令和7年10月29日(水曜日)13時~15時
文部科学省東館15階 科学技術・学術政策局会議室1 及び オンライン(Zoom)
【久世部会長】 それでは、ただいまから第12回科学技術・学術審議会産業連携・地域振興部会を開催いたします。
本日はお忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
定数14名のうち、対面での御出席は5名、オンラインでの御参加は6名で、7名以上の定足数を満たしていることを確認いたしました。
まず、事務局より留意事項等、お願いいたします。
【對崎課長補佐】 久世部会長、ありがとうございます。
文部科学省産業連携・地域振興課の對崎でございます。本日もよろしくお願いいたします。
委員の皆様、本日はお忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
では、いつもどおりでございますけれども、事務運営の関係で御連絡を申し上げます。
まず、本部会は原則公開という運営規則がございますので、そちらに基づいて、本日も公開としております。一般の方々にも傍聴いただいております。
また、事務局といたしましては、前回、第1回を6月に開催いたしまして、7月に着任している者がおりますので、順次、御紹介させていただきます。
まず、科学技術・学術政策局長の西條でございます。
【西條局長】 西條です。よろしくお願いいたします。
【對崎課長補佐】 よろしくお願いいたします。
また、オンラインで本日、総括官の井上が入っております。出張先からオンラインでつないでいるというところで、今、画面上は管理リストの中にいなそうなので、また入りましたら御紹介さしあげます。
また、産業連携・地域振興課長の国分が着任しております。
【国分課長】 国分です。よろしくお願いします。
【對崎課長補佐】 また、産業連携推進室長に、溝田が着任しております。
【溝田室長】 溝田です。よろしくお願いいたします。
【對崎課長補佐】 また、従来から着任しております拠点形成・地域振興室長の平野も本日、出席をしております。よろしくお願いいたします。
進行上の留意事項について、次に申し上げます。ウェブ会議を円滑に行う観点から、オンラインで御参加の委員の皆様におかれましては、ハウリング等を防止する観点から、御発言や、事務局への御連絡以外の場合は、マイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
また、御発言時は、対面で参加の皆様は、名立てを従来どおり立てていただくか、あるいは挙手等で御合図を頂ければと思います。また、オンラインで御参加の委員の皆様は、挙手ボタンを押していただいて、部会長から指名を頂きましたら、カメラ・オンの状態で名前をおっしゃってから御発言いただきますよう、お願いいたします。
また、会議中、僭越ではございますが、各参加者の名前等の表示やミュートの設定等を事務局のほうで切り替えさせていただく場合がございますので、御了承ください。
御質問、御意見の際は、Zoomの挙手ボタンを押していただきますようお願いします。
ここで、総括官の井上が入っておりますので、御紹介いたします。7月に着任しております総括官の井上でございます。よろしくお願いいたします。
【井上総括官】 お願いします。
【對崎課長補佐】 ありがとうございます。
では、本日の資料でございますけれども、議事次第に続きまして、資料1から資料3、会場にお越しの委員の皆様のお手元には、資料3の本体といいますか、資料3に記載してございます資料そのものをお配りしてございます。
それでは、進行は部会長のほうでよろしくお願いいたします。
【久世部会長】 對崎補佐、ありがとうございました。
本日の議事は、三つです。まず議題1は、「今後の産業連携・地域振興施策における主な論点と取組の方向性について」、議題2は、「令和8年度概算要求等について」、最後に議題3は、「関係省庁等との取組について」を予定しております。
それでは、まず議題1の「今後の産業連携・地域振興施策における主な論点と取組の方向性について」です。事務局より御説明いただきます。
それでは、まず資料1に基づいて、事務局からお願いいたします。
意見交換は、テーマごとに三つに分けて行いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、對崎補佐、よろしくお願いします。
【對崎課長補佐】 部会長、ありがとうございます。
それでは、資料1を御用意いただければと思います。投影もしてございます。
今産業連携・地域振興部会におきましては、前回6月に開催のときに、テーマとして、こちら表紙に掲げてございます三つ、一つが大学等発スタートアップの支援についてということと、二つ目のテーマとして、産学連携の、特に共同研究の大型化や知財の戦略的な扱い等について、また三つ目といたしまして、地方大学の振興の観点から、地方大学の振興に関する科学技術・イノベーション施策の観点からの方策についてということで、それぞれのテーマにつきまして、取組の方向性として、大学の体制に関すること、大学同士や大学外との連携に関すること、その他両方に関することという形で整理してございますので、こちらを簡単に御説明させていただきます。
最初のほうは前回の振り返り等がございますので、まず5ページを御覧いただけますでしょうか。
こちらは、一つ目の大学等発スタートアップ支援についてでございますが、課題論点といたしましては、大学等発スタートアップに関しては、成長を見据えた今後の支援の在り方ということで、文部科学省のほうでも、今年度から次世代オープンイノベーションのモデル事業を開始しておりますが、このようなものをどのように発展させるべきか。また、基金事業等で大学等発スタートアップが増えておりますけれども、こうしたスタートアップへの資金供給、特に地方大学等ではVCが少ないから不利な状況といったことも考えられて、こうした状況で、どのように資金供給をしていくべきか。また、アントレプレナーシップ教育につきましては、大学生向け、小中高生向けということでそれぞれ行っているわけですけれども、それぞれについて、今後の質の充実や裾野の拡大に向けて、どのような取組を行っていくべきかということを課題論点として挙げてございます。
次に、また少し飛びまして、10ページでございますが、こちらは産学連携についてということですけれども、表紙のところで申し上げたとおり、大型化という意味で、今後、大型化の定着・普及を進めていくための取組として、どのようなものがあるか。また、地方大学で産学連携の機能をどのように持つべきかということ。また、三つ目、四つ目として、知財権の質と量の確保に関する取組をどのようにするかと。またそのような観点から、四つ目として、産学連携体制の一部を子会社化して外部化する動き等、大学内外のバランスや連携を図りながら、産学連携体制をどのように整備・推進していくかといった観点が課題論点として考えられます。
次に、三つ目の論点に関して、13ページを御覧いただけますでしょうか。
地方大学振興という観点では、組織対組織の連携に向けた大学の取組・機能を充実させるための個別事例の横展開でありましたり、個々の大学だけでは扱えないような大学の状況において、産学官連携機能の内製化や外部化をどのように考えるか。また、特に地方大学振興の観点からは、大学のシーズと地元企業のニーズのマッチング等に課題がある場合に、遠隔地等の連携も含めて、どのように進めていくべきかといった課題や論点が挙げられます。
次に、15ページを御覧いただけますでしょうか。
三つのテーマに関して、取組の方向性として、大きくは大学の体制に関することと、大学の外の、大学同士の連携等に関するものと、両方に関するものという形で分類してございますが、こちらの紙につきましては、6月の開催以降に、委員の先生から個別にお伺いしたり、事務局のほうでヒアリング等したものを、簡潔に論点としてまとめてございます。
一つ目の、大学の体制に関することとしては、上の四角の中に書いてございますけれども、スタートアップの支援や知財戦略を実行する人材や体制、学内の環境等をどのように構築するかと。また、研究者の知財に関するインセンティブ設計を含めて、どのように戦略的に知財収入を拡大していくべきかということで、方策の一つとして、外部連携や大学子会社の活用ということは考えられるのではないかということで、ここに記載してございますので、一例としてお考えいただければと思いますが、大学の外部連携や子会社の活用に関しては、複数大学の連携や自治体との連携で、一部機能を大学のほうで補完・強化することや、それに関わるような専門人材の確保・育成、意思決定の迅速化等のメリットが考えられます。
検討のポイントは、下に書いているような、具体的にはどういう人材をどこから集めてくるか、あるいは外部機関との連携や、子会社に何を行っていただくとか、その際のメリット・デメリットみたいなものが検討のポイントとしては考えられると思います。
次に、16ページでございますが、大学同士や大学外との連携に関することにつきましては、複数機関による共同実施や遠隔地の産学連携のマッチング等の具体的方策ということで、その一つとして、遠隔地にある大学と企業の連携について様々、今、取組が行われている例も委員の先生から御紹介いただきましたけれども、一つの考え方としては、この図にも描いてございますとおり、大型拠点として、国の様々な事業に採択されている大学を中核として、それらの大学と、参画機関として大学のサテライトでありましたり、企業に共同研究室をつくっていただくような形、あるいは地方大学が参画機関となって、大型の拠点と連携するような形などが考えられるかと思います。
次のページをお願いします。
また、その他としまして、大学内、大学外両方に関することとして、特に上の四角のほうですけれども、国の支援の終了後に、どのように持続性を持って自走化していくか、ノウハウや価値を継承していくかといったところの具体策でありましたり、文科省のほうでも、大学等発スタートアップの創出に関しては、出口までの支援をしておりますけれども、その中で不足している点やミッシングピースといったものは何があるかということで、二つ書いてございまして、一つは、大学等発スタートアップの成長支援ということで、こちらは、後ほどまた別の議題で御紹介させていただく、文部科学省の次世代オープンイノベーション形成モデル事業という中で、大学等発スタートアップに関する成長支援のモデル形成をトライアル的に行っております。こうした事業も使いながら、大学等発スタートアップと企業との協業といった支援の在り方といったものが、どういうようなものが必要かといったことが考えられます。
また、産学連携の大型化に資する研究力の強化ということで、こちらは産業界が関心を示すだけの研究力や研究シーズを、どのように学内集中投資的に行うか、そのための研究者のクリティカルマスの達成をどのように図るべきかと。特に、地方大学のようなところでも、そのようなことを達成するにはどういう支援が必要かといった観点が考えられます。
次のページをお願いします。
こうした具体的な方向性や方策を検討するに当たってということで、こちらも委員の先生方等からお伺いした事例を基に、ポイントとして整理しておりますが、三つございまして、一つが、産学連携と何かを組み合わせる。例えば教育だったり、地域との連携であったり、都市開発といったものを組み合わせる形で、強みや独自性を出すということ。
そして、その取組自体をどのように評価していくかといった点で、検討の観点のところに幾つか書いてございますが、企業から要請があった形で研究所を大学の中に創設することでありましたり、地域に将来、裨益する学生の教育を、大学がもちろん中心になって行うといったこと。また、企業が必要とするような製造や生産ラインに関する大型設備を大学のほうで保有して、それをどのように整備・共用していくかといったこと。また、大学だからこそ収集・活用できる唯一無二のデータといったものを中核にして、それを産学連携にどのようにつなげていくかなど、大学の研究を核としつつも、地域性や独自の技術や人材育成などの観点をどのように組み合わせるかといった点。
