ジャーナル問題検討部会(第6回)議事録

1.日時

令和2年9月29日(火曜日)14時00分~16時00分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. ジャーナルに係る課題について
  2. その他

4.出席者

委員

引原主査、竹内主査代理、小賀坂委員、尾上委員、倉田委員、小安委員、高橋委員、谷藤委員、林和弘委員、林隆之委員

文部科学省

塩崎大臣官房審議官(研究振興局担当)、橋爪参事官(情報担当)、三宅学術基盤整備室長、土井参事官補佐

オブザーバー

阿部 前国公私立大学図書館協力委員会委員長、筑波大学副学長・附属図書館長、上保 国立国会図書館利用者サービス部科学技術・経済課長、須田 国公私立大学図書館協力委員会委員長、慶應義塾大学メディアセンター所長、平田 大学図書館コンソーシアム連合事務局長、国立情報学研究所学術基盤推進部図書館連携・協力室長

5.議事録

○本検討部会運営規則第4条第三号に該当するため、前半部分は非公開。
【土井参事官補佐】
資料3、これまでの議論まとめ(中間まとめ)案、こちらから公開とさせていただきます。本日の傍聴希望の登録は61名となってございます。報道関係者の方からも登録がございます。傍聴者の方々におかれましては、忘れずにビデオのオフとマイクのミュートをお願いしたいと思います。
以上でございます。
【引原主査】 ありがとうございます。それでは、後半の方、公開のパートを進めさせていただきますが、今御説明ありましたジャーナル問題検討部会のこれまでの議論のまとめ、中間まとめの案がここへ出ております。これにつきまして、事務局より説明をまずよろしくお願いいたします。
【三宅学術基盤整備室長】 事務局でございます。ジャーナル問題検討部会については、今回、第6回を迎えまして、特に前半の1回目は全体の俯瞰、2回目において議論の流れについて整理をさせていただきまして、特に短期的課題、中期的課題、長期的課題、この会期における課題について整理させていただいたところでございます。これまで3回以降、特に短期的課題としましたジャーナルの購読料価格の上昇の状態及びAPCの負担増につきまして一定の議論が進んだという状況でもございますので、今般、ジャーナル問題検討部会の議論のまとめとして中間まとめ案を作成いたしました。これについて御議論、御意見をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、資料3を用いまして、概要を事務局から御紹介させていただきます。
まず、はじめに、でございますけれども、令和2年1月から第1回を開催して以来、6回開催しまして、議論を行ってきました。本取りまとめは中間的に取りまとめるものという位置づけを書かせていただいております。
2は議論の流れの経緯でございます。これまで従来の購読料上昇の常態化にとどまらず、APCなど、より論点が拡大・複雑化して、論点も多岐にわたっているという状況があり、論点を明確化し、各論点ごとに集中して議論するため、ジャーナルの購読価格上昇の常態化及びAPC負担増への対応を短期的な課題、オープンアクセス化の動きへの対応、研究成果の発表・公開の在り方を中期的課題、研究成果の発信力強化の在り方、論文数のみに依存しない研究者評価の在り方を長期的課題として、この検討会での課題と位置づけまして、これらの議論を踏まえて、特に短期的課題について先行して議論を行ったところでございます。本中間まとめでは、カレントファイルの購読価格、論文へのアクセス環境を維持するためのセーフティネット、交渉力強化、APCの項目で論点の整理を行ったところでございます。
まず、3、カレントファイルの購読価格について、でございます。カレントファイルの購読価格については、これまで繰り返し議論がされており、直近では平成26年8月のジャーナル問題検討会の報告書でも取りまとめが行われているところでございます。報告書においては大学の取組の方向性を示唆しておりまして、本検討部会においても大学の取組等のヒアリングを実施し、議論した結果、改めてその必要性について確認し、再度言及することとしております。平成26年の報告書では、以下のとおり示されているということで引用させていただいております。
ジャーナルの購読契約の見直しについては、1つ目としてデータを取ること、2つ目として必要とするジャーナルを把握すること、3つ目としては予算の裏づけを明確にしておくこと、4つ目については、ルールを明確にすること、5つ目としては情報をオープン化することが重要である、各機関での取組事例、情報などを可能な範囲で共有することが有用であるとされているところでございます。
その上で、これらジャーナルに関しては多様な購読・契約形態が可能でありますので、それぞれの置かれた状況を考慮した上で、最も合理的なものを各大学が判断し選択することが求められている。必要なデータを収集、情報提供等については、大学の図書館が責任を持って行い、機関内で意思決定者と十分な情報の共有を行う必要があると。それだけではなく、大学間の広範な連携・協力を積極的に進めることが重要であるとしているところでございます。
つまり、研究機関においては、自機関の契約内容が無駄のない契約であるかどうか見直すために必要なデータを収集した上で、各機関の特色、研究戦略、基盤の整備方針等も踏まえて、最も合理的な契約形態を判断することが必要である。大規模なパッケージ契約、ビッグディールでございますけども、これについては、タイトル数が大幅に増大するものの、合理的な契約ではないという指摘もございますが、各機関の検討の中で、それが合理的ということであればそれを選ぶことも選択肢の一つであるとしております。
