次世代計算基盤検討部会(第8回)議事要旨

1.日時

令和3年7月29日(木曜日)15時30分-17時30分

2.場所

オンライン会議

3.出席者

委員

安浦主査、小林主査代理、相澤委員、合田委員、荒瀬委員、井上委員、海野委員、後藤委員、小紫委員、田浦委員、中野委員、根本委員、肥山委員、藤井委員、三好委員、山本委員

文部科学省

川口参事官、宅間計算科学技術推進室長、西川参事官補佐、太田専門職

オブザーバー

理化学研究所計算科学研究センター松岡センター長

4.議事要旨

冒頭、7月1日より参事官(情報担当)に着任した川口参事官から、着任の挨拶があった。

議題1:中間取りまとめについて

資料1-1、資料1-2、参考資料2に基づいて事務局から説明があった。質疑は以下の通り。

【安浦主査】 宅間室長、ありがとうございました。これまでの、委員の皆様方からいただいた御意見を取り入れ、かなり総花的になっています。皆さんの御意見は非常に重要なポイントをついたものばかりでございましたので、できるだけ取り入れるということで、切れ味がいいかどうかというのは分かりませんけど、最後の資料の概要で、こんなイメージではないでしょうかという形でおまとめいただいております。
今日はこの中間取りまとめの内容について、最後の議論を行いたいと思っておりますので、どなたからでも御意見をいただきたいと思います。
まず全体に関して御意見があれば伺って、後は個別に、1章、2章、3章という感じで御意見を伺っていきたいと思いますけど、全体に対して何か御意見ございますでしょうか。特になければ、また後で、いつでも全体に対する御意見は、お気付きになったときに出していただいて結構かと思いますので、個別に見ていきたいと思います。
それでは、まず区切って、第1章は前書きですけど、第1章のところで、何か押さえておかないといけないポイントが抜けているとか、方向性として問題があるとか、そういう御意見はありますか。よろしいでしょうか。
それでは、第2章について、何かお気付きの点などございますでしょうか。
三好委員、どうぞ。
【三好委員】 パワーポイントのほうなんですけれども、大変よくまとめられていると思いました。一番最初の冒頭の、世界の、アメリカとかヨーロッパと中国の旗があるところなんですけれども、本文には予算規模が、具体的な数字が何となく書いてあるんですが、それは重要な情報じゃないかなという気がしまして、サマリーにそういう数字があるとよいのではないかという意見です。
以上です。
【安浦主査】 事務局、ここに数値を書かなかった理由とか、あるのでしょうか。
【宅間室長】 特に書かなかった理由はございません。なるべくポイントのみまとめようと思って、情報を取捨選択してしまいましたけれども、記載したほうがよりよいということでありましたら、もちろん記載することは可能でございます。
【安浦主査】 多分文章を丁寧に追いかける方はそんなに多くないと思いますので、この絵をぱっと見られる方が多いので、今後、HPCI計画推進委員会や、また省の中で、あるいは財政当局とのいろいろな議論の中で規模感を感じる意味では、このまとめに数値が入っていたほうがいいのではないかというのが三好先生の御意見ですよね。
【三好委員】 そうですね、一般的に考えて、世界が、先進国がどれぐらいこういうことにお金を使っているのかというのは参考になると思うんですね。それが結構、莫大な金額であるということなので、やっぱりそれぐらいかかるものなんだなと認識しやすいのではないかという。
【安浦主査】 そうですね。特に財政当局には認識していただかないと始まりません。
【三好委員】 はい。国内のほかのプロジェクトと比べてとかではなくて、やはりこういうコンピュータをつくるということには、それなりに戦略的に世界はお金を使っているんだと、それだけ重要なんだということが、報告書の中にはちゃんと数字が書いてあるので、そういうことが分かるように。そういうことです。ありがとうございます。
【安浦主査】 どうもありがとうございます。
根本委員、お願いいたします。
【根本委員】 すみません、ちょっと細かいことなんですけれども、最後のほうに量子コンピューティングというのがあって、そこでソフトウエアについて、「実用化に向けた研究開発の段階であり、従来型の計算機と比べると技術確立の途上段階にある。」となっているんですけれども、この記述があまりにも。今まで気がつかなかったんですけれども、世界的認識とかなりずれてしまっているのかなと思うので、もうちょっと書き直していただいたほうがいいのではないかなというふうに思います。
【安浦主査】 それは本文の11ページから12ページにかけてというところですか。
【根本委員】 11ページの、3章の手前ですね。量子コンピューティングで、脳型コンピューティングの1つ前にあると思うんですけれども。
【安浦主査】 12ページの頭ですね。
【根本委員】 ページがちょっと、私が見ているのと違う。私が見ているのは、ワードドキュメントを見ているんですけれども、2ポツのところです。「汎用性が高いとされるゲート型量子コンピュータの実用化に向けて」というふうになっていて、これは特に、20から30年かかるけれども、もっと早くできる可能性もあるということの次に「ソフトウエアについては」となっているので、これは、脈絡から言うと、非常にミスリーディングになっているので、もうちょっと現実的な記述に変えていただいたほうがよろしいかと思いますということです。
【安浦主査】 ありがとうございます。ここは、3日前ですか、IBMと東大が共同で川崎に設置して、大学は東大と慶應、あと企業が10社ぐらい入った、IBMのゲート型の量子コンピュータをもう実際に設置していろいろ使ってもらう、そういう段階に入っておりますし、ほかにもいろいろなプロジェクトが国内国外で進められているというのは確かでございますので。
