AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用と流通の在り方ワーキンググループ(第3回) 議事録

1.日時

令和8年3月26日(木曜日)16時00分~18時00分

2.場所

文部科学省東館17階局4会議室 及び オンラインのハイブリッド形式

3.議題

  1. AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用及び流通の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

尾上主査、石田委員、江村委員、工藤委員、千葉委員、林委員、宮田委員、矢守委員、吉田委員、若目田委員

文部科学省

麻沼参事官補佐、轟木参事官補佐、込山学術調査官、松林学術調査官

オブザーバー

国立情報学研究所
 副所長/アーキテクチャ科学研究系 教授 合田 憲人
 アーキテクチャ科学研究系 教授 栗本 崇
 アーキテクチャ科学研究系 教授 佐藤 周行
 情報学プリンシプル研究系 教授  武田 英明
 アーキテクチャ科学研究系 教授  竹房 あつ子
 コンテンツ科学研究系 教授 山地 一禎

5.議事録

【尾上主査】  それでは、定刻になりましたので、科学技術・学術審議会情報委員会AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用と流通の在り方ワーキンググループの第3回会合を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、現地出席とオンライン出席のハイブリッドでの開催としております。また、通信状態等に不具合が生じるなど続行できなかった場合、委員会を中断する可能性がありますので、あらかじめ御了承ください。
 まず、事務局より本日の出欠状況などについて御案内願います。
【麻沼参事官補佐】  事務局でございます。本日の出席者につきましては、10名全ての委員に御出席いただく予定でございますが、若目田先生におかれましては、少し遅れていらっしゃいます。
 また、本ワーキングですけれども、国立情報学研究所からもオブザーバーとして御参画いただいております。本日は、合田先生、山地先生、佐藤先生が現地から、栗本先生、武田先生、竹房先生がオンラインから御出席をいただいておりますので、よろしくお願いいたします。
 続きまして、陪席しております学術調査官につきましては、込山学術調査官は現地から、松林学術調査官はオンラインにて御参加をいただいております。
 以上でございます。
【尾上主査】  ありがとうございました。
 次に、配付資料の確認とハイブリッド開催に当たっての注意事項について、事務局より御説明をお願いいたします。
【麻沼参事官補佐】  事務局でございます。それでは、議事次第に基づき、配付資料を確認させていただきます。現地出席の先生方は、お手元の配付資料を、オンライン出席の先生方はダウンロードいただいている資料を御確認をお願いいたします。
 議事次第に記載してございます配付資料一覧になりますけれども、資料1-1から1-3、資料2、参考資料1、2、3がございます。もし欠落等ございましたら、議事の途中でも結構ですのでお知らせいただければと思います。
 続きまして、ハイブリッド開催に当たっての注意事項を申し上げます。御発言時を除きまして、マイクは常にミュートとしていただくようお願いいたします。ビデオは常にオンにしていただき、通信状況が悪化した場合はビデオをオフにしていただければと思います。運営の都合上、現地出席の先生方も含めまして、御発言いただく際は挙手ボタンを押して御連絡をお願いいたします。尾上主査におかれましては、参加者一覧を常に開いていただきまして、手のアイコンが表示されている委員を御指名、お願いいたします。
 また、本日、議事録作成のため、速記の方に入っていただいております。御発言される場合は、お名前をおっしゃってから御発言をお願いいたします。また、恐れ入りますが、マイクの数が限られておりますので、現地出席の先生方が御発言される場合には、大きめの声で御発言をお願いいたします。また、傍聴希望いただいております方々につきましては、今回、YouTube配信により御参加いただいております。トラブルが発生した場合には、現地出席の先生方は手を挙げていただき、オンライン出席の先生方は電話にて事務局まで御連絡をお願いいたします。
 事務局からの御連絡は以上でございます。
【尾上主査】  ありがとうございました。
 本日は、AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用及び流通の在り方について並びにその他の2件の議題を予定しております。前回は今後のAI for Scienceの推進に当たって大量に創出されるデータの流通を支えるSINETの構想をお示しいただきました。最先端の800Gbps帯域、IOWN技術の導入をはじめ、ユーザーニーズも丁寧に伺いながら共創・共考の下、新たなSINET始動に向けて検討を進めていただいております。また、流通におけるセキュリティに関しては、NII-SOCSの歴史と今後の対象機関拡大の検討状況などをお伺いしました。多様化するサイバー攻撃は、教育研究現場においても大変脅威であり、対応に追われているのは言うまでもありません。ぜひとも本取組の推進に期待しております。
 さて、今回はAI for Scienceにおいて最も重要な要素の1つである研究データをめぐる議題です。いずれの研究分野においても日々の研究活動によりデータが創出され、それらのデータを保存し、共同研究者やコミュニティと共有し、論文のエビデンスデータなどは全ての人へと公開したり、そして、解析やAI基盤モデル生成などのために計算資源等により利活用したりとデータの価値はオープンサイエンスの進展、AI技術の台頭により、これまで以上に急速に高まっています。
 本日、NII様からは研究データの管理・利活用を促進するための我が国における中核的な研究データ基盤であるNII RDCの高度化に関して、基盤・機能の強化のみならず、全国的な環境醸成・構築、様々なシステムへアクセスするための次世代認証も含め、今後の構想について山地教授より御説明いただきます。一方で、その前提となる研究データの取扱いに関しては、文部科学省のAI for Science推進委員会においても議論が進められております。月末にAI for Scienceの推進に関する基本的な戦略方針が決定される見込みと伺っておりますが、先にこちらの検討状況を文部科学省様より御説明いただいた上で、解像度を上げてからNII様から発表いただきたいと思っております。
 では、轟木補佐、よろしくお願いいたします。
【轟木参事官補佐】  ありがとうございます。文部科学省情報参事官付の轟木と申します。
 それでは、まず私からAI for Scienceの戦略方針に関する取組について御報告をさせていただいた後、特に研究データの取組のところなどについても御説明をさせていただければと思います。
 まず、資料1-1を御覧いただければと思います。こちらは先日の3月10日のAI for Science推進委員会、第2回のところで示させていただいた素案となってございます。目次、こちらのようにありますとおり、「はじめに」から、総論から、各論から「おわりに」というところで、このような形で作成させていただいています。簡単に流れを説明させていただければと思ってございますけれども、まさに「はじめに」というところで、AIの急速な潮流によってAI for Scienceがすごく盛り上がってきている。かつ、第7期イノベーション基本計画においても、AI for Scienceが位置づけられておりますし、AIの基本計画、こちらにおいても、まさにAIを最も開発、活用しやすい国にするというようなことが定められているというところでございます。
 そういった状況も踏まえまして、やはり国際情勢、国内動向、我々、喫緊の課題としてAI for Scienceをめぐる国際動向、急速に発展をしているというようなこともここで書かせていただいてございます。日本の現状というところで、こちら、少し以前も御説明させていただいたかと思いますけれども、まさに情報基盤、研究基盤、社会基盤、こういったものがございまして、そういったところを踏まえながら、我々、今、戦略方針、まとめに向けて今検討を進めているというところでございます。
 ここら辺は割愛をさせていただきながら、課題と方向性、今後の方向性と目的というところがございまして、まさに研究環境、AI時代に即したものに刷新するということ、AI for Science時代に適した組織への変革を図り、研究システム、研究プロセスを含めた研究の在り方をAIで革新することによって、2030年代にはAIが研究の自然な一部として活用される環境を実現し、分野横断的な人材が学術、産業双方で活躍して、AI for Scienceが日本の研究力の中核として国際的に認知され、日本が自律性と信頼性を備えた研究国家としてAI for Science先進国としての地位確立を目指すというようなことを方向性として掲げさせていただいてございます。
 具体的な目標と手段といたしまして、研究力向上、人材育成というところ、そして計算資源、加えてまさに研究データ、この3本柱で今整理を始めているというところでございます。先日、3月10日の時点では、まさにこのAI for Science、どこを重点に置いてやっていくべきかという議論ですとか、まさに今、研究データの取扱いという話もございましたけれども、こちらについて少し今検討を進めているところでございまして、実は明日、第3回のAI for Science推進委員会が開かれるところでございますが、そこでは、今ここで検討中となっているような部分も含めて、戦略方針本文に記載させていただいた上で、また議論させていただければということを思ってございます。
 各論についても少し省略をさせていただきますけれども、研究力の話ですとか、研究力、人材、そしてデータ、そして基盤、計算基盤ですとか、情報基盤、そして情報流通基盤ですとか、そして産学連携、国際連携、こういった取組をしっかり進めていくというところで、それぞれ書き下しているというところでございます。具体的なアクションについても、今まさに推進委員会のほうで議論いただいているところでございまして、こちらも明日の推進委員会で、公開の場でお諮りできればと思ってございます。今後の検討事項についても同様でございます。ざっとこのような形で戦略方針、考えてございまして、概要というところでございますけれども、すみません、絶妙な配置になってしまっていてあれなのですが、概要を出してもらえると、ありがとうございます。
 資料のところですけれども、まさに今、私が申し上げたようなところを概要に少し落とし込んでいて、こちらも推進委員会の議論を踏まえてブラッシュアップをしていければということを思ってございます。3つの目的、科学研究の革新と科学的発見の加速、質の変革、研究力の抜本的強化と科学の再興、そしてそれらを踏まえた上で国際的優位性、戦略的自律性を確保していくというところです。中長期的な取組目標として科学基盤モデル、エージェントやAI駆動ラボの活用により重要技術領域の先端的成果創出及び研究開発期間10分の1というような具体的な取組目標も少し掲げているところでございます。
 ターゲット例も、少し今例として3つ示させていただいていますけれども、材料、新素材開発速度10倍の潜在力を有するAI駆動ラボシステムの開発であったり、大規模なデータ取得を通じて高機能のバイオ製品の高品質設計を実現するバイオ生成基盤モデルを開発。そして、AIエージェントによる最先端大型研究施設、研究装置からの大量高品質データ産出、仮説検証・実験自動化・自律化を実現というようなターゲット例を書かせていただいているというところでございます。こういったものを実現するに当たって左下のところでございますけれども、まさに世界を先導する科学的研究成果の創出、トップを引き上げる取組と両輪でAI for Scienceの波及・振興により科学研究力の底上げというところで、こういったイメージでAI for Scienceを進めていければ。さらに、それを支える研究基盤、研究インフラの構築、これも欠かせないものとなってございまして、まさに今回、データのところ、御議論いただけるというところで、ぜひお願いしたいと思ってございます。
 まさに同日の推進委員会では、少しAI for Scienceの推進に向けた具体的な目標例というのも示してございまして、まさにAI for Science、実現するに当たっては研究の分野においては1、2のようにAI関連論文数、世界3位にするですとか、波及・振興するためにAI関連論文数割合を世界10位から世界5位にするですとか、AI高度研究人材を5年で1,000人に増やすのだ、ここはもう少し増やしてもいいという御議論もありましたので、更新を考えているところでございますけれども、そういったもの、やはりそれを支えるためには、今日、御議論いただきます研究データ基盤システム、NII RDC、これは2030年までにやはりデータの流通、増えてきますので、その容量を5倍化するですとか、AI化することによって、よりユースフルなものにしていくですとか、そういったことを目標として掲げさせていただいてございます。