こうしたことを考えるに当たって、二つ目の丸として、産学連携の範囲をどのように考えるか、産業界、企業に加えて、県・市・町といったステークホルダー関係者をどの範囲で巻き込んで産学連携をつくっていくか、あるいは金融機関や市民等のステークホルダーをどのように広げていくかといった点や、関係性の構築の在り方といったものが検討の観点としては考えられるかと思います。
また、三つ目として、成長・拡大に向けた仕組み・制度設計ということで、国プロが終わった後、あるいは継続的に大学で行っていくに当たって、検討の観点としては、起業後の人材の資金の不足やスケーラビリティの限界、専任体制の不在といった課題にどのように対応していくかといった点を、併せて検討する必要があるかと思います。
次のページをお願いします。
最後は参考図でございますけれども、こちらはイノベーション・エコシステムということを大学・国研目線で考えた際の簡単な図でございますけれども、従来は、上の緑の四角に書いているような観点を、文部科学省の施策としても、特に産学連携の観点で行ってきたわけですけれども、本来的に研究力の強化ということを考えたときに重要なのは、大学や国研等において財務基盤が強化されて、その基盤が研究基盤の強化につながり、研究力の強化につながる形で次の産学連携を生み出すという形が、どのようにエコシステムとして構築できるかといった観点が重要かと思いますので、参考におつけしております。
説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【久世部会長】 對崎補佐、御説明ありがとうございました。
ただいまの事務局からの説明を参考に、大きく三つのテーマに沿って御意見、御質問がありましたら、御発言ください。
三つのテーマというのは、御説明ありましたように、「大学等発のスタートアップの支援」、「産学連携」、「地方大学の振興」です。テーマ順に議論していきたいと思います。
いつものように、対面での御参加の方は名札を立ててください。それから、オンライン御参加の方は、挙手ボタンを押していただくようお願いいたします。順番に御指名いたします。よろしくお願いいたします。
最初、大学等発スタートアップの支援のところですね。完全に三つのテーマを分けるのは難しいかとは思いますが、おおむねこの形式で進めていきたいと思います。
【對崎課長補佐】 今、三つの取組の方向性も、大学の体制に関すること、大学内外と両方ということにしてございますので、3掛ける3のどの切り口からでもということは思ってございます。
【久世部会長】 はい。
北岡委員、よろしくお願いします。
【北岡委員】 大学発スタートアップ支援にかなり関わっているので、口火ということでコメントさせていただきたいと思いますけれども、今、JSTのSTART事業、全国でいろいろ様々動いておりまして、そういった意味で、ある程度、9個の拠点がうまく動きつつあるのかなというところで、まず一つ、いい事例として御紹介させていければと思っております。
一つは、先ほど言いました、大学発スタートアップの支援ということに関しましては、やはりいい地域においては、中核の大学がしっかり周囲の大学のサポートまで行いつつあるというのが一つあるのかなと思っておりまして、例えばPARKSであれば、九大、九工大が周囲の大学を取りまとめていたり、四国・中国であれば、広島大学がかなりの大学にローンチして支援を頂いているというところがあるので、そういった意味では、先ほどからお話ありましたように、大学間連携の中で、自分の大学だけではなく、周囲の大学にどうやって手を差し伸べていくかということについては今後、重要な視点かなと思いました。
もう一つは、終了後にどうしていくのかということについても、ある程度ヒントがあるかなと思っているのは、ここで名前が出てこなかったんですけれども、各地域の産業局が結構、長年支援をしてきて、その支援が今回のいろいろな9拠点と連動しているところについては、終了後も期待ができるかなと思っています。
具体的には、北海道であれば、ノーステック財団という産業局であったりとか、関西地区であれば、大阪産業局というところが関西全域を見ているというところもありますので、こういった意味で、経済産業省所管かもしれないですけれども、こういった産業局とこういった大学が連動できるような形というのがつくり込めれば、今言われたような終了後についても、各地域で自立か協力関係が保てるのではないかなと今、感じているところでございます。
私からは以上です。
【久世部会長】 御意見どうもありがとうございました。
それでは、高木委員、よろしくお願いします。
【高木委員】 高木でございます。御説明、どうもありがとうございました。
大学発スタートアップの成長・大型化は大変重要なテーマだと思います。今、御説明いただいたいろいろな施策は、それぞれ大事ですが、もう一点、研究のスタート時点のテーマの設定の段階で、事業化することについて、さらにスタートアップを起業した後の大型化について、どのくらい意識が向くかということが非常に大事だと思います。
これは産学連携も同じで、いわゆるシーズとニーズのマッチングではなくて、初めからニーズを見据えた研究テーマの設定ができるかどうかということが、非常に大事なポイントだと思います。
個人的経験で恐縮ですが、前職の企業で米国の大学発のディープテックのスタートアップに出資したことがあります。そのときの出資額は、数ミリオンドル程度、日本円で数億円程度で金額が小さいこともあり、二、三週間で出資がきまりました。
大学からの出資の提案にはビジネスモデルも提案されていました。スタートアップ企業のビジネスモデルと、前職の企業のビジネスモデルが重ならないようにうまく組み合うようなモデルまで設計して、その上での技術の提供だったので、出資がすぐに決まりました。
特許やスタートアップ企業の情報など、出資判断に必要な情報は頂きましたが、よく調べてみると、それは博士課程の学生の研究テーマでした。私は当時、現地アメリカの大学に滞在していましたので、大学の図書館へ行けば博士論文が閲覧できました。それを見ると、技術的なことが書いてありますが、要は、博士課程の学生のテーマを決める段階で、先生方はビジネスモデルを想定していたということになります。日本ですぐにこのようなことができるかどうかは別ですが、政策を進めていただく時には、このような視点も片隅においていただくことが大事だろうと思います。
大学には、研究者に加え、支援人材がおられますこの支援人材は研究開発マネジメント人材ということで、人材委員会のワーキンググループで委員として議論させていただきました。大学におられるURAのスキル標準が、もともと22項目定義されていましたが、当初はスタートアップ関連のスキルは入っていませんでした。今回、再定義をして、スタートアップ関連のスキルも入れましたので、研究開発マネジメント人材は当然ですが、研究者自身もそういうマインドを持っていただくことが大事だと思います。
以上でございます。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、まずオンラインから高橋委員、よろしくお願いします。
【高橋委員】 高橋でございます。幾つか大学発のスタートアップを立ち上げている身として発言させていただきますと、大学発スタートアップ自体の数というのはかなり増えてきているというところはあるんですが、そこの資金供給がなかなか追いついていないというところでいうと、やはり技術DD、デューデリジェンスをできる人材が少ないというところがあると思います。
これは常々、申し上げていることではあるんですけれども、いろいろな研究者にVCの方を紹介しても、やっぱり技術が分からないのでやめておきますといったような判断が、その理由がかなり多いということで、いかに投資をする意思決定側のVCと、技術が分かるような研究者をつなげていくかというところが、すごく課題だなと感じております。
あともう一つ、地方では特にVCが少ないというところが挙げられているんですけれども、今、私も東北大学の100%子会社の東北大学ベンチャーパートナーズのVCで取締役をやっていますけれども、東北大学に限らず、東北地域の国立大学の研究成果を活用したスタートアップへの投資ということを掲げていますけれども、なかなか投資対象に対してリーチができないという課題があります。
これも資金がないというわけではなくて、どこにその人たちがいるのか、うまくリーチできてないという状況があるので、そのマッチングをどうやっていくかというところで、地方のスタートアップへの資金の出し手というところも、もう少し解決できるところがあるのではないかと考えております。
以上です。
【久世部会長】 どうもありがとうございました。
続きまして、千葉委員、よろしくお願いします。
【千葉部会長代理】 スタートアップに関する取組、日本、随分やってきましたけれども、常にアメリカ型のモデルというのを見習うようなスタンスで来たところがあると思いますけれども、私自身、それは大事なんですけれども、日本の、日本型のスタートアップ、あるいはその支援というのはどういうものだろうかということを考えることが、実は独創性とか先進性を出す上では重要ではないかなと思います。
日本型は何かというと、国としての戦略とか、それから、これから必要となる大きな流れを、先を読んでいくということです。戦略性というのは、例えばリスクの低減なんかもそうなんですけれども、大体2か月に1回ぐらい、大きなものがニュースになっていますよね。大変なことが起きているとか、気候変動もそうですけれども、熊も大変だとか、米がないとか、様々なことがあるわけです。これは、実はもうとっくの昔から予想されていることばかりなんですね。
こういうことをもっと、もっと共有していくというのが、実は産業界も高い関心を示していますし、そこにどうコミットすればいいか、どう資金を流せばいいかということで、非常に迷いもある。実はそういうところに道を示せば、スタートアップとしても大きな活路が開けるわけで、しかも最終的には、大企業のようなところが資金提供して、事業化するという道もあって、必ずしもスタートアップが全ての事業化をやらなくてもいい。
こういうような日本の強みと弱み、これを見極めていって、大学発のスタートアップを支援していくというスタンスが大事なのではないかなと思っています。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、続きまして会場のほうから、小池委員、よろしくお願いします。
【小池(聡)委員】 小池でございます。大学発スタートアップのところの、特にアントレプレナーシップ教育のところについて教えていただきたいんですけれども、具体的にこのアントレ教育というのは、ちょっと5ページに書いてありますけれども、もう少し行われている内容というのを教えていただいて、それでコメントをさせていただきたいと思うんですけれども、どなたか。
【久世部会長】 では、事務局のほうでよろしくお願いします。
【大榊室長補佐】 産業連携推進室の室長補佐をしております、大榊でございます。
アントレプレナーシップ教育でございますけれども、現在、文部科学省では、大学生向けと小中高生向けに分けてアントレプレナーシップ教育、実施しておりまして、特に大学生向けについては今、大学のプラットフォーム、9つのプラットフォームを中心に、大学の中でそれぞれ大学の学生さんに対して質の高い教育プログラムを提供するということで、具体的には、例えばピッチコンテストの実施をいたしますとか、あるいは実際に授業の中で、アントレ教育として、ビジネスモデル、ビジネス仮説を作っていただいて、それを検証するような取組とか、それを外部にヒアリングをしていって、ビジネスモデルをブラッシュアップしていくようなやり方、あるいは研究と連動して、博士課程とかにもございますけれども、自分の研究と連動して、それをビジネスに変えていくような取組の評価をする、そういったようなプログラムを、大学によりますけれども、経営学部、あるいは工学部、幾つかの学部の中で、有志の先生方に集まっていただいて、こういった取組を実施していくというのが大学生向けの教育でございます。
【小池(聡)委員】 分かりました。ありがとうございます。
