AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用と流通の在り方ワーキンググループ(第6回) 議事録

1.日時

令和8年6月16日(火曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省東館17階局4会議室 及び オンラインのハイブリッド形式

3.議題

  1. AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用及び流通の在り方について
  2. AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用及び流通の在り方ワーキンググループ(審議まとめ)案について
  3. その他

4.出席者

委員

尾上主査、石田委員、江村委員、工藤委員、千葉委員、林委員、宮田委員、矢守委員、吉田委員、若目田委員

文部科学省

淵上研究振興局長、生田審議官、阿部参事官、豊田研究振興戦略官、山本学術基盤整備室長、栗原計算科学技術推進室長、麻沼参事官補佐、鈴木科学官、込山学術調査官、國本学術調査官

オブザーバー

国立情報学研究所
 副所長/アーキテクチャ科学研究系 教授 合田 憲人
 アーキテクチャ科学研究系 教授 佐藤 周行
 知識コンテンツ科学研究センター長 武田 英明
 アーキテクチャ科学研究系 教授 栗本 崇

5.議事録

【尾上主査】それでは、定刻になりましたので、科学技術・学術審議会情報委員会AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用と流通の在り方ワーキンググループの第6回会合を開催いたします。委員の皆様におかれましては、お忙しいところ、お集まりいただきましてありがとうございます。
 本日は現地出席とオンライン出席のハイブリッドでの開催としております。また、通信状態等に不具合が生じるなど続行ができなかった場合、委員会を中断する可能性がありますので、あらかじめ御了承ください。
 まず、事務局より本日の出欠状況などについて御案内願います。
【麻沼参事官補佐】事務局でございます。
 本日の出席者につきましては、10名全ての委員に御出席いただいておりますが、石田委員は少し遅れての御参加です。また、本ワーキングは、国立情報学研究所からもオブザーバーとして御参加いただいておりますが、本日は武田先生が現地から、合田副所長、栗本先生、佐藤先生はオンラインから御出席をしていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、陪席していただいております科学官、学術調査官に関してですが、鈴木科学官、込山学術調査官、國本学術調査官はオンラインにて御参加をいただいております。
 また、本日の事務局ですけれども、現地からは豊田AI戦略官、阿部参事官、また、山本学術基盤整備室長、栗原計算科学技術推進室長が参加しております。また、
淵上局長と生田審議官につきましてはオンラインにて参加しておりますけれども、淵上局長は後ほど現地に参る予定でございます。
 以上でございます。
【尾上主査】ありがとうございました。
 次に、配付資料の確認とハイブリッド開催に当たっての注意事項について、事務局より説明をお願いいたします。
【麻沼参事官補佐】事務局でございます。
 それでは、議事次第に基づきまして配付資料を確認させていただきます。資料は、資料1、2、3-1、3-2、3-3、また、資料4と参考資料1でございます。また、委員の方のみ資料3-1、審議まとめの見え消し版を配付させていただいております。もし欠落等不備がございましたら、議事の途中でも結構ですので、事務局のほうにお申出いただければと思います。
 続きまして、ハイブリッド開催に当たって注意事項を申し上げます。御発言時を除きまして、マイクは常にミュートとしていただくようお願いいたします。ビデオは常時オンにしていただき、通信状況が悪化した場合はビデオ停止をお願いいたします。運営の都合上、現地出席の方も含めまして、御発言いただく際は挙手ボタンを押して御連絡をお願いいたします。尾上主査におかれましては、参加者一覧を常に開いていただきまして、手のアイコンが表示されている委員を御指名ください。
 議事録作成のため、速記の方に入っていただいておりますので、御発言される場合は、お名前をおっしゃってから御発言をお願いいたします。また、恐れ入りますが、現地の先生方は、マイクの数が限られておりますので、発言される場合は、少し大きめの声で御発言をお願いいたします。
 また、本日傍聴登録していただいている方には、ユーチューブ配信より御参加をいただいております。トラブルが発生した際には、現地出席の先生方は手を挙げていただき、オンライン出席の先生方は電話にて事務局まで御連絡をお願いいたします。
 事務局からの御案内は以上でございます。
【尾上主査】ありがとうございました。
 本日は、1、AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用及び流通の在り方について、2、AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用及び流通の在り方(審議まとめ)案について、3、その他の3件の議題を予定しております。
 前回、研究データの利活用の観点から、主要分野での先進的な取組について3名の先生から御発表いただき、議論を深めたところです。また、NIIからも知識基盤構築に向けた様々な分野へのインタビューのまとめを御報告いただきました。審議まとめの素案については議論の時間が十分に取れず、ワーキンググループ後、書面により委員の皆様より御意見を賜りました。本日は本ワーキンググループ最終回となりますので、報告書案についての審議を集中的に行います。
 それでは、文部科学省から、資料1に基づき改めて取りまとめに向けた整理を行っていただいておりますので、御説明よろしくお願いいたします。続けて、次世代情報基盤の構築に向けて、共用計算資源の在り方についてHPCIでも議論が進んでいるとのことですので、そちらも併せて御報告いただきます。
 それでは、麻沼補佐、よろしくお願いいたします。
【麻沼参事官補佐】ありがとうございます。
 それでは、まず資料1を御覧ください。2ページ目は前回からお示ししておりますスケジュールになりますので、割愛させていただきますが、本日は審議まとめの最後の会議でございます。
 3ページ目を御覧ください。こちらが審議まとめの構成内容でございまして、1番目「はじめに」、2番目「研究データの管理・利活用と流通を支える次世代情報基盤の必要性」、3番目「学術研究プラットフォームの構築・実施状況」、4番目「国内外の動向」、5番目「ユーザーニーズ、社会からの要請」、6番目「AI for Scienceの推進に向けた基本的な戦略方針への対応」、7番目「次世代情報基盤整備の方向性」、8番目「まとめ」という形で、現在、審議まとめ案を作成しております。こちらに審議まとめの概要やワーキンググループの参考資料などをつけ、作成を進めているところでございます。
 続きまして、資料少し飛んでいただきまして、12ページ目を御覧ください。こちらは各ワーキングでの主なポイントをまとめている資料でございますが、12ページ目からが前回の第5回目ワーキングでの主なポイントでございます。前回は、先ほど主査から御紹介がございましたとおり、主要な分野から情報提供いただいた回でございます。
 例えば、ライフサイエンス分野におきましては、現状・課題のところでは、データ登録には倫理審査やキュレーション等の人的支援が不可欠であり負担が大きいため、オントロジー活用等による自動化の拡充が必要ですが、分散したデータベースを後づけで統合する方式はストレージ負担や運用効率の面で限界があり、ナショナルセンターによる集約型インフラへの移行を検討されているなどの情報提供をいただきました。中核的なデータ基盤への期待としましては、分野ごとにツールや基盤が個別開発されている状況なので、共通モジュールや標準ツール提供により開発効率と相互運用性を高める必要があることや、国際共同研究や倫理審査に対応した認証基盤が未整備であるため、研究者属性やアクセス権を一元管理できる共通認証機構の整備が求められるといったことを御紹介いただいております。
 続いて、マテリアル分野におきましては、現状と課題については、データは存在しても活用に至らない状況があり、検索・閲覧型からAI用データセット提供への転換に対応した提供形態の整備が必要であるといったことやワーキングデータは重要だが構造化負担が大きいため、テンプレート化・自動処理の高度化により研究現場の負担軽減が必要といったことを御紹介いただきました。
 また、中核的なデータ基盤への期待として、分野ごとに閉じたデータ基盤が構成されているため、分野横断的なデータ連携・統合機能を提供する必要があることや認証・認可・信頼保証機能が分散しているため、共通基盤として統合し効率化することが必要であるといったことがございました。
 13ページ目を御覧いただきまして、大型実験施設としてSPring-8から、現状・課題においては、データが装置・施設・HPCIに分散しておりユーザビリティを低下しているため、仮想的でも一元的に扱える環境整備が必要であることや、実験中の即時解析が重要であるため、リアルタイムデータ処理パイプラインの整備と性能向上が必要といったことが御紹介されております。
 また、中核的なデータ基盤への期待としまして、分野ごとに認証基盤が異なるため、民間ユーザーも含めた統一認証基盤の整備が必要とか、高速かつ安全な通信が必要であるため、IOWN等の新ネットワーク技術の活用が期待されるといったことを御紹介いただいております。
 そのほかの分野としましては、地球環境分野(DIAS)からは、データ活用が検索・閲覧にとどまり意思決定や分析に結びつかず、データからレポート生成までを一体的に支援する生成AI基盤の提供や検索・解析・知識生成・意思決定支援を統合した総合AIアシスト基盤の高度化が期待されるとか、HPCコミュニティからは、複数の計算資源やシステム利用時に認証が分断され利用が煩雑化しているため、単一IDで全資源を横断利用できる統合認証基盤の提供や学認の拡張が必要であるといったことが述べられております。
 次のページおめくりいただきまして14ページ目ですけれども、こちらはNIIより海外のデータプラットフォームの状況を調査していただきまして、その調査結果の御報告を簡単にしていただいた内容でございます。
 取組状況としまして、欧州では、研究データが国・機関・分野ごとに分散している課題に対し、フェデレーション型メッシュアーキテクチャを採用し、分散データを統合的に利用できる仕組みを構築されているといったことや、米国では、計算資源の不足・分散利用の非効率に対し、大学HPCと商用クラウドを統合したハイブリッド型基盤を構築し、柔軟な資源利用を実現されている点。また、韓国では、データを一括集約することによる負担や運用コストの問題に対し、実データを中央に集約せず、メタデータ連携により統合する軽量なアーキテクチャを構築といったことについて御紹介されたところでございます。
 次のページ、15ページ目をおめくりください。こちらは前回の会議後に先生方からメールにて御意見をいただいた内容でございまして、主なものをピックアップさせていただいております。多々御意見をいただき、ありがとうございます。
 幾つか御紹介させていただきますと、全体に対しましては、研究エコシステムを構築できる環境が整備されてきているが、誰が主体となって連携を実現するかがポイントであるとか、学術活用に限られている現状をどう打破するか、セキュリティ面も含め産業連携や国際連携を考えることが不可欠、また、研究者がデータを出したいと思う動機やインセンティブがないと難しいことですとか、国際的標準に合わせるのであれば「FAIR原則」というキーワードを入れたほうがよいといった御指摘をいただいております。
 また、機微データ、メタデータ等につきましては、機微データを安全に扱うためのアクセス制御や管理などオープン・アンド・クローズ戦略を意識した基盤をどのように技術的に実現していくかがポイントであるとか、メタデータ標準化に関するNIIの検討状況を知りたいといったお声をいただいております。
 また、人材育成につきましては、人材・運用体制の記述が現在の案では手薄ではないかといった御指摘、また、人員減や技術者の高齢化が大きな課題であること、単にネットワークの増強や基盤づくりだけで、実運用ではあまり使われないという事態にならないように、人材育成や運用体制について言及したほうがよいといったことをいただいております。
 また、地域コンソーシアムにつきましては、場所や所属機関に依存しない形で自由にネットワーク構築が可能になる仕組みを検討すべきといったお声もいただきました。
 その他ですけれども、図書館資料等の有効活用という点も重要なポイントで、今後つくられる研究データに焦点が当てられているが、既に多くのデータ(情報・知識)の蓄積があるため、それらも含め日本全体として大きな知識基盤をつくっていく視点が重要ではないかといったこと、また、ネットワークにつきましては、大容量データの流通等の文脈において、「低消費電力」等のワードを入れたほうがよいという御指摘もいただいたところでございます。
 16ページ目は、前回も御紹介しておりますが、目指すべき方向性としまして、実験基盤・データ基盤・計算基盤を統合的かつ戦略的に強化するということで、高速・高信頼・シームレスに接続し運用可能とするシステム(パイプライン)の構想でして、開発・整備をすることによって、オールジャパンでの次世代研究インフラを構築するという方向性の資料でございます。前回から変更はございませんが、審議まとめ案にもこういった方向性を入れ込んだところでございます。