 さらに加えて、先日御議論いただきましたSINETについても、2028年までに2倍の高速化という目標を掲げていたり、AI for Science共用計算資源、こちらも非常に重要なものとなってございまして、2030年までに10倍にするというようなことを具体的目標例として掲げさせていただいているところでございます。今回、中心に御説明させていただきたいのが、この資料1-3のところでございまして、先ほど尾上主査からも御言及いただきましたけれども、研究AI for Scienceにかかわらず、科学研究においてはやはりオープンサイエンスの下でしっかり進めていくというところが非常に重要かつ、その上で、オープン・アンド・クローズ戦略で研究データを管理・利活用、推進していくというようなところが令和3年のCSTIの会議の考え方でも示されているところでございます。
 そこでは、オープンサイエンスを前提としながらも、オープン・アンド・クローズ戦略の下で、例えば非公開とするものというのは、輸出管理や個人情報保護に関する国内関係法令、ガイドラインという取扱制限があるものですとか、企業の秘密性、研究の新規性、研究セキュリティ等の観点から非公開とすべきもの、こういったものは非公開としながら、オープン・アンド・クローズ戦略でしっかり進めていくというようなところがあったかと思います。最近、まさにこのAI技術の進展に応じまして、AI for Science推進においては、こういった考え方も踏まえながらではあるのですが、日本の持つ研究データがAIの活用等によって、意図せず流出をして、日本の持つ優位性が損なわれるおそれがあるというようなことを踏まえまして、AI技術の進展ですとか、研究分野、研究データの特性、状況等に留意をしつつ、日本の強みとなるAIモデルですとか研究データ、これらについて国益保護の観点から適切に管理をする必要があるだろうというようなことを指摘がされているところでございます。
 それらを踏まえまして、AI for Scienceにおける研究データの管理に関する具体策ということで、2つ挙げさせていただいてございます。日本の強みを有する研究データを適切に管理するため、研究データの国外移転の可否ですとか、学習利用の可否、物理的なサーバーの場所などについて、国として指針を明らかにした上で、以下2つの方策を講じるということをしてございます。1つ目が、まさに今、AI for Science推進委員会でも御議論いただいているところではあるのですが、この研究データの国外移転の可否ですとか、学習利用の可否、物理的なサーバーの場所などについて、少し我々のほうで考え方を示した上で、そのある種、考え方を踏まえて、これから令和7年度補正予算でAI for Science、科学研究革新プログラム、これを実施していくことになるわけでございますけれども、その実施手順において、その考え方を踏まえてデータマネジメントですとか、デューデリジェンスに係る対応をしていく。
 加えて、政府において研究機関のリスク低減措置の内容を確認しながら、必要に応じてではございますけれども、追加措置を要請する仕組みも検討していきたいと考えてございます。さらに、それに加えて、やはりそういったものを実現するにはハード的な整備も非常に必要になってくるだろうというところでございまして、2のところで、今後、国内で創出される研究データ、これらについては当該データの流出等により日本の優位性が損なわれることがないよう、国全体としてセキュアかつアクセス制御可能な研究データ基盤を構築した上で、管理、保存されることを目指すというようなことをここで書かせていただいているところでございます。
 例えばですけれども、我が国として強みを持つ研究データですとか、そういったものについて、今、NII RDCの活用も進んでいるところかなと思いますが、我が国における研究データの管理・利活用のための中核的なプラットフォームでNII RDCについても研究者の負担を最小限にするような形で、AI-ready化を行うなどの高度化によってNII RDCを中核に据えたセキュアな環境の構築及び更なる利活用促進を進める必要があると認識をしてございます。
 AI for Scienceの推進に向けては、データは非常に重要であるということは言うまでもないところでございますが、EPOCHやオートメーションクラウドラボなどによって、さらに今まで以上にデータの創出が見込まれるところ、SINETの高度化によるデータ流通の高速化、高信頼性の確保に併せまして、それらを最大限活用するために、データの創出から保存、管理まで一体的かつ高信頼なデータ基盤を構築する必要があるというふうに認識をしてございます。
 さらに、学術界のみならず産学連携、国際共同研究と多種多様なプレイヤーの参画も期待されることから、認証に関しても重要となってきているという認識でございます。次世代の認証基盤の確立なども含めて、NII RDCを中心としたAI for Science時代における研究データの基盤の在り方について、今回、御検討いただければと思ってございます。
 なお、AI for Science戦略方針につきましては、明日、3月27日の推進委員会でも議論予定でございますので、そこでの議論もフォローいただけると幸いでございます。
 私からの説明は以上でございます。
【尾上主査】  轟木補佐、ありがとうございました。
 もしただいまの御説明に関しまして御質問等ございましたら、応答いただこうと思います。挙手ボタンにてお知らせいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 では、江村委員、どうぞ。
【江村主査代理】  質問ではなくて感想的になってしまうのですけれども、これを見ていると、まだ重点分野というのがこれからの議論になっていると思いますが、AIということに寄り過ぎた議論になっていないかというのがすごく気になります。今の説明を聞いていると、AI for Scienceってやっぱり、実験の効率化とか、そういうところを実現していくわけですよね。そうすると、実験の効率化はロボットとか、インフォマティクス、いわゆるデータですよね。そこにあとAIをどう組み合わせていくかという議論になってくるので、それで、日本の強みってやっぱり、その現場のデータとか実験とかという、そういう場面にあると思うんですけれども、何か全てAIという側に話を持っていってしまっていて、AI for Scienceって本当は何なんですかという辺りが、私の感覚から言うとちょっとずれているのではないかと思いながら聞きましたというコメントなんですけれども。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 何かありますか。
【轟木参事官補佐】  ありがとうございます。すみません、私の説明の仕方が非常に悪かったかもしれませんが、まさにAI for Scienceでございますので、科学のためにAIをまずは導入していくというところが大前提であるというのは、我々も認識をしてございます。ですので、今まさに何をするかというところで言うと、研究現場、それぞれの研究分野においてAIを導入することによって、その科学研究の在り方をどんどん変えていく、それは効率化もそうかもしれませんし、あと、そもそも研究手法の在り方自体も変わってくるかもしれません。
 そういったところをまさにこの戦略方針で目標に据えながら、今議論を進めているところでございまして、すみません、私の説明の仕方が悪くて、AIに寄り過ぎているのではないかというところで、我々、そういうわけでは全くなくて、特にこの令和7年度補正の科学研究革新プログラムについても、AIの研究者も非常に重要なのだけれども、各研究領域におけるトップの専門家としっかりタッグを組んでいただいて、それぞれの相乗効果でやはり日本として強みを出していく必要があるという議論を今進めさせていただいているところでございます。
【江村主査代理】  そうですね。だから、リアルな研究をしている人たちに、このAI for Scienceの動きをどうやって取り入れてもらうかみたいなところで、今、私が所属しているところだと農業分野とかあるんですけれども、農業も年に1回しか収穫できないという時代から、やり方によっては1年の間にいっぱいいろいろなデータが取れるようになります。新しい発見ができますみたいなことができると、それがやっぱりパラダイムを変えるわけですよね。その感覚をもっと出してほしいというか、俺たち、関係ないもんねと多くの人に思われてしまうと負けだと思うので、その辺工夫していただけるといいかなと思います。
【轟木参事官補佐】  ありがとうございます。
【尾上主査】  それでは、千葉委員、お願いします。
【千葉委員】  私もそのデータのほうに少し、気になったのですけれども、さっきのお話ですと、ネットワークで集めてくるというところまでは、まあ、カバーされていたと思うのですが、やっぱり肝心のいろいろな分野からデータを吸い上げるというのは必ずしも容易なことではまだないので、そこも重点的にやっていかなければいけないということは、やっぱり盛り込んだほうがいいのではないかと思いました。江村委員から農業の話が出ましたけれども、私どもの大学ですと、例えば総合図書館というのがありまして、そこには人文系の資料が大量に眠っているのですが、デジタル化されていないまま、場合によっては、もう紙なので朽ちてしまうのではないかというのがあるんですね。
 やっぱりAIの研究をする場合でも、インターネットから手に入るデータが枯渇しつつあって、この後どうするかという問題がありますし、そういうサイエンス、いわゆる理系のサイエンスだけではなくて、そういう人文系のデータも集める。あるいは我々の医学系、病院などのデータも外には出せないのですけれども、これからやっぱり非常に、そういうところとデータを持っている組織とセキュリティにも配慮してAIをやっていくというのは大事だと思うので、もう少しデータを集めるというところにも気配りされるといいのではないかと思いました。
 以上です。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 そのほかございますでしょうか。よろしいですか。
【轟木参事官補佐】  そうしたら。
【尾上主査】  ぜひ。
【轟木参事官補佐】  ありがとうございます。まさにおっしゃるとおりだと思ってございまして、今やはりAI for Scienceにおいては非常にデータの重要性が高まっていると認識をしてございまして、今回、説明を割愛してしまったのですけれども、まさにデータを創出する側というところも、今、EPOCHですとか、オートメーションクラウドラボの話もございますけれども、非常に重要だと思ってございますし、やはりデータも公開データを全て取られてしまったみたいな御指摘もあるかと思いますし、そこでAIの高度化においては、実は科学研究のデータというのは、今、非常に注目が集まっているというようなことも認識をしてございまして、AIの高度化に資するという意味においても、かつ、各研究分野において、しっかりデータを創出していただくという意味においても、データの創出というところ、非常に重要だと思ってございまして、戦略方針の本文のところにもかなり分量を少なくしているのであれなのですけれども、大量のデータを継続的に生み出して活用していくというところが非常に重要であるというのも書かせていただいていますので、全く御認識、受け止めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
【尾上主査】  そのほか、ございますでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。それでは、この戦略方針が、このサイエンス全ての分野に浸透していただくような形で展開いただければと思います。
 それでは、研究データに関する解像度が幾分上がったものと考えておりますが、それでは、お待たせいたしました。NIIの山地先生より研究データ基盤の高度化に関して、20分程度で御発表いただき、その後、50分程度の時間を設けられればと思います。よろしくお願いいたします。
【山地教授】  では、山地のほうから、先ほど紹介いただいたいろいろなドキュメントで、NIIのサービスのことについて言及いただいていて、非常に身が引き締まる思いなのですけれども、この委員会の第1回目のときに合田のほうから、今、投影しておりますこの我々、こういったプラットフォームが将来像として考えられるのではないかなというところを紹介させていただきました。今日は私からなのですけれども、この図に至る背景を江村さんとか若目田さんに文科省側として伴走いただいているのですけれども、エコ事業の観点から、この事業を進めながら、どういったやりとりというか、成果とか、国内のいろいろな研究機関との連携の中で、こういった絵に至ったかというところを中心に、もう少し詳しくこの背景のところを紹介していきたいと思います。
