量子ビーム施設利用推進委員会(第8回)議事録

1.日時

令和8年4月17日(金曜日)15時00分~17時00分

2.場所

文部科学省内15階局1会議室及びオンラインのハイブリッド形式

3.議題

  1. 量子ビーム施設の今後の推進方策について
  2. その他

4.出席者

委員

有馬主査、梅垣委員、大竹委員、川北委員、河野委員、久米委員、高橋委員、高村(山田)委員、唯委員、田中委員、古川委員、矢橋委員

文部科学省

(事務局)科学技術・学術政策局長 西條正明、大臣官房審議官(科学技術・学術政策局担当) 福井俊英、参事官(研究環境担当) 馬場大輔、参事官補佐 伊藤有佳子

オブザーバー

あいちシンクロトロン光センター 國枝所長、立命館大学SRセンター 朝倉センター長、兵庫県立大学高度産業科学技術研究所 原田所長、九州シンクロトロン光研究センター 廣沢所長、J-PARCセンター 金正副センター長、高輝度光科学研究センター 中川理事長

5.議事録

【有馬主査】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第8回量子ビーム施設利用推進委員会を開催いたします。本日は、お忙しい中、御出席いただきありがとうございます。
まずは事務局から、事務連絡、参加者、定足数の確認等、お願いいたします。
【伊藤補佐】 かしこまりました。まず、参加者等の確認をさせていただきます。
本日は、オンラインとのハイブリッド形式で会議を開催しており、橋田委員と山重委員を除く12名の委員の皆様に御出席をいただいております。内訳は、対面による御参加が7名、オンラインでの御参加が5名となっております。
事務局からは、審議官の福井、参事官の馬場、伊藤が参加しております。局長の西條は遅れて参ります。
加えて、本日は、議題(1)に関連いたしまして、オブザーバーとして、あいちシンクロトロン光センター 國枝所長、立命館大学SRセンター 朝倉センター長、兵庫県立大学高度産業科学技術研究所 原田所長、九州シンクロトロン光研究センター 廣沢所長、J-PARCセンター 金正副センター長、高輝度光科学研究センター 中川理事長の皆様に御参加いただいております。
なお、会議公開の原則に基づきまして、報道関係者や一般傍聴者によるYouTubeでの傍聴を認めておりますので、御了承ください。
続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。オンライン参加の方はZoom上に、現地参加の方は画面上に共有しておりますので、御覧ください。
配付資料は議事次第のとおり、資料1から6、参考資料1から参考資料7を配付しております。何か御不明点ですとかございましたら、事務局まで御連絡ください。
以上でございます。
【有馬主査】 ありがとうございました。
それでは、議題(1)に移らせていただきます。「量子ビーム施設の今後の推進方策について」です。
まずは、資料1について事務局より説明をお願いいたします。
【伊藤補佐】 かしこまりました。それでは資料1を用いまして、「量子ビーム施設の今後の推進方策について」を御説明いたします。
おめくりいただきまして、1ページ目でございますが、本日の議題といたしましては、前回に続きまして、量子ビーム施設の今後の推進方策についてということで、ここに掲載しております量子ビーム施設の皆様からヒアリングをさせていただいた後、理化学研究所から、今後の利用制度についての御説明をいただく予定になってございます。
2ページ目以降は、前回の基盤部会等で御説明をしている資料ですので、詳細は割愛させていただきますけれども、SPring-8-IIの供用開始に向けて早急に検討すべき事項として、3ページ目、4ページ目、5ページ目におまとめをさせていただいております。
本日、6ページ目でございますけれども、今までの検討事項から、国内放射光施設へのヒアリング事項として、国内放射光施設における産学の利用者の受入体制の整備、施設の強みや特色の明確化による相互補完関係の強化、持続的な発展と可能とする仕組み、時代に即した利用制度の構築について御意見を伺う予定となってございます。
7ページ目は、今後の予定でございますけれども、本日ヒアリング2回目となっておりまして、その後も関係者からヒアリングを続ける予定となってございます。
8ページ目は、我が国の放射光施設の概要でございますけれども、9ページ目以降に、前回の委員の皆様から御指摘いただきました令和7年度の各施設の利用制度というものをおまとめしております。詳細な説明は割愛させていただきますけれども、前回は、この後ろにございますような従来の利用制度と課題実施の数といったものも掲載しておりましたけれども、最新の利用制度といったことで、このようにおまとめをさせていただいているところでございます。
事務局からは以上でございます。
【有馬主査】 ありがとうございます。
本日、ヒアリングに入る前にJ-PARCセンターの金正副センター長から、現在のJ-PARCの施設の稼働状況について御説明をお願いいたします。
【金正副センター長】 ありがとうございます。J-PARCセンターの副センター長の金正でございます。
このたびは火災を発生させてしまったこと、そして、それに伴ってビームの利用運転が今も止まっていることに対しまして、皆様に御心配、御迷惑をおかけいたしました。心よりおわび申し上げます。
その火災の状況について手短に御説明させてください。
先週火曜日の4月7日の朝7時頃に、J-PARCの50GeV変電所というところで、そこにあります高圧配電盤の中にあるケーブルから火が出ていることを発見しました。初期消火で火は消し止められて、すぐに鎮火をさせています。
それで、50GeV変電所というのはどういうところかと申しますと、J-PARCにある敷地内に、まず東電から154kVで電力を供給されていまして、それを66kVに原科研の変電所で変圧します。その後、それらが幾つかある変電所に配られてきまして、50GeV変電所というのは、その66kVを22kVまたは6.6kVに降圧しまして、それをJ-PARCの施設、主にMRとMLFとハドロンとニュートリノの施設に電力を供給している、そういう変電所でございます。一方、リニアックとRCS、上流側の加速器に関しては、別の変電所、我々、リニアック変電所と呼んでいますが、そこから電力を供給しています。
ですので、今回、その変電所のうち、4系統ありますうちの1系統、さらに、61台ある配電盤の中のケーブル1本が燃えたということでございます。
現在のところ、その発生原因に関して、公設消防の立会いの下で分解及び調査をしてまいっております。それで、公設消防と連絡を密に取りながら、今、火災の発生原因を探究しているところです。
今後としましては、まず原因を特定しまして、再発防止に努めまして、安全が確認できたら、地元自治体の理解を得ながら、ビーム運転の再開をしたいと考えています。
現状、以上でございます。
【有馬主査】 ありがとうございます。
ただいまの御説明について御質問や御意見がございましたら、どなたからでも結構ですので、御発言をお願いいたします。
オンラインの方も大丈夫ですかね。
今御説明いただいたとおり、今原因調査中ということですので、今後これが判明したら、速やかに地元の方の御理解を得た後で、ビーム再開ということになるかと思います。
それでは、今回の事象の原因、今後の施設の稼働状況について、状況に進捗がございましたら、それがあり次第、本委員会に御報告いただければ幸いです。よろしくお願いします。
【金正副センター長】 かしこまりました。すぐに御報告させていただきます。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
【有馬主査】 続きまして、議事に戻りまして、あいちシンクロトロン光センターの國枝所長より、資料2について御説明をお願いいたします。
【國枝所長】 あいちシンクロトロン光センターの所長の國枝です。今回は3つの項目のお尋ねをいただきましたが、当センターの概要を説明しつつ、関連する項目を指摘していきたいと思います。最後に、3項目への回答をまとめておりますので、それを御説明したいと思います。
当センター、名古屋市の東の方にあるのですが、この施設は、開設から今年で13年目を迎えるということで、この施設の設立に当たっては、文科省からも20億、愛知県が35億、それから企業14億ということで設立されております。この金額の様子を見ても、愛知県の産業界を中心にした期待が大きいなということが分かると思います。
また、名古屋大学は設計から深く関わっていただいて、現在もあいちSRの運用には参加いただいています。
このシステムは、蓄積リングは72メーターということで、国内のほかに比べるとはるかに小型ということがあります。ただ、そのために、放射光としての性能というのは限定されています。そういう意味では、世界のトップサイエンスを極めるような最先端の放射光でなくても、学術界・産業界の大半の課題をここで解決できるのではないかなということで、運用を進めています。
放射光の中身について詳しく話さないのですが、1.2GeVということでエネルギーが少し低いところにあるのですが、5テスラの超伝導マグネットを持っているということで、そこに9本のビームラインがつながっているということになります。
これが各ビームラインの出てくるスペクトルなのですけれども、横軸エネルギーで、縦軸フラックスなのですが、SPring-8を除くと、10~30kVあたり、この値は他の施設に比べても遜色ない、もしくは一番エネルギー高いところまでカバーできるという状況にあります。
全体の議論の中で、SPring-8が停止したときにどうするかというときに、一般の利用者がこの辺の領域、こいつを使うことができるのは、このあいちARの9本と、あとはPhoton Factory、それから佐賀の1本ではないかなと思っていて、この辺が重要な責任があるかなと思っています。
現在は、この4つの超伝導磁石に9本の硬X線ビームライン、あと、常伝導磁石に3本がつながっているということで、さらに今現在は、アンジュレータが1本ありますが、現在これは愛知県とトヨタの共同で、新しいビームラインを1本建設中であります。
次に、あいちSRの運用の概要をお示ししますと、ここは1日4時間・2シフトということで、基本火曜から金曜、年間130数日が大体一般の方に利用していただくという形になっています。募集は今毎月やっていて、その際には、申請の目的とか内容は評価せずに、先着順で受け付けているということになっています。
利用料金は、ここに示しますように、1シフト4時間が、大企業は20万円、中小企業・大学はその半額ということになっています。このデータは、企業に関するものについては全て成果が占有ということになっています。あいちSRでは、企業秘密を保持するための情報の扱いには大変気を遣っていて、先ほど言った申請時の評価として目的は求めないということになっているのは、この辺りでやっぱり企業の安心感というのは得られていると思います。
あとは、ここではコーディネーターを5名置いていて、初めての利用者とか初心者に関してもちゃんと助言をして、ビームラインにいくと2人ずつスタッフがいますので、基本の測定はしてくれるということで、ここに書いてある「誰でも使える放射光」、ハードルを下げることを強く意識して運用しています。
このグラフは、当センターの利用料収入の状況で、今年は2億5,000万円を超えました。これはセンター全体運用経費のうち3分の1ぐらいに当たるということになります。
利用者の割合については、この左上がそうなのですが、大企業、中小企業を合わせると、産業界は3分の2を使うということになっています。これほど産業利用が多い放射光は、世界でも多分類はないと思います。これは設置のときの趣旨をよく体現できているかと思います。もちろん、大学、公共等、アカデミアが3分の1ということで利用されています。
それから、地域別に見ても、愛知県57%ということですけれども、関東、関西、全国からここのビームラインを選んで利用に来ていただいている状況があります。
これは現在の運用状況ですが、今後について、私たちとしては、建設13年目を迎えたということで、ある種老朽化、先ほどの電源についての話も、理由によっては、多分そういう老朽化も関係があるのかなと思って、少し気にしております。
それと同時に、やっぱり他の施設ができますので、現有の技術だけでは駄目だということで、より新しいニーズを取り込めるということも含めて、高度化計画を進めています。
