令和8年6月22日(月曜日)14時~16時
文部科学省東館11階 省議室 及び オンライン
【大野主査】 それでは、これより第1回産業競争力・研究力中核大学群に関するワーキンググループを開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
私は、座長を務めます大野です。どうぞよろしくお願いいたします。
議事に先立ちまして、本ワーキンググループは文部科学省及び経済産業省、それぞれの審議会の下に設置されたワーキンググループの合同の開催であるということをまず御案内申し上げます。また、本日のワーキンググループにつきましては、YouTubeで会議の模様をライブ配信しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
早速ではございますが、議事を進行してまいります。本日は、産業競争力・研究力中核大学群の形成について御議論いただくこととしております。開会に当たりまして、お三方から御挨拶をいただきたいと思います。
まず、文部科学省の科学技術・学術政策局、西條局長に御挨拶をいただきます。
【西條局長】 皆さん、こんにちは。ただいま御紹介いただきました科学技術・学術政策局長の西條でございます。本日は、委員の皆様方におかれましては、御多忙中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。本ワーキンググループの事務局及び文部科学省の担当局長として、一言御挨拶申し上げたいと思います。オンラインですので、着座にて失礼いたします。
本日御参加いただいている委員の皆様は既に様々な会議に御参加いただいておりまして承知されていることとは思いますけれども、本ワーキング設置の背景としての最近の政府、特に科学技術イノベーション政策に関係する動きを御紹介させていただきたいと思います。
1つ目は、もう皆さん御存じの第7期科学技術イノベーション基本計画でございます。こちらにつきましては、この4月より新たに第7期科学技術イノベーション基本計画としてスタートしたところでございます。近年の国際社会や社会経済の情勢変化を踏まえた科学とビジネスの近接化が進む中で、本計画においては科学研究と社会実装の一体的推進、また、産学官を結節するイノベーション・エコシステムの高度化を重要な方針と位置づけまして、特にこの計画中に集中して取り組む事項としては、研究システムの刷新と投資の大胆な拡大、この2つを掲げているところでございます。
このうち、研究システムの刷新につきましては、特に組織的な取組として、世界をリードする研究大学群等の実現に向けて変革を図るということで、研究大学群の本格始動拡大を掲げまして、経営マネジメント強化をはじめとした先導的な研究環境を確保することによって、これは一つの指標ですけれども、教員の研究時間割合50%以上を実現する研究大学について、2030年度末までに20大学以上とするとの目標が提示されたところでございます。本目標は、現在実施している国際卓越研究大学制度、また、地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)をはじめといたしまして、まさに今回御議論いただく新たな施策を加えまして、これを総動員して実現を目指すというものでございます。
もう一つは、もう御存じの日本成長戦略でございます。現在、高市総理の下で新たな日本成長戦略の議論を行っているところでございますが、この中で、新技術立国を目指す高市政権の方針の下で、その核となる高い研究力を有し、産業競争力強化に貢献する研究大学群の形成を含めた様々な取組を盛り込むべく、議論を進めているところでございます。
これに先駆けまして、本日の委員の中には御参加いただいた方もおりますけれども、文科省と経産省で昨年より共同で、「世界で競い成長する大学経営のあり方に関する研究会」を設置いたしまして、研究大学群の形成について議論を実施してきました。この4月には、研究大学群に対する支援措置や必要とされる要素、制度環境整備、経営改革等について方向性を取りまとめていただいたところでございます。
これが日本成長戦略の議論に反映して、今年の4月末に開催された日本成長戦略会議において、総理からは、「松本文科大臣と赤澤大臣は、産業競争力強化に貢献する新たな大学群の形成に向けて、17の戦略分野を中心に、特定分野において特に高い研究力を有する大学を中長期的に支援する制度の創設を検討してください」との御指示をいただいているところでございます。
これらの議論も踏まえまして、このたび新たな研究大学群の具体化に向けて議論を進めるべく、両省の関係する審議会の下に新設のワーキンググループを設置しまして、本日が第1回目の会合の開催ということになってございます。
これまでも経産省と文科省で連携した会議は行われてきたところでございますが、産構審と科学審という両省庁の審議会の下に設置したワーキングを合同開催する例はそうないと認識してございまして、省庁の壁を越えた取組にしっかりとつなげたいと考えているところでございます。本日も事務局として、経産省からは担当の菊川局長、それから畠山産政局長にも御参加いただいていますし、文科省からは私に加えまして、合田高等局長、それから淵上研究振興局長も参加していると5局長そろい踏みなところに、またさらに関係省庁として外務省股野局長、今はまだちょっとお越しになっていませんが、いらっしゃるということで、ワーキンググループにここまで局長が参加するというのもなかなかそうないと認識してございまして、それだけ本取組は情勢を反映しているものだと考えているところでございます。
本ワーキングでは、これまでの議論を参考にしながら、研究大学群に関する位置づけや支援措置を整理いたしまして、選定評価基準等の要件の設計、また必要となる制度改正などについて検討することを予定してございまして、委員の皆様から忌憚のなき御意見をいただければと考えてございますので、本日はどうかよろしくお願いいたします。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、文部科学省研究振興局、淵上局長より御挨拶をいただきます。
【淵上局長】 ただいま御紹介いただきました研究振興局長の淵上でございます。改めまして、委員の皆様には御多忙のところ、本ワーキングに御参画いただきましてありがとうございます。
研究振興局では、大学等の研究力強化を図り、多様な研究大学群の形成を図るため、本日御出席の千葉委員を部会長といたします大学研究力強化部会を開催し、その事務局を務めているところでございます。
この部会では、幅広い観点から大学の研究振興策や研究大学の在り方について検討を行っていただいております。特に直近では、高い研究力を持つ大学を我が国の成長の中心として、世界で存在感を示し、将来的には世界と伍する研究大学へ発展させるべく必要な方策を検討するための議論を進めていただいております。5月22日に開催されました部会におきましては、本日の参考資料にもなっております議論のまとめ(案)が示されたところでございます。
この議論のまとめでは、今後の研究大学の取組の方向性として3点が示されているところでございます。後ほどまた御参考に御覧いただければと思いますけれども、1つ目は、我が国全体で多様で厚みのある研究大学群を形成し、研究力を最大化するため、有効と考えられる方策を取りまとめること。2つ目は、産業連携による経費や学長裁量経費なども活用し、大学主体で研究を活性化させ、研究力を向上させる取組を検討すること。3点目、大規模な国の支援を受けている大学において、他大学の参考となるような先進事例の創出を進めること、この3点が示されてございます。
こうした方向性を実現していくためには、意欲ある研究大学に対して多様な支援を講じることで、社会の中で大学が果たすべき役割をさらに伸長させていくことが必要だと考えております。
本ワーキンググループでの検討事項は、これまでの大学研究力強化部会で検討いただいておりますその方向性にも沿った内容となってございまして、活発な御議論が行われることを心より期待いたしております。委員の先生方から忌憚ない御意見をいただき、本日御参加いただいております関係府省の方々とも連携しながら、次代の研究振興策を考えてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、経済産業省からも御挨拶いただきたいと思います。経済産業政策局の畠山局長、お願いいたします。
【畠山局長】 皆さん、こんにちは。経済産業省の経済産業政策局長をしております畠山でございます。内閣官房の日本成長戦略会議事務局の事務局長代行も兼務をしておりまして、今、まさに日本成長戦略の取りまとめに向けて奔走していると、こういう状況でございます。
私のほうからは、この日本成長戦略でやっていかなければいけないことの一つに、やはり国内投資を進めていこうという動きになってございまして、これがないがゆえに潜在成長率も低いままにとどまっているということでありますので、この投資を増やしていくということが大きなテーマになっております。
ただ、投資を増やしていくにも、やはり競争力がないと投資を増やしていけないということで、この産業競争力をいかに強化していくか。このことは、大学と産業界の連携なしにはなかなかなし得ない、そういう状況になっておりまして、これまで産業競争力は産業界、大学の研究力は大学と、必ずしもそこの連携がしっくりいっていたかどうかというところは疑問もあるというふうに思いますけれども、今後はそういうことではなく、まさに手と手を取り合って研究力と産業界の力を結集させることで、日本の産業競争力強化、そして大学の研究力の強化、この両者を実現していきたいと考えておりまして、この両審議会の下にこういうワーキンググループがつくられるというのは画期的なことだと思いますけれども、ここでの御議論を踏まえて政策展開もしていきたいと思いますので、何卒忌憚のない御意見を賜れればと思います。
誠にありがとうございます。何卒よろしくお願いいたします。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、ここで文部科学省高等教育局の合田局長からも一言御挨拶をいただきたいと思います。
【合田局長】 申し訳ありません。この後、参議院の予算委員会に政府参考人として行かなければならないので、もう一言で御挨拶を申し上げたいと思っています。
改めて心から先生方には感謝申し上げたいと思っております。私が今日ここにいるのは、私どもの局が恐らく大学の自律性というものを担がなければならない、霞が関で唯一の局だからじゃないかなと思いますが、かつて京都大学の憲法学者で行政改革会議の委員でもいらした佐藤幸治先生が、これからは塹壕に閉じ籠もる自治ではなくて、知的価値を生み出し社会をリードするための自律性に転換していかなきゃいけないということを、私がまだ係長の時代でしたから、30年ぐらい前におっしゃったことを思い出します。大学の知を社会的あるいは経済的な価値に展開して、知がその社会経済をリードする。そのために大学も変わる、企業も変わるということのために、この合同会議というのはあるのかなというふうに思っております。
しょせんこの程度だとか、この程度で十分といったような老練な諦念も超えて、あるいは大学も企業も自分たちのみがセンターで正しいという思い込みも超えて、闊達な議論の中でこれを乗り越えるという御議論をいただければと思っておりますし、私どもとしては、今申し上げたような観点から大学の自律性というものを捉え直して、社会の幅広い理解を得て、大学に対する支援というものを獲得していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上でございます。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、事務局から、委員の出欠などをお願いいたします。