 その前に、まずはおさらいなのですけれども、この今色がついて見せているNIIのRDCというのが、今まで作ってきた我々、NII Research Data Cloud、研究データ基盤です。これは皆様も多分何度もお目にされていると思うのですけれども、この3つの基盤で、まずはNII Research Data Cloudというのを構成してきました。エコ事業の中では、これをさらに高度化するということで、今お見せしております7つの高度化機能というのをNIIとして開発してきました。これ、NIIだけでやるのではなくて、このデータエコ事業の中で幾つかのチームがあるのですけれども、例えばポリシーやガイドラインのチームとか、人材育成のチームと連携しながら、どういった機能というのが大学や研究機関として必要になるかというところを一緒に議論させていただきながら作ってきました。
 幾つかの機能に関しても既に試行運用に入っておりまして、これがどうやって、この機能を使ってもらうかというのを大学の中、研究機関の中に根づかせていくかというのが1つ、我々、今後さらに取り組んでいかなければならない課題としてあります。NIIとしては、このNII Research Data Cloudの高度化というのを進めてきたのですけれども、並行して、これは名古屋大学がまずは中心になって進めてくれたのですけれども、地域で、2025年までに各大学や研究機関がデータポリシーを持たなければいけないという政策が打たれましたので、大学間で連携しながら膝を突き合わせてデータポリシー、どうやっていこうか、それをどういうふうに実行していこうかというのを語る地域コンソーシアムというのが立ち上がりました。
 中部、北陸地区というふうに広がって、最後、関東と関西が最後まで残っていたのですけれども、この2つの地域でもこの地域コンソーシアムが始まるというところが決まって、尾上先生のところにも非常に協力いただいているのですけれども、まさにこの日本全国で地域コンソーシアムが立ち上がって、今後、これがより発展していくというスタートラインに立てた状況にあります。この地域コンソーシアムなのですけれども、もちろん研究データポリシー、研究データ管理をどうするかというデータポリシーを実際作っていくというところが背景にありましたので、それが1つの大きな課題にあります。データポリシー、上の左に書いてあるところですね。
 それプラス、大学の図書館を中心にこれまでやられてきたオープンアクセスが即時OAということで義務化されたということもありまして、このコンソーシアムの中でもオープンアクセス、オープンサイエンスに対してどういうふうに向き合っていくかということが、1つ大きな話題として取り上げられています。このデータポリシー、オープンサイエンスというところの下のところは、例えばデータポリシーだとデータ主権のこととか、セキュリティのこと、安全保障のことというのをどう組織として取り組んでいくかというのが、今後の課題として取り上げられていまして、地域のコンソーシアムが立ち上がってきたのですけれども、具体的にどう組織として対処していくかというところが今後の議論の対象になっていきます。
 そのときに、下の2番目に書いてあるのですけれども、できるだけ課題を共通化して、組織としてどう対応していくかというところの横並びになり過ぎる必要はないのですけれども、できるだけ効率的に議論を進めていく必要があるし、NIIとしてもそれを支援するための基盤を提供していきたいと考えております。それプラス、この地域コンソーシアムの中で、NIIもパートナーとして、機関のパートナーとしてこれまで大学図書館とか、基盤センターというのがメインだったのですけれども、このデータポリシー、地域コンソーシアムというところが立ち上がったところから、このURAというのがどうしても研推としてデータポリシー、データ管理、非常に関わってきますので、この地域コンソーシアムの活動として、今非常にホットに議論が繰り広げられています。
 彼らの興味の対象は、まずはデータポリシーというところだったのですけれども、そのURAの協議会みたいな中でも並行して、例えばオープンサイエンスに絡んだような研究力評価の多様化というところも議論されておりまして、URAコミュニティというところを広く捉えながら、データポリシーの話とオープンサイエンスの話というのがうまく連携しながら、日本としてどういった方向に、この地域コンソーシアムの中で進んでいくかというのを議論するというのが、これ、1つ、今後、我々も楽しみにしている地域コンソーシアムの議論での今後の展開です。まずは、この2番目のところの課題の共通化なのですけれども、我々、高度化機能の中でデータガバナンス機能というのを作ってきました。これは特に名古屋大学、ルール・ガイドラインチームを引っ張ってくれている名古屋大学と一緒に作ってきたのですけれども、このスライドの左にあるのは、名古屋大学のデータポリシーです。
 このデータポリシーに書いてあることをできるだけ守ってもらう必要があるのですけれども、それを支援するための我々の基盤なのですが、このデータガバナンス機能では、このポリシーに書いていることをできるだけ機械可読にテンプレートを作って、この機械として守ってほしいデータポリシーの要綱とプラス、右側のDMPというところなのですけれども、ファンディングエージェンシーとして要求するDMPの内容、さらに先ほど轟木さんからも紹介がありましたけれども、AIの時代にさらに守ってほしいような内容を例えばテンプレートの中で、それがどれだけ機械可読にできるかというのは課題としてあるのですけれども、作って、DMPとしてそれがディスクライブできるようにして、そのDMPを使いながら、まずは我々のNII Research Data Cloudの初期環境を構築するというところまで機能が徐々にでき上がってきております。
 このDMPを使いながら、DMPに書いた内容に沿って、できるだけ研究中のデータマネジメントを支援していけるような機能というのをデータガバナンスの機能として作っていて、来年度のこの中盤頃には、まずはこのDMP辺りの機能がリリースできる段階に来ております。このガバナンスの機能みたいなのを使いながら、課題を共通化して、組織としてサポートしていく、このデータ管理の内容というのを取りまとめていくというか、実践していくというのは1つの今後の方向性としてあるかなと我々考えております。
 一方で、オープンサイエンスのほうなのですけれども、オープンサイエンスは、これはエコ事業の予算というよりも、文科省から去年、一昨年いただいた即時OAのための加速化の予算で我々作ってきたものなのですけれども、オープンサイエンスの状況というのがモニタリングできるような機能を用意しております。こういったOpen Science Monitorというやつなのですけれども、機関向けのダッシュボードとか、日本全体でどうなっているかという状況を見れるようなダッシュボードも活用しながら、オープンサイエンスの今後の展開に向けての機能提供というのも積極的にやっていきたいと思っております。
 つい先日、3月18日に、我々オープンアクセスのこのアシスト機能とか、GakuNin RDMとJAIRO Cloudとが連携する機能というのをリリースしたところですし、これを実際に使っていただきながら、さらに7つの高度化機能も、単純にデータ管理、何か制約を守るためのものだけではなくて、成果が公開されたときに、それの元となるデータというものをたどりながら、後続の研究者が先行の研究成果をできるだけ即座に簡便に再現できるような環境構築というところを目指していきたいと思っております。
 このスライドが今までのところの一旦のまとめなのですけれども、エコ事業で特にルール・ガイドラインとか、人材育成のチームと我々絡みながら、データガバナンス機能をはじめとしたNIIの高度化7機能というのを作ってきました。この高度化機能というのは、研究セキュリティとか、研究公正とかというところを守るためのものでもありますし、オープンサイエンス、これを促進するための機能を備えておりまして、こういった機能を現状でのエコ事業というのは、まずはこの作った3基盤というのを使っていただくというところを主眼に広めてきたのですけれども、今このエコ事業の中で作ったこの7機能というものを今後皆さんに届けていくというのが、我々、次のフェーズとしてやっていかなければいけないことだと考えております。
 そのときに研究者としてもやっぱりこのオープンサイエンス、あるいはデータ管理という新しい時代の中で、やらなければいけない、学ばなければいけないというところが出てきておりますので、これは大阪大学と一緒にやってきた人材育成のチームが作ってきたコンテンツというのをさらに、例えば分野にも展開しながら、拡充しながら、大学の中でファカルティディベロップメントとか、特に若手の研究者の育成に役立てていって、データ管理というものが組織としてきちんと根づくような仕組みというのを、この地域コンソーシアムの観点からやっていこう、やっていくべきだと思っております。
 今までのはデータエコ事業の中での人材育成とルール・ガイドラインをベースに、我々が感じている今後やらなければいけない、やっていくべき方向性なのですけれども、もう2チームありまして、それがこのプラットフォーム連携と融合開拓というチームです。ここの成果というか、活動から見えてきた今後の学術研究プラットフォームの在り方というか、こういった方向に行くときっとみんなが幸せになるのではないかというところを今から説明したいと思います。
 また戻って、この一番初めの将来像の絵なのですけれども、この中の左側の実験観測装置、これ、先ほど千葉先生も少し言及された、データが発生するところとの連携というのが、我々、NII Research Data Cloud、弱いところがありました。データが発生して、できたものをNII Research Data Cloudに入れてというところがストーリーとしてギャップがあったのですけれども、プラットフォーム連携チーム、理研が引っ張ってくれているんですけれども、この中でコアファシリティの人たちとNII Research Data Cloudをどううまいこと使っていくかというのを繰り返し議論いただいておりまして、まずは初期的なところなのですけれども、金沢大学とか大阪大学のコアファシのチームと連携しながら、どういった仕組みが必要だというところが、ちょっとずつですけれども見えてきております。
 今のAI for Scienceの施策の中でも、EPOCHとか、あるいはクラウドオートメーションラボみたいにデータの発生源のところと絡んでくるような新しい公募事業というか、取組があるようですので、そういったところと我々うまく絡みながら、この発生源のところとの連携というのは、ぜひとも何とかやっていきたいなと思っております。
 次は、この右側のRDCのところとこのメタデータ回り、これは先行して文科省から補助をいただいて、先行して進めているのですけれども、RDCの中でメタデータを管理しなければいけないのですけれども、非常にそれが面倒だと。新しい作業として何とかこれを省力化できないかというところで、それをAIの力を使って進めていくというところを、まずはキックオフして取組を始めております。このスライド、この左側、このムーンショットのプロジェクトの中で、我々、連携してやっているのですけれども、実験メモをいただいたものをデフォルメしたものなのですけれども、こういったものを使ってAIをかまして、RDC、特にGakuNin RDMなのですけれども、に入力するメタデータというのが比較的簡単にうまく整理できるというところまでは見えてきました。
 では、この左側のデータメモみたいなものをどういうふうに取得していくかというのが今後の課題ではあるのですけれども、例えば最近、実験、電子的なラボノートのサービスの情報をうまく使いながら、このメタデータを生成するという取組もいろいろなところでなされておりますので、この活動を、メタデータのAIによる補助入力というのは、ラボノートをやっている人たちと連携しながら展開していきたいなと考えております。
 続きまして、この丸2つ、左下の計算機リソースとの連携と右側の認証連携のところなのですけれども、まずは、この左下のは、これは東大の融合開拓チームとの中で、我々、RDCとmdxの計算機リソースを絡めながら、どういうふうに、AIも含めてなのですけれども、研究者にうまく使ってもらえるかというところのexampleを作ってきました。mdxだけではなくて、国内のいろいろな計算機リソースと今後さらにどういうふうにフェデレートしていくかというのが次の課題としてあるかなと考えております。
 右側は、これも東大の融合開拓で見えてきたのですけれども、その東大にやってもらっている事業の中で、公募事業というのがあります。研究費を配ってRDCをうまく使いながらデータサイエンスというのをやってもらうようなスタートアップ的な事業なのですけれども、それをやっているとPIでこの事業に参加してくれるような人のところは、GakuNinにもう入って認証連携の基盤があるんですけれども、共同研究者で入ってくるような人たちのところでは、まだまだこのGakuNinが普及していなくて、NIIのサービス、使えないじゃないかという状況がビビッドに見えてきました。これは何とかしたいですね。