第1期の3年が今年で進みますけれども、その後も、第2期に向けて、最初に作ったロードマップを改訂していくという作業をおります。新しいニーズとしては、ユーザーアンケートの中で、長時間の測定をしたいという声が強く出てきました。我々としては、その辺は、前は4時間・4時間でおしまいだったのですけれども、そういう需要があるなら対応したいなというふうに思っています。
ちょっと右側に書いてありますけれども、現在はこの2シフト、火曜から金曜ですが、例えば、第3シフトを行うということで、現在年間900時間ですので、この辺の時間はかなりの時間の拡大が可能になると思っています。
それから、現在建設中のビームラインのためには、終夜運転をしたいという御希望もありますので、それに対応して、深夜も含めて700時間ぐらいの運用を考えていますので、これは何本かもビームラインが使われると、ここでも利用は受け入れることは可能だと思っていて、これがSPring-8停止中のユーザー対応として、我々として検討しているところです。
それに加えて、この後の第2期について、自動化も含めて、ワーキンググループを4つ立てて検討を進めているところです。
この高度化と並行して、新しいビームラインの建設というのも進めております。今のところは、このグラフでいくと、延長運転の後ろに、深夜の連続運転で火曜から金曜までの80時間の連続運転ということをマックスで1週間置きにやるとか、そういうことも希望を聞いておりますので、そういうことに対応しようと思って、今検討をしています。
それから、新しいビームラインについては、特に愛知県ではバッテリー開発推進コンソーシアムを立てたときに、あいちSRにビームラインを新しく造るという提案がありました。我々はその検討を始めたところで、構想としては、現在リチウムイオン電池で使われているマンガン・コバルト・ニッケル、これについては、L端を使って軟X線のビームラインの光を使って計測する。それから、今液体の電解質を固体に置き換えるという中で注目されているシリコン・イオウ・リンというのは、上のテンダーのビームラインで行う。これを折り返す形で、一つの焦点で全ての元素を調べられるようなシステムを構想しています。
こういう構想をしていたところに、トヨタ自動車の方から電池専用のビームラインが造りたいという申込みがありましたので、県の方のものと統合して、現在準備をしています。現在既に一部のものは製造が進んでいて、27年9月、ちょうどSPring-8が止まるあたりのところで運用開始を目指して準備を進めています。
以上であいちSRの報告は終わるのですが、今申し上げた内容を、もう一度ここで3つの質問に合わせて対応した書き方になっています。
最初のSPring-8の停止期間どうするかということについては、上の最初の四角のところにありますが、1つは、XAFSが大変利用が多いので、2本のビームラインに機能を追加して、多分600時間ぐらいは増やせるかな。
それから、自動化することで、無人で延長運転はしようと思っています。ですから、普通の第2シフトの後に第3シフトは、もう用意ドンでスタートしたら、そのままスタッフは帰ってしまう。それでも、例えば、450時間で4本ビームラインがもし動けば、それだけの時間は広げることができます。
それから、深夜については、トヨタ自動車の方から、先ほど言った火曜から金曜というのを隔週にやりたいということですので、これでやったら最大600時間ぐらい、1本当たり時間を拡張できるかなと思っています。
もうこの後のところは今大体御説明したことだと思っています。
最後の方も関連したことが書かれています。
この後、資料にはないのですけれども、私の考えを少し述べさせていただこうと思っています。これは中小型施設が必要かという御質問もありましたので、まとめてみました。
SPring-8とかNanoTerasuのような大型の放射光は、世界最先端の性能を持って、これで根源的なサイエンステーマに挑戦するものだというふうに僕は思っています。やっぱり数百億を超えるような科学の大型計画であれば、例えば、素粒子物理学とか、宇宙のプロジェクトでは、それぞれこういうサイエンスでノーベル賞を取りに行くとか、それをクリアにして打ち出しているので、こういう大型の放射光も、こういうことができたらこんなふうになるということは明確に提示すべきではないかなと思っています。
それに対して、中小の放射光は、例えば、あいちSRとか、佐賀も大体似たような機能です。こうした中小型の放射光においては、限られた光源性能なのですが、通常の大概の研究開発には十分な性能を持っていると私は思っています。実際、我々のところも設立するときに、ユーザーの要望の高いところから順番に建設を始めたということもありますし、現在もユーザーニーズに合わせて高度化をしようと思っています。
そのような中では、企業が自らビームラインを建設して利用するところが何社かあります。しかも、あいちだけが有料というか、かなりの料金を頂いているのですけれども、利用申請がオーバーするようなことがあって、やっぱり全国から利用者が来ていると。使いやすい、誰でも使える放射光ということで、そういうことを努力しているところです。
私の考えとしては、こういう中小の機能であっても十分な研究ができて、実は学術界・産業界のユーザーのマスはここにあるのではないかなと思っています。私達としては、科学技術の研究開発に放射光はまだまだ利用の広がりは可能であると思っていて、これを日本の学術・産業の底上げに結びつけて、世界競争力につなげたいと思っています。
私からは以上です。
【有馬主査】 ありがとうございます。
ただいまの御説明につきまして御質問、御意見等ございましたら、どなたからでも結構ですので、御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
それでは、まず有馬から少し御質問させていただければと思います。
コーディネーターを5人用意されたりとか、ビームラインでの支援が非常に充実しているという、大変勉強になるところはたくさんあるのですけれども、例えば、データの解析とか、その辺のところも、利用者の希望があれば何かしらサポートされていると、そのような感じなのでしょうか。
【國枝所長】 はい。ビームラインのスタッフも、学位を持っている方もたくさんいますし、解析の結果を正確に伝えなければいけないので、特に初心者の場合だったら、このデータの意味というところまではビームラインのスタッフも、コーディネーターも、そこは協力しています。
それから、さらに踏み込んだいろんな疑問とかあるときには、名古屋大学とか4大学の方に協力教員という方々がおられますので、そこにつないで説明をいただくという体制にしています。
【有馬主査】 ありがとうございます。
それから、もう1点、10ページでしたか、自動測定という話がたしか書いてありましたが、これは今後、例えば、試料交換のロボットみたいな、そういうことを考えられているのでしょうか。
【國枝所長】 おっしゃるとおりです。自動交換というのができると、例えば、夜間の延長運転でも、もうそのまま置いて帰れますよね。だから、その辺は進めたいと思っていて、他施設でも、SPring-8なんかはその辺は随分進んでおられるので、参考にしながら自動化を、一部は自動化していますけれども、それはもっと広げていきたいと思っています。
この辺も、自動化のための予算を準備しなければと思って、今、県に働きかけているところです。
【有馬主査】 ありがとうございます。
そのほか、皆様、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、どうもありがとうございました。
それでは、続きまして、立命館大学のSRセンター、朝倉センター長より資料3について御説明をお願いいたします。
【朝倉センター長】 立命館大学SRセンターの朝倉です。本日は、このような場を設けていただきまして、ありがとうございます。
それでは、御説明を差し上げたいと思います。
我々、立命館大学には、この図に赤くなっているところが写真であるかと思いますが、超小型の放射光施設があります。この施設は、Auroraというふうに名前がついておりまして、575MeV、そして軌道直径が1メートルという世界最小の放射光施設であります。ただ、発生するX線は1000eVの臨界エネルギーを持っています。これは、超伝導マグネットを使うことによって、このような性能を達成しています。
ここにビームラインを示しましたけれども、小さいながらも14本のビームラインを設置することができて、現在12本設置しておりまして、赤外領域から軟X線、テンダー、そして、ハード、ハードと言っても10keVまでですが、こういったX線を出すことができ、また、光電子分光ということもできるというビームラインになっております。
アンケートの2番、設置目的、位置づけ、沿革ということでありますが、立命館大学、30年前に草津に理工系のキャンパスを設置いたしました。そのときに、先端研究に寄与する何かがないかということでありまして、超小型の電子蓄積リング、先ほどお示ししましたAurora、これを住友重機械工業から10億円ほどのお金で購入いたしました。これは大学の中において寄附金で賄われたというふうに聞いております。この超小型のリングを中心に、分光分析、回折、それから、LIGA、これはリソグラフィーで超微細加工を行うというものですが、こうしたものが最初のアクティビティでありました。その後、文科省の事業に採択され、2006年ですが、現在の分光分析に特化し、重点を置くという方向に、スクラップ・アンド・ビルドが行われました。その結果、分光法により電池材料のキャラクタリゼーションを行うことによりNEDOの革新型蓄電池プロジェクトに参画しているというところであります。
次のページなのですけれども、立命館大学SRセンターの役割ですが、大学にあるということですので、まず教育というものに重点が置かれています。大学院生の教育はもちろん、学部3年生の学生実験、カリキュラムに組み込まれた学生実験として利用されるとともに、附属高校がありますので、附属高校生の実習というものも行われております。
2番目は、研究であります。学部の教員の専用とするビームラインもございまして、デイリーマシンとして使っていただくとともに、学外に向けて成果公開利用ということで利用していただいています。
特徴としましては、X線吸収分光に特化しておりますので、日本のX線吸収分光を牽引しているというふうに思っておりますし、右上にありますようにデータベースの構築というのも我々のところが主導して行っているということであります。現在、NIMSさんからデータを公開するとともに、全世界のデータベースを統合するというふうな事業も行っております。
3番目のことは、社会への貢献であります。産業界の方々に広く利用していただいていたり、国のプロジェクトに参画したりということであります。
本センターの外部利用の特徴は、迅速に対応しましょうと。随時公募を受け付けております。それから、使いやすいということ、分析企業の方々に継続的に利用していただいているということであります。 NanoTerasu、SPring-8、あるいはSPring-8-II、これらは病院に例えますと先端の総合病院ということになるかと思いますけれども、我々は地域、先ほど國枝先生もお話しになりましたけれども、地域に密着して町医者的な、ホームドクターのような、そういうふうな立場で活動しているということであります。
次のページですが、これが昨年度、一昨年度の成果になりますけれども、電池・バッテリーを中心に、半導体、材料、それから、生物、そういったもので、これは成果公開型に限られておりますが、こういうふうな数々の成果を上げております。
次に、6ページの利用形態になりますけれども、ここに4つ書いてあります。大きく分けて成果公開型、これは学術利用です。成果を公開していただく代わりに、税金込みで1万1,000円という値段で使っていただくということになっております。あとは、成果占有型で、これは企業様向けですが、一日37万円ということで使っていただいています。以上の2種類で行っております。随時申請を受け付けまして、早ければ1週間とかで測定データが出ていくという形であります。
