人文・社会科学振興のための国際化への対応について

立本成文(2001年11月16日)

国際化への基盤条件

発信する内容の質・水準(知的存在感)

 ことばと解釈を中心とする人文社会科学固有の問題がある。
 「インドの思想として、インドの土着の文脈の中で語らしめよ。」
 「事柄の分節の仕方」の違いを異言語使用によって顕かにする訓練。
 社会に役立つ情報(メディア)ノットイコール国際化するための発信情報(メディア)

伝達可能性(他言語への移植の難易度の違い)

 人文学―  文献学、文学、哲学(虚学である可能性が高い)
 社会科学―  経済学、政治学
 文理科学―  計量経済学、実験心理学、記号論理学、文字情報学

伝達手段(第3メディア)

 日本研究の場合は、日本語(第1メディア)から外国語(第2メディア)から日本語(第1メディア)から外国語(第3メディア)
 外国研究の場合は、外国語(第1メディア)から日本語(第2メディア)から外国語(第3メディア)から外国語(第1メディア)
 伝達道具としての言語(第3メディア)の選択―英語が最終審判の言葉ではないが、伝達道具として実用的。

国際化への道

 他言語では得難い、日本(語)での蓄積の場合⇒外国人に日本語教育をする,日本語の知識を普及する
 学問の性格を変える(翻訳しやすい科学に変貌する)

第3メディアによる概略伝達

 電子媒体の英文レヴュー雑誌
 翻訳インフラの整備

人文社会科学をレベルアップして国際化する一つの手段

 現代諸問題に関する日本語フィルターによる蓄積
 外国語フィルター・臨地研究による枠組の再分節
 隣接分野の統合、文理融合による統合科学としてブレークスルー

地域研究による国際化への捷径=人文社会科学の知的存在感を高める方策
○汎用データベースの整備(書誌データ、コーパス、サービス用データ)

  1. 地域情報(プロジェクト・事業・研究用)の蓄積・処理・発信デポの整備
  2. 海外拠点の設置
  3. 学際的・国際的アリーナ(高等研究機関)(フライパン説)の必要性
     海外国内研究者を問わず流動的部門にして、虚学や創造的研究の場であると共に、社会要請に応じた(プロジェクト)研究情報発信の拠点となる。

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研究振興局振興企画課学術企画室

(研究振興局振興企画課学術企画室)