 既に、例えば実験装置を持っているところとか、計算機を持っているような研究者、あるいはそれらのリピーターの研究者、この左側の人たちには、ある程度この基盤がありますので、今後、AI for Scienceの時代になったとしても、うまくリソースを使っていけるし、データ源とコネクトできる、なのだと思うのですけれども、そうでない研究者が国内にはたくさんいて、そういった人たちにどういうふうにうまく環境を提供できるかというのが課題としてあるのではないかなと我々感じております。1つ目の課題としては、まずは認証連携ですね。今までGakuNinというのは大学の自助努力で認証基盤を作って、GakuNinに参加してくださいというふうにお願いしてきたのですけれども、結構、できるところは増えてきたのですが、今後は、それを待っていたのではなかなか増えていかないという状況が見えてきています。
 課題2のほうは、国内にある、例えば計算機能とかストレージをどういうふうに連携していけば、もっとロングテイルな人たちにもこういったアドバンストな研究環境が提供できるかというところを我々少し検討を始めているところでして、この課題1、課題2に対して、どういった取組がいいのではないかなというところを内部で議論したところ、皆様に共有したいと思います。まずは認証連携なのですけれども、これは欧州のEOSC――European Open Science Cloudが出している認証回りのこのアーキテクチャの図です。
 左上のeduGAINというのが従来型の学術認証の基盤でして、このIdPというのは各大学が立てる認証基盤です。それだけではなくて、例えばHPCの認証基盤とか、各分野の認証基盤とか、右側のeIDASというのは欧州におけるマイナンバーカードみたいな認証基盤です。そういうところも全て連携させながら、欧州の全ての研究者が欧州のこの研究リソースにアクセスできるような、この真ん中のMy Access IDというのは、そのための基盤なのですけれども、統一基盤を作って、今後のこのAIの時代に研究を促進できるような、そういったリサーチインフラストラクチャーの環境を作っていくというのが、1つ目標として掲げられていて、このサービスの開発というのが、提供が進んでおります。
 この欧州で、EOSCで言うところのMy Access IDというのを日本でどう作っていくかなのですけれども、その前にGakuNinというのを少しだけ簡単に説明します。この左側が、まずは大学の認証基盤というのがあって、大学の構成員の情報が大学のトラステッドデータベースというユーザーディレクトリに保存されて、それに対してログインするためのIdP、Identity Providerというんですけれども、認証基盤が作られてきています。主には、この認証基盤というのは、学内のサービスを使うためのログインシステムなのですけれども、これを学外のサービスにログインするときにも使えるようにしましょうというのが、GakuNinという、学術認証フェデレーションの基本的な考え方というか、仕組みです。
 このGakuNinを我々2009年からスタートして、大学にそれぞれ、特に、主には、初めの頃からはオープンソースのソフトウエアを使って、この認証基盤を作ってGakuNinに参加してくださいというのを始めてきました。大体この300機関ぐらいまで増えてきたのですけれども、それでは、この2023年の頃なのですが、GakuNin RDMを使いたいのだけれども、うちの大学、IdP、持っていないからどうにもならないのだという声が非常に強まってきて、じゃあ、そこを何とか支援できないかということで、IdPホスティングサービスというのを始めました。現在、このIdPホスティングサービス、これはどういうサービスかというと、企業でこのIdPを運用しているサービスがあるので、それを積極的に使ってもらう。そのための初期投資というか、初期的なところはNIIが支援するので、例えば2年目以降は大学がお金を払って、そのIdPのホスティングサービスを買ってくださいというのが条件のサービス展開でした。
 ここで我々、支援できたのが大体50機関ぐらいで、なかなか頭打ちの状況になってきて、このStep2というのも限界が見えてきた。それで400機関ぐらいになってきたんですけれども、それでも大体この日本全国の研究者の総数から言うと、まだ半分ぐらいしか参加できていないんですね。この状況では、先ほども少し言いましたが、エコ事業の中でのスタートアップで、公募事業をしても共同研究者まで入ってこれないのだという声が非常に強くて、まだまだ主要な大学は、GakuNin、入っているんですけれども、それでも共同研究、プロジェクトをやろうと思うと、我々のこの基盤を使えない研究者が全国にいるのだというのを、我々、非常に感じているというのが現状でして、それに対して何とかできないかというのが、このStep3です。
 我々、Orthrosというサービスを持っているんですけれども、これは機関がIdPを持たない人たちに対して認証基盤を提供するサービスなのですけれども、そこで研究グループというのを定義して、そのグループを組織としてオーソライズしていただいてGakuNinのサービス、我々の場合だとNII Research Data Cloudなのですけれども、それを使ってもらうという取組を今後積極的にやっていく必要があると考えて、これでもって、できるだけ全国の多くの研究者に基盤を提供したいと思っております。組織の中で、そのグループがたくさんできてくれば、多分、IdPホスティングということに対して、通していくというところに合意が得られるでしょうから、ホスティングサービスを使ってGakuNinに参加するという、そういったステップアップというのを想定しております。
 IdPができたとしても、まだ足らないところがありまして、それがグループ管理というところです。そのAIだけではなくて、最近のサイエンスの流れなのですけれども、チームでサイエンスするというのが主流になってきました。チームというのがグループです。このEOSCのサービスを見ても、グループでこのツールとか計算機に対してアクセス権を制御したりとか、認証したりという仕組みというのがどうしても必要になってきます。このグループの定義というのを個々のサービスとか、個々の計算基盤で定義するというのは、これは非常に効率が悪いので、右側の青でありますように、統一のグループの管理機能というのを作って、そこがグループ情報を管理してサービスを提供するという仕組み、このバーチャルオーガニゼーションとかと言ったりするのですけれども、その仕組み、今、プレリミナリにGakuNinとしてもこのサービスを持っているのですが、これがAI for Science、いろいろなサービスに対して使ってもらえるような環境構築というのが、今後必要だと思っています。
 さらに、この3つ目、これで認証が終わりなのですけれども、高い認証強度がどうしても必要である。我々、将来構想のところでも紹介したように、貴重な実験施設へのログインとか、貴重なコンピューティングリソースへのログインというのにGakuNinを活用していただきたいなと考えております。あるいは我々が提供するサービスでは、研究者の非常に大切なデータというのを預かることになりますので、ただ、今のGakuNinって、まだID、パスワードというのがドミナントなんですね。これではリソースを提供する側も、データを提供する側もGakuNinを安心して使っていただけませんので、さらに高い認証強度の仕組みというのを普及させていく必要があると考えております。この1、2、3、全国の研究者を収容できる認証基盤というのに持っていきたいというのと、チームサイエンスを支えるこのグループ機能、また、次世代認証基盤というものをきちんと全国展開していくというところが、エコ事業の中で見えてきた認証基盤の今後の展開です。
 これが最後の大トリなのですけれども、データ基盤をどう発展させる必要があるかなのですけれども、またこのEOSCの例に戻るのですが、この一番下のレイヤーのところが、いろいろな欧州における研究基盤になっています。この左から、FENIXとかいろいろあるのですけれども、こういうのはHPC絡みのコンピューティングリソースです。EOSCというのもあるのですけれども、こういったサービス群に対して国内、我々日本としてどうフェデレートしていくか、コンピューティングリソースとかをどうフェデレートしていくかというのが課題としてあります。これはEuro HPCが描いているフェデレーションプラットフォームなのですけれども、例えばジョブを投入するシステムとか、ワークフローのツールというのを用意しながら、バックエンドにあるこのHosting Entitiesというところなのですけれども、欧州のいろいろなコンピューティングリソースとかを束ねながら、エンドユーザーに提供するという仕組みが作られてきています。
 これはEOSCなのですけれども、EOSCのEU NodeというEU自体が提供しているサービスなのですが、これ、僕、アカウントを作ってもらってログインしたところなのですけれども、例えばこの真ん中の6つのブロックが、いろいろなサービスになっておりまして、Nextcloud的なFile Sync and Shareのサービスとか、JupyterみたいなInteractive Notebooksのサービスとか、大きなファイルを転送するサービスとか、VMとか、コンテナのサービスというのが使えるようになっていて、このEOSCのEU Nodeは、バックエンドはEUが調達したコンピューティングリソースにひもづいていて、それが使えるようになっています。
 それが左下にあるのですけれども、バーチャルコインというのが研究者に提供されて、きっとこれが将来的にはHorizonの研究費とひもづいてくるのだと思うのですけれども、このバーチャルコインを使いながら、この研究リソースを使える。エンドユーザーにとって非常に敷居の低い、ITインフラを使う意味での敷居の低いサービスが提供されています。今のはEOSC Nodeなのですけれども、このEOSC Nodeを中心に各カントリーがカントリーノードというのを作って、あるいは分野がThematic Nodesというのを作って、さらにそれらが相互作用していくというのがEOSCの全体構想として今取り上げられています。
 こういったいろいろなところで用意されているツールとか、コンピューティングリソースをどういうふうにフェデレートしていくかというところに挑戦するのが1つ課題としてあるのではないかなというのが欧州の状況から見えてきます。こういうことをしていかないと、このAIの時代、ストレージ、データというのは爆発していきますし、必要なこのGPUというのが枯渇していくというのは見えてきておりますので、この右側ですね。グラフを入れていたのですが、うまく反映されていなくて申し訳ないです。こういった枯渇する研究リソースというか、計算機リソースに対して、それを今まで使ってきた人以外にも、例えば人文社会の人も含めてなのですけれども、リーチアウトしていきたいんですね。そのために我々が考えているのは、データ駆動基盤です。
 このデータ駆動基盤なのですが、GakuNin RDMのより実験装置の手前になるようなサービスだと位置づけて考えてもらっていいかなと思います。実験ダッシュボードというのは、先ほど紹介したEuro HPCのFederation Platformとか、EOSCのNodeに近いのですけれども、この緑色のところです。収集とか、解析とか、実験の管理のためのサービスというのをここから提供したいと思っています。それが下にあるいろいろなこのリソースとつながっていくのですけれども、一番左に実験装置と書いてあるのですが、実験装置から出たデータ、実験装置の近くにあるストレージにまずは保存されて、そこで一次的な処理がなされるのだと思います。
 そこで処理されたものが、より高等なコンピューティングリソースを使って、AIを使った分析をするために、今度はコンピューティングリソースに近いところのストレージに移動させられて、そこで二次処理がされるのではないかなと思うのですけれども、収集のところのサービスとか、今度は解析のところのサービスというところとうまくつないでいけるようなサービスをこのデータ駆動基盤として提供すると、研究者の方々、非常に便利に使っていただけるのではないかなと我々想像して検討したものです。
 最終的には、メタデータとともにGakuNin RDMの中で管理されて、そのとき、このメタデータを振っていくのも、人間が一から十までやるのではなくて、AIの力を借りながら、また、メタデータだけではなくて、途中の解析のところのコーディングとか、収集、蓄積するところのコーディングにもこのAIの力を借りながら、研究者の負担を軽減するような、そういった仕組みをこのデータ駆動基盤として作っていくというところをイメージしたのが年末に合田が紹介した我々のプラットフォームの将来像でございまして、こういったものがどうかというのを現場の機関とか研究者の方々とも議論しながら詰めていかなければいけないのですけれども、まずはこの委員会の中で御議論いただければと思います。
 以上です。
【尾上主査】  山地先生、ありがとうございました。
 1回目のワーキングで合田先生から、この衝撃的ではないですけれども、非常にリッチな内容の図を御説明いただいたのですけれども、そのそれぞれについて詳細に御説明いただいたところでございます。
 それでは、ただいまの御説明に関しまして、御質問等ございましたら挙手でお知らせいただければと思いますが、いかがでしょうか。若目田委員、どうぞ。
