5.人文学及び社会科学の振興方策について
- 研究成果にアプローチできるようなデータベースの構築により、先行研究の成果を活かしながら、研究を推進できるる体制づくりが必要。我が国では、国立情報学研究所が、そのようなデータベース構築に当たり中核的機能を果たせるよう、整備が必要。
- 我が国の大学では、教員が、教育、研究、大学経営の全ての学務をこなすことが求められている結果、どの学務も中途半端になっている。例えばアメリカのように、リサーチプロフェッサー、エデュケーションプロフェッサー、アドミニストレーションプロフェッサーと役割分担を行い、効率的な大学運営を考えるべき。その際、教育が研究よりも位置付けが低いというようなことにならないようにすべき。
(1)人文学の振興方策について
論点
「人文学」の特性を踏まえた「人文学」推進のための政策手法の導入や行政手法の修正の必要性
論点
大学における芸術学や文化関連の学問に対する学術行政からのアプローチの在り方
- 文化政策に対する国の方針をきちっと持ち、その中で、文学・美術・歴史・思想等の人文学の発展を目指すことで、尊敬される文化国家を形成していくことも考えられるのではないか。
論点
「人文学」振興のための研究システム(大学附置の研究施設や、全国共同利用の研究施設の組織)の在り方
- 人文学においては個人研究が中心ではあるが、地域の大学・研究機関・研究分野間の連携や共同利用機関の中核機能の充実など、大学や研究者の相互協力態勢をつくっていく必要がある。
- 個人研究が中心の人文学研究も、専門の壁を越えて共同研究を行うなど、連携を深めていくことが必要。
論点
人文学の研究インフラの整備について
- 文献DB等の研究インフラは貧弱であり、また、学問を継承していくための人材養成支援も貧弱である。何らかの支援が継続的に行われていく必要がある。
- 人文学にも、時代とともに変化すべき部分がある。旧来のものを引継ぎつつも、テクノロジーを活用した人文学研究をより積極的に考えていく必要があるのではないか。
論点
人材育成について
- 若手研究者の海外での研究機会の確保など、人文学の国際化推進が必要。
論点
研究費について
- 科学研究費補助金の人文学研究の別枠化についても考える必要があるのではないか。
論点
政策や社会のニーズに対応した人文学研究は必要か
論点
今後5年間程度の期間をおいて、学術行政施策として特に推進すべき人文学上の研究課題、研究テーマ等
(2)社会科学の振興方策について
論点
社会科学の研究インフラの整備について
- 社会科学に対しては「紙と鉛筆があれば足りる」とか、「研究費はそれほどかからない」といった意見があるが、必ずしもそうとは言えない。国際的な規模の社会調査やコンピュータを活用したデータの数理的な処理など、自然科学と類似の方法を用いて研究を行うのが本来の姿である。この意味で、我が国の場合、米国などと比して社会科学の研究インフラの整備が遅れており、何らかの対応が必要である。
論点
評価について
- コストパフォーマンスを考えながら、評価を可能な限り手厚く行っていくことが必要。
論点
「社会科学」振興のための研究システム(大学附置の研究施設や、全国共同利用の研究施設の組織)の在り方
論点
政策や社会のニーズに対応した社会科学研究は必要か
論点
今後5年間程度の期間をおいて、学術行政施策として特に推進すべき社会科学上の研究課題、研究テーマ等
(3)融合分野の振興方策について
論点
環境科学や現代的な視点に立った地域研究など、人文学、社会科学及び自然科学の融合分野の振興のための政策手法の在り方