関係者が更に協力し、本報告書の評価結果に適切に配慮しつつ、計画推進により一層取り組むことが不可欠である。本計画は多くの省庁、大学・試験研究機関、参加各国との協力のもとに進められなければならないことから、関係行政機関等においても、海洋科学技術及び地球科学技術を総合的に推進するために必要な措置が講じられることを今改めて要請したい。
 また、本計画の推進により、関連分野の科学技術にも飛躍的発展をもたらすとともに、次世代の研究者及び技術者に新たな活躍の場を提供していくことを期待したい。

平成18年2月1日
科学技術・学術審議会海洋開発分科会
深海掘削委員会 主査
田中 正之

目次

2.評価の実施体制と方針
2.1 評価の実施体制
2.2 評価の観点
2.3 評価結果等の扱い
4.航空・電子等技術審議会による事前評価について
4.1 航空・電子等技術審議会による評価の内容
4.2 航空・電子等技術審議会による評価についての確認
5.事前評価後の深海地球ドリリング計画に対する評価
5.1 深海地球ドリリング計画に対する評価
5.1.1 地球深部探査船に関する取組みについて
5.1.2 IODPの構造と我が国の取組みについて
5.1.3 人材の育成について
5.1.4 国民への説明について
5.2 総合評価

(参考資料)

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