令和8年3月24日(火曜日)10時~12時
文部科学省東館15階 科学技術・学術政策局会議室1 及び オンライン(Zoom)
【久世部会長】 それでは、ただいまから第14回科学技術・学術審議会産業連携・地域振興部会を開催いたします。
本日はお忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。
定数14名のうち、対面での出席は5名、オンラインでの参加は5名で、7名以上の定足数を満たしていることを確認いたします。
まず、事務局より留意事項等をお願いいたします。
【對崎課長補佐】 久世部会長、ありがとうございます。産業連携・地域振興課の對崎でございます。本日もよろしくお願いいたします。
本部会は運営規則第6条に基づいて、原則、公開とさせていただきます。前回同様、YouTubeでの動画配信を行っております。
事務局としては、本日、科学技術・学術政策局の総括官の井上と産業連携・地域振興課の国分課長、平野室長、玉井補佐、溝田室長、大榊補佐が出席しております。
加えて、議題1の御説明者として、外部有識者として九大OIP株式会社代表取締役の大西晋嗣先生にもオンラインで御参加いただいております。よろしくお願いいたします。
本日は、現在、中間まとめについて御議論いただいているところでございますけれども、特に大学が中心となっている産学連携拠点の機能強化の事例として、九大OIP株式会社からヒアリングを行うのと、大学が自ら設立した大学発スタートアップの成長支援を行う次世代型のオープンイノベーションモデルの形成事業の検討状況を説明した上で、中間まとめのほうの中身の議論ということで、議題を予定してございます。
進行上の留意事項を申し上げます。会議に先立ちまして、ウェブ会議を円滑に行う観点からでございますけれども、オンラインで御参加の皆様におかれましては、ハウリング等を防止する観点から、御発言以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いします。また、御発言時はいつものとおりでございますけれども、対面で御出席の方は名立てや座長に対して、挙手等で合図をいただければと思いますし、オンラインで御参加の委員の皆様は、Zoomの挙手ボタン等で合図をいただければと思います。
御意見、御質問等があればZoomでも、事務局への連絡でもお願いできればと思います。
次に資料の確認でございますけれども、議事次第に続きまして、座席表、そのほか資料1から4ということで、資料1が大西先生のプレゼン資料、資料2が次世代型オープンイノベーション事業について、資料3が中間まとめ(案)のポイント資料、資料4が中間まとめ(案)本体となってございます。
それでは、進行は部会長のほうにお願いいたします。
【久世部会長】 本日の議事は3件ございます。議題1として、九大OIP株式会社の取組について、議題2としまして、「次世代型オープンイノベーション懇談会」の経過について、議題3として、産業連携・地域振興部会中間まとめ(案)についてを予定しております。
では、まず議題1では、九大OIP株式会社の取組について、大西様より御説明いただきます。
【大西氏】 九州大学の大西でございます。
本日は九州大学の産学連携の取組として、特徴的には子会社の九大OIP株式会社というのを設立して、ちょうど2年になるんですけれども、そちらを説明、御紹介させていただきます。資料を共有させていただきます。
「九州大学の挑戦」ということで、私、九州大学の産連担当副理事と併せて、2024年4月に設立しました九大OIP株式会社の代表を務めております、大西でございます。では、御説明いたします。
まず、これは研究大学が産業を生む時代ということで、もう釈迦に説法なので、簡単に御説明しますと、今、イギリス、アメリカ、オランダ、台湾と4つの地域とそれぞれの機関があって、この4つが、私ども九州大学及び九大OIPがベンチマーキングしている組織と地域です。左上のオックスフォード大学と、その産連子会社であるオックスフォード・ユニバーシティー・イノベーション、これが大学と子会社の関係において、もう長く5年ほど関係を持ちながらベンチマーキングしている組織でございまして、残りのアメリカ、オランダ、台湾というのが、大学と地域の在り方、大学と地域がいかに協力しながら産業創生を進めていけるかという文脈でのみベンチマーキングしている3つの地域でございます。この4つが、九州大学が目指している参考としての地域でございます。
次が九州大学の中の話ですけれども、九州大学のビジョンは、総合して社会変革をけん引するというビジョンを掲げております。したがいまして、このビジョンを達成するために、私ども産学連携の組織がどういうところをゴールにすべきかというのを随分議論いたしました。行き着いた結論が産学連携なので、共同研究、ライセンスとかスタートアップの数とかこの辺りの数字を達成すればそれでいいんですけれども、大学のビジョンが社会変革をけん引するということなので、私たち産連組織のゴールも、産学連携そのものではなく、あくまで産業創出や雇用創出を目指すというのが私たちのゴールです。
したがいまして、従来、サイエンスしか使わなかった産学連携ではあるんですけれども、大学の全アセットを活用して私たちは産業創生を進めたいと。サイエンスに加えて、大学のアセットは教育も人材もありますし、ビジョンとかリーダーシップもありますし、さらに九州にある九州大学、地域のコミュニティーに随分支援していただいている九州大学なので、地域コミュニティーのアセットもフル動員して、フル活用して、産業創出を目指すということを目指しております。
これ以降、九大OIPの話をさせていただきます。なぜ産連子会社で産学連携事業を実施しているかというと、大きくは3つあります。左上の3つでございます。1つが小組織でスピードアップ、これは他の大学もそうなんでしょうけれども、産学連携のようにPDCAを高速で回すような事業においても、大学のレポートラインに乗せ過ぎると、毎回毎回、かなり時間がかかります。
したがいまして、産学連携に限定した上で、そこの事業活動においては、子会社で、コンパクトな組織で早いディシジョンをさせてもらうということを進めております。もう一つが2番の産連支援人材の正社員化ということで、これは産学連携のように、ここ二、三十年にできた大学の活動について、なかなか正規ポストというのは急激には増えないです。したがいまして、産連系のURAというのは、基本的には5年の有期雇用で、3年頑張って4年目に就職活動して、5年目に次の仕事の準備をするというよくないサイクルがあるんですけれども、私たちは九大OIPのほうで正社員化して、彼らのキャリアパスと、彼らのためたノウハウをきっちり組織として残すというものを目指します。
そして最後が、会社法の下で事業運営ということで、産学連携のように、失敗を理解しながら事業拡大を進めるといった事業においては、国立大学法人法で実施するというよりも、もちろん重要な決定事項、許認可事項についてはルールどおりやりますけれども、基本的な事業運営は、会社法の下で、失敗も成功も許容しながらやるという判断に至りました。現在59名、アドバイザーとパートタイム等かなりいますけれども、59名でやりながら台湾オフィスを持っているというのが特徴です。
ぱっと分かる変化としては、設立前は年間で23人の応募と書いているんですけれども、OIPを設立する前は産連URAを募集すると、1年間に23人の応募だったんです。設立後、OIPをつくって6月から12月まで人材募集したんですけれども、半年で600人を超える応募がありまして、その一次面接をした90人の2割以上が九大の学部、修士、博士、卒業生でした。これは大学が責任を持って子会社を運営するということをプロモーションしながら、「九州大学で面白い仕事をしないか」という発信をすれば、ほとんどが関東の方でしたけれども、やはり人は集まるんだなという一つの成功体験ではあります。
これは私どもの事業ストラクチャーなんですけれども、一番上に九州大学がありまして、その下に九大OIPがあると。九大OIPというのは、今後ホールディングスになっていって、さらにその下に事業部会社であったり、新規プロジェクトをぶら下げていくと。左側も開発法人と書いていますが、これは既存企業と従来、共同研究はもちろん強化してまいったんですけれども、なかなか研究にはならない。世界でここでしか分析できないんだけれども、研究の範囲でしかできないというのが従来のもどかしさだったのですが、新たに事業会社をつくって、大学のファシリティなりアセット、人材を活用しながら、共同研究ではなくて各種サービスを受ける。あるいは共同開発をやることにおいては、事業開発をつくって、大学の研究室と既存企業と二人三脚というより三人四脚というか、この3つの組織がセットで新たな新規開発をするということを今、進めつつあります。
話が変わって、多くの実績と他大学比較ということで、九大OIPをつくって2年がたちまして、2年間で着実に成果は出ているんですけれども、依然、国内トップ層とは差があるという状況でございます。したがいまして、産連を子会社化して、単なるオペレートの効率性だけにとどまらず、今後は事業拡大そのものを狙っていかないといけないという状況ではございます。話を変えて、研究開発に特化したスタートアップの一例を御紹介しますと、研究開発に特化したスタートアップの累計数と言うと今は95社ありまして、上場企業時価総額1,800万、特に兆しが見えていますのが、2023、24、25とようやくエグジット企業が連続で出つつありまして、この右側に書いてある残りの企業、スタートアップから次の候補先も徐々に分かりつつあるという、ようやくポートフォリオをつくり出したという状況ではございます。
次に、九大の産連の事業推進の3つの特徴をまずはまとめております。1つが、全国から常時900名のCXO人材が待機している、これはスタートアップに関してです。2つ目が、大学直下で事業会社を運営しているというものでございます。3つ目が、九州・沖縄20大学、PARKSと申します、西日本26大学、QUICKという、まとめて一気に支援するというこの3つが私たちの特徴です。1つ目が、全国から常時900名のCXO人材の待機ということで、もう長らくこのプロジェクトを4年ほどやっているんですけれども、ポイントはギャップファンドを配布した大学の研究プロジェクトに外部の経営者候補を配置するというものです。研究者には研究のPoCに特化してもらって、経営者候補に事業可能性を検討してもらうという二人三脚プロジェクトをしています。
これは毎年、大学でCXO人材を募集しまして、例えば去年だと、二十数個のプロジェクトに900名以上の募集がかかってきまして、毎年毎年、数百名後半の待機人材がいますので、大学のプロジェクトだけでは捌き切れないので、このCXO人材のプールを福岡県のプロジェクトに引き上げました。大学は募集はかけられるんですけれども、研修方法の活性化であったり、モチベーションの維持というのはやはり大学だけではできないので、ここは自治体、福岡県に協力してもらいながら、福岡県のCXOバンクとして、もはや大学のギャップファンドプロジェクトのみならず、県下の、あるいは地域のスタートアップ、中小企業にこのCXO人材というのは展開しています。