 続きまして、17ページが新しい資料になっておりますけれども、こちらはこれまでの先生方の御議論も踏まえまして、全体構想のイメージ図案として絵に起こしたものでございます。こちらの詳細は追って審議まとめのところで詳細に御説明させていただきますので、ここでは割愛させていただきます。
 その後の資料につきましては、政策文書等における関連記載になりますが、特段変更ございませんので、割愛させていただきます。
 事務局からは以上でございます。
【尾上主査】ありがとうございました。
 ただいまの御説明に対して御質問などもあるかと思いますが、後ほどの審議まとめ案の審議の中でまとめて御議論いただければと思っております。
 続きまして、資料2について、文部科学省から御説明をお願いいたします。栗原室長、お願いいたします。
【栗原計算科学技術推進室長】  計算科学技術推進室長の栗原でございます。資料2の「今後のHPCIの運営や利用制度等の方向性について」について御説明をいたします。
 本日のワーキンググループでは、AI for Scienceを支える様々なデータの管理だったり利活用だったり、流通の在り方やそれをAI for Science時代に様々利用する方策についての御議論と理解しておりますけれども、研究データを実際にAIの学習に使ったり推論やシミュレーションと結びつけていく、さらには実験とか研究と結びつけていくというためには切り離して考えることはできないというまさに同じ問題意識から、このHPCI計画推進委員会のほうでも議論が進んでまいりました。
 特に田浦健次朗東京大学副学長を主査としまして、こちらの会議に本日オブザーバーとして御参加いただいているNIIの合田先生にも委員として、また、今月1日にも会議が行われましたけれども、そこでは本日の会議の委員でもございます東京大学千葉情報基盤センター長も御議論に御参加いただいて、議論していただいておりました。
 めくっていただきまして、1ページ目でございます。こちらは今までの議論の経緯を書いてございますが、HPCI計画推進委員会の下のワーキンググループでございますが、HPCIはフラッグシップマシン富岳を含めた全国14のスパコンセンター・資源提供機関が保有するスーパーコンピューター、これは大学も含みまして、大学以外の国研等も含んでおります。それらを高速なネットワークSINETで結びまして、全国の研究者に一体的にシングルサインオンの環境で提供するという分散型の共用計算基盤として提供してまいりました。
 文部科学省では、このHPCI計画推進委員会の下にこのワーキンググループを設けておりまして、直近の3回の概要をこちらにお示ししておりますけれども、HPCI全体の運営方針であるとか、利用の制度であるとか、利用促進策、また、関連事業の進め方についてもこのワーキングで検討しております。
 これまで、GPUを活用するための、ここにも示している教育環境の話ですね、HPC・AIの開発支援拠点というふうに書いてございますが、そういった点であるとか、また、人材育成だったりユーザー支援だったり、富岳の利活用方針であったり、次世代HPCIの在り方をどうするかということについての議論をしてまいりました。特にこの3月や6月に会議をしておりますので、それらのこのワーキングで使われた資料を中心に、本資料2の後半に入ってございますが、本日御報告させていただきます。
 2ページ目、委員の名簿でございますけれども、大学だけでもなく、計算機センター関係者だけではなくて、AIとかクラウドであるとか、また民間サービス、さくらインターネットの須藤委員もいらっしゃいますけれども、クラウド技術の関係者であったり、データ基盤とか、もちろん合田先生もいらっしゃいますし、認証とかセキュリティとか、そういったところも一体として設計するために、この委員名簿となっております。
 3ページ目でございますが、3ページ目が、全体のこのワーキングでの議論の進め方を示している資料の抜粋なんですけれども、このタイトルが「次世代計算基盤を見据えた今後のHPCIの運営に係る検討を踏まえた対応策」ということになっていますが、こちら前身となる次世代計算基盤の今後の運営に係る検討ワーキングというのもありまして、そちらでもこの議論が1年以上進んでまいりました。
 大きく4つの論点に分けていたんですが、こちらの3ページ目には論点Aという形で一番代表的な論点を示しておりますが、そこでもHPCIの運営体制と大学等の関係機関の連携体制の見直しを進めてきたというところです。特に、この資料にもありますとおり、令和8年度以降、登録施設利用促進機関及びHPCIの運営を担う実施機関に関して、次の選定を行うというタイミングでありまして、その選定要件等の議論も進んでいたというところです。
 この検討というのは次世代HPCI環境検討ワーキングだけで進むものではなくて、調査研究にもということが書いてございます。上から1個目のポツのところの2行目のところ、文部科学省委託事業「HPCI整備計画調査研究」の運用体制調査研究と相互に連携して検討すると2行目から3行目にかけて書かれておりますが、このHPCI整備計画調査研究のうち体制調査研究を担っていただいているのが、本委員会の千葉委員ということになります。
 また、令和2年に策定した「スーパーコンピューター『富岳』利活用基本方針」についても、AI for Science等の進展とか計算資源需要等の変化がございますので、これも必要な改訂を行っているというところです。AI for Science時代でどうデータにアクセスして研究成果を生み出すかというところで、田浦主査いわく、HPCI2.0という表現をされていますけれども、この理念は先ほどの資料1で示されたものとまさに同じ問題意識かと思っています。
 次の4ページ目でございますが、本年3月31日に文部科学省が策定したAI for Scienceの基本的な戦略方針の概要でございます。これはこのワーキングでも何度も扱われておりますので、端的に御説明いたしますが。我が国には当然、サイネット、NII RDCに並んで、富岳やHPCIがございます。そして、特に、この一番右下に3つ一体的に進めるということで書いておりますが、HPCIに関しては、AI for Science時代のユーザーの利便性の向上、その中には機動性とかアクセス性とかインターオペラビリティー、相互運用性もございます。これらの取組を迅速に進めて、そして、第一段階は、HPCIの利用制度について、2026年度中に特定事業への採択と連動したような機動的な有償利用を実施することとか、また、抜本的な所要期間、使うまでの申請から利用開始までの期間短縮を目指すということであるとか、また、2027年度以降も、この利用の支援の増強であったり有償利用の拡大、機動的な利用を拡大できるように、また、相互運用性の向上等の取組を進めるということがこの戦略方針にも書かれているところでございます。
 5ページ目ですが、先ほど資料1の最後にもございましたけれども、具体的な目標として、具体目標が定められている中には、RDCの容量5倍とかSINET2倍ということに併せて、AI for Scienceの共用計算資源を2030年度までに10倍以上にというのが、一番下の段、丸5というところですが、掲げております。
 計算資源を10倍にするという目標は、単にGPUを増やせばいいという単純にそれだけ達成できるものではなくて、研究者が必要なときに必要なものを利用できて、機関ごとに異なる複雑な申請だったり、長期間必要な、利用までに必要な認証だったりソフトウエア環境とかそういうものではなくて、実質的な研究能力の向上につながるものでなければいけないということがこのワーキングでも議論されております。ですので、機動性やアクセス性や相互運用性の向上が不可欠であるというところです。
 6ページにその理念を示しております。このワーキングでも扱われた資料ですけれども、現在、全国14の計算資源提供機関がHPCIにはございますが、既に利用が逼迫しているということも、この左側のグラフで、真ん中辺りにあるグラフに示しております。そして、国内の大学とか研究機関の設備だけではなくて、民間のクラウドサービスとか国際連携も通じた活用も検討して、これら全体を10倍以上にというふうに書いていますが、迅速かつ継続的な共用計算資源としての提供をしていくということもこちらの資料に書かれていることです。
 同時に目指しているのが、この右にございます3点でございます。右下にございますが、1つ目は、あらゆる共用計算資源をワンストップで利用できるアクセス性の改善です。2つ目は、複数の計算資源、様々な大学や研究機関等にある資源をあたかも1つの大きな計算資源プールのように利用できるような共用性というか、共通性というか、そういったところです。3つ目は、使いたいときに複雑な手続を経ずに利用できるという迅速性でございます。
 将来的には、研究者が個々の計算機の所在とかどこに物理的にあったりどんな機種かということも細かく意識しなくても、必要な計算を必要な資源で適切に行うことができると、そういう仕組みを目指したいというところです。
 下には参考資料、そちらにより詳しいものがついておりますけれども、フェーズ1、フェーズ2、フェーズ3と、2025年、2027年、2029年という、それぞれ共通バウチャーの可能性とか、課金の仕組みとか、リソースブローカーとかメタスケジューラ等、段階的に実装するということがこちらの資料にも書いてありますし、参考資料にはもう少し詳しく書いてございます。
 7ページ目ですが、7ページ目右肩に黄色く四角くありますが、主査であります東京大学、田浦先生から御提示をいただいている次世代計算基盤の具体的なイメージでございます。従来のHPCIは大規模なバッチ計算処理を中心としたような利用形態に最適化されてきたという問題意識の下で、AI for Scienceでは、SSHでログインしてバッチ処理をするというだけではなくて、このデータの検索とかAIモデルの随時の提供であったりウェブサービスとかAPIであるとか、対話的な利用とか、実験装置等々の連携であるとか、いろいろな利用形態が広がるという趣旨で、こちらの7ページ目の1行目、2行目に書いてございますけれども、必要に応じて分野別の、分野ごとのプラットフォーム環境を切り出して、利用者がソフトウエア環境を柔軟に構築できることが必要だという議論です。
 そして、8ページ目に続きますけれども、API利用とか、リモートデスクトップとかウェブブラウザ利用であるとか、様々な多様な利用環境を提供する必要があって、そして、特にAIサービスとして提供する場合には、一度計算して終了するものではなくて、継続的な365日24時間のサービスとして提供する必要がある。そのために常時稼働を可能とし、インターネットとも柔軟に接続をして、また、プロジェクトごとに環境構築をしたり、セキュリティとか冗長性も必要だという議論がなされております。MDXも例としつつ、7ページ、8ページで示されているとおりです。
 9ページ目ですが、こちらはこのワーキングでも議論されています認証の仕組みであったり、また、負担金のこと、こちら課金のことも書いております。非常に肝となる点で重要な点ですが、本日御参加いただいている合田委員も中心となって、まさにワーキングでは議論されております。
 従来ですと、シングルサインオンの仕組みはあれど、SSHでのローカルアカウントベースでの利用が主体であった。そういう運用であったと。これがウェブサービスとかAPI利用になっていて、利用形態が多様になっていった。そのときに、利用パターンとか計算機ごとに別々のアカウントが個々に発行される仕組みというのはやはり適さないだろう。
 今後のAI for Scienceの環境では、学認IDを起点として必要な計算機とかデータとかサービスへのアクセス権が自動的に付与されるような形態だったり、また、共通バウチャーというのも、先ほどの資料にもありましたが、単純なバウチャーの共通化というの、それも解決するのが非常に大変な課題ではありますが、それもまだまだで、より本質的なのは、利用者が年度当初にこれを10万クレジット買いますよとか、この計算機で幾らやりますよと個別に利用料を計画的に前もって前払いするというのが、本当にAI for Science時代の研究ニーズに対応できるのかと。複数資源を柔軟に渡り歩いて、その場その場で、新たにエージェント利用をした結果として、別の計算機資源の利用が発生したり、複数の計算機やサービスを利用して、実際の使用料に見合って後払い的な利用負担金が流れるような仕組みが必要ではないか。これは現時点で制度設計が確定したものではございませんけれども、次世代HPCIの中核的な方向性の議論としてなされております。
 10ページ目以降が、10から14がワーキンググループの有識者として九州大学情報基盤センターの美添センター長に来ていただいて、具体的な利用形態の姿の議論も進んでおります。
 10ページ目では、AI駆動型研究の流れとして、左側ですね、データ準備して、モデルを学習して、候補探索して、データ更新するというバッチ型のループで、右側はもう少し常駐型のAI研究ループで、継続的に研究ログを監視して、次の実験を提案して、実験装置とかロボットに提案するような、そういう更に革新的な常駐型の今までなかったようなループも書いております。
 真ん中の下にちょっとございますけれども、つまり、単にGPUがあればいいというだけではなくて、GPUでLLMを動かせばAI for Scienceということではなくて、真ん中の下のオレンジの四角に書いてある高速ストレージとか電子実験ノートとの連携だったり、データベースとか既存のシミュレーションの計算ノードとの連携だったり、それをローカルAIとかクラウドAIとも結びつける必要があると、そんな趣旨です。