【根本委員】 すみません、だからそこが混同されていて、それだと、要するに混同したままなので、よろしくないのではないかということを申し上げているんです。
【安浦主査】 そのソフトウエアというのは、量子コンピュータのソフトウエアではないということですか。
【根本委員】 ここでは一方で、特に汎用性が高いとされるゲート型の量子コンピュータで、20年から30年の時間を要するものということが前に書かれているわけですよね。つまり、今IBM等で開発されているハードウエア、またはそれの上に載っているソフトウエアというものと、ここで述べている汎用性の高いゲート型の量子コンピュータ、その上に載っているソフトウエア、技術というのは、また全く別物なので、こういう書き方をするのは技術的によろしくないのではないかということを申し上げているんです。
【安浦主査】 ちょっと私も不勉強なんですけど、今回IBMが、アメリカ、ドイツに次いで日本に設置したものというのは、あれはゲート型ではないんですか。
【根本委員】 汎用性が高いゲート型とここに書いてあって、20年、30年時間を要するものとは、全く違うものです。
【安浦主査】 ゲート型だけど汎用ではないということですね。
【根本委員】 いや、そうではなくて、要するに、名前、呼び方が文科省のほうでもいろいろとあって、なかなかどういうふうに呼ぶかというのは難しいわけなんですけれども、要するに今導入されているものがゲート型で動くかどうかということはあまり関係ない、技術的には関係ないので、つまりそれは1ポツ目の話ですよね。2ポツ目の話というのは、それとは違って、要するにスケールできる量子コンピュータというものをここで取り上げていただいているというふうに理解しているんですね。そのソフトウエアというのは、今IBM等々でやっているようなソフトウエア開発とは違うものなので、そこに混同があるように思いますということです。
ですから、実用化に向けた開発段階では、まだ全然ないわけなんですね。だから、それは非常にミスリーディングになるのではないかということです。
【安浦主査】 分かりました。ということは、今すぐ、この10年のファクターで使えるような量子コンピュータというのは、ある意味専用マシン的に、ひょっとしたら使えるものが出てくるかもしれないけど、その話と、汎用性の高い――ゲート型が本当にそれになるかどうかは別として、汎用性の高い量子コンピュータとは別物であって、それぞれに対するソフトウエアの開発のレベルというのは違うことを明確に書いたほうがいいと、そういうことですね。
【根本委員】 そうですね。つまりここで書いてあるところは、逆に1ポツのほう。
【安浦主査】 1ポツのソフトウエアの話を書いていると言うことですね。
【根本委員】 その話を2ポツに入れてしまっているので、ミスリーディングになっているということです。
【安浦主査】 じゃあ、これは1ポツ側に回したら、ストーリーは繋がりますか。
【根本委員】 それだったら分からなくもないかなとは思うんですけれども、2ポツ目に対するソフトウエアというのは、まだまだこれから、量子情報科学とか量子計算科学という学問分野がこれからできてくるというような、非常にまだ萌芽的な段階にあるというふうに理解されています。
【安浦主査】 分かりました。どうもありがとうございます。また細かい表現については先生にも御相談して、最終的な表現、これなら問題ないということでまとめたいと思いますので、事務局のほうから連絡するかと思いますけど、よろしくお願いいたします。
【根本委員】 分かりました。
【安浦主査】 どうも貴重な御意見ありがとうございました。
【藤井委員】 すみません、藤井です。ちょっと関連して、補足、よいでしょうか。
【安浦主査】 どうぞ。藤井先生、御専門ですね。
【藤井委員】 根本先生のおっしゃるところはごもっともだと思うんですけれども、1つの案としましては、この1ポチのところの、いわゆるニアータームのやつですね。既に実現している規模なんだけれども、そこまでラージスケールではないものを、例えば、かいわいでは、NISQ型の量子コンピュータ、Noisy Intermediate-Scale Quantum deviceとか呼ばれていて、NISQ型の量子コンピュータと呼ばれたりもしているんですけれども、そういう名称で呼び、2ポチのところは、10年、20年スケールと言っているのは、いわゆる誤り耐性、エラー訂正ができるような誤り耐性量子コンピュータのことだと思うんですけれども、それを明確に誤り耐性量子コンピュータというふうに呼んでおけば、それぞれの事情が誤解なく言及されるかなと思います。
【安浦主査】 どうもありがとうございます。
【藤井委員】 その研究のフェーズに関しましても、根本先生のおっしゃるとおりで、NISQのほうというのは、いろいろなベンチャー企業が立ち上がったりして、いろいろなライブラリが出てきています。ロングタームのほうというのは、まだまだ基礎研究フェーズにありまして、ツールとか、現実的な議論というのはされ始めているものの、基礎研究としてロングタームで進めていく必要があると同時に、これまでの予想より早くなるという可能性は十分ありまして、グーグルとかでいいますと、2029年に100万量子ビット、つまり誤り耐性のある量子コンピュータを実現するというロードマップを立てたりしていますので、そういう早まる可能性があるので、しっかり基礎研究として取り組む必要があると思いますし、そこに既存のスーパーコンピュータをどういうふうに組み合わせて使っていくかとか、そういう研究においてスーパーコンピュータをどう活用していくのかというところの議論もしていくべきかなと思いますので、そういった感じで修正が入ると、よりよくなるのかなと思いました。補足です。