面白いのが右下のパイチャートなんですけれども、CXO人材の居住地の7割が関東、1割が関西。大体8割ぐらいが、「九州に魅力的なジョブがあったら働きに行きたい」という人間がいまして、これは大都市圏以外の地域でいかに優れた高度な人材を定着させるかという一つのヒントが、サイエンス発で魅力的な、成長可能性が高いジョブをつくるというのがあるんだなと実感しております。
次が大学直下で事業会社を運営するということで、上のポンチ絵ですけれども、九大があって、九大グループとして九大OIPがあって、基本的には、サービスは依然、九州大学の中でしっかりやっていくのですが、合目的なR&Dについては、今後、大学のナレッジと人材、さらに企業から資金と人材をOIPに集めて、特定目的のプロジェクトをしまして、もはや大学の共同研究ではない形でスタートさせています。この下のイメージで九大があって、九大OIPがあって、今後、大きいプロジェクトごとに会社をつくりながら、大学の知財や共同研究だけではなくて、施設であったり、コンテンツであったり、事業創生そのものを大学の全アセットを一つの目的会社に集めて実行するということを進めてまいりたいと思っています。
もう事例はつくっていまして、九大の孫会社、OIPの子会社で、左上のEUVフォトン株式会社というのをつくりました。こちらは半導体材料のEUV照射試験の解析に特化した会社でございまして、こちらの背景を申しますと、半導体業界の中でレジスト材料と言われているその分野においては、日本のメーカーが世界の9割ぐらいのシェアを占めています。ただ、材料試験においては、今、ベルギーのIMECであったり、オランダのTNOというこの2機関に頼らざるを得ない状況です。それをサイエンティストは気づいていて、九州大学のナレッジと施設を投入すれば、その半導体の検査事業がオランダに行かなくても日本でできるということに着目しまして、会社をつくりました。
大学のアセットをフル活用するのはもちろんですけれども、設立までの滑り出しでは、これは自治体、特に福岡市の強い協力がありました。市長自ら関係各所に営業に行ってくださって、私たちが市長についていく形で、このビジネスの売り込みをしました。さらに、それが実って会社が設立した後に、地銀から大きな投資を得て、さらに地元VC、あるいは地銀の投資、地元VCのリードがあって、大手銀行、地銀がこの会社に投資してくださいまして、ようやく大型の装置を今月導入して、4月から本格稼働する会社でございます。
基本的には検査事業ですけれども、大学のアセットと組み合わせることで、大学の研究室と組むことで、共同開発に発展して、大学のリカレント教育と組み合わせることで、半導体検査のEUV光の取扱いの人材育成をこの会社で立ち上げていきたいと考えております。
最後が、九州・沖縄26大学をまとめて支援ということで、こちらは文科省の事業ですけれども、今、左にPARKSと書いていますが、九州・沖縄もスタートアップの創生は九州大学単独では考えてございませんで、九州・沖縄全体でやると。これは文科省の旗振りで、各地域に9プラットフォームがございますけれども、私たち九州・沖縄も一つのプラットフォームとして、今、盛んに進めているところでございます。
右側が、医療系スタートアップに特化しているんですけれども、これもAMEDの事業で、西日本は九州大学だけでして、西日本を九州大学がリードさせていただきながら、医療系スタートアップに特化して創生をしているところです。
ちょっと別の話ですけれども、その他の特徴として、産業づくりのためのリカレント教育をやっています。これは建築DXの話で、左上に尾崎先生と書いていますけれども、日本で唯一、建築DX、熱収支のシミュレーションソフトを持っている先生でありまして、これは普通に考えると、スタートアップにして大手企業にバイアウトすればそれでもうかるのですが、ただ、真ん中のところで、日本の建築業界の99.2%は中小企業です。したがいまして、現状では、建築DXは一部の大企業のみの手法にとどまっていまして、本当に産業創生、地域変革を促すのであれば、スタートアップで大学だけがもうけるのではなくて、まずは建築DXができる人づくりをする必要があると。したがって、リカレント教育をしながら、同時に右側ですけれども、人を育てながら新規事業も大学と一緒につくっていくという、この人づくりと新規事業づくりという二本立てで、今、リカレント教育と銘打ってスタートしているところでございます。
最後のほうの産業連携事業の進展ということで、今までの振り返りで、産連事業の拡大のパターンということで、なぜ私たちがこういう特徴を持った産学連携活動ができるかというのを振り返ってみます。ポイントは、産学連携は大学の目標ではなくて、地域社会が目標になっているというところです。大学と自治体と産業界という3つの輪があって、3つのステークホルダーの共通点、産業創生とか雇用創出というのがまずあると。これは大学における地域の目標ですよね。三者とも同じことを言っているという状況です。
加えて、総長と首長と社長が直接つながっていまして、産学連携の新しい事業をするのではなくて、産業創出のための新しい事業をするから、大学はOIPにやらせますという順番、常にこの順番です。今後、各組織のトップの下で、各重点分野のプログラムが走っていると。例えばスタートアップの文脈だと、先ほどPARKSとかQUICKとか言ったんですけれども、そもそもその前に大学発ベンチャー振興会議という、知事の呼びかけで数年前に、オール大学、オール九州・沖縄の大学に対するギャップファンドを産業界のドネーションで運営していました。
したがいまして、文科省の事業がスタートしたとき、「あ、もうチームができているね」ということで、このチームで今度はPARKS、QUICKを取りに行こうという、極めてリーダーの何というか、リニアなプロジェクトの進展ができたと。最後、3番目に九大イノベーションチャレンジファンドということで、今、フィジビリスタディーをやっているのですが、今度、文科省の事業が終わっていかに自走するかということで、大学自前のギャップファンドを創生しまして、ここに「産官学」と書いているんですけれども、このファンドはほぼ出資者にリターンがないんですけれども、これも自治体が、県が5億、市が5億、あと地域のステークホルダー及び、もはや今、都銀であったり、全国規模の人材会社であったり、世界規模のコンサルティングファームがこのファンドに寄附してくださっています。25億集まればリニアが永久にファンディングでき続けるギャップファンドなんですけれども、もう既に17億集まっていまして、これが一つ、地域の目標になっているところがポイントなんだろうなと実感しています。
同様に半導体産業においても、もともと九経局であったり、自治体であったりの呼びかけで、九州半導体人材育成コンソーシアムというのができていまして、次にTSMCであったり、台湾大学連合とオール九州大学との連合がありまして、最後にできたのが、先ほども申しました孫会社のEUVフォトンで、もう既に1番、2番があったので、地元VCがリードしてくれて、銀行であったり、地銀系VCがここにファンディングしてくれるという、もうここでは拡大パターンができています。
最後、産連事業の3ステップということで、1階、2階、3階と書いてあるんですけれども、大事なのは緑の部分で、OIPをつくりまして、子会社化して、まずは少人数で効率的なアウトプットを出せる、筋肉質の組織というのをつくり込めて、さらに会社法を活用することで、事業拡大の柔軟性を確保できました。
次のステップは、上の緑のところで、今後、九大OIPのあるべき状態というのは、もはや大学の産連子会社ではなくて、地域の産連子会社として、例えばOIPが120人の組織になったとき、40人は大学から、40人は自治体及び経済界から、40人は全く違う地域外の、海外であったり、あるいは関東であったりという、もうそれぞれが役割と責任を遂行する複合型の組織になり、プロジェクトごとにチームが異なるといった有機的な組織になるのではないかと考えています。
以上でございます。
【久世部会長】 御説明ありがとうございました。
ただいまの大西様からの御説明について、御質問、御意見がありましたら発言をよろしくお願いいたします。対面での御参加の方は名札を立ててください。オンラインでの御参加の方は挙手ボタンを押していただくよう、よろしくお願いいたします。順番に指名いたします。
江戸川委員、よろしくお願いします。
【江戸川委員】 江戸川でございます。大西さん、御説明ありがとうございます。
3点質問させていただければと思います。全体に関わる話ですけれども、7ページを見ながら御質問していくと、まず1点目、先ほど最後のまとめのところでも効率性、柔軟性、スピードなど、会社法の仕組みを利用することで実現できることが、OIPをつくることで実現できたというお話を頂きましたが、例えば人事制度とか給与体系など、大学で運営している限りでは達成できないもので有効だったと考える代表的な施策があれば教えていただきたいです。
2点目が、上のほうに業務委託ということで、大学からOIPに対しての支払いというところが記載されているんですけれども、九大OIPは大学のコストセンターに当たる機能を受け入れているところもあると思うので、やはり業務委託で、ある程度大学にコスト負担していただく部分が出てくるというのは当然だと思っているのですが、これがどれぐらいの金額水準で、何年間ぐらいこういったサポートというか、業務委託でコストセンターの部分を支える構造で設計されているのかというところをお話しできればお聞きしたいところです。
3点目ですが、13ページで御紹介いただいたEUVフォトンについて、非常にユニークな、注目される取組だと思うのですが、こちらは孫会社で運営するということで、大学の教職員の方が、左のほうに「EUVに関するノウハウ提供」とありますけれども、リソースを提供するというか、関与する側面というのはかなりあるのではないかと思うんですけれども、EUVフォトンに関与する教職員への対価とかインセンティブというのはどのように設計されているのかを教えて頂ければと思います。以上3点、お願いいたします。
【大西氏】 ありがとうございます。
まず、人事・給与に関してですけれども、基本的には何というか、ルール改編のスピードが完全に民間企業並みになっているので、人事考課システムであったり、本人のキャリアパスであったり、そういうのは民間企業並みに当たり前のように変動する組織はつくれています。インセンティブの設計ももちろんつくれていますし、その辺も民間企業並みになっていると。あと、意外と役に立っているのが、プロジェクトごとにアサインしている、プロジェクトごとに雇用しているメンバーも結構いまして、本人の専門性に応じて、例えば半導体のプロジェクトにおけるファイナンスの部分は彼が詳しいからちょっと、エフォート10%、15%でこのプロジェクトにアサインしてくれない? というのが、かなりスピーディーにできているというのが、意外とやってみて大きかったですね、というのがまず1点です。