 そして、11ページがLLMに関しての話ですが、クローズドモデルとオープンウエートモデルの使い分けの点です。ChatGPTとかGeminiであるとかClaudeであるとか、非常に商用クラウドモデルは性能高いものがあるんですが、これはやはり機密データの扱いであったり、通信への依存だったり、価格とかもございます。使い過ぎたらAPI利用料は非常に高くなってしまいます。一方、オープンウエートモデルというのは、機密データを内部で扱いやすいんですけれども、また、オープンウエートモデルのいい点として、過去バージョンのウエートも含めて保存しておくと研究が再現できる。同じプロンプトを入れて同じ結果が出るというそういう特徴もあるんだけれども、つまり、AI for Scienceでは、データの秘匿性とか利用目的に応じて、これらオープンとクローズどちらのLLMも使い分けなければならないという趣旨です。
 12ページでは、それをどう実装するか、九州大学としての御提案ですが、この左下の部分が玄海でのvLLMでのローカルモデル、常時駆動サービスとして提供するLLMのモデルで、真ん中の下が商用モデルとしてOpenAI、Claude、Geminiというふうに書いていますが、共通APIからLiteLLM経由で利用して、インターフェースはOpen WebUIにするというものです。それで利用料をこのLiteLLM経由で監視しながら、管理しながら、課金ログも取って、適切にローカルのオンプレミスの九州大学にある玄海で動くvLLMのインスタンスと商業クラウドモデルを使い分けていくと、そんな仕組みをつくるということです。
 そして、右下にあるように、セキュリティ面等の課題もまだまだいろいろあるわけですけれども、オープンウエートモデルを選定して、常時稼働モデルとして内部で動くオープンウエートのモデルと商用モデルを併用するということです。
 13ページが、他の計算システムとか実験設備とか大学外、他サイト、ほかの大学やほかの機関等との連携ですけれども、同一機関内の連携に加えて、SINETを通じてほかの機関のシステムとも連携するクロスサイト連携、これも当然可能にしなければいけないわけですが、特に組織を超えてAIエージェントが計算ジョブとか実験装置の利用もあるかもしれませんし、その際には認証とかセキュリティであったり、また、事故発生時の対応であったりログ管理であるとか、様々な制度面の対応が必要だということも議論されております。まずは限定されたシステム間で実証していって、後々HPCI全体、日本全体に広げていくことが必要であるという議論がされております。
 14ページには、その広げていくためにも、新しい利用方法を普及させるための講習会であったり、AI JamとかGPUミニキャンプであるとか、こちらの資料に示しているような利用支援だったり、いろいろなクラウドモデルとの併用の支援だったり、特に注意が必要なのが、その最後の右下でございまして、人の遺伝情報とか個人識別符号であったり要配慮個人情報等もございますし、高いセキュリティが必要な研究データは別途考慮が必要で、具体的な検討もそういった点では必要だというところです。
 こちらで以上になりますが、15ページ以降、参考資料がございます。特に参考資料の中では、令和7年度補正予算での計算資源整備76億円のものも16ページにはつけております。
 また、18ページ以降にアンケートのことをちょっと書いておりますが、現在、全国の大学や高専や大学共同利用機関であるとか研発法人等を対象にして、共用計算資源の保有状況とか、今後の整備計画や整備の可能性とか、共同利用の考え方のアンケート調査を実施しております。この結果も踏まえて、このワーキング、HPCI計画推進委員会でも議論がされるということです。
 19ページ、20ページが、計算資源を継続的に整備・運用するための制度改革で、特に特定研究有償課題というのを創設しております。20ページのとおり、ARiSEとかSPReADであるとか新しい対象課題と連動させていくということで進めております。
 最後、21、22ページですが、計算資源を増やしても研究分野のアプリケーションが対応していないと駄目だということで、次世代計算科学グランドリーチプログラムであるとか、また、HAIRDESCという新しい拠点によってGPU対応とか性能最適化もしております。特にGPU等の計算資源利用に精通した人材を200人以上育成するという戦略方針の具体的な目標にもしているところでございます。
 説明は以上となります。
【尾上主査】ありがとうございました。
 それでは、先に、先ほど御説明いただきました資料2の御説明に関して御意見、御質問等ございましたら、文部科学省様より回答いただきたいと思っております。ただいまの御説明に関しまして、御質問等ございましたら挙手にてお知らせいただければと思います。いかがでしょうか。江村先生、どうぞ。
【江村主査代理】御説明ありがとうございました。
 方向性は大変よく理解できたのですけれども、中でおっしゃっていた機動性とかアクセス性を上げるということがAI for Scienceは非常に重要だと思うのですが、その辺の定量的な指標みたいなのは議論されているのでしょうか。要は、ユーザー視点で見たときに何がよくなったかという観点が重要で、計算資源10倍になりますといっても、ユーザーから見たときに、でも、やっぱり使い勝手悪いんだよねということがある可能性があり、そっち側を測らないとAI for Scienceに合った整備になっていかないのではないかなと思いながら聞いていたのですけれども、その辺の議論はされているのでしょうか。
【栗原計算科学技術推進室長】よろしいでしょうか。事務局でございます。ありがとうございます。
 まさにそのとおりで、我々も計算資源10倍と言っていたり、まさに今おっしゃった機動性、アクセス性を向上させるということなんですけれども、これも単純に、新しい世代のアーキテクチャでGPUを整備して、それだけではアクセス性がよくなったとも言えないわけですので、その点では、利用者に提供可能なタイムラグがどうであったかとか、また、そこで提供されるようなソフトウエア環境が利便性が高いかということを測定する必要があるかと思います。その点ではまさに今行っているアンケートというお話もしましたが、それらも通じて状況等を把握し、そういった機動性、アクセス性の改善につなげていきたいというふうに思っています。
 おっしゃるとおり、それを定量的にすぐ把握するというのは非常に困難な面がありまして、特にAI for Scienceに関しては、利用形態もまだまだ、どんな利用、エージェント利用とかが果たしてどのぐらいの規模でどのようにするのかというところも様々な意見もございます。その点では、先ほどリソースブローカー、資源ブローカーという話もありましたけれども、それが計算資源を自動配分するその機能等にも関わってくると思いますし、また、認証であったり、それをエージェント利用してAPI利用した場合にどのような機関間の連携、クロスサイト連携が必要かというところにも、全国的なサービスをどう設計するかにも関わってくるかと思います。
 非常に重要な視点かと思いますが、まだまだ議論途上というお答えになりますが、1つは、このアンケート等も通じて見極めていきたいというところでございます。
【江村主査代理】ありがとうございます。ぜひそっちの方向で検討を進めていただいて。多分、相当パラダイムが変わると思うので、評価の仕方もうんと変えていただくのがいいかなと思っていますので、よろしくお願いします。
【栗原計算科学技術推進室長】  ありがとうございます。
【尾上主査】そのほかございませんでしょうか。千葉委員、どうぞ。
【千葉委員】東大の千葉ですけれども、今の江村委員の質問を伺って思ったことをちょっとお話しさせていただきたいんですが。私、いろいろな、実際この取りまとめにも関与させていただけたので、ちょっと立場が、若干バイアスがかかっているかもしれないんですけれども。
 おっしゃるとおり、やっぱり機動性といいますか、ユーザビリティを上げるということは非常に重要な課題だと私も思うんですが、一般的にソフトウエアの世界で、今までユーザビリティに関して、コンピューターシステム全て、ITシステム全てですけれども、定量的な指標というのが存在したためしはないと断言してもよいと思っています。
 結局、唯一頼りになる指標というのはソフトウエアにかけていた金額でありまして、こういう委員会に出ると、前も同じことをここで申し上げた気がするんですけれども、ハードウエアを幾ら買うとか、GPUの何台買うとか、ペタフロップスがどうのこうのという指標はよく出てくるんですけれども、結局、ハードウエアを買っても、ソフトウエアがないと全くうまくいかないわけです。
 私は東大の情報基盤センター長をやらせていただいているので、まさにそういうことをやりなさいと言われて、やる立場にあるんですが、今現在なぜそれがうまくできないかというと、基本的にはお金の問題でありまして。
 例えば、課金の提案が私どもの大学の田浦から出ておりますが、なぜ今これが実現できないかというと、結局、課金システムというのは非常に高額で、いわゆる商用クラウドベンダーさんというのは、外販していない非常に高性能な課金ソフトウエアスタックを持っているので、いろいろ柔軟なことができますし、課金もできるんですが、我々ははっきり言ってお金がないので、同じお金があればハードウエアに振り向けましょうというのが今までの施策だったと思うので。
 そうすると、例えば、九州大学さんの、よそ様な話なので、正確なことは推論で言っては怒られてしまうかもしれないですけれども――12ページですね。課金ログを取って、ここから各ユーザーさんに請求書を発行するというところがどれだけ電子化されているかというと、結構疑問で、もしかすると人手が結構入っているんじゃないかと思われます。大学自体の会計システムの問題もあるので。
 ですので、これを言うとあなたは我田引水ですねとおっしゃられるのは承知で申し上げるんですけれども、結局、ソフトウエアに幾らお金を、予算を積むかということを、ソフトウエアにかけるお金を100倍ぐらいにしますと言わないと、多分、江村委員がおっしゃっているような世界は実現しないんだと思います。もちろん、100倍の予算をかけて出来上がったものを定量的に評価する指標がないのはいかがなものかというのはおっしゃるとおりだとは思うんですが。いずれにしろ、議論をそこへ持っていかないといけないんじゃないのかなと思っております。
 以上です。
【尾上主査】ありがとうございます。
【栗原計算科学技術推進室長】  事務局から。その点では、特にスパコンの世界では、ECPによる米国のDOEのソフトウエア開発プロジェクトに対する巨額の投資等もいつも話題にはなりますけれども、我々もこのアプリケーションのグランドリーチプログラムといったプログラム、先ほど御紹介しましたHAIRDESCという拠点もつくりましたが、それらで本当に今千葉委員がおっしゃった100倍のソフトウエアになっているかというと、さすがにその規模ではございませんので、非常に重要な点だと理解しております。
 ぜひ皆様も後押しいただいて、御議論できればと思います。
【千葉委員】すいません。東大の千葉で、もう一回割り込みますけれども。
 今まで、アプリケーションにはお金がついてきたんだと思うんです。アプリケーションの重要性は皆さん御理解されていて、お金がついてきたと思います。ハードウエアの重要性も理解されていて、お金がついてきたと思うんですが、アプリケーションとハードウエアをつなぐためにもう一層ソフトウエアが必要で、それが今、例えば12ページに出ているようなものなんですが。基本的にはこれは、日本の大学、学術機関の場合には、オープンソースの無料のものを基本的に使って、ベンダーさんにその範囲で何とか、無料のソフトウエアであっても保守にはお金がかかりますので、そこを細々とやるという、できる範囲でということだったのが大きな問題であると我々は理解するべきではないでしょうか。
 以上です。
【栗原計算科学技術推進室長】ありがとうございます。まさにミドルウエアとかシステムソフトウエアの点、非常に重要な点だと理解いたしました。ぜひこのワーキング、HPCI計画推進委員会のほうでも重要なテーマになっておりますので、それらの議論を重ね、引き続き検討を進めてまいりたいと思います。
【尾上主査】ありがとうございます。
 吉田委員、どうぞ。
【吉田委員】HPCI2.0の構想には全面的に賛成するんですけれども、ちょっと個人的に気になる点がありまして。富岳、多分16万ノードぐらいですかね、富岳NEXTでGPUが立って、ノード数として数千、3,000かそれぐらいなんですかね。ただ、一方、演算性能が上がる。重要なポイントは多分、これまでのHPCの典型的なユースケースとこういったAI for Scienceにおける計算の質というのが大分変わってきて、これまではどちらかというと物理シミュレーションとかそういったところがメインユーザーだったんですけれども、富岳NEXTになって、AIとシミュレーションのハイブリッドであったり、あるいは、AIそのものの大規模な学習とか推論とかそういったところが多分メイン。そういった新しいモダリティの計算が出てくる中で、少し気になる点は、ノード数がGPUベースになるとやっぱり減るということと、計算の質が変わってしまうということで。
 もしかすると、ちゃんと運用ルールをデザインしないと、要するに、ジョブ待ちとかで、全然ユーザーに対してジョブが流れないとかそういうところがあって、かつ、これを今後2030年までに計算資源量を10倍にするということで、全体の中でうまく戦略をつくらないとユーザー数の増加に対して全く対応できないとか、ユーザー数が一定だとしても、なかなか自分のやりたいことができないみたいな、そんなことも起こるんじゃないかなと思いまして。
 これは多分、専門家の方々と一緒にどういうふうに運用していけばいいかとかそういう議論をしなきゃいけないのかなと思いまして、一応コメントさせていただきました。
【尾上主査】ありがとうございます。こちらは何かございますか。
【栗原計算科学技術推進室長】事務局でございます。まさに御指摘のとおりだと思います。