私も、自分自身でも何十と会社を創業し、ベンチャーキャピタリストをやっていましたので、投資もかなり多くやっていた経験で言いますと、アントレプレナーシップ教育ということで、大学とかですと、ピッチコンテストとかビジネスモデルとかってあるかもしれませんけれども、やはり座学で、アントレプレナーシップ論とかビジネスモデルの講義であるとか、そういうものが主体かなとは感じていたんですが、それはそれで非常にいいと思うんですけれども、結局スタートアップって、例えば本を読んで自転車に乗れるようにならないように、これは身体知なんですよ。
だから、農業と一緒で、本を読んで作物が作れるわけではなくて、やはりその現場に行って、病気、虫、雑草との戦い、日々いろいろなことがありながら、そこで学んでいくことが非常に多いと思うんです。
ですから、今でもやられているとは思うんですけれども、いろいろなところ、企業派遣なども含めて、そういう現場で何かプログラムされたものを用意されて、そこで経験しなさいというのではなくて、スタートアップにとにかくインターシップで行ってこいと、社長のかばん持ちでも何でもいいから経験させてやるみたいな、そういうのも少し必要ではないかなと。そこでスタートアップの厳しさも学び、あるいは魅力も学びという、これはやらされるものではないので、自分がやろうと一歩踏み出さない限りは、なかなかスタートしないと思うんです。
その辺の要素をうまく取り入れていただけると、より実効的なものになるかなとは感じました。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは次、会場から林委員、お願いします。
【林委員】 林です。今回、今までの議論、論点をまとめていただき、また、委員からのコメントもまとめていただいているので、大分、全体、どこが問題か分かってきているのではないかなと感じました。
この大学等発スタートアップ支援と、それから地方大学の課題も少し交ぜて、やはり大事な課題というのが、まずは非常にスタートアップを起こし、でかくする人、人材不足があるということと、それから特に地方なんかだと、投資金額の不足と両方あるねということ。それで、どれも多分、個々の大学の産学連携部ができる話なのかとか、地方大学の持っているVCの範囲内でできる話なのかというと、限界があると思うんです。
ここで多少ヒントになるのは、アントレプレナーシップ教育では、プラットフォームごとに共同してやろうという仕組みができつつあると。そうであるならば、先ほどの、ほとんどディープテックみたいなスタートアップを、どう最初、研究としていいテーマにするかという高木委員のポイントと、それから、投資家が目を向けるだけの、大きく成長するようなシナリオの書き方、これを指導する人間は限られているので、やはりプラットフォームごとにそういう仕組みをつくるとか、プラットフォームなのか、地域ごとなのかと、これは切り方は分からないんですけれども、こういう仕組みづくりと、お金についてもやはり同じだと思うんです。
地方の銀行辺りを巻き込む力も、一大学ではやはり難しいところもあるので、プラットフォームとしてアプローチするとか、産業界との連携も、投げた人がそこをやるということで、大学間でそこをうまくできるような仕組みを後押しするような、こういった支援が要るのではないかなと思いました。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、オンラインで田中委員、よろしくお願いします。
【田中委員】 田中です。私自身が地方の大学ファンドに10年程関わり、20社近くの様々なベンチャー立上げなどに携わってきたこれまでの経緯を思い起こしてコメントさせていただきます。まず、大学発ベンチャーの数を増やそうという議論がありますが、会社は起こすだけなら数日ですぐ起こせるので、仮に金や人が十分ではなかったとしても、先生自身が起業しようと思い立てばすぐに簡単にできます。一方で、売上などが一定規模にまで成長するようなベンチャーは、起業当初より目指すゴールをしっかりと設定し、計画を立て、その実現を目指すことが最低限必要であって、自然と気がつけば実現していた等ということは決してありません。例えば、ファンドが関わる大学発ベンチャーの場合、投資をして一定金額の回収をIPOなどにより実現することがイグジット時のイメージなので、おのずと事業規模は大きく、企業価値で言えば最低でも100億ぐらいのゴール設定をしないと、ベンチャー投資のリスクも高いので、そもそも投資機会になりません。先ほど高木委員が言われていたように、ファンドが関わる大学発ベンチャーの場合は、はなから大きくすることをゴールとした事業構想を描くというのが基本と考えています。一方で、起業時から一定規模を目指して大きく成長する大学発ベンチャーがどれだけあるかというと、ごく限られているのでは無いかと推察します。
また、ベンチャー企業の経営者を支える経営支援者がしっかりとついていることも大切だと思っています。私たちがファンドの投資先のベンチャー企業に対して行っているハンズオン経営支援とは、ベンチャーを起業した研究者に対しての、ある種のメンタリングを絶えず行っているような業務と言えます。ベンチャー経営に従事する研究者の大半は、当然ながらビジネス経験を積む機会が無いか極く限られていて、企業や経営のことがよく分からないまま、起業しているケースはかなり多いように思います。初めて経験する経営現場では、当然行うべき経営実務や、日々起きる多様かつ突発的なイベントに対応する必要があり、相談相手として経営経験を積んだメンターが本来は必要だと思います。残念ながら、地方大学発ベンチャーに関わってきましたが、メンターを務められるような経営支援人材は地方には圧倒的に不足しており、ベンチャー成功のボトルネックの1つだと思っています。
本当にポテンシャルがあるベンチャーに経営経験を詰んだメンターの方がいれば、外部から資金を持ってきたり、あるいは外部から経営人材を連れてきたり、経営陣の壁打ち相手として頼りになるわけで、ベンチャーが成長を実現する上で、経営支援人材は必要不可欠だと私は思っております。
地方大学には産学連携部門やTLOやURAなど、企業や産業界と関わる方々がおり、事業会社で働いていた方も最近は増えている印象があります。しかしながら、大学発ベンチャーに対する起業支援や経営支援者としての役割を担うために配置されているわけではなく、より広範な学内業務を担っている傍らで、ベンチャー支援もしなければならないケースが大半です。大学発ベンチャーの成功事例をより多く生み出すためには、今後新たにそのようなベンチャー経営支援を専任で行う部門をつくる必要があると思っており、機動性や柔軟性を考えると学内ではなく学外にそのような役割を担う会社を設置するのが良いのではと考えています。文科省の政策に照らせば、スタートアップ・エコシステム共創プログラムで形成した九地域のプラットフォーム毎に、そのような機能会社を作っていくというのは、実現可能性がある工夫の仕方の一例のように、個人的に考えています。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、スタートアップ観点の切り口は、これで最後にしたいと思います。高木委員から、よろしくお願いします。
【高木委員】 ありがとうございます。高木でございます。
今、人材育成のことについて、委員から御発言がありましたので、補足させていただきたいと思います。
アントレプレナーシップ教育で、小池委員のおっしゃった実務的な経験の大切さは、全くそのとおりだと思います。
ロミンガーの法則というのがありまして、この名前は、米国の人事コンサルタント会社の名前を取っているのですが、人が成長するときに、実際の実務経験から得られるものが7割あるそうです。指導者、上司などからのアドバイス・指導というのが2割。研修や座学から得るのは、1割しかないというものです。初めて聞いたときに、研修や座学は1割しかないというのは少し驚きましたが、やはり実務的な経験が非常に大事だと思います。
極端な例ですと、スポーツ科学の専門家がオリンピックで金メダルを取れるわけではないということです。小池委員がおっしゃった主旨だと思いますが、人材教育、人材育成全般について、その区別を意識する必要があると思います。
二点目で最後になりますが、人材育成するときに、そのゴール・目標を、ある程度、設定する必要があると思います。つまり、資質・能力、コンピテンシーの定義です。
先ほど、URAのスキル標準の話をしましたが、技術者のスキルの標準が、IEA、国際エンジニアリング連合という機関で13項目、定義されていて、これを8項目にブレークダウンしたのが、文部科学省所管の技術士制度の一つの基準になっています。
これと同じことが、研究者、あるいはアントレプレナーについても言えるのではないかと思います。曖昧なところも現状ありますが、なるべくクリアにしていくという方向で進めると、人材育成がより効率的に行われるのではないかと思っております。
以上でございます。
【久世部会長】 どうもありがとうございました。
それでは、次のテーマに移ろうと思いますが、参考までに、我々のところのスタートアップに関連した取り組みをご紹介します。企業の研究所の研究テーマで、事業戦略と合わないために、研究を中止せざるを得ないものもあります。ただし、そのテーマを研究している研究者は継続したい思いが強いです。そこで、一旦、研究者に会社を辞めていただき、スタートアップを立ち上げる仕組みを試行しています。たとえば、深紫外線のLEDでは、もともと名古屋大学との共同研究を実施していましたが、研究員3人が、名古屋大学とスタートアップを作り、そのメンバーとして活動しています。分野にもよりますが、大学のほうが、設備的に非常に進んでいるところもあります。データや知財の扱いで課題はありますが、このような取組も始めております。
それでは、テーマ2です。テーマ1のところで、既に産学連携の話は幾つが出ました。例えば千葉委員からの、日本型のスタートアップでは、事業化はスタートアップ単独ではなくて、産業界も一緒に実施すべきではないかという御意見もあったかと思います。
テーマ2は、特に「産学連携」という観点で御意見、御質問があれば、ぜひよろしくお願いします。
宝野委員、よろしくお願いします。
【宝野委員】 産学連携組織を法人化する、子会社化するという話があるんですけれども、これは、もちろん規模の大きな大学ではやっていけると思うんですが、これを全ての大学でやろうとしても、それはうまく機能しないと思います。
例えば私たちは、特定研発法人が三つありまして、産総研と理研が法人化していらっしゃいます。我々もシミュレーションしたんですけれども、今、大きな知財収入がある間は黒字化できるんですけれども、それが切れると途端に赤字化します。
ですから、例えば人件費を全部肩代わりしていくとか、そういったときには、見せかけの収益は出るかもしれないけれども、よほど人材を備えていないと、これを黒字化することは困難。
ですから、逆に我々はそういったしっかりした大学の産学連携を支援するような組織を使わせていただくという観点に立っていて、例えばアイソルとかも使うとか、これから筑波大が立ち上げるものも使わせていただく。ですから、スケールが大きなところではないとうまくいきませんから、先ほども話がありましたように、地域で連携して、そこでしっかりした産学連携の機能を持つ会社を使わせていただくというのがいいのではないかなと思います。
それで、あとニーズを見据えた研究課題を設定するというのは、非常に重要だと思います。基礎研究であっても、全く100%、キュリオシティー・ドリブン、もちろんそれもいいんですけれども、ノーベル賞なんかは多くそういったものから出ているという議論もありますし、でもやはり将来、何が必要とされるかということを考えながら、基礎研究課題を設定するという仕組みというのは、非常に研究のやり方というのを変えるかなという気がします。
その一つとして、例えばJSTでやっているA-STEPというのが、シーズ研究を企業との共同研究につなげるというプログラムがあるんですけれども、これを見ていまして私、気づいたのは、意外とシーズ研究を企業につなげるマッチング人材がいないんです。採択しても、自力でやってくださいという感じなんです。