【對崎課長補佐】 ありがとうございます。本日は委員の皆様におかれましては、会場またはオンラインにて御出席をいただいております。また、鮫嶋委員は残念ながら御欠席となっております。また、本ワーキンググループでは、事務局以外に関係省庁からも御参加をいただいております。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
次に、配付資料の確認をお願いします。
【對崎課長補佐】 本日は、資料1から資料3、資料1及び資料2がワーキンググループの委員の名簿で、資料3が事務局説明資料となっております。また、参考資料は参考資料1から4までを配付させていただいております。不足している資料があれば、事務局までお知らせいただければと思います。
また、オンラインで御参加されている方々におかれましては、会議中、もし音声等に不具合ございましたら、チャット等で御連絡をいただければと思います。
また、本日の審議については、会議資料や会議終了後の議事要旨等を文部科学省及び経済産業省のホームページに掲載することとしております。よろしくお願いいたします。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、議事次第に沿って進めてまいります。まずは事務局より、資料3ですね。「本ワーキンググループの論点及びスケジュール、制度の方向性」について、御説明をお願いいたします。
【對崎課長補佐】 ありがとうございます。先ほど局長方々の挨拶にもあったとおりでございますけれども、これまでの検討の状況と、本ワーキンググループで特に御議論いただきたい点等について、事務局資料に基づいて説明をさせていただきます。
資料3でございますけれども、1枚めくっていただいて、1ポツが「世界で競い成長する大学経営のあり方に関する研究会の振り返りと、その後の政府内検討状況」でございます。3ページに研究会の構成員と開催趣旨、開催実績を示してございます。
次のページをお願いします。こちらでございますけれども、こちらのような構成員と開催実績でして、昨年9月から本年の3月まで議論を実施して、3月に中間取りまとめを行ったところです。
次のページをお願いします。こちらはその研究会での主な議論というところですけど、科学とビジネスの近接化時代における、世界で競い成長する大学に必要な経営環境、あるいは様々な必要な論点というところを議論してきたところです。
時間もございますので少し飛ばさせていただいて、6ページをお願いいたします。こちらは研究会のほうでおまとめいただいた中間まとめの内容でございますけれども、国際卓越研究大学やJ-PEAKSの事業が走っている中で、さらにそれに加えて新技術立国の核となる高い研究力を有し、産業競争力強化に貢献する大学群として、こちらに掲げているような項目に関して、このような内容が求められるのではないかというところで御議論いただいてきたところです。
次のページをお願いします。その後、一番下のところですけれども、4月の第4回日本成長戦略会議において、総理からも松本文科大臣と赤澤大臣に対して、特定分野において特に高い研究力を有する大学を中長期的に支援する制度の創設の検討というところが指示されたところです。
次のページをお願いします。日本成長戦略において、この右上に囲っている新技術立国・競争力強化と人材育成をそれぞれの分科会で議論してきたところです。
次のページをお願いします。こちら新技術立国の全体像というところですけれども、幾つか論点がある中の一つとして、産業競争力・研究力中核大学群の形成というのが必要になってくるだろうという全体像でございます。
次のページをお願いします。そして、今回のワーキンググループですけれども、経済産業省の産業構造審議会と文部科学省の科学技術・学術審議会の下でそれぞれワーキンググループを立ち上げて、合同で開催するという形で今後、議論をしていければと思ってございます。
少し飛びまして、12ページをお願いいたします。「本ワーキンググループで議論すべき論点及びスケジュール、制度の方向性」というところでお話をしてまいります。
次のページをお願いいたします。本ワーキンググループで議論すべき論点としては、こちらは1行ぐらいでございますけれども、選定要件、支援措置、評価制度、選定方法、それ以外の制度環境整備等について、具体的な議論を進めていただければと思います。
次のページをお願いいたします。今後のスケジュールでございますけれども、今回、本日が6月22日第1回でございますが、論点、支援の方向性を提示した上で、後半には選定要件に具体的な検討を少しいただいた上で、次回、7月後半を調整中でございますけれども、また別の詳細な論点を御議論いただいて、この場では海外大学や産業界からのヒアリングなども想定しておりますが、そのような形で9月以降に具体的な支援の枠組みや評価制度の検討等を行って、年内を目途に取りまとめというところまで御議論を進めていければと思っております。
次のページをお願いいたします。16ページでございますけれども、研究会での中間まとめの内容も参考にしまして、現在事務局として考えている求める要件の総論としてテーブルしてございますけれども、4つ論点があって、1つ目が産業競争力強化へのビジョン、2つ目がガバナンス・経営力、3つ目が研究力・人材、4つ目が経済圏への深い貢献というところで、それぞれ書いてございます要件例のようなところを中心に大学には求められていくのではないかというところで、こういったところにも御意見をいただければと思います。
次のページをお願いいたします。次のページは、それぞれの論点に関しまして、既に行われている取組や求められるような取組例を具体的に記載させていただくとともに、右側の欄には、評価の観点の例というところで、幾つか定性的・定量的な観点を並べさせていただいております。もちろんこれだけが全てではないですし、抜けているような論点、あるいは取組等があれば、この場でもぜひ御議論をいただきたいと思っております。
次のページをお願いいたします。次のページも同様に、研究力・人材、経済圏への深い貢献に関しまして求められる取組例、評価の観点等をお示ししておりますので、御議論の際、また御参照いただければと思います。
次の次のページをお願いします。具体的な支援措置や評価等についてでございますけれども、20ページには、支援措置に関して、上側のスキームのところは、例えば成長戦略の17分野の分野単位での外部資金獲得の促進でありましたり、特定分野の研究力強化というところ、あるいはそのスキームの下の段は大学全体として、全学的な研究基盤の体制の強化のために必要な措置等があるのではないか。これらの措置を実施するに当たって、期間のところですけれども、中長期的な枠組みとして、自走化に十分な期間として、例えば10年や15年などの程度が必要ではないかというところと、規模に関しましては、本大学群の目的や期間・要件を踏まえて、近年科学とビジネスの近接化で求められる研究開発の規模が増大している中での規模感というところで事務局としては考えておりますけども、こうしたところにも御意見をいただければと思います。
次のページをお願いいたします。実際の大学の評価ですけれども、こちらは3年を目途にステージゲートなどを実施して、認定継続の可否を判断すると。その際に様々なヒアリング、書面評価も行いつつ、両省におけるアドバイザリーボードなども踏まえた評価体制として、場合によっては認定取消なども検討するというような案を一案載せてございます。
次のページをお願いいたします。22ページは認定スキームの総論でございますけれども、こうした支援制度を実施するに当たって、政府による選定として、中長期的な支援を制度的に担保しつつ、果断な経営改革を促したり、規制緩和も検討してまいります。その上で、産業界からの中長期的な投資や大学における経営改革も促していくような形で、まずは政府が中長期的な支援をコミットすることを不可欠として、このような取組を進めることによって産業競争力・研究力の強化に貢献していきたいという資料になってございます。
次の次のページをお願いいたします。本日は2回に分けて御議論いただければと思いまして、最初のセクションでは、まず本大学群への期待や問題意識について、あるいは本大学群の制度の方向性について、特に求める要件や支援措置の方式・期間・規模、評価制度に関することなど、あるいはそのほか本ワーキンググループで特に議論すべきことなどがあれば、御意見をいただければと思います。
次の次のページをお願いいたします。後半のほうでは、求める要件の詳細として、ガバナンス・経営力や研究力・人材に関して、特に求められる取組や評価指標の観点から御議論いただければと思います。
事務局の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
【大野主査】 どうもありがとうございます。今御説明がございましたように、本日委員の皆様に御議論いただきたい点を2回に分けて、それぞれ御発言いただければと思います。
それでは、早速ですが、1回目として、資料3、本ワーキンググループの論点及びスケジュール、制度の方向性のうち、24ページの御議論いただきたい点、①を御覧いただき、こちらに記載があるとおり、総括的な御意見、本大学群への期待や問題意識についていただければと思います。委員各位から3分程度を目安に御発言をいただきたいと思います。委員各位の御発言が終わり次第、関係省庁として御御出席いただいている皆様から、必要に応じて御発言をいただくことにしたいと思います。
それでは、多くの皆様に御発言いただきたいと思いますので、大変恐縮ですけど、御発言は簡潔に3分以内としていただければと思います。それでは、いかがでしょうか。御指名してよろしければ、あいうえお順でまいりますけれども、よろしゅうございますでしょうか。
江戸川委員、お願いいたします。
【江戸川委員】 すみません。あいうえお順で当たると思っていなかったのでちょっと準備ができていませんけど、まだ私も今回の制度自体を十分に理解していないところではあるので、基本的なところを確認させてください。大学群を支援するという点について、どういった組織体、ビークルに資金的なサポートをするのかという前提のところを教えていただきたいと思います。その上で、やはり重要なのは経営やガバナンスの観点になってくるかなと思っておりまして、個々の大学の経営と、この大学群の経営というところで、どのようにその関係性を整理していくのか、また、その大学群の経営をどういう形、どういうガバナンス体制で行っていくのかというところは注視したいところではあります。
特に大学という組織は、これまでも子会社や孫会社をつくることはやっているわけですけれども、必ずしも大学自体がガバナンスのプロの集団ではないというところがあるので、そうした他のエンティティ、ビークルを監視するという点については、いろいろな課題もあると認識しているところですので、そういったところはきちんと整理した上で支援の措置を行っていただきたいと思っております。
あと、評価の観点ですけれども、私自身が20年以上産学連携に携わってきたということがあり、やはり委員による評価だけではなくて、実際、民間企業だとか産業界の評価がどうであるのかという観点が、この施策に関しては重要になるのではないかとは思いますので、そうした産業界の巻き込み、特に資金をどれだけ引き出せているのかといったところもしっかり評価の中で見ていただければと思います。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。前提が少しはっきりしてない部分もありますけれども、それに関する御質問がありましたけれども、事務局から、今御質問があった前提、規模感、その他、今の段階で何かお話しできることってありますか。
【国分課長】 それでは、私のほうから。文部科学省産業連携・地域振興課長の国分です。よろしくお願いします。