【安浦主査】 どうもありがとうございます。それでは、この量子コンピュータのところ、ちょっと書き直しをさせていただいて、根本先生、藤井先生にも御確認いただいて、最終版に持っていきたいと思います。よろしく御協力お願いいたします。
ほかに、2章のところ、あるいはまとめの図表も含めて結構ですけど、何かございますか。なければ、次、3章に移りたいと思います。我が国における次世代計算基盤の在り方ということで、後藤先生、どうぞ。
【後藤委員】 後藤です。実は2章との絡みでちょっと申し上げたいのですが、例えば2章の、欧米、中国中心にスーパーコンピュータというところを見せていただくと、はっきり、米国では科学技術と経済的競争力と国家安全保障と、3つの観点でやっていますよ、欧州では経済競争力だと思ってやっていますねと。中国は科学技術と経済。つまり世の中では既に、このスーパーコンピュータが産業経済競争力上すごく大事だという認識で動いている、という状況についてこの会議でも大分議論されたと思いますが、その辺りが、p8 (2)の最初の「・欧米、中国を中心に・・・活発に行われている」というだけになってしまうと分かりにくいなと。
同じく、スライド(資料1-1)のほうを見ても、予算は大事だと思うのですが、活発ですと書いてあって、文科省だからかもしれませんけど、科学技術、計算科学というキーワードだけになってしまっていますね。一方、米国、欧州、中国では、産業競争力のために取り組んでいるのだということをはっきり打ち出しているわけです。それは本文(資料1-2)には書いてあるのですが、そういうところをもっと見えたほうがいいのではないかなと。例えば、スライド(資料1-1)の1ページの最後には経済安全保障という言い方があるのですが、これはスパコンがつくれるような技術開発力があるよという意味であって、スパコンを使うことによって、創薬もそうですし、いろいろなマテリアルもそうでしょうけど、産業競争力に直結するのだという観点が、少なくともこの3枚のスライドでは少ないなと思いました。あと本文のほうを見ましても、頭のほうで産業に直結しますよということは書いてありますが、全体のトーンとして、産業競争力の観点が減ってしまっているのが気になりました。この辺りははっきり、スライド、それから2章、3章の在り方のところと、最初のところでしっかり打ち出したほうがよろしいのではないでしょうかというのが私からのコメントでございます。
以上です。
【安浦主査】 どうもありがとうございます。確かにちょっと学術基盤のほうに偏り過ぎている面があって、経産省との切り分けという感じがどこかに、頭の隅にあるのかもしれません。確かに先生おっしゃるとおり、外国のほうはもう全体を見ていますから、日本でもやっぱり産業競争力ということをしっかり打ち出す必要はあると思いますので、その辺りは2章及び3章と、それから参考資料のパワーポイントのほうにももう少し打ち出していくという方向で修正をかけていきたいと思います。事務局、よろしいですか。
【宅間室長】 ありがとうございます。例えば、今の2ページ目の科学技術・学術基盤の必要性の辺りにも今の事柄を少し追記するとともに、また、例えば18ページ目とかで、フラッグシップシステムの重要性みたいなところを1、2、3の柱で整理をしているんですけれども、1がいわゆる科学技術成果の関係で、2番目が人材・技術の育成という観点で、3として、これは結果として社会課題の解決等に貢献するというふうになっているんですけれども、例えばこの3のところに、これらの結果として行き着くところの一つに産業競争力というようなことを入れるというのもあるのかなというふうに考えました。少し見直しまして、また御相談させていただきたいと思います。
【後藤委員】 今の観点でいいと思うのですが、もうそれが競争上必須になっているという、その緊迫感というか、今後の日本の社会の産業において非常に大事なのだというトーンを高めて欲しいと思ったところでございます。よろしくお願いします。
【安浦主査】 どうもありがとうございます。できるだけ最後のほうに出てくるのではなくて、最初のところからそのにおいがちょくちょく出てきたほうがよろしいですよね。
【後藤委員】 はい、そのとおりだと思います。
【安浦主査】 その辺を、宅間室長、最後のところだけにやってしまうと、なかなか最後まで皆さん読まれないので、やはり強調するべきポイントは2章の頭とか3章の頭にも少し関連する部分には書き込む工夫をお願いします。単なる学術基盤、科学技術はもうそのまま産業力に直結していますから、そういう意味からすると、産業競争力というのは科学技術とほぼ等価な力と思っていただいて、しかも様々な分野ということで、創薬だとかセキュリティの問題も当然あると思いますし、材料とか化学的なものとか、いろいろなところで必要になってくると思いますので、ぜひそういうことが分かるように書いていただければと思います。
室長、よろしいでしょうか。
【宅間室長】 はい。承知いたしました。
【安浦主査】 ほかに、2章から3章にかけて何か御意見ございますか。
根本先生、どうぞ。
【根本委員】 すみません、ちょっと質問なんですけれども、3章の最初のところに必要性というものがきちんと整理されていると思うんですけれども、その中の一つに、産業政策との連携も重要であるというようなところで、防災、気象予測とか、政策ニーズに応える機能を有することが適当であるというような、産学連携だけではない、産学連携は非常に重要だというのは、もう今の議論もあったとおり、疑う余地がないところだと思うんですけれども、こういった必要性というものがここできちんと整理されているんですが、その後に来る話につながっていないように思います。この必要性を踏まえた記述というのが私には見つけられなかったんですけれども、どの辺にそれはあるんでしょうか。