その次のページですが、これはいわゆるSPring-8のダーク期間の対応になりますけれども、我々、正直なところを申しますと、SPring-8はやっぱり硬いX線が中心で、我々のところは残念ながら軟X線からテンダーX線の領域になりますので、なかなか重なる部分がありませんので、そのままユーザーさんを受け入れるというのは限定的だろうと思っております。
ですが、SPring-8-IIに向けて、初心者の方、新規のユーザー層の方がフィージビリティスタディ、そういったものをしたいという、そういったところを通じて協力ができるのではないかなと思っております。
次のページに移りますが、今後の方向性・将来構想ということでありますけれども、今後の方向性、先ほどから申し上げておりますように、地域密着型のホームドクターという形で今後も進めていきたいと思っておりますし、解析のサポートを含めて、課題一つ一つを解決していくということで、迅速な対応ということ、それから、各施設、いろんな施設がありますが、得意分野というものがありますので、施設間での連携を深め、また、必要に応じて最先端のSPring-8やNanoTerasu、PF、そういったところに橋渡ししていくということを行っているということであります。
今後としては、AI・ロボットの導入ということも視野に入れつつ、一番の課題は、我々のところを持続的に運営していくということをどうやって確立するかということで、今現在、大学からのサポートに依存しておりますけれども、施設の更新ということも考えないといけない状況になっておりまして、放射光の建設やその運転コストを下げるということの工夫が必要になるとともに、大学だけではなくて、右側にありますような地域・産業界からの広いサポートを受けるような体制を構築していくということが我々の任務と思っておりますし、また、それに当たっては、PFやHiSOR、SPring-8などの様々な施設間連携を進めていきたいと思っております。
少々時間が余っているかと思いますので、最後に、この持続可能な中小規模の放射光のネットワークということについて御提案を差し上げたいと思っております。
我が国の特徴としましては、最先端の放射光だけではなく、ヨーロッパ、アメリカ、あるいは中国を見ても、最先端の放射光施設というのはあるわけですけれども、このように中小規模の放射光施設が4つも整っているというのは、我が国独自の放射光利用の特徴であります。
これは逆に言うと、強みでもあります。すなわち、小さいということは、先ほど来言っておりますように、地域に密着しているということですので、産業界のニーズをすくいやすいという特徴があります。恐らく國枝先生もおっしゃっておられましたけれども、僕は、8割はこういった中小規模の放射光施設によって解決できるのではないか、それでも解決できない超最先端のこと2割、あるいは、学術、そういった最先端のことをSPring-8、ここにはハードX線の拠点がありますし、テンダー、ソフトX線ではNanoTerasu、そして、共同利用機関、今MB-LINQというもので、VUV・SX、そういった領域の新しい計画もあると聞いておりますので、この3極に最先端につなげていく、そういうふうなピラミッド構造の放射光の利用の方法というのがあるのではないかということであります。
ですので、地域に根差した中小規模の汎用放射光ネットワークの形成と、SPring-8などの最先端放射光との連携に向けた仕組みづくりについて、ぜひこの委員会で御議論いただければと思っております。
それから、もう一つ、これも大事なことだと思うのですが、現在、放射光のメーカーはほとんどありません。かつて我々、30年前は、住友重機械工業から購入した。当時は放射光メーカーが何社かありましたが、現在はないということであります。これはひとえに放射光が大型でありまして、定期的な受注というものがなかなか取れないというところに原因があるかなと。この定期的な受注をできるような仕組みづくりというものも必要であろうと思います。
こういうふうなことができますと、ノウハウの蓄積や放射光のコストダウン、そして放射光人材が育成されていきまして、こういう中小規模と最先端、そして放射光メーカーが一体になることによって、我が国の科学技術、産業の強化というものにつながっていくのではないかなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
以上です。
【有馬主査】 ありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして御質問や御意見等ございましたら、どなたからでも結構ですので、御発言をお願いいたします。
それでは、まず有馬より質問させていただきます。
最後のところで、中小規模汎用放射光ネットワークの形成という話。それで、要するに、高度利用ではないですけれども、SPring-8とかNanoTerasuとつないでいくということですが。まず、中小規模、今も全国に幾つかあるわけですけれども、そのネットワークというか、それはどのぐらい実質的に連携したりということが、現時点では。
【朝倉センター長】 現時点、御説明いたします。
私、この立命館のSRに赴任しましたのが2年前でありまして、昨年の10月ぐらいから、私自身が各放射光施設、あいちSRさんに10月に伺いまして、その後、SAGA-LSさん、兵庫のニュースバルさんと、いろいろ回って、やっていきましょうというふうな話になりつつあるということであります。
【有馬主査】 なるほど。
【朝倉センター長】 ですので、今後、こういったネットワークを築いて。
一番大事なことは、ユーザーさんが来ても、それぞれ特徴がありますから、我々は分光については受け入れることができるのですけれども、この間もあったのですが、リソグラフィーになると我々はちょっとできなくなっていますので、つなげるというふうな、そういった活動を行っているというところであります。
【有馬主査】 なるほど。ありがとうございます。
こういうネットワークを強化していくに当たって、例えば、何か規制とか法律的な問題があるとか、人材の面で問題があるとか、あるいは、お金の面で問題があるとか、それはどういう感じで。それとも、今4機関挙げていただきましたけれども、その4施設で密に交流していけば自然とそういうふうになるのか。その辺はいかがお考えでしょうか。
【朝倉センター長】 まず一つは、人材交流と、それから、ラウンドロビンということもやっていきましょうということで、草の根的にまず始めてというふうに考えております。また必要がありましたら御相談するかと思います。
【有馬主査】 なるほど。ありがとうございます。
もう1点、全然違う観点で。あいちは火曜から金曜の4時間掛ける2のシフトで今運転されていますということですが、立命館は、今どんな感じの運転でしょうか。
【朝倉センター長】 現在、月から金が1週間、もう1週が火曜から金で、月曜日は装置のメンテナンスと、そういうふうなのを基本として運転しております。
【有馬主査】 昼と夜に関しては。
【朝倉センター長】 昼だけです。8時間と。
【有馬主査】 ということは、2週間に9日間で、昼8時間と、そういうことですね。
【朝倉センター長】 ごめんなさい。9時間でした。
【有馬主査】 そういうことですね。ありがとうございました。
他の皆様、いかがでしょうか。
國枝所長、お願いします。
【國枝所長】 國枝です。先ほどの施設間の連携については、人材交流とかもあるのですけれども、情報交換ができるので、やっぱり人が動いていって、そこで測定してくると、あそこにはこういう性能がある、こっちにはこういう性能があるということをお互いに知れるので、切磋琢磨ということもありますが、先ほどおっしゃった、こちらでは測れないけどあそこは得意だからと、そういうことが進められると思います。
ただ、今のところ、あまりそのための旅費とか、そういうものが、かつてのプラットフォームがなくなってしまったので、単発で、去年もSPring-8のほうにお邪魔したりしていますので、こういうことが広がると、スタッフにも刺激になるし、情報が交換できると思いますので、そういうこともどこかから御支援があるとうれしいなと思います。
【有馬主査】 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
久米先生。
【久米委員】 花王の久米です。御説明ありがとうございました。
先ほどのあいちSRと今の立命館大SRセンターも含めて、産業利用についてできるのではないかというお話は、本当にそのとおりだなと思っております。
私もあいちSRは利用したことがあるのですが、とはいえ、ほかのところはまだあまり使っておりませんで、そういう意味で、SPring-8とかNanoTerasuのところの情報はたくさん入ってくるのに比べて、今まではちょっと少なかったかなというのがあるような気がします。今回この委員会に出させていただいていて、いろいろ情報は改めて入ってきている状況ではあるのですけれども、今後、SPring-8の状況にも関連して、さらに何か情報がたくさん入るようにしていただけるとすごくうれしいかなと思います。確かに、産業利用として、これで十分だとか使い勝手がいいとかいうのは非常にあるかなと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。
【朝倉センター長】 ありがとうございます。
ちょっと私らも反省するところはありまして、昨年度から成果に関してはホームページ上にすぐに公開するようにしているのとともに、ユーザーフォーラムというユーザーの組織も今度作りましたので、そういったところを通して情報を発信していこうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
【有馬主査】 そのほかの御意見いかがでしょうか。よろしいですかね。
それでは、どうもありがとうございました。
そろそろ議論はここまでにして、続いて、兵庫県立大学高度産業科学技術研究所、原田所長より資料4について御説明をお願いいたします。
【原田所長】 ありがとうございます。兵庫県立大学の原田と申します。よろしくお願いいたします。
では、進めさせていただきます。我々ニュースバル放射光施設について紹介させていただきます。
ニュースバル放射光施設は、こちらに写真を示していますが、SPring-8サイト内にある兵庫県立大学高度産業科学技術研究所の放射光施設となります。
運転は少し変わっていまして、1GeVと1.5GeVを曜日によって切り替える2つの蓄積エネルギーを持っていまして、周長119 mの中型リングとなります。SPring-8の特徴は、大きくてエネルギーも高いですから硬X線がメインで、我々ニュースバルは、真空紫外から軟X線がメインでして、一部硬X線も利用しているというページ状況です。
我々、地の利としてSPring-8サイト内にありますので、理化学研究所とJASRI、もしくはスプリングエイトサービスといったところの協力を得まして、非常にサポートいただいて、県立大学でありながら運営ができているというところはあります。
我々、大学ですので、学生教育が非常に大切でして、工学研究科工学専攻に、この4月から放射光工学分野として単独で分野を担当することになりました。学生33名を受け入れ、4月からまさにキックオフしたところで、これから放射光の人材の供給というところに貢献できたらと考えています。
ただし、SPring-8と同じですけれども、我々も1998年のファーストライトから30年近く経過しておりまして、老朽化が進んできており、改修が非常に重要となってきています。冒頭にありましたJ-PARCの高圧ケーブル、我々も高圧ケーブルをそろそろ替えないないとまずいのではないかというのは相談を受けていまして、ただ、やはりお金の問題があったりして、非常にもう他人事ではなくて、我々、本当にやっていかないといけないのだなという一つの例だったと思っています。
少しビジーな絵なのですけれども、1GeVの350mAのTop-up運転は、週に4.5日で、土日も含んで1GeVで運転をしております。1.5GeVの400mAのDecay運転のほうは、週に1.5日で、隔週の木曜日と毎週金曜日の運転となります。運転モードが違いますので、実はアンジュレータではかなり幅広いエネルギーが利用可能となります。おおよそ1.5倍になっていますので、アンジュレータをそのまま同じ設定でしますと、波長半分、エネルギー2倍のX線が出てきますので、広い領域で利用が可能となります。