2つ目が、確かにコストセンターではあります。当初はいつまでどれぐらいにという話は、永久に高効率なコストセンターであるべきだと考えていたんです。というのは、大学の産学連携部門をそのまま外出ししましたので、本来、大学がやる業務を高効率でやる組織なだけであって、コストセンターでは変わりないというのが当初の考え方だったんです。したがいまして、内部にあったところより随分コストの圧縮はできつつも、でも、これって大学がやる事業ですよねということでスタートしたんですけれども、2年やって結構見えてきたのが、大学からの受託事業とは別に自主事業という、OIPじゃないとできない事業が結構あったんです。大学というのは、共同研究、ライセンス契約、あるいは技術指導とかメニューが決まっていましたので、OIPは民間企業並みにメニューづくり、サービスづくりができたので、結局、自主事業というのが今、2年しかやっていないんですけれども増えてきまして、もしかしたら、江戸川さんが御想像されているコストセンターが拡大していけば、逆転するんじゃないかというか、消滅するんじゃないかなと思っています。あまり偉そうなことを言うとあれなんですけれども、今、そんな兆しは見えてきていると。
最後、EUVフォトンの教員の関与というのは、EUVフォトンはまだ始めて1年半ぐらいなので、今は謝金ベースです。もちろんリソース・アクセスフィーのような形で、大学のキャンパス本体に対して施設を使わせてもらっていただいている対価はお支払いしているんですけれども、まだ謝金とかリソース・アクセスフィーにとどまっています。ただ、今後は違うかと思います。人と同じことをプロジェクトの会社にはめて、そのまま社会実装が見えた段階で、1ナレッジごとトランスファーするというのが、今後やらなければいけない流れだと考えています。
お答えになっていますか。
【江戸川委員】 ありがとうございます。大変参考になりました、非常にうまくいきそうな兆しが感じられて、頼もしいなと思いました。
ありがとうございます。
【大西氏】 ありがとうございます。
【久世部会長】 それでは、続きまして高木委員、それからオンラインの荒金委員、オンラインの上田委員の順番でお願いします。
高木委員、よろしくお願いします。
【高木委員】 御説明ありがとうございました。
以前、文部科学省のオープンイノベーション機構の整備事業に関与させていただき、採択した12大学とはいろいろ議論させていただきましたが、九州大学は入っておられなかったと思いますので質問させていただきます。やはり学内だけですと、処遇のほか、先ほどお話がありましたスピード面でもなかなか難しいということで、子会社化するという議論がありました。我々として、もともと学内でやっていただくことを念頭に置いていましたので、この点はかなり議論になりましたが、国立大学の場合にはいろいろ制約もあるということで、外出しをする大学がありました。関連して3つほど質問させて下さい。
まず、1番目ですが、例えば7ページの図で、中央に大学とOIP、左側に産学連携をする既存企業等、それから右側にスタートアップが記載されていて、それらの関係が示されていますが、この活動をやることによる九州大学の研究者へのインセンティブをどのように考えていらっしゃるかというのが第1点。それから、子会社化して外出ししたときの九州大学との機能分担についてです。先ほどの御説明で、産学連携の部分を全て外出ししたというお話があったと思いますが、この図を見ると九州大学内部でも戦略立案はされていますが、その意思疎通といいますか、コミュニケーションはどのような形になっているかというのが2番目の質問です。
それから、3番目の質問は、オープンイノベーション機構の整備事業の目的の一つに大学改革がありました。機構が大学の中にあれば改革しやすいが、外出しすると、大学の改革がうまく進むのかという視点での議論がありました。それに関して、OIPのお立場での大学改革について、もし何か進められた部分があれば教えていただきたいですし、あるいは、もともと革新的だというのであればそれで結構ですが、この3点についてお伺いできればと思います。
【大西氏】 ありがとうございます。かしこまりました。
まず、1点目の研究者へのインセンティブですけれども、ここの図には表し切れていないのですが、この裏には、例えば開発法人でサービスを実行したときに、大学のファシリティであったり、大学の研究者のナレッジというのは、かなりの部分頼るところがあります。したがいまして、ここの図では配当とか利益還元ぐらいにしか書いていないのですが、書き切れていないんですけれども、実際、事業をやっていくと先生方への謝金であったり、先ほどと一緒なのですが、施設使用料とかはきっちりルールに基づいてお支払いしていますので、そこでまず、経済的なインセンティブというのが確保できていると思います。
あともう一つ、教育研究に対する貢献としては、先日、研究者自らが集まって、共同研究も事業もやるのではなくて、研究に特化しながらも、その脇で事業会社を走らせることで、多くの知見が会社を走らせることでたまっていきますので、そこのたまった知見、データ、あるいは経験というのはそのまま研究に生かして、もちろん契約に基づいて開示できる情報の範囲ではありますけれども、研究に直接生かすという貢献ができていると考えています。この2つのインセンティブが働いていると思います。
もう一つが機能分担の話で、多分、これは高木先生の3番目の御質問と考えは一緒ですけれども、ここが最も大切で、ここは5年前からオックスフォードのメンターと徹底的に議論して作ったところですけれども、大切なのは、糸の切れた凧にしてはいけないということです。コミュニケーションが最も大切だというところです。
今後、変えていかなくては駄目なんですけれども、この2年間は子会社の経営陣というのは、大学の産連執行部でした。したがいまして、大学で戦略立案をやったことを実行するのが九大OIPだと。実際、私が代表を仰せつかっているんですけれども、7割ぐらいは大学本体のエフォートがありまして、この2年間では産連戦略を立案する、それを実行するときにどうしようかという接続を考えるところに腐心しているような状況です。
これがまずは走り出しで最も大切だったところでして、あともう一つ、大学改革と関連するんですけれども、この2年とかこの5年で、そもそも大学が求められている、大学が要求されることってかなり変わりましたので、まず、大学がこうあるべきだ。したがって、これをスピーディーに実行するOIPはこういう事業をすべきたみたいな。このサブとロジの連動というやり方で、OIPが何か働きかけたというより、産連執行部にもう全部入らせていただいているので、スピーディーに実行できる装置としてOIPが機能しつつあるという状況です。
余談なんですけれども、社会とのオープンの接点、産業界とのオープンの接点というのは今、大学の中でOIPが担わせていただいているので、全然余談なのですが、アルムナイイベントにも今、OIPが出回ってます。アルムナイの方は名だたる方って経済の話が一番はまるので、接点は、ロジはOIP側から大学の同窓会ラインではあるけれども、いや、そこはOIPだよねということで、そういった、何というかな、産連だから産連しかやりませんではなくて、いや、そもそも産連のミッションは広がっているでしょうという観点で、多くの大学改革を一緒に実行させてもらっているという状況です。
お答えになっていますでしょうか。
【高木委員】 よく分かりました。どうもありがとうございました。
【久世部会長】 それでは、続きまして、荒金委員、よろしくお願いします。
【荒金委員】 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。
2点お伺いしたいと思うのですが、多くの大学で、今のページにありますプロジェクトの組成とかマネージングですとか知財の関係、ここを非常に個々の先生たちがやるのが難しいということで、やろうとしているものの、大学内で総務的な役割とかURAの人たちを各プロジェクトごとに雇うことによってやるというスタイルが多くを占めていると認識しておりますが、今、先生がおっしゃるこの部分をある意味切り出して、専門の部隊をつくっているという、それも子会社という形でというふうに理解します。
そのときに、今、九大の中で非常に大きなプロジェクトとか、実際、研究、スタートアップがあると思うのですが、現在でどのくらいカバーできているというんですかね。ほとんどのテーマが今もうここに集約しつつある、機能しつつあるというふうに考えていいのか、その辺りの現状と可能性をお聞かせいただけたら参考になるかなと一つ思いました。
それから、2点目は、印象的な先生のお言葉の中に、大学のためにここは存在するのではなくて、地域のために、創生のために非常に存在感のある組織になっていると、なりつつあるということだったのですが、効果、県全体のつながりですとか支援が非常に大きいというのもあってこその取組だと思うんです。それは大学としてやるよりは、子会社化するということが非常に大きな意味があるというか、役割が果たせる、そこは子会社化の意味合いとして先生はどういうふうに捉えていらっしゃるか、その2点をお願いできればと思います。
【大西氏】 ありがとうございます。
まず大学全体の、どの程度フォローしているかで申しますと、例えば九州大学だと、共同研究だと、10パーぐらいは大きい、まあまあ大きい、大型共同研究と言われている研究なんですけれども、そのうちの10パー全てをフォローしているというのはまだまだこれからの状況です。かなり濃淡を持って、プロジェクト組成から入っている案件もあれば、単なる定期的な会議の開催程度にとどまっているものもあります。それの判断というのが、この2年間は研究プロジェクトのニーズに応じたサービスを提供するという程度にとどめています。ただ、この2年間やってみて少しずつ増えてきたのが、やはりプロジェクト組成から一緒にやるべきだ。1企業1大学にとどまらず、例えば国プロとか、国プロの申請の段階からもはやOIPが担当として入って、企業集めから、あるいは研究と社会課題解決のためにどういうサプライチェーンを構築すべきだという、サプライチェーンづくりから、今、入りつつあります。
したがいまして、研究者のニーズに応じて濃淡はつけるんですけれども、今後つくっていく新規プロジェクト、今後つくっていく大型国プロというのは、私たちが入っていくというニーズは高いなと予想しています。
あと、地域のための存在でOIPがどう役立っているかという話なのですが、これは地域のための存在で、しかも糸の切れた凧にはならないという大切な、まずは上位概念があって、九大OIPというのは九州大学のために存在する会社ですけれども、九州大学は地域に貢献する大学というのがあるので、だから私たちは地域と共に成長したいというのがあって、OIPになってやりやすかったのは、やはり事業拡大の柔軟性なんです。一緒にやりましょうと言っても、今までと共同研究でしかとどまっておられなかったのを、もう会社をつくりましょうと。そこに大学からも人とナレッジをアサインさせる代わりに、企業からも予算と人をアサインさせて、これも合目的的な5年間だけやる会社ですよみたいな、新たな責任と役割と期限を明確にしたプロジェクトをつくれたというのが、株式会社にしたときの、つくって分かった効果でした。