ですから、大学なんかが支援して、マッチングをやればいいんですけれども、例えばファンディング・エージェンシーにその人材がいない。ですから、スタートアップのところでも人材がいないという話がありましたけれども、やはりこれも人材がいて、マッチングする人材がいると、大きく変わってくるだろうなという気がしました。
あと、スタートアップの件に戻らせていただくんですけれども、大学等のスタートアップが最近、がっと増えているんです。統計を見ていましても。それで、数で競わせるというのは、恐らくやめていただいたほうがいいと思います。とにかくいろいろな条件で大学が評価される中で、数を増やそうというので、こんなに増えるわけないと思うほど増えているというのは、やはり質より数というところが作用していると思いますから、ある大学で何件以上スタートアップを始めるといった目標は、やめたほうがいいと思います。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。私も、数を追いかけるのではなく、質のほうが大事ではないかと思います。
【林委員】 そうですよね。一時、そっちへ走ってしまっているところはありますね。
【宝野委員】 ある大学のデータを見ていたら、短期間で上がっていますから、あり得ないと思っています。
【久世部会長】 ほかの委員の皆様、御質問、御意見いかがでしょうか。
林委員、お願いします。
【林委員】 林です。産学連携なんですけれども、広島大学での経験等からしても、やはり本質的なところでとてもハードルが高いなと感じるのは、小さい規模の、例えば産学連携で共同研究というのは比較的できている。例えば1件200万円とか300万円。これは単発的なものもあるし、本当に単純な連携でいけるんですけれども、本当に大きなもの、1,000万円超えるぐらいのものになってくると、これはまさにおっしゃったように、本質的なところでのニーズと、大学の持っているポテンシャルをマッチングする能力というのは、結構レベルの高いものが求められると思います。時間的なスパンも長くなるし、あるいは先生の持っているアカデミックでのモチベーションというのも理解した上で、アレンジしないといけない。ここが、小さな産学連携組織だとやり切れないところが多いかなと思うんです。
ただ一方で、はまっている場合、はまっている場合というのは、大学の先生方も結構、産業界のことに非常に興味を持たれて、でもそのうちの基礎部分は、大学で絶対コンピテンスとしてやる一方で、企業から見ると、全くそれで構わない。その基礎力があるからこそ、企業は大学に来るのであって、単に企業の言うとおりに何か実験をやって、結果を出してくださいというのでは、ポテンシャルがすごく低いので。
今みたいな本当に先生方がそういう意識で、かつそれをきちんと理解して、企業がくっつく場合は、広島大学でも金額としても1,000万円を超えるケースというのは、まあまあ出てきているんです。
ですから、成功する場合というのは、こういうところに目をつけているんだねというところには何か共通点があるような気がして、それが多分、大学の先生方にも、その意識の持ち方というのか、研究のどこに目をつけて、どういうふうにやるかという辺りも、やりたいからやるではなくて、そこのところの参考にしていただけるのではないかなと思うんです。
大学は企業と違うので、企業は組織で、上がこうだ、これがプライオリティーだと言ったら当然、研究者は全部そちらで動くではないですか。こういうわけにいかないのが大学であり、ただ、大学のよさはまさにそこにあるわけであって、基礎的なところをやっていくというので、だからここを大事にしたマッチング能力という、ここを特殊能力だと思ったほうがよろしいかなと。
【久世部会長】 ありがとうございます。
では、オンラインで千葉委員、よろしくお願いします。
【千葉部会長代理】 まず、産学連携というのは方法論であるということを、ぜひ皆さん、共通で認識していただく必要があるかなと思っています。
要するに、産学連携をして何を成し遂げるかというところが重要で、よく誤解されるのは、どうやったら産学連携が発展するかとか、そういう議論になるんですけれども、それはあくまでも方法論。
ですから、例えば日本の産業力でもいいですし、安心した生活でもいいですし、未来に希望を持てる世の中をつくるとか何でもいいんですけれども、やはりそこを目指していくために、産業界と学術界がしっかり連携する必要がある、しかも、それが持続的でなければいけないというスタンスが必要だと思います。
そうすると、大変大きなものが構想として出てくるので、これは本質的には、単なる技術移転、細かい技術移転であれば、一教授と産業界のどなたかでできるんですけれども、もうこれからは、イノベーションについてもかなりネットワーク型のものになってくるので、1人、2人、3人の研究者だけではとても構想できるようなものではない、それが主流になってくると思います。
ということは、大学も体制を変えて、先生たちにもっと産学連携をやってくださいなんていう話ではなくて、大学の首脳部が研究開発マネジメント全体ができるとか、戦略性があるとか、企業と交渉する、あるいは複数の組織の連携をつくり上げることができる、そういうことがガバナンス体制として必要になっていると思います。要するに、今までは研究の支援をするというようなスタンスであった専門人材から、経営人材になっていかなければいけないし、大学の経営者というのは、そういうことができる人間がならなければいけない。
これは教授よりも、そうではない人たちのほうが、大学をマネジメントしていくという大転換にもなることで、かなり大きな改革につながっていくことだと思いますが、やはり日本の今の弱みのところを強みに変えるには、そういう大学自身の大きな革新的な行動転換も必要ではないかなと思います。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
では続きまして、田中委員、よろしくお願いします。
【田中委員】 ありがとうございます。
地方大学でベンチャーファンドをやりながら、産学連携の現場で見る機会もあり四国TLOのケースが思い浮かびました。かつては徳島大学は企業との共同研究の本数が少なかったのですが、関西TLOで活躍された方が四国TLOに転職され、TLOにとってのKPIの1つが共同研究の本数だったことから、徹底的に共同研究の数を増やすマネジメントをされ、見事に年間の共同研究の本数が10倍近くにまで増えたことから成功事例と言われています。一方で、数は良いとして質としては何を求めるべきなのか。さきほど千葉委員が言われたように、どのような産学連携を本来目指すべきなのか、どういうものが良いのか悪いのか、という視点をあらためて持つ必要があるようにも感じています。さきほどのスタートアップの数と同様ですが、仮に数ではなければ、何を追求すべきなのか、あらためてしっかりと検討し、明確化し、政策にも織り込む必要があるように思っています。
別の観点の話になりますが、ファンドの投資先のベンチャーに対し、産業界の方が共同研究の相談に来るケースでよくあるのが、大学の先生は安くて便利、というのがあります。企業にしてみると、数十万円から100万円程度の費用で、データを出してくれたり委託開発を引き受けてくれたり調査してくれて、先生側も研究費が限られており、むしろ進んで引き受けている現実があり、先生方がもっと強気にでてより高い価格設定をするなど工夫の余地があるように思っています。
いろいろな産学連携の取り組みがある中で、私がアドバイザーを務めさせて頂いている共創の場は、国が主導するからこそ実現する重要な産学連携テーマの1つだと思っています。共創の場は、今の社会課題を10年後に解決するために、大学が中心になり、産業界や自治体や、あるいは住民も参加し、皆で力をあわせ解決するプログラムです。例えば広島大学だとゲノム編集、金沢大ではセルロース由来の新しい生分解性プラスチックの材料開発による、社会課題解決に10年かけて取り組んでいます。今まで解決できなかった社会課題を、大学を含めた知恵を集めて解決するということができる集団が形成されるのは、国がテーマとして設定したからこそ実現したと理解しており、人為的に働きかけない限り、このような産学連携は自然発生することはないと思っています。結局のところ、「産学連携」についてあらためて再考すべきだと強く感じています。産学連携をやる目的、産学連携によって何を目指すのか、一旦立ち止まってしっかりと考えるべきではないでしょうか。
また、共創の場を見ていて思うのは、「産学連携により社会課題を解決し、事業化が実現する」というようなプログラムの申請書が誰にでも容易に書けるとは思えず、特殊な経験や才能を持っている人でなければ良い申請書は書け無いと感じています。国が大学にそのような役割を期待する以上、大学側にはそのような人材が必要です。人材がいない大学では大規模産学連携プロジェクトの予算が全く取れないという状況も、一部の大学では実際に起きているではないかと感じています。この手の大規模産学連携プロジェクトの企画立案を、大学側でこなすことができる人材の育成は、国が主導しながら取り組むべき政策課題の1つのような思いを個人的には持っております。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、高木委員、お願いします。
【高木委員】 高木でございます。どうもありがとうございます。
先ほどの千葉委員の、産学連携を何のためにやるかという、これは大変本質的で、重要な問題だと思っております。
少し堅いことを言いますと、教育基本法には大学の役割として、教育と研究と社会実装が規定されていますし、もう一点は、財務基盤強化もあると思います。本日の資料の最後のページにも、財務基盤の強化ということが書かれていますが、これは大変重要だと思います。日本全体で研究開発費は約20兆円です。約15兆円が民間セクターで、約5兆円が公共セクターです。大学で3.8兆円くらいだと思います。共同研究における民間から大学への研究費受入額については、本日お示しいただきましたが、必ずしも十分な額ではないのではないかと思います。
また、田中委員の御発言もありましたけれども、大学が社会課題を解決するということは、そのとおりで、非常に大事ですが、大学というのは組織です。その組織の構成員である研究者や研究開発マネジメント人材が、どれだけモチベーションを持てるかということが非常に大事だと思います。これは、先ほどの人材育成ともつながります。
米国の大学に滞在したときに、先生が、アメリカの研究者は、自分の研究成果をいかに社会実装して、イノベーションを起こし、社会を変えるかということに強いモチベーションを持っているということをおっしゃったことがありました。私も意地悪な質問をしてしまい、基礎物理学や数学の研究者はどうかと聞いたら、彼らもそうだとおっしゃるんです。シナリオを作って、最終的な出口まで考えて、そのうえで基礎的な研究もやるということをおっしゃっていました。
日本でも、そういう研究者の方は少なくないと思いますが、このように個人のマインドセットまで遡って考える必要もあると思いました。
それから、宝野委員のおっしゃったマッチング人材ですが、これは、まさにOI(オープンイノベーション)機構の整備事業で、新たにOI機構を設置し、企業での実務経験を持っている方を大学が雇用して活用する取り組みでした。そして5年後に、OI機構を黒字化するという、大変大胆な文部科学省の事業だったと思います。
それから、資料の11ページに、私が発言させていただいたコメントを掲載いただいておりまして、OI機構整備を中小規模の大学でも実施できるように、ということがあります。
これは、二つの発言内容の主旨が混在しています。一つは、今申しましたように、企業での実務経験を持っている方を新たに雇用していただくということで、大学の財務状況は、初年度は赤字になりますが、5年後には黒字にしていただくというものです。当初の赤字分について財務的な支援を行うということが必要ですので、事業対象の大学を広げるべきではないか、ということで申し上げました。最終的には黒字になるので、国費を入れることについての合理性がある事業だと思います。