真空紫外から硬X線の11keVまで幅広く利用可能となっておりまして、ビームライン1番というところでは、レーザーコンプトンのガンマ線がありますので、ガンマ線も含めて幅広くやる。というのも、我々、ミッションの一つとして、産業利用のほうはあいちSRも立命館でも掲げていましたが、ニュースバルでは光源開発を設置の理念に掲げています。月曜日に調整とスタディということで、光源の開発の時間を取って運転を続けているところであります。
メインの産業利用のほうは、我々は大学でそこまで規模は大きくありませんので、随時受入可能で、本当に短い時期は1週間以内などで、空いている場合は利用いただくという形で、これは中小の放射光施設共通なのですが、柔軟に動けるところがやはり大きな特徴で、産業界からそういったところは受け入れられているというところはあります。
例えば、2025年度ですと、我々、共同研究で使うことが多いのですけれども、おおよそ450シフトぐらい、共用利用で100シフトぐらい、ほとんどが成果占有利用でして、これに併せて、学生の共同研究なども、学生に関わってもらって、共同研究で使うような装置の開発であったりといったところをうまく活用しまして、学生研究とこういった産業利用というところを両立しているところであります。
2025年度のニュースバルの運転時間は2,296時間、利用運転が大体153日なのですが、スタディで月曜日、調整は353時間で、故障停止は、昨年度は加速器の方たちにいろいろと手当てしていただいていて、17時間のみで済ますことができまして、これは非常によかったと考えています。ただ、これが止まってしまうと、本当に1週間、1か月、半年、1年と止まるような部品もありますので、それだけは防ぎたいというのは本当に願っているところです。
ビームラインは現在9本でして、アンジュレータは2本となります。運転員は6名体制で、土日も含めて運転をするようになっていまして、時間は9時から21時の12時間です。1シフトは4時間なのですが、少し余裕を見て、運転自体は12時間というふうにしています。
我々大学職員が10名と、スタッフ、運転員や施設の方々含めて33名、技術補佐員、秘書も含めてですけれども、それと学生33名の合計76名でやっています。ただ、非常に職員の数などは少ないので、なかなか情報発信ができておらず申し訳ないところがあるのですが、企業の方にかなり特化して使っていただいているというところがあります。
その一つが、こちら放射光先端分析研究センターでの仕事でして、放射光分析による電池材料等の開発支援ということで、センター長を中西先生にしていただいていまして、我々、分析としましては、中型ですので、実は炭素領域が非常に測りやすいという、卵を真空中で焼いてその変質を測るとか、そういった大胆なことから、こちらは非常に重要な電池のシリコン領域ではオペランド測定セルであったりといったように、蓄積エネルギーが高くないために、光学素子の炭素汚染であったり熱ドリフトが少ないために、高精度かつ安定的な測定が可能となってきていますので、先ほどからも話があるのですけれども、本当に使い分けと考えています。先端でできるところと、こういった中小規模で安定的にできるところというのは、非常にうまく等方的な関係が築けるのではないかと思います。こういったように、ニュースバルならではの技術により、電池材料の開発に貢献しているところがあります。
もう一つ、こちらはかなり力を入れているのですが、EUVリソグラフィーの研究開発センターです。半導体の製造に、今ほとんど最先端のものはEUVが必ず使われていますので、そのEUVの材料を開発するということで、EUV関係の本当に先端で開発されている企業さんが、自社のレジスト材料だったりマスク材料といったところの開発にニュースバルを使っているというところで、これが共同研究のほとんどの部分が本当に開発に使っているというところで、使っていただいているところです。
こちらに示していますが、レジストの感度測定であったり、こちら加工になるのですけれども、放射光でEUVで加工して、それでこれはレジストを評価して、こういった加工も含めたところをやって、このようにレジストを放射光のEUVで直接測るだけではなくて、軟X線でも分析をする、レジストはポリマーに炭素ですから、非常にそういった測定対象としても適していますので、そういったことをやったり、光学素子は本当にEUVで測らないと分からないところがありますので、EUVで測って評価を進めているというところで、一例としては、ペリクルという新しい素子であったり、光学素子の散乱であったり、フォトダイオードの感度、イメージセンサの測定であったり、大型のミラーであったり、こういったところをやりまして、実はたくさんやっているところは、こういった耐久性評価なのですね。EUVが30ワットとか、40ワットとか、非常に強く出ますので、それを使って、しかも水素の環境でやって、光学素子が水素脆性を持っていないかとかといったものですと、1サンプル測定するのに1日かかったり、かなり時間もかかるのですけれども、非常に重要な、ほかではできない研究というのができますので、使っていただいているというのがあります。
これも我々ずっとやっていたから、こういう環境を整えることができていまして、EUV発明者の木下博雄客員教授が設立当初からEUVの露光実証と材料評価の装置を整備しまして、2019年にEUVの露光実証リソグラフィーが半導体量産に適用された後は、本当に多くの企業から材料開発にどんどん先端のものを作りたいということで活用いただいて、日本のEUVの材料開発を支えているというか、日本としての競争力を維持しているというふうに考えています。
ここまでが概要説明でして、ヒアリング事項を順に説明させていただきますが、ヒアリング事項1のほうは、SPring-8のユーザーが、SPring-8が止まったときにどうなりますかということでしたが、我々、BL-5Cというビームラインで吸収分光測定を硬X線ができますので、そちらのほうで対応できるのではないかと考えて、こちらが硬X線テンダーのビームラインの説明なのですが、こちらにこのような系がありまして、SPring-8のBL14B2とデータを比較しまして、吸収分光のスペクトルが同じで、再現性の高い測定が可能となり、SPring-8のブラックアウト対応も可能であるというふうに考えている。
ただ、今、実は現在教員が1人で対応しているところがありまして、9本ビームラインがあって、教員が10名で、加速器もあったりするから、ちょっと計算が合わないのですけれども、1人1本以上担当しています。こういったところを、例えば、ビームラインオペレーターを1名雇用したりすると、実は使える時間が倍になったり、プラス60日になったりします。硬X線領域も、土日の運転を今1GeVでやっているのですけれども、硬X線が使える1.5GeVの日に変えるなどをしたりとか、そういったところをすると利用日を大幅に増やすことができるのではないかと考えています。
ヒアリング事項2のところですが、施設のこれまでの経緯です。
施設の位置づけとしましては、産業応用技術の開発・産業支援・新方式の光源の開発研究というところが最初の設立の目的になっていまして、やはり兵庫県ですので、地域に開かれた大学づくり、そこを通して共同研究であったり教育というところを担当するというのが設立の目的となります。
これまでの経緯といたしましては、1998年にファーストライト、建設もこの年に完成したのですけれども、2000年に共用開始、2013年に共用促進事業で装置を高度化しまして、2019年にEUVリソグラフィーが実用化され、この同じぐらいの時期に、理研がSACLA入射になったので、我々も専用で使える新入射器を理研の協力で整備することができました。
課題は、やはり何度も申し上げていますが、ファーストライトから30年程度が経過しているため、老朽化した装置の改修はもう必須となってきています。
今後の方向性としましては、やはり産業界に使っていただいていて、まだまだ時間が足りなくて、本当にビームタイムでやりくりしている。4月、5月、実はもうたくさん入ってきて、4月、5月は予約でいっぱいで、もう次に予約可能なのは6月ですというふうに言っているところがあります。そういったところを、高スループット、空きポートを増やしてやったり、さらに、今は土日運転を開始しているのですけれども、夜間とか、そういったところを広げるというのは一つの手ではないかなと思っています。
今後は、やはり最初に述べました新しい大学院の「放射光工学分野」において学生教育を拡充すると。
どうやって加速器を改修するかというのが一番大切なのですけれども、今進めています企業版ふるさと納税によって改修を進めたり、新規ビームラインを設置して、より企業さんの利用を増やすといったところを考えています。
実は、ニュースバル改修へ向けた寄附を募集していまして、30年経過していますので、「企業版ふるさと納税制度」という、兵庫県に御協力いただきまして、こういった制度を開始しまして、現在、5社より合計8.1億円寄附いただいている状況です。これはやはりEUV関係の方で、もう本当にニュースバルがないと開発ができないというような意思を持っていただいている方が、やっぱり国のためという非常に高い志を持っていただいて寄附いただいているところがあります。
実際どこまで進んでいるかというところですが、実は今、偏向電磁石電源をちょうど先月交換しまして、今月からもう無事に運転再開することができていまして、2027年には、一番の大物、RFクライストロン電源であったり、六極電磁石電源の更新だったり、アンジュレータの制御盤はユーザー側の負担で改修したりとか、四極など他の大規模電源も、さらに寄附をお願いして更新する予定というふうな。
最後のヒアリング事項ですが、現在は共同研究と共用利用が多いところですが、最速1週間以内で、いずれも随時受入であり、ユーザーニーズに最大限配慮したものを進めていきたいと。
研究データの取扱いは、まだ我々は人が足りなくて、計算への取り込みなども始まっているのですけれども、各ビームラインが各教員の裁量で運用されている状況ですから、共通データフォーマット等、そういった先端的な取組では、必ず必要なところは、先ほど立命館、あいちSRからの発表にあったような施設間連携等、こういったところも含めてやっていきたいと思っています。
一つの例として、ちょっと今思い出したのですけれども、実はクライストロンの一部の電源が2年ぐらい前に壊れて、1週間止まりました。そのときに解決したのは、運転員の方があいちSRで働かれていたことがあって、あいちSRに予備で同じものがあるよというのを教えていただいて、あいちSRにお願いをして、貸していただいて、それで何とか1週間の停止で済んだということがありますので、やはりそういった何かトラブルがあったときとか、我々、理研、JASRIには非常にお世話になっていますけれども、さらにいろいろなところがつながっておくことによって、そういった不測の事態に対応できるのではないかと考えています。
以上です。
【有馬主査】 ありがとうございます。
ただいまの御説明につきまして御質問、御意見等ございましたら、どなたからでも結構ですので、御発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
それでは、有馬より少し御質問させていただきます。
先ほどちょっと私、聞き漏らしたのですけど、ニュースバルの1シフトの換算が4時間とおっしゃっていましたっけ。
【原田所長】 計算上は4時間で換算しています。
【有馬主査】 その計算上……。
【原田所長】 実は、ほぼ1日単位で使われることが多いというか、やはり朝から調整をして使わないといけないので、1日単位なので、シフトと言いながらも、ほとんどの方は2シフト、1日を使う方が多くて、その場合ですと、1日運転できているのが9時から21時の12時間ですので、フルに使われる方もいますし、測定が終わったら、バスの時間もあるので、もう……。
【有馬主査】 なるほど。1日だと2シフトで、計算上は1シフトが4時間というふうにしているけどというお話だったですね。分かりました。ちょっと分からなかったので。
それから、EUVはますます重要になってきていると私も認識しているのですが、ここは、基本的には日本の強いところと言うとマスクとか、感光樹脂とかのケミカルとかだと思いますけれども、そういうところが多いのですか。それとも、もう加工自体も、最後のほうにお話ありましたけれども、それももう既に多いのですかね。