 富岳NEXTについては、まだ最終的なノード数は決定はしておりませんけれども、現在開発中で、3,400ノード以上を想定ということが理化学研究所からもHPCI計画推進委員会でも御説明されているところです。また、この資料、今映写されている資料にも、民間サービスや国際連携ということもありますが、これらもやはり排他的なものではないので、富岳NEXTだけが計算資源だというところでもない中で、うまく組み合わせたその運用によって、今おっしゃったようなジョブ待ちとかノード数が少ないことによって全体の研究が制限されることはあってはならないと思いますので、政府としても必要な手当てを進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
【尾上主査】そのほかございますでしょうか。
 そろそろお時間なんですが、1点だけ僕のほうからも。先ほど江村委員、千葉委員、あるいは先ほどの吉田委員からのお話もあったと思うんですけれども、AI for Scienceの時代になってきて、HPCIとしての基盤のユーザー層であるとかそういうところが拡大するのと、特に計算資源に関するニーズというのも変わってくるというような、例えば、すごくデータインテンシブなプロセッシングになったりとか、いろいろなことになってくると思うんですけれども。
 そういうことで、ひょっとすると、いわゆるHPCIというハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラとして見たときには、旧来のコンベンショナルな計算インフラとして見たときには、ライトなユーザーと位置付けられる方が結構来るかもしれない。それも一応、例えば、先ほどの美添先生の資料とかで言うと、カバー対象に入るような書き方をしていただいているんですけれども。そうすればするほど、千葉委員が御指摘いただいたような、間の部分の要するにユーザー共通的に要る基本的なソフトウエアの部分であるとかということの重要性というのが、いわゆるハードウエア的な資源よりももっと多分重要になってきたりとかし得るかなというところでございます。
 あと一方で、国全体として見ると、これは前もちょっとお話ししたんですけれども、ここのHPCIのスコープに入らないけれどもAI for Scienceをやっていきたい人をどういうふうに収容するか、あるいは、しないのか、そんなところも含めて考えてやっていく必要があるかなというふうに思います。
 今回のレポートがどうのこうのではなくて、今回のレポートを見ながら、国全体としてどういうふうに整備していくかというところがすごく重要だなというふうに思いました。これも一感想というか御意見でございます。
【栗原計算科学技術推進室長】御指摘ありがとうございます。事務局でございます。
 その点では、「ライトなユーザーが」という表現がございましたけれども、今までの典型的なHPC利用とは本質的にフェーズが変わってくるということが、この田浦主査の資料でも、SSHでの利用から変わるという趣旨で書かれておりました。API利用も典型例だと思います。その点では、データプラットフォームのmdxが例示でこの資料上も示されておりますし、また、美添先生の12ページ等の資料もまさにそういった、表現が適切かどうか分かりませんが、ライトな利用とも言えるかもしれません。
 その点では、システムソフトウエアとかミドルウエアが、千葉委員が御指摘のように、必要な占める割合も多くなると思いますし、また、柔軟なそういった利用や、また、開発の体制やその支援の体制も政府に重要な取組として行うべきことであると認識しております。ありがとうございます。
【尾上主査】ありがとうございます。
 それでは、予定のお時間になりましたので、次の議題に移りたいと思います。いよいよ審議まとめ案についての御審議をいただきたいと思っております。資料3-1から3-3、AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用及び流通の在り方(審議まとめ)案につきまして、文部科学省より御説明をお願いいたします。山本室長、お願いします。
【山本学術基盤整備室長】基盤室長の山本でございます。
 資料3-1が本文、3-2が概要、3-3が関係する資料ということで参考資料としております。まず、本文の前に、3-2の概要から簡単に御説明をさせていただきます。本文についても初めて公開しておりますので、時間の許す限り説明をさせていただきたいと思います。
 審議まとめといたしましては、先ほど冒頭に、これまでの経緯、ワーキングの経緯とか背景を申し上げましたので、主にAI for Scienceに即応するべくということで、背景にありますとおり、実験基盤、AI統合型の研究データ基盤、計算資源、情報流通基盤の一体的な接続・連携等に向けた次世代の情報基盤の在り方を整理いただいたものと理解しております。
 現状の課題につきましても、やはりその3つのレイヤー、情報基盤、研究データ基盤、セキュリティということで、それぞれ現状やニーズ、課題を整理いただいたものと認識しております。あわせて、国内外の動向といたしましても、先ほど申し上げした次世代の情報基盤の在り方として、欧米諸国ではいろいろ先進的な取組が進んでいるといったことでありますとか、それに比して国内では、それぞれ実験基盤とかデータ基盤等、先進的に取り組んでいるものの、各基盤間のデータ連携・集約が、活用が課題になっているという御指摘をいただいているところでございます。
 そういったことを踏まえまして、次世代情報基盤の方向性として、このワーキングの在り方の概要といたしまして、大きく3つのレイヤーで方向性を整理いただきたいと考えているところでございます。1つ目は、まず、流通ということで、付加価値の最大化を実現するネットワークの整備、2つ目は、研究プロセスを支える新たな研究データ基盤の構築、3つ目は、計算資源等との一体的な接続・連携、認証強化ということで、3つございます。
 それぞれ中長期的な方向性も含めまして書いておりますが、まず、1つ目につきましては、情報流通基盤としての高度化ということで、大容量化・低遅延化・低省費電力・高信頼化、AI時代における通信量の増加に耐え得る構成に高度化及び国際ネットワークの接続強化により国際共同研究を支える基盤として機能拡充でありますとか、また、サイバーセキュリティの問題も先頃可視化しておりますけれども、公私立大学へのNII-SOCSの展開等をうたっているところでございます。
 2つ目、研究データ基盤につきましては、先ほど計算資源の議論もありましたけれども、研究者の研究プロセスを総合的に支えるAI統合型の研究基盤による研究データ空間の確立及び分野データベースの高度化、新たなデータ枯渇に耐え得るようなダークデータやネガティブデータなどのデータセットを構築するということがうたわれております。
 また、3つ目につきましては、実験基盤、データ基盤、計算資源を一体的に活用できる環境構築をする。そういったことに関しまして、認証基盤の構築等によってパイプラインを整備するということがうたわれております。
 全体として、まとめといたしましては、研究データの流通そのものが新たな付加価値を生み出す次世代情報基盤として刷新し、研究のスピードと質を向上すること、
 2つ目は、分野にとらわれず、全ての研究者がAI for Scienceに対応した環境下での研究を可能にということで、先ほど計算資源にもありましたけれども、今後AI for Science時代、全ての研究者がどういう形で研究に参画するかというのが見えておりませんが、そういったことを国としても考えていくべきでないかと考えているところでございます。
 また、AI for Scienceに対応した研究データの管理・利活用を実現し、研究者の研究プロセスを総合的に支援するということでございます。
 こういった中で、3-3のところでございます。先ほど少し資料1のときに説明がありましたが、3ページ目の全体のイメージ像というのをこれらの背景に説明させていただきます。まず、主に研究データの利活用のワーキング、あと流通の在り方のワーキングということでありますので、その2つの視点で説明いたします。
 まず、データ基盤については、真ん中のところ、少し紫がかったところでございますが、先ほどの概要でもありましたように、我が国においては、それぞれの分野でありますとかそういったところのデータ基盤は先進的に取り組まれていますが、それらの連携がなかなか、これからの課題であろうということであります。そのため、まず1つ目の方向といたしましては、それぞれの分野のデータ基盤がこの円柱になりますけれども、それらを縦に、AI for Science時代の研究データ基盤へ刷新するということで、分野の特性に応じたデータベースの最適化とかAI利活用を前提とした形式化をしていくことで、まず垂直方向で発展をさせ、高度化していくということでございます。
 次に、それらを全体として横に連携をさせて、研究データ空間という形をさせていただいておりますが、AIを通じてこれらをつなぐことです。研究者視点で考えますと、研究者が分野を横断してAIを使ってデータを駆動して、様々なデータを自由にこのデータ空間の中で、自分の研究目的に応じて研究を進めることができる。これが全ての研究者にAI for Scienceの研究環境を提供する。
 この中で、先ほど研究プロセスを総合的に支援と言いましたが、次に、それらの研究データ基盤だけでなくて、データ創出実験基盤や計算資源を、認証基盤等を鍵として、それらをデータとして自由に使えるように一元的にしていくということが1つのキーワードであろうと考えております。これによって、研究データ基盤を中核といたしまして、データを自由に研究者が、自分のAIを使って、例えばエージェントを使うなどすることで最適化し、どのような形でも研究が進められるような基盤を構築していくというイメージでございます。
 先頃、例えば、SPring-8で取得される実験データ、これがデータ実験基盤に関することですが、NII RDCから直接、この研究データ基盤から実験基盤のSPring-8のデータを利用できる連携サービスの試験運用が始まったとプレスで発表されております。
 こういったことを考えますと、研究データ基盤を中核として、結節点として、例えばデータ創出実験基盤のデータを利用できるようになるとか、計算資源のデータを利用できるようになるということで、どこにいても、研究データ基盤を中心としながら、いろいろな実験データを自分の研究のプロセスに合わせて常に総合的に利用できるようになるような環境が生まれるということが最終的な目的であろうと考えておりまして、そういった意味でも、このデータ基盤と創出基盤、実験基盤や計算資源と、かなりデータの流通というものが研究プロセス上増えてきます。そういった意味でも、横でぐるぐる回っております流通基盤としてのSINETもかなりデータの流通量が増えるということで、これらはやはりデータ基盤でありますとか情報流通基盤というものの連携、高度化というのが非常に必要になってくるだろうということでイメージさせていただいているところでございます。
 これらを具体的に文章に表したものが3-1ということで、本文に入らせていただきます。いろいろ先生方の意見につきましても、先ほど資料1で御意見いただいておりまして、そこも取り入れさせていただきながら説明をさせていただき、本文には溶け込ませていただいておりますので、それを前提に説明をさせていただきます。
 まず、3ページの「はじめに」というところは、言わずもがなでございますが、AI for Scienceの戦略方針、様々な政府方針でありますように、AI for Science時代の研究データの利活用の在り方というのは、次世代の情報基盤の必要について整理が必要だろうということでこれまで議論をいただいたところでございます。そういった背景を書かせていただいております。
 次、4ページでございますけれども、冒頭のほうに、これまではコロナ禍を含めまして研究DXの話があり、非常にデジタル化の大きな変革があったわけですが、これからは、そういったことも背景にしつつ、AI for Science時代の新たな研究プロセスの刷新というものが必要になってくるだろうということが書かれております。
 こういったことで、今後、次世代情報基盤を巡ってということで、下の4ページから5ページですが、情報基盤に関しては、次5ページになりますけれども、7期の基本計画等でも、先ほど冒頭で申したAI for Science時代においては、上のほうにありますが、研究データ基盤、流通基盤、計算資源を一体的に、シームレスに連携させた情報基盤の実現が求められていること、また、中段のほうですけれども、同時に、国立情報学研究所が中心になって構築を進めてきた我が国の研究データの管理・利活用のための中核的なプラットフォームとして位置付けられた研究データ基盤システムであるNII RDCについて、機能の高度化や利活用の拡大、研究者視点での改善の必要が指摘されていること等が記載されております。
 また、下のほうですけれども、「さらに」以下でございますが、第7期の基本計画においても、研究データの量・多様性が飛躍的に拡大することを前提にということで、情報基盤の高度化ということでSINETの高度化について記載をさせていただいているところでございます。
 6ページにつきまして、具体的にSINETの状況ということで現状等を書かせていただいております。細かいことは省略しますけれども、真ん中のほうに、本ワーキングにおいては、SINETが研究成果を単に流すインフラではなく、研究プロセスを同時並行的につなぐ研究基盤へと進化しているということを御指摘いただいております。
 また、下のほうですけれども、SINETは、研究の効率化を超えて、研究の可能性そのものを規定する基盤として進化することが求められていると御指摘いただいております。