もう一つ、中小規模の大学と申し上げたのは、大学でもいろいろ性格が違います。採択した大学のなかには、国立大学の3類型のうちの地域貢献型の大学もありました。OI機構の整備事業は、地域貢献型の大学とは、少し相克があったと思います。OI機構では、大型の共同研究を目指しました。一方、地域貢献型の大学では、必ずしも大型だけではありません。地域貢献型の大学は苦労されたと思いますので、もしOI機構を展開するのであれば、地域貢献型の大学に対しては、少し事業内容を変更したほうがいいという主旨で申し上げました。
あと、資料についてコメントですが、8ページに、共同研究費(研究者当たり)の国内外比較というのがあります。
これは共同研究の場合、学術分野によってかなり事情が違うと思います。自然科学系でも、理学系と工学系では違うと思いますので、分けた統計がもしあれば、非常に有益だと思います。
世界の例で、米国を見ましても、マサチューセッツ工科大学やカリフォルニア工科大学というのは工学系ですから、大型研究ができると思いますが、ほかの大学で金額が少ない大学は、おそらく、文科系の分野なども分母に入っているので少なくなっているのではないかと思いますので、産学連携を議論するときには、学術分野別に議論すべきだと思います。
また資料では、研究者当たりの金額が示されています。これは一つの意味がある統計だと思いますが、10年近く前に経団連で議論したときは、共同研究1件当たりの平均金額をもとに議論して、当時、共同研究1件当たり231万円という金額について、これは非常に少ないという議論がありました。 MITのILP(Industrial Liaison Program)のディレクターが来日されたときにディスカッションする機会があり、231万円だと言いましたら、信じてもらえませんでした。 今は多分、もっと多くなっているのではないかと思います。
それから、資料の9ページに、知財権収入などの数字が記載されています。共同研究で共同出願した知財権の収入なのか、あるいは大学が単独で競争的資金による研究成果による、言わばバックグラウンド特許の収入なのか、その辺も明確に分かると、議論がしやすいように思います。
以上でございます。ありがとうございます。
【久世部会長】 ありがとうございました。
それでは、テーマ3もありますので、小池委員、荒金委員のお二人から、このテーマ2の「産学連携」に関して御発言いただいて、次に移りたいと思います。
【小池(聡)委員】 小池でございます。よろしくお願いします。
先ほど高木委員のほうが言った、ニーズを見据えた研究というのが非常に重要だと思っていまして、私、事業サイドのほうの立場から言うと、やはり今、VUCAの時代、社会課題が山積しています。それに直結する研究成果が結構あるんです。
いろいろ探してみると、いろいろな国プロでやって、報告書を何冊かバインダーで収めて、その後、きちんとやりなさいとは言っていますけれども、大体それでお宝がお蔵入りしているケースが多いと思うんです。
あとは、いろいろな研究も論文にはされていますけれども、事業サイドは、ですからみんな知らないんです。探せばいろいろ出てくるというところで、やはりそこの成果に関する、もう少し世の中に知らしめる活動というのが非常に重要ではないかなと思っています。
基礎研究から社会実装に至るまでは、やはり非常に長い時間かかりますので、今やっている研究というのは、うまくマッチングしていくということが必要でしょうし、これから新しいテーマは山ほどあると思うんです。そういったものを、社会課題に即した、ニーズに即した研究というのを、研究者がそういう思いを持って、社会のためにいろいろ役立ちたいという思いも非常にあると思うので、何か研究をやってみてから、これ、何かに使えませんかという形が、やはり今まではどうしても多かったのではないかなと思います。
私がCOI-NEXTで担当しています中では、ちょうど昨日だかおとといだか日経新聞に載っていましたけれども、広島大学の、キユーピーさんとやっているアレルギー低減卵、これはゲノム編集の山本先生と、堀内先生がやっていますけれども、あれなんかは本当に最たるもので、卵アレルギーの子供たちが山ほどいて、給食でも食べられない、ずっとそういう子供たちが、やっと卵を食べられるようになると。
ただ、食品会社なので、これを市場に出すには相当いろいろハードルがあるんですけれども、そういった意味では、そういうチャレンジに研究者が使われるというのは、非常に我々消費者にとっても分かりやすいですし、世間に理解されながら、研究成果が世の中に出て役に立つというストーリー、モチベーションというのをもっと醸成させるという取組が必要かなと感じました。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、荒金委員、よろしくお願いします。
【荒金委員】 ありがとうございます。
産学官の協働・連携に関してですが、私も企業におりますし、COI-NEXTの審査等にも関わらせていただいているんですけれども、企業では特に昨今、生き残りをかけて、社会課題をターゲットにして、バックキャストという、それこそが企業の存在意義だしという話がありますが、社会課題を解決するための本当のイノベーション的、長期的なケースも含めて、それこそやるのが大学のミッションではないかなと。これから本当に一企業ではできないいろいろな技術課題や仕組みの解決があって、それを大学でやるということができる上での、いろいろなテーマ設定なり組織であるということが望まれているのではないかなと思うんです。今日の状況においても、好きなことが自由にできるというようなことをモチベーションにする人たちの集団だと、やはり困るのではないかなと思います。
それで、COI-NEXTなどに関わらせていただきますと、その中で幾つか、今、広島大学の話もありましたが、非常に視点もよくて連携もうまくやれるというのは、本当にPLの手腕にかかっているところがまだまだありまして、連携も、それからスタートアップもつくるんですけれども、それの成長も結局、全部自分でやらざるを得ないという状況の中、先生たちが本当に過労死しそうな過酷な状況の中で皆さん、頑張っているという中から、なかなかやはり抜け出せていないような状況もあって、やはりマッチングだとか、さっき田中先生のほうから、スタートアップをどういうふうに育成していっていいのか、メンタリングみたいな、そういう機能すらも自分で見つけろというような状況の中でやるのは、そろそろ限界かなとすごく思います。
その仕組みを広げるためにも、やはり国から横断的な組織でそこを支援するような仕組みをぜひつくっていただけると、いろいろな、底辺が広がるという言い方はあれですが、いろいろな形のシーズが社会課題に向けて進める道が開けるのではないかなとすごく感じて、そこをお願いできればなと思います。
あと、産学連携の中で今、国はこういう形ですごくプッシュしてくださるんですが、地元の企業との連携もありますが、一番腰が重くて動いてくれないのが自治体、県とか市とか、そういうのを動かすというか、一緒にやるというか、のにすごく苦労するんです。お金もないし、人も出せないしみたいな感じで、そこがもう少し、地域の産業、地域の自治体と一緒にやれるような、そういうプッシュができると、特に地方の大学とかは活気が出るというか、やりやすくなるというか、そう思うので、そこの連携というのを少し考え直すというか、強化するというのも重要ではないかなと感じています。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。荒金委員の最後の地方自治体との連携の強化や、地方自治体自身がより積極的になるというのは、次の最後のテーマ3にも関係するかと思います。
【荒金委員】 そうですね。
【久世部会長】 それでは、ここでテーマ3、「科学技術・イノベーション施策の観点からの地方大学振興について」がテーマ3です。この観点で御意見、御質問をぜひよろしくお願いします。
【林委員】 では、最初に行きましょうか。
【久世部会長】 はい、林委員、よろしくお願いします。
【林委員】 林です。少し前からの議論も引っ張った形で、コメントを述べさせていただきます。
地方大学といいますと、やはり比較的、人材の層も薄いですし、規模も小さい。その中で、歴史的には優れた事務方の組織はあるんですよね。ですから、例えば予算を事務としてやっていくとか、規則があるのをきちんと実行する、これはそれぞれの地方大学でもできていると思うんですが、今回、イノベーションの話をしていますよね。
そうすると、やはり足りていないのが、イノベーション人材とくくってしまうとそうなんですけれども、実は会社の中の活動を参考にして考えてみると、例えば研究所であれば、研究開発マネジメントというのは絶対います。だから大学でも、やはり研究開発をマネージするような役割というのは一つ要ると思うんですが、イノベーション、これだけやっていては駄目なので、どちらかというと、社会の情勢を分かり、ニーズが何で、それをさっき言ったマッチングできるような、企業だとマーケティングとか営業と言ってしまうんですけれども、大学の場合は、それを企画できるようなマネージャーのタイプの人、これも必要だと。
さらに大事なのは、先ほど千葉委員が結構ラジカルなことをおっしゃるなと思って、やはり経営人材だとおっしゃっている。私は、最終的に行き着く先はそこでないといけないと思うんですけれども、それはどういうことかというと、組織マネジメントがきちんとできる人ですよね。つまり、例えば学部をまたいででかいプロジェクトをやりましょうとか、大学院と学部ででかいことをやりましょうというと、組織をまたいできますので、ここでどういうふうにうまくチームを組むような専門家がいるか。
今言った、単に言葉でマネジメントと言っても、何種類もある。これをやはり一くくりにしてしまうと本質が見えなくなるので、地方大学であってもそういうことができる専門家をきちんと置くということですかね。事務方だけではなく。
これを仕組みの面でも文科省として支援されていく。既にやっていらっしゃるかもしれませんけれども、ここはとても大事ですし、なかなか大学ごとに自らそういうポジションを置いてというのはできていないのではないかなと思いますので、皆さんの意見を聞いていて、マネジメントという考え方自体、大事かなと思いました。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
議題1に関しまして、本当に貴重な御意見を頂き、ありがとうございます。重要なキーワードが幾つか出てきたかと思います。
事務局のほうから、議題1に関して何かありますでしょうか。よろしいでしょうか。
【對崎課長補佐】 ありがとうございます。少し御発言がもしまたありましたら、最後、この後の議題は御報告が中心になってまいりますので、改めてお聞きになった上で、またこの観点、追加であれば、頂ければと思いますが。
【久世部会長】 よろしいですかね。ありがとうございます。
それでは、次に議第2に移りたいと思います。議題2は、「令和8年度概算要求等について」です。まず事務局より報告いただきます。
それでは、資料2に基づいて、事務局からお願いします。
なお、質問や御意見は説明の後にまとめてお願いします。
よろしくお願いします。
【對崎課長補佐】 承知しました。ありがとうございます。
では、前回開催から少し時間がたっておりますので、概算要求、産業連携・地域振興施策の関係と、あと報告案件を文科省の関連で二点、申し上げます。
資料が、まず1ページめくっていただきますと、これは予算の概算要求の全体像でございますけれども、基本的には、スタートアップとJ-PEAKSの二つの基金をそれぞれ運営しておりまして、それに加えて、JSTなど所管法人や内局の事業を運営しているところでございます。
次のページをお願いします。
