令和8年2月6日(金曜日)16時00分~18時00分
ハイブリッド開催(文部科学省東館3階3F1特別会議室及びリモート)
中北部会長、原田部会長代理、市村委員、上田委員、川辺委員、堅達委員、鈴木委員、竹内委員、筒井委員、前島委員、増田委員、森田委員、矢野委員
坂本研究開発局長、清浦審議官(研究開発局担当)、山口環境エネルギー課長、澄川環境科学技術推進官、鈴木課長補佐、中川地球観測推進専門官
内閣府 松田科学技術・イノベーション推進事務局参事官(統合戦略担当)
株式会社Synspective ソリューション開発部 藤原ゼネラルマネージャー
株式会社オーシャンアイズ 田中代表取締役社長
事務局:それでは、ただいまより第11期地球観測推進部会の第2回会合を開催いたします。
本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
まず、事務局から、本日の部会の進め方について御説明いたします。
本日は、対面とオンラインのハイブリッド会議になります。また、冒頭からオンラインの傍聴者にも公開しております。
対面で御出席の委員は、発言を希望される場合は挙手をお願いいたします。指名されましたら、御発言ください。
オンラインでの御出席の委員は、御発言時以外はカメラとマイクをオフにお願いいたします。御発言を希望される場合は、挙手ボタンを押してください。指名されましたら、カメラとマイクをオンにして御発言をお願いいたします。その際、まず御名前を述べていただいた上で、御発言をお願いいたします。
次に、配付資料につきましては、事前に議事次第、資料1-1から2-2をメール等でお送りしております。不備等ありましたら、事務局までお申し付けください。
続いて、委員の出席を確認させていただきます。
まず、中北部会長、川辺委員、堅達委員、筒井委員、前島委員、増田委員、森田委員の7名の委員には、対面で御出席いただいております。
また、市村委員、上田委員、鈴木委員、竹内委員、原田委員、矢野委員の6名の委員には、オンラインで御出席いただいております。
このため、本日は13名、全委員に御出席いただいており、本部会は成立となります。
また、オブザーバーとして、内閣府科学技術・イノベーション推進事務局から、松田参事官にも御参加いただいております。
事務局からは以上となります。
以降の議事進行は、中北部会長にお願いいたします。よろしくお願いします。
中北部会長:それでは改めまして、京都大学の中北です。部会長、司会を務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今日は全委員の御出席ということで、夕方でもございますが、今日は話題提供を企画いただいていますので、多くのご質問等いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、議題に入る前、前回の会議では委員の皆さまから御挨拶をいただきましたので、前回御出席いただけなかった委員の皆さまから、1人2分程度でごあいさつをいただければと思います。
まず、会場での出席の委員、まず堅達委員、それから増田委員、お願いできますでしょうか。
堅達委員:NHKエンタープライズのプロデューサーの堅達と申します。どうぞよろしくお願いします。長年、NHKで気候変動とか脱炭素とか、そういった分野の報道を続けてまいりまして、その中で、こういう科学データとか地球観測の重要性ということは身に染みて感じているところではございますが、今、昨今のトランプ政権による地球観測の軽視といったような問題もありまして、ぜひいろんな話題を皆さまと御一緒に議論していけたらというふうに考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
中北部会長:どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
それでは続きまして、増田委員、どうぞよろしくお願いします。
増田委員: 海洋研究開発機構の地球環境部門の増田と申します。よろしくお願いいたします。専門は海洋物理学で、主に海の中の観測、グローバルスケールですね、観測とか、極地研究を含む地球スケール変動現象を扱う部門を担当しております。個人的には、昨日も南極の衛星データ使い解析をしておりまして、私の専門分野でも衛星データは欠かすことのできないものと認識しておりますので、この部会でも何らかの貢献ができたらと考えております。よろしくお願いいたします。
中北部会長:どうもありがとうございました。よろしくお願いします。
続きまして、オンラインのほうから御出席いただいています上田委員、ごあいさついただければと思います。お願いします。
上田委員:ご紹介いただきましたとおり、SOMPOリスクマネジメント株式会社に所属しております上田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
初めに簡単に弊社のことについて御紹介をさせていただきます。社名のとおり、SOMPOグループの子会社であり、損害保険事業に関連したリスクマネジメントを専門に、企業様にコンサルティングを実施している会社となります。
私が所属している部署におきましては、サステナビリティー経営に関する御支援をしておりまして、特に私の専門といたしましては生物多様性を専門としておりますので、最近ですと、TNFDと言われる自然関連の財務情報を開示するというような御支援を主に実施しておりまして、具体的なところを御説明させていただきますと、企業活動においてどのような自然関連のリスクや機会があり、また企業に対してどのような財務上の影響ということで、例えば生物多様性が損なわれることで調達コストが増加するとか、製品売り上げが減少するとか、そういった評価をさせていただいております。併せて、気候変動のTCFDにも携わらせていただいております。本部会に当たりまして、民間企業、コンサルタントの立場として、何かお役に立てることがあれば非常に幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