以上です。
【荒金委員】 ありがとうございます。大変参考になりました。
【久世部会長】 続きまして、上田委員、お願いします。
【上田委員】 ありがとうございます。今回、貴重なお話をありがとうございました。
スタートアップの育成は、ともすれば、それぞれ個々の会社がばらばらにやるという状況の中で、今回は、OIPを通じて組織的な取組をしていくという点で、ほかにはない非常にいい取組と感じました。
それで2点、質問ですが、スライドの17枚目、産連事業拡大のパターンというところで、右側の一番上に総長、知事、市長、社長が直接つながっているというのがあるのですが、この社長という方々は現在何名ぐらいこの中に関わっておられるか。それと、もう一つは、その社長の方々をどういうふうにこのプロジェクトの中に巻き込んでいったか。言い方を変えると、社長の方々にとってのモチベーション、あるいは動機づけは何だったのかというのが1点目の質問です。
2点目は、この下のところの各種重点分野のプログラムについて、特に半導体のことが書いてあり、3番目のスライドで「台湾」が出てくるのですが、ある程度半導体ということを念頭に置いて、台湾の大学との共同連携を深めていったと理解してよいでしょうか。この2点について教えてください。
【大西氏】 ありがとうございます。
まず社長のモチベーション、社長の皆様のモチベーション、動機づけですけれども、これもステップがあるのですが、切り出し、スタートは、九州ですと地元の七社会とか、地元の優良企業というのが顔が分かる状態でありまして、社長の結構な部分が九大にはあるんだよなと。したがいまして、地域で何が次の産業を興す、九州を発展させるためにどうあるべきだという議論する場というのが、新たに会議を開くというのももちろんあるんですけれども、アルムナイのイベントで常にこのトップ同士が会うであったり、あるいは自治体が働きかけてくれてつくった半導体コンソーシアムとか、何とかコンソーシアムで、コンタクト回数がほかの地域とちょっと違うような気がします。コンタクト回数が違うので、先々週言ったあの話という感じで、2週間後にまたトップ同士が同じ話をするという状態が保てていました。したがいまして、九州全体で今、半導体が重点産業ですけれども、重点産業を盛り上げるときは、初めのサロン的に出来上がっているチームからどんどん裾野を広げていくというのができたのが大きいです。
もちろんこれがスピードであり、ただ、拡大のボトルネックでもあるので、今後、このサロンからいかに拡大されるかというのが私たちの重要な課題だとは認識しています。あと、続けて半導体、台湾との連携の話で申しますと、上田委員がおっしゃるとおり、やはり半導体がまずはスタートでした。TSMCが熊本に来たというのも大きなきっかけですし、半導体を軸に台湾の大学連合と九州・沖縄の大学連合が新たな連携を進めようというきっかけは確かにそうです。ただ、九州独特の特徴というのがあって、これはもちろん大学だけが連合しても市場形成ができないので、主役はやはり産業界だと思っています。例えば台湾企業と、日本、九州の中小企業とマッチングイベントというのが幾つか、年に何回か行われるんですけれども、企業同士のマッチングだと話が進まない。あまりうまく成功効率がよくないので、もはやそのマッチングに大学が入って、大学を介して、BtoBだと一瞬に話が終わるところ、BtoAtoBにして開発を一緒にしようよとか、それが大学の地元企業に対する貢献だよねと。開発プロジェクトにしてリレーションを深めるという、大学―大学のプロジェクトにとどまるのではなくて、ビジネス―ビジネスのプロジェクトにとどめるのではなくて、その4つのプレーヤーがどう交わるかという観点で今、連携を深めつつあるという状況です。
ちょっとストレートではないですけれども、お答えになっていますでしょうか。
【上田委員】 どうもありがとうございました。
【久世部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、大西様、本当に貴重な御説明、大変ありがとうございました。
それでは、私もいろいろ質問があったんですけれども、また別途、オフラインで聞かせていただきます。
【大西氏】 ぜひお願いします。
【久世部会長】 特に地域に貢献ってすごく重要だと思いまして、これは福岡だけではなくて、九州エリア全体、シーズ、先端技術とか基礎研究を探す際に、九州大学だけではなくて、我々、宮崎県に大きな工場があるのですが、宮崎大学とか、さっきPARKSの話もありましたけれども、そういったところも全体を巻き込んでやっていただけると本当に助かるかなと思います。
本当に、本日はありがとうございました。
【大西氏】 どうも貴重な機会、ありがとうございました。失礼いたします。
【久世部会長】 失礼いたします。
それでは、次の議題に移ります。議題2は、次世代型オープンイノベーション懇談会の経過について、事務局より御報告いただきます。
それでは、資料2に基づきまして、事務局からお願いいたします。
【溝田室長】 産業連携推進室、溝田です。資料2に基づきまして、次世代オープンイノベーション(次世代OI)事業について御説明させていただきます。
一枚おめくりいただいて、2ページ目になりますけれども、本事業は、本年度からFSを開始しておりまして、来年度から本格実施となります。真ん中のほうに図がございますが、大学等の強み、アセットをフルに活用しまして、スタートアップと大企業の協業であるとかグローバル展開、研究開発支援などを通じて、スタートアップを成長させたい、オープンイノベーションの構築を支援するといった事業となってございます。
こちら今年度は試行的に3件、各3,000万程度で実施しておりますけれども、来年度、左枠に赤字で記載がありますが、4,000万、3件程度を採択して、経費として主に支援人材の人件費とか、海外展開の渡航費、出展料などを想定しております。また、右にございますように、本事業内で調査・分析とか成果普及などにも取り組んでいく予定となっております。
続いて4ページ目に飛んでいただきまして、こちらから今年度実施の進捗状況となってございます。
次の5ページ目になりますけれども、支援機能の必要性を書かせていただいております。上のボックスに整理していますけれども、上の段にある創業支援時における大学等の支援、また、R&D、出資支援などがあった上で、成長期、右側のほうになりますが、大学等による出資をスタートアップに行ってきたところでありますけれども、この赤字の点線、右側のところにつきまして、「大学等による成長支援」という箇所が本事業、次世代オープンイノベーション事業で行う箇所となっております。
具体的には下のボックスにございますけれども、事業会社との連携、経営支援、技術支援、人材支援、相談支援等となっております。
次の6ページ目でございますけれども、こちらは今年度、FSの採択、3件記載してございます。個別は次のページ以降の説明なりますけれども、3つです。名古屋大学さんについては、名古屋大学発のスタートアップ、TOWINGを重点支援先として、成長パッケージを実装するというものとなっております。
真ん中、九州工業大学です。こちらは九工大発、TriOrbを支援先として、大学の財政基盤強化モデルといったものを模索したいというもの、一番下、東大IPCでございますけれども、支援先5社を選定して、助成型プログラムで実施するというものになっております。
続きまして、7ページ目です。こちらは名古屋大学さんの具体的な実施内容となっておりますけれども、まずは「スタートアップ統括室」を置くということ、また、事業会社との連携ということで、海外企業訪問の支援やマッチング、海外イベントへの出展支援などを行っております。2つ目の矢尻にもありますけれども、知財や施設利用等を含めた基本契約に関して、契約書のひな形といったものの導入を準備しているというものになっております。
次の8ページ目になりますけれども、こちらは東大IPCです。左側のパイロット案件として選定したものを事業会社と連携・集中するといったものを行っていただいたり、右側、公募型プログラムのように、1,000万円程度の資金提供――「Launch1000」ですね――での採択案件を支援するといったことを行ってございます。
続きまして、9ページ目が九工大の内容になってございますけれども、こちらは前の2つに比べて小規模のFSとなってはございますが、大学がTriOrbの売り込みとかマッチングを図ったり、マッチングした企業との新事業を企画したり、あとは四角の中にありますけれども、最後の記載です、オープン・アンド・クローズ戦略の支援とか、国際展示会の出展などを行っております。
ここまで今年度、令和7年度実施の話をさせていただきましたけれども、この状況の報告、あとは来年度に向けた意見をお伺いするために、次世代型オープンイノベーション懇談会を開かせていただいています。そちらの御報告をさせていただきます。
11ページ目となりますけれども、この懇談会は、次世代OI事業開始前から設置されておりまして、千葉委員に懇談会の委員長をお願いしております。また、あと北岡委員、小池(美)委員、高木委員にも御参加いただいております。
次の12ページ目になりますけれども、これまで第1回、第2回、第3回と開催されてきましたが、先日、第4回ということで、本事業の進捗を報告させていただくとともに、来年度の建て付けについて御意見を伺ったところでございます。
13ページ目が、その際の委員からの御意見を載せさせていただいております。上のポツからですけれども、大学外部を含めて支援ネットワークをつくるなど、いかに外部の人材、リソースを使っていくかといった点とか、スタートアップに本気で関わった人はすごく成長すると思うが、そのことを大学全体で理解しているかとか、3ポツ目は、現行の人事制度では、処遇も含め対応が難しい大学も多い、なので、柔軟性も持って事業を進めていただきたいとか、次はアカデミアの中でどこまでやって、民間や外部の事業サイドなどにどのように橋渡しをしていくかという点とか、最後のポツでは、技術シーズをどう集めて可視化するかという観点も必要ではないかという御意見を伺ってございます。
この懇談会の意見を踏まえまして、今年度事業を進めていくことになりますけれども、15ページ目に飛んでいただきますと、(1)本事業の目標です。来年度、令和8年度の実施の新たな目標としては、大学のブランド構築としております。これをテーマに公募を行っていくというものになっております。これは大学が各ステークホルダー、経営者人材・支援人材、資金など、引きつけられるような求心力がつくようにという意図で立ててございます。
また、(2)応募対象は今年度と同じく、大学、大学子会社としまして、次のページ以降で説明させていただきますけれども、(3)支援項目の中でも重点的なところを特定する形として実行していきたいと思っております。