自機関の契約が最も合理化であるかどうか判断するための収集すべきデータについては、ヒアリングした事例を以下に挙げさせていただいております。どのようなジャーナルが必要であるかを把握するために必要なデータの例としまして、ジャーナルの利用及び論文の投稿実態の把握として、タイトル数、ダウンロード件数、購読誌と非講読誌の割合、よく引用されるタイトル、オープンアクセスにした論文数、グリーンOA、ゴールドOA別であったり、利用に係るコストの把握として、購読単価、ダウンロード単価、ビッグディール及び個別タイトル契約の場合の各値上げ率、APC支払額、経費の種類、財源等が考えられるとしております。また、データ収集の方法としましては、利用可能なデータベースから抽出をすること、出版社から必要なデータを入手すること、収集・分析用のソフトウエアを導入すること等が例示されているところでございます。
各機関におかれましては、これらの分析に必要なデータの収集を行い、最も合理的な契約形態の判断に向けて組織体制を構築する必要があるとしております。なお、幾つかの大学と研究機関においては、この分析の結果、ビッグディールの解体を選択する機関も出ている、解体して終わりというわけではなく、解体後の取組例としまして、ジャーナルの利用状況のモニタリングということで、アクセス件数やアクセス拒否件数、ILLの件数、また、代替手段の検討・確保ということでセーフティネットの検討、タイトルの見直し・選定、Pay per viewの検討というものを挙げさせていただいております。
ビックディールを解体する場合、論文にアクセスできなくなるのではないかという研究者の不安、不便さを軽減するということにおいては、図書館においては、代替物へのアクセスの方法の紹介や保持しているバックファイルの範囲の明示といった取組が重要であるとしています。アクセス手段については、プレプリントや論文単位の購入等、代替手段としてILLしかなかった時代と比べて条件は広がっているという状況がございます。
また、これらの内容につきましては、既に図書館だけでは検討できる問題でなくなっており、大学全体の研究戦略として検討すべきである、また、同様な問題は国立研究開発法人でも同様な問題が顕在化している、各図書館間で、ILLをはじめ連携することが必要であることから、1つの図書館の取組だけで解決できる問題ではないとさせていただいております。
続きまして4ページ目からはセーフティネットについての記載でございます。上述のようなエビデンスデータに基づき、合理的な契約形態の判断がなされると、結果的にアクセス環境が大きく変わると想定されます。そのため、契約形態変更後にアクセスできなくなる部分についてどう補うのか、セーフティネットの在り方の議論が必要となります。その際、永続的なアクセス確保とカレントファイルの部分の組合せを考えることが重要です。ビッグディールを解体すると全ての論文にアクセスできなくなるという誤解を招きやすいですが、出版社や契約内容によって異なるものの、これまでの講読誌として契約した部分について、永続的なアクセス権が保証されていることを丁寧に説明する必要があるとしております。
また、各機関がどのようなバックファイルを保持しているかという情報が十分共有されていないという状況があり、今後、情報を共有した上で、どの機関も保有してない部分をどのように補うのか、そのような検討が必要であるとしています。また、セーフティネットの在り方については、バックファイルの整備のみならず、機関リポジトリ等への論文登載(グリーンOA)することや、ILLを活用すること等を含めて、図書館に閉じず、国立国会図書館等も対象に国全体としての議論が引き続き必要であるとさせていただいております。
4番目、交渉力強化の観点でございます。大学のジャーナルの契約においては、大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)が2011年4月に発足して以来、複数年契約などの工夫をしながらカレント購読の価格上昇の抑制を図ったり、バックファイルをナショナルサイトライセンスで購入したりするなど出版社と交渉を続けているところでございます。しかしながら、個々の契約ではその交渉の成果が反映できていても、全体的な傾向としては価格上昇の歯止めには至っていないという状況がございます。
JUSTICEの交渉力としては、会員館、その数の大きさを強みとしている一方で、出版者との契約は最終的に各館の判断に任せるため、JUSTICE自体に契約権限がないという弱みがあり、また、会員館である大学の規模や特色、要望が多様であるがために交渉力が弱まっている部分もある。会員館が多様化する中で、各館の規模、特徴に合わせた契約モデルを選択できるようにするなど、多様化に対応した工夫ができていない状況であり、JUSTICE内においても、交渉の在り方、契約モデルの示し方等について検討する必要があるとしております。
また、JUSTICEの交渉力強化のために、構成員を変えていくことや、交渉の際に大学等の規模、特色でまとまるなどのアイデアが本検討部会に出されており、引き続き交渉組織の在り方についての議論は必要であるが、これらの活動のみで交渉力が強化されるわけではなく、各機関が組織としてJUSTICEの交渉活動方針を支持し、支えることが必要であるとしております。各機関のジャーナル選定等の検討を行う内部組織において、図書館関係者だけでなく、経営層を巻き込んだ組織形成を進めるなど、JUSTICEと大学等研究機関の両方向から連携していくことが第一歩として考えられる。
また、ジャーナルについて検討を行う組織においても、その組織の代表者レベルで交流する場を設けることも組織を超えた連携につながる一方策であるとしております。なお、JUSTICEにおいては、収集したデータのフィードバックをより一層充実し、情報の共有化を図るべきであり、情報を得た各会員館においては、情報を図書館内でとどめず、大学等の経営層にも共有し、議論を進める必要があるとさせていただいております。