【若目田委員】  整理がついていない中で、気づいたところだけなのですけれども、先ほど江村委員からもあったのと同じ感想を抱いておりまして、後半、はしょられたところというのは、割と新しい基盤の話ですけれども、結構、認証のところとか、そのホスティングで各研究機関のそういう負荷を――負荷というか、その手間を吸収するみたいな考え方というのは、必ずしもAI for Scienceというよりも、今、現行の研究環境そのものの課題のような気がします。AI for Scienceということによって、何かすごい新しいもので、何か先進的なことということでなく、言い方を変えれば割と地味で、企業も結構悩んでやるところですので、既存のその研究環境、研究者そのもののプロセスであったり、研究機関の課題、そういったものを集約化とか、ホスティングとか、もしくは認証基盤の統一のような形で救うということで、これは本当にもうやらなければいけないことのような気がするので、それをこの予算なのかどうかというのはあれかもしれないですけれども、地味ですけれども、それも重要なことだと思います。
 やるに当たっては、本当にポリシーそのもののところと関連する話なのだろうなと思っていますので、新しい要件としては、先ほどの前の文科省さんのところにもあったと思うのですけれども、むしろ、何かオープンというような環境から、むしろ管理強化が必要ではないかという要件も出てきていると思います。これは安全保障的な部分とか、機密管理とか、そういう部分だったと思いますので、むしろ、そういうようなことも含めて、データ連携より先んじる、もしくはAI for Scienceに先んじる土台、必要なものというのは、これはこの期間の間にしっかり作り上げるということが、これは必須ではないかなと思いました。地味という表現が正しいかどうかあれですけれども、多分、それをやらないと、全然効率が上がらないし、結果、いろいろなところに無駄が生じているのではないかなと思いましたので、今日、御提案の前半部分は大変重要なことだと思いましたという、どちらかというと評価になります。
 あともう一つ、このサービスフェデレーションのようなところ、これというのは、最近、EUは必ずしも研究機関だけではないですけれども、民間とか政府機関も、それに近いような要請もあるかもしれんけれども、要はマイクロソフトの基盤ですら、やっぱりいろいろな意味でセキュリティだとか含めて、ちょっと怪しい。やっぱりその地域内で、自分たちのアセットで、そのコミュニケーションだとか、そういうオフィス環境とかというものも整備してあるんですけれども、この研究開発の環境の中での、このEUの各サービスというのは、その辺までのポリシーというか、安全保障の環境とかまで狙っているものなのでしょうか。これは質問になります。
【山地教授】  そういうふうに見えています。EUは、このEOSCの話にしても、研究環境の話にしても、EU、ECが持っているこのデジタルシングルマーケットというものと欧州におけるデータ主権というところに全てひもづいてくるというような施策になっているように見えます。当然、この研究環境を作っていく上で、米国の会社が提供するサービスを完全に排他することはできないのですけれども、そこはうまく条件をつけながら、欧州におけるデータを、その欧州の価値としてどうリテインするかというのは、安全保障の観点からも非常に、EUとしてかなり意識高く、学術だけではなくて、議論されているように見えます。
 ただ、また、じゃあ、本当に欧州のデータスペース、欧州のデータスペースがデータ戦略の中に、このEOSCという学術のデータスペースたるものも1つピラーとして立っているんですけれども、欧州のデータスペースの話とこのオープンということを主体にした学術のデータスペースの話がうまくリンクしているかというと、まだそこまで進んでいないところもあるように見えています。まずは学術の中で、ただ、このHPCに関しては、こういったコンピューティングリソースをどうやって産業界の人たちに使わせるという施策はありますので、徐々には進んでいるんだけれども、これから産業界との連携というのは、これからじゃないかなというところも並行して見てきている感じかなと見ています。
【若目田委員】  ありがとうございます。
【尾上主査】  それでは、宮田委員、お願いいたします。
【宮田委員】  産総研の宮田です。ありがとうございました。いろいろ分かっていないので教えてください。EOSCみたいな辺りというのは、認証する、かつ計算資源もそのまま何かうまいこと提供できるようにして、場所も一緒に提供するみたいな、そういう包括的な仕組みを作ろうとしているという考え方でいいんですかね。それとも、そこは、認証というのは入り口というか、そこにアクセスするための、制御するものだけであって、つながる先の計算資源だったりとかツールみたいなものは、何というか、つながった先のものみたいな話なのか、その仕組みがどうなっているのかを教えていただきたいなというのが1点目。
 それをどんどん広げていかなければいけないとおっしゃっていたんですけれども、今、まだそんなに浸透していないというのは、まだ仕組みができていないという話なのか、何かの意味で使いにくいのでまだ広がっていないという話なのか、インフラをもう少し作らないと、もうちょっとお金をかけないと使えないという話なのか、その辺の難しさというところを教えていただけたらなと思いました。よろしくお願いします。
【佐藤教授】  NIIの中でトラストを担当している佐藤と申します。
 まず、認証とサービスですけれども、基本的にはサービスを行うプラットフォーム、先ほどの発表で、課題2と言われているところですが、そこへの入り口を提供するのが認証だとお考えください。そのプラットフォーム上でどういうサービスを提供するかというのは、そのプラットフォーム上の判断になりますけれども、それは認証に加えて認可の体系を作らないといけない。それを助けるのは、そのグループ管理機能ということになります。こういうふうに整理していただくと、交通整理ができるのではないでしょうか。
【宮田委員】  ありがとうございます。そうすると、じゃあ、ここで、最近はいろいろ何か、クラウドサービスみたいなのを使うときに、一々これはどういうたぐいのもので、ISMAP取っていますかとか、いろいろ伝えては承認をもらって使えるみたいな、すごく面倒くさいことをしなきゃいけなくて、例えばこれを我々が使えるようになると、その辺りが一気に、これを通っているものであれば、ちゃんと行けますみたいな話になってくると、管理的な話が割とクリアになってちょっとうれしいなと思いました。ありがとうございました。
【佐藤教授】  頑張ります。次の御質問の普及がなかなか進まないのはなぜかということなのですけれども、それ、複合的な要因があって、もちろんお金、バジェットがやっぱり足りないということのほかに、ヒューマンリソースでちゃんと管理できる人をこれから育成しないといけないというような課題等もあると思います。ここら辺は技術だけではない課題があるということは意識しております。
【宮田委員】  ありがとうございます。以上です。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 合田さん、どうぞ。
【合田副所長】  1点目について補足させていただきたいと思います。NIIの合田でございます。
 恐らく1点目の御質問は認証を経た先のプラットフォームまでもNIIが提供するのかという御質問も含まれていると思うのですけれども、私どもは計算機等のサービス等は提供しておりませんで、この部分は基本的には大学の基盤センターさんですとか、商用クラウド等の計算資源というものをうまくつないでいくというのが我々の役割だと思っております。そのときに、その計算資源を利用する資格ですとか手続等について、これはなかなか私どもだけでは解決できない問題もあるのですけれども、学術的な計算リソースについては、我々、普段から特にHPCI、JHPCN等とも一緒に活動しておりますので、今、宮田委員がおっしゃったような手続的な障壁というのはかなり避けられるのではないかと考えています。
【宮田委員】  ありがとうございます。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 皆様、手を挙げていただいていますので、順番に行きたいと思います。まず千葉委員、お願いいたします。
【千葉委員】  ありがとうございます。今話があった認証はとても大事だと思うのですが、質問なのですけれども、研究者目線に立つと、異動がやっぱり最近、流動化が進んで多いので、極論すれば、例えばリサーチマップでIDでいいんじゃないですか、NIIさんが前にやっていたわけですしと思う一方で、認証の強化の話も出ていたじゃないですか。そうすると、どの辺を狙っていらっしゃる、あるいは狙うべきだというふうにお考えでしょうか。
【山地教授】  その異動に伴うアカウントの引き継ぎとか、それに伴うデータの引き継ぎというところを……。
【千葉委員】  意図としては、アイデンティティだけでいいのであれば、リサーチマップIDを使えばいいんじゃないんでしょうかと。逆に言うと。
【山地教授】  それも1つあります。
【千葉委員】  しかし、リサーチマップIDは、認証という意味では割と弱い。たしか誰でも取れてしまうものなので、問題があるのではないかと思ったので、どの辺に認証の強度を置くべきだと思っていらっしゃいますかということを伺いたいです。
【山地教授】  多分、その強度のところは佐藤先生、僕の後に説明してくれると思うのですけれども、統一的なIDは、例えばe-Rad IDでもいいかもしれないし、リサーチマップIDでもいいし、海外では大学のIdPの上にedu-IDというサービスを提供して、そこが大学のIdPとリンクしながら、組織を異動しても同じパーマネントなIDでサービスが使えるという仕組みがあります。そういうのが日本でどのぐらいスケールするかというのは、我々もパフォーマンステストを今やっているところで、認証強度に関しても、それぞれのIdPが高い認証強度を持つサービスを提供するのか、それとも高い認証強度のところはedu-IDが変わって提供するかというのは、まだ詰めてはいないところなのですけれども、アーキテクチャとしては、今日、ちょっと話がややこしくなるので、edu-IDの話はしなかったのですけれども、上にかぶる何か統一ID層というのは、今あるものでもいいかもしれないし、edu-IDみたいなものを用意するというのがイメージとしてあります。強度のところは。
【佐藤教授】  強度のところに関しては、スライドの25ページ目が対応すると思いますけれども、一般に統一IDみたいな、利用者と管理側の距離が離れると、アイデンティティの認証のレベルというのは低くなるのですが、それを何とか工夫して高いレベルを保証すると認証が、本人しかログインできないような状況を作ることは可能であると考えております。もちろん、それは予算の問題とか、人員の確保とか、技術の投入とかということが必要になりますけれども、それは道筋がつけられると我々は考えております。
【千葉委員】  いや、私が思うに、例えば今別なところで話題になっているのは、GakuNinとHPCIのアカウントの統合ができるかどうかという話で、よく出てくるのは、間違っているかもしれないんですけれども、HPCIだと本人確認をかなり厳格にやって、佐藤先生はよく御存じかもしれませんが、やっているけれども、GakuNinは必ずしもそうではないので、そのままでは使えない。
 それから、先ほども出ていました安全保障のチェックやパスしているか否かという属性なんかも結構重要だと思うので、そこら辺をどう考えられますか。だから、GakuNin的な共通基盤に入っているIDの、ただ本人を確認するだけではないと思うんですね。身元保証みたいなのをどの辺にセットするつもりなのかですとか、あるいは属性を持たせて、この人は安全保障のチェックをパスしているか、いないかですとか、本人確認が対面で済んで、どこかの組織がやっていますとか、そういった属性を持たせるという考え方もあると思うので、その辺どうお考えでしょうか。
【佐藤教授】  そのように高い保証を持った属性を付与するということは、きっとその組織の中でしかできないと思うのですけれども、その組織できちんと仕事がなされているということをGakuNinで認定すると、これは例えばHPCIに使っていいよとか、そういう判断ができるのだと思います。我々は、その基準づくりを今進めていまして、GakuNin全体ではなくて、その基準を満たしてちゃんとした運用ができているところには、このIAL2とか、AAL2というのを、資格を与えて、それをきちっと使ってくださいというようなプランを考えています。
【千葉委員】  では、最後、コメントですけれども、例えば私どもの大学ですと、非常に大きい大学なので、同じIDを持っているからといって、いろいろな色があるんですね。ですから、それこそ業務を委託している先の企業さんから来ている方にもテンポラリーに与える場合もあるので、多分、組織全体でIAL2を満たしているとか、満たしていないとかというのはちょっと難しいのではないかと思いました。
 以上です。
【佐藤教授】  コメントしますと、そのGakuNinの認定は、こういう属性を持っている人はきちんと身元確認をしているから、IAL2と名のっていいという個人単位で資格を与えるようになるかもしれません。そこら辺は今運用のコストも含めて検討中です。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 続きまして、林委員、お願いいたします。