16ページ目になりますけれども、こちらは支援項目の説明とさせていただいていますが、左側の青いところ、事業会社との連携など、必須項目としてFSを行ってまいりました。来年度、令和8年度は、これに加えて右側の本格実施に当たって、緑の経営支援とか、赤茶色のところ、技術支援、いずれも必須化した上で、重点的に実施する支援内容を強調して提案してもらうという形で進めていこうと思ってございます。
次の17ページ目が、来年度のスケジュールを記載しております。公募要領等を4月、5月で固めた上で、6月に公募を開始、その後、審査を経て10月から事業を開始したいと考えてございます。
ここまで次世代OI事業の現状を説明させていただきましたけれども、最後の19ページ目、懇談会での御意見も踏まえました論点をまとめております。これまでこちらの部会でも御議論いただいているものでありますけれども、この次世代OI、「知」の創出につながる好循環の構築にも資する事業となってございます。実際に次世代OI事業、先ほど触れさせていただきましたけれども、ステークホルダーを引きつけるようなブランドを構築して、大学を中心として産学官金等が連携するエコシステムの確立を目指すという目標を立てております。
ここで、2ポツ目以降を論点とさせていただいていますけれども、エコシステムを真に機能させるために、学外もダイナミックに巻き込んでいく必要が指摘されているところです。また、3ポツ目、こちらの次世代オープンイノベーション事業によってスタートアップの成長を通じて生まれる資金・人材・知を原資として、大学の研究力のさらなる強化、また、新たなスタートアップ創出につなげる好循環の構築、これが必要ではないかという点が論点かと考えております。
以上、事務局から、次世代OI事業の経過を御報告させていただきました。よろしくお願いいたします。
【久世部会長】 ありがとうございました。
ただいまの溝田室長からの御説明について、御質問、御意見がございましたら、御発言をよろしくお願いいたします。 私から1点。大学の多様なステークホルダーを引きつけるブランド構築、これは非常に重要だと私も思うんですけれども、ただ、本当の意味のブランドってなかなかそんなに容易ではないと考えるのですが、具体的にはどれぐらいのことを考えているのか、また、こういうブランドを確立した大学の事例みたいなのがあるんでしょうか。
【大榊室長補佐】 室長補佐の大榊です。
例えば懇談会の中とかで議論に出ておりましたのが、具体名を出してしまうと慶應義塾大学さんの、例えばアルムナイとか三田会の例とか、ああいったような大学を中心とした産業界とか、事業家人材とかが集まってくるような関係性が築かれているところで、ある意味では、三田会、あるいは慶應のブランドをイメージしたような形では前提になって、そのブランドを基に人が集まってくるところが構築されていったようなものが一例として示されたところでございます。
【久世部会長】 結構、あれですね。なかなか、一朝一夕にはいかないようなものだという理解でよろしいですか。
ありがとうございます。
【大榊室長補佐】 そういう意味では、スタートアップという文脈で切り出したときに、特に事業会社とスタートアップとの連携という前提で人が集まれる環境というのが、ある意味、少し尖った、エッジの効いた部分で実現できるのではないかというところをトライしていただくような事業だというふうに理解しております。
【久世部会長】 ありがとうございました。
それでは、北岡委員、よろしくお願いします。
【北岡委員】 北岡です。御説明ありがとうございました。
私は懇談会も入っているので、あまり質問するべき立場ではないですけれども、今、聞いていてふと思い出したので共有したいなと思ったのは、今回、このオープンイノベーションの、いわゆるCOIのほうでは、個社支援というか、そういうキーワードが結構出ていると思うんですけれども、私自身が逆に産学連携のほうをやっているときに、やはり大学とか、国研もそうだと思うのですが、個社支援に対しては結構ネガティブな意見というのがいまだに産業界にはあって、総論賛成でも自分の立場が危うくなると、なぜ個社支援を大学ができるんですかというようなことはあると。これについては、今後の展開の中でバランスをちゃんと見ていっていただければというのが一つあります。
もう一つは、私のメンバーなんかで言うと、個社支援を進めていく割にはインセンティブが逆に働かない。つまり皆さん方、「教員のインセンティブ」とよく言われるのですが、URAのインセンティブってあまり議論がされていなくて、一方でその支援をすることが業務の生業なんだけれども、個社支援をしようとすると、言っては何ですけれども、アフター5であったり、週末もそういうことに対して集中していかなくてはいけないことに対して、業務内なのか、業務外なのかというのはすごく難しいところがあって、我々、結構それをどうインセンティブに反映するかというのはかなり設計しているほうなのですが、それでも結果的には最終的に、もうそこまでやるのだったら、(大学を)辞めてその会社に行くのがいいんじゃないのというようになってしまう。これは確かに一つのキャリアパスとしてはいいことなんですけれども、そういう若い、URAとしても企業で経験者した50代以降のURAと、さっきのOIPのように、今後は30代と、もっと言うと20代が将来URAとして立派に育ち、またある人は経営者に行ったり、会社に行ったりということの、人事制度という意味においては、やはり大学内がまだできていないところもあって、そうすると、IPCやOIPのように外部組織をつくらざるを得ないのかみたいな話になるんですけれども、私自身はどっちかというと、大学内でもできることが多分にまだあるなという認識の中で、URAのインセンティブということについても、どこかで考えていただけるとありがたいなということで、その2点、ちょっと質問プラスお願い事項として、発言させていただきました。
以上です。
【溝田室長】 北岡委員、ありがとうございます。
1点目、個社支援のバランスの件、それを踏まえて実施したいと思います。それにつながる話でもあるんですけれども、インセンティブの話ですね。これは来年度公募するに当たって、結構いろいろな大学さんとも事前に話をさせていただいて、いろいろな意見を伺っているところです。大学さんによっては、やはりインセンティブをこの事業の中でどう立てて、どう提案したいという結構、具体的に考えられるところもいらっしゃるんです。なので、そういったところをこの中でどう尖った提案をし、もしくは大学経営層と理解を得られた上で、仕組みとして入れて提案するかというところは、我々としてはかなり期待しているところです。
ありがとうございます。
【久世部会長】 まとめて3名の委員の方から、御意見、御質問をまとめていただきます。
それでは、宝野委員からよろしくお願いします。
【宝野委員】 次世代オープンイノベーション事業についての御説明、ありがとうございました。
このところオープンイノベーションに関する事業の議論を聞いていますと、かなりスタートアップ寄りになっているように感じます。一方、大学とか国研というのは、企業でできないような基礎研究をやっております。成果の社会への還元には2つのやり方がある。1つは企業と共同研究をして、企業ができない基礎研究の部分で貢献していく。企業との共同研究通して社会実装を企業にしていただく。一方で、既存の企業で受けてがなかったら自らスタートアップを立てて社会実装を自ら目指すというが我々の理解ではあるんですけれども、最近の議論、特に産連部会での議論はもうスタートアップ一色になっているような気がします。これまで、企業から大学に払われる共同研究への資金が低過ぎるよねという議論の中で、やはり大学でやっている基礎研究と産業界のニーズの間はもの大きなギャップがありすぎると感じています。
このギャップをうまく埋めて、もっと企業から資金を大学に導入して、大学の研究環境をよくさせる、そのためには、企業が持っている課題や社会課題と、その基礎研究をやっている研究者の橋渡しのような事業、あるいは課題を研究者に用語解説、用語を分解し基礎研究の課題に翻訳するような、仕組みも必要かなと思います。ぜひそういった別の視点も加えていただければと思います。
【久世部会長】 ありがとうございます。
続きまして江戸川委員、よろしくお願いします。
【江戸川委員】 江戸川でございます。
私はコメント、意見になりますけれども、この事業の実績を見ていると、これから会社を立ち上げるところも含めて、かなり早いステージに支援がなされているように見えるのですが、オープンイノベーションという論脈で考えたときに、製品・サービスが確立していない段階においては、大企業としては、有益な協業が難しいんじゃないかと思います。また、大学発スタートアップ業界の現状の課題は、むしろエグジットのところで、アライアンスとその先のM&Aのエグジットをどううまくやるか、もしくはその専門家を増やすかというところにあり、そういう観点で考えたときに、支援するスタートアップのステージをどうするのかは整理・検討したほうがいいかなと思いました。
私の意見では、早いステージのところは既に、例えば東大IPCなんかはもう高度な支援をやっているわけなので、特にプレシードで投資するベンチャーキャピタルがサポートしているところはもうプロの支援が行き届いているという見方もできると思いますので、ある程度製品・サービスが確立できていて、業務資本提携を進めたいんだけれども、そのネットワークがないとか、まだ信用力が十分ではないとか、もしくはM&Aのエグジットを志向しているんだけれども、なかなかセルサイドのアドバイザーがついてくれず、M&Aの戦略や実行のところに課題があるとか、オープンイノベーションを志向するのであれば、こういうスタートアップの支援をしていったほうがいいのではないかと思います。その意味で、この事業のKPI・KGIとしては、業務資本提携や買収、M&Aをどこまでサポートできるかというところを見ていくことも効果的なのではないかと思いましたので、全てをそうする必要はありませんが、そのような観点も入れていただければと思います。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、続きまして上田委員、よろしくお願いします。
【上田委員】 説明ありがとうございました。
5ページ目に「大学によるスタートアップ成長支援機能の必要性」というのがあり、その下にスタートアップの成長支援の例が挙げられているのですが、特に左側、事業会社等との連携・協業も非常に重要になってくると思います。成長支援ができる人材を育成するということが非常に重要である一方で、現実には人材の育成は難しい部分も多々ある、あるいはスピード感という観点で、なかなかうまくいっていないという事例も増えてきていると思うのですが、こういう取組を通じて個別の経験・ノウハウがたまっていって、暗黙知というのがどんどん増えてくる。この辺は個人にかなり属しているという属人性の強い状況になっていると思うのですが、その中でスピード感が非常に重要になってくるという状況もあると思います。その課題を克服するために、例えばAIを活用したスタートアップ成長支援プラットフォームみたいなものを構築するというのも一つのアイデアで、AIを活用することによって、人材育成を加速するという局面が出てくると思うのですが、そういうことについて何か考えておられることがあれば教えてください。よろしくお願いします。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、今3名の、宝野委員、江戸川委員、上田委員からの御指摘、御質問に関しまして、事務局のほうでよろしくお願いいたします。