【安浦主査】 事務局、どうぞ。
【宅間室長】 ありがとうございます。まず必要性を述べた後に、15ページ目の下のほうに(2)としまして、それぞれの事業の方向性、目的の明確化というところがあるんですが、この前の段階の必要性というところを受けて(2)を記述しています。
【根本委員】 すみません、ちょっと説明していただいているところに割って入って申し訳ないんですけれども、一般的なことを伺っているわけではなくて、ここで目的性を踏まえて次に、次世代の整備の目的等、明確化されていると思うんですけれども、私が伺ったのは、要するに産学の連携というのは非常にいろいろなところに出てきているんですが、政策ニーズに応える機能であったりとか、産官学の連携であったりとかということが具体的に記述されているところが私には見つからなかった、それはどこにあるのでしょうかということをお伺いしました。
【宅間室長】 まず政策ニーズに応える機能を有することが適当だというようなところに関しては、例えば今の16ページ目の目的のところでありますと、Society 5.0の実現とか国民の安全安心等の社会課題の解決という辺りに、例えば防災とか気象予測だとか、そういったことも想定しつつ書いたところです。産官学の連携というところでは、少し後ろのほうにはなってしまいますけれども、例えば18ページ以降、フラッグシップシステムの検討の辺りにおいて、産業を含めたエコシステム、産業としても出口を見据えたような研究開発が行われなければいけないというようなこととか、特に今回修正して、投影上、下線を引いているところだったりしますけれども、19ページ目の中ほどの辺りに、例えば産官学をまたいだ広い議論が求められるというようなこととか、その下のポツとして、技術が産業のほうにも環流していくことが必要だというようなところで少し受けたつもりでございますが、お答えになりますでしょうか。
【根本委員】 ありがとうございます。ちょっと見えにくいといいますか、せっかく得られた知見を積極的に活用していくような、そういう取組というのが必要なのではないかなというふうに思うので、もう少し分かりやすくといいますか、していただけるとよいのかなというふうに思いました。
【安浦主査】 「富岳」のほうでも、「京」のときからそうですけど、政策対応枠ということで利用枠を設けておりますので、そこは今までも意識してきているわけですから、その辺の意識が、産業競争力を上げるだけではなくて、防災とか、今回のコロナのシミュレーションなんかもパンデミック対応で、あれは別に産業に直接つながるのではなくて、国民の安全に直接つながるような、特に、咳の飛沫がどういうふうに飛ぶかとか、そういう流体の話は、本当に「富岳」でないとできなかったかどうかは別として、国民にも非常に大きな影響を与えたわけですから、そういったものが並行できるような形で、もう少し見えやすく書き込まれたほうがいいのではないかというのが根本先生の御意見だというふうに解釈してよろしゅうございますでしょうか。
【根本委員】 はい、大体そんな感じです。おまとめいただきましてありがとうございます。
【安浦主査】 宅間室長、よろしいですか。
【宅間室長】 はい。検討させていただきたいと思います。
【安浦主査】 この間御講演いただいた富士通研究所の津波のシミュレーションみたいな話も、まさにこれに関わるような話ですので、そういったところをやはりきちんと表に出したほうが、国民の理解も得られやすいのではないかと思います。よろしくお願いいたします。
小林先生、どうぞ。
【小林主査代理】 小林です。私も、この3の(1)は非常にまとまっているし、重要だなと思って読んでいたんですけれども、これは3の(1)にするにはちょっともったいないというか、独立させてもいいぐらいのところなのではないかなと思いました。これを受けて在り方があると、非常に説得力があるように感じました。コメントですが。
【安浦主査】 ありがとうございます。章をもう分けてしまったほうがいいのではないかということですよね。
【小林主査代理】 ええ、そうですね。たくさんいろいろなことが書いてありますし、重要だと思いますので、独立させてはいかがでしょうか。
【安浦主査】 一般論的に、こういうスーパーコンピュータ的な、フラッグシップ的なものが必要だと言う主張。次世代計算基盤の中核の能力としてこういうことができるものがとにかく国の中に必要だというのを3章にして、では、実際にそれをインプリメントするための話としての、次世代の計算基盤の整備に求められるものということを4章にしたほうが分かりやすいのではないかという御意見と理解してよろしいでしょうか。
【小林主査代理】 はい。そのほうが必要性が明らかになって良いと思います。
【安浦主査】 宅間室長、何かこれはフォーマットがあるんですかね。
【宅間室長】 いえ、ないです。もともとの素案では実は分けていたんですけれども、内容がかなり関連して、似たようなことを書いているところもあるかなと思いまして、1つの章にまとめたという経緯が実はございましたが、別建てで独立させたほうがいいということでしたら、そのように直してみます。
【安浦主査】 どうも貴重な御意見ありがとうございました。
そのほか何かございますでしょうか。こういう報告書の構造に関する御意見も非常に大事だと思いますので、お気付きの点、今日が最後でございますので、ぜひいろいろいただければと思います。
三好先生、どうぞ。