【林委員】  御説明、ありがとうございました。既にこのプラットフォーム上にいろいろな機能があって、今後も拡大していくということで非常にすばらしいなと思ったのですけれども、そうすると、ユーザーが増えてどんどん普及していくと思います。そうしますとやっぱり、いつでも、どこでも使えるということがもっともっと重要になってくると思いまして、なので、耐障害性みたいなところがすごく重要になってくるのではないかと思いました。なので、御質問としましては、そういった取組、もし今既にやっていれば教えていただきたいのと、今後の計画でもいいのですけれども、そういう計画があれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【山地教授】  これは僕が答えますか、それとも調査官は、NIIの込山として。
【込山学術調査官】  NIIの、帽子で話をさせていただきます。GakuNin RDMに関しましては……。
【山地教授】  GakuNin RDM、担当している。
【込山学術調査官】  GakuNin RDMでは、もちろんアプリケーションレイヤーに関しましては、すでに冗長化をしております。それも東西のデータセンターで距離を置いて冗長化して、どちらかが落ちたら、もう片方を立ち上げて切り替わるということができるようにしています。ほかにネットワーク、データベース、ストレージ、それぞれのレイヤーでは冗長化構成をとったりはしてきております。ほかにもモニタリング等は24時間、当然、機械的には検出するような形でしておりますので、そういう意味では現行でも最低限の体制は、お使いいただく体制はとっているのですが、より安心してお使いいただくためには、もう少しいろいろとリソースとかがあると、よりリッチで、パフォーマンスを保つような構成をとっていくことはできると考えております。
 以上になります。
【林委員】  ありがとうございます。
【山地教授】  正直なところを申しますと、公開基盤というのは図書館のリポジトリというのは、多少止まっても許されるサービスだったのですけれども、GakuNin RDMというのは研究者が本当に24/365、使うもので止まってはいけないんですね。今まだたくさんのエンドユーザーというか、研究者が使ってくれているかというと、そうじゃないです。これがどっと増えてきたときに、本当に今の運用経費で耐えられるかどうかというとなかなか、もっとやっぱり運用のところの冗長化とか、そのパフォーマンスを高めないと動かないのではないかなというのは見えてきていて、そこは大きな課題ですね。なのですけれども、そこは文科省さんと御相談しながら、運用経費というところをうまく捻出できればと思っております。
【林委員】  ありがとうございます。理解できました。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 続きまして、工藤委員、お願いいたします。
【工藤委員】  ありがとうございます。大阪大学の工藤です。まず、プレゼンテーション、ありがとうございました。認証強度を上げたり、あとアクセスコントロールもしやすくすることによって、オープン性と、あとガバナンスの両立を図るということが推進されていると伺って、大変心強く思いました。
 私からの質問が3つあります。1つ目の質問は、19ページ目のところに関わるところです。AI for Scienceに参加したくても参加できない研究者の方たちがいるはずで、そういった方たちにアウトリーチをしたいという趣旨だと理解しました。この参加したくても参加できない研究者たちというのは、どういう分野とか、あとどういうところにいるのかというところをお伺いしたいと思います。質問の趣旨としては、先ほど既にコメントもありましたが、どれぐらい予算規模とか、するのがいいのかとか、最初に手をつけるべき重点分野はどこなのかみたいなところにつながってくるのかなと思いまして、まずこの辺りを聞いてみたいと思います。
 質問、全部言ったほうがよろしいですかね。
【山地教授】  メモを取っているので、全部言っていただいてオーケーです。
【工藤委員】  ありがとうございます。では、2点目につきましては、40ページ目のところに関わるところです。40ページ目のところにすごい未来図が書かれていて、非常にワクワクしました。そして、このAI for Scienceというところもあるので、AIエージェントのところに注目をしたいと思います。実験ダッシュボードのところに複数のAIエージェントが入っていて、多分、図から見られるところでは、収集、蓄積のところにもAIエージェントがいるし、解析のところにもAIエージェントがいるということなのかなと思いますが、そうすると、コーディングをする、上にいる研究者とかリサーチャーの人のところにも何となくAIエージェント、いたほうがいいのかなという気がしました。
 というのも、研究者自身をもう少し応援するような、あるいはアドミン機能を担うようなAIエージェントも必要かなと思いますし、多分、もっとAIエージェントが高度化してくると、AIオーケストレーションと呼ばれているAI同士の調整をまとめてくれるメタAIみたいな存在も多分重要になってくると思うので、そういう機能を入れたほうがよいのかな。もう少し言うと、チームサイエンスが重要だ。そういうチームサイエンスという形に合わせていくことが大切だというふうにおっしゃってもおられたので、何かチームの中にAIエージェントを入れるみたいな、そういう機能というか、インターフェースがあると非常に直感的でもあるのかなと思ったので、この辺りの戦略とか今後の展望についてお伺いできればと思います。以上が2点目です。
 3点目の質問は、どなたに聞いたらいいのか分からないところもあるのですが、前半で轟木参事官補佐からオープン/クローズ戦略は重要ですという御指摘、御説明があったと思います。そうすると、現状のデータのアクセス形態、つまり、オープンなデータベースがあるものもあれば、企業とか医療機関とか、大学、研究機関も相当のクローズなデータベースのほうが充実したりとか、そこにどうやって連携をするのかというのがポイントになってくるような気がするのですが、この観点からGakuNin RDMの外側とどのような感じで連携するのがいいのか。多分、これ、分野ごとによってオープン/クローズ戦略、全然違うと思うのですけれども、どういう連携の在り方があったりとか、何か戦略の方向性や計画があるのかというところを3点目としてお伺いできればと思います。
 以上です。
【山地教授】  まずは1つ目で、19ページの参加してもできないという人たちはどこにいるのだという話なのですけれども、これ、僕、エコ事業も含めて経験しているのは、至るところにいて、例えば情報分野の人がmdxを知っているかというと、知らない人、結構、多いんですよね。情報の人たちは、もうこのAIというか、コンピューティングリソースに関してはみんなアウトリーチできているかというとできていなくて、そういう人にさえこの国内の今後、このGPUというのをどう届けるかというのは課題になると思います。
 情報の人、チームサイエンスとしてAIでやっていくとなると、情報の人というのが1つ役割を演じるかもしれないし、そうじゃなくて人社系の人だって、もっと簡単にAIのモジュールを使いたいというイメージも持つだろうし、ただ、そのモジュールは誰かが作ったものだとしても、それを実行するときには、バックエンド、GPUをつないでからそのサービスを動かさなきゃいけないから、ありとあらゆるレイヤーで、海外だと、そういう人たちにも、このAIのサービスとか、AIの機能というのは提供するような取組というのが試験的になされているんですね。
 なので、まずは情報の人とかと言いたいところですけれども、このありとあらゆる分野の人たちにいろいろ日本の得意とする分野とか、分野の人たちのニーズを聞きながら、レベルの違うサービスになるかもしれないのですけれども、取り組んでいくということを我々としてはどこの分野、重点的とあるのですけれども、NIIとしてはやっぱり、気持ちは、自分でできる人は多分自分でできると思うので、そうじゃない人にできるだけ裾野広く届けたいなという気持ちがあります。というのが1つ目で、次のAIエージェントの話は。
【合田副所長】  御質問、ありがとうございます。我々の中でこのAIエージェント、まあ、AIエージェントもたくさんあるわけですけれども、2つの種類に分けて整理しています。1つ目が、この絵に描いてあるようにRDCの機能を高度化するためにもRDCの中で動いているエージェント、例えば一番分かりやすい例は、メタデータを自動付与してくれるですとか、あと解析の部分については、今も既にAI、Claudeとか使うと、こんな解析をしたりとか、それに最適なオープンソースのソフトを持ってきてくれますけれども、そういった部分のエージェントというのは1つ目で、それが今日御紹介したこの絵に描かれているものです。
 工藤委員がおっしゃったもう一つの研究者に近いところというのは、研究者が直接使うというか、研究者に寄り添うAIサイエンティスト的な部分だと思うのですけれども、ここの部分についても弊所、大規模言語モデル研究センター、LLM自体を研究するセンターがございますけれども、そこで今研究開発、モデルの開発とともに検討を進めているところで、そういった部分は、恐らく次のステップのところでサービス化というのも考えていきたいと思います。なので、今日のこのRDCの機能の説明としては、前者のみを御紹介したと御理解いただければと思います。
【工藤委員】  ありがとうございます。
【山地教授】  3つ目が、例えばRDC以外のデータベースとかデータとどうつなげるのだとか、そのときに今まで以上にこのAIの時代に制約条件というか、研究者として気を配らなければいけないことが幾つか指摘されたのだけれども、もう守らなきゃいけないこともこんがらがるし、今あるものをどう整理していかなければいけないのか、よく分からんじゃないかという質問なのですけれども、我々もここのところの整理ができていないのが現状です。今既に公開している紳士協定的にというのが、学術の善というか、信頼の中で公開しているデータベースにさえも何か配慮が必要なのかとか、そういうことから考えていかなければいけないし、どうしていくべきかというのは、少なくとも今すぐ答えられる回答は持っていないです。そういうことこそ、多分、何かこういう委員会とか、NIIの中でも有識者を集めて1つ1つ議論していく必要があるのではないかなと感じております。
【工藤委員】  ありがとうございます。状況が理解できて大変助かりました。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 石田委員、お待たせしました。どうぞ。
【石田委員】  九州大学の石田です。御説明いただきまして、ありがとうございました。これまでの質問とは少し違った観点からの質問になるかとは思うのですが、まず、御説明いただいたこのシステムができますと、研究者にとっては比較的シームレスに、研究ができるようになるので、非常に魅力的だなということは思いました。一方で、こういった研究基盤に乗らない研究というのもまだまだあるのかなと思っています。先ほど前の発表で御説明いただいたAI for Scienceの推進に向けた基本的な戦略方針のほうでは、生産される研究データというのをきちんと管理して、収集して、公開して利活用するということが目的になっております。そのためには、NIIさんでも提供されているJAIRO Cloud等を使ってデータの公開をしっかりしていくということが重要なのではないかなと思っています。
 その場合、今後の方針として、研究者と今後の提供される基盤で、公開というのが進んでいくというふうにお考えになっているのか、それともやはりこれまでのように、例えば大学図書館であるとか、多分、今後は情報システム部みたいなところも関わってくるのかもしれませんけれども、そういったところとの連携とか、それから、もしくはそういったところをサポートするとか、そういった何か今後の関係性というものを、もしお考えになっているようであれば、少し教えていただきたいなと思いました。
 長くなってすみません。以上です。
【山地教授】  ありがとうございます。AIの派手なというか、進んでいる話からちょっと逆戻りするかもしれないんですけれども、まず、図書館というか、NIIとしても取り組んでいかなければいけない状況として、即時OAというのがあります。これは論文のオープンアクセスと、論文だけではなくてエビデンスデータを公開するというものです。論文に対しては、それぞれの大学、対応が進んでいると思うのですけれども、このエビデンスデータをどうするかというところは、まずはやっぱり図書館の人たちの経験とか取組というところをベースに進めていく必要があるのではないか。大学としても、そうせざるを得ないのではないかなという気はしています。