続きまして、5番目、APCについてでございます。オープンアクセスについては、その方法として、APCを負担することによりオープンアクセスを選択する方法としてゴールドOA、機関リポジトリ等に登載し、公開する方法としてグリーンOA等がございます。オープンアクセスを推進する意義としては、単にジャーナル価格の継続的な上昇への対応措置という側面だけではなく、研究成果の共有と利活用を促進し、費用対効果を上げるとともに、学際的な研究を促し、イノベーションの創出を促すという側面がございます。我が国におきましては、上述の報告書も含めて、学術情報委員会において審議まとめの中に、グリーンOAの推奨及びオープンアクセスジャーナルの育成を図ってきたところでございます。特に、審議まとめにおいては、公的研究資金による論文については、原則公開とすることを第5期科学技術基本計画期間中に実行すべきであるとしておりますが、それが我が国の研究者等にオープンアクセスの意義が十分に浸透しているとまでは言い難いという状況がございます。引き続き理解を促し、科学者コミュニティーに定着させることが肝要であるとしております。
諸外国、特に英国では、国の施策として、ゴールドOAを推進するという方針が出ておりまして、特に英国においては、ゴールドOAジャーナルへの投稿が明らかに高くなっているという状況がございます。このような政策の在り方の背景としましては、国内に強力な学術出版社が存在し、産業的にも支えるという意図が内在しているため、そのような出版社を持たない我が国において、単純に同様の政策を取ればいいというものではない、としております。
また、APC補助を行う場合は、少なからず研究者の論文投稿行動に影響を及ぼすことになるが、研究者自身の研究成果をどこで発表するかというのは、研究者の基本的な権利であり、この行動に影響を与えてしまうことは望ましいことではなく、慎重に考えるべきであるとしております。ただ、現状、競争的研究費の直接経費においても間接経費においても、研究成果の発表に係る経費として支出可能となっており、また、改めてそのことを理解する必要があると書かせていただいております。
研究成果をどこで発表するかという行動は、研究評価と切り離せないものであるから、インパクトファクター等の特定の指標に依存する研究評価の在り方についても見直しが必要である。本検討部会においても、研究成果の公開、発信と研究評価の在り方の観点から提案していくことが必要という意見が出ているという状況でございます。
また、我が国においては、各機関がAPCを誰がどのような経費でどのくらいの金額を支払っているのかということが把握できていない状況である。Read & Publish契約等の新しい契約形態について出版社と交渉に当たりたくとも、自機関の状況を把握しないままでは机上の空論で交渉せざるを得ないという状況もございますので、各機関においては、早急にAPCの支払い状況を把握すべきであるとさせていただいております。
最後に、6番目、今後の議論について、でございます。ジャーナルはこれまで情報交換や研究成果公開の主要な場でありましたが、昨今の研究プロセス全体のデジタル化が進む中、研究分野によってはプレプリントが主流になるなど、研究成果公開の場も多様化している。また、オープンサイエンスの潮流に伴って、論文という形式化したものだけではなく、研究データそのものを含めた取扱いが非常に重要視されている。このような流れを受け、商業出版社のサービスはジャーナルを出版するだけではなく、研究活動サイクル全てに関わるサービスを展開し始めている。そのため、もはやジャーナルのみを対象とした議論をすることはできない状況となっております。
また、冒頭の記載のとおり、ジャーナルを取り巻く問題は拡大・複雑化しておりまして、引き続き中期・長期の課題としたオープンアクセス化への動きへの対応や研究成果の発表・公開の在り方、プラットフォームの在り方、研究成果の発信力強化の在り方・研究者評価の在り方等について検討を進める必要があるとさせていただいております。
私からは、中間まとめの概要については以上でございます。よろしくお願いいたします。
【引原主査】 ありがとうございます。そうしましたら、ただいま御説明いただきました中間まとめにつきまして忌憚のない御意見をいただければと思います。ノイズがかなり気になるんですけれども、傍聴の方でマイクが入っている方がいらっしゃらないかだけ確認させてください。もし傍聴の方でマイクが入っていらっしゃる方は即切るようにお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
では、御意見、よろしくお願いします。
【小安委員】 よろしいでしょうか、手を挙げておりました。
【引原主査】 どうぞ、小安先生。
【小安委員】 事務局にまず質問したいのですが、定義を確認させてください。このまとめの中で、「大学等研究機関」と書かれた場合には、国立研究開発法人や公立の研究機関等も入っているという理解でよいのでしょうか。それから、「大学等」としか書いてない場合にはそれらは排除されているという理解で良いのか、この定義をまず教えてください。
【三宅学術基盤整備室長】 では、事務局から回答を差し上げます。大学等研究機関というときに念頭に置いているのは、国立研究開発法人も含めた研究機関を想定しております。大学等と言った場合、すみません、どこかというところもあるのですが、大学の場合は大学と大学共同利用機関法人をイメージしております。
【小安委員】 大学等研究機関という言葉が複数回出てきますし、3ページには、国立研究開発法人が出てきています。一方、4ページの下から3行目と5ページの5ポツの直上の2か所に「大学等」というのがあって、そこには研究機関と入ってなかったので、一応確認させていただきたいと思って伺いました。
【三宅学術基盤整備室長】 ありがとうございます。
【小安委員】 分かりました。質問はこれから考えます。
【引原主査】 ちょっと表現のぶれがあるかもしれませんので、そこは確認が必要かと思います。
【三宅学術基盤整備室長】 この点について補足しますと、こちら、交渉力強化の部分はJUSTICEの会員館をイメージして書いておりますので、あえてそこは「大学等」とさせていただいたというところではございます。