【三好委員】 ありがとうございます。すごく細かい点なんですけれども、18ページの、次期「フラッグシップシステム」の検討と書いてあるページなんですが、真ん中辺に「次期『フラッグシップシステム』には、幅広い研究分野でパラダイムシフトを起こし得る、他システムと比しての圧倒的性能・機能が期待される。」と書いてあるところの、「他システムと比しての」というところにちょっと違和感を感じまして、その「他システム」というのは何かということが不明確なんですね。例えばアメリカとかヨーロッパで開発されているような他システムなのか、あるいは日本国内にある他システムなのか、あるいは前世代的なシステムのことなのか。この言葉が、スライドのほうにも同じことが書いてありまして、この「他システムと比しての」というのを消しても、要するにここを削除しても十分意味が通るのではないかなと思ったんですが、「他システムと比して」と、あえてここに書いているのはどういうことを意図されているのかということを教えていただきたいんですけれども。
【安浦主査】 事務局、お願いします。
【宅間室長】 事務局でございます。圧倒的性能・機能といったときに、何に対しての圧倒的性能なのかというふうに逆に聞かれてしまうかなと思いまして、やはり国内の中で様々な計算基盤が一体化して運用されなければいけないという、この報告書の大前提の中で、フラッグシップシステムの在り方をここは論じているところになっていると思っていまして、国内のほかのシステムと比しての圧倒的性能・機能という意味で書きました。
【三好委員】 ありがとうございます。ここの前置きとして、各研究分野で「パラダイムシフトを起こし得る」と書いてあるんですね。もうこれが圧倒的性能にかかっているので、他システムと比してというと、やはり他システムが何であるかが、説明しないと分からないし、今のような説明をしてしまうと、それが圧倒的なんですかという疑問も湧いてくると思うんですね。ですので、やはりフラッグシップ機に求められる役割としては、まず各研究分野でパラダイムシフトを起こし得るような、要するに時代が変わるぐらいのインパクトのあるという意味で言うと、むしろ書かないほうが圧倒的であるということをハイライトしてくれるのではないかなと思います。
以上です。ありがとうございます。
【安浦主査】 ありがとうございました。専用マシンもあり得るので、書いてしまうと、かえってつらい面もあるのかもしれませんので、そこは今後検討させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
井上先生、どうぞ。
【井上委員】 井上です。コメントといいますか、構造に関することなんですけれども、先ほど小林先生も御指摘されていた3の(1)、科学技術・学術情報基盤の必要性の次に、HPCIからフラッグシップへとつながり、最後のアウトプットもHPCIからフラッグシップという順番だと思います。この順番付けでよいのか、フラッグシップからHPCIの流れなのか、この辺りはどうなんでしょうか。
【宅間室長】 事務局からよろしいですか。
【安浦主査】 はい。どうぞ。
【宅間室長】 この順番にしたのは、全体的に、まず大きいことから議論して、その中で具体化していくという順番で整理をしたというところがございました。全体的に、まず大きいポスト「富岳」時代の次世代計算基盤、それは計算機だけでなく、データ基盤とかネットワークも含めた全体像の話から、計算機関係で、まずHPCI、その中にフラッグシップシステムというものがあると思っていますので、そういう順番にしましたが、もしこういうほうがよいという御意見がありましたら、そこは修正させていただきたいと思います。
【井上委員】 構造的にそちらのほうが美しい気が私もしておりますが、この資料のメッセージ性というのをどこに置くのかによるかなと思いまして、コメントさせていただきました。
【安浦主査】 この資料自身は、次世代計算基盤がどうあるべきかというのが趣旨で、その中で、やはりフラッグシップは必要だよということへ最後に持っていくという、そういう流れにしていまして、フラッグシップありきで話を始めるというやり方も当然あるわけですけど、それについてはいろいろな、今までのヒアリングの中で、本当に七、八年後のフラッグシップ、そのフラッグシップ中心で議論が進むのかという御意見もあったので、逆に、広い立場から、大きく言えば学術情報基盤というのがまずあって、その中で計算基盤はどういうものが必要で、さらにその中に、今までフラッグシップと呼んでいたような、いわゆる今のHPCIのスキームの、それぞれの基盤センター等で準備するには難しいような性能を持ったものが1つフラッグシップとしてあるべきではないかと、そういう書き方にしているものでございます。
【井上委員】 分かりました。それはもう完全にアグリーです。
一つコメントなんですが、13ページの最後のポツ、ここは少し書きぶりを変えたほうがいいかと思います。HPCIの必要性のところで「『フラッグシップシステム』だけでなく、HPCIの構成資源も含め」となっているので、この部分は先ほどの議論とは逆転した位置付けに読み取れてしまうような気がします。言葉尻ですけど、検討いただければと思います。
【安浦主査】 そうですね、これは今の「富岳」を中心とした図の、左側の絵になっているわけですよね。確かに右側の絵に合わせた表現にしたほうがいいですね。ありがとうございます。
【井上委員】 はい。以上です。
【安浦主査】 事務局、何かございますか。
【宅間室長】 いえ、御指摘ありがとうございます。修正させていただきたいと思います。
【安浦主査】 相澤先生、お願いします。
【相澤委員】 この報告書自体が最終的にフラッグシップのところに焦点を合わせたものであるということは十分に理解した上で申し上げます。情報のインフラに関わる、計算基盤さらにはネットワーク基盤も広範な学術に利用されるものです。冒頭のほうに、「京」では医学、化学、物質科学等、広範な分野において画期的な成果が多数創出されたこととかの事例、それなりには入っているんですが、もう少し、学術的に影響が大きいんだということを強調して書けないかということを思いました。