【原田所長】 そうですね。やはり日本の強みの感光性樹脂であるフォトレジストであったり、フォトマスクの材料開発というというところは多くはなってきています。その中で、放射光での加工を使った評価であったりというところも組み合わせてというところになります。
【有馬主査】 なるほど。ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
あと、有馬ですけれども、ブラックアウトのときの御対応の可能性も示していただきましたけれども、今までお伺いしているところの施設で、XAFSは割と受けていただけるところも多いという感じなのですけれども、一方で、なかなかイメージングという、SPring-8では需要が大変多い、特に産業界の多いところが難しいのかなという気がしているのですけれども、それはやっぱりニュースバルさんでもなかなかないという感じですかね。
【原田所長】 そうですね。やはり光源の性能が効いてくるところだと思いますので。
【有馬主査】 分かりました。ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
田中委員。
【田中委員】 九州大学、田中でございます。どうもありがとうございました。
教育の部分の放射光工学分野のというところを教えていただきたいのですけれども、教育であれば、直感的に応用物理とか化学でもある程度のところはカバーできそうな気がするのですが、放射光工学をつくることによって、今までできなかった教育がどのようにできたかというのをもし分かれば教えていただきたいのと、これって定員とかはどうされたのかというのも教えていただけたらちょっとうれしいなと思いました。
以上でございます。
【原田所長】 ありがとうございます。
やはり放射光は、我々、非常に産業応用に力を入れていますので、そういった企業の方と一緒になってやるという機会が、やはり普通のところに比べるとかなり多いところがあります。学生もそういった産業的な、最近だと就職がいいとかというのもあるのですけれども、どちらかというと、それも含めて、やはり大きい施設で研究をしてみたいという学生も多くいまして、そういった学生の需要を取り込めているというのもあります。
例えば、本当に変わっているというか、特徴的なところでいくと、産業利用だけではなくて、こういった光源開発で、放射光施設自体を自分で運転をして、自分で動かしていくというところができるというのは、これまでにないところかなと。そこはやはり学生も魅力に感じているところかなと思っています。
定員に関しましては、実は今まだ途中なのですが、もともと材料・放射光という専攻がありまして、そこから今は単純に定員を分けたという状態でして、今後は少し定員を増やしてくださいという要望を出しているところなのですけれども、そういったふうにやって定員のところもクリアしています。
【田中委員】 ありがとうございます。
12ページで、大学院で放射光工学分野とあって、卒業研究というのがその下にあるんですよね。これ、学部からということなのですか。それとも、大学院でということで、この卒業研究というところが修士論文ということなのか。これはどちらなのですか。
【原田所長】 卒業研究と言っているのは、学部の卒業研究、4年次の卒業研究のことを言っていまして、4年次から大体研究室配属というのがあるのですけれども、4年次のその研究室配属から放射光関係の研究室に入る。ただ、所属自体は電気であったり、機械、材料、知能、化学というところなのですけれども、研究室の所属が放射光関係になりまして、大学院はそのまま放射光工学分野を選んでもらうという形になります。
【田中委員】 分かりました。ありがとうございます。
【有馬主査】 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、どうもありがとうございました。
【原田所長】 ありがとうございました。
【有馬主査】 それでは、この議論はこの辺りまでにしたいと思います。
続きまして、九州シンクロトロン光研究センター、廣沢所長より資料5について説明をお願いいたします。
【廣沢所長】 九州シンクロトロン光研究センター、廣沢です。よろしくお願いします。
今回のヒアリングで、こちらにありますようなヒアリング項目をいただいておりますので、このヒアリング項目に沿って御紹介するというふうにさせていただきたいと思います。
まず一番最初、受入体制はどうかということなのですが、SPring-8がブラックアウトしたときというのを特に念頭に置いて、当センターの状態というのを御紹介させていただきます。
左にあるのが輝度スペクトルで、右が去年の8月ぐらいか、蓄積電流値の変化、ちょうど夕飯前ぐらいに撮った写真なのですけれども、トップアップではないけど、ナチュラルの経緯です。
10keVの輝度というのは、公称で言われているみたいに、SPring-8のBending Magnet光源の100分の1程度、使った実感もそんな感じかなと思います。軟X線のBending Magnet光源の輝度なのですけど、これSPring-8ではないのですけど、NanoTerasuさんの1,000分の1にはなっていますけれども、使った実感で、1,000まではいかないけど、100分の1より弱いなというふうな実感を持っています。
ということで、当センターは高速測定や微小域の測定には向いていない。ただし、光が広いので、オートマティカルに平均化されちゃいますので、定量性と再現性は割に確保しやすいぞと思っています。もう一つ、X線照射劣化の懸念がごく少ないなと思っています。
やっぱり微小な構造を見ると高輝度光源で実験したくなる、それはそのとおりではあるのですけれども、利用者さんといろいろ工夫することによって、必ずしも高輝度光源でなくてもできる場合もあります。こういったことで、利用者さんとコミュニケーションをよくして、いろんなことに挑戦していきたいなと思っています。
ビームラインの現状なのですけれども、SPring-8ユーザーさんは、やっぱり主に硬X線を利用されるみたいな方向。硬X線ビームラインも青字で示しています。県有ビームラインが共同利用で使っていただいたビームライン7本になりますので、その中の青字の7番、9番、11番、15番が対象となります。
その中で、7番、こちらについては、2024年度の利用実績からすると、24年とか25年は大規模光源改修で運転時間が短くなっていますので、それが通常どおりの運転時間に戻った場合、大体1か月程度長くなったというふうな見込みで入れていますけれども、最大30日分は受入れ可能であろう。9番は、残念ながらもうぱんぱんなので、ちょっと厳しいなと。11番については、35日分、15番については、50日分ぐらいは受入れは可能ではないかなと思っています。ただ、じわじわじわと増えていますので、どうなるかは分かりません。
これから具体的なデータも御紹介しながら、パフォーマンスというふうなことについて見ていきたいと思いますけれども、そのとき、これから御紹介するデータは随分前ですけれども、もう10年近く前、文科省さんからの委託事業で、プラットフォーム形成支援プログラムの中の「光ビームプラットフォ―ム」、このときには、ラウンドロビンを各施設でやりました。そのときのデータはDVDにしていろんなところへ配布してあるのですけれども、逆に、配布し過ぎてしまって、あまり手元に残っていなかったので、少々探すのに苦労したのですけれど、生データも掲載されていますので、そこから拾い出して比較をしようというふうなことを行いました。
このときは本当に施設間連携で、同じような発想に近いところなのでしょうけれども、最適な施設でユーザーさんに使っていただこう、そのためには、各施設のパフォーマンスについて知らなければいけませんよねというふうなこと。
もう一つは、使っていただくに当たって、各施設でデータベースをつくって、それで事前検討とか、そういったことをしたらどうでしょうかという活動が主だったように思います。
このときやったのは、XAFSがやっぱり主でした。今回はSPring-8のBL14B2と当センターの11番の測定データを比較いたしました。
これは、左はXAFSの透過測定、EXAFS領域、シートを見たやつですけれども、青が当センターの11番、赤がSPring-8さんの14B2です。ここまで重なるというぐらいよく重なっています。ただ、高波数域については、やっぱりフォトンフラックスの関係でしょうか、当センターの11番のほうが少し揺らぎが大きくなっている。
希薄試料はどうか。光源性能が、さっき申し上げたように、輝度で100分の1落ちるので、どんなものだろうねと思っていたのですけれども、そこまではない。これはボロンナイトライドの中にCuOを1ppm添加して、それで希薄試料を作ったやつです。右側がそうなのですけど、赤が14B2でSPring-8で測ったものです。ほぼ重なるような青が、当センターのBL11番で測ったもので、使った検知器は19素子のGe-SSDでした。
ちなみに、その後、当センターのシリコンの7素子のSDDを入れ、こっちのほうが圧倒的に使いやすいという。現在はシリコン7素子SDDを使っていますので、同じサンプルをちなみにそれで測ってみたらというのは、この紫色の絵になります。これ、検出器の性能も大きく関わるというのは勉強することができました。
そこそこ取れるのですけれども、やっぱり測定時間は12時間ぐらいかかってしまいます。ここはもうどうにもならないと思っています。
回折・散乱については、ラウンドロビンはあまりやっていなかったので、ちょっと分かりませんけれども、XAFSのほうで12倍程度の時間がかかっているので、多分10倍ぐらいはかかるのではないかなと想像しています。
ただ、最近、ちょっと不思議なのですけれども、BL15に設置してある多軸回折装置Huberの5021、SPring-8にも複数台は設置されていますけど、そこでの単結晶薄膜試料測定需要がじんわりじんわり増えているなという印象です。使っていただいているということならば、それなりに使えるのだろうと思っています。
次に、位置づけなのですけれども、地方自治体の県が設置した国内最初の放射光施設です。ニュースバルも兵庫県さんが設立に大きく関わっていらっしゃいますけれども、大学の施設ですので、県がというところにちょっとこだわらせていただいて、国内最初というふうに標榜させていただいています。
産業分野での共同利用ということを目指した国内最初の放射光施設と考えています。ただ、あくまでも県立の施設ですので、佐賀県産業振興への貢献というのが、これはもう一丁目一番地、イの一番の当センターのミッションになります。
右下の円グラフなのですけれども、県内機関はどのぐらい利用しているかなんですけれども、大体ここで見ていただくように、3分の1弱ぐらいが県内機関になっていまして、そのうち全体の利用時間に対して9%が県内企業、県内大学が14%というふうな状況です。
施設の特徴というふうなことでいくと、先ほどビームライン何本ありますよと御紹介したんですけれども、軟X線、硬X線含めて、ほぼ全方位の利用技術、もちろん欠落しているところはありますけれども、提供しているというふうに認識しております。
ただし、何度も言いますけれども、微小・微量・高速測定というのは、当センターの実施はお勧めすることはできない。そういった状態なので、利用技術についていろいろとやるというよりも、むしろ利用分野・測定対象を意識した機器整備をやっていこうと思っています。
一丁目一番地は佐賀県の産業への貢献なので、じゃ、当センターに適した利用分野・利用技術はというと、例えば、これ、ベンチマーキングさせていただきまして、最初見たときにびっくりしちゃったのですけれども、愛知県さんの製造業での県別総生産額は日本一なのですね。佐賀県は下から数えて7番目で、愛知さんを500とすると、4%しかない。
アカデミアの利用というのももちろん期待できるところですけれども、県の中に設置された大学数、今年幸い1校開校したので3になりましたけれども、去年までは2だったのですね。大学の数もやっぱり4%になります。これはどういう偶然かと思っているのですけれども。
ということで、産業利用の中での製造業分野のてこ入れというところでいくと、かなり厳しいよねと思っています。
