3.具体的な対応方策 3.公正で透明性の高い評価システムの確立

(1)評価システムの見直しと評価体制の整備

 各配分機関は、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成13年11月28日 内閣総理大臣決定)に基づき、評価システムを見直すとともに、質の高い実効性のある評価が行われるように、評価に必要な予算、人材等の資源を確保して、評価の体制整備を行う。

(2)研究課題管理者(プログラムオフィサー)等の設置

 「科学技術基本計画」、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」、「競争的資金の制度改革について」(第13回総合科学技術会議で決定)において、各制度の個々のプログラムや研究分野で課題の選定、評価、フォローアップ等の実務を行う研究経歴のある責任者「プログラムオフィサー」と競争的研究資金制度と運用について統括する研究経歴のある高い地位の責任者「プログラムディレクター」を各配分機関に専任で配置し、競争的研究資金制度の一連の業務を一貫して、科学技術の側面から責任を持ち得る実施体制が整備されるよう努めるとされており、さらに以下のように具体的に推進する。

○ 配分機関においては、プログラムオフィサーを配置し、法人においては、これに加えプログラムディレクターを配置する。

○ 配分機関は、プログラムオフィサー等の配置に関し専門性と業務量、プログラムの編成等を勘案して、求められる資質と要件、人数と配置部署、職階等と配置時期を明確にした実行計画を、配分機関の定員の確保や人材の配置に関して調整を行いつつ策定し、平成15年度の概算要求に併せて総合科学技術会議へ提出する。

○ プログラムオフィサー等の最終的な配置体制は本科学技術基本計画期間中(平成17年度まで)に完了する。

○ プログラムディレクターの体制整備を待って、各府省のプログラムディレクター等と総合科学技術会議との連絡会議を行う。

(3)評価システムの確立

≪より詳細な研究計画の提示≫

○ 具体的な研究計画を欠き、厳密な評価が行えないとの指摘がある現在の申請書の記載内容を改め、評価体制の整備を意味あるものとして、厳密な評価を可能とするよう、過去の研究開発成果や予備的な実験データ、これらに基づいた研究の手法等を含め、研究計画をより詳細に記載することとする。

○ 申請書においては、研究の実施に係わる構成員の役割を明確化する等し、実施体制が適切であるか評価する。

≪適切な評価者の選任≫

○ 評価には時間と労力が必要なため、評価者には、日本の科学技術の発展に貢献するという意識を強く持つことが求められる。そのため、プログラムオフィサーは、この点についても考慮し評価者を選任する。

○ 評価者の選任に当たっては、年齢や肩書きにとらわれず、真に研究計画を評価できる当該領域における業績を有する第一線の研究者・技術者を選任する。

○ 大学や企業の優秀な若手研究者・技術者を積極的に選任するとともに、その内特に優秀な研究者等には、評価委員会の責任ある立場を任せることも検討する。

○ 優れた評価者を確保するため、評価者に対する報酬の充実を図る。

○ 評価者プールの形成や評価者の選任は、学会等を含む他の機関からの推薦に基づくのではなく、配分機関自らが制度の政策目的や特色、研究開発の内容に応じて評価者を選任する。

○ 各競争的研究資金制度において、利害関係者の排除規定と実施要領を作成する。

≪評価内容の開示≫

○ 申請者に対して、評価意見等の開示を行う。その際、プログラムオフィサーが、評価内容等の開示に関わる他、申請者からの問い合わせや申請書の研究内容の相談に対応する。

≪中間評価及び事後評価≫

○ 中間評価や事後評価については、制度や課題によっては、ピアレビューによる評価ではなく、プログラムオフィサーによる評価を中心とすることも可能とするような、評価方法の柔軟性をもたせることを検討する。

≪継続のための評価の仕組み≫

○ 優れた成果が期待され、かつ発展の見込まれる研究開発課題については、当初の研究開発期間を越えて切れ目なく継続が可能となるように、研究開発期間の終了前に、引き続き新たな研究開発期間を設定するための評価を行う仕組みを各制度・プログラムに導入する。

≪データベース及び電子システム化≫

○ 「国の研究開発評価に関する大綱的指針」を踏まえ、各府省は評価者の評価等の評価業務の効率化を図るため、各課題毎に研究者、資金、研究開発成果、評価者、評価結果(評価者の評価意見等)を収録したデータベースを構築・管理する。

○ 評価業務を効率化するため、申請書の受付、書面審査や評価結果の開示等に電子システムを導入する。

お問合せ先

研究振興局振興企画課学術企画室

(研究振興局振興企画課学術企画室)

-- 登録:平成21年以前 --