【溝田室長】 御質問ありがとうございます。
まず、宝野先生からいただいたところ、企業側とのお話をいただいておりますけれども、確かにその観点、企業からの資金も必要だという観点も踏まえて行っていきたいと思っております。他方、この事業は大学の強み、アセットを生かしてスタートアップを成長させようというものなので、両輪をちゃんと見た上で、その事業も進めていきたいと思ってございます。
江戸川先生のコメントも、ありがとうございます。こちらはM&Aを見据えたであるとか、シード・アーリー以外のところについてもバランスよく見るという観点で、効果的に行われているという御助言をいただきましたので、こちらも踏まえて実施していきたいと思います。
【大榊室長補佐】 大榊でございます。
上田先生の御意見に対してでございますが、今の段階でAIを柔軟に活用して、プラットフォーム構築というところは、現状はあまり出てきておりませんでしたけれども、実際にはこれだけ急速にAIが成長している状況でございますので、人材育成もそうですし、事業会社との連携も含めて、こういったシステムをつくっていくときにAIとかDXを柔軟に活用していくような御提案が出るということは十分にあり得ると思います。それほど極端に大きい予算ではございませんので、できる限り効率的・効果的に事業を実施していくという観点から、そういった御提案が出れば、それはある意味では加点し得る内容になるのではないかと推察いたします。
どうもありがとうございます。
【溝田室長】 1点補足で。今、5ページ目、右側の人材支援のオレンジ枠がございますけれども、こういったところについて、重点的にやっていくと手を挙げてくるところも想定されますし、あと、政府の17戦略分野にもAIがありますので、そういったところを拾われる大学もあるのではないかと想定しております。
【久世部会長】 御回答ありがとうございます。3名の委員の方、よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。
それでは、最後の議題3に移りたいと思います。議題3では、産業連携・地域振興部会中間まとめ(案)について事務局より御報告いただきます。
それでは、資料3と4に基づいて、事務局からよろしくお願いします。
【對崎課長補佐】 ありがとうございます。本日、議題1、議題2でも、様々な先進的な取組や今後の取組に向けてということで、有識者からも御発言等をいただきましたけれども、資料3と資料4が先般より御議論させていただいた中間まとめ(案)になってございまして、資料3がポイント資料のポンチ絵で、こちらは前回説明をさせていただいたものに4枚目だけを附属していますので、文章のほうで今日はざっとポイントだけ説明していきたいと思います。資料3と資料4をお手元に御用意いただいて、投映は資料4でお願いします。
こちらの中間まとめ(案)は、前回骨子のものを肉づけして文章化してございます。具体的なエンジン1、エンジン2等々の取組の具体的な方策や取組例ということで、方向性を示しております。目次のほうはこのように前回と同じでございまして、「はじめに」と「背景」の部分は少し長いので割愛させていただきますけれども、「はじめに」の2ページの最初には、イノベーション・エコシステムの定義や産学連携という言葉の使い方等で定義を置いてございますし、基本的に大学と国研を並列して書いているところは、「大学・国研等」と表記しているような形になってございます。
少し飛ばして内容のほうは5ページ目でございます。2ポツ、「第7期科学技術・イノベーション基本計画期間にあるべきイノベーション・エコシステムの姿(総論)」ということで、これはポンチ絵で言うところの1枚目に当たるわけですけれども、ポイントだけ少し読み上げというか説明させていただくと、1段落目の本来の産学連携の目的、本件の議論の出発点及び前提として、産学連携はそれ自体を目的とするべき事柄ではなく、産業競争力・研究力強化等の一つの重要な手段であることを認識する必要があると。特に地域振興の観点からは産学連携の一つの成果の中に社会実装や地域の貢献、民間企業・スタートアップの成長などの発展が期待されると。その上で、特に我が国が産学連携を通じて産業競争力強化や研究力強化の観点から期待される、多様で厚みのある研究大学群が「点」ではなく、「面」として多元的・包括的に機能し、我が国、ひいては世界全体の知の総和や価値向上に寄与すべきであると。こういう位置づけとして、そのほか2段落目にエンジン1の話、3段落目にエンジン2の経営力強化の話を書いてございます。
そのページ、下のほうから「開かれた研究大学群を実現するために取り組むべき事項に関する論点(案)」ということで、エンジン1、エンジン2の説明を書いてございまして、こちらはポンチ絵で前回お示ししていることを文章化して書いてございますが、6ページ目ですけれども、丸1、丸2、丸3と様々な機能ということで書いた上で、最後の段落、「これらについて」というところですが、これらについてスタートアップ共同研究創出機能で創出されるような大学の基礎研究に基づくPoC成果、スタートアップが丸2のガバナンス、スタートアップ成長支援機能で加速して得られたエクイティー知財等が収益最大化・人材確保戦略のための機能として活用されることで、大規模な外部資金や人材、新たな「知」が各大学へ還元されて好循環の加速が望ましいということを書いてございます。
次の7ページ目の2段落目ですけれども、こちらは「また」以下のところに、前回ヒアリングで御対応いただいたNINEJPの取組として、NINEJPのような取組がグローバルで戦えるスタートアップの創出・成長支援やプラットフォームの自律化に向けた、自治体・金融機関等との連携といった取組として推進されていくと。こういう中で大学のアセットを充実させることや、プラットフォームとの接点を担うマネジメント体制を確立することなどが重要ということで記載してございます。
エンジン2につきましては、基本的にJ-PEAKSの取組等をベースに書いてございますけれども、一応、エンジン2の「また」以下のところで、大学を核とした地域振興策としては、産学官共創システムの構築を掲げたCOI-NEXTをはじめ、J-PEAKS、大学発スタートアップ支援、人材育成プログラム等を有機的に組み合わせることで、地域大学を地域課題解決と成長のハブへと転換し、研究・教育・社会実装が連動する持続可能な地域大学振興モデルを確立していく必要があると。
その具体的な取組として、J-PEAKSの理念等を書いてございます。資金・人材・研究環境についてというところは、ポンチ絵に書いたものを文章化して載せてございます。
続いて最後、8ページ目の(3)ですけれども、両エンジンを連携して効果的に駆動させる方策として、こちらに書いてございまして、9ページ目の頭にかかってしまいますが、両方のエンジンの連携として、産学連携を担当する部局・部署と大学本部の一体的運営や、産学連携支援と経営力強化を両立した大学としての戦略立案、策定・実行などを大学のケースの確かなコミットメントの下で、有機的に連携させていくことが必要であると。その上で「開かれた研究大学群の必要性」というところで、大学のガバナンス改革とセットで、これからの産業を担う経済圏や我が国における重要技術分野の研究開発、社会変革を牽引する人材育成などの核となる開かれた研究大学群を形成することが必要であるということで、そうした研究大学群に必要となるようなシステム改革や資金の多様化・柔軟化等について記載しておりまして、10ページ目に具体的な方策として、こちらは今回、資料3でつけているポンチ絵の4ページ目でございますので、文章でもポンチ絵でもどちらでもいいんですけれども、投影は資料3のほうに変えてもらえますか。
こちらはイメージですけれども、「開かれた研究大学」による機能統合と多様な外部組織・コミュニティーとの連携というイメージで、大学が中核となって産学官の、大学間で産業競争力強化のためのイノベーション・プラットフォームみたいなものを構築して、中核機関となる大学が様々な機能をほかとの連携の中で担っていくということで、例えばプラットフォームに期待される機能としては、基礎研究の成果を学内外へ透明化・可視化したり、研究の戦略立案や融合研究等に関するシンクタンク機能を持ったり、ELSIや研究セキュリティーに対応するような機能を持つなどのプラットフォームとしての機能を、もちろん一つの大学だけでは担えないものも多いと思いますので、それが複数の大学であったり、国内外のグローバルな経済圏と接続を通して、このような機能を大学がハブとして持つという考え方をイメージにしてございます。
こうした取組を大学中心に進める中で、国内外の地域・自治体、上に書いてある経済圏のステークホルダーとの関係性が構築されて、大学が中心となった研究大学群の形成と、研究力の底上げ、産業競争力の強化といった観点が期待されるということで、このようにまとめてございます。
本文に少し戻っていただきまして、最後、「結語」のところです。これは中間的なものでございますし、現時点での方策を取りまとめたものであるという留意点と、あくまで記載した例が参考とするものであって、必ずこういうことをやるということを何か明示するものでもないということと、また産業種によっては、最適な方策はもちろん異なるということで、活用の一助としていただきたいということで、簡単ですが、結語を記載してございます。
説明は以上でございますので、皆様からの御意見をよろしくお願いいたします。
【久世部会長】 御説明ありがとうございました。
それでは、御意見、御質問をよろしくお願いいたします。宝野委員、よろしくお願いします。
【宝野委員】 どうも御説明ありがとうございました。
これまでの科学技術イノベーション基本計画では、学術機関が「大学等」としか書いてありませんでしたが、今回、この文書で「大学・国研等」としていただいたことに感謝を申し上げます。
【久世部会長】 ありがとうございます。
続きまして、北岡委員、よろしくお願いします。
【北岡委員】 御説明ありがとうございます。
私自身、最後に述べていただいた大学間連携と大学と国研の連携というのは必須だなと思っていて、さっき久世部会長がおっしゃった、大学間が競争することは重要なんですけれども、競争し過ぎて産業界からすると、どっちの大学の技術を使ったらいいのかとか、こっちが使うとこっちが邪魔するんじゃないかというのは、産業界から見て非常に厳しい目線で見られているところもあるので、エンジン1、エンジン2を稼働するに当たっては、ぜひその大学間が群となって、社会や企業に連携していくというところは強調いただければすごくありがたいなと思いました。