20ページのところを御覧いただきたいのですが、この研究大学群については、17分野それぞれの経済分野なり経済圏の中で中心となって、自らの研究力を生かして世界で通用するというところまで持っていっていただけるような大学が求められており、そのような大学の総体を研究大学群とここで呼んでいると理解しています。
そういった意味で、大学がこの制度に対して応募してくる場合に、どういう体制で応募してくるのが望ましいかといったことも含めて、この場でぜひ御議論もいただきたいと思います。ちょっとお答えなっているかよく分からないですけども。
【大野主査】 どうもありがとうございました。非常にスタートにふさわしい御説明だったと思います。
続きまして、小川委員、お願いできますでしょうか。
【小川委員】 ありがとうございます。経団連では、この5月に「科学技術立国戦略」を公表しまして、その中で、研究大学に対する支援の重点化ですとか、産学融合ということを掲げました。科学技術立国の実現に向けまして、大学の研究力を産業競争力の強化につなげていくという観点から、本大学群の創設は歓迎するところでございます。とりわけ、大学の知と地域の産業界・経済界が結びつくことで、新たな産業の創出や地域経済の活性化、ひいては日本経済全体の成長につながることを期待しております。
制度設計に当たりましては、全ての大学をあまねく支援するのではなく、この分野ならこの大学と国内外から認知されるようなビジブルな得意領域を擁する大学・学部・研究拠点に重点的に支援することが重要であると考えております。
先ほど産業競争力の観点から期待していると申し上げましたが、他方で産業界のニーズを踏まえること自体は重要ですけれども、大学がそのときの産業政策や流行テーマに右往左往して、支援が尽きた際に関係も切れるような産学官連携では意味がないと思います。そういうことになりますと、未来の重要領域の研究が空洞化してしまうリスクもあると考えます。
ですので、大学側の要件、コミットメントももちろん重要ですけれども、政府としても、地域未来戦略など長期的な産業政策・地域政策の中での本大学群の位置づけについて、長期のコミットメントを示していただくことが重要かと考えております。
以上でございます。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、折茂委員、お願いいたします。
【折茂委員】 御紹介ありがとうございます。ボストン・コンサルティング・グループの折茂と申します。あまりこういった場にはそぐわない会社じゃないかと思いますけれども、弊社はグローバルで展開しておりますコンサルティング会社でございまして、国内外の高等教育機関への御支援ですとか、国を通じた御支援等々多数やらせていただいておるという中で、そういった観点で少し発言させていただければと思っております。
まず、こういったお取組、この大学群の取組というところ、非常に期待をしているところでございます。海外でも研究の場代が上がり、ビッググラントも非常に大きくなっているという中で、研究資金というところは非常に重要ですし、今このタイミングできちんとしっかりとお金を投資していかないと、これまで日本が長年蓄積してきた研究力というものが停滞してしまうという可能性もあると考えております。そういった意味で、こういった大学群への支援というところは非常に重要な取組であると考えております。
また、この制度群の方向性についてということで、後ほどの議論とも少し関連するところになりますので、ここでは簡単に触れさせていただければと思いますが、この要件ですとか期間、評価制度、こういったところにつきまして、まず期間というところも一定の期間がないとじっくり研究に取り組むことが難しいという意味では、10から15年という記載もございましたけれども、非常に必要な期間であるのかなと思ってございます。
一方で、評価制度というところになりますけれども、一定緊張感を持って定期的にゲートを設けていくということは重要ではある一方で、あまり評価疲れのようなものにならないようにというようなことですとか、また、そのKPIの達成だけ見るのではなくて、逆にこれだけ動きの速い世の中ですので、達成できなかったものも含めて、なぜそれができなかったのか、その見直しスピード、改善策の提案、こういったところも含めて評価に織り込んでいくというようなことも今後重要になってくるのではないかと考えております。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、久世委員、お願いいたします。
【久世委員】 今回の取組に期待する点は、大きく3つあります。
まず1点目は、事業革新・産業革新につながる先端技術・基礎研究を強化するための環境整備と風土改革です。これは大学だけでなく、産業界にとっても極めて重要な課題です。企業の中には先端研究や基礎研究に積極的に投資しているところもありますが、日本全体を見ると、短期的な成果を重視する傾向が強く、事業や産業の構造そのものを変革するような基礎研究への投資は十分とは言えません。また、日本企業には依然として自前主義の傾向があり、研究から事業化までを単独で進めようとするケースが少なくありません。今後は、大学と企業がそれぞれの役割を果たしながら、研究段階から社会実装までを一体的に推進する仕組みや風土を構築していくことが必要だと考えます。
2点目は、人材育成です。こうした変革をリードできる人材は、大学だけでも、企業だけでも育成することは困難です。大学と企業が相互に人材を行き来させながら、一体となって育成する仕組みが重要になります。その一例として、文部科学省の産業・科学革新人材事業(INSIGHT)が挙げられます。私も活動に参画していますが、この事業で蓄積された知見や成果を、今回の取組にも取り込んでいくことができれば有意義ではないかと考えています。
3点目は、企業や大学が保有するデータの活用です。AI時代において、データは研究開発や事業創出の基盤となります。しかし、日本では企業や大学の間に存在する組織の壁によって、データの共有や連携が十分に進んでいません。今後、複数の企業や大学が保有するデータを安全かつ効果的に連携・活用できる仕組みを構築できなければ、日本の国際競争力はさらに低下する可能性があります。その意味で、中核大学群には、産学官のデータ連携を促進するハブとしての役割を期待しています。研究、人材、データが循環するエコシステムの中心として機能することで、よりスピード感のある産業・事業の変革につながるのではないかと考えています。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、続きまして田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 ありがとうございます。いただいている論点①のほうで申し上げると、まず研究大学群に求める要件ですけれども、やはりグローバルインターフェースであろうと思っています。国際的に認められていくためには、国際的なあるコミュニティの中のネットワークに入らないと評価を受けないということがございます。ですから、日本で育っていようと、海外で育っていようと、そういう人材をやはり大学生としても受け入れ、教員としても受け入れ、また送り出すことも必要だと思います。
特に私が一番印象に残っているのは、青木昌彦氏ですね。経済学者でノーベル賞に一番近いんじゃないかと言われた方ですけれども、お取りにはならなかったですが、早稲田大学に来たときにおっしゃったのは、「この間、ノーベル賞を取った○○さんの今回出る本のマニュスクリプトは、7人のグループでずっと読んでコメントしていた」とおっしゃったんですね。やはり、本当にトップレベルの人たちって、7人とか10人でコミュニケーション・ネットワークをつくっている。やはりそのネットワークに入ることが必要だと思っております。ですから、グローバルインターフェース、どこの国、どこの大学で学んだ者でも自分の大学に受け入れて教えてもらい、また、学生も外に出し、また戻ってくるか、戻ってこないか。戻ってこなくても、将来自分の大学の者を受け入れてもらえますから、外に出て行っても構わないということになります。
もう一つ、政府からの支援の方式でございますけれども、国際卓越研究大学に届かなかった大学と、J-PEAKSにアプライしなかった大学というのがあるわけですけれども、その中間の規模というと、期間的にやはり15年ぐらいを考えていただきたい。国際卓越研究大学は25年で、J-PEAKSは5年から10年ですから、やはり15年を考えていただいて、規模も70億から100億ぐらいですね。
70億から100億ぐらいと申し上げているのは、J-PEAKSに我々早稲田が応募しないで国際卓越研究大学を目指した理由の一つは、早稲田大学のエンダウメントで、年間に2023年度は7億円の償還があるということを見込んでいました。ですから、J-PEAKSに申請する理由はなく、国際卓越研究大学を選んだ。今はもう年間の償還が12億円を超える、その結果早稲田は全体では1,900億円を超えるキャッシュファンドを持っています。1,500億はずっと元本毀損せずにやってきましたが、その運用益の100億を積極運用して育てたところ、今年までに363億になっています。約3.7倍になっています。基礎となる基金と運用益を合計すると、約1,900億から2,000億円近い金額のファンドがあります。そういうものを我々は自前でできると思っていましたからJ-PEAKSには申請しなかったので、規模としては、やはり70億か100億が必要です。国際卓越研究大学より低いですが、J-PEAKSとの中間に来るぐらいの規模が必要だろうと思っております。
ガバナンスと人材については、後ほど論点②だと思いますが、そちらのほうでまた申し上げます。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、千葉委員、お願いいたします。
【千葉委員】 これは国策で進めるものですので、少なくともその大学が、それぞれが自分はどういう大学にというレベルをはるかに超えてもらうような視野が必要だと思います。大きくというのが当たり前ですけれども、例えば日本は何を実現したい国なのかということを明確化して、それからほかの国とは何が違うのかということ、それが分かって初めて、日本は何をすべきか、そこに大学がどう貢献すべきかということが明確になるのではないかと。これまでは、どうしても自分の大学がほかよりも優れているから、だからこれをやるんだという論点がかなり強くなってきていたかなというふうに思います。
例えば、経済成長は極めて重要ですけれども、それをネガティブのほうに進めてしまう要因というのはリスクというのがあります。このリスクを、いかに先を読んで先手を打ってそこに投資していくかという考え方も非常に大事だと思っています。これがうまくいかないと、せっかく成長しているのに、一方でどんどんどんどん地盤が崩れていくので、結果としては成長していないということになってしまう。
この考え方は、実は私は日本が弱いと思っていて、欧米とかではこのリスクへの投資をまさに投資と考えるんですけど、日本はコストと考えるわけですね。それから、失敗を一度でもするとかなりネガティブな形になってしまう。こういうところを変えていかなければ、本当の国の成長はない。
では、大学はどうしたらいいのか。自分の大学だけの良いところを強く示せばいいのか。実際はそうではないんじゃないかと思います。これぐらいの国家観に立ったことを大学群が力強く進めていくというところが、これからは非常に重要になってくるのではないかと思います。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
続きまして、野口委員、お願いいたします。
【野口委員】 私は、資料中ご指摘がありました、ご議論いただきたい点に基づいて申し上げます。
