アルマ計画中間評価報告書 おわりに

 野辺山にある世界最大のミリ波望遠鏡である45メートル鏡を中心とする大型電波望遠鏡群は、我が国の電波天文学の研究レベルを世界第一線に押し上げた。そして、可視・赤外線望遠鏡で世界最大級の口径を持つ「すばる望遠鏡」の性能と観測成果は、世界的に高く評価されており、我が国だけでなく国際的な天文学の推進に大きな役割を果たしつつある。今や日本の天文学は世界でゆるぎない地位を占めている。

 アルマ計画は、可視光や赤外線では観測不可能な宇宙の姿を、ミリ波やサブミリ波を使って観測しようとする前人未踏の巨大プロジェクトである。「すばる望遠鏡」で世界最高レベルに達した我が国の天文学研究に、野辺山の成果を引継いだ「人類史上最強の電波の眼」が加わることになり、人類の自然観の拡大に大きく貢献することになるだろう。

 科学的意義を達成するためには、国立天文台を中心とした大学関係者の努力が必要であることはいうまでもない。また、技術面での下支えも当然重要であり、受信機や望遠鏡などの装置開発において、日本として最新・最高の技術をもって製造・設計にあたる必要がある。さらに、日本国民に対して成果を還元する責務もある。本格観測開始まで4年弱、アルマ計画の成功に期待したい。

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研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)