その意味としては、こういうインフラをつくるとすると、今まで、国の予算の中でも情報の予算で一生懸命つくってきたと思います。しかし、本来は、医学、薬学、化学、防災などの最終的にこの基盤を使う分野も、予算をここに供出するようなことがあってもいいのではないかと前々から思っています。その伏線としてのメッセージを少しでも入れられないのかというふうに思ったということであります。かつて「京」のときに、それを進めるためにほかの情報のプロジェクトをがんがん潰したみたいなこともあったりしました。「富岳」の場合にはそれはなかったんでしょうけど、学術分野全体にとっての重要な課題であるということが強調されていいのではないかと思った次第です。
以上です。
【安浦主査】 どうもありがとうございます。相澤先生は科学官もなさって、そういう予算の闘いもよく御存じで、その上での御発言だと受け止めておりますけれども、確かにそういうことをこの報告書でどこまで書いていいものかというのは、ちょっと悩ましいところがあるんですけど、そういうのをもう素直に言ったほうがよろしいんですか。
【相澤委員】 いや、ちょっと僕は、そこはもう分かりません。しかしながら、遠慮し過ぎているような気はするんですよね。全体に見るとやっぱり、最初の5ページ辺りのところでも、「計算科学全体の発展に果たした役割は大きいと評価されている。」と、こうなってしまっているので、計算科学だけの話ではないと思うという次第でもあります。実際どれくらいほかの方々がこれをありがたく思っているのかというインタビューをしたことはないですが、文科省のほうはそういうデータをお持ちなんでしょうから、付け加えてもいいのかなと。これは先ほどの話にありました経済発展のためのとかいうようなこととも関係するのかもしれません。要は波及効果という意味でのインフラの必要性ということです。しかし、最終的にこの報告書が何を言っているのか分からないものになってしまったら困りますので、無理にというわけではありませんが、ともかく一言述べさせていただければと思いました。
以上です。
【安浦主査】 どうもありがとうございました。ちょっと知恵を絞りたいと思います。ネットワークと、それからデータ基盤はフロンティア予算のほうで見てもらうというような形になっています。安定性から言えば、かなり不安定な形を取っている部分もあるんですけど、ある意味いろいろな分野の中での競争をやっているという感じではあるわけですが、この計算基盤、特にフラッグシップに関してはちょっと違うストーリーになっていることは、予算的にはそうかもしれません。ただ、こういう報告書の性格上、それをどう表現するべきかというのは私もよく分からないので、事務局、特に参事官と相談させていただきたいと思います。
【相澤委員】 そんなに下品に、何かほかの予算を使うべきだと書くというわけではなくて、もうちょっと、計算科学のための基盤ではないんだということをもう少し強調してよろしいんじゃないかなというふうに思ったという次第です。
【安浦主査】 分かりました。ありがとうございます。
事務局、何かこの辺、御意見ございますか。
【川口参事官】 ありがとうございます。確かにおっしゃるとおりで、我々いろいろな分野に役立つものとして整備して、そういった成果も出てきていると思いますが、どういった書き方がいいか、また検討の上、御相談させていただければと思います。
【安浦主査】 よろしくお願いいたします。
ほかに何か御意見ございますでしょうか。
小林先生、どうぞ。
【小林主査代理】 スライドについてですが、その最後のページにポスト「富岳」時代のイメージと書いてありますけれども、これはHPCI全体がクラウド化するということを示唆しているんでしょうか。それとも、望ましい像をお描きになったんでしょうか。全体が仮想化されてクラウド化して使えれば、それはユーザにとってはすばらしいとは思うんですが。
【宅間室長】 ありがとうございます。ここはポスト「富岳」、HPCIをさらに超えて、データ基盤とか、場合によっては大型の実験施設とか、また量子コンピュータとか新しい計算機というようなものも含めて、一体として運用されることが望ましいという、本文で言うとポスト「富岳」の定義というようなところで書かせていただいた内容を絵にしたものでございます。理想としては、ユーザのほうから見ると、こういうプラットフォームを介して使いやすいシステムになっているということが理想形なのかなというふうに解釈しまして、このような絵にしてみたところですけれども、いろいろ御意見をいただければと思います。
【小林主査代理】 理想形なのか、このような形の実現をHPCIに求めるのか、曖昧に感じました。
【安浦主査】 そこは逆にHPCI計画推進委員会のほうで、現実的にできるものを追求していただければと思いますけれども、この意味は、今の技術的な意味でのクラウドではない、もうちょっと精神的な意味合いでの、使いたい人が使いたい資源を、ちゃんとした権利さえあれば使えるという仕掛けで、しかもそこはデータの流通もスムーズにいっているという、そういう世界が最終形として一つ目指すべき、国家の情報基盤として目指すべき姿ではないかと考えます。その中での計算基盤を考えていく必要があるのではないかという意味での絵になっているのだというふうに私は理解しておりますけど、小林先生、いかがでしょうか。
【小林主査代理】 分かりました。じゃあ、目指すべきと、何か一言あったほうが良いように思いました。ありがとうございました。
【安浦主査】 ほかに何か御意見ございますでしょうか。特にないようでしたら、この中間まとめとしてはこういうところで、今日いただいた御意見をベースに少し修正をかけまして、特に量子コンピュータのところは、根本先生、藤井先生の御指導も仰いで、表現をしっかりさせていきたいと思いますし、その他いただいた御意見を反映した形で最終案を取りまとめていきたいと思っております。それでよろしいでしょうか。