こちらは、スタートアップ施策の文科省関連の全体像というところでございますけれども、スタートアップ基金を中心にして、創出するところはやってまいりましたけれども、また、今日縷々お話のあったアントレプレナーシップ教育の推進等も引き続きやってまいりますが、さらに、スタートアップができた後の成長支援というところで、一番上に書いてございます、次世代オープンイノベーションの構築ということで、今年度、モデル事業を実施しておりまして、この後また御説明しますが、これを拡充していくということと、また、官民イノベーションプログラムや、出資型新事業創出支援プログラム(SUCCESS)といったスタートアップの成長・発展に資するような出資などの事業も行っておりますので、こうしたものを引き続きしっかり充実させていくことが重要かと思っております。
次のページをお願いします。
いわゆるポンチ絵なので少し飛ばしまして、スタートアップ基金の関係で、6ページです。先ほど北岡先生からも、いろいろお世話になっているというか、お願いしておるところでございますけれども、プラットフォームを九つつくって、そちらのほうでギャップファンドの支援を着々と推進してございますので、今後さらに数を増やしていくとともに、横の連携というところも重要になってくるかと思います。
次の7ページをお願いします。
横の連携ということで、ネットワーク構築支援というところで、プラットフォームを幾つかのワーキンググループに分けて、例えばワーキンググループ1でいえば、海外展開支援とか、ワーキンググループ2は研究シーズの発掘・データベース化等で、プラットフォームごとの横の連携というのをしっかり図るために、プログラムの中でネットワークの構築を実施してきているところでございます。
9ページでございますが、こちらもスタートアップ基金の中で、早暁プログラムというところで、今日も経営人材というお話、いろいろな先生方からございましたけれども、まさにそういう経営人材をしっかり育てていくというところで、事業化する人材を研究者と組んで育成するというスモールスタートの事業でございますけれども、こちらも基金の事業の中で実施をしてきております。
続きまして、次、新規事業の関係で、14ページ、少し飛んでしまいますが、お願いいたします。
こちらは、次世代型オープンイノベーションモデル形成というところで、令和7年度は、モデル事業ということで、3機関を採択いたしました。名古屋大学と東大IPCと九工大で、こちらのほうでまずはFSとして事業を実施していただいております。
15ページをお願いします。
具体的な中身といたしましては、左側の点線で囲っているところですけれども、まずは大学発スタートアップの成長支援というところに大学がコミットするという意味で、事業会社とのマッチングとか、各種、より大きくしていくための様々な施策とのマッチングというところで、金融機関や自治体とのマッチングも含めて現在、モデルで実施しております。
これを令和8年以降、本格的に実施するに当たっては、まさにスタートアップの経営支援とか技術支援、人材支援といった観点で、そちらに大学のアセットとをつなげるという観点で、事業をさらに拡充して、本格実施をしていくことを来年度以降、考えていくところでございます。
次に、17ページをお願いします。
こちらは、JST発の研究成果の実用化というところで、スタートアップに対する出資を行っておりまして、先日、ノーベル賞をお取りになった坂口先生もレグセルという会社を、この事業の出資によって実際に拡充というか、SUCCESSからの出資を受けたという実績もございまして、こうした出資に関する事業等も、引き続き文科省のほうでしっかり運営していきたいと思っております。
次に、地方大学振興というか、拠点の関係で、20ページでございます。
こちらは、いろいろな先生からも御指摘を頂いたCOI-NEXTでございますけれども、令和7年度に関しましては、独創的・挑戦的な若手研究者が徹底的に地域の課題を洗うというところを、まずはスモールスタートにしてやっていくという形に、新規採択の課題に関してはそのような形で実施していきたいと思っておりまして、令和7年度は一応、3拠点程度ということで予定しておりますが、来年度の概算要求等では、拠点数を7拠点さらに増やしていくというところで、概算要求をしているところでございます。
次に、24ページでございます。
こちらからは、予算というよりも、現状取り組んでいるところの御紹介ということになりますけれども、産学連携に関する調査を文科省のほうで毎年度、行っておりまして、こちらは各調査機関の、大学の、それぞれのデータをエクセル等で公表しているんですけれども、もう少し具体的に特定の大学の中身とか、大学ごとの比較等を行えるように、また、それを経年的に追えるような形のダッシュボードを作成しておりまして、これは委託事業で実施しているんですけれども、令和7年度、年度末頃には、こうした具体的に皆さんに必要なデータを取り出して使っていただけるような、より可視化しやすいようなプラットフォームというのを構築したいと思ってございます。
次に、報告事項ですけれども、25ページが、大阪・関西万博におきまして、幾つかの大学を中心に、「わたしとみらい、つながるサイエンス展」というところで、より産学連携の成果を身近に感じていただきたいというところで、大阪・関西万博において、6日間ですけれども、出展を行いました。6日間で7万人以上の御来場ということで、様々反響を呼んで、多くの方に来ていただきました。
出展の中身としましては、次のページですけれども、こちらに書いてある四つの大学、北海道大学、東京藝術大学、東北大学、信州大学の取組が中心的な大きい展示ではございましたけれども、それ以外の周辺部にも様々な大学に出展を頂きまして、まさに産学連携の成果というところで、よりどのような世の中の役に立つのか、社会課題の役に立つのか、未来を変えていくのかといった観点の展示を様々、行わせていただきました。御来場いただいた方は、どうもありがとうございます。
27ページをお願いします。
こちらは、委託調査で文科省が行っている調査の中で一つ、より産学連携の社会実装ということで、様々な実務担当者の方が産学連携を進めるに当たって、どのようなところに注意して取り組むべきかということで、ガイドブックを作成いたしました。
28ページでございますけれども、中身は大部なので、詳しくはホームページのほうに公表してございますので、御覧いただければと思いますが、様々な立場の方が産学連携に関わる中で、ステークホルダー、関係者等とどのように社会実装に向けて信頼関係を構築して進めていくかといった点を、事例も含めて整理してございますので、ぜひ周知・御活用いただければと思います。
最後、29ページは、こちらの委託調査の報告書の中でも、様々状況を分析した上で、提案というところに書いているような人材の話でしたり、他大学との連携とか対話・交流、先進事例といったものも含めて、今まさに産学連携のこちらの部会のほうで議論しているような観点に関する提案というところで、報告書もまとめてございますので、また御参考いただければと思います。
説明は以上でございますが、基本的に、いろいろな形での御質問、御意見等ございましたらと思いますが、概算要求等は現在、財務折衝中でもございますので、特に叱咤激励いただければ、しっかりと頑張ってまいりますので、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【久世部会長】 御説明ありがとうございました。
御質問、御意見いかがでしょうか。よろしくお願いします。
まず私のほうから質問を一点。14ページに、モデル事業の採択機関という話があります。また、15ページで、事業会社とのマッチングや金融機関とのマッチングの説明がありました。先ほど宝野委員からも、マッチング人材の不足が課題だという話もありましたが、実際にマッチングされるのは、どなたがされるのでしょうか。このPLの方々でしょうか。
よろしくお願いします。
【大榊室長補佐】 ありがとうございます。この事業につきましては、かなりPLの人的な、人物評価といいますか、そういうところもかなり重視して、今回の採択を行ったところでして、ある意味では、このプログラムの中でアクティビティー高く動いていただいて、企業とスタートアップのマッチングをしていただける方というのをPLに選んでいただいております。
一方で、もちろん組織的な対応もございますので、もともとOI機構とかにいらっしゃるようなメンバーとかそういう方も含めて、学内でしっかり対応いただけるというのを審査項目としては入れておりました。
【久世部会長】 なるほど。
このPLについては、若手の方々が、徒弟制度ではないですけれども、OJT的にマッチングのノウハウやスキルを取得するようなことも、考えられているのでしょうか。
【大榊室長補佐】 今回のモデル事業の中では、必ずしも人材育成的な要素までは入れておりませんけれども、今後、複数年にわたって実施するようなことであれば、人材育成等も期待できるのではないかなとは思っております。
【久世部会長】 分かりました。ありがとうございます。
【林委員】 一つ質問をいいですか。
【久世部会長】 林委員、よろしくお願いします。
【林委員】 林です。少し今日の議論の本質からずれるかもしれないんですが、頂いた資料の中に、万博の出展のとかあって、面白いなと思ったのは、東京藝術大学、国立アートリサーチセンターのこの展示で、実はアートというのは産業とはあまり関係ないように見えてしまうんですが、実は私、今年、欧州とここら辺のアートの部分を結構会話しているんですけれども、実は欧州のロンドンの、例えばロイヤル・カレッジ・オブ・アートとか、それからオーストリアのアルスエレクトロニカ、これはリンツ市の、市が運営する拠点ですけれども、もろに産業との連携みたいなものを模索しています。
これはイノベーションとかなり関わりがあると思っていまして、やはりアートというのは、誰も作っていないものを表現したいというような、アートマインドということが、実はイノベーションを切り開くようなのに非常に近いんです。今あるものを壊してしまうというようなことも入っている。
企業だと、デザイン・シンキングの手法でよく使うようになっていまして、これはどちらかというソリューションを見つける方法ですけれども、アートマインドのほうは、何が本質的なのかとか、何が本質的な課題なのかを、文章ではない形での最初の掘り起こしをするようなことに使えるというのを見てきましたので、こういうことは教育でも大事なのと同時に、産業界での組織の活性化とか、新しいアイデアとかいうのにも結構、結びつくなと思って、もしも日本の活動がそっちのほうにも振れていくんだったら、とても面白いなと。
ここに書いてあるのは、文化的というふうな側面で見ていらっしゃるとは思うんですけれども、と感じたので、何かもしも文科省さんでそういう活動もしているんですよということがあれば、教えていただけるとありがたいですけれども。
【久世部会長】 よろしくお願いします。
【平野室長】 ありがとうございます。拠点室長の平野でございます。
万博のほうは、文化的処方ということで、こういったものが心の問題とかの解決につながり得るかという可能性をお示しいただいています。
また、東京藝術大学さんはJ-PEAKSにも採択されておりまして、香川大学さん、東京大学さん、あと東京科学大学さんなどと連携をしております。大体、ビジネスと芸術というと、デザインから入っていくというパターンがまだ多いわけですけれども、東京藝術大学さんはさらなる新しい形で、いわゆるデザインという入り口ではないところの展開というのを模索されているところでございます。
何分、規模というところが非常に小さい大学でありますので、他の大学と積極的に連携をして、むしろ自分たちで何でもやろうというよりは、自分たちの持っているものを提供しながらやっていくといったような、オープンマインドに取組を進めていただいておりますので、組む大学によっては、かなり面白い化学反応ができてくるのではないかと個人的には思っているところでございます。ありがとうございます。
【林委員】 ありがとうございます。
【久世部会長】 ありがとうございます。
【西條局長】 いいですか。
【久世部会長】 よろしくお願いします。
【西條局長】 今のに触発されて。本当に東京藝術大学が入って、最初のCOIで入ってこられて……。
【小池(聡)委員】 私、担当しています。