中北部会長:どうもありがとうございます。ぜひどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、3委員の皆さま方、ごあいさつどうもありがとうございました。
それでは、議題1に入りたいと思います。議題の1つ目、データバリューチェーンの実践事例ということで、まずは前回の振り返りとして、資料1-1に基づき、事務局から御説明いただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
澄川環境科学技術推進官:ありがとうございます。前回の部会でいただいた御意見を踏まえ、資料の1-1の通り、まとめさせていただいております。大きくは4点ほど挙げさせていただいておりますが、最初の2つが、いわゆるデータバリューチェーンのグッドプラクティス、このようなものを把握していく、そして他の分野においてもそのような取組を活用していくことは非常に有効であろうということや、あるいは観測側だけでなく、出口側から見た視点というのが大事であるという御指摘をいただいております。
その上で、下の2つですけれども、データバリューチェーンの地域における取り組みということで、使えるものは使用していくといった時に、国際的に広いところもあるため、ローカルであれば、どこまでが使えるのかというところも1つ御指摘をいただいております。あるいは社会科学の活用ということで、そのような視点から、フィールド観測だけではなくて、社会の観測というのが今はないという前提で、どのようなものが考えられるのかという御指摘もいただいております。
その上で、本日は、特にこの最初の2つのポイントですけれども、データバリューチェーンのいわゆるグッドプラクティスということでお話を伺えればと考えております。
以上になります。ありがとうございます。
中北部会長:澄川推進官、どうもありがとうございました。
こちらに関しては特に質疑の時間設けておりませんが、もし何かありましたらお聞きしますが、いかがですか。報告ということで御説明いただきました。
それでは、ないようですので、どうもありがとうございました。
続きまして、宇宙分野と海洋分野、それぞれのデータバリューチェーンの実施事例として、今回、2社の方をお招きしています。株式会社Synspective様、それから株式会社オーシャンアイズ様の2社からご発表いただきます。
まずは、Synspective藤原様からご発表いただきます。SARなどの内容を含め、私も防災出身ですので、防災でもよく今も活用されているということだと思いますので、よろしくお願いします。
あと、情報通信研究機構が、Pi-SARの開発をしているのですけど、そこのアドバイザーもしていまして、いろいろ地上からの観測でも大事なところがあるみたいですが、今日は宇宙からということで。今、雪ありますよね。雪の流れの兆候とかいうものもSARで見えないかとか鉄道会社が実施しているとか、いろいろありますので、また事業に生かしていただければと思いますが、始まる前にしゃべりすぎましたが、ではどうぞよろしくお願いいたします。
藤原ゼネラルマネージャー:いろいろご存じで、大変助かります。
中北部会長:では、藤原様、よろしくお願いします。
藤原ゼネラルマネージャー:はい。株式会社Synspectiveの藤原と申します。よろしくお願いいたします。
データバリューチェーンの実践事例ということですが、前回の議論の内容を十分に把握できておりませんので、話の方向性が合っているか不安なところもございますが、弊社でどのようなことを試みているか、また試行錯誤しているところもご紹介させていただければと思います。
弊社は2018年設立で、現在8年目の日本資本の会社です。ただ、もともとSARという分野自体が日本国内でも技術者が多くはなく、限られた企業やJAXAに在籍している程度ですので、当初からグローバルに人材を採用するという方針で、非常に多様なチームで、資料では205名と記載しておりますが、現時点では約230名に増えており、23カ国から非常に多様な国籍の人材を雇用しております。海外からのリモートワーク採用ではなく、日本に移住していただく形を取っており、安全保障などにも関わる分野ですので、社員として国内に居住[KK1] していただいております。
営業支社としては、日本以外にも、シンガポールやアメリカに子会社を設置しており、先日ドイツにも新たに設立しました。販売パートナーや提携先は現在世界36の国や地域に展開しており、今後も伸びていく予定です。
あとは、衛星をつくっていくというところで、当初はJAXAにお世話になっておりましたが、現在は大和市中央林間に主力工場を設立し、そちらで年間12機程度の衛星を同時に製造できる体制を整えております。量産といってもその程度ではありますが、衛星産業においては大きな生産規模です。
われわれがやりたいことというのは、宇宙企業やスペーステックと分類されますが、われわれ、もともと技術の開発そのものよりも、地球のことを皆が理解し、次の世代がよりよい暮らしを実現できるよう、また現在の生活を維持できるようにするための基盤を構築する、インフラストラクチャーをつくるという、データや地球の理解に資するインフラストラクチャーを構築することをミッションを掲げています。ですので、必ずしも、SARのみにこだわっているわけではなく、地球観測という領域において、正しい理解がされ、皆さまが活用できるようにするというところに取り組んでおりまして、私が担当している部署は、特にデータの理解やSARという、画像は後ほどお見せしますが、比較的一見して何が起こっているか分かりにくいデータ、それをしっかりと意味のある、いろんな専門家の方、それぞれの災害であるとか建設であるとか、そういうところの専門家の人が理解できる形にしてお届けするというところに当初から注力しております。