あと、HPCIの戦略的な運用については、今後引き続きHPCI計画推進委員会においてさらに議論を深めていただきたいと思っておりますけど、こういう方向でよろしゅうございますでしょうか。特に御意見はございませんでしょうか。――はい。では、そういう形で進めさせていただきたいと思います。
中野先生、どうぞ。
【中野委員】 今のHPCIの戦略的な運用のところに関してなんですけれども、この中間取りまとめに関しては、そのHPCI計画推進委員会のほうで共有されて、フィードバックを頂戴できるとか、何かあるんでしょうか。推進していただくのはいいんですが、推進していただく側で多少、もし何か既に見えているものとかがあれば、うまくすり合わせをしておいたほうが、戦略的という意味ではいいのではないかなと。さっき相澤先生が御指摘されていたようなこととちょっと似ているのかもしれないですけれども、やっぱり出す方向性に関して、言葉の使い方とか合わせ方とか、あったほうがいいのではないかなと、ちょっと個人的には感じまして。
【安浦主査】 宅間室長、その辺の関係性、この部会の出す中間まとめがHPCI計画推進委員会にどういう影響を与えるとか、あるいはそちらからこちらへのフィードバックがどうかかってくるのか、その辺について御説明いただけますでしょうか。
【宅間室長】 参考資料の2で、これからの進め方で少し御説明をさせていただきましたけれども、2ページ目の辺りでございます。HPCI計画推進委員会で具体化をしていただいたものについて、次世代部会にその検討の結果を御報告いただき、それを踏まえて、この次世代部会の最終まとめに向けた議論を再開する予定にしております。そういう意味で、フィードバックはあるのかというところについて、フィードバックをしていただく予定で考えております。またHPCI計画推進委員会には、今、次世代部会でこのような議論がなされているということと、それを受けて、この夏に示される方向性の具体化をHPCI計画推進委員会のほうでしていただきますという御説明はしてございまして、そのために下部組織の設置もしていただいたところでございます。具体的には、この報告書の内容を御説明して具体的に議論を進めていくのは、恐らく、この後になりますので、9月ぐらいからのスケジュールで考えておりますけれども、状況については共有をさせていただいているところでございます。これでお答えになりましたでしょうか。
【中野委員】 どうもありがとうございます。ちょっと早とちりをして、失礼いたしました。
【安浦主査】 いえいえ、そこが一番大事なところで、ここで出しっ放しになって、具体案をつくる方々がこれを完全に無視されたら、我々何をやったか分かりませんので、そこはしっかり事務局のほうで、こちらの中間まとめに合わせて具体化を検討することはきちんとやっていただくということでお願いするというふうに私も理解しております。そして、その具体案が出てきたところで、こちらの部会としては最終まとめに、その具体案も含めた形でまとめていくと、そういう形にして、情報委員会に報告するという形を取らせていただければと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
ほかに何か御質問、御意見ございますか。
松岡先生が、手が挙がっています。松岡先生、どうぞ。
【松岡オブザーバ】 まず報告書は、いろいろ指摘事項はありましたけど、大変よくできていると思います。事務局及び委員の皆様、誠にありがとうございます。
それで、1つ気になったのは、先ほどの後藤先生や相澤先生の話にも通じますけれども、結局「富岳」から次に行くときに一番大きなゴールは、やはり今、社会に求められているSDGsだと思うのですね。例えばカーボンニュートラルだとか、電動車が増えていくだとか、これから長寿社会を実現したりとか、そういういろいろな、Society 5.0の達成すべきSDGsの目標があります。つまり、Society 5.0というのはいわばSDGsゴールのためにDXをするというのが基本なので、やはりそのSDGsゴールというのが物すごく大事であって、HPCの技術というのはそれを達成していくものであると。だから「富岳」の成果創出の19課題を見ても、一部は基礎科学なのですが、それ以外は、ほとんどやはりSDGsゴールに関するものなのですね、例えば新しい電池だとか、新しい創薬だとか医療だとか、気象、気候だとか災害とか。
それがやはり非常に大事だというのは、例えばアメリカの場合は、スパコンをそういうことにも使いますけれども、歴史的にはそれ以外もあるわけです。先日もDOEの会議に出席して、やはり物すごく米国のナショナルセキュリティというのが、強調されたような会議で、それはいわゆる国の防衛とか、核兵器管理とか、そういうところがばーんと前面に出ていました。今までもわかっていながら、なかなかやはり、そういうところのすさまじい、日本にはないゴール設定の強調には改めて非常にびっくりし、その明確さには一種の感銘をも覚えたのですが、もちろん日本ではそのような目標設定はできません。
やはり、今後日本がスパコンの競争力を維持し、世界貢献していくというのは、やはりそれがSDGsゴールに向けてというのは、最も高いレベルでの人類に共通する目標であるので、そういう概念というのはこの報告書に入っていくべきなのかなと。ところが、今、サーチしたけど、SDGsという言葉は全く報告書になかったので、何とか入れられないものかなというふうに思いました。
【安浦主査】 貴重な御意見ありがとうございます。その辺、前書きか後書き辺りにうまく取り込むようなことも、検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