その前提なんですけれども、1個欠けているかなというのは、私がJSTのSTART事業の大学のPOをやらせていただいて感じるのは、やはりトップ大学と地方大学の知的財産に関する予算があまりにも違い過ぎるところがあって、エンジン1をやるにもエンジン2を回すにも、そのガソリンというか、もともとキーとなる特許がなければ回りようがなくて、それに対するノウハウというのはかなりまだ差があるのではないかと。我々の大学でもなかなか、今でも特許法第30条を適用するような教員がいますし、なかなか学術と知的財産というのが全てに理解されているわけではないと思うので、その部分については今回、こういうまとめをするに当たっては、もう一度知的財産の重要性なり戦略というのは追記してもいいのかなと思いました。
私からは以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、高木委員まで、まず御質問、御意見をお願いします。
【高木委員】 ありがとうございました。大変よくまとめられていると思います。
特に文章の中で出てくるキーワードで、例えば5ページで「産業競争力・研究力強化等」と書いてあります。「産業競争力」という言葉が出てきたことは、産業界の立場としては大変すばらしいと思います。表現の順番で研究力強化より先に出ているのがすごいと思いましたが、これは循環と捉えると順番はどちらでもいいのかもしれません。また、6ページで「収益最適化」という言葉も出ています。これも大変重要だと思います。5ページに「第7期科学技術・イノベーション基本計画」が表題に出ていますので、事前にこの基本計画の答申を見てきました。基本計画の第5章の表題が「産学官を結節するイノベーション・エコシステムの高度化」ということで、記載されている計画のほとんどがこの部会の所掌だと思います。特に冒頭のところで、「産学連携は、研究開発成果の社会実装を加速し、その過程で生まれた資金・人材・新たな知の流動性を高めるものである。これらを、次の研究力の原資として活用することで、大学の総合的な研究力の底上げにもつながると期待される。」と書かれています。おそらく、文部科学省がこの章には深く関与されたと思いますが、すばらしいと感激しています。
それから、前回の部会で、産学連携の民間投資額に関して目標値を設定するかということを質問させていただきましたが、基本計画の答申を見ると2030年度に1,500億円という数値の目標が出ています。達成の有無にあまりこだわりたくないのですが、一方で、目標を設定すると、それをブレークダウンしたときの政策がより具体的になると思いますので、目標設定することは大変重要だと思います。
以上のように、産学官連携による、大学等の財務基盤強化、研究力強化を強調していただいているのですが、大学の部局により取組にかなり差が出るのではないかと思います。工学系や医学・薬学系などはよいですが、基礎研究の理学系や人文社会科学系はどうだということです。誤解があってはいけないので、その配慮は必要ではないかと思います。
将来、工学や医薬系などが、より多くの民間資金が得られたときに、おそらく公的な競争的資金は、基礎研究などに回る比率が高まると思いますが、現状を考えると、基本計画にも、公的資金も増やしていくということが書かれていますので、可能であれば、この中間まとめに基礎研究や人文社会科学系への配慮も入れていただくのがよいと思います。
以上でございます。
【久世部会長】 ありがとうございます。
今、江戸川委員も挙手いただいているのですが、まず最初の3名の方、宝野委員は国研を並べていた感謝の辞だったと思うんですけれども、北岡委員、高木委員の御意見、御質問を中心に、事務局のほうから回答をお願いします。
【對崎課長補佐】 ありがとうございます。
宝野委員も、まず、大学と国研ということで、ありがとうございます。そこは最大限配慮してというか、我々のポンチ絵の中でも「大学の経営力強化」という文脈ではありますけれども、そのステークホルダーの関わりとして、当然、研究力の高い国研、開発大学との連携についても言及しておりますので、大学と国研ということでしっかり産学連携の観点では並べていきたいと思っております。ありがとうございます。
また、北岡先生から御質問のあった大学間競争がきっちり群となるような形というのと、知財に関する大学間の差みたいなものに配慮してというところで、これは特にエンジン1の関わりではありますけれども、知財ガバナンス・スタートアップ機能強化という文脈の中でも触れていきたいと思っておりますし、これはこれで一つの重要論点ではあるので、この部会のほうでもかなり知財というのは重要案件として扱ってきましたので、今後の具体的な方策に関してはこれからというところにはなりますけれども、引き続きしっかりと深掘りしていきたいと思ってございます。
また、高木先生から7期に関しても御紹介いただきまして、どうもありがとうございます。まさに、このまとめのお題目というわけではないんですけれども、第7期期間におけるイノベーション・エコシステムの姿をまとめるというところが、この中間まとめの一つの意義でもございますし、そうした点に配慮していきたいということと、おっしゃっていただいた部局による差というのはまさにこのポンチ絵で言うところの、大学の経営力がしっかり強化されて、多様かつ戦略的な資源配分に至るということが強調したいポイントでありまして、稼いでいるところだけにうまくお金が回るのではなくて、大学全体で研究力の底上げにつながるような経営力強化になるというところが重要点ではございますので、そこは決して医学、基礎研究のところの重要性を否定するものではなくて、むしろ基礎研究のような研究力の底上げにつながるものが重要であるという点はしっかりと伝わるような形にしていきたいと思ってございます。
以上です。
【国分課長】 1点だけ補足というか。高木委員が御指摘の第7期の第5章に書いてある文章というのは、我々、先方の事務局とも連携しながらやっていまして、ただ、我々がああいう文章を相談するに当たってのまさに根拠として、この部会でこういう議論をしているのだからということで、この部会での議論を反映させていただいたという形になっていますので、まさに早速、使わせていただいているということでございます。
【高木委員】 ありがとうございます。
【久世部会長】 国分課長、ありがとうございます。
それでは、続きまして江戸川委員、よろしくお願いします。
【江戸川委員】 どうもありがとうございます。まず、この中間まとめについて全体的には非常によくまとめていただいていると思っておりますので、特に異存はございません。
私が注目し、期待しているところは、10ページにある「開かれた研究大学群」で、プラットフォームを形成するというその構想と、特に10ページの(3)丸2に書かれている、箇条書で機能として列挙されている項目です。さらっと書いていますけれども、1個1個は大変なのですが、こういう機能をしっかり備えていくということで、高度化していきますし、大学改革にもつながっていくと思います。これを単独大学でやるのが難しい、もしくは合理的でない場合は、プラットフォームというのは大変期待できる取組だと思いますので、注目していきたいと思います。
そこにも関連するんですけれども、最後にある知の価値化のところ。これは私も産学官連携ガイドライン追補版の策定に関わって、そのときに知の価値づけが重要だということで、コスト積み上げの価格交渉から、アワーレートを織り込むことの合理性や、本来は総額方式があるべき形で、総額方式で交渉できるようになるのが望ましいということを唱えてきたわけですけれども、なかなかそういった取組が普及していないと思うんです。
御存じのとおり、今、大学は財政的に非常に厳しい状況を迎えてきているわけですけれども、そういう中で、例えば共同研究を総額方式で報酬交渉するということも議論には挙がっていると思うのですが、なかなか実行段階でいろいろな障壁があって実現できていない大学が多いと思っていまして、この辺りの原因を改めて究明していただいて、1個1個障壁を取り除くということをぜひやっていただきたいと思っています。例えば、もしかしたら税制が問題の一つかもしれないとか、あとは事務局側の対応力や意識に課題があるかもしれないとか、そもそもの交渉力に問題があるかもしれないとか、いろいろ考えられるところです。この点をぜひクリアして、産学連携を活発にやっていくと、規模は大きくなるけれども、大学運営も先生方も全く楽にならないという状況から脱却して、先生方が非常に研究をやりやすくなるとか、雑務から解放されるとか、しっかりメリットが享受できるような発展の仕方を目指していただきたいと思います。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
まず、御意見を先にいただきます。続きまして、オンラインの小池(聡)委員、よろしくお願いいたします。
【小池(聡)委員】 御説明ありがとうございます。
前回の委員会でもコメントさせていただいた、ガバナンスやインテグリティーなどもきちんと入っており非常によくまとまっていると思います。今、実は私、長岡におりリモートで参加させていただいておりますが、昨日、長岡技術科学大学のJ-PEAKSのイベントがありました。COI-NEXTで長岡技科大を担当していることもありまして、そこでいろいろお話しさせていただきましたが、まずCOI-NEXTとかJ-PEAKSなどの文科省/JST事業の連携というのが、地域の活性化に寄与していて、長岡技科大自体も学長から教員、先生方、学生を含めて、非常にモチベートされ、市長のコミットも強く地域ぐるみで非常にいい形に進んでいます。やはり、J-PEAKSやCOI-NEXTなどの連携ということも報告書に触れられていますが、これは非常に重要なんだなと改めて感じています。
それと、この長岡技科大は、学生さんがほとんど全国の高専から来ているということもあって、実はこのイベントに、全国の高専の先生方とか学生さんたちも参加していただいていたんです。そういう形で大学がハブになって全国がつながっていく地域というような図式が、いろいろな切り口でできるなと。ですから、大学、産業界、自治体だけではなくて、もう少し高等学校、高専、そこら辺から地域を底上げしていくということは非常に大事ではないかと思っています。特に長岡技科大の拠点はGXと、あとは、新潟は農業県でありますので、農業・食料のところがテーマになっているんです。地政学的なリスク含めて、安全保障という観点で言うと、化学肥料原料のほぼ100%を輸入に頼る我が国の食料安全保障上の問題は大きく、政府の経済安全保障重要技術育成プログラムでは、私も食料安定生産分野の委員に就任していますが、合成生物学であるとか微生物、データ科学を利用した肥料成分の有効活用・省肥料化・肥料生産等に関する技術開発が、かなり大きなテーマになってきています。て
