「日本食品標準成分表2010」について第3章の18

 18)調理加工食品類

 調理加工食品類の全般に通じる主な事項は、次のとおりである。

1) 原則として、工業的に生産され全国的に流通する製品のうち、日本農林規格等の公的な規格基準のあるもの及び使用頻度の高いものを収載した。

2) 医療用の食品及びベビーフードは、使用目的の特殊性により収載しないこととした。

3) 同一食品名であっても、原材料の種類、配合割合、加工処理方法等の相違により、成分値の変動が他の食品群に比較して大きいこと、成分表示を行う場合が多数であることから、成分項目は五訂増補成分表に準じた。

4) フライ製品は、購入後に油を用いて揚げる「フライ用、冷凍」及び購入後に電子レンジ又はトースター等で加熱することにより、油を用いなくてもフライを行ったのと同様な状態となる「フライ済み、冷凍」の2種類がある。主に業務用に用いられる「フライ用、冷凍」を本表に収載した。主に一般家庭で用いられる「フライ済み、冷凍」は、エネルギー、水分、たんぱく質、脂質及び炭水化物含量を備考欄に示した。   

 なお、「めし」、「赤飯」、「もち」、「かゆ」、「カップラーメン」など穀類の調理加工食品は穀類、「焼き芋」、「蒸し芋」などいも類の調理加工食品はいも類、「ぶどう豆」、「ふき豆」など煮豆類は豆類、「野菜の缶詰」、「つけもの類」、「お浸し」など野菜の調理加工食品は野菜類、「果実の缶詰」、「ジャム」など果実の調理加工食品は果実類、「魚の白焼き」、「魚介の缶詰」など魚介類の調理加工食品は魚介類、「焼き肉」、「ハム」など肉類の調理加工食品は肉類、「たまご焼き(厚焼きたまご、だし巻きたまご)」及び「たまご豆腐」は卵類、菓子パン類は菓子類にそれぞれ収載されている。

 以下、各食品ごとに成分値に関する主な留意点について述べる。

カレー

 -18001 ビーフ、レトルトパウチ

 「カレー」は、レトルトパウチが主流を占め、原材料肉として、牛肉を用いた製品が多く、次いで鶏肉である。豚肉やほたてを用いる製品は少ない。成分値は、四訂成分表成分値及び文献値1) 2)に基づき決定した。

ぎょうざ

 -18002 冷凍

 「ぎょうざ」の「冷凍」は、豚肉、野菜(キャベツ、にら等)等を「ぎょうざの皮」で包み、冷凍した製品を収載した。成分値は、四訂成分表成分値及び文献値1)~3)に基づき決定した。

グラタン

 -18003 えび、冷凍

 「グラタン」の「冷凍」の主材料は、魚介類、鶏肉、豚肉等であるが、えびを用いた製品が多く流通しているので、えびグラタン製品を対象とした。成分値は、文献値1) 2)に基づき決定した。

コーンクリームスープ

 -18004 粉末タイプ

 -18005 レトルトパウチ

 「粉末タイプ」の原材料は、スイートコーン、粉乳、でん粉、油脂、調味料等である。約10倍に希釈して用いる製品を収載した。成分値は、四訂成分表成分値及び文献値1)に基づき決定した。

 「レトルトパウチ」の原材料は、スイートコーン、小麦粉、油脂、調味料等である。現在は希釈せずにそのまま用いるストレートタイプが多く流通しているので、ストレートタイプの「レトルトパウチ」を収載した。成分値は、文献値1) 2)に基づき決定した。

コロッケ

 -18006 クリームタイプ、フライ用、冷凍

 -18007 ポテトタイプ、フライ用、冷凍

 「コロッケ」は、クリームタイプとポテトタイプに大きく区分できる。「クリームタイプ」はホワイトソースをベースとし、「ポテトタイプ」はじゃがいもをベースとする。各ベースに配合される素材は、種類、量とも製品により異なる。成分値は、それぞれ四訂成分表成分値及び文献値1)~4)に基づき決定した。