まず、期待のところですけれども、国際卓越研究大学は世界水準、地域中核研究大学は拠点イノベーション、今回の本大学群の冒頭には産業競争力とついています。大学側の立場から見た産業競争力とは、大学の研究成果や人材が、日本の産業構造の高度化や新産業創出、国際標準に経済界と連携して貢献する力と私は解釈しています。経済界と学術界との新たな連携ステージが構築できると本当に期待しています。
一方で、問題意識として、先ほど少しご説明がありましたが、第7期科学技術・イノベーション基本計画における研究開発投資の官民目標180億のうち、産業界から5年で120兆円の投資を呼び込むということですけれども、主として本大学群が共同研究はもとより、特許ライセンス、スタートアップ創出、施設共用、人材育成もそうですが、牽引役として呼び込めるかというのが非常に重要であると考えています。特に知財活用と人材育成は産学における大きな共通課題と思っています。
要件の方向性で重要なのは、経済界並びに企業と学術界並びに大学との共感性が非常に重要だと思っています。例えば、双方共通で設定する数字の目標値もあると思います。そういう共通項値を双方の役員会などでそれぞれ決めて確認するという手順も非常に重要と考えます。とりわけ久世委員もおっしゃられた人材の確保です。昨今の状況から、国際卓越研究大学であったり、J-PEAKSであったり、その他大型研究事業で研究者やURA等々の取り合いが常態化しています。そういった観点から、例えば産業界との間では、取り合いというよりも「融通」というキーワードが非常に重要だと思います。これはシニア人材の活用であったり、クロアポであったり、出向であったり、客員ポストであったり、産業界から大学への人材交流のバリエーションをもっと議論すべきと思います。もう一点が、将来の担い手である博士人材とか技術人材の創出に力点を置くのが、私は非常に重要ではないと思っています。
支援の措置ですが、支援の手法として基盤支援と、もう一つは成果連動支援をミックスさせたような支援の措置が重要ではないかと思います。例えば、支援規模の基盤が80億であれば、中間評価で成果上限20億を2回措置とかです。そうするとマックス120億になりますので、こういった成果連動支援を取り入れるのが非常に重要ではないかと思っています。
あと、評価について、やはり定量評価と定性評価が重要です。もちろん認定校の内部で評価委員会の設置は必須ですが、産業界をコミットさせた独立性ある評価委員会を設置するのが肝要かと思っています。
最後に、認定の取消ですが、折茂委員がおっしゃったように、良い点としては、緊張感がやはり維持できると思いますし、制度の信頼性も高まると思います。ただ、私は限定的に運用というのは非常に重要だと思っていて、中間評価で、例えば改善勧告であるとか、条件付継続であるとか、支援縮減であるとか、やはり段階的に考えるようにした方が良いと思います。加えて、経済団体との対話が非常に重要だと思っています。小川委員も指摘されたところですが、産業界全体に信頼感を醸成することの意味と、経済団体からの支援を取り付けて、特に地域との連携が重要ですので、さらに地域経済界との密接度を高める必要があると考えます。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、波多野委員、お願いいたします。
【波多野委員】 ありがとうございます。基本計画の実現、そして新技術立国の核となる大学群の形成は喫緊の課題であり、早急な実現を期待します。大学における知の創造と価値化の向上は、グローバルなイニシアティブの強化、地方再生にも大きく波及します。そのため大学だけではなく、国研も含めた産官学での推進が不可欠です。17の成長分野で高度な研究人材不足が指摘されており、具体な施策が必要です。変革に果敢にチャレンジする大学への重点支援をお願いしたいと思います。
私が推進委員を務めるJ-PEAKSは3年目を迎え、伴走支援の効果もあり、部局単位から『大学全体』、さらには『大学間連携』へと着実にムーブメントが広がっています。研究大学群をさらに強化することが日本全体、また地域経済の活性化に直結すると考えます。
また、米国のNSF『地域イノベーション・エンジン』のように、特定戦略技術に直結する大規模エコシステムづくりは、日本でも参考になると思います。ミッション研究やニーズ反映のプロセスが、単なる一過性の受託研究で終わらせず、生まれた資金や人材、知、そして市場が、基礎研究や博士育成に還元される『好循環』を構築しなければなりません。参考資料4の2ページに「産学連携によって生まれる資金・人材・新たな知を次の研究力の原資として組み上げていく好循環を構築」と記載がございますが、この循環をつくるのに非常に重要だと思っています。
そのために、資料3の20ページに示されている支援スキームにおける分野単位と大学単位の双方が途切れることなく循環する仕組みが必要です。
また、大学の不可逆な経営改革や、産業界との大規模な包括拠点の設置には、最低でも10年、制度として15年以上の長期的な支援期間を求めます。
最後に、東京科学大学の発足で私たちが自らを問い直し、建学の精神を策定しました。各大学が世界のトップレベルをベンチマークにし、自らの強みを明確化して改革に取り組むことを提案いたします。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、益委員、お願いいたします。
【益委員】 私からは、大学の学長を務めた経験と、現在、国研である産総研でビジネスと基礎科学の近接化の最前線の量子分野の研究開発をしている立場から発言させていただきます。
今回の制度は、研究力強化に加えて、産業競争力強化の観点から研究大学を位置づけようとするという意味で、まず意義ある取組だと思います。
産業競争力を強化する主体を大学単独で考えるのではなく、大学・国研・企業が一体となった研究開発エコシステムとして捉えることが必要ではないかと思います。特に半導体、量子、AIのような分野は、大型研究設備や試作設備、評価設備を含めて研究基盤そのものが競争力の源泉となります。世界を見ても、Imecやフラウンホーファー研究機構のように、大学だけではなく研究機関や産業界を含めたエコシステム全体で共創しているのが実情です。
単に連携大学院をつくるといったレベルではなく、むしろ大学の研究者が国研に入り込んで、かつ博士学生が国研で研究するといったようなことは、後にも述べますように、高度人材としての博士増につながるという、今までにない視点だと思います。
最終的に産業競争力の源泉は人材でございます。論文数・特許数に加え、博士人材、マネジメント人材、スタートアップ人材、将来のCTO人材をどれだけ育成し、社会に送り出したかという観点を評価の中心に加えていただければと思います。
最後に、評価の視点で認定取消ということが入っていましたが、その際にはぜひ入替というのが前提になっていれば、認定の取消というのも一つの考慮すべき点かなというように思っています。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。最初に3分とお願いしたので、それが効いて比較的コンパクトに御発言いただいているようで、関係省庁からの御意見もいただけます。いかがでしょうか。
それでは、上山内閣府参与、お願いいたします。
【上山内閣府参与】 ありがとうございます。このたびのこの経産省と文科省との一体化した政策づくり、大変期待しています。自分自身の経験も踏まえて2つほど申し上げます。
1つは、CSTIの中で国際卓越研究大学とJ-PEAKSに関わってきましたけれども、そのときの問題意識とすると、2004年の国立大学法人化によって、一体どのような政策軸が形成されたかというのは関心があって考えてきました。あの理念は正しかったと思います。そのときから国際的な競争力のある大学、さらに言えばその産業界も含めたイノベーション・エコシステムにきちっと担保できるような大学ということが、もう既に文科省の中で議論されたと思いますけれども、法人化の一番の問題は、このような理念を全ての国立大学法人に課したということですね。この類いのことを引き受けられるのはやはり研究中心の大学であると、視点がやはりその中にはうまく政策として反映できなかったと。
国際卓越研究大学もJ-PEAKSも、国立大学に限定して言いますけれども、その中では研究を中心とした競争力と、それからイノベーションに関わるような大学群を形成する、強いて言うならば、国立大学法人化20年をもう一度再構築する一助になればと思って、国際卓越研究大学もJ-PEAKSもやってきたわけです。
その視点で言うと、2つできなかったことがあると思っています。まず1つは、国際卓越研究大学とJ-PEAKSという2つの軸の中で、どうしても拾うことができなかった幾つかの大学群が存在する。極めて高い研究力と極めて大きな可能性を持っている大学を、取り上げることができなかった。これが1つです。
もう一つは、国際卓越研究大学もJ-PEAKSもCSTIというところを舞台にしてやりましたから、どうしても欠けていた視点というのは、川下の産業政策から、川上の大学のあり方という視点をそこに入れることができなかった。つまり、産業政策上、産業を強靱化していくような人材の問題であったり、あるいは研究開発の問題であったりということを、研究開発の支援の中にうまく入れることができなかった。この2つだと思います。この2つの点を、今回のフレームワークの中で相当程度、完全にやり直すことができるという意味では、大変強い期待を持っています。これが1点です。
こうやって経産省の視点から研究開発の拠点の問題を考えることができるということはすばらしいですけれども、この中でもぜひとも議論していただきたいのは、産業強靱化のためにどのような研究開発に力点を置くべきかは重要だと思いますけども、研究開発に対する支援という形だけでは、実は大学は十全には利用し尽くせないということです。すなわち、基盤的なところの支援をどうするかという問題です。
漏れ聞くところによると、経産省的な目線の中で、研究開発の拠点づくり、つまり縦の部分です。縦の部分は経産省でやりますけども、横の部分は文科省でやってくださいよねという議論があるとすれば、せっかく一体化したこの委員会でやることの意味は相当薄くなる。すなわち、基盤的な支援に関しても、経産省も一体となって大学のあり方を考えないと、大学というのは実は動けないということですね。幾ら研究開発のお金を入れても、大学のシステム改革もできないし、その問題がある。
これをやろうとすると、実は国立大学法人法の改正まで行かなければいけない。すなわち、国大法の中で運営費交付金は文科省しか出せないということになっていますから、基盤的な経費を運営費交付金という名前でやらなくてもいいですから、一番良いのは、国大法すら改正して、他省庁の様々な見解が基盤的に大学を支援できるような仕組みをそこに入れるべきだと思います。これは文科省と経産省が一体でやるわけですから、そこのところは非常に大きな力を持って、ぜひともこの国立大学法人という形態に関して、少なくとも研究大学については新しいタイプのグループをつくっていくのだという形になっていけば非常にいいなと思っています。
この2つがこの委員会に非常に強く期待することで、正直言ってCSTIの中ではなかなかできなかったことです。それはこの委員会のお力を使って、ぜひとも日本の大学システムの改革にまで踏み込んでいただきたい。これは非常に強い期待でございます。
以上でございます。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
ほかに、いかがでしょうか。門元課長。
【門元課長】 外務省でございます。経済局長の股野が別の公務の関係で途中退室させていただき、申し訳ございません。
外務省としましては、この産業競争力と研究力中核大学群の形成に向けて、その一翼を全力で担っていきたいと心より感じております。特に、外務省は普段こういう場にはなかなか呼んでいただく機会はなかったところでございますけども、全世界の在外公館ネットワークを使いながら、本取組に少しでも貢献できることがあるのでないかと考えております。