【小安委員】 そのちょっと上、5ページの上から4行目に「JUSTICEと大学等研究機関が両方向から連携していく」という言葉があるので、ちょっと混乱しました。ここは国立の研究所も入れて考えているのかどうかというところを確認したかったので、定義を伺いました。
【三宅学術基盤整備室長】 分かりました。ありがとうございます。
【引原主査】 ありがとうございます。
【小安委員】 こだわりがありますので。
【引原主査】 では、先に手を挙げていらっしゃる阿部先生、どうぞ。
【阿部オブザーバー】 どうもありがとうございます。この報告書の6ページの一番上なんですけれども、APC補助を行う場合、という2段落目があって、ここに書いてあることは慎重にという趣旨なんですけれども、APC補助というか、Read & Publishが補助なのかどうなのかよく分かりませんけれども、そこら辺との兼ね合いはどんなふうに考えればよろしいんでしょうか。
【引原主査】 これは誰に対して、事務局にお聞きになっていますか。
【阿部オブザーバー】 事務局になるんでしょうか。個別の話ですみません。ちょうどRead & Publishのところの説明があった後だったので。事務局ですか。
【引原主査】 いや、これは事務局じゃなくて、全体としてどう考えますかという話。
【阿部オブザーバー】 そういうことですね。そうだと思います。結局、こういう報告書的なものを、報告書、取りまとめ、お出しされるときに、いろいろ取りまとめて書いてくださっているので、非常にまとまった形になっているとは拝読させていただいているんですけれども、なかなかはっきりした言い方を、本当はすべきなんでしょうけれども、するといろいろ、参考までにするのかなという一例なのかなという気もするんですけれども。
【引原主査】 おっしゃることはよく分かります。ちょっと個人的見解になるかもしれませんが、そうなるんですけれども、今回あるいは前回の委員会での御報告なども含めますと、まだAPCというのが大学全体で持つかどうかが疑問視されているのではないかなと思います。契約モデルの場合は大学全体の研究者が関わりますけれども、APCというのは個人の研究者になりますよね。その部分までを大学が持つのかどうかという議論は、どこもまだ定まってないんじゃないかなということです。ですから、ここは議論のしどころではないでしょうか。いや、それ、私が答えてよかったのかどうか分かりませんけれども、私はそういうふうに思います。
【阿部オブザーバー】 ありがとうございます。そういうことを私も思っているんですけれども、5ポツにAPCについて、という非常に大きな項目がありますので、そこに書かれたことは非常に大きな意味を持つのかなと思って……。
【引原主査】 そうですね。分かります。
【阿部オブザーバー】 その関係ではありますけれども、ちょっとここにどういうふうにかかってくるのかなというのは、A案B案みたいな形で書ければいいんでしょうけど、何かこうだなという感じでもし書くとすると、かなり影響力がありそうな気がしたという意味なんですけれども。
【引原主査】 そうですね。ここは議論のしどころですね。ありがとうございます。
その前に御質問いただいています倉田先生、御質問というか、手を挙げていただいています倉田先生、よろしくお願いします。
【倉田委員】 ありがとうございます。倉田でございます。今の引原先生の言葉にもありますように、全体の構成として、まずビッグディールの問題がある。このビッグディールに関連して、セーフティネットと交渉力強化の問題があるということと、それとは別にAPCがあるという構成でいきたいということでよろしいんでしょうか。全体構成に関して、一応それでいいということであるならば、やはり今、引原先生がおっしゃったように、ここでどうして5番目でAPCが来るのかという点に関して、大きな文脈として最初に、今、だからビッグディールの問題を話し合っていた次に、どうしてAPCの話を持ってこないといけないのかという形での書き方にしていただいた方が意図がより伝わると思います。オープンアクセスとは、という話は書いてもいいのですが、さすがにこれはもう分かっていることを前提に、その状況でどうしてビッグディールとAPCなのかということを説明した方がいいと思います。後半5番(APC)のところが、がらっと立場が違う形で書いていらっしゃる、全体の中でかなり違和感を抱いたところでした。そこのところは、皆さんでということだと思うのですが、今後議論していただいた方がよろしいんじゃないかと思いました。
もう1点は細かいことですけれども、3ページ目の適切な判断をするに当たってのデータ収集というのは分かるのですが、ここに、やはりAPC支払額の話が入ってきていて、データ収集方法の例として、収集・分析用のソフトウエアの導入というような話だけになってしまっていると、矮小化されてしまう感じがします。図書館でも既に、ジャーナルのアクセス件数などであるならば、どなたでもやっていらっしゃることですし、データベースや出版社から手に入れるということで何の疑問もありません。しかし、APC支払額と経費の種類をここに入れるとなると、かなり違う形での情報収集をしないといけないという話になるはずなのに、そういうことがあまり説明がありません。一般的に図書館が集めてきたようなデータのところに、データ収集の対象としてはAPCがすっと潜り込んでいて、それでいてAPCの話は5番目にしか出てこないというのは、違和感があります。ここのところ、ビッグディールの解体に当たって、要するに、今、ビッグディール以外のモデルがあるということはもうちょっとはっきりと書かないと、今、何を考えなければいけないのかというところが全然出てこなくなってしまうと思います。APCとか、Read & Publish契約がいいということを書く必要があるのではなくて、考えるに当たって、いろんなことを考えないといけなくなっているということまでは書いていただいた方がよろしいんじゃないかと思いました。
以上です。