 なお、フライ済み冷凍品のエネルギー、水分、たんぱく質、脂質及び炭水化物含量を、文献値3) 4)に基づきそれぞれ備考欄に示した。

(魚フライ類)

 -いかフライ

 -18008 フライ用、冷凍

 -えびフライ

 -18009 フライ用、冷凍

 -白身フライ

 -18010 フライ用、冷凍

 「いかフライ」の「フライ用、冷凍」は、いかをバッター液(小麦粉、卵白等を水で溶いたもの)に浸けてからパン粉を付けたものである。成分値は文献値1) 2)に基づき決定した。

 「えびフライ」は、えびをバッター液に浸けてからパン粉を付けたものである。成分値は四訂成分表成分値及び文献値1)~3)に基づき決定した。

 「白身フライ」は、メルルーサ、たら、かれい等の白身魚をバッター液に浸けてからパン粉を付けたものである。成分値は、文献値2)に基づき決定した。

 なお、(魚フライ類)のフライ済み冷凍品のエネルギー、水分、たんぱく質、脂質及び炭水化物含量を、文献値3) 4)に基づきそれぞれ備考欄に示した。

シチュー

 -18011 ビーフ、レトルトパウチ

 「シチュー」は、レトルトパウチ製品が主流を占め、原材料肉は、牛肉を用いた製品が多く流通している。成分値は、四訂成分表成分値及び文献値1) 2)に基づき決定した。

しゅうまい

 -18012 冷凍

 「しゅうまい」の「冷凍」は、食肉(豚、えび、鶏等)にたまねぎ、でん粉、植物性たんぱく、調味料等を加えたものを「しゅうまいの皮」に包み、冷凍したものである。成分値は、四訂成分表成分値及び文献値1)~3)に基づき決定した。

ハンバーグ

 -18013 冷凍

 「ハンバーグ」の「冷凍」は、食肉(豚、鶏、牛)にたまねぎ、パン粉、卵、脱脂粉乳、肉エキス、調味料等を加え、冷凍したものである。成分値は、四訂成分表成分値及び文献値1)~3)に基づき決定した。

ピラフ

 -18014 冷凍

 「ピラフ」は、こめが主原料であり、えび、鶏肉、ほたて等種々の具が用いられる。具の素材別に成分値を検討した結果、区分すべき点がみられなかったので、一括した成分値を示した。成分値は、文献値1) 2)に基づき決定した。

ミートボール

 -18015 冷凍

 「ミートボール」は、食肉(豚肉、鶏肉、牛肉)に、たまねぎ、パン粉、でん粉、卵白、調味料等を加えたものである。成分値は、四訂成分表成分値及び文献値1)~3)に基づき決定した。

メンチカツ

 -18016 フライ用、冷凍

 「メンチカツ」は、食肉(豚肉、鶏肉、牛肉)に、たまねぎ、牛脂あるいは豚脂、パン粉、卵白、植物性たんぱく、調味料等を加えたものを、バッター液に浸けてからパン粉を付けたものである。成分値は、四訂成分表成分値(「ミンチカツ」)及び文献値2)に基づき決定した。なお、フライ済み冷凍品のエネルギー、水分、たんぱく質、脂質及び炭水化物含量を、文献値3) 4)に基づき備考欄に示した。

文献

 1)  香川芳子監修:改訂第7版会社別製品加工食品成分表(女子栄養大学出版部)(1995)
 2)  田中武彦監修:常用量による市販食品成分早見表(医歯薬出版株式会社)(1993)
 3)  (社)日本冷凍食品協会・(社)日本冷凍検査協会:資料(未公表)
 4)  渡邊智子・野村美穂・岩崎多恵・池田佳代子:市販冷凍食品の調理前後の重量及び成分値(未発表)

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