 7ページですけれども、流通基盤としては、セキュリティの話もありましたけれども、冒頭でございますが、NIIが運用する情報セキュリティ運用連携サービスNII-SOCSについても、サイバーセキュリティの脅威が叫ばれる中、その価値は高まっているということで、中段のほうでございますが、今後は、NII-SOCSの公私立大学への対象拡大と拡張に伴う財政的・組織的課題の解決、及び認証基盤等のほかの基盤との連携強化が主な論点であるとされております。
 また、研究データ基盤の現状につきまして、主にNII RDCでございますけれども、これまで、このNII RDCにつきましては、真ん中ですが、オープンサイエンスやFAIR原則など国際的な潮流、研究の公正性の確保への要請を背景に、研究データを組織的に管理し、共有可能な形で保存する必要性が高まっておりまして、それらを背景にいたしまして、個別管理から組織的管理へと研究データを段階的に移行しているということが指摘されています。
 そういった中で、NII RDCは研究データ管理・利活用における我が国の中核的な研究データ基盤として位置付けられて、これまで様々な取組が行われてきているという状況でございます。
 8ページでございますが、AI等活用を推進する研究データエポコシステム構築事業によっても、研究者に寄り添ったNII RDCの機能強化とユースケースの創出、他分野のデータプラットフォームとの接続等の実証のための分野連携、データ管理・利活用を支える人材の育成、ルール・ガイドラインの整備といった研究データを取り巻く課題の解決と向き合ってきたということで、これはAI for Scienceの前からこういった取組がなされていて、まさにこのAI for Science時代のためのいろいろな検証が行われてきたものと認識しているところでございます。
 また、次、大学のほうにおいてもということでございます。少し下でございますが、特に大学等では、組織マネジメントの下、大学図書館、情報基盤・メディアセンター、研究推進部、URAの組織等が一体となってデータポリシー等の実効的な運用に取り組む必要があるということで、DX時代からAI for Science時代になりますと、AIの利活用に関しても大学のいろいろなガバメント、マネジメントが必要になってくるということであろうと思っています。
 また、下のほうですけれども、「さらに」以下でございますが、「AI for Scienceの核心はデータの多様性と質にあるとされ」とあります。そういった中で、学術界隈のみならず、産学間における秘匿性を保ちつつ、共同活用・共有するためのプラットフォームが形成されることにより、新たな競争力の源泉となり得るのではないかと御指摘いただいております。本ワーキングでは、AI for Scienceの進展により、研究データが保存対象から解析・学習・再利用を前提とした研究資源へと位置付けが変化している点を御指摘いただいております。
 次の9ページが、様々な研究分野のほうからの取組事例も書かせていただいております。前回のワーキングでも、ライフ、マテリアル、大型施設としてSPring-8からの現状といろいろな御指摘をいただいたところでございます。内容は割愛させていただきます。
 10ページでございます。これらを踏まえて国内外の動向といたしまして、海外の情報通信ネットワークの動向でありますということで、10ページに記載させていただいております。まず、(1)情報通信ネットワークの動向でございますが、欧米諸国では、中ほどでございますが、研究拠点、大型研究施設、計算資源等を結ぶ高信頼性・大容量の研究ネットワークが整備されており、国内外の研究機関間での連携や国際共同研究における基盤として活用されております。
 最後ですが、本ワーキングでは、こうしたことを踏まえまして、研究プロセスを成立させる基盤の一つとして位置付けられている点が確認されていると御指摘いただいています。
 また、海外の研究データ基盤の動向といたしましては、欧州の例ではEOSCでありますとか、米国においては、DOEがジェネシス・ミッションの実現のための主要研究基盤として整備するようなThe American Science Cloudでありますとか、NSFがHPCIからID連携を通じたCloudBankといった仕組みを通じた商用クラウド利用まで、先端計算資源へのアクセスを統合するために整備するNSF ACCESSなど、既にAI時代に向けたデータ利活用に係る基盤への投資、整備が進行しているという状況でございます。
 こういったことで、(3)国内における現状と国際連携でございますが、国内においては、SINET、NII RDC、富岳を含むHPCI等の情報基盤が整備されていることが我が国の強みとして位置付けられている一方、それらをどのように統合的に活用していくのかが課題として認識されているところでございます。
 本ワーキングでは、今後の情報基盤の整備が単なる基盤整備ではなくてAI for Scienceを前提とした研究システム全体の変革に対応する必要があると示されているほか、研究データの創出・収集・利活用のプロセスが高度化・自動化していく中で、基盤側もそれに対応した機能を備える必要があるとの課題が共有されているところでございます。
 こういったことで、下のほうですけれども、AI駆動型の研究を支えるデータ創出基盤と情報基盤との接続環境の構築は、欧米の状況を踏まえると、早急に取り組む必要があるということで御指摘いただいているところでございます。
 12ページでございます。5、ユーザーニーズ、社会からの要請としてでございます。情報基盤に関しては、次世代の情報基盤としての大容量・低遅延・低消費電力・高信頼性を同時に満たす高度な基盤である必要があるということでございます。
 次、13ページでございますが、研究データ基盤に関しては、やはり先ほど御指摘いただいたとおりでございますが、「研究データに求められる機能は」ということで、一番上でございますが、これまでの研究データを適切に管理・公開する機能としてNII RDCも発展してきたわけですけれども、これからは、研究データを糧にAIを活用した新たな研究を駆動する原動力へと大きく変化するということが記載されております。
 こういった中で、中段でございますが、AI利活用を前提としたデータ形式やデジタル化が大きく遅れている分野の特有データや、個人情報等により他の分野以上に共有・公開が困難な医療データなど、価値が高いにもかかわらず十分活用されていないデータも多数存在しており、これらに対して、データの創出・収集・AI利活用を前提としたデータ形式化そのものを支援する仕組み、及びそれを担う人材の育成に関しても強く求められているところであるとなっております。
 また、AI利活用が前提になっていくと仮定した場合、研究成果の創出においてデータの量だけでなく質が重要となるため、メタデータ整備や構造化、標準化の要求はコミュニティから強く求められることに加え、分野横断型研究では、異なる形式のデータを結びつけるための機能が不可欠であり、各研究者コミュニティで求める共通セキュリティ意識を実現する認証基盤の強化が重要な論点になっているとされております。
 (3)、一番下ですが、知識創出のための新たなAI統合型の研究データ基盤の構築としておりまして、次のページ、4ページでございますが、研究者のニーズはデータ蓄積・共有から、知識の生成・活用そのものを支援する基盤へと拡大しております。そういった意味で、研究プロセスそのものを変革するという可能性も指摘されているところでございます。
 そういった中で、データ創出基盤や計算基盤からの様々なデータを一元的に管理・利活用する場の提供など研究プロセス全体を支える統合環境としてのAI統合型の研究データ基盤へのニーズが高まっているとしているところでございます。
 最後、その中段でございますが、社会的観点からは、AI利活用を伴う判断可能な透明性や信頼性の確保が重要な課題であります。そういった中で、透明性・信頼性のあるオープンな学術特化型AIモデルによる共通的なAI利用環境を備えた知識基盤が構築され、AIの利活用のコンサルテーションや情報共有の場が提供されることによりAI for Scienceを加速していくことが不可欠である点も指摘されているところでございます。
 (4)研究分野からのニーズにつきましては、様々な分野のほうからも御指摘いただいているところでございまして、14ページから15ページでございますが、大きくは割愛しますが、共通の自動構造化の話やAIに関して複数の基盤を横断的にアクセスする環境の整備について御指摘いただいているところでございます。
 次に17ページでございます。7、次世代情報基盤の整備の方向性といたしまして、先ほど概要で簡単に説明しましたので割愛しますが、まずは、1つ目として、付加価値の最大化を実現するネットワークの整備としております。
 また、次に18ページの(2)でございますが、研究プロセスを総合的に支える新たな研究データ基盤の構築としているところでございます。そこでは、5行目辺りからですが、AI for Scienceに対応した研究データの管理・利活用を中核とする研究者の研究プロセスを総合的に支える新たな研究データ基盤によってデータ空間を確立することが求められております。具体的には、各分野のデータベースとの連携強化や共有・利活用されやすくするためのメタデータの整備により、分野横断的なデータ活用を可能とするとともに、データの蓄積・管理・共有・再利用を一体的に支援する環境や仕組みを構築することとしております。
 また、少し下に下がりますが、我が国の中核的な研究データ基盤の立場から、各分野におけるデータベースのハブとしての連携強化の中心となって、分野を牽引する取組を支援することも重要であるということでございます。
 少し下がりまして、さらに、AI for Scienceを組織内に浸透するためには、研究者のみならず、図書館、情報基盤・メディアセンター、研究推進部、URA等の研究支援・マネジメント組織、そして経営層を巻き込んだタテの糸を強靱にした環境を構築することは重要な論点であるとされています。これにつきまして、各大学もDXを取り組んでいたところですが、今後はAIトランスフォーメーションということでAXということもうたわれておりますので、全学的なこのAI for Scienceに対する体制整備も重要だということで、こうした論点があるということでございます。
 続きまして、19ページでございますが、一番上に関してはAIデータの告発に関してということで、先ほどのダークデータやネガティブデータに関しての記載をしているところでございます。
 また、中段でございますが、「加えて」のところになりますが、AI for Scienceによる研究活動・研究成果の最大化を図るには、単にデータを蓄積・共有するだけではなく、それらを構造化・意味付けし、信頼性の高い体系的な知識を知識グラフとして構築することが重要である。これらを基盤として、AIを活用して研究データから新たな知識を創出する環境及びそれを支援する人材についても性急な整備を期待したいとしているところでございます。
 また、知識グラフと信頼性・透明性のあるAIモデルが一体となった知識基盤が構築されることによって、データの創出から保存・管理、利活用に至る様々なインターフェースによる一体的な連携を実現させることにより、AI for Scienceの実効性を高めて、研究プロセスの高度化・効率化を図るとともに、分野の枠を超えた新たな科学的知見の創出を促進することが期待されるとなっております。
 (3)計算資源との一体的な接続・連携、認証強化につきましては、先ほどもいろいろ御議論いただきましたが、HPCやクラウド等の計算資源と情報流通基盤、研究データ基盤との連携を強化し、日々の研究プロセスの中で、研究者が意識することなくシームレスに利用できる環境の実現と、その成功・失敗の過程を記録して、研究の来歴管理を含めAIで研究を加速する基盤を構築する必要があるとしているところでございます。
 次、20ページでございますけれども、「おわりに」というところで、情報流通基盤、研究データ基盤、計算資源、認証基盤といった各要素を個別に整理するだけでなく、それらを連携させ一体的に機能させることが不可欠であること、特に情報流通基盤については、研究活動を支える基盤インフラとして、その大容量化・高信頼化に加え、AI時代における加速度的な通信量増加への対応や、安全性の確保が求められていること、また、研究データについては、分野横断的な利活用を可能とする基盤の構築とともに、AI利活用による高度な分析・知識創出を支える研究者の研究プロセス全体を総合的に支える新たな研究データ基盤によって、研究データ空間を確立することが必要であること、また、下のほうにありますけれども、これらの取組を通じて、研究資源の統合的な活用が実現されることにより、研究プロセスの高度化・効率化が進展し、分野の枠を超えた新たな知の創出が加速することが期待されるということでございます。
 また、最後になりますが、AI for Scienceはこれまでにない速度で進展していくものと想定されるが、これを支える環境の構築に当たっては、様々な課題に対して柔軟に対応が求められることからも、基盤の利用環境の提供・支援、コンサルテーション機能等を含めて、これらに関係する関係機関の体制強化といったことや、人材の育成・確保、そしてこれらに必要な財源の確保についても、短期的ではなく非常に中長期的な観点からも検討すべき課題として認識する必要があるのではないかということでございます。
 こういったことで、最後になりますが、今後は、本報告書で示した方向性に基づいて、関係組織・ステークホルダーが連携・協働しつつ、次世代情報基盤の整備を着実に推進していくことが求められるということで最後を締めさせていただいているところでございます。
 少し時間を超過しましたが、よろしくお願い申し上げます。以上でございます。
【尾上主査】御説明ありがとうございました。
 それでは、この審議まとめの案について御議論いただきたいと思っております。最大で45分程度時間を取れると思っております。御意見等ございましたら挙手にてお知らせいただければと思います。いかがでしょうか。若目田委員、どうぞ。