【引原主査】 ありがとうございます。非常に本質を突いていて、流れがどこへ向かっていくか、今のところでかなり決まってくると思うんですね。ですので、これからそれも含めて議論させていただければと思います。
【倉田委員】 はい。
【引原主査】 順番に行かせていただきますけども、林さんかな。
【林(和)委員】 今、倉田先生のコメントに触発されて、その流れからコメントをしたいのですけれども、多分、この中間まとめ案で言及していないのは、オープンアクセスやオープンサイエンスの潮流があるにもかかわらず、依然、購読費モデルを使ったビッグディールというものが学術情報流通において、依然大きな存在であるということがちゃんとまだデータとして伝わってないという点で、報告書の前段として多分その背景記述が必要じゃないかなと思うに至りました。
それで、まず、前提の背景としてこういう(購読誌に関連する)問題があって、その一方、進んでいるオープンアクセスでもAPCの問題があるみたいなストーリー立てが必要かと、つまり、キーワードやトピックは全部並んでいるんだけれども、ここから先は倉田先生と同じことを言うだけなんですけど、それを説明する腹落ちするストーリー立てが必要で、そのために、先ほどのような購読モデルが、今現在もメジャーである点をデータとして、よしあしに関わらずファクトとして示すということが大事と思った次第です。
それで、もう一つは、事務局への質問というか、御提案かつ、委員として皆で考えなきゃいけないなと思うところなんですが、APCのところで、末尾において、「各機関においては、早急にAPCの支出状況を把握すべきである」というところがございますが、これは非常に大事な点ですけども、この問題意識は各研究機関ですでに持っていながら、各研究機関それぞれが苦労していて、かつ、それを国、日本としてまとめて議論をしようとするのに苦労しているということをすでに把握している状況において、もう一歩何か踏み込むことが可能なのか。つまり、経理の把握の仕方において少し、行政用語がちゃんと出てきませんけど、何らかの形で通達なりするなどして、そういう通達類が出た方が多分、大学事務側もかえって動きやすいと思うので、その辺の設計図、デザインをうまくやることによって、結果的に日本のAPCがちゃんと把握できるようにするという、何かもう一歩踏み込むことが書けるとより実効的と思います。これ、半分、我々にかかってくる議論になるのかなと思いながらも、一応提案させていただきます。
以上です。
【引原主査】 ありがとうございます。まず、コメントだけ皆さんからお聞きすることにしまして、先に手を挙げておられた谷藤先生、よろしくお願いします。
【谷藤委員】 谷藤です。私もこのまとめ、中間のまとめなのでと思いながら読みつつも、この段落構成がどうも解せないなと思いながら、その違和感を倉田先生がずばっとつかれて、うん、そうそうと思いながら拝聴しておりました。
というのは、これはAPCのことを議論する目的の検討ではなかったと思うので、このAPCを図書館、ジャーナル購読問題にひも付けるのか、研究、オープンアクセス、公開、知識共有に結びつけるのか、どちらの文脈かというのは、これは書きぶりによっては、何か分かったような分からないようなレポートにはできたとしても、もうこの2020年の段階でその話をするのは、やっぱりちょっともう時代遅れじゃないかなと思うんです。
その意味で、特にAPCはと出てくるところが、どうしてここにこれが出てくるのかなと思うのに、結論を読むと、だから、いろいろな課題があるので、全部を引き続き検討していかなきゃいけないんですって落ちていったので、あれっ、これはどうするんだろうというのが、どこに向かって、どの結論を出すとみんなが納得する、あるいは先に進むのかというところが、やはり命題設定がぶれているように思う次第なのです。
提案なんですけれども、もちろん否定していただいてもいいんですが、もう図書館、ジャーナル高騰、ポスト高騰のためのオープンアクセス、APCじゃなくて、研究成果をより普及していく、だからオープンアクセスにするとそれがもっと普及される。だから、そういう基盤をきちんとしていこうよというふうにちょっと歩みを進めるべきなのではないかと思ったときには、もしもAPCの調査をするというのであれば、それは各研究プロジェクトでも、あるいは科研費でもいいと思いますけれども、研究資金の中で論文発表に使ったお金は例えば何%で、その中でオープンアクセスにしたものは、多分かなり選ばれたものしかオープンアクセスにはできないはずなので、つまり研究資金を多く食ってしまいますから。そこが例えば何%で、だけど、そのうち一部はたまたま図書館が既にオープンアクセス権を持っていたので研究費を食わなくて済んだというように、研究費の中での、つまり研究の中でのオープンアクセスという位置づけをここで改めてした方が、やっぱり先に進めるんじゃないのかなというふうに思います。
これは物質・材料研究機構の中でも調べてみると、オープンアクセス率が少しずつじりじり上がっているんですが、まずほとんどが研究費の中で賄われています。図書館で買ったものを使うという例は、図書館が営業すればそれは使うんだけれども、それはもったいないから使うのであって、何もフラットにした場合には、決してそれは有効ではないというのが経験しているところで、むしろ研究費60万円もらったとしたら、その60万円のうち、オープンアクセスにしてでも是非普及したいというのがどのくらいの需要なのだろうかというところを少し定性的、あるいは定量的に明らかにしていくという方向に向かうような、何かこの中間報告にならないのかなというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。
【引原主査】 御意見としてまず。あまりにも最初から方向づけを私はしていないので、皆さん方の御意見をまず聞いてしまいたいと思います。
次に手を挙げられたのは、竹内先生挙げておられたんですけれども、消えてしまいましたか。小賀坂さん、挙げられていますよね。
【小賀坂委員】 科学技術振興機構、小賀坂でございます。