実際、これまで新技術立国関連の報告を全在外公館宛に送ると、その後、大使を含む現地公館から、現地ではこうなっていると様々な報告が追加的に公電という形も含め本省に届くことが多くなりました。特に本WGの取組で申し上げると、現地の科学技術研究大学とか研究機関にどういうシーズがあるか、どういう研究分野があるかという報告も入ってきております。例えばボストンやサンフランシスコは現地の大学と普段から付き合いがあるのですが、なかなか本省側で拾えていなかった情報が続々と入ってきておりますので、そういったものをこうしたWGの場にも提供させていただき、国際的な頭脳循環を少しでも後押しできればと思っております。
特に在外公館は現地に常駐しているので、今まで以上に大学との接点を構築・維持し、できるだけ情報収集の起点となって動き、先生方の問題意識を踏まえて貢献していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。オンラインで御参加の皆さんもよろしゅうございますか。
【宮園CSTI議員】 すみません。では、宮園ですけど、一言発言してよろしいでしょうか。
【大野主査】 宮園議員、お願いいたします。
【宮園CSTI議員】 今日はどうもありがとうございます。
まず最初に、この産業競争力・研究力中核大学群に関する話合いが始まったこと、大変感謝申し上げます。先ほどから皆様からお話ありましたとおり、国際卓越研究大学あるいはJ-PEAKSの大学がある中で、幾つかの重要な大学につきまして、どうしても支援が必要であると。特に第7期の基本計画で数々の数値目標等を出しておりますけれども、これは、日本の主要な大学が連携してこれを達成するという考えで進めていくことは非常に重要であるということからも、今回のこの中核大学群がスタートするということに対して、私は大変重要なことと思っております。
第7期の基本計画、先ほどから政府はもちろんですけれども、産業界でもいろいろな形で評価していただいて、御支援をいただいているものと感じております。一方で、大学のほうでも、もちろん多くの方はこの第7期の基本計画御存じかと思いますけれども、こういった基本計画が立って、私どもが科学の再興あるいは経済の発展に貢献するということで、皆さんと一体となって努力していくということを大学の皆様にもぜひ知っていただくためにも、こういった計画は非常に重要であると思います。
私が特にお願いしたいのは、今回外務省の方も入っていただきましたけれども、科学とビジネスが近接化ということ、これは世界中でこういった考え方が広く浸透している中で、やはり日本の研究者も国際性をさらに高め、人材育成を進めていくことは大変重要であると思いますので、このプログラムの今後の発展に期待しております。どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。よろしゅうございますでしょうか。
それでは、次、2つに分けたうちの後半ですね。御議論いただきたい点、②を御覧いただければと思います。ここに記載がございますように、本大学群に求める要件のうち、特にガバナンス・経営力、そして研究力・人材について、求められる取組や評価指標の観点について、御自由に御意見をいただきたいと思います。
1回目の議論と同様、まず委員各位から4分程度を今度は目安にしていただいて、御発言をいただきたいと思います。委員各位の御発言が終わり次第、関係省庁として御出席いただいている皆様から、必要に応じて御発言をいただきたいと思います。
それでは、いかがでしょうか。田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 早稲田大学の田中でございます。日本私立大学連盟会長も兼務しておりますので、ガバナンスと研究力・人材の育成について申し上げます。
まず、ガバナンスと経営力ですけれども、この中核研究大学群を考えていただくときに、設置形態にこだわらないでいただきたいと思っています。設置形態、つまり国・公・私立の3種類がありますけど、その国・公・私立のどの大学にも研究大学はあり、教育に特化している大学もあり、地域の活性化に特化している大学もあると思います。ですから、研究力に特化している点を強調している大学は、その設置形態にかかわらずに、見ていただきたいということであります。
ガバナンスについて2点ございますが、まず、産学連携に関してです。第1点目で皆さん御指摘のことでした。今は産学連携が非常に重要だという時期になっているのですが、私は、何人かの企業のトップの方とお話しした際に、「本当に億を超えるような産学連携の共同研究をしたければ、やはり大学のトップが出てこなければ相手にはならない」と言われました。「個々の教授が求めてきたら、せいぜい1,000万円止まりだ」ということでした。大学によって違うと思いますが、そういうことを言われていて、大学全体としてこれが重要だということを示すには、やはりトップが動くべきだということは言われてきまして、その点を肝に銘じてきたということがございます。
そして、先ほど第1点目で益先生がおっしゃっていた国研との連携、また産学との人材の交流と協働ということで、それも重要だと思っています。例えば、産総研のG-QuAT、益先生のところからも、それから理化学研究所の五神先生のところからも、研究者を派遣しないかということを言っていただいていますし、逆もあると思います。国研や企業から大学に派遣していただくこともある。そうやって共同研究を進められないか。それから、NTTとは、今、NTTの修士号を持っている研究者が大学に来て、博士号を取ることはできないかということを依頼されています。また、大学で博士号を持っている者が、NTTのほうで現場のニーズに応えた研究して、その知見を得てから戻るのはどうかということも提案されています。そういう産学連携の形は今後、非常に重要だと思っています。ですから、産官学ですね。国研と私学と、また民間企業との連携が重要だろうと思っています。
もう一点だけ申し上げたいのは、16ページ、スライド16に出てきたところですが、ここに①、②、③、④とあって、②でガバナンス・経営力というところがございますが、その中で、一番上のレ点で「法人の長へのガバナンス、権限と責任の分担が明確な業務執行体制」ということでございますが、ここに関して私は若干異論がございまして、権限と責任を分けるというと、理事長と学長を別の人物に分けるというようなことになるのですね。理事長と、学長を分けたときに、予算配分権を理事長が持っていて、教学の研究と教育を重点とする責任を学長が持っていた場合に、その2人、両者のコミュニケーションが相当良くないとばらばらになります。逆にここが一致していたほうが強いと思っています。
ですから、学長が経営的な感覚を持っていないと話にならないんですけども、学長が経営的な感覚を持っていて、どの分野は財政的に強化する、予算を強めに配分する、逆に、どの分野はうちの伝統を考えると潰すことはできないので、予算は細々とでも維持するという判断が必要になります。ところが、大学のことをご存じない純粋な経営者ですと、履修者が少ないとか赤字になるところは潰してしまうんですよね。そうすると、本当に哲学とか人文とかの部分が消えていってしまいます。今後のAIの発展を考えると、AIは間違いなく使いこなさなければならない。AIなしでは我々はもう今後生活できないと思いますが、そのAIを使いこなしたときに、AIが出してきたものを超えるような思考が必要だと思います。
例えば、ちょっと例を挙げると、芥川賞とかの受賞者が本学から何人も出ていますが、審査員の評価を見ているとこういう評価があります。「これまでに全くなかったような文体である」とか、「これまでの小説になかったような構想である」というような評価をしている。私は、今の現時点では、生成AIに依存すれば全ての芥川賞とかそういう賞を取ったものを全部読み込んでいて、「これだけの基準を超えれば賞が取れますよ」というアドバイスをすると思います。しかし、従来にはなかったもの、美的なものを見ることができるのは、恐らく人間のひらめきだろうと思います。
ですから、いわゆるクォンタム・リープというような、量子物理学的な飛躍と言っているものは人間ではひらめきに相当するものであって、AIを使いこなした上で、何があるか全部分かった上で、(分かるのはAIが早くて、早く答えを出してくれますが、)分かった上でそれを超えることが必要だと思っています。そのとき、やはり人間のひらめきも大事だろうと思っています。
それから、権限と責任の明確な分担をしたときに、やはり齟齬が起きる可能性があります。私どもがよく話をしているのはイェール大学の前の学長とボン大学の現学長です。それから慶應義塾の塾長とも話していますが、早稲田もそうですが、どこも理事長と学長が一致しています。ですから、予算の配分権は理事長である学長が持っています。そのボード・オブ・トラスティー、理事会は予算を承認します。私立の私学法の改正によると、評議員会は予算を承認しなければなりませんし、決算も承認しなければなりません。その役割はモニターをする役割で、評議員会はボードとしてモニターする必要があります。けれども、具体的な予算の配分は違うと思います。イェールの場合も聞きましたが、ボード・オブ・トラスティーには非常に少人数の大学の人間しか入っていないのだが、ただそこは予算の大きな枠組みを決めているだけで、どの箇所にどういう予算を配分するかは学長が権限を持っていると言っています。
ですから、私は、慶應も早稲田もそうですけども、どこの部署にどれだけ予算配分するかの権限は学長が持つべきだと思っております。その全体の予算の承認は、今は改正私学法に従って評議委員会が決めることになっているわけです。ですから、明確な業務執行体制を定めるのは結構ですが、理事長と学長が別の場合は、非常に密接なコミュニケーションと価値観の共有がないとばらばらになる大学が出てくると思っています。研究大学は、どちらかというと、そこの点が一貫している方が良いので、学長と理事長が一貫している方が恐らく強いと思っています。東京大学も京都大学も早稲田も慶応も、今までそのような形でやってきたと考えています。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございます。
それでは、ほかにいかがでしょうか。小川委員、お願いします。
【小川委員】 日頃、会員企業から産学連携に当たっていろいろな注文をいただいているものですから、ついその部分に力が入ってしまうんですけれども、まず研究力強化の観点からは、何よりも大事なのは、研究者のバックグラウンドの多様性だと思っております。
その観点から、先ほど外務省さんからもありましたけれども、ぜひ国外からの優秀な研究者に大勢来ていただくということをこの大学群にも求めたいと思いますし、また、産業界との人材の行き来ということも非常に大事だと思っております。私どもで科学技術立国の議論をした際に、産と学の間の死の谷ということがよく言われますけれども、これの一番の原因は、やはり人材交流が少ないからではないかということが言われておりました。実際に企業の方々からも、今、企業が求めている内容、あるいはレベルの研究が大学の研究と少しずれがあるのだといったお話を伺っていまして、そこは人材が行き来することによって距離が縮められるのではないかと日頃感じているところでございます。ですので、ぜひ国内外、また産学、その他人材が流動化して、そして多様な研究チームが存在するということを、この大学群には求めたいと思っております。
また、産学連携の際に、今、企業が新しく事業を考えるときに、大抵の場合、複数の分野が関わってくると言われております。ですので、大学の単一の分野と産学連携をするのではなくて、むしろ必要な様々な研究を学内あるいは学外まで広げて集めてきて、コーディネートできるような人材ですとか体制が大学にあると、非常にありがたいということを言われております。