【若目田委員】取りまとめ、ありがとうございます。
 この文章を読んで、今日も御説明を聞いて、議論した内容というのは私なりには理解はできるんですけれども、そもそもの話になってしまうんですが、ここで書いてあるイメージの絵、これは大体いつ頃このようになっているということを想定しているのかという、そのタイムラインが教えていただきたいというのが1点と。
 あと、これも、すいません、今さらながらになるんですけれども、「分野横断」というキーワードが結構出てきているわけですが、実際にこの目指す世界というのをイメージするときに、関係者が、いろいろな研究に関わる方々、あとはそれを取り巻く方々を含めて、同じこの景色を見る意味でも、具体的にどの領域とどの領域とどの領域、もし、横断というのは何を横断するのかという、その辺の例示というか、この辺を白にというわけじゃなく、せっかくの機会ですので、この横断する象徴的な事例、狙いみたいなところが1つ、2つ教えていただけるとありがたいなと思いました。
 以上です。すごく初歩的なことで申し訳ございません。
【尾上主査】どうですか。山本室長、お願いします。
【山本学術基盤整備室長】まず、1点目につきましては、AI for Scienceに関してということで、2030年を目指していろいろ政府でも、今、戦略方針も含めて議論しておりますので、数年かけてこういった絵を実現していくということで、段階的にこういう形で進められればいいのかなということで考えているところでございます。
 ですので、分野の連携でありますとか、今回ご議論いただきましたところで、課題含め初めて総合的に議論し、可視化されておりますので、段階的に進めていければと考えているところでございます。
 例示に関しましては、AI for Scienceで今までデータ、いろいろ分野間ではいろいろなお話も進んでおり、先ほど、SPring-8と研究データ基盤のデータが連携できるというようなことも先ほど申しましたが、そういった中で分野融合というか、様々、今後、例えば、人文系も含めると、AIと人文系みたいな結びつきとか、AI for ScienceというかAIになじんでいない分野の方々もこれからAIを使っていく環境を提供していくということは、そういった方々との連携も生まれていくのかなというふうにも思っております。
 人材育成の確保も含めて、分野の連携をむしろ、我々が想定し得ないものをどんどん、もちろん進んでいくことが望ましいのですが、ただ、おっしゃったように、我々も実際こういうことを具現化していくときに、そういった具体的な例がないと、これを実行可能性の観点で、ただ基盤だけつくっていくのかという話になってしまうのも非常にまずいと思いますので、そういった点も含めて検討していきたいと思います。
【若目田委員】イメージ、連携、連携という言葉を私も使っているんですけれども、何かピンと来ないんですよね。ライフサイエンスとかマテリアルとか、そういう単位のところでどうするかというのはお話も伺ったんですが、思っているこの横断というのは、そういうものを超えるものなんですか。それとも、人文と科学みたいなものありますけれども、何かもう少し、これとこれが連携することでこういうことが期待できるみたいな、非常にシンプルなんですけれども、さりげなく「横断」と使っているんですが、それが湧きにくいというか。
 何かこれからすごいことが起きればいいという、それを期待するとありましたけれども、そうであればそういうものだということで理解はするんですが、やっぱりある程度想定して、同じ景色を見ていくことが必要かなとちょっと思ったので。
【山本学術基盤整備室長】ありがとうございます。例示とかそういったことというのは非常に重要でございますので。
 先生、江村先生から。
【尾上主査】よろしいですか。
【山本学術基盤整備室長】はい。
【尾上主査】それでは、江村委員、お願いいたします。
【江村主査代理】ありがとうございます。文章は非常によく書けているというふうに思いました。AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用という観点では、ほぼほぼ議論されたことは反映されているかなと思ったんですけれども。
 一方で、今、若目田さんが言われたことと同じところが、もうちょっと強調したほうがいいところがあるかなというふうに思っていまして。分野連携というのは、日本の競争力をつけていく上では必須なんですけれども、この仕組みを幾らつくっても分野連携は起きないですよね。最初の資料にもありましたけれども、人材のことが、人が関わらない限り、分野連携って仕組みでは起きないわけですよね。
 そういうふうに思ったときに、19ページに何げなく「新たな知識を創出する環境とそれを支援する人材」とかという表現があるんですけれども、これ読んでもみんなピンと来ないんじゃないかな。要は、新しい知識を創出するための人材なのかどうかという問題と、それから、「研究プロセス」という言葉が結構いろいろなところに書かれているんですけれども、ここでイメージされている研究プロセスって、やっぱりまだ従来型なんじゃないかなと。
 要は、何の課題を解くかというときに、どことどこが連携しないといけないのかみたいな、各論に行く前のところの何の研究をするかみたいな議論をしっかりできるような環境をつくらない限り、みんな各論をやっていくので、そこでAI for Scienceといっても、全体の強さを出していくところができないという感じがあるんです。
 ですから、そういう意味で、せっかくこの議論をした中でいうと、AI for Scienceというか、AIを使いながら新しい知識を生み出していくという観点でいったときに、研究プロセスをもう一回みんなで考え直す、それから、新たな知識を創出するための仕組みをアドオンするというイメージをもう少し入れたほうがいいんじゃないかなというのは、可能であればですね。
 だから、そういうイメージも、まとめた図も、あれ非常にいいと思うんですけれども、仕組みはあの絵で書かれているんですが、この縦をつなげるための周りからのやるべきこと、なので、人材の問題とか研究プロセスのもっと上位のところの改善とかという辺りを少しこの絵に加えて、その辺への皆さんのイメージが湧くような形にしたらいいんじゃないかなというのが私の意見です。
 以上です。
【尾上主査】どうぞ。
【山本学術基盤整備室長】ありがとうございます。
 研究者目線からすると、今の観点は非常に重要なのかなと思っております。参考資料の3-3の6ページ、ちょっと表示をさせていただきますが、こちらの絵は、海外でダッシュボードというか、EOSC等でヨーロッパのほうでも今進んでいることをイメージした、日本で今後やらないといけないと考えたときの、研究者が共通のIDで入ったときに、将来像ですが、こういうダッシュボードがあって、これが例えば、実験基盤、データベース、ここがまさしく研究データ基盤で、分野も含めた最終的なデータ空間のところになりますけれども、計算資源でありますとか、あとツール・レシピでは、AIエージェント等をイメージして、研究者ごとにこういったものを、研究者の研究プロセスというか、研究者の分野でありますとか、過去のレシピみたいなものも右側にありますが、研究者自身が常にAIを使って自分の研究プロセスを様々どんどんアップデートするような場も必要であろうと思っております。
 先生御指摘のように、こういった中で、その研究の動向に応じていろいろなデータを使うとか、どういう形で研究すればいいのかとか、そういったこともAIと連携しながらできるようにしていくのが最終的なゴールかなということでイメージをしているところでございます。
 御指摘のところにつきましては、先ほど若目田先生からもありましたけれども、皆がある程度一定の共通的なイメージを持って進めていかないといけないことになりますので、イメージのところの図につきましても、少し工夫をして考えていきたいと思います。ありがとうございます。
【尾上主査】次、吉田委員、どうぞ。
【吉田委員】理念のほうは非常によく分かります。先ほど2つのコメントとすごく関連しているんですけれども。データをためて、そのデータをどう活用するかというシナリオについて、ちょっとイメージがやっぱり湧かないというか。分野横断についてもコメントがありましたけれども、どういうふうにトランスファーされるのかというのがちょっとイメージが湧きにくいなと思います。きっと、いろいろな日本全国の研究者が個々の研究データをあそこにためていって、それが分野間で、あるいは分野内、分野間で共有されていくということなのかなと思うんですけれども。
 1つ懸念としては、そういうふうに蓄積されたデータが本当にAIに活用できるかどうかというところが少し疑問視されるところでして。分野によっては、そういうある程度共通性があって、個々の研究者が個々の研究者のキュリオシティーに従ってためていったデータが、これがマスとなったときに、AIの学習データとして非常に威力を発揮するというケースもあるんだけれども、ある分野では、例えば、研究者の興味というのは本当に局所的なところで、全然ばらばらの研究をしていると。そうすると、結局、それがたまったとしても、どうインテグレーションすればいいかというのは全く分からないので。そういうこともあると思うんですよね。分野によっては、多分こういうデータ共有という戦略が有効なものと有効じゃないところが多分あるはずなのかなと思います。
 それを先行しているのは、ARIMとかRDとかマテリアルの分野で、NIMSが中核としてデータプラットフォーム創出というのをやってきたと思うんですが、やはりここでもそういう問題もあるんじゃないかなと思っていて。個々の研究者が取っているいろいろなデータが、ローカライズされた小規模のデータが大量にありますと。じゃあ、これをどういうふうにたまったときに活用できるのかというのはそれほど自明ではなくて、多分、今まさにそういったことを皆さん、材料の分野では、そういったこれをどう活用していくかということを考えているのかなというふうに思います。
 あとは、データが、個々の研究者がいろいろなデータをためていったときに、研究者の視点からすると、どんなデータがどこにどれだけあるんだということは、所在が全く分からなくて、それをどう活用すればいいかというのは、研究者個人だとなかなかうまくさばけないというか。なので、こういった国としてデータ創出、データ蓄積をやっていくためには、何かそれを先導する司令塔みたいなのが多分必要なんじゃないかなというふうに思って聞いていたところです。
 各分野でこういうふうにデータをためていけば、そのデータがたまったときにこんなことができるんだという、そういったビジョンを持っていて、それを先導していく、そういったようなプレーヤーが必要なのかなというふうに思って聞いていました。
 以上です。
【尾上主査】ありがとうございます。何か御意見を受けて、ないですか。
【山本学術基盤整備室長】事務局です。御意見ありがとうございます。
 我々もまず、いきなり分野横断ということよりは、取組として、まず、各データで垂直方向でライフ分野も含めて分野ごとにどうやってデータを利活用するかということをAI for Science時代に応じた形でのデータ基盤という検討をされていることは、当然、それも含めてやっていかないといけないということは認識しているところでございます。
 そういった中で、例えば、それぞれにオープン・クローズの考え方もあるかと思います。ただ、従来の研究課題が例えばあったときに、その分野のデータの中でのデータを利活用するということじゃなくて、将来的には、こういったデータ空間の中で、自分の課題で分野外からも関係するデータというのも使えて、新たな研究が展開できるようなことも今後の時代でできるということを想定しますと、そういう意味での分野の連携というか、分野外のデータも使っていろいろな研究ができるということも非常に重要かなということで、考え方で、分野、横をつないだイメージも持っておりますので、そういったことも含め、もう少し具現化したいと思います。ありがとうございます。
【尾上主査】ありがとうございます。
 ちょっとすいません。次に行く前に。先ほどのHPCIの美添先生の話とかで言うと、この10ページ目にあるような、いわゆる研究プロセス自体、あるいは研究している内容、例えば、それが分野融合で実際やっていたこと自体が、AIとして何かこのデータの利活用とともにセットになって提供されると、そういうサジェスチョンというのがAI経由で得られるという可能性はあるのかなと。
 なかなか、データだけを見ていてどことどう組めるとかというのは恐らくできないんだと思うんですが、過去どういうことで、どういう性質のデータとどういう性質のデータが組み合わされてどんな研究が行われたかというのがどんどん蓄積していくことが、先ほどのデータ空間で言う上に上がっていくというところに近いのかなというイメージを持ちました。
 そういうような辺りが充実化していくというところが、まさに設計いただいている研究データ、三位一体となった研究データの利活用の基盤というところがより高度に使えるように分野融合も含めてなっていくような1つの方向性なのかなというふうに思いましたので、そんなところも少し入れるといいのかもしれないと思いました。
【山本学術基盤整備室長】ありがとうございます。
 本文で言うと13ページにも、少しそのあたりの記載、データの質という点も重要とさせていただいておりまして、メタデータの整備とか構造化・標準化というところが、まさしく分野を超えて意図しない形でいろいろなデータを使えるということになりまして、そのデータのにはどういうところからどういうふうに生まれたデータなのかというのがきちっとメタデータも含め構造化されていないと、信頼性の面も含めて使えませんので、それが分野を超えて共通的に空間の中で使えるということも含めての分野連携という言葉を使っているところがありますので、そのあたりも少し整理したいと思います。ありがとうございます。