引き続きAPCの話題で恐縮なんですけれども、阿部先生、倉田先生がビックディールの件とどう絡むのかという問題提起をなさいました。私はこの文章を読んでいて思ったのは、それから、阿部先生からまさに御定義あったとおり、今やAPCを賄う手段としてのRead & Publishモデルという位置づけもあるわけですから、既存のPublishモデルというのは、どうせ機関として収入源にかかわらず支出しなければいけないAPC、これをジャーナルの購読契約に埋め込んで自助努力で節約したと、そういう例だと捉えるならば、APC支出問題というのは、ジャーナル購読の財政問題の一端として捉えるのではないかと。ですから、この文章におけるAPCの位置づけの1つはそういうトーンがあり得るんじゃないかなというふうに拝聴しながら思っておりました。
一方で、このAPC支援の問題は、一定程度重く受け止めた方がいいんじゃないかなと思います。と申しますのは、文章にも書いてありますけれども、APC補助が研究者行動に影響を及ぼすということ、これは確かでありまして、必ずしもネガティブな方向ではないと思うんですけれども、例えばAPCの支援を行うことで、高額なAPCが故にある種の論文雑誌への投稿を忌避するような、そういう負の側面の解消にはなるでしょうし、一方で、谷藤さんから示唆があったとおり、フラットなAPC支援というのは投稿行動に関するモラルハザードを生むかもしれないというネガティブな側面もあると。それからもう1つは、国がAPC支援をすることで、いわゆるAPCへの高騰に歯止めがかからなくなる懸念があると。つまり金が出てくるわけですから、雑誌社がAPCの価格設定に悩む必要がなくなるわけです。というように、APC支援というのは結構大きな政策課題の1つなので、これはこれで何らかの議論というか考え方の整理というのはなされる価値は依然としてあるのではないかと思います。
委員の皆さんおっしゃるとおり、ビックディールの問題と直接関係してということではないにせよ、やはり何らか定義をしていく価値はあるのかなというふうに思って拝聴しておりました。
以上です。
【引原主査】 ありがとうございます。
引き続き御意見をお聞きしていきます。先に挙げられた尾上先生、どうぞ。
【尾上委員】 ありがとうございます。ほかの先生方とも結構近い意見になってしまうんですが、僕がもしこれを書くとしたときの構成で考えると、最初に購読価格についてというのがありますけれども、価格だけの話ではなくて、価格は当然上がっていっているという話と、モデルが多様化しているという話を申し上げて、その次に、データの収集分析というのはちょっと別にした方が僕はいいかなと思っております。例えばその後、APCというような考え方も含めて、かなり広い概念で考えないといけないということを言った上で、やっぱりきっちり皆さん、非常に細かく分析されているところから、全然、価格だけ見て考えておられるところまであると思うんですけれども、やっぱり正確なデータ分析と、それに基づいたそれぞれの方向性の判断というところが必要になってくるのかなと。その上で交渉して、交渉の先にセーフティネットなんて、そういう何か流れの章立てだと、読んでいて何となく分かりやすくなるかなというふうに思います。いろいろな多分まとめ方があると思うんですけれども、もし自分がまとめるとそういうふうな形かなと思いました。
【引原主査】 ありがとうございます。
小安先生、先に挙げられていたと思います。
【小安委員】 ありがとうございます。大分かぶってしまうかもしれませんが、私もこれをもう1回読んでみて、最終的に何が結論になるのかよく分からないというのは感じました。これは中間まとめですから、最終まとめに向かってということだと思いますが、引き続き検討することが必要だ、みたいなことが何回も出てくると、そのまま終わってしまうのではないかと、気になっています。
例えば交渉力の強化等々と書いてはありますが、その中に、各館の規模や特徴に合わせた契約モデルみたいなことが出ているので、これまでのやり方はもうやめて、また別の形態を作るという提案になるのでしょうか。それともさっき谷藤さんがおっしゃったことに私も同意しますが、結局のところ研究者がどうやって情報を発信していくかということが一番重要なポイントだと思いますので、その方向に強調されたものとして、今日もお話がありましたRead & Publishで今後考えていくという方針を出すのでしょうか。それとも結局、引き続き検討しましょうで終わってしまうのか、そこら辺がとても不安になります。何を最後に言いたいのかというところをはっきりさせた方がいいような、大変失礼な言い方で申し訳ありませんが、そんな印象を持ちました。
以上です。
【引原主査】 ありがとうございます。
林隆之先生、よろしくお願いします。
【林(隆)委員】 皆さんがおっしゃったとおりの感想を私も持ちました。最初のところで短期、中期、長期という形で区分けをしていますので、最初にビックディールの話とか、ジャーナルの価格の問題を議論するよという話にはなっているんですが、まず前半のところについても、結局誰に対して何をする、国は何をするのかという、そこの話がよくクリアじゃなくて、読む限り、大学とJUSTICEについてこういうことをしたらいいですよということを言っているように見えるんですが、そうすると国は何もしないのかという、そういう感じに読めるんですが、その上でAPCの話が出てきて、5ページのところで、既に学術情報のオープン化の推進についての審議まとめで、グリーンOAの推奨及びオープンアクセスジャーナルの育成を図ってきて、5期基本計画中に実行すべきであるとしているが、浸透しているとまでは言い難いと書いていると。結局、計画で上げていたものが実行されていないと言っているんですが、そこの続く話が6ページまでのところで、イギリスの出版産業の話になってきて、やや、逆にネガティブに、日本はイギリスをまねるべきではないということで、何か後退する話が書いてあるように見えるんですけれども、でも、ここで書いてあるのは、例えばオープンアクセスの意義が十分に浸透していると言いにくいと。研究者にオープンアクセスの意義が十分浸透していると言いにくいというのは、もちろん研究者個々のレベルの話もありますが、やはり国が、あるいはファンディングエージェンシーが明確に方向性を示さないから研究者が乗ってこないという話だと思うんです。