また、これは企業のほうでももちろんやっていることですけれども、戦略的な知財化や標準化ですとか、事業展開を一緒に考えていただけるような人材や体制が大学側にもあると、より産学連携を進めやすいということもよく言われております。
こういったことは今までにも何度も繰り返し言われてきたことですけれども、なかなか実現しない事由に2つぐらいあるかと思っています。ひとつは、大学側の人材がこういったことに取り組むインセンティブが少ないのではないかということです。どうしても論文で評価されるという従来の評価軸ですと、それ以外に、例えば産学連携の実績を上げるとか、スタートアップを起業するとか、標準化に取り組むといったことが評価されないと、なかなか進まない。あるいは、一旦企業に行って他流試合をしてくるとか、海外の大学に行って研究してくるといったことを、キャリアの中で十分に評価できるようにするということがひとつ重要かと思いまして、こうした大学群の要件の中には、そうした評価の観点ということも入れてはどうかと思っております。
もう一つ、やはり人材交流のネックになる点として、報酬・処遇の格差ということも言われております。特に企業の、例えば知財人材ですとか、そういった人たちの知見が恐らく大学側にも必要かと思うのですけれども、企業から大学に行っていただくにはあまりにも処遇の格差が大きいということも言われております。海外から人材に来ていただく際にも、同じような課題が今あるのではないかと思います。こうした点に関しましては、この大学群に対して、国からの支援を求められるところではないかと思っております。
以上でございます。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、ほかにいかがでしょうか。江戸川委員、お願いいたします。先ほどはどうも失礼しました。
【江戸川委員】 いえいえ。江戸川でございます。
まず、このガバナンス・経営力のところに関連して、これも前提のお話になりますけれども、本施策が産業政策と大学の研究というところを結びつけるというところに新しさと価値があると見た場合に、この施策のミッションというのが何なのかというところが、もしかするとこれまでの大学経営の考え方と少し変わってくる可能性があるのかなと思っていまして、どういうKGIとかKPIを設けるかというところにも関連してくるのですけれども、最初にミッションの明確化がまず必要かなと思っております。
その上で、そのミッションを達成するための経営とかガバナンスということが次に出てくるので、仮に産業政策の観点からしっかり価値を出していくというところにミッションが置かれるのであれば、自主性とか自立性というところも大事になってきますけれども、加えて一定程度、適切なリスクテイクみたいなこともやはり要求されてくる可能性があると。それに対して、適切なリスクマネジメントをやっていかなきゃならないというところで、この辺りの経営・ガバナンスがどうあるべきなのかというところをきちんと整理していきたいと思いました。
それから、CFOとかいろいろな専門人材というところが記載の中にはありますけれども、私自身、実は非営利団体の理事長もやっていて思うんですが、社外役員のような人がたくさん増えてもあまり力にならないというところがあって、プロがしっかりコミットしてくれることが大事だと思いますので、そういう意味では、専門家が社外役員的に並ぶというのではなくて、きちんと活動にコミットする専門家を引き込んでいくというところを重視して進めていただきたいと思っております。
あと、最後にちょっと産業政策とのつなぎのところで気になっている観点を申し上げたいのですが、最近、この17分野で言うと、例えば核融合とか宇宙とか量子、防衛、それから国産のAIの開発みたいなところというのは、スタートアップとか非営利団体が100億単位などかなりの資金調達をしていて、そうしたエンティティが研究開発のかなり中核を担っているという感覚が私の中にはあります。そのため、この施策を進めていく中で、大企業、企業との連携というのも重要ですが、やはりスタートアップをどう位置づけるのかというところですね。大学がやろうと思っていたところをスタートアップが担っていくということも十分に考えられる領域があると思いますので、その辺りも視野に入れて、全体を進めていくということが重要かなと思いました。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございます。
千葉委員、お願いします。
【千葉委員】 もちろん総合的な観点重要ですけれども、1つ、私は人材のところに焦点を絞ってお話しします。ただ、人材と言うと研究と違うのではないかと思われがちですけれど、よくよく考えれば研究力はもう人材そのものという、そういう認識でおります。
先ほど私はリスクの話をしました。最大のリスクは人材力の低下、これは人口減少というよりも、むしろ人材力が急速に低下しているという現実を見て、非常に大きな危機感を持っています。これによって、今、日本は技術輸入の依存というのが固定化していますし、若手人材の海外流出、地域産業の空洞化とか、あと国際交渉力が低下している。それから、食料ショック時の対応が不能であるという。これは挙げれば切りがないですけれども、これが経済成長を下に引っ張ってしまう、引き下げてしまう大きな要因になって、これがますます加速するということです。これを突破していくというのは、人材のあり方、人材育成のあり方を根本的に変えていく必要があるだろうと思っています。
重要な要素としては、よく言われるかもしれませんが、構想力・説明力・対外的な信頼形成力が重要だと思っています。これは実は研究者が本来持つべき、要するにトップ研究をやる上でも絶対に必要な要素で、これがそろっている人は研究をどんどん推進できるというものです。よく、じゃあ、資金はどうしようかという話があります。誰が投資してくれるんだ、どうやってお金を集めるんだ、と。結論から言うと、資金を集める力というのは、私は信頼の結果であって、継続的な信頼形成能力があるかどうかということに尽きると思っています。
こういうことを、じゃあ、一体大学がどう教えるのかということですが、よく大学は、今の陣容がこうだからこの人たちで何とかやっていこう、あるいは足りないところは誰かに助けてもらおうという発想なんですけれども、そもそも今の陣容や構造でいいのかというような、そういう一つの仮説というか問題提起をすべきではないかなということです。
はっきり言えば、学術的なところはもちろん研究者、教授が教えることができますが、例えばそれを現場に持ち込んでいく、現場の問題を拾い上げて持ち帰ってくるとか、あとは多くの賛同者を得るためには翻訳する力ですね。言葉を換えて、なるほど、それならというようなことを引き出していく力があるかどうか。それから、全く経験のないところの人たちとうまく付き合っていって新しいものを生み出すような力。これは現状の大学の構造では極めて難しいところがあると思っています。ただ、それをやらない限りは、人材力を増していくことができない。
人材力というのは、結局は産業界に直接跳ね返るわけですよね。これから博士を3倍にしていこうというときも、その人たちの大部分は恐らく産業界やスタートアップで活躍する人です。それを育成せずして、どうして経済的な成長が成し遂げられるのか。この非常に重要な部分について、しっかりと焦点を当てていく必要があるのではないかと考えています。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
ほかにいかがでしょう。折茂委員。
【折茂委員】 ありがとうございます。私から、今までのほかの委員の皆様の御発言を踏まえて、3点ほどお話しさせていただければと思います。
まず、1点目のところになりますけれども、先ほど江戸川委員からも少しありましたけども、この大学群が目指すべきところは一体何なのかというところ。ここが、当然、これから国として設定するもの、それから御応募されてくる大学さんが設定されるもの、両面あると思いますけれども、そういった中で、今並んでいる要件ですとか評価の観点、こういったところも、これを目指すからこそこの観点で評価をし、それに向けてこういう取組をするのであると。この辺りのミッション観というところがぶれてしまうと、逆にどう評価していいのかも分からないというところがあると思いますので、この何のミッションを目指すから、こういうKPIなのである、こういう取組をするのであるというところは、非常にクリアにしていく必要があるのではないかと。並んでいるもの自体は何ら違和感がないといいますか、よく言われているものが多く並んでいると思いますけれども、問題としては、これらの関係がロジックモデルといいますか、関係性が不明確であるという中で、もしかすると正しくない努力をしてしまうということもあろうかと思いますので、この辺りをクリアに整理していく必要があるのではないかというのが1点目でございます。
2点目ですけれども、少しそちらに関連して、当然のことながら今回、先ほど何となくの大学群イメージというところは御発言ございましたけれども、そういうところを想定していきますと、一定こういったところは既に進んでいらっしゃる大学様が多いのではないかというところでございます。やっているか、やってないかというところで言うとやっているという状態かと思いますけれども、一方で、本当にその目指すべきところに必要なだけの具体的なアクションが取れているのか、それから時間軸が取れているのかと言うと、正直申し上げてそうではない事例というのも散見されるのではないかと考えてございます。例えば、いきなり何億単位の産学連携というふうに言われても、それは数百万、数千万のところからだんだんと伸ばしていくものであり、実はそこには一定の大学側から、産業界側からの投資と、一定の期間が必要である。こういったところがすっ飛ばされたようなプランというのは、現実的ではない。翻ると、本当に現実的なプランになっているのかということも、今後、具体的に見ていくポイントかなと考えております。
それから、3つ目ですけれども、例えばプロボスト、CFO、こういったガバナンスの仕組みですとか研究力・人材、こういったところも、取り組んでいるか、いないかでいくと、確かにゼロイチでいくとあるというところだと思いますけれども、実際に本当にプロボストにどれだけのヒト・カネ・権限があるのか。大学の自治という名前の中で、なかなかそうは言っても難しいよねという状況になっていないのか。恐らく新しい大学群をつくってこれまでにできなかったことをやっていくということだと思いますので、そういったところの踏み込み、組織にどう浸透させていくのかという緻密な取組、こういったところも必要になってくるのではないかと考えております。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。
それでは、久世委員、お願いします。
【久世委員】 まず、ガバナンスと経営力についてです。経営戦略と研究開発戦略の統合は、大学にとっても産業界・企業にとっても極めて重要な課題ですが、現状では必ずしも十分に機能しているとは言えません。そのため、大学と企業が構想段階から一緒に議論し、方向性を共有できる仕組みや仕掛けが必要だと考えています。例えば、企業と大学の経営層が個別の関係にとどまらず、組織対組織、いわば「面と面」で交流する仕組みもその一つです。多くの企業には最高技術責任者(CTO)が存在し、そのコミュニティやネットワークは非常に強力です。例えば、日本CTOフォーラムは20年以上の歴史を持つコミュニティであり、約50名のCTOが複数のグループに分かれ、人材育成、新規事業開発、産学連携などについて率直な議論を行っています。また、日本ではCTO経験者がその後に経営トップとなるケースも少なくありません。こうしたCTOコミュニティと、本日議論のあった重点領域に関係する中核大学群が、定期的に率直な意見交換を行う場を設けることは、双方にとって有意義ではないかと考えます。