【西條局長】 そうですよね。いろいろ大変なところもありましたけれども、どっちかというと、科学を使ってアートみたいな感じから入ってきたところはある、クローンとかいろいろな、そういう技術を使ってアートという感じだったのが、何となく今度はアート主体で科学という掛け算になってくると、これは今おっしゃったようにアートマインドみたいなそういうところ、少し哲学にもつながってくるような。
産業界においても、やはりそこにすごく興味、この前も京都会議とかやっていますよね、哲学の。ああいう世界とつながってくるというのは、産学連携かというと何なのかというところはありますけれども、ただ、かなり科学、アート、産業界、何かばらばらであるようなものが、実はすごくこの先、重要になってくるという点では、そういう点では今取っているJ-PEAKSや何かも通じながら、少し違う世界が見えてくると、何でもみんな同じ方向を向けばいい話ではないので、これは面白いとは思っています。
【林委員】 非常に最先端のテクノロジーが、例えばクアンタムであるとか、AIであるとか、ある面では人を不安にさせる。不安をアーティストは表現するではないですか。実はその表現を人が見たときに、これだよねとかいうことが、今度は新しい価値観、人が求めるものをつくっていく。
会社としては、そのトレンドが見えないと、次の新事業に、逆にそれが見えていないで新事業やったら、大外れというのがありますよね。ですからそういう点で、企業経営にとって、アートが発するものというのが将来の価値観と結びつくというのは物すごく大事なところ。特に、これだけ新しい技術も出て、世の中が不確定・不確実であるときこそ、それは大事ではないかなというのは、実はそんな議論を少ししていますので、ありがとうございました。
【小池(聡)委員】 全くおっしゃるとおりだと思っていまして、高度成長からずっと支えていた工業時代の物の豊かさを我々は享受したわけですけれども、これからは、やはりもっと心の豊かさというのが一体化して、物の豊かさも感じるような形に、やはりアートというのはすごく、だからテクノロジーにはアートが必要ですし、アートにも今テクノロジーが必要になってきていて、おっしゃったCOIで藝大を私、担当していたときに、文部科学大臣表彰の科学技術賞を初めてアートで取ったんです。藝大の宮廻先生。そういう時代になってきているんだと思うんです。
【久世部会長】 活発な議論、ありがとうございます。
林委員の御意見に補足しますと、CTOの人たちの集まりで、数十社のCTOが実際に現地に見学に行くことも含めて議論しています。企業もイノベーションを起こせる人材が不足しています。いかにイノベーションを加速するかの議論をきっかけに、こういったアート指向なども、企業としては真剣に検討しています。
ほかの委員の皆様、他に御意見はよろしいでしょうか。
【小池(聡)委員】 一ついいですか。
【久世部会長】 小池委員、よろしくお願いします。
【小池(聡)委員】 スタートアップ支援で、いろいろ国のプロジェクトその他で、いろいろな省によって定義の仕方というのがあるかと思うんですけれども、文科省としての「スタートアップ企業」の定義をもう一回、教えてほしいんですけれども、創業から何年とか、何とかいろいろ条件がありましたよね。それは今どうなっているんでしたっけ。
【大榊室長補佐】 実は結構、事業によっても違いまして、創業から15年以内というような定義を取っている事業もございます。また、特に急成長が見込めるような事業というような言い方もしておりまして、あまり一定した定義があるわけではないです。
【小池(聡)委員】 そうですよね。なぜそれを聞いたかというと、今、結構アメリカも、私もシリコンバレーにいた時代というのは、本当に短期間で急成長するというのがスタートアップのある程度、定義だったんです。
ところが最近、昔やっていた、スタートアップともう言わないんでしょうね、企業で苦節何年ずっとやっていた会社が、ひょこっと大注目されて、そこががっと伸びたりするようなことが今の時代、結構起きてきていまして、ですから、やはり時代がいろいろ回っていく中で、今やっている新しい旬なものだけではないものが、すごく価値を呼ぶ時代になってきているような気がするんです。
なので、単に年数だけで定義をするのがいいのかどうかという、いろいろな条件があると思いますけれども、そこはもう少し考えてもいいかなと個人的には思います。
ただ、そういうと、応募のあれから何から面倒くさくなるので、そこの事情は分かるんですけれども、そういうものも拾える仕組みというのもあると、これからの時代、日本にはそういう埋もれているものが山ほどあるような気がするんです。それはそういう意見で、すみません。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、オンラインで御出席の仁科委員、よろしくお願いします。
【仁科委員】 一言もしゃべらないのもよくないと思って、先ほどの議題1の三つ目のところで、少し意見を言おうかなと思ったんですけれども、基本的にこの部会が、産業連携・地域振興部会となっています。「地域振興」という言葉が入っているということと、私も地方大学の学長なので、いろいろ議論を聞かせていただいて感じたことというのは、多分、多くの委員の方々が、日本の国の国際的競争力も含めて、イノベーションというところに非常にフォーカスされていると思っています。
それで、地方創生というか、人口減に対して地方創生どうするかという話のときに、地方創生と言ってしまうと、少し議論が分かりにくくなるところがあって、私はひと・まち・しごとのほうが好きなんです。
多分、まず仕事のところをつくるというのは、要するに地方に仕事をつくらないと、人口がどんどん出ていってしまうということを考えると、地場産業の振興というところにも、地方大学としては、正直言うと、関わりたいというのは今、うちの大学としては思っています。
そうすると、委員の先生方、何人かの方にはお話ししましたけれども、愛媛大学は地場産業対応で、県内の紙産業のところとか水産とか、それから今度、今治の造船のところに全てセンターというか、センタープラス教育コースを置いて対応している形になるので、私が結局、もし今度、今治に愛媛大学サテライトを置いて、学生も行かせることにしたということを誰がコーディネートしたかというと、多分、僕の決心なんです。
それは誰かがコーディネーターに入ってというレベルではなくて、全体的な社会情勢、世界情勢、昨日か今日、アメリカとも覚書協定、結んだみたいですけれども、その辺を考えると、地方大学としてはこういうやり方で行くしかないとは思っていて、多分、一つ一つの、一人一人の研究者の成果の社会実装のために、コーディネーターの方がどう動く、スタートアップがどう動くという議論と、必ず少しずれてくるんです。
そこがいつも私は、皆さん方の熱い議論は勉強させてもらっていますけれども、発言しにくいなと思っているところも、正直言ってあって、その辺は、今後ともこの部会でも少し議論していただきたいなと思っていて、先ほどの東京藝大の日比野先生も、香川大学を中心にしてやられていますけれども、結構、四国の大学、うちとも連携するような活動もしています。
多分、彼が考えているのは、ひと・まち・しごとのまちの部分、要するににぎわいの部分のところ、つまり、先ほど少し出ていましたけれども、やはり価値観を変えるというところで、芸術というのは多分、効果があるだろうということで、日比野先生も考えてやっているんだろうと思っています。
そういう別の視点も、地方にとって、先生が持っている一つの技術が非常に社会実装でばーっと世界に広がっていくことは、それがいいかどうかが分からない。本当に地元の産業を大切にするような向き合い方というのもあると思っているので、その辺も、そんな状況もありますということをお伝えしたいと思います。
どうもありがとうございました。
【久世部会長】 どうも貴重な御意見、ありがとうございました。
ほかの委員の皆様、よろしいですか。
それでは最後に、議題3に移りたいと思います。議題3は、「関係省庁等との取組について」です。
事務局より、まず御説明をよろしくお願いします。資料3です。
【對崎課長補佐】 ありがとうございます。資料3は、関係省庁、等とつけましたけれども、基本、関係省庁と連携して取り組んでいる会議等の御報告でございます。もちろん、ここに示したもの以外にも、数限りなくいろいろな省庁と連携しているんですけれども、特に当部会との関係が深いものを二つ御紹介します。
一つ目が、経済産業省と合同事務局で実施しております、世界で競い成長する大学経営のあり方に関する研究会というものでございまして、こちらは今、投影もしておりますし、会場にはお手元でも、大部で恐縮ですが、配付してございまして、1回目の資料でございますけれども、13ページでございますが、こちらの研究会のほうでは、当部会とかなり似通っているとこもあるんですけれども、成長する大学に向けた取組として、ここに掲げている三つ、産学連携の大型化・多様化、大学発スタートアップの創出・育成支援、獲得した資金を活用したパーマネントな学内投資や経営に関することということで、現状、様々な諸外国の大学の事例を比較参考して、財務諸表や経営の状況等を、オープンソースやヒアリング等のデータから拾いながら、好事例をまずは見つけていくというところで、ここにも書いてございますとおり、ベストプラクティスを発信して取組を推奨するというところが中心にはなっていますけれども、もちろんこういう比較をする中で、各大学の事例や大学発スタートアップの事例も今後、御紹介していくことになると思います。
この会議自体は、会議の議事録や資料は公開しているんですけれども、実際の会議の状況は、現状は非公開となる、基本的には内部の有識者の検討会ということになってございますが、こちらで文科省も共同事務局として参画しておりますので、協議の状況等は、また御報告させていただきたいと思っております。
基本的に、産業界の方にも多く入っていただいて、産業界の視点から、大学の経営をどう考えるかということにいろいろ御意見も頂いているところでございます。
二点目が、国交省と行っているものでございますが、こちらは、都市におけるイノベーション創発のあり方に関する検討会と呼んでございまして、ピックアップすればよかったんですけれども、資料、大部で恐縮でございますが、まずこの第1回の資料3の7ページを御覧ください。今、投影もしております。
こちらの検討会としましては、基本的に国交省の、これは文科省はオブザーバーという形で参画してございますが、主な審議事項にありますようなイノベーション創発の都市における在り方、特に距離とイノベーションの関係性に関して検討するために、海外の様々な都市の事例等を収集しておりまして、国内でも、右側のオブザーバーのほうに、自治体として岡崎市、京都市、長岡市などの自治体にも入っていただきまして、出口のイメージにあるような、都市におけるイノベーション創発の在り方についてのガイダンスや、都市におけるイノベーション創発に向けた支援制度の構築等を出口として、検討を行っているものでございます。
次に、国交省の会議の第2回の別資料でございますが、こちらも有識者の資料等がついているので、非常に大部で恐縮でございますが、こちらは10ページを御覧ください。
こちらは、今後の議論の方向性というところで、簡易的なマッピングですけれども、都市部から地方部とある中で、大都市部中心のエリアでは、イノベーションも数限りなく、先ほど宝野理事長からもスタートアップの数の話がございましたけれども、かなり多くのイノベーションが起きてきている一方で、こういうところはその機能をさらに高めていくことが必要と。
他方で、中盤にありますような地方都市の市街地のエリアのようなところは今後、より多くのイノベーションの創出がむしろ期待できるのではないかということで、どういう方策が考えられるかということも検討しております。
また、地方部の郊外エリアについても、ほかのエリアとどのようにネットワーキングをして、イノベーションを増やしていくかというところで、そこはそういう観点からも機能の充実みたいなものをどう考えるかといったことを議論してございます。