そういう状況で、じゃ、佐賀県のなりわいというのを見てやるということなのですけれども、農業分野に優位性があると思っています。この耕地利用率131%というのは、僕、初めは何だか分からなかったのですけれども、昼休みにランニングしてよく分かりました。二毛作、三毛作をやるので、非常に耕地利用率が高いのですね。今ちょうど麦がいい具合に実っています。その麦なのですけれども、全国1位。海苔は去年までは全国2位だったのが、どうも今シーズンは好調で、出荷額全国1位を奪還できそうです。出荷量についてもいけそうだぞというふうな感触を得てみたり、よかったよかったと思っています。
このように、製造業もそうなのですけれども、農林水産分野で優位性が当県はあるのではないかと思っていますので、その辺の農林水産分野での利活用を促進していこうと思っています。まずは、県内の事例を先行事例として、いろいろと僕らが勉強して、それを通じて県外の農林水産分野での需要も喚起していきたいと考えています。
その一つ、これ、やっと最近認知されてきたのですけど、当県の林業試験場さんと一緒にやった仕事ですけれども、木材の中のセルロース繊維の配向とか量を評価するというふうな装置、もうその専用装置というか、アタッチメントというのでしょうか、そういった治具をもうそれ用に用意して、従来法の100倍以上の速さで測れるようになった。スループットも上がったので、いろいろ統計的なデータが容易にそろうようになったので、実際の曲げ試験もやって得た機械的な特性をうまく説明できるような力学モデルも構築できるようになりました。最近、森林総研さんとか、そういったところとの共同研究も進めております。
もう一つは、これ、先ほど自慢させていただいた海苔なのですけれども、これは着手したばっかりで、具体的にフィードバックできる結果は出ていないのですけれども、テンダー域に海苔が有するリンとかイオウ、カリウムがたくさん含まれていますので、それについて見ていっていますが、そうすると、この1等というのが、グレードのいい、品質のいい海苔なのですけれども、7等(色落ち)というのは、そういうふうな言い方を最近されていますが、色が、リンが黒くないのですね。これで見てやると、イオウ含有量とか、スペクトルの形も若干違うので、イオウを含んでいる化合物の割合も違っているだろうみたいなことを想像しています。これ以外にも、鉄とか亜鉛なんかも、うんと測りました。そうすると、品質と含有量はどうも相関があるらしいぞというふうなことが少しずつ分かってきていますので、もう少しいろいろデータをためて、最終的には、肥料、そういったものの技術にまでつなげられればいいなと考えています。
施設間連携について、いろいろつらつら考えているのですけれども、ごく当たり前ではありますが、課題解決に最適な施設で実験機会が提供されるのは、もちろん利用者の方にとっても施設側にとっても、両方にとっても望ましいと思っています。
僕自身の体験なのですけど、今、木材評価については、当センターで専用の機器を立ち上げています。一番最初、試料の形態とか、そういったことを考えたときに、当センターでやるのは無理だな、現有の装置ではと思ったので、結局、SPring-8のBL19B2についてプロポーザルを書いて実験して、それでだんだんノウハウがたまってきたので、それを用いて15番に装置を構築しているというふうな状態です。
あと、もう一つ、これは一昨年ぐらいにJASRIの職員さんから、SPring-8ではちょっと難しいサルファのK端XAFSをやりたいが、そちらで何とかならないかというふうなことで御照会いただいて、結局、有償非公開でかなりの量も使っていただきました。
こんな体験がありますので、各施設・各BLの特徴を追求して、全国的な見地で多様な選択肢を利用者さんに提供したら何と楽しいことか。将来的には、J-PARCさんも含めて、中性子施設も含めた連携協力が理想だなと思っています。僕は木材なんかをやっているから、木の中の水を見たくて見たくて仕方がない。そうすると、ニュートンをどうしてもやりたくなります。
こういった施設間連携を進めるときはどうするかというのは非常に難題だと思うのですけれども、先ほどの僕の体験の例、JASRIさんから照会がありましたよというのは、これ、職員同士の信頼関係があったからと思っています。というのは、やっぱりラウンドロビンで当センターを使ったことがあった職員さんなので、当センターのXAFSの担当職員の顔もよく知っているし、いろいろとこれを厚くしている。どうもラウンドロビンでやったとき、今もそのときの職員間はいろいろと情報交換をしている様子です。ということで、職員同士の信頼関係醸成というのは非常に有効なのではないかなと思っています。
じゃ、当センターは特徴追求するにはどうするか。当面は農林水産分野というところでやっていこうと思っていますし、X線照射が懸念される試料、例えば、有機薄膜等についても、機器整備を進めたりとか、やっぱり職員の技術と経験をその分野の材料・試料に対して蓄積していくというのは非常に大事だと思っていますね。
ここでやったのは、例えば、サルファを含む有機半導体なのですけれども、UV照射劣化によってどう変わるか、結晶性はどう変わるのでしょうかとか、化学状態はどう変わるのでしょうかというのを、当センターの11番と15番でやったというふうな点です。
当面の連携の取組はどうするかなんですけれども、昨年、岡山大学さんと当センターで、それぞれの保有する分析装置の相互利用などを推進するということで、相互協力協定の覚書を締結させていただきました。いろいろとお話を伺ってみると、当センターに先んじて、JASRIさんと岡山大学さんはもっと包括的な連携協定を結んでいらっしゃるようです。ということで、それぞれに岡山大学さんは関わってくださっていますので、そこを要にJASRIと連携・協力を広げていけたらいいのではないかな等と想像しています。
利用制度なのですけれども、令和8年4月より制度を大きく変えました。SPring-8等ではもう2007年度から測定代行はやっていたのですが、遅れることほぼ20年、委託測定というふうな名前にしています。当センターは、イラディエーションによる突然変異もやっていますので、それは委託照射ということにして、新しく来所不要で、こちらの職員が測定もしくは照射するというふうな制度を設けました。
あと、これを見ていただくとお分かりのように、県内と県外で利用料金について、県内機関を大きく優遇する制度設計になっています。
ということで、これは最後、決意みたいなところですけれども、当センター、県立の施設ですので、佐賀県に貢献する、製造業に加えて、農林水産分野の利活用促進、それを進めていくには、まずいろんなところの御協力、御支援が必要だと思っています。特に放射光施設間の連携ということであれば、国内放射光施設の皆様方にいろいろ御指導いただくことによって、こちらの腕を上げていきたい。また、大学さんについても、もちろん御協力いただきたいと思っています。
ということで、夢だけは大きくなんですけれども、放射光技術による地域産業の振興というのを、まずは佐賀県、そしてその次に九州域、最後は日本全国に広げていきたい、その中で、放射光施設間の連携というのが非常にうまく機能してくれるとありがたいなと思っています。
以上です。
【有馬主査】 どうもありがとうございました。
ただいまの御説明につきまして御質問や御意見等ございましたら、どなたからでも結構ですので、御発言をお願いいたします。
川北委員。
【川北委員】 総合科学研究機構の川北と申します。J-PARCの登録機関でCROSSに属しております。
J-PARCの連携ということも考えていただいて、非常にありがたいなと。木材の部分の水の分布とか、非常に我々が得意なところもあります。こういう連携の協議って、初めて放射光も中性子も含めてできているということが非常にありがたいなと思っておりまして、そういう必要なビームが必要なときにすぐに利用できるようになれば確かにいいなと思っておりますし、我々もそれに協力したいと思っています。
ちょっと感想みたいなもので、質問ではないのですけど、今4つの施設の話を聞いて、やっぱり日本の放射光施設って強いなというふうにすごく感じました。全ての施設がある意味待ち時間なく利用できるということになっているのかなというところがすごいなと思って、中性子はまだそこまで全然たどり着いていないかなというところは、本当に放射光、強いなというふうに思いました。
施設間連携というのは、まだそれほど組織的にはなっていないけど、草の根的にはやっておられるような感じで。例えば、ビームタイム150日みたいなものが、うまく連続的に全ての施設で年間通じて運転がどこかであるみたいな感じになっていれば、すごく強いなと思いました。
感想だけです。どうも。
【有馬主査】 ありがとうございました。
ただいまの御意見について、もし何か施設側の方で御発言なさりたい方がいたら、それでもよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。よろしいですか。
【國枝所長】 國枝です。メンテナンスに関しては、SPring-8が多分夏季に電力を落とすために閉めていると思うのですけど、あいちのほうは、4月の頭にメンテナンスを入れていますので、だから、夏なんかはお互いにカバーされているのではないかなと。佐賀はどうかよく知りませんけれども、佐賀と大体あいちは似たような施設ですので、そういうところがカバーし合ってはいることになっていると思います。
【有馬主査】 情報ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。
【高橋委員】 よろしいですか。
【有馬主査】 高橋委員。
【高橋委員】 QSTの高橋です。私もコメントなのですけれども、廣沢所長はずっとJASRIとSPring-8で経験が長くて、それで佐賀のほうでまた移られてということなので、そういう経歴を反映してですけれども、施設間連携の重要性、複数の施設を御存じということで、そういう御意見を出していただいていて、私も最近それは非常に重要なことだというふうに感じていて、本当に同意するところです。
施設の中で働いている職員は、自分のところの施設はもちろんよく分かっているのですが、他の施設のことは、意外にもというか、もう自然の成り行きかも分からないのですけど、ほとんど分からなくて、相補的な使い方とか、そういうことを自分自身分からないのですね。だから、ユーザーさんとかにも提言とか提案とかする場合においても、そういう他の施設のことをよく知っているということは重要なので、人材の定期的な交換とか、何かそのようなことを通じて連携が進むと非常にいいかなというふうに思ったところです。
あと、もう一つ、佐賀だけではなくて、他の施設の御発表も聞いて思ったことなのですけれども、学術中心のSPring-8とかPFとかの場合は、論文等の形で、どういった測定ができるのか、どういうクオリティのデータが出るのかということはかなり皆さん共有しているのですけれども、産業利用とかが中心の施設になると、どうしてもそういったところが分からない、どんなデータが取れるのかというのが、デモンストレーション的なデータぐらいしか出てこないので、そこは非常に難しいところだとは思うのですけれども、事例みたいなところを何かの形で共有できるようなところがあると、これから参入してくる新しいユーザーさんとか、あるいは、SPring-8がブラックアウト期間中に他の施設のどこだったら使えるかということを判断するのに非常に有益な情報になると思うので、そういったところの対策というのは非常に有効なのではないかなと感じています。
以上です。
【有馬主査】 ありがとうございました。
【廣沢所長】 廣沢ですけれども、発言よろしいでしょうか。
【有馬主査】 よろしくお願いします。
【廣沢所長】 ありがとうございます。
僕はこう思っているのですけれども、例のプラットフォームの事業、5年で終わってしまったのですけど、非常に有益だった。その中で、さっきもちょっと示したのですけれども、そのときのデータも有効だったのですけれども、その後、各施設、機器の高度化とかをやっていって性能が変わっていますので、こういったことは継続的に行ったほうがユーザーサービスの向上につながるのではないかと思っています。
ただ、いつも悩ましいのは、そのための原資をどうするかというところです。
【有馬主査】 有効性と、それから原資の話について御指摘いただいたと思います。
そのほか、いかがでしょうか。
高橋委員が最後におっしゃられたことの一つの可能性としては、もちろん各小型施設は産業利用がメインとはいえ、成果公開の部分も一部あるのはあるので、その部分を、なかなか人手が難しいというのは大変よく分かりますが、何かの形でうまく情報として出せるようになるといいのかなというのは思いました。