科学技術分野での経済安全保障重要技術は非常に重要で、今回の報告書にも書かれていますけれども、地政学的なリスクも高まり、政府の重要課題になっていることからも、この産業連携・地域振興部会として、この辺の観点をもう触れられると、より今の時世に合った報告書としての意味が増してくるのではないかと思いました。
以上、感想です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、続きまして上田委員、オンラインからよろしくお願いします。
【上田委員】 ありがとうございました。私もこの資料全体は非常にうまくまとめられている印象を受けました。
特にスライドの4ページ目、本文では9ページ目、10ページ目になりますが、「開かれた研究大学による機能統合」という4枚目のスライドの絵を見てください。これは国内外におけるグローバルな連携強化という点で、海外の大学あるいは企業と連携していくということは非常に重要ではないかと思います。振り返ってみると、我々、今、海外の大学あるいは海外企業との共同研究が増えていまして、国内のこういう取組をきちんと整理して考えるという点では、この資料は非常に参考になると思います。一方で、気をつけていただきたいのが、1つ目はこの図の中でA大学、中核機関というのがあるのですが、この中核機関をどうやって選んでいくかが重要になると思います。先ほども少しお話がありましたけれども、どうしても大学間の競争が生まれてきて、本来はこの中核機関を中心に参画機関がうまく構成されればいいという局面でも、資金配分とかいろいろな問題があって、現実にはうまくいかないケースも散見されるので、中核機関の選定に関してはうまいやり方を考えていただきたいということが1点目です。
2点目は、この絵全体は非常にうまく書けていると思うのですが、やはり参画機関であるB大学、C大学、D大学、これらもそれぞれ、海外との協働が必要になってくると思います。ですから、ここに入ればいろいろな海外の人たちに会えるということだけではなく、それぞれの大学が「開かれた大学」という視点をきちんと持って、国内海外との協働体制をきちんと確立した上で、こういうところに参画することも必要であるというのが表現されると、さらによくなるという印象を受けました。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、3名の委員の方々、江戸川委員、小池(聡)委員、上田委員の御意見、御質問に関しまして、事務局のほうからよろしくお願いいたします。
【對崎課長補佐】 ありがとうございます。
まず江戸川先生、丁寧に読んでいただきまして、どうもありがとうございます。また、コメントも大変応援をいただくという感じで、ありがとうございます。まさに10ページの機能については、あくまで例として書いているものですけれども、おっしゃるとおり、一つ一つはかなり我々もこういうことをやればとか、具体的にこういう大学が既にやっているというのをまだ見つけられているわけでは必ずしもないのですが、実際に本当に、どこかの大学に中心になっていただくということを考える中ではさらに深掘りした議論、特に「知の価値化」という観点に関してのガイドライン等もまた経産省と様々議論しているところですので、実際に実働させるという意味での機能の深掘りというか、より解像度の高い議論をしていきたいと思っております。ありがとうございます。
小池(聡)先生からの御指摘ですけれども、地域の底上げという観点でもう少し高専とか高等学校も含めた内容でありましたり、食料安全保障、経済安全保障のような観点で、まさにそれは7期の包括というところであまり我々のほうでは強調していなかったですが、産学連携、地域振興と密接に関係してくるテーマではありますので、そこは7期のリンケージも含めて、もう少し強調した書き方にさせていただきたいと思っておりますし、実際、様々な事例を見る中でも必ず経済安全保障、食料安全保障のような、COI-NEXTのテーマもそういうテーマもかなり多くはなっていますけれども、重要な観点ではあるので、そこはしっかりとそういう時流をとらまえた産学連携・地域振興政策であるという点は強調させていただきたいと思っております。どうもありがとうございます。
あと、上田先生からも御指摘がありました。これはあくまで例ではありますけれども、おっしゃるとおり、この「開かれた研究大学」という表現も、我々のほうでまだどういう表現がいいかというのを考えながら検討しているところであるのですが、公共性、オープンネスというか、「開かれた」という文脈の中で、参画する大学がそれぞれつながっていくところももちろん重要だと思いますし、実質的な連携というのが何よりも重要だと思っていますので、参画機関をどうやって選ぶとかいうことも含めて、あくまで「選ぶ」という観点もそうですけれども、中核機関となるような大学が存在するという前提で実質的な連携が行われるように、具体的な政策をつくる上では検討していきたいと思っております。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。
ほかに御意見、御質問……高木委員、よろしくお願いします。
【高木委員】 ありがとうございます。
今、上田委員から、海外の大学あるいは海外企業との共同研究が増えているというお話がございました。前々回の第12回部会に配付していただいた資料3の「関係省庁等の取組について」の中で、「世界で競い成長する大学経営のあり方について」という文部科学省と経済産業省の合同の研究会の資料がありました。その中で、「日本企業の外部委託支出研究開発費の推移(国内・国外)」のグラフがあります。日本企業が海外に投資する研究開発費が、全体として増えています。この辺は必要に応じて分析するとして、今回、この中間まとめでいろいろな方策や方向性が書かれています。スピード感を持って政策に反映していく必要があると思います。
以上でございます。
【久世部会長】 ありがとうございます。
まず、まとめて。続きましてオンラインの田中委員、よろしくお願いいたします。
【田中委員】 資料を本当に一通り拝見して、とてもよくまとまっていると思っています。一方で、本日の九大OIPさんの話をお聞きし、非常にうまくいっていながらも、そこに至るまでに随分御苦労されて、ようやくたどり着いたという印象を持ちました。今回の提言について目指すべき新たなゴールについて、地方大学の現状と照らし合わせると、あちこちに埋めるべきGAPが相当あるようにも感じました。今後地方大学がゴールに向かって改革を進めるにあたり、是非とも実践を側面支援するようなプロジェクトなどを、文部科学省として次々とご提案ならびに予算化いただき、各大学が少しでもゴールに到達しやすいサポートを引き続き強化していただくことが、1つでも多くの成功事例が産まれるためには必要だとあらためて認識した次第です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、今の高木委員、田中委員の2名の委員の方々の御意見に対しまして、事務局、よろしくお願いします。
【對崎課長補佐】 高木先生から御指摘いただきました研究会のほう、まさに同じ並行して彼らと議論していまして、彼らの研究会、我々は共同事務局でありますけれども、産業界の方にも数多く入っていただいて、大学の経営力、世界で競う大学に関する経営力強化という観点でありますが、それがまさに産業競争力の強化とか、大学を所管している我々の立場からすると研究力強化みたいなものにつながってくるんですけれども、そのまとめをつくる中でも、まさに海外の企業とか大学との連携、海外の事例なんかもかなり紹介していますので、また、この委員会でもどういう議論をしてきたか等のフィードバックもさせていただきたいと思いますし、今いただいたようなお話というのは、我々の政策のほうにも生かしていきたいと思ってございます。
また、田中先生からも御指摘いただきまして、ありがとうございます。ポンチ絵の今回出している1ページにはできるだけユニバーサルな絵として、こういう2点のエンジン、1エンジン、2エンジンと書いてございますけれども、それぞれの大学がどこを選択するか、右上にあえて強調して、「他大学・自治体・産業界等の新たな関わり」というふうに書いているのは、必ずしも全ての大学がこれで同じようにやるということではなくて、大学の状況に応じて、様々な関係者、もちろん地域を含めた関係者との連携を図っていくという意味で書いてございますので、実際、様々な大学の事例を我々も聞いてきておりますけれども、できるだけ全ての大学関係者に参考になるような材料としていければと思っておりますし、それに向けた政策の検討を進めていきたいと思っております。
ありがとうございます。
【久世部会長】 高木委員、田中委員、よろしいでしょうか。
【高木委員】 はい、ありがとうございました。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、時間になりました。本当に活発な御意見、それから御議論、ありがとうございました。上田委員のお話にありましたように、ポンチ絵の4ページの海外の大学とか国の研究所からすると、海外の企業とか海外の自治体も視野に入れるというのは非常にいいなと思いました。それから、途中、同じような観点で、日本の企業はまだまだ国内の大学とか国の研究機関への投資より海外のほうが多い。ここは抜本的に何が問題だということは、この委員会には産業界の委員もいるわけですけれども、国外の経営者とかCTOのヒアリングみたいなことも企画すればどうかなと思いました。
日本の企業がなかなかコーポレートの研究所も閉じているようなところが増えておりまして、そもそも基礎研究に対する考え方とか経営の戦略、具体的なテーマというよりは、その辺に対する考え方、でも、片やCVCを通しての海外のスタートアップとか、大学への投資は確かに増えているわけです。だから、その辺りの抜本的な原因分析は進めていただいたほうが、我々も協力いたしますのでぜひよろしくお願いいたします。
それでは、ありがとうございました。最後に、事務連絡として今後の予定等について、事務局よりよろしくお願いします。
【對崎課長補佐】 ありがとうございます。
中間まとめにつきまして御意見もいただきましたし、本日、御欠席の先生方もいらっしゃいますので、またメール等で御連絡させていただきますけれども、今週中などをめどに御意見、御質問、コメント等をいただいた上で、皆様からの御意見を集約して、部会長と事務局のほうで相談させていただいて、中間まとめという形で、もちろん事前にお送りした上で最終的にまとめの案を取るという形の作業を進めていきたいと思ってございます。
また、本日の議事録についても、いつものとおり、事務局から委員の皆様にメールで確認をいただいた上でホームページに公開を進めてまいります。
本日も御多忙の中、御出席、御参加を賜りまして、貴重な御意見等ありがとうございました。
事務局からは以上でございます。
【久世部会長】 これをもちまして、第14回科学技術・学術審議会産業連携・地域振興部会を閉会といたします。
本日はどうもありがとうございました。
―― 了 ――
科学技術・学術政策局産業連携・地域振興課