 ただ、それがスケールしないということもみんな分かっていて、最終的には研究者が自ら公開したいと思って公開する状況を作っていく必要が、きっとあるのだと思うのですけれども、そのときに公開した人に対して何らかのインセンティブ、フィードバックが戻るような、上手に公開した研究成果はたくさん使われるとか、それが、我々が目指そうとしているオープンサイエンスを推進するための高度化機能なのですけれども、AIの時代になると、もっともっとその研究のプロセスというのは複雑になってきて、その再現性というのがフラジャイルになってくると思うんですね。そういった時代だとやっぱり、研究者が主体になってやるといっても、なかなか難しいでしょうから、基盤として支援しながら、でも、やっぱりオープンサイエンス、データ公開は図書館の人の支援をはじめとしてスタートしながらも、研究者、卒業して自分でやる時代になってきて、でも、それがきちんと支援できるような我々の高度化機能というのを提供していきたいなというのが、ざっくりとしてなんですけれども、私が持っているイメージです。
 以上です。
【石田委員】  分かりました。ありがとうございます。多分、地道な作業になるとは思うのですけれども、確実にきちんとデータを収集して公開していくという道のりを作るというのも重要かなと思いますので申し上げました。
 以上です。ありがとうございました。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  御説明、ありがとうございます。このプラットフォームとAI for Scienceの促進というか、そこがちょっといまいちつながらないという印象を持ちました。データの管理とか、公開の何かプラットフォームとしては、非常に優良だと思うのですけれども、この取組の中、プラットフォームを活用することで、どういうメリットがあるのかというか、いろいろな解析基盤のサービスがいろいろついているということなのですけれども、その辺にどれくらい、そこの部分が充実化するかによると思うんですね。その辺に関する、ある意味、だから、既存のプラットフォームでも別にAI for Scienceをやろうと思ったらできますし、あとは分野によっては既に、例えば材料科学なんかだと同じようなプラットフォーム、データ基盤であったり、そこにいろいろな解析、メタデータを自動付与したりとか、解析したりするような基盤、ツールなんかも開発が進んでいたりするんですよね。そんな中で、ここに、このサービスを活用するというインセンティブとかも重要になってくるのではないかなと思うのですけれども、これについていかがでしょうか。
【山地教授】  まず、今、我々が、画面に映っているプラットフォームが、AI for Scienceの役に立たないのではないかという話なのですけれども、既に独自で環境を持っていて、自分でそのAIをうまく使っていけるような人たちは、多分、自分で環境を持っておりますし、何か我々のリソースというのをわざわざ使わなくても、このAI for Scienceの取組というのができるのではないかなと思っています。
 我々、サポートしたいのは、例えばこの絵だと下にある、既存の国内の共用のコンピューティング施設というところに、まだつながっていないような研究者、でも、AIをやるためにやっぱりコンピューティングリソース、必要で、そういう人たちにGPUなり必要なストレージというのが届けられるような、そういった環境を提供したいと思っています。
 ただ、これ、我々が今まだNIIの中で議論し始めたばっかりで、ただ、NIIの中だけではなくて、HPC回りの議論の中でも、こういったフェデレートの環境が必要なのではないかというのが同時多発的に起こっているようですので、こういうのをうまくまとめながら、話がうまく熟成していくのではないかなという期待を持っているんですけれども、千葉先生、どうですかね。
【千葉委員】  私からたくさん申し上げることはないんですけれども、今、材料科学の話が出ていて、確かに例えばARIMがとても有名ですし、うまくいっているのだと思うのですが、あれも私どもも多少なりとも関係しているので聞いている話なんですけれども、未来永劫システムの予算、システムを維持する予算があるわけではなくて、今、プロジェクトが走っている間は十分いいプラットフォームを作れているのですが、これが将来、貯めたデータを生かして10年、20年、ずっと運用していかなければいけないので、そうするとやっぱり、こういう場で最終的には共通のプラットフォームに統合することを考えないといけない。ですから、うまくいっている分野はやって、先行事例としてやっていただいて、それを追いかける形でやっぱりこういう学術プラットフォームを整備していくのが大事なのではないかと思っております。
 以上です。
【吉田委員】  統合というか、道筋もあり得るということですね。
【千葉委員】  そうだと思います。はい。
【吉田委員】  あと、多分、ユーザーからすると、やはりAIのいろいろなツールが大量にある。かつ、計算資源もいろいろあって、やっぱり新たにこういったところに導入、入っていくときに一番のコストは学習コストというか、外からも何か複雑だから分かりづらいというのもあってなかなか、全くこれまでAI for Scienceとなじみのなかった人たちが、こういったところにポンと入ってきて、これを使いこなすというのは結構、技術的なハードルが高いのではないかなと思うんですね。
 そこで例えば、どれぐらいリソースが割けるかによると思うのですけれども、例えば伴走支援じゃないけれども、そういった新しい人たちが入ってきて、こういったシステムを使ってこんなことをやるときに、何かいろいろな問題があったり、分からないことがあるときに、何かそういう人的なサポートというか、そういう機能もパッケージとしてあると活用が進むのかなと思いました。AIのツールだって、時々刻々とアップデートされていくので、専門家でも何がどうなっているのかよく分からないようなこともあると思いますので、何かそういうエキスパートの人たち、エンジニアの人たちが支援するような、そういった仕組みもあったらいいのかなと思いました。
 以上です。
【山地教授】  ありがとうございます。NIIは、それ、弱いところでもありまして、既存の、我々、エコ事業をやってきても、なかなかこの我々のサービスを大学の中にデプロイしようと思うと、うまく普及していくというところにリソースを割けていないというのが正直なところではあります。ただ、このエコ事業を介して、このNII Research Data Cloudを大学と一緒に売り込んでいくというわけではないのですけれども、知ってもらうための、その営業部隊というわけではないのですが、そういうのもNIIの中に編成して、これをNII Research Data Cloudだけではなくて、NIIの中のほかのサービスにも、そういった人員を配備していかなければいけないという構造改革というか、組織としての新しい試みはやろうと思っています。
 ただ、それにしてもNIIの中の人間というのは、人数が少ないんですね。そのときにはやっぱり、初めに地域コンソーシアムができ上がっていて、彼らがNIIに代わって我々のサービスを大学の中に普及してくれるような、そういった役割も演じてくれています。これは基盤センター系のこのコンソーシアムだけではなくて、古くは図書館の人たちも我々に代わって、我々のJAIRO Cloudというのを学内に普及していくというか、理解を求めてくれてきたところがありまして、そういった連携をうまく作りながら、互恵的にサービスの展開というのをやっていきたいと思います。海外はNIIみたいなところに本当にコンサルのチームがいたりとか、この普及させる、すごくたくさんのチームがいて、そういうのが非常にNIIは脆弱というのは、先生がおっしゃるとおりで、何とかうまくやっていきたいと思っております。ありがとうございます。
【千葉委員】  いいでしょうか。
【尾上主査】  千葉さん。
【千葉委員】  東京大学、千葉ですけれども、我々のセンターもよくそういうユーザーさんからのお叱りを受けて、実は私、今、メールを受け取って、そういうお叱りのメールを受け取ったところだったのですけれども、やっぱり予算の問題だと思っておりまして、無限に費用をかけていいのであれば、そういう支援チームもできると思うのですが、学術研究の場合には、やっぱり限りのある予算でいかにやっていくかを考えないといけないと思っておりまして、山地先生がおっしゃったように、なるべく多くの関係者の方々が自分事として関与していただくような機運を作っていくのが大事なのではないかと思っております。
 以上です。
【吉田委員】  予算の話がありましたけれども、ある程度どこかでお金を稼ぐというか、そういう仕組みを入れて、そこで多少なりともランニング部分とか、基盤的なところを賄うみたいな、そういった構想とかはないのでしょうか。
【千葉委員】  それもいろいろな方がおっしゃっていると思いますけれども、当然、それは皆様方の、いわゆる研究の直接経費の一部をこういう基盤に投資、回転させていくということでもあるので、そこをどれだけ皆様方が、研究者の方々が許容されるかという話もやっぱり併せてやっていかないといけないと思っております。
 以上です。
【吉田委員】  アカデミックだけではなくて、民間に開放して民間から資金をという、そういったチョイスもあるのかなと思いました。
【千葉委員】  はい。ありがとうございます。が、それも民間の方に、じゃあ、安価に提供してよいのかということもまた同時に発生するかと思います。例えばスーパーコンピュータ、大学が提供するスーパーコンピュータは民間のクラウドからは10分の1ぐらいの価格なので、民間企業の方にフルに開放してしまうと、皆さん全部使ってしまうと思います。値段を上げると今度は、いわゆる商用のベンダーさんと競争になって、サービスレベルがどうかという話にもなっていきまして、恐らく同じか、それ以上の値段、値付けになってしまうと思いますので、御指摘の点は全くそのとおりだと思いますが、解決は容易ではないということを申し上げたかったところです。
 以上です。
【吉田委員】  はい。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 それでは、江村委員、お願いいたします。
【江村主査代理】  今、話題に出たところから入りたいと思いますけれども、今、学術という議論で予算の問題とかという話になっているんですけれども、結局、研究成果を世の中に出すというときに、いわゆるエンジニアという人がいない限り、出ていかないわけですよね。この国はそこが弱いので、いろいろなところで失敗しているというのが現実で、NIIの黒橋所長とかとも前にちょっとそんな議論をしたんですけれども、そういう方たちの処遇の問題とかも含めて、国全体で見直すというアクションをしない限り駄目なんじゃないかなと思っていて、海外では研究者とリサーチエンジニアというのがペアになって物事が実現されるという発想がもう主流になっているんですけれども、日本の場合は研究者がみんなやれるんでしょうとなっているので、ここは文科省さんがもう少しいろいろ考えていただくというのが必要かなと思います。
 それで、この学術研究プラットフォームなのですけれども、やっぱりNIIの視点で書くとこうなるんだなと思います。それは過去の経緯もあってね。それで、特に後ろのほうに行って、33から次のデータ駆動基盤というところにつながっていくところに、データ駆動基盤があって実験ダッシュボードがあってみたいな、これ、機能としてはすごくそのとおりに見えるのですけれども、AI for Scienceでこれから、AI for Scienceで分かりやすい例で言うと、研究者の人が1回ピチッとボタンを押したら、実験は自動的に行われて、出た結果をコンピュータで解析して次のステップに戻して、実験が自動的に回っていますという、その間に研究者の人は次の構想をしているみたいのが研究の効率を上げるという話じゃないですか。
 そうすると、研究プラットフォームといったときに、実験観測施設とか、下のコンピューティング能力とかというのも、一緒に入れた形で絵を描かないと、NIIはここをやっています。じゃあ、AI for Scienceをやるのに、このNIIの仕組み、どうやって使ったらいいの、さっきから出ている議論になってしまうと思うんですね。だから、まず全体像の絵の描き方はもう少し工夫していただいた上で、NIIはこうしています。だから、そこにインターフェースが出てくるのでというような書き方にしていただいたほうが、これからの時代の議論をする上ではいいのではないかなとすごく思いました。これは要議論だとは思うのですけれども。
 そう思ったときに、今度、もう1個は、そういう組合せでうまく動かせている事例を示さないといけないと思うんですね。だから、例えばコアファシリティで放射光施設みたいなところで実験しているものを「富岳」で解析して、でも、その中のデータの駆動のところはセキュリティも含めて、ここでちゃんとやれていますみたいのがイメージできると、ああ、じゃあ、俺たちはどこでここにつなげばいいのみたいなのが出てくるので、何かそういう絵の描き方、できませんかねというのが1点目です。