【尾上主査】ありがとうございます。
 それでは、矢守委員、石田委員、千葉委員の順番でお願いします。矢守委員、どうぞ。
【矢守委員】音声聞こえていますでしょうか。
【尾上主査】大丈夫です。
【矢守委員】ありがとうございます。
 どちらかというとお願いになろうかと思うんですが。今のお話で、非常に末端のところ、データの入力のところをちょっと着目いたしますと、データマネジメントプランのところに来るのではないかと思います。ここである程度、データマネジメントプラン並びにデータのフォーマットですね、モデルプラントまでは言わなくても、ある程度こういうデータの入れ方をしてください、こういう保管の仕方をしてくださいという何かガイドラインのようなものがあれば、入力時に気をつけて入れることになろうかと思います。これは多分、GakuNin RDMのところに係る内容かなと思っています。そこでメタデータがある程度そろえると、上流のほうにうまくつながっていくのではないかと思いました。
 なので、もし可能であればなんですけれども、分野によってデータの扱いは異なるとは思いますが、ある程度パターン1、パターン2という形で、人文科学分野においてはこのような入力の方法があるという、データマネジメントプラン並びにデータのメタの付け方、構造化についてある程度ガイドラインを促していただけると、入力側も大変ありがたいと。それが上流に向かって流れていくときに、ある程度正規化されるのではないかと思いました。
【尾上主査】ありがとうございます。ガイドライン。よろしいですか。
【山本学術基盤整備室長】ありがとうございます。
 AI for Scienceに応じて、先ほど、概要にも書いておりますが、分野の特性に応じたデータベースの最適化とAI利活用を前提とした形式化というところで、それぞれ分野としても取り組まれているところも踏まえながらですが、今回初めて、各分野の状況でありますとか、学認も含めて、認証やデータの構造化の話も含めて議論いただきましたので、そういったところの違いを今回の議論で可視化できましたので、一定程度の時間を要するかもしれませんが、標準化といますか、できるところはシステムとしてNIIも含めて進められるところはあろうかと思いますので、データ連携の一つとして、取組も我々としては注視していきたいと思います。ありがとうございます。
【矢守委員】ありがとうございました。
【尾上主査】続きまして、石田委員、どうぞ。
【石田委員】石田です。イメージ図に示されたものが目立ってしまうからなのかもしれませんけれども、今、既存の分野のデータベースとか、どちらかというと、この絵を見ると分野ごとにデータを蓄積していくというようなイメージになっているかと思います。多分それが現実的なところなんじゃないかなというふうには思うんですけれども。
 こういう形になってしまうと、例えば、大学で分野ごとではないデータというのもたくさんあるわけなので、大学がやる役割とか、これに貢献することというのがもう少し分かるような形になったほうがいいのかなというふうに思いました。といいますのは、大学が何かする話ではないと思われてしまうのもちょっと違うのかなと思っているからということでございます。
 それから、もう一点は、先ほどほかの委員からも御指摘があったように、多分、最終的にこういうゴールをイメージしていますというのを共有するということも非常に重要なのかなというふうに思います。関わる人たちが相当たくさんいる中でイメージを共有するというのは難しいんですけれども、何かこういったイメージを共有するような仕組みもこの中で検討していただけたらいいかなと思いました。
 以上です。
【山本学術基盤整備室長】ありがとうございます。
 先生がまさしくおっしゃったように、研究データが生まれる場というのは大学になりますので、今おっしゃったように、利活用の部分というのをもちろん研究者の目線でまずデータ基盤から中心に考えますと、分野のデータ基盤があって、そこにどう利活用するようにためていくかという話があります。おっしゃっていただいたように、大学現場で生まれたデータをどう利活用していくか、大学にも研究者が活用するリポジトリもありますので、そこを分野の物差しだけではなくて、分野のデータ基盤のない方々もどうこのデータを利活用するかということになりますと、大学現場でのマネジメントとかデータポリシーの話も非常に重要になってきます。そのような観点はデータエコ事業でもご議論をいただいているところでございますので、御指摘の点は非常に重要でございますし、我々も認識して引き続き検証していきたいと思います。ありがとうございます。
【尾上主査】では、千葉委員、どうぞ。
【千葉委員】ありがとうございます。東大の千葉です。
 2点ありまして、1つは、先ほどの研究データを、データ化がちゃんと進むのかという話が出ていたんですが、書いてあるとは思うんですが、支援する研究者を育てるということは結構重要だと思っているので、それは強調されたほうがいいんじゃないかと。いつも手前みそなことしか言わないんですが。
 大学の昔の大型計算機センターは研究者を抱えていたんですけれども、コンピューターセンターなのに何で研究者を擁するんですかという答えは、そういう実際、研究者の人がこうやってコンピューターを使う、この分野ではこうやって使えばいいんだということをやらないと、エンジニアの人が教えるのではなくて、研究者の人がガイドするという、対等な形でガイドするということが大事だったからだと思うんですが、今また、データ科学、AI for Scienceのためには、そういう人材を強化するということが必要なんじゃないかと思いました。
 もう一つはハードウエアの話なんですけれども、この資料全体を通しまして、計算資源が大事だということは書かれているのですが、一方でHPCという単語も別にあって、HPC、クラウドというのが並べてあって、全体で計算基盤という書き方をされているんですが。HPCというのは、昔はいわゆるスパコン、シミュレーションサイエンスの色が強かったんですが、今、ハードウエアを見てみますと、いわゆるクラウドシステムといわゆるスパコンでハードウエアが特に違うということは実はないので。
 言葉の話かもしれませんけれども、HPCというのは、学術向けのHPC基盤というのは、ほぼここで言っている計算基盤だと思っています。予算の重複を避けるために、私が心配することじゃないのかもしれないですが、AI向けも含め、学術向け計算基盤はすべてHPCと呼ぶことにして、既存のHPCをAI for Scienceに適するように変革しなさいというふうに強く求めるべきですし、求める以上は、そちらの資源も増強して、今までの従来のシミュレーションサイエンスももちろん大事だけれども、資源を拡大するので、ちゃんと――AI for Scienceもオーバーラップはあるんですけれども――先ほどから出ている小口のAI、尾上先生がおっしゃっていたような小口のユーザーさんもちゃんとサポートするように、規模を拡大するなり、サービスの在り方を拡大するなりしなさいというふうに言うのがよいのではないかと思います。
 実際問題、今、いわゆるHPCIのシステムというのはストレージは非常に弱いので、データサイエンスにそのまま使おうとすると、やはりいろいろ細かいところで問題はあります。エンジニアリング的に細かいところではありますが、チューニングが必要だと思うので。既存のHPCIそのままでは持ってこられないと思うんですが、言いたかったことは、いわゆる従来型のHPCIはHPCIで基盤整備をして、AI for Scienceのためにはまたデータサイエンスの基盤を整備してというそういう考え方ではなくて、ハードウエア的なものはオーバーラップはあるので、HPCIをより規模を拡大するようにすべき、ということです。
 今ワーキングで議論すべき話題には、私がさっきからうるさく言っている、ソフトウエア、ソフトウエアと言っておりますけれども、そういう話こそが含まれます。あとデータ流通ですからネットワークですよね、そちらのほうをこのワーキングでは注力して考えていくという、そういうすみ分けみたいなことをするのがいいんじゃないかと思いました。
 以上です。
【山本学術基盤整備室長】ありがとうございます。
 まず、1点目のデータの人材の話ですが、まさしくおっしゃるとおりでして、設備共用とかそういった設備のマネジメントに関しても、URAをはじめ研究支援人材の議論が国でも行われておりましたが、AI for Science時代に応じても、そういったデータを今後支える人とかシステムを構築するような人材というのは、大学の中のいろいろな評価軸も含めて、人材としてこれから非常に重要になってきますので、そういったところの部分については、先ほどAXみたいな話もありましたけれども、大学の中のマネジメントの中で、そういう人材が常に維持されて、適切にと評価されるようなところというのは今後大学の中で重視されないと、こういったデータのマネジメントというか、利活用の部分というのは成り立たないという御指摘かと思いますので、その点についても注視したいと思います。
 2点目につきましても、今、御指摘いただいたとおり、これを実際どうやって具現化するかのときに、データ基盤の話とか流通基盤の話は一体的にというところもあるのですが、計算基盤につきましては、大学からの計算基盤としての従来の在り方ではなくて、国としてのAI for Scienceとしての取組の中で役割分担して、今回も栗原室長からも説明がありましたが、そういったところも意識した上で、文部科学省として役割を認識しながら進めていこうと考えております。ありがとうございます。
【尾上主査】よろしいですか。
 それでは、工藤委員、どうぞ。
【工藤委員】ありがとうございます。大阪大学の工藤でございます。まずは、取りまとめいただき、感謝いたします。3点コメントがあります。
 1点目のコメントは、資料3-1に関して、共感した点について述べたいと思います。4ページ目に「研究プロセスそのものを変革し得るものとして国際的にも注目されている」と書いてあるとおり、AIによって、研究プロセス自体、そして研究者の在り方自体が変わることを前提としている。その上で、研究データの管理・利活用と流通の在り方も柔軟性とか拡張性を持たせなきゃいけないとしているという点が非常にいいことだなと思いました。
 18ページ目の(2)のところも、「研究プロセスを総合的に支える新たな研究データ基盤の構築」という表現になっています。これは、このワーキンググループの当初の問題意識からは、ちょっとアングルが変わったところがあると思います。つまり、研究データだけに注目するんじゃなくて、これから変わりゆく研究プロセスにも注目するという変化が起きています。それが、この資料3-1にまとめられている点は、読んでいてすごくよいなと思いました。これが1つ目のコメントです。
 2つ目のコメントは、資料3-2に関するところです。先ほどいいなと思った点を踏まえた上でこの資料3-2を見ると、「次世代情報基盤の方向性」だけに絞られています。つまり、先ほどほかの委員からもコメントがあった人材育成、ソフトウエア、運用、地域の話みたいなところが抜け落ちています。ハードウエアとかネットワークの話にフォーカスしていて、予算の概算要求の基礎となるアウトプットという点では非常に分かりやすくクリアにまとめられているんですけれども、先ほどいいなと思った点が抜け落ちていて、ちょっと残念な気持ちにもなりましたので。
 とはいえ、これはこれでいいまとめ方ではあるので、ここからこぼれ落ちるものを別途まとめていただいたり、あくまでネットワーク、ハードウェア、認証基盤のポイントだけまとめましたと表題を変えたりするというのも一案なのかなと思いました。これが2つ目のコメントです。
 3点目のコメントは、資料3-3についてです。「AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用と流通のイメージ(案)」という絵を描いていただきました。先ほどの資料3-2とは別に、未来のビジョンを描いているという点がまずいいなと思いました。ただ、今回新しく出てきた資料でもあるので、幾つか気になる点があります。
 例えば、「研究データ空間」というものが表現されているけれども、これは、これまで話し合ってきた産業界との連携とか、別のデータスペース、例えば、医療のデータスペースとか産業のデータスペースとはどういう関係にあるんでしょうか。連携の在り方は、この絵の中には書かれていないけれども、捨象してもいいものだったのだろうかとか、いろいろなことが気になってきてしまいました。
 でも、総論として、こういうビジョンを示して、ありたい姿はこれですと示すのは非常にいいと思っています。とはいえ、ちょっと細かい点で、何を入れて何を外すべきかとか、この絵にしたことによって落とされたものは何かというのをもうちょっと見たいなと思いました。
 以上3点のコメントです。
【尾上主査】ありがとうございます。何かありますか。
【山本学術基盤整備室長】事務局です。ありがとうございます。
 研究プロセスの御指摘のところ、1つ目については、おっしゃるとおりでして、これから研究者のデータというのは利活用されることが前提になってきますので、研究者自身のものというよりは、再現性とか信頼性の観点からもデータを活用して利活用につなげる意味で、研究者の研究プロセスの在り方も変わっていくのかなという点も含めて御指摘いただいたのかなと思っています。
 2点目、概要のところにつきましては、人材のところについて御指摘を今回いただいておりますので、その点も含めて工夫をしていきたいと思います。ありがとうございます。
 3つ目のところにつきましては、我々も産業界との連携とかいろいろ、データについては経産省も含めて議論が必要ということで始めておりますけれども、まず、研究に関してのデータというものの整理が実はいろいろ、デジタル庁も含めて、データの定義の中に研究データはあまり含まれていないということもありまして、まず、研究データとしてどう考えるかというところをこのワーキングで御議論いただいたと認識しております。