当該、同じ資料の後ろのほうで、前回、9月に行った、56ページですけれども、文部科学省のほうからも、産学官連携の取組、COI-NEXTやJ-PEAKSの取組もこちらのほうで紹介させていただいておりまして、実際、この会議に参画している長岡や京都においても、COI-NEXTの採択もございますし、J-PEAKSも長岡等の大学もございますので、そうした事例を紹介させていただいたところでございまして、こちらも12月、年内に論点等をまた示していくところですので、こうした観点も、今回の我々のテーマでいうところのテーマ3の地方大学の振興に大いに関係してくるところだと思いますので、また随時、御紹介させていただきたいと思います。
事務局からは以上でございます。よろしくお願いします。
【久世部会長】 御説明ありがとうございました。
ただいまの御説明に対しまして、御質問、御意見ございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
事前に事務局からお話をお伺いしましたが、特に国土交通省のイノベーション都市の話は、興味深いです。5ページに出てくるピッツバーグ・イノベーション地区は、私も再来週訪問する予定です。ピッツバーグでは、我々はライフベストという装着型AED(除細動器)の医療事業をしています。これは、医療診療として認可されており、3か月間装着してバイタル情報をモニタリングし、心臓が止まりそうになると自動的に電気ショックが発せられます。20年間にわたり、百万人以上の患者さんが装着し、数千人の命を助けています。ここで蓄積された膨大なバイタルデータが重要で、大学や大学病院に無償で提供させていただいています。ピッツバーグ大学やカーネギーメロン大学との連携もあります。再来週は、カーネギーメロン大学の産学連携のプロジェクトのヒアリングに加えて、日本企業との連携事例として、YKK APのAIロボティクスのラボを見学してきます。日本でもこのような地域全体による取組みができないかと考えています。
何か御意見ありますでしょうか。
【林委員】 一ついいですか。
【久世部会長】 それでは、林委員、よろしくお願いします。
【林委員】 私も仕事柄、世界のイノベーション拠点というのを視察で回ることが多いんですけれども、とても感じるのが、一つは、地方自治体の人は物すごく積極的。例えば市であれば、市の支庁の中にある投資局とかそういったところが物すごくビジネス感覚があって、呼び込もうということをやっている。
これ、リードするのは、どちらかというと自治体のほうが強くて、中央政府、例えばドイツだったら連邦政府が何かということではなくて、むしろ州政府であり、その地域というのは、オランダを見ていてもそうです。だから、ここが一つ、地域社会を活性化させるところの肝になるかなと。
つまり、今までのとおりをやっている地方自治体ではなくて、そこに何か持ってこようとか、持ってくることによって振興しようという、こういう意識の持ち方、これがとても、どこへ行ってもやはり気になるということ。
それからもう一つ、地域大学が自治体と一緒になるというのが、ほとんどマストに近い。その一緒になっている地域大学の産学連携部というのが、やはりさっきの経営人材だ、組織人材だという議論があったように、物すごくビジネス感覚が鋭いというか、要するに、どこに目をつければ、企業さんがここの地域で大学にお金を払ってくれるかという辺りの感覚を持っていらっしゃる方がインターフェースになってくれるというのが対になっているかなと思います。日本全体で地域をどう活性化させるかというときのヒントは、やはりそういうところにもあるのではないかなと思いました。
【久世部会長】 ありがとうございました。
小池委員、よろしくお願いします。
【小池(聡)委員】 今、ドイツの話が出たので、ちょうど一つエピソードを言いますと、うちにはAIの技術者が結構いまして、それで新型コロナを機に、どこでもリモートで、出社しなくていいと言ったら、みんないろいろなところに引っ越していった技術者がいまして、ネット上のコミュニティというのは、みんな結構、海外でやっていた連中なので、グローバルなコミュニティに入っているんですけれども、やはりメディアでいろいろな発表をされたりする大分前に、そんなこと、みんな分かっているんです。それでいろいろな議論がされていて、こうなるという。新聞とかそういうのに出た頃というのは、もうそんなの常識で、大体、次の議論に行っているんです。
それを考えると、ネットのコミュニティだけでは実は駄目で、やはりフェイス・トゥ・フェイスで、こういういろいろな、SIGといって、スペシャル・インタレスト・グループとかそういう会合が山ほどありまして、そこに参加していないと乗り遅れてしまうんです。なので、技術者の間では、場というのがすごく大事になっています。
ということで、実はどこで仕事してもいいよと言ったら、1人はベルリンに引っ越していきまして、それで、AIは今、シアトルとベルリンなんです。シアトルはアマゾンとかマイクロソフトとかがありますし、ソフト系なんです。ドイツは、AIロボティクスの分野に特徴あるAI。だからAIとロボティクスと、今後そういう時代になってくると思いますけれども、その連中は今、そこへ集まっているんです。
なので、何かそういう特徴のある集積の場所というのが日本にできてくると、すごくいいなと思っていまして、今バーチャルな時代ですけれども、場もすごく大事だという、すみません、私、手を挙げていなかったんですけれども、ドイツの話をしていたので、ちょうど思い出して、一つ事例を紹介させていただきました。
ありがとうございます。
【久世部会長】 ありがとうございました。
林委員から、海外は、自治体と大学の連携が強いという発言がありました。日本の場合、国立大学、私立大学、公立大学があります。公立大学は自治体管轄になっており、その結果、国立大学や私立大学の自治体連携が海外に比べて進まないということもあるように感じています。
【国分課長】 もしよろしければ、すみません、先ほどの概算要求の御説明の中で、スタートアップ・エコシステムのプラットフォームが9つあると申し上げましたけれども、これは去年立ち上がって、今まだまだ途上なのかもしれませんが、このプラットフォームの中にはバーチャルなパターンも結構多いと思いますけれども、自治体と金融機関と大学とみんな入って議論を始めていて、この中で、地方のこのプラットフォームの中での情報共有とか経験の共有というのも始まっていると。
さらにその上に、9プラットフォームを統合するようなワーキンググループをつくって、さらに全国大での共有を図るという組織体を構築しつつありまして、非常にここには将来性があるなと思って私も見ておりますし、ここは今日、頂いた議論の中で重要になってくるポイントも、この中に答えが結構、隠されている部分が多いのかなと聞いておりました。
【久世部会長】 ありがとうございます。
【小池(聡)委員】 もし時間があるようであれば。
【久世部会長】 よろしくお願いします。
【小池(聡)委員】 実は、文科省さんのマイスター・ハイスクールというものの委員をやっていまして、ちょうど先週末、福島で産業フェアというのがあったんです。これは専門高等学校、商業高校とか工業高校、農業高校とか、そういうところが集まる全国大会が年に1回あって、今年は福島、郡山でありました。毎年、私は行っているんですけれども、そこに出てきて、マイスター・ハイスクールの採択校からいろいろ発表してもらって、そこでディスカッションするというのがあります。
最近、すごくレベルが上がってきたなというのを感じているのは、地域の社会課題に対するいろいろなピッチをしてもらうんですけれども、最近、過疎化で、みんな統合されて、商業高校、工業高校、農業高校が一緒になっているんです。大体、地方創生といっても、地域の経営資源は農林水産業とか、あとは延岡とかいろいろありますけれども、そういう特徴のあるところがあると、今、一つの専門性だけでは解決できない社会課題が多いので、その社会課題を、例えば農業でいうと、農業科の子たちがいろいろな課題を出してくると。それを解決するためには、スマート農業とかそういうのも必要で、工業科の子たちが、俺たちの出番だといって、いろいろアイデアを出してくると。プロトタイプまで作ってくると。
これを社会実装、事業にしなければいけないとすると、商業科の人たちがビジネスプランをつくってみたいな、そういうチームワークで、結構すばらしい発表、ピッチをして、私も山ほど、ベンチャーキャピタルだったのでピッチは聴いていますけれども、かなり本当に地域の課題に即した、本質的なところが出ていたんです。
やはり地方大学を中心に今、文科省、やられていると思うんですけれども、先生方も生徒たちも、本当に地方の人たちではない人たちも多いので、地域の課題、自分の親とか、おじいさん、おばあさんとか、そこからいろいろ聞いている話とか、地域の課題を身に染みて感じている方々がそういう課題を出して、大学、それから産学官連携、そこで課題解決をしていくみたいな、もう少し大学から下、小学校まであれしてもいいんですけれども、もう少し深掘りしながら、社会課題をみんなで解決できるというような方向に持っていけないかなと思っています。
よかったのは、そこを卒業してから、どこか大学へ行くにしても、就職するにしても、やはり地元に貢献したいという子が非常に多かったんです。そういう思いもありましたので、ぜひ皆さんもそういう、産フェアというのは割と私も感動的に面白かったので、機会がありましたらぜひと思います。
以上です。
【久世部会長】 ありがとうございます。
それでは、最後の事務連絡の前に、今日の全体の議論に関して、事務局のほうから補足情報や御意見がありましたらお願いします。
【国分課長】 あと一点だけ、よろしいですか。
【久世部会長】 はい。
【国分課長】 今日、千葉委員のほうから一点、指摘がございましたが、産学連携は方法論であるという点ですね。そこは前、私、クローズドの場でも一度申し上げたことがありますけれども、産学連携とか地域振興というのは、私の課の名前もそうですし、この部会の名前もそうですけれども、あくまで手段であって、そしてアクションなんです。
その場合、その先にどんな目的とか目標があるのかというのとセットでないといけないのかなと思っていて、そういう意味では、産学連携というものの目的というのは、大きく文科省がやる理由としては二つあって、一つは、大学のミッションでもある社会実装でもあり、もう一つは、大学自身の研究力の強化というところに、エコシステムとして戻していくという部分であって、研究力強化というのは、必ずしも例えばいわゆる稼げる部分だけでぐるぐる回す話ではなくて、もっと基礎研究ですとか、もしくは人文社会系ですとか、そういうところも含めての研究力だと思っていますけれども、そういうところに裨益していくというエコシステムを回していくというのが目的なんだと思っています。
今日、我々のプレゼン資料の中の一番最後のページに、少しエコシステム的には書いていましたけれども、そこまで大きく広げた意味にはなっていなかったので、補足したかったんですけれども、その先には、やはり社会実装と、それにさらに今日、言及もありましたけれども、人類の豊かさとかウェルビーイングとか、そういう先が、長期的なアウトカムとしてはあるのかなと思っています。
そんなふうに私たちはイメージしていますし、多分この部会などを通じて、いろいろ発信したり、議論していかなければいけないポイントなのかなとも思っています。
以上です。
【久世部会長】 国分課長、ありがとうございました。
それでは、よろしいでしょうか。本日も活発な御議論、ありがとうございました。
最後に事務連絡として、今後の予定について、事務局よりよろしくお願いいたします。
【對崎課長補佐】 ありがとうございます。通例の御連絡でございますけれども、本日の議事録については、事務局から委員の皆様に確認いただいた上で、ホームページに公開いたしますので、よろしくお願いいたします。
次回の予定等については、また追って御相談をさせていただきます。
本日は御多忙の中、積極的に御参加、御発言を賜りまして、非常に貴重な御意見ありがとうございました。
事務局からは、以上でございます。
【久世部会長】 それでは、これをもちまして、第12回科学技術・学術審議会の産業連携・地域振興部会を閉会といたします。
本日も本当に活発な御議論、どうもありがとうございました。
―― 了 ――
科学技術・学術政策局産業連携・地域振興課