 もう1点は、これ、データエコシステムのときに常に議論があるんですけれども、融合領域の開拓、それで、さっきからも出ているように人文社会の人とか、企業の人とかも使えるようになったほうがいいよね。皆さん、ちゃんとした仕組みを作られていて、安心して使えるあれを作っているので、あとは外側でうまく融合した人たちが使ってくれればいいよねというポジションでもあると思うんですけれども、先ほど聞いていて、エコシステム事業のときにもちょっと議論になったんですけれども、要はつなげばいいよねといっても、つながらないんですよ。つなぐ役割の人が要りますねという話をしていましたけれども、これって、そのポテンシャルがあるのかどうかというのが、URAの人が重要だという話があって、この人たちのファンクションをもう少し上げていって、違う人たちをつなぐ仕組みというのをこの地域コンソーシアムの活動とかの中で出てくるといいかなというのが思いました。
 もう一つは、そうしたときにメタデータの話も含めて、データ連携というのが最終的には、そこがないとつながらないんですけれども、そこに対する構想というのかな、だから、メタデータとおっしゃっているんだけれども、何のために、どういう効果を出そうとしているのかというのが、今日の資料だとまだ分からないんですけれども、その辺、どうなっていますかと。その辺をお伺いしたいということです。
【合田副所長】  技術者が足りない、まさにおっしゃるとおりで、実はもう、いろんなところで言っていることなんですけれども、いろいろ問題があるんですけれども、やはり我々、学の人間でもあるので、きちっと人材育成するところにも力を注ぐべきだと考えています。これは弊所の中の取組で恐縮ですけれども、弊所の中では、いわゆる研究者だけではなくて技術的な職員の方々もいらっしゃるので、ただ、それまでそういった方々の待遇は必ずしもよくなかった。
【江村主査代理】  よくないですね。
【合田副所長】  弊所で新しくキャリアパスをきっちり定めるということを進めています。具体的にはそれぞれの実績、評価を毎年行って実績が高い方々に、今、3段階かな、の称号を付与して、その称号というのも待遇に直結するような形で付与していくということで、御本人のモチベーションを高めるという取組も進めています。これ、始めて何年ぐらいたちましたかね。徐々に浸透してきまして、モチベーションが上がっているところではあります。ただ、もう一つの待遇であるところの民間との給与格差はやはりなかなか解決できない問題でありまして、ここはいろいろな方々とも一緒に議論させていただければと思います。
 もう一つは人材育成でありまして、ここは今情報基盤に関わる方々に求めるスキルというのも、いわゆるシステムの運用保守だけではなくて、システムをデザインするとか、そういったところ、幅広いレイヤーの方々が必要になっている中で、なかなかそういった方々が育っていないということもあります。これは大学の方々から声を受けるんですけれども、大学ごとにできる話ではなくなってきていますので、複数の大学で、これ、具体的には中国、四国地方の先生方にも話をしていて、そこの中のそれぞれ得意分野の先生方で集まって、こういった人材育成の取組をするといって、もちろんそこにはNIIも入って行うというような連携型といいますか、共同で人材を育成するような方法についても議論しているところです。
【山地教授】  最後のほうの絵がちょっとNIIセントリック過ぎるじゃないかというところは、我々もこの絵を描くときに、何かこういう絵を描き出すとNIIが全部牛耳ろうとしているのではないかと誤解されないように、どうやったらいいかというのを気を使いながら書いているんですけれども、でも、今度は千葉先生と一緒に書いたらどうなるかというところからチャレンジして、もう少し包括的な、我が国のリサーチインフラストラクチャーというものを……。
【江村主査代理】  そうです。だから、国としては全体こうですという絵をもう少し高い視点で書いていただくのがいいのではないかなと。
【山地教授】  はい。それ、少しトライしてみようと思います。
 最後にあったURAの活用なのですけれども、これも先ほどのちょっと前の話にも関わってくるんですけれども、じゃあ、まあ、それをやるために、人材を確保するために海外だと間接経費60%とか、そういうのをうまいこと使いながらというのもあって、なかなか日本とは状況が違うのですけれども、URAというのは海外の場合、リサーチオフィス、eリサーチオフィスみたいなところの人が、そこにPh.D.を持っていても、自分がこの研究をやるのではなくて、いろいろな研究をやっているプロジェクトをつないだりとか、産学をつないだりとか、そっちのほうが社会にインパクトを与えるという喜びを持っている人たちが、先生がおっしゃったような役割を演じているパターンというのが見えていて、URAの人たちで、今回のエコ事業の中でも、NII Todayの中でもちょっと書かせていただいたのですけれども、単純にURAというのが研究プロポーザルを書くときの支援をするのではなくて、本当にこの研究のプロセスの中に入って、データ管理もそうなのですけれども、そこに自分のスキルとか、役割を演じたいという人が出てきているというのは、これは何かすごく面白いというか、大きなターニングポイントになるのではないかなと我々も見ていまして、そういうクラスターをこの地域コンソーシアムの中でちょっとずつ増やしていくというのが、このパワーになってくるのではないかなと感じております。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 矢守委員、お願いいたします。
【矢守委員】  お世話になります。大体、今までのやりとりを聞いておりまして、質問したいことというものの答えが得られたのですが、どちらかというとコメントになるかと思います。本学でGakuNin RDMの入力支援をする部署に今いるのですが、前段階として、皆さんおっしゃっていたように、文系学部、文系のデータ、1次データ、エビデンスデータというのが非常にデジタル化されていないものが多くて、これをメタデータのつけ方1つ議論になって、保管期間だとか、データの権利というところが非常に毎回質問を受けるところになります。そういった意味でも、伴走支援といったものは非常に重要になってくるのではないかと思います。
 本学としても、できる方からデータをアップロードしていただいてということになりますが、それがどんどん増えていきますと、NIIのほうのデータのストレージも圧迫しますし、かといって、急にそこが有料になってしまいますと、予算化できなかったりというところで、どこにどのデータを保存しておくのかというのは、かなりリアルな問題、物すごく必要、こちら、受けます。なので、コメントといたしましては、人材育成も含めるかもしれませんが、どのように入力をしていけばいいのかという入力支援に対して、ある程度道筋を示していただけるとありがたいかなと。そういった分野でこそ、デジタル化されていない分野こそ、それこそメタデータを分析するための基盤がありませんので、例えばそれを大学にお願いするというよりは、分野ということで、学会が1つの方向性を出せるような形もあろうかと思います。私からの質問というか、コメントになります。
【山地教授】  ありがとうございます。NIIが一番弱いところは現場を持っていないというところで、先生にいただいたようなコメント、今回は特に学会との連携、これ、うまくできていないところの1つであると思います。これをどううまくやるのかって、なかなかチャレンジングなところがあるのですけれども、何とかうまいこと、そういう道筋も取れるように考えていきます。ありがとうございます。
【矢守委員】  ありがとうございます。大体、1次データ、写真でお持ちになっているとか、現物をお持ちになっている先生方が非常に多いので、そういった分野もあるということを御認識いただけますとありがたく存じます。
 以上です。
【尾上主査】  若目田委員、お願いいたします。
【若目田委員】  時間もあれですので、全体的なところになるのですけれども、先ほど大分戻って認証レベルの話がありましたけれども、この身元保証レベルにしても、認証保証レベルにしても、割と業界とか、そういうことでガイドラインがあったりしますよね。自治体とかも、正式な文書名、忘れてしまいましたけれども、そこにガイドラインがあって、それを見て何か実装するときにはその要件に合わせる。逆に、なぜ2なのかと気になっていまして、研究によっては3もあるのではないかとか、そういうことを思うわけですけれども、それはさておき、やっぱり何かそういう基本的なガイドが必要で、例えばそれはこの認証だけでなく、先ほど性能とか、キャパシティとかあったと思いますけれども、そういう非機能要件全般に関しては、これは何か文科省ポリシーというのか、しかも、先ほど何か止めてはいけないみたいな話がありますよね。
 そういうようなものも非機能要件として、こういうものは例えば年間何時間、止まらないようにするとか、身元確認レベルでこうするみたいな、そういうような非機能要件のポリシーみたいなものを共通で定めて、それに併せて考える。それがないのにどうしたらいいのかって考えるのは、余りにも無駄じゃないかなと思いました。なので、多分、AI for Scienceにおける研究データ取扱いに関する考え方というのは、多分、考え方から、そういう非機能要件に落とし込まれて予算に反映されるということは必要だと思いますので、この機にぜひ何かそういうことをされるのがいいのではないかなと思いました。
 ちなみに、金融とかはFISC基準とかがあって、例えばメガバンクだからしっかりしなきゃいけない、小さい金融機関はやらなくていいとか、絶対ないわけです。金融機関というのは必須なものというのは定義されていて、小さい金融機関はどうするかというと、共同センターを利用するみたいなことで、みんなでコストを下げるみたいな、そういうことをやっているわけで、何かアカデミアにおいても研究データだとか、研究のセキュリティとか問われる時代になってきたから、それはしっかりやるべきだというふうに確実に思いました。
 そういう意味だと、産学連携、私どものような企業が連携するときも、産学連携の対象になる先生方がどういうポリシーにしたらいいかとか、企業側から要求されて、それに応えることが難しいとかということで停滞することなく、そういうポリシーに関しても、例えば産学連携の、今度はデータ連携もそうですけれども、基本的なポリシーを決めて、こういうデータであれば、こういうようなレベルが求められるということがあれば、1回1回悩まずに産学連携も進むのではないかなと思いました。これは例えばNIIさんが文科省のあれを受けて、いわゆる今回の機にAI for Scienceにおける文科省ポリシーというものを作るのかどうなのか、それはやっぱり何か、都度都度悩むのではなく、どこかでしっかり作るべきだと感じました。
 以上です。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 時間がない中、1件だけ、時間軸のことを少しお伺いしたいのですけれども、この将来像の図を描いていただいて、先ほど轟木補佐から御説明にもありましたように、この第7期の基本計画の期間中のこの改革の時間だというところで考えたときに、山地先生から見たときに、この完成というのが、要するにどのタイミングでやっておかないと、先ほどEUの例も出していただいたのですけれども、間に合う、間に合わないとか、そういうようなところで少し御意見があれば、ぜひ教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
【山地教授】  僕は結構、チャレンジングなことを言ってしまうので、部長……。
【尾上主査】  言っていただいていいと思います。
【山地教授】  ちょっと前も、昼にも同じような議論をしたのですけれども、例えば最後のデータ駆動基盤というのが、実験的にでも見えるようになるのが、これが2030年ですと言われたら、それはないよねというふうにみんな思うと思うんですね。かといって、じゃあ、来年すぐに見えるようになっていますかというと、それはそれでちょっと何か勇み過ぎているところもあって、少なくとも1年から2年後には、みんながイメージできるような、ちょっと実験的に触って見れるようなものというのを用意しないことには、多分、機を逸してしまうのではないかなという意識はあります。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 もうそろそろお時間ということでございます。本日、出していただきました様々なコメントなども踏まえて、NII様ではさらに検討を進めていただきつつ、このワーキングとしても4月以降の取りまとめに向けて整理していければと考えてございます。
 続いて、議事2のその他ですが、事務局より御紹介事項などあればお願いいたします。
【麻沼参事官補佐】  事務局でございます。先ほど轟木のほうから御案内いたしましたけれども、AI for Scienceの推進委員会の第3回目は、明日、3月27日の15時から開催予定でございます。また、本ワーキングは第4回目ですが、4月24日の16時から18時を予定しております。
 以上でございます。
【尾上主査】  ありがとうございます。
 次回以降もいろいろお世話になりますが、よろしくお願いいたします。それでは、本日の議論は、ここまでとなりますので、これにて閉会とさせていただきます。お忙しい中、ありがとうございました。次回以降もよろしくお願いいたします。

 
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