そのほか、御意見。朝倉さん。
【朝倉センター長】 もちろん、成果公開の部分は小さいのですけれども、我々のところもそうですが、いろいろなところでもやっぱり年報を毎年作られて出していますし、我々のところはホームページにも上がっていますので、そういった情報発信というのは今後も強化していかないといけないかなというふうには思っております。その辺が参考になればと思っています。
【有馬主査】 ありがとうございます。
個人的には、多分、例えば学会とかでも、そういうものを比較するようなことを学会側でちゃんとやる、そういうような努力も少ししたほうがいいのかもしれませんね。
そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、どうもありがとうございました。
続きまして、SPring-8-IIに向けた取組として、矢橋委員より資料6について御説明をお願いいたします。
【矢橋委員】
理研の矢橋です。よろしくお願いします。
ここからは、大分また毛色が変わった議論になりますが、今まで皆様、特に施設間連携の御議論がありましたので、一言だけコメントしたいと思います。
やはりSPring-8でも、必ずしも高輝度だけではなくて、アンジュレータのような利用も評価は高いのですが、偏向磁石のビームラインはそうでもないと。一方で、やはり一般的な産業利用はそこで成果がたくさん出ているというのがありますので、これまで御報告がありましたように、施設の規模が必ずしも大きいほうが産業がすごいということではないと。逆に、重層的に施設があるということは、今までの繰り返しになりますが、日本の強みであるということは言えると思います。
もう一つは、ネットワークを構築するということは非常に重要だという御意見が大勢、もちろんそのとおりだと思います。あと、そのやり方として、今の年報・レポートとかももちろんありますが、なかなかそのレポートにアクセスするのも大変だということですが、最近AIとかLLMとかいろいろありますので、入り口のところはそういう工夫がまず一つあるかなと。
あと、出口のデータ連携のところも、いろんなことでAIを使ったりすると、非常に革新的ないろんな取組ができるのかなと思いました。
本題に移らせていただきます。利用制度、利用料金の見直しということで、今回お時間をいただいております。
まず、その背景といたしまして、2024年に出ました文科省のSPring-8/SACLA中間評価のコメントを簡単に御紹介したいと思いますが、SPring-8は、供用開始以来、技術面・能力面では大きく進展し、SPring-8-IIのアップグレードに向けていろいろ整備も進んでおりますが、一方で、利用制度については、幾つか新しい課題種はもちろん導入しておりますが、根幹となる考え方は、基本的には供用開始以来30年変わっていない。したがって、SPring-8-IIのタイミングで、特に時代に即した制度の導入を検討するような指摘がなされているというところでございます。ここにもありますが、施設が提供する価値相当分の受益者負担を検討すべしということも、ここで指摘をされているところでございます。
それで、まず現行どうなっているかというおさらいですが、この利用制度の考え方を示す重要な政策文書として2つございまして、1つが、この上の括弧にある共用の促進に関する基本的な方針、それから、下側に、航空・電子等技術審議会、いわゆる航電審答申というものがありまして、実は下のほうが大分古いわけですが、ここで細かいところは読み上げませんが、幾つかポイントを抜粋しますと、まず、利用者本位の考え方で運営すべしということがございます。
次に、原則として、研究成果は知的公共財として積極的に公開すべし。また、その場合はビーム使用料を無料とすべしということがあります。
一方で、知財等の理由によって成果を秘匿する、専有する場合は、運営費回収方式、すなわち、当該のビームタイムにおける施設のオペレーションにかかった費用をビーム使用料とすべし。また、消耗品実費を徴収することはやむを得ないということが下にまとめられています。
このうち、こういった原則がありますが、今後も継続するところは当然ありまして、例えば、利用者本位の運営で共用を促進すべしというところについては、恐らく今後も異論はないかと思います。あと、成果の公表についても、オープンにできる成果は積極的に公開していくというところは変わらないかなと。
一方で、この供用開始から30年を経まして、2ポツのところでございますが、社会経済情勢が大きく変化しておりますので、例えば、国の戦略的な研究開発であったり、産業の国際競争力強化、それから、経済安全保障といったいろんな観点が非常に重要になってきております。こういったところを考えますと、例えば、その利用機会を確実に担保するとか、場合によっては利用そのものを完全に秘匿するとか、逆に、部分的には成果を公開するとかいったような多様なニーズが新たに生まれてきていると。
一方で、従来の考え方では、成果公開・成果専有の二分法ということでしたが、なかなかこれで収まりがつかなくなっているというところがあります。
すなわち、この4ポツですが、多様なニーズが出てきていますので、現在の利用者本位の観点からも、利用制度をアップデートしたほうがいいのではないかというところを理研内でも議論しているところでございます。
それで、冒頭の中間評価のコメントも踏まえて、エッセンスを表現したのが5ポツでございますが、例えば、課題ごとに優先権・専有権を適切に設定し、それらの価値相当分を利用料に適切に反映するといった表現の仕方があるかと思います。
さらに、一方で、利用料収入というのは、現在運営費回収方式で算出されているために、使途としても、主に運営のところ、運転・維持管理のところを補完しなさいということになっておりますが、施設のいわゆる高度化のところにも充当して競争力を強化していくところも非常に重要になってきているところでございます。
このような問題意識を基に、新たな利用料金制度ということでの考え方ということで、たたき台を御提案したのがこのスライドでございます。
まず、1ポツのところのエッセンスですが、成果専有の利用料、いわゆる基本料金のところにつきまして、従来はこれは運営費回収方式ということでしたが、これを、冒頭からありますように、施設が提供するサービス等の価値に相当する分の受益者負担を徴収する。この場合の利用料は、運転・維持管理だけではなくて、いわゆる高度化にも充てるということです。
一方で、サービス等の価値というのは何なのかということがございますが、これもやはり説明可能な根拠というのが必要でございますので、それは2ポツですが、今申し上げたように、使途として、運転・維持管理に加えて、高度化にも資するという前提に立ちますと、一つの考え方としましては、前半の運転・維持管理のところは従来の運営費回収方式の積み上げ、一方で、高度化の部分は、ここもいろんな考え方がありますが、例えば、今回のSPring-8-II整備と同規模の金額を一定期間、20年にわたって利用者に賦課するという、ある意味で減価償却に近いような仕組みが考えられるところでございます。
3ポツは後で行きまして、4ポツに行きますと、また、ユーザーニーズに応じた多様な利用種も用意するというところですが、このときに、各メニューの料金は、基本的な成果専用利用と比べたときと内容の差異を考慮しながら設定するというところも合理的かなと思われます。
3ポツへ戻りまして、これは施設の形態が変わってきたところですが、SACLA入射が確立して、SPring-8/SACLAは一体運転というのがもう確立しましたので、SACLA加速器の運営費、今までSACLAは専らSACLA、SPring-8は専らSPring-8ということでやっておりましたが、そこを一体に按分するということも合理的かなと。そうなりますと、結果として、SACLAの利用料単価は減少し、SPring-8側が少し上がるということになります。
基本的な考え方としてはここまでですが、次からは御参考ということで、次のページをお願いします。
今の考え方で実際試算したらどうですかという、これはまだ御参考ということですが、このようになりまして、SPring-8は現在より少し高くなって、1時間、今まで6万円というところが10万円程度となっていますが、海外施設、例えば、PETRA3とかESRFとか、公開されているものですが、そういうのと比べると、同程度となっています。一方で、SACLAのほうの単価は、これによると約半額ということになっております。
利用メニューというのもいろいろ出てくると思いますが、少し飛んでいただいて、参考資料の、これはまず現行のところ、課題種を御紹介しておりますが、先ほど申し上げたように、現行の課題種は、成果公開か成果専有というところの二分法のところに、いろんなところをある意味でどんどん継ぎ足しでやってきておりまして、なかなかこれは分かりにくいなというところもありますが。
戻っていただきまして、利用メニューは、ただ先ほどのものを羅列しただけのものですが、こういったものをいかに分かりやすく見せていくか。それから、当然新たなメニューは検討するとか、各メニューの料金をどうするかとか、あと、これも以前からかなり御要望がありましたが、測定代行のときに、1時間当たり、これは基本的に試料を送っていただいて結果を返すということですが、基本的には試料の個数から簡単に料金を算定できたらいいなという声も多数いただいておりますので、そういったことができないかとか、あと、データの利活用のところ、いろんな検討課題がありますが、こういったところは追って詰めていく必要があると思います。
今後の流れをまとめたものがこのスライドですが、後半、料金の試算とかメニューとか、そういったところを少し御紹介しました。これは丸2番、理研・JASRIでこの後、検討して、丸3番、ユーザーコミュニティの意見も踏まえて、改めてこの場でも御議論いただきたいと思いますが、まずは4ページ、5ページに示させていただきました考え方の丸1番のところ、ここについて、本審議会での御議論、コメントをいただけるように、よろしくお願いいたします。
以上でございます。
【有馬主査】 ありがとうございました。
ただいまの御説明について御質問や御意見等ございましたら、どなたからでも結構ですので、御発言をお願いいたします。
それでは、まず有馬から質問というか発言させていただきますけれども、考え方が運営費回収から変わっていくと。これについて私は合理的だと思っていますが、一方で、最後の話もありましたが、成果専有、特に代行の場合に、どういうサービスを得たかというのがベースになった料金設定というのはもちろんあると思っていて、そういう意味で、個数というのはある考え方の一つなのですけれども、代行でなくても、例えば、成果専有でも、測定をそこで何時間させてあげましたという考え方に基づくのか、そうではなくて、その結果、例えば、データというのも、生データをそのまま渡してやるのか、だんだん高度な測定、SPring-8-IIはやるので、そこの解釈というか、そこまでサービスでやるのかというところで、やはりそこは変えてもいいのかなというふうに思っています。
だから、幾つかそういうものはあるのですけれども、つまり、ベースをある時間測定できたからというのだけではなくて、どういう成果物が出たかというところを考え方に入れてもいいのかなというのが、基本的な考え方の一つではあるのではないかなと思っています。
【矢橋委員】 ありがとうございます。
7ページ、今有馬先生から御指摘のありました、単に結果だけではなくて、その解析のところもいろいろあるのではないかということで、ここのポツの下から2つ目がありますが、JASRIの方でオフライン解析サービスということで、試行的にはこれは始めています。これを、例えば、料金のところもどういう位置づけにするのかというところも含めて、御指摘いただいたように、これは非常に重要な論点になると思います。
【有馬主査】 そのほか、いかがでしょうか。
料金そのものというより、考え方。
國枝さんですかね。
【國枝所長】 先ほどの最初の方の話で、今回、今までは必要な経費だけを積算していたのにということだったと思うのですが、そこは基本的には電気使用料であるとか、それから、どういうものが入っていて、今度は何を付け足すのかなというところ、例えば、人件費はどういうふうに、ビームラインのスタッフの人件費とか、そういうものの変わり方がよく分からなかったのですが、どういうことが今度は上がることの理由になるのでしょうか。