 ただ、その上で、こういう議論を通じて、本文にも書かせていただいていますが、産業界との連携とか、経産省のほうでもいろいろな研究データのデータセットの事業がありますが、その中でも産業界と学の連携みたいな取組も生まれつつあると聞いておりますので、そういったところを糸口にして、今後、この議論を踏まえて、連携の在り方を引き続き検討していければなと考えているところでございます。御指摘ありがとうございます。
【工藤委員】ありがとうございます。
【尾上主査】それでは、宮田委員、どうぞ。
【宮田委員】宮田です。取りまとめをありがとうございました。
 この図を見ながらお話を伺いたいと思っていたんですけれども。基本的に、文章のほうで一生懸命頑張って読み込んでみて、すごいきちんと書かれているなと思いながら、皆さんおっしゃっていたように、みんなでゴールイメージを共有しながらあれを読むと考えると、これまで結局、基盤もきちんと強化するし、人をサポートするところを強化することでAI for Scienceを推進していく必要があるということを結構頑張って話をしてきたのかなと思っていたんですけれども。例えば、この図は、人がどうサポートされるのか、人がどう強化されたからその先ができるようになったのかというのが、あんまりそこは見えないのかなと思っていて。
 それは、このタイトルがデータの管理・利活用と流通のイメージだからそうなっているのかもしれないんですけれども、私の個人的なイメージでは、いろいろなものがきちんとつながって人がサポートされていて、そうするとデータの見通しが、知識グラフとか個別のキーワードが出ていましたけれども、そういうもので、全然別々に見えていたものが知識グラフみたいなものでガチャッと一緒になるようにして、見通せるようにすることで、全然異分野なんだけれども、これとこれは分野融合で利活用できるようになるみたいな見通しの立つようなものをつくっていくことで研究プロセスが変わっていくんだという話を結局してきたのかなと思っていたんですが、それがあまり、各分野ばらばらですというふうに見えて、そうなのかなというところで。
 全部が全部入れられるわけもないので、ユーザーというのがここではうまく入れられないのであれば、そこはそぎ落としてもいいのかもしれないですけれども、もし入れられるのであれば、そこをサポートすることでこういう未来になるんだという風になると良いかと。(今の図が)何かが強化された図ではなくて、これとこれとこれがこういう関係でつながっていますにしか見えないのはやや残念だなという印象ではありました。
 人材……。でも、難しいかな。あと、(データベースが)各分野でそれぞれ立った状態になっているんですけれども、研究データって本当にそうですかね。分野ごとにこんなにばらばらかなと。逆にもっと分野も何もなく乱立しているものじゃないんですかね。もちろん質が違うから違う円筒(での表現)になるのかもしれないんですけれども、そうでもないんじゃないかなとちょっと思ってしまいました。
 以上です。すいません。こうしてくださいということではなくて、ちょっと人材のところが気になったというコメントでした。以上です。
【尾上主査】宮田委員、ありがとうございます。
【山本学術基盤整備室長】ありがとうございます。
 概要にも「AI for Scienceに対応したデータの管理・利活用を実現し、研究者の研究を総合的に支援」と記載しております。ただ、この図を見たときに、研究者にとってどういうサポートを受けられるのかという御指摘かと思います。人材の話も含めて、本日の会議では御指摘を多々いただいておりますので、この図に落とし込むか、もしくは違う観点で整理するかも含めて検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【尾上主査】あと、この分野の縦方向のデータがある程度固まっているところと、先ほどおっしゃっていただいたように、全部がばらばらにはなっていないんだと思うんですよね。これまでに紹介いただいた強く固まってきっちりある分野でのデータ流通というのが進んでいる分野と、全くそういう試みがやられていない分野で、そういうところは下からどんどん上がってくるというのと、今あるところはそれを更に高度化するという、そういうような一応イメージをつくって書いていただいているんだと私は認識しました。
【山本学術基盤整備室長】先ほど、研究データが大学現場での話もあって、大学がどう関わるのかという話も御指摘いただいたところでございまして、将来的には、もちろん各分野分野のデータ基盤というのがあるのが、今、図示化しているところでございますが、それが分野なのか、このデータ基盤がないデータも利活用するということで全ての分野と言っているときに、大学の研究者がいろいろな事業を通じて利活用するデータをこの空間に持ってくるときに、今、図において「新たな分野のデータ構築」と書いていますが、それが分野でいいのか、もしくは違うレイヤーで大学を目線にしたような形のほうがいいのか、そういうこともあると思います。
 今は分野でどこかのデータ基盤に置くという目線で記載をさせていただいて整理をしていますので、その点の御指摘かと思います。ありがとうございます。
【尾上主査】ありがとうございます。
 お時間が近づいてきましたので。若目田委員、どうぞ。
【若目田委員】すいません。2度目で申し訳ありません。
 先ほど、同じ景色を見るためのビジョンの共有という話、皆さん、ほかの委員の方からもそういうコメントがあったので、まず、そこが据えた後、江村委員から出た「研究プロセス」というのはとても重要なキーワードだと思います。
 まず、ビジョンを共有した後何が必要か、ここに多く書かれているのは、その政策に向けた仕組み、計算の基盤であるとか、もしくは研究者を支える仕組みがここに書いてある。主に書いてあることだと思います。それ以外に、さっき出ていた研究プロセスというものは何なのか。これは多分As-Isの分析が必要じゃないかなと思いましたけれども、これも据えた2030年であれば、今と目指す姿としてのプロセスの変革、あと人材ですね。
 もう一つ重要なのは、人材を動かすためのインセンティブというか、仕組みです。これも重要なので、恐らくシステム、基盤のような部分と人材、人材のスキル、それと研究者プロセスと、もう一つ、それを動かすインセンティブ、この辺のところを最後のまとめのところに書いて、ここに書いてあるというのは、それの基盤であるとか、研究者をサポートする基盤であるという、そういう位置付けを明確にするといいんじゃないかと思いますし。
 あと、全般、先ほど実はばらばらじゃないかなみたいなそういう御意見もあるように、多分As-Isの分析・把握がまだできていないんじゃないかなと思いますので、この政策の実行のためには、それに関わる事業といいますか、も取り入れるべきかなと思いました。
 以上です。
【尾上主査】ありがとうございます。
 それでは、最後、江村委員、どうぞ。
【江村主査代理】すいません。ちょっと研究プロセスの話が出たので。AI for Scienceで従来の研究をしているところのプロセスが大きく変わるというのは明らかで、皆さん認識していると思うんですけれども、社会課題を意識したときの研究プロセスというと、そこにもっと人文系の人材とかも入ってきて、そういう議論をベースにデータも活用しようというような構造に全体として変わっていかないとこの国は強くならないと思うんですけれども、そのトーンがもうちょっと出ればいいなと思っています。
 以上です。
【尾上主査】ありがとうございます。
 皆様、御議論ありがとうございました。この辺りで、お時間になってまいりましたので一旦閉めたいと思います。
 本日いただきました御意見は主査である私と事務局のほうで引き取らせていただきます。事務局との間で最終調整を行いまして、審議まとめを固めてまいりたいと思っております。その後、書面にて委員の皆様と共有した上で、7月末に開催予定の情報委員会などにおいて本審議まとめの説明をしてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最後に、文部科学省研究振興局長より一言頂戴できればと思います。淵上局長、よろしくお願いいたします。
【淵上局長】ありがとうございます。ワーキングの審議まとめの取りまとめに当たりまして、一言御礼の御挨拶を申し上げます。
 尾上主査をはじめ委員の皆様におかれましては、昨年の12月のこのワーキング設置以来、6回にわたりまして短期間かつ集中的に御審議を賜りまして、誠にありがとうございました。また、オブザーバーで御参加いただきました国立情報学研究所の先生方にも併せて御礼を申し上げたいと思います。
 本年が科学技術・イノベーション基本計画の第7期の始まりの年でもありますし、また、それと軌を一にして私どもでもAI for Scienceの戦略方針というものを策定して、AI for Scienceを1つの起爆剤としながら我が国の科学研究力を再考していくと、こういう宣言をしている年でもあるわけでございます。
 このAI for Scienceを進めていく上で、本日まで御議論いただきました科学研究データの扱いというものは極めてクリティカルな課題でございます。世界中もこの研究データの扱いをどうするのかということを意識しながら進めていると承知をしております。
 たまたま私は5月に韓国を訪問したのですが、韓国では法律を策定してでも研究データをどのように扱うのかということを決めているというような状況がございまして、それほど研究データというのが非常に大事なものになっていると認識をいたしております。
 アメリカとの間でも、今月初旬にジェネシス・ミッションとの関係で新しい戦略的パートナーシップを結ぶということも進めております。これはとりもなおさず、我が国の研究データ、これまでの研究データが非常に価値のあるものだと世界から認められているからにほかならないと思います。
 こうした基盤の上にこれから更に私どもがどのような研究データ基盤を構築していくのかということが非常に大事な状況の中で、まさに先生方の御知見をお借りして、これからの進むべき方向性というのをお示しいただいたと思っております。研究データをこれからいかに創出し、そしてそれを流通し、また、管理し活用する、計算基盤などとも併せて総合的に整備をしていくということの必要性がお示しいただけたかと思います。
 また、利活用の観点では、それぞれのドメインの分野ごとの研究を高めていくということももちろんでございますが、分野融合のお話も先ほど来出てきております。具体的にどのような分野融合があり得るのかというのは、まさにこれから研究者の方々のお知恵で様々な形でつくっていただければと思いますけれども、例えば、既に私どもの国の中ではWPIといういろいろな仕組みがございまして、その中では、新しい科学を創出するんだということで、いろいろな分野を融合しながら進められている分野がございますので、そういったWPIの拠点などでももちろんこの新しいデータ基盤の活用というのが図られることになるでしょうし、また、WPIの拠点でない地域でも、こうした新しい基盤ができることによって、それぞれのところで新たな新分野あるいはデータの連携が図られていく、そんな環境ができるのではないかとも思っているところです。
 そうした方向感を持って、私ども、今回の取りまとめを踏まえて、しっかり政策を前に進めていきたいと思っています。まずは、5か年の集中改革期間でございます。この初年度に当たりまして、来年度の概算要求に向けてどのように進めていくのかというのが直近の課題でございますので、今回の取りまとめの方向性に沿って、各地域で、また各大学・研究機関、各研究者の先生方がしっかり研究できる環境を整備するために全力を尽くしてまいりたいと思っているところでございます。
 本日までの6回にわたる御審議に改めて感謝を申し上げまして、御挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。
【尾上主査】淵上局長、ありがとうございました。
 それでは、委員の皆様方、御多用の中、半年間にわたり本ワーキンググループに参画いただきまして、心より御礼申し上げます。先ほど局長からもお話がございましたように、文部科学省の皆様方では、このAI for Scienceを力強く支えていただいて科学の再興につなげていただく、そのような政策検討、実行を進めていただければと思っております。引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、事務局より最後に、連絡事項等ございましたらお願い申し上げます。
【麻沼参事官補佐】事務局でございます。
 委員の先生方におかれましては、昨年度から長きにわたりまして、御議論いただきまして誠にありがとうございました。
 今後ですけれども、資料4の下のほうに記載させていただいておりますが、先ほど尾上主査にも言及いただきましたけれども、親委員会であります情報委員会が7月末開催予定でございますので、まずは、そちらに本審議まとめを説明していく予定でございます。また、このほか関係の審議会や委員会等でも、必要に応じて説明をしていければと考えてございます。
 引き続き、委員の先生方におかれましては、書面にて再度確認をさせていただくこととなりますが、また御協力をいただければと思っております。尾上主査におかれましては、審議まとめに当たりまして最終的な調整をお願いすることとなりまして恐縮ですけれども、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【尾上主査】ありがとうございます。
 それでは、本日の議題はこれまでとなりますので、これにて閉会とさせていただきます。皆様、どうもありがとうございました。
―― 了 ――

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