次に、人材についてです。基礎研究を担う人材も重要ですが、今後、国際競争力のある産業を創出していくためには、先ほど千葉委員がお話しされたような、研究と事業の双方を理解し、変革をリードできる人材が企業においても強く求められています。しかし、そのような人材は企業だけで育成できるものではありません。大学と企業が連携して育成していく必要があります。その意味で、先ほど御紹介した文部科学省の産業・科学革新人材事業(INSIGHT)にも大きな期待を寄せています。また、人材育成はトップマネジメントのコミットメントがなければ継続しませんし、本当に活躍できる人材も育ちません。千葉委員がおっしゃったように、まず目指すべきビジョンがあり、その実現のために必要な人材像や人数を明確にした上で人材戦略を構築することが重要です。その上で、その人材を大学と企業がどのように共同で育成していくかを考えるべきだと思います。
さらに、その観点からも、本日議論のあった国立研究開発法人との連携は極めて重要です。国立研究開発法人は、それぞれ明確なミッションの下で先端的な研究を推進しています。私どもも、産総研、JAXA、NIMS、農研機構、NICTなどと共同プロジェクトを進めていますが、今後は個別の研究開発プロジェクトにとどまらず、人材戦略、経営戦略、技術戦略についても、大学、企業、国立研究開発法人が一体となって議論していくことが重要ではないかと考えます。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございます。
では野口委員、そして波多野委員、お願いします。
【野口委員】 本大学群の必須のガバナンスとして、限られた資源を戦略的に配分して、組織として17分野を軸とした産業競争力と大学の研究力を高められる経営力、これが必須のガバナンスだと思っています。
1つの方策としまして、先ほど久世委員が言及されましたように、産学双方による共感性が非常に重要で、例えば近傍の経済団体とか個別企業とのトップを交えた産学共創の戦略会議、目標設定もきちっと双方で押さえながら、モニタリング機能を持った組織を常時設置することは、非常に重要だと思っております。
それから、人材の観点から繰り返し申しますけれども、昨今の状況から、取り合いというよりも、やはり人材の企業・大学間の融通と将来の担い手の創出、これに力点を置くのが非常に重要であると考えています。人材の融通の観点でいけば、企業と大学間の流動性の加速化をこの大学群で進めていくのが非常に重要です。特に、大学内に共同研究室設置はあるものの、企業内に共同研究室を設置というのはなかなかされていないのが実情です。学生の関与のあり方、秘密保持、スペース、知財創出など企業内に共同研究室設置には様々な課題があります。先ほど小川委員も言及されたように、費用負担のみならず共同出願の際の大学への不実施補償はどうするかなど、過年度からの課題もあります。大学の特許出願は、一定規模は出願されるものの、企業に活用してもらうライセンスなどが全然できてないので、諸外国と比しても実施料収入が本当に少ないです。そういう観点からも、大学の知財マネジメントのあり方を、今度は企業内研究室で顔を見て双方で検討するというのが非常に重要であると思っていますし、産業界からの資金流入を拡大させるポイントの1つとも考えています。
人材の輩出の観点からは、契約学科の有効性について、前の研究会でも何度も言及していますが、やはり企業が将来担い手となる博士人材とか技術職員育成など、人材育成に深くコミットする方式導入を本大学群に課すなども、私は非常に重要ではないかと思っています。
また、戦略17分野には、私立大学に多く在籍する人文社会科学系の研究者、この研究者群を上手に活用する工夫なども重要です。例えば、将来予測やマーケティング、プロセス検証や海外展開などもそうですが、人文社会科学系研究者の活躍度を何らかの定量指標に組み込むような工夫も必要ではないのかと思っています。
そして、悩ましいのが、第7期科学技術・イノベーション基本計画にも記載されています研究時間50%以上大学を20以上創出するという目標です。これは非常に重要な点です。実現するためには、例えば医学部を持つ研究大学の中には医師の多くを占める臨床医もたくさんいますし、学生を多く抱える私立大学での教育負担、URAの活用など様々な観点からこの研究時間創出のあり方を考えることが重要です。この研究時間のことも新大学群の目標設定に置く必要はあると考えます。
あと、評価指標ですが、現在の研究力の実績評価、例えば論文とか外部資金、ガバナンス改革や若手育成とか様々ありますが、この実績を同列に扱うと、既に研究力の高い大学に偏った評価軸になるケースもありますので、評価軸の多様性、つまり上山先生が触れられた大きな可能性、いわゆる改革評価、将来の成長可能性評価であるとか、地域・産業界の貢献度評価やレピュテーション向上度評価など、こういう定性的な物差しも重要な評価指標として置くのが良いのではないかと思います。
最後に、権限と責任についてです。先ほど田中総長が触れられました理事長と総長が一緒のほうが良いというお考えですが、もちろんそのようなケースも効果的かもしれませんが、ご発言中言及された、両者の連携性や相性が相当良くないと改革が前進しないという指摘がありました。立命館大学は、理事長と総長が分かれていますが、この両者間の連携が相当うまくいっています。その結果として、やはり相乗効果が非常に大きくなり、学内外における様々なイノベーション創出を実現させています。そのような例もあるということをご認識頂ければ幸いです。以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございます。
それでは、波多野委員、お願いします。
【波多野委員】 最初に大学の体制についてですが、弊学は理事長、学長2人体制をとっており、当初はうまくいかないだろうなと思っていました。しかし現在は、明確な役割分担のもとで非常に良い相乗効果を発揮できております。
私からは考慮すべき観点として、大学が産業に深くコミットし、基礎から応用まで一体で推進するとなれば、研究の秘匿性が必然的に高まります。そうした中で、研究セキュリティやIP(知的財産)の管理、さらには秘匿性の高い研究に携わる博士学生の修了要件などを、いかにフレキシブルに運用できるかという『評価とガバナンスのあり方』が問われると思います。
また、海外大学の事例にあるように、スタートアップとの共同研究や、デュアルユース領域と基礎研究の棲み分けなど、柔軟な連携パターンが必要です。国研やスタートアップを巻き込んだエコシステムをしっかりと構築せねばなりません。
特に国際的なエコシステムを展開する上では、研究セキュリティや輸出管理の徹底が鍵となります。産業界や国研の知見も借りながら大学側の体制を整備し、『高い秘匿性を担保しつつも、優れた博士人材を排出できる強固な仕組み』をこの大学群が示すことを期待します。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございます。
それでは、益委員、お願いします。
【益委員】 私からはガバナンスに関して述べさせていただきたいと思います。資料ではCFOだとか外部人材、資源再配分について述べられていますが、今回議論している研究中核大学というんですか、それが成長していくために本当に重要なのは、既存組織の壁を越えて変化しているか、場合によっては、その大学の大改革を実行できるかだと思います。多くの総合大学では、その歴史と実績から、学部・研究科・研究所ごとに強い独立性があり、特に医学部附属病院は研究面・財務面の両方で大きな存在感を持っています。本当に経営力を評価するのであれば、強い分野への資源集中、新領域への投資、人材配置、組織再編を既存部局との調整を超えて実行できているかを見る必要があります。
自分の数少ない経験ではございますが、戦略をつくることよりも、実際に資源配分を変えることのほうがはるかに難しいと思います。したがって、評価指標としては、学内資源の再配分の実績、組織再編の実績、部局横断改革の実績、重点分野への投資割合の変化といった実行状況を重視すべきではないかと思います。
また、研究力の評価についても、これも先ほど言いましたが、論文あるいは特許だけではなく、博士人材の輩出、人材循環、研究インフラの共用化など、評価項目に含めるべきと考えます。
以上、極端に言えば、学長に権限があるかではなく、学長が医学部を含む有力部局に対して、実際に資源再配分を行えたかを見るべきではないかと思います。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。これで委員の皆様全員、御発言いただきました。関係省庁からの御意見等がございましたらば、お願いします。
【上山内閣府参与】 このたびのこの仕組みの中で、具体的にどういう大学が選定をされていくのかというように、やがてはナローダウンしていくと思うんですけども、ここにあるガバナンス・経営力、研究力・人材のそれぞれにおいて、実は日本の大学システムというのは非常にいびつにできていて、例えば私立大学です。我々も国際卓越研究大学で決して排除したわけではないですが、国家がこれまで研究力に関して、明らかに国立大学に偏った形で資金を入れてきた。したがって、この技術開発に関してはどうしても、特に自然科学、工学系、医学系はそうですが、やはり国立大学のほうに資源が流れていたということを考えていくと、このフレームの中で言えば、私立大学についてはこの研究力に対する支援ということが恐らくメインになっていくだろうと思います。
一方で、ガバナンス・経営力の問題というのは、実は国立大学は本当に難しい組織になっていて、我々も国際卓越研究大学をやるときに、どうしても国立大学法人法を改正してまで、この問題に取り組まなければならなかったという難しさを持っている。
また、人材のところは、私立大学が直面する問題と国立大学を直面するのは若干違いがあると思います。今までの議論で出てきたように、国立大学の人材・人づくりの問題は、極度に研究中心の、あるいは論文中心のところに偏っている、産業界との対話が難しい、それを克服し産業界も求めるようなタイプの人材育成の方向にこれを変えていくことが必要です。一方で、私立大学のほうは、どうしても経営の母体を学生の授業料に依存せざるを得なかったという面で言うと、人材のあり方が、やはりここもいびつになっている。したがって、人材に関して支援していく方向であれば、これは私立大学と国立大学と違う形で考えなければいけないという問題があります。
一方で、このガバナンス・経営の問題は、国立大学を対象とすると非常に重要な問題で、結局、私もこの問題はすごく強い問題意識を持ってCSTIに入ってきたときに、実は江戸川さんにも随分助けてもらったんですが、国立大学がガバナンス・経営力を発揮できない根本的な問題には、実は会計基準の問題があると思いました。つまり、大学経営上、明らかに利益が見えない形でしか大学経営できない形になっているんです。利益が見えてしまうと、運営費交付金を財務省のターゲットとされて削られるかもしれないという恐れが背後にある。それゆえに、利益をできる限り見えないようにしている。一方で、私立大学の会計基準は違う。普通の企業の会計と近いもので動いている。したがって、経営者の立場に置かれたら、会計情報を見て何をやるべきかが、私立大学のほうが明らかにやりやすい。一方で、国立大学は非常にやりにくい。