6のところでは新しい話としてプレプリントが主流になるとか、プロセスにおけるデータの共有化の話とかも出てきていますので、その新しい状況の中でオープンアクセスの推進という今まで進まなかったものをどう次に展開させるかということについての国としての方針を次に出せればいいなと思います。中間まとめですので、ここに今書けるという状態ではないと思いますけれども、そういう方向について議論をしていくということが書ければいいんじゃないかなというふうに思っています。
以上です。
【引原主査】 ありがとうございます。
池内先生、よろしくお願いします。
【池内学術調査官】 学術調査官の池内です。
さきに谷藤さんがおっしゃったように、やはりこの話をどこに持っていくかという大きな芯のところを、やっぱり中間まとめとかではっきりと示していただけると、倉田先生がおっしゃったように、この、よく分からないというか、今の立てつけのところがはっきりと読めるようになるのではないかと思いました。
そのときに谷藤さんがおっしゃったように、やはり研究者が研究成果をしっかりと自由な形で発信していく、それを下支えするというような形がいいんじゃないかというところに1票入れたいと思います。
今回、Read & Publishとかいろいろな形が出てきて、今後も恐らく海千山千の商業出版社からはいろんな形の出版モデルというのが出てくると思うんです。そのたびにやっぱり議論が振り回されるというのは、ちょっと納得がいかないというか、そうではなくて、もうちょっと大局的にといいましょうか、やはり一番の目的は、科学、学術というのを進展させていくことであり、その研究者の研究成果を発信していくことなんだという強いメッセージがあると、後々の議論の核にもなるんじゃないかなと思った次第です。
以上です。
【引原主査】 ありがとうございます。
小安先生、手を挙げられていますか。違いますか。林先生、手を挙げられていますか。違う。阿部先生。
【阿部オブザーバー】 すいません、私、手を挙げました。
崇高な話じゃなくて、ちょっと露骨な話になるのかもしれないんですけども、OA2020というのがありましたというか、ありますという話があったときに、あれの論理構成というのは、ビックディールに対して、いつの日かフルOAになれば76億ユーロのものが40億ユーロになるので、結果的に値下げと同じですよという、そういう論理構成もあちらこちらで思ったんですけども、そういうふうなものが大きく見てどうなのかという話があるのかなと思っているんですが、結局2つ問題があって、価格交渉の常態化ということと、それに実は現段階ではAPCが乗っかっちゃっているということで、さらにお金が発生しているという、ちょっと現場サイドの、私担当の学校、そういう話ではないんですけれども、そういうのからあったときのちょっと即物的な話にはあるんですが、それに対してどうするのかという、ある意味、そんなに長期じゃない判断を迫られているというのと、もしOA2020が2020じゃなくても、先々そういうあるべき姿、理想がビックディールじゃなくても、そういうものに対してOAが効果があるということであれば、そういう論理構成になるでしょうし。
ただ、その一方、現実的にビックディールを解体しますという話があったときに、やっぱりセーフティネットどうですかという話がここにかなりしっかり書いてあると思いますので、その上で価格交渉能力をどういうふうにしていって、結果として現段階の価格交渉に対してどう対応するのか、それは先ほど国のという話もありましたけど、要するに横のつながりとか国のつながりがないと多分難しいだろうというのは欧米の、今それでも苦戦しているという状態にあると思いますので、やっぱりそこがあるのかなというふうな御提案とか、その上でそういうビックディールなり価格上昇の常態化なりに対する対応というか位置づけ、先ほどお話ありましたけれどもAPCという、そういう立てつけなのかなというふうにはちょっと今、素材としての中間まとめの案を拝見していて思った次第なんです。
ちょっと今のは感想で、OA2020はどうなのかなということは、ここでの議論じゃないかもしれませんけれども、そういうふうに思います。
【引原主査】 ありがとうございます。
まだ御発言がない先生方、いかがでしょうか。竹内先生、よろしくお願いします。
【竹内主査代理】 ありがとうございます。竹内でございます。今日は最初から参加ができませんで大変失礼をいたしました。
この中間まとめの論点に関しては、先ほど林隆之委員からお話があったのが全体の構成をどうするのかという点で一番理解しやすい話だったと思います。APCの問題というのは、いわゆるコストの問題というふうに捉える場合と、オープンアクセスの動きとか、研究成果の公表の在り方の問題として捉える場合の両方に関わっている話で、それを独立して項目立ててしまうと、話がどちらにもうまくつながらないというふうに見えてしまっているんだろうと思います。
ですので、全体の構成を考えていくことが重要で、なおかつ、これが誰に向かって何を言うかということをきちんと整理していくというのが必要なことであって、今の中間まとめというのは事務局におまとめいただいた、これまで話題になったものをとにかく挙げたという、そういった段階のものだというふうに思っていますので、今日の皆様方の御意見を踏まえて、どういう方向でまとめるのかということできちんとコンセンサスが得られればよいのではないかというふうに思いました。