ほかに何か御意見ございますか。よろしいでしょうか。
それでは、今日いただいたいろいろな御意見を中心に、中間取りまとめをまとめていきたいと思います。今後は事務局と主査に一任していただいて、まとめさせていただいて、必要があれば、最終案は一応皆様方にはお送りして、お目通しいただきたいと思っておりますけれども、基本的に今後の作業は事務局と私のほうでやらせていただくということでよろしゅうございますでしょうか。それをもう一度、メール審議までいかないと思いますけど、見ていただいて、御意見がもしあれば、そこは、細かな点は反映させていただくということで、先ほどの量子コンピュータのようなところは、本質的に、私も不勉強な点が多いので、根本先生、藤井先生のお力もお借りしながら書き直していくというふうにしたいと思います。それで、相澤先生からいただいた宿題も、なかなか難しいとは思いますけど、トライはしてみたいと思いますので、よろしく御支援お願いしたいと思います。
何か全体を通して御発言等ございますでしょうか。
宅間室長、HPCI計画推進委員会にこの委員会から入っておられる先生方はどなたでしたでしょうか。
【宅間室長】 参考資料2のほうに、別紙としてHPCI計画推進委員会の設置の趣旨等の資料をつけておりますけれども、別紙の2枚目にシステム検討ワーキンググループの名簿をつけさせていただいております。そこで下線を引かせていただいている先生方ですけれども、小林先生、田浦先生、常行先生、肥山先生がこちらのシステム検討ワーキンググループにもいらして、次世代計算基盤検討部会にもいらっしゃる先生になっております。
【安浦主査】 ありがとうございます。小林先生、田浦先生、肥山先生、常行先生ですね。小林先生、よろしくお願いいたします。こちらの議論をそちらでもしっかり反映していただけますように、よろしくお願いしたいと思います。
【小林主査代理】 はい。承知いたしました。
【安浦主査】 ほかに御意見ございますか。よろしいですか。
それでは、今日はちょっと時間は早いですけど、本日の議題は以上になります。委員の皆様方には本議題について、前の期から6回にわたって活発な御審議をいただきました。本当にありがとうございました。7年から10年先を読むというのはなかなか難しいんですけれども、こうあってほしいという期待と、それから技術的にどれくらいのことができそうかという予測と、その両面をいろいろな角度から議論させていただきました。そのまとめとして、本日のこの中間まとめをまとめることができました。委員の先生方の御協力に深く感謝申し上げます。今後も、この事業は今からいろいろなことがあると思いますけれども、先生方の御支援、御協力で、我が国の次世代の計算基盤をしっかりしたものにしていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
次回は、HPCIの計画推進委員会のほうで、今後の具体案の進め方、それから事務局のほうは財政当局からどれくらいのお金を来年度以降引き出せるかという、非常に大変な作業をしていただくわけですけど、そういうのが一通り見えた段階で、宅間室長、11月か12月になるんですかね。
【宅間室長】 具体的な時期はまた検討させていただきたいと思います。HPCI計画推進委員会での議論の進捗度合いにもよるかなというふうに思っているところですが、ある程度の内容を中間的にも御報告できるようになった段階、大体想定では年明けぐらいかなと今の時点では思っていますけれども、その辺りに一度、こちらの次世代部会のほうにも、HPCI計画推進委員会でそこまで議論したことの御報告ができるような形でスケジュールできればなと思っております。
【安浦主査】 ありがとうございます。こういうことで、この委員会としてはしばらくの間、お休みでございます。次回には、予算のこともある程度分かって、来年度予算ですけれども、その準備のためにどれくらいの予算をつけていただけるかということも、もうはっきり見えていると思いますので、そういうことまで含めて御報告いただけるのではないかと思います。
それでは、事務局のほうから連絡事項等ありましたらお願いいたします。
【川口参事官】 参事官の川口です。今日は実質的に中間取りまとめ、最後ということで、改めて事務局から委員の皆様に、昨年度来、様々な見地から活発な御審議を重ねていただいたことについて、改めて感謝申し上げたいと思います。本日もいろいろな御意見があった中で、やはり大事だったのが次世代計算基盤の意義というところです。科学技術・学術のいろいろな分野で役に立つ、そして産業競争力の強化だったり、気象、防災とかいった意味での社会的課題、あるいはSDGsの解決、そういった様々な観点から、やはり次世代にも計算基盤は必要であって、その中でフラッグシップが必要であるということで先生方から御提言いただいたということは非常に大きなことかというふうに考えております。我々文部科学省といたしましては、今回いただいた中間取りまとめを踏まえて、その辺の検討の具体化を進めていくとともに、必要な取組を、先ほどお話あったとおり、予算要求も含めて進めてまいりたいと思います。また、そういった進捗をこちらとしても報告していきたいと思いますので、今後とも先生方におかれましては御指導いただければと思います。
以上、簡単ではございますが、我々からの御礼の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。
【宅間室長】 ありがとうございました。
【安浦主査】 どうもありがとうございました。参事官もお替わりになって、まだ日が浅いかもしれませんけど、ぜひ、予算獲得も含めて、よろしくお願い申し上げます。
それでは、少し時間が早いですけど、本日の次世代計算基盤検討部会はこれにて閉会といたします。先生方、どうもありがとうございました。