もしこのフレームワークの中で、私立・公立・国立大学を一体としてここの中で支援をやるとすれば、この会計基準の問題を徹底的に突破しないといけない。僕はCSTIの中で最初にやろうとしたのは国立大学会計基準の改正でしたが、やはりやり切れなかったですね。やり切れなかった背景は何かと言うと、国立大学全体をもって会計基準を変えないといけない問題があったからです。もし研究と産業育成に関して特化していく大学群であれば、それに関しては完全に見える化した経営ができるような会計の基準をつくらないといけない。そうすると、先ほど申し上げたみたいな国立大学法人法の改正にまで踏み込まないといけないんじゃないかと基本的に思っております。
同時に研究力を中心としてこの資金を入れていくとすると、私立大学のほうも、選ばれたところは授業料に依存するような経営力の形ではない方向へとかじを切らなければいけない。それをどう支援するのかということです。これはあえて申し上げますけれども、私立大学文系の問題を私立大学の選ばれたところがどう考えていくのか。違う財務構造を持って動けるようになれば、これは強い経営力を持って踏み込んでいくような私立大学が恐らく出てくる。それによって、国立大学と私立大学がある一定の同じようなシステムの中で競争力を高め、産業界との関係をつくっていくことができるようになると思います。
そうすると必ず出てくるのが、国立大学に関して言うならば、残念ながら研究大学に関しても、例えば設置基準の認定の問題、大学院生の定員の問題、様々な規制がまだ残っていて、そこまで踏み込まないと国立大学は自由に動けない。研究大学群というものを形成していくまでは、国際研究卓越大学もJ-PEAKSも同じですが、そこの仕組みをきちんとこの中で議論してつくっていってあげないと、産業界が求めるような人材とか、あるいは産業の強靱化につながっていくような人材の育成のあり方みたいなことはなかなか出てこない。したがって、このワーキングの中で、やり残している大学のシステム改革の問題を、ここでやり遂げていただきたいという強い期待を持っています。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。外務省はよろしいですか。
宮園議員、いかがでしょうか。
【宮園CSTI議員】 皆様の議論でありましたので、私はもうこれで結構です。
【大野主査】 どうもありがとうございます。
まだ少し時間がありますが、何か省庁のほうから、これは今の議論でちょっと言っておきたい、あるいは説明しておきたいという何かありますか。いや、特に無理というわけじゃありませんけれども。
皆様から非常に貴重なコメントをいただきまして、私からも少しコメントさせていただきたいと思います。
今回の新たな大学群の形成というのは、研究力アンド産業競争力としてスタートしていますので、ここは忘れてはいけない立て付けなんだと、少なくとも私は今思っています。研究力に関しては、上山参与がおっしゃられたように、その基盤的な経費をどうするのかということが大きな課題でありまして、国立大学だけを考えれば、そこを文科省の運営費交付金だけを頼りにしていてはいけない時代になりつつあるのかなと思っています。あと、産業競争力に関しても、これらの掛け算で同時に高める仕組みというものに、この制度はしていかなければいけないのだと思います。
そこで、当然と言うとちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、それを実現するための経営力、あるいはガバナンスというものが必要になるということでありまして、経営は目的があってやることで、その目的を実行できるような体制になっているのかどうか。そして、それが今なっていないのならば、いつまでにするのかということが重要になるかと思います。
先ほどお話がありましたように、ポストはつくって、そこに人はいるけれど、権限がないというようなことは、そもそもちゃんと経営ができてないというか、ここでの目的である産業競争力を強化する、そのためにも研究力を強くしておかなければいけないということを実現するというお題にかなっていないわけです。そこが見られるような指標を示す、そういうことを書いていただく、あるいは宣言していただくことが必要かと思います。
制度のほうで言うと、もう一点、これは既に御発言がありましたけれども、成果連動の形にすると。つまり、うまくいっているところはさらに支援が増えるというようなことは、極めて重要なコンセプトだと思います。多くの方は既に御存じだと思いますが、国際卓越研究大学はそういう構造になっていて、社会的なエンゲージメントをドライブしている仕組みになっています。渡し切りの予算で全体がどんなに頑張ってもこれ以上増えませんというような形ではありませんから、極めてダイナミックな変化を起こすことができます。そういう意味で、こちらも何らかの形でそういう成果連動型の支援というものがあると、非常に強く我々が目的としている大学群ができる、仕上がっていくんだと思います。
あと、もう少し整理しなければいけないのは、本制度は大学の中の一部の分野で、もちろん分野はもう様々な関連がありますから、一つというわけではもちろんありませんけれども、その強いところを支援する。加えて、その依って立つ基盤である大学を支援する。このことは、資料にございましたけれども、二つの性格を制度として、手を挙げる皆様がお分かりになるような形でお見せすることも極めて重要かと思っています。
ということで、私からは以上で発言を終わらせていただきます。
ほんの少し時間がありますけど、何かこれだけは言っておかないと帰れないということはございますでしょうか。すみません。極めて言いにくい形でお話をお願いしていますけれども、よろしゅうございますか。
それでは、本日は皆様から貴重な御意見をいただきました。どうもありがとうございます。本日、皆様からいただいた意見等を踏まえて、第2回以降のワーキンググループではさらに深い議論ができればと思います。
閉会に当たりまして、経済産業省イノベーション・環境局、菊川局長より御挨拶をお願いいたします。
【菊川局長】 今日は本当に御多用な中、このような貴重な御議論をいただきまして、本当にありがたく思っております。本当に、恐らく西條局長や我々みんな、非常に身が引き締まる思いで聞いていて、どんどんどんどん背中が立ってきた感じで、非常に難題だなというのを改めて実感してございます。
この合同のワーキングは、もともと「世界で競い成長する大学経営のあり方に関する研究会」を立ち上げてやってきたところから始まっています。その表題にも書いていますとおり、やはり「世界と競う」と、要するに「世界を目指すんだ」ということが大前提でございまして、そういう目線で、改めて今日のいただいたお答えを紐解いていきたいと思っております。非常に時間がかかる課題だなと思っていますが、一方でアジャイルにもいろいろやっていかなきゃいけない。他方で、ぐっと我慢してやり続けるということも、胆力も相当要るなと思っています。
ただ、私も、この大学のことを課題に設定したときに、世界の大学の方々と結構やり取りをしてきました。欧米はもちろんですが、アジア、韓国とかシンガポールとかの学長さんとも話をしてきました。非常に心強かったのは、とりわけバークレーのライオンズ学長とお話をしたときに、いやいや、まだまだトゥー・レイトじゃない。自分たちも10年、15年かかってきたんだ。したがって、今からでも全く遅くないと。やはり、やるべき改革といいますか、やれるべき政策はやるべきだということの背中を非常に押していただいたことを、改めて今日、思い返してございます。
一方、今日、ミッションが大事だという大きなお話もございました。一方で、やはりデビルズ・イン・ディテイルズと言いますか、先ほど会計のお話がございましたが、これも我々の大学だけじゃなくて国研、今、産総研とも議論させていただいていますし、国研の中でも様々な制度が、国研そのものの成長を阻害している制度というのはやはり存在をしています。研究等々へのいろいろな再投資がしにくい格好になっています。こういったところも含めて、我々も大学といろいろ議論するだけじゃなくて、やはり国研の中身、国研の制度のここについても同時に少し踏み込んでいかないといけないんじゃないかなと感じたところです。すみません。これはちょっと文科省さんと事前に調整してなかった発言ですけれども。
まさに大野座長から、研究力と産業競争力ということでございました。ここについては、今回外務省も参加していただいたので、やはり国際的なトップレベルの研究力をどう日本に入れてくるかということの自主的な貢献も、大学側に果たしていただきたいと思っておりますし、そのためには、やはり産業界からの中長期的な関与・投資、ここもしっかりと我々としては一緒に議論をしていきたいなと思っております。
研究開発の収支が、もうこの10年で赤字が2倍に増えています。もう第2のデジタル赤字だと思いますが、2兆円を超える額が研究開発投資の赤字になっています。すなわち、頭脳循環がどんどん出ていきっ放しといいますが、海外に頼らざるを得ないような状況だと。これは、昨今の日本の存立、そして発展を考えると、やはり国内にしっかりとした研究力を持たないと、産業も勝っていけないということだと思っています。
新技術立国、これは赤澤大臣が担当大臣でございますが、新技術力立国で常に赤澤大臣が申し上げるのは、「技術で勝ってビジネスも勝ち切るんだ」と、「勝つ」と言わずに「勝ち切る」というふうに常におっしゃるのですが、この取組の一つでありまして、研究開発税制だとか、先ほど御言及もありましたけど、契約学科、こういったような大学の関連施策を進めてきましたけれども、総理が直接、日本成長戦略の中で、産業競争力強化に貢献する新たな大学の形成に向けて指示をしているということ自体が我々にとっても非常に危機感でありますし、しっかりとスピード感を持って進めていくということでありまして、制度だけではなくて、様々今日御意見あった中で、大学にとっても産業界にとっても、また今後、未来を担う若手の人材が、ああ、こういう大学群ができるんだ、であればこういうところを目指そうという、その次の世代へのメッセージにもしっかりつながるような議論を深めていきたいと、我々事務局としても思ってございます。
今日、合田局長が佐藤幸治先生のお話をおっしゃいましたが、私も確かに授業を取っていたなと思いましたけど、その頃のことを思い返すと、やはり非常に世の中は変わりましたし、今まさに大学のキャンパスにいる方々にはちょっともうこの議論は遅いのかもしれませんが、次の大学に進もうとされている若い世代、中学生や高校生、そういった方々、またそれを抱える親御さんたちが、こうやって日本の大学、そして産業界が変わっていくということのしっかりメッセージを含めて、日本全体が世界をリードしていけるような動きとなる議論を引き続き進めていただきたいと思いますし、我々事務局としてしっかりと皆様の御議論を支えたいと思います。何卒引き続きよろしくお願いいたします。
以上です。
【大野主査】 どうもありがとうございました。今お話がありましたが、高等局の合田局長は既に御挨拶をしていただいていますので、これで予定された全ての皆様に御発言いただいたところです。
ということで、最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。
【對崎課長補佐】 本日は、委員の皆様、関係省庁の皆様、御出席を賜りましてありがとうございました。
事務連絡でございますが、本日の議事要旨等については、事務局で作成し、関係者の方に御出席者を含め、確認をさせていただきます。
次回以降につきましては、7月を1回調整中でございますけれども、その後、9月以降も含めて年内をめどに5回程度の開催を予定しておりますので、引き続き皆様の積極的な御参画と、御発言、御意見等をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
【大野主査】 本日はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。
―― 了 ――
科学技術・学術政策局 産業連携・地域振興課
研究振興局 大学研究基盤整備課 大学研究力強化室