ただ、ちょっと気になっていたのは、5番のところでAPC補助というのが、何か発言されている方によって何を意味しているのかが少し違っているような気がしていることです。ファンディングエージェンシーが行うAPC補助なのか、それとも各大学において個々の研究者に対して行うAPCに対する補助なのかといったところが少しぶれがあるような気がいたしましたので、そういったところの言葉の整理は少し工夫した方がいいのではないかというふうに考えているところです。
それともう一つ、今まで出た議論の中でここに書き忘れたというか入っていないかなというふうに思ったのは、ファンディングエージェンシーのポリシーの問題です。
以上です。
【引原主査】 ありがとうございます。全体の整理をしていただいた御意見でありがとうございます。
竹内先生がおっしゃったように、ここに事務局がまとめていただいたのは、これまでこの委員会で議論になっていたことを書き出していただいたことであって、その背後でこうしたいとかいう、その思いを書いているわけではないわけです。ですので、これは材料と思っていただいて、その上でどちらに向かっていくかというのはこの中間まとめを出すに当たって、皆さん方のコンセンサスをとらないといけないことだろうと思っております。
短期、中期、長期という分ける段階でも、それはもう非常にお互いに絡み合った問題だということで認識していただいていて、それをあえて1個1個片付けるならばどういうふうにするかということを御検討いただいたわけです。ですので、またここで出してくると全体が絡み合ってくるというのは明らかなことですよね。皆さん方の重点の置き方が違いますから。ですので、これを材料にさせていただいて、ここしばらくの間で、まず、この委員会ではこういう議論を進めていて、この方向性としてこういう方向がある、幾つかの方向があると思いますけれども、そこを今後、意見として集約していくというのが正しいのではないかなと思います。
前提条件としては、この前の委員会でまとめていたことは当たり前として考えないといけないんですが、そこから大きく変わっていることが、今APCの話であったりしますので、今回、重点的に議論していただいたというのが実情だと思います。
何が言いたいかといいますと、材料は出ているかなと思いますので、どの方向に行くかというのはもう少し、もう一度議論があった方がいいかなと私は思います。
残り時間が少ないですけれども、まだ御発言がなかった先生方がいらっしゃると思いますので、いかがでしょうか。竹内先生かな。
【竹内主査代理】 手を下ろしました。申し訳ありません。
【引原主査】 高橋先生手を挙げられましたかね。どうぞ、高橋先生。
【高橋委員】 高橋でございます。今、引原先生の方から御説明がありましたように、材料ということだったので納得いたしました。やはりこれからどういう方向性に行くのかということを具体的にここに書き込むことが非常に大事だと思いますので、是非、次回以降に議論を深めさせていただいて、具体的な、次のステップとして何をするのかということを、もしかしたら優先順位をつける必要もあるかもしれませんしステップをリストアップすること自体を優先するのかもしれませんけれども、いずれにせよ、具体的な次の一歩というものを書く必要がどうしてもあると個人的には思っております。
以上でございます。
【引原主査】 ありがとうございます。先生おっしゃるように、次どうステップを踏むかというのが、ここでの議論をやっぱりきちんとやらないといけないと思います。今までのヒアリングだけでこれを書き込んで、この方向性というのは非常に危険な行為ですので、もう少し皆さん方と喧々諤々そこは議論をさせていただきたいと私は思っております。
今日のヒアリングさせていただいた2件に関しては、前回も実例に関してでございまして、その背後にあるポリシーの部分というのはあまり議論をしておりません。そういうものをやはり公開の場できちんと議論ができることが重要だと思います。次の回も含めて、この方向づけ、ストーリーを皆さんと御議論させていただきたいと思い、今日これを出させていただいたということでございます。
あんまり最初から私が言わなかったのは、皆さんに言いたいことを言っていただきたいなと思ったところでございました。
まだあるかと思いますけども、次回にまだ御意見いただく機会をちゃんと設けますので、まず今日のところはここまでとさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
では、今日の御意見を一度整理させていただいて皆様方にお戻しして、それをベースにまた議論させていただきたいと思います。また、追加の御意見もしございましたら、先ほどの件もそうですけれども、事務局の方にコメントいただくことでさらに話が進むと思いますので、よろしくお願いいたします。
では、事務局の方にお戻しいたします。よろしくお願いします。
【土井参事官補佐】 事務局でございます。本日前半部分の非公開の開催の分につきましては、議事録と資料の公開はいたしません。先生方におかれましては、資料のお取扱いは十分に御注意いただきますようよろしくお願いいたします。
また、公開部分の議事録につきましては、各委員に御確認を頂いた上で公開させていただきますので、引き続き御協力をお願いいたします。
次回、第7回以降の日程につきましては、今、画面共有させていただいますとおり候補日を挙げさせていただいております。開催方法も含めまして、決まり次第、御連絡をさせていただきたいと思います。
また、先ほど主査からもございましたけれども、この中間まとめ案についてのコメントや前半部分の御議論でのさらなる御質問がありましたら、事務局の方にメールにてお寄せいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
事務局からは以上でございます。
【引原主査】 ありがとうございました。
では、本日の委員会は閉会させていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
では、どうもお忙しい中ありがとうございました。

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