【矢橋委員】 ちょうど今見ていただいているスライドの左下にありますが、運営費の総額というところで、これまさに運営費全部ですので、先ほどのオペレーションの人件費等々も込みで試算をしているというのが今のやり方でございます。
ただ、これはあくまでも運営費の回収ということですので、特に高度化とひもづけた部分で言いますと、新たなSPring-8-II整備と同規模の金額というところは、これまさにSPring-8-IIの約500億の金額を例えば20年で割ったという、年間当たり25億というのが、この運営費に賦課されたものをベースに計算をしているということになります。
【國枝所長】 そうすると、投資した金額を回収しようという、そういう考え方ですか。
【矢橋委員】 見合いということですね。必ずしもそのものを回収するということではないのですが、仮にこういうふうに積むとこうなりますということでございます。
【國枝所長】 それって、しかし、ユーザーに対しての負荷はすごく大きいと思うのですよね。それで、この金額は、ただ専有のことだけではなくて、一般のユーザーもそういう範囲に入るのですか。
【矢橋委員】 いや、今の場合は、あくまでも基本料金と言っている成果専有利用料のところだけですので、次のページに一応試算をしてありますが、これをいろいろインクルードしたのがこの値段ですので、ここから大きく乖離するということには今のところなっていません。
【國枝所長】 我々の経験でいくと、投資金額を割ったら、多分、今の運営費のこれでは済まないのではないですか。試算したら。
【矢橋委員】 いや、これは試算をしたものですので、この考え方に基づけば、こうなる。この金額については、大きく動くことはないと考えています。
【國枝所長】 そこに入っているのは、今回のSPring-8-IIの改修費というか。
【矢橋委員】 そうですね。それをある一定の期間、長期で割って。
【國枝所長】 20年と言われましたよね。
【矢橋委員】 そうですね。そこの分母をどうするかというのもありますが、一般的に次の高度化まで20年、25年というところを考えまして、試算をするとこうなるということでございます。
【國枝所長】 現在の利用料収入は、SPring-8、幾らあるのでしたっけ。
【矢橋委員】 今すぐ数字は出てきませんが、6~7億ぐらいですかね。
【國枝所長】 その27億を回収しようと思ったら、4倍になるのではないですか。
【矢橋委員】 これはあくまでも単価を試算する、全て成果専有でやったときにはこうなりますということですので。
【國枝所長】 そうですよね。その残りの分は、国からかどこか分かりませんけど、補助をするということは、そういうことですね。
【矢橋委員】 はい。
【國枝所長】 全部の時間が専有であれば、この値段になると、そういうことですね。
【矢橋委員】 そうです。それは現行の考え方も同じです。
【國枝所長】 分かりました。そうでないと、とてもそろばんが返ってこないので。分かりました。
【矢橋委員】 はい。
【高橋委員】 よろしいでしょうか。
【有馬主査】 高橋委員。
【高橋委員】 今の考え方のところなのですけれども、賦課サービス等に対する金額を取るというのは、受益者負担という考え方で合理的だと思うのですけれども、投資費用を受益者負担として取るというのは、やっぱり何か釈然としないところがどうしてもあります。
というのは、こういう施設を造ったときの経済効果というところを無視されているような気がしていまして、必ずしも受益者はそれを直接使うユーザーさんだけではないはずです。それを造ったことによって、いろんなところに利益が波及していくというところが、こういうのに投資する多分そもそもの意味であると思うので、そこの部分が入らずに、ユーザーさんからだけ取る根拠に使うというのは何となく釈然としないのですけれども、そこの辺はいかがでしょうか。
【矢橋委員】 そこはいろんな考え方があると思いますが、まず一つの考え方としましては、特に高度化にこういったものを充てようとすると、やはり何か根拠が必要となって、例えば漠然とした経済効果みたいなのは、なかなかそこは説明としては難しいのかなというのがあります。したがって、一応算数ができるような数字はこういうところであると。
【國枝所長】 何か今のロジックは僕にはちょっと納得できなくて、こういう施設を国が造る、例えば、県もお金を出す。それは、この利用者が直接お金で返すのではなくて、やっぱり県なり国なりの成果が上がってくることを想定して造っているわけですよね。それを何か……。
【矢橋委員】 いやいや、もちろんそれはおっしゃるとおりなのですが、今議論にしているのは、例えば、一般的にオープンにするようなところ、しかも課題選定を経てオープンにするところについては、おっしゃるとおりでございます。
一方で、そこではないところ、例えば、知財の権利を持つとか、あとは、課題選定を例えばスキップするとか、そういったところについてどういうふうな価値相当分という事について立てつけを考えるかということになります。
【國枝所長】 僕はそういう理解で施設が造られているとは思っていなくて、例えば、愛知県が35億出したのは、それによって、研究は最上流じゃないですか。その末端のところにどういうふうにつながったということは示されないのですけれども、その結果、結局、ちゃんと電車が走っているというのは、これはやっぱりいろんな放射光の努力が実っているわけですよね。それで県に戻っていくというのがあるから、だから補助金を入れてくださいねという、そういうロジックでやっているのですよ。だから、そこは、ユーザーがたとえ専有したとしても……。
【矢橋委員】 いや、そうすると、現在の利用制度のところまで踏み込んで、違うということを今おっしゃられていますか。
【國枝所長】 いや、我々のところでは……。
【矢橋委員】 いやいや、それは、でも、SPring-8では、もう少なくとも今の現行の利用制度というのがありまして、そこをベースにモディファイするという議論をさせていただいていますので、現在のところまで違うと言われると、なかなか難しいかなと。
【國枝所長】 いやいや、そういうことは言っていないつもりなのですけど。今SPring-8がやっておられる方法は、実際にかかった、その瞬間にかかった費用を積算して請求しているという形ですよね。それが成り立っている理由は、それが今の投資金額を回収するという考え方はなかったはずですよね。それは、投資金額は、いろんな形で、有形無形の形で世の中の革新につながっていて、それが結果として国に対しても競争力を高めている、そういう理解で今までは利用者に対しては実際に必要な経費だけ要求していたわけですよね。そこを変えるということになりますよね。そういう理解でいいですか。
【矢橋委員】 そうですね。はい。
【國枝所長】 ちょっと違う。僕は違う理解だと思っています。
【有馬主査】 いろいろ御意見あると思います。
一つの考え方、これも人によっていろいろ違うと思いますけれども、これ、時間当たりにしているわけですよね。実際は、高度化をすることで、1時間当たりできることは相当増えますと。それはもちろん共用法の下では、成果公開の人たちのために、もっといい学術ができるように、もっといい技術ができるようにということで、多分日本全体、あるいは世界全体に資するということが目的でやられていると思いますが、それを成果専有で使うというのは、いろんな考え方はあると思いますけれども、その使われた方に一時的な利益が来るという可能性があって、その分、1時間当たりというのが、できることがこういう高度化のときに増えているというような事実もやはり無視はできないのかなというふうに私は思っています。今後もこれは議論を続けなければいけないかなと思いますね。
そのほか、いかがでしょうか。
古川委員。
【古川委員】 古川です。今のお話を聞いていたときに、結局、この中間評価報告書2024年に基づいて、サービス料の価値に対するところの賦課分というのを、どこからどういう理由づけで算出するかというところなのですよね。
それを今の議論で言ってしまうと、かかったお金の回収というふうに言われてしまうと、やっぱり議論が出てくるということだと思いましたので、今有馬先生もおっしゃいましたけれども、利用価値が増えたって、運営費ではなくて、運営費は、それはそれに基づいた算出の上に、ビームの強化に対してのサービスの面での付加価値の予測分というもの、そういった表現になさると、今のような議論がなくなるのかなというふうに思いました。
結果的に金額が6が10になるとか、そういうのは、その辺がリーズナブルなところとかというのは、いろんな議論がまだあるかと思いますけれども、そのベースの言葉のところがちょっと難しかったのかなというふうに思いました。
【有馬主査】 そうですね。ありがとうございます。
【古川委員】 以上です。
【有馬主査】 そのほか、いかがでしょうか。
久米委員。
【久米委員】 花王の久米です。御報告ありがとうございます。
先ほども出ていましたけれども、やっぱり我々企業のユーザーとしては、そういう成果専有もかなり多く使うと思います。そのときに、今も出ていましたが、やはり時間当たりというよりは、一番シンプルには、この金額で幾つ測れるかみたいな、そういうところがやっぱりイメージするところかなと思います。
そうするときに、もちろん高度化のところで、ビーム強度が上がるということで増えるというのもありますけど、さらに言うと、自動化によって早くなるとか、それから、切替え時間がうまいこと、それも自動化とかによって短くなったら、実際測定できる時間数が増えるとかということになると、むしろこの金額で安くなるのではないかとか、そういうようなこともあるかもしれないなと今見せていただいたところです。
そうすると、使う側にとっては、細かいところはいろいろそういう議論はあると思うのですけれども、割と納得いく感じで、こういった内容も受け入れられるのではないかなとも思いました。なので、そういう面でも、ぜひ整備とか、そういうところも進めていただいて、また、実際そういうふうになるのだというような御説明とかが今後していただければ非常にいいのかなというふうに聞かせていただきました。 以上です。
【有馬主査】 どうしようかな。まだちょっとだけ時間が、もう切れているのですけど、唯委員。
【唯委員】 すみません。簡単に。
多分相当時間のかかる議論だというふうに思っているのですけれども、今、成果専有のところで積算の算出根拠になっているのだけど、成果とサービスという人によって値段のつけ方がいろいろあるようなところに、今そういう算出根拠がすごくあるように感じました。
これ、恐らく成果専有と非専有のところの割合とか、そういうことが全体のところの数値にかなり効いてくるのではないかと思うのですけれども、やはりここで世界最先端のところをやるということも非常に大きなここのミッションですので、その辺りの議論がユーザー側の観点から、きちっとその割合も含めて反映されるようなところというのをきちっと設けていただければなというふうなのがコメントです。
以上です。
【有馬主査】 コメントどうもありがとうございました。それはまた別途検討ということになるかと思います。現在でも成果専有はキャップがかかっていて、無制限にいくということではないというふうに理解しています。
いろいろ議論あって、私の不手際で時間を超過したのですけれども、お時間ですので、議論はこの辺りまでにしたいと思います。
事務局におかれましては、ただいまの御発表、それから、意見交換を踏まえつつ、次回のヒアリング等に向けた準備を進めていただければ幸いです。
最後に、議題(2)その他ですが、事務局から何か連絡事項等はございますでしょうか。
【伊藤補佐】 次回の量子ビーム施設利用推進委員会の開催日程は、4月28日を予定しております。詳細につきましては、後日御連絡をさせていただきます。
また、本日の会議の議事録につきましては、作成次第、委員の皆様にメールにて御確認いただき、文部科学省のウェブサイトに掲載させていただきます。
以上でございます。
【有馬主査】 ありがとうございました。
以上をもちまして、第8回量子ビーム施設利用推進委員会を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。

 
―― 了 ――

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