次に、弊社の衛星なのですけれども、もともと内閣府さまのImPACTプログラムというところで最初の設計というところは御支援いただいていまして、それがある程度形になった段階で民間企業としてスピンオフさせていただきました。政府支援から民間企業への移行という点で、一つの好事例になるのではないかと考えております。
特徴としては、従来の大型衛星は1トンから2トン程度の重量があり、コストも1機あたり数百億円かかるところを、両方とも10分の1程度、コストも10分の1、大きさも10分の1程度に抑えております。一見、宇宙からであれば何でも見えるような印象がありますが、軌道を周回しているため、その近くを通過しなければ観測できません。そもそも、地球の裏側など遠方にある場合は観測できないため、ある程度の機数がなければ、地球全体をカバーすることは困難です。
次に、SAR衛星データについて、中北先生をはじめご存じの方もおられるかと思いますが、簡単に御説明いたしますと、一般的な光学衛星、地図サイト等で衛星写真に切り替えた際に表示されるものというのは、普通に航空写真撮ったような形で、カメラで撮影した分かりやすい画像ですが、SAR衛星というわれわれが作っているものは、この左側にあるような白黒の形でざらざらしたような、初期のテレビのような見え方になります。なので、見ていただいて、おおよそこれが船であろう、これは山であろうということは推測できますが、それが確実に船である、あるいは実はいかだであるといった判別は困難です。そこが大きな課題です。
でも、なぜこのような方式を採用するかというと、光学衛星は通常のカメラで撮影するため分かりやすいのですが、目で見るのと同様に、夜間は暗くなると観測できません。地球の半分は常に夜側であり、暗い状態です。残りの半分は昼間ですが、雲の影響もあり、全体の25%から30%と言われますが、雲がかかっていると、今ここを撮りたいと。災害が起こりました、ここを撮りたいといった時に、撮れるチャンスというのは2割だったり4割だとか、そのあたりで、半分以下の確率と言われます。なので、われわれの場合は、自分たちで電波を出して地上スキャンするので、雲があってもある程度見えるというところで、有事や災害の際に、今ここを観測したいというニーズに応えられます。それに加えて、衛星の機数を増やすことで、どんどん上空を飛んでくるチャンス、確率も増えますので、その掛け算で価値が上がっていくというような形で考えます。
次に、われわれ、今のところ、衛星企業としては珍しいと言われますが、これまで1機も失敗しておらず、今まで7機打ち上げているのも全部成功しています。
ここまで、6号機までしか記載しておりませんが、現在7号機が打ち上がっており、間もなく運用を開始する段階になっております。先ほど述べた中央林間の工場で順次製造を進めており、今年からは年間6機、10機、12機と増産していく予定です。
次に、こちらは今後の計画ですが、2028年以降には30機体制を目指しており、今までわれわれ、米国のRocket Lab社のロケットを活用して打ち上げていたのですけども、今、SpaceX社とも契約しまして、そちらも併せてどんどん打ち上げていくというような体制になっております。
次に、弊社の強みと特徴としましては、冒頭にも述べたように、単に衛星を製造するだけではなく、出てきたデータをしっかりと意味のあるものにしていくというような両輪のところを注力していくというところが特徴になっております。なので、先ほど述べたように、この白黒の画像とか、実際、データの中には、ただの白黒の画像だけではなくて、電波の跳ね返ってきた時の状況とかというのがいろいろデータとして入っているのですけど、そういうものをAIとかいろんなアルゴリズムを活用して解析することによって、有意義な情報を見せていくということをしております。
これがどんどんデータが増えていくと、従来は衛星データを取得すること自体が困難であったため、取得したデータから懸命に意味を見いだそうとしていましたが、今後は人間が処理しきれないほどのデータが大量に出てくるため、コンピューターを活用して大量のデータを処理していくという発想がますます重要になると考えておりので、われわれはかなり最初から、自動化やコンピューターを活用した処理に注力しており、地理空間情報や衛星画像を扱う専門家だけではなく、仕組みやシステム基盤を構築するソフトウエアエンジニアも多数採用して開発を進めております。
次に、衛星データビジネスのバリューチェーンについて申し上げますと、従来はかなり分断されておりました。そもそもどこのデータを取得できるか、どのような条件で取得するかを調整するだけでも相当な労力が必要で、それを人が個別に検討していました、データが取得できた後は、別の担当者が解析してレポートにまとめたり、業務システムに入力したりするということが、別の会社とかいろんな人が関わってやって進んでいたところが、弊社は衛星の設計段階からお届けするところまで、可能な限りシステム化・自動化し、迅速にお届けする仕組みを構築しております。
これは先ほども、左側のものは例で船舶検知の例を示しておりますが、この海の黒いところに微小な点として見えるものの中から船舶を判別することは、非常に経験豊富な分析官であれば可能ですが、何千枚もの画像に対応できる分析官を十分に確保することは現実的ではないため、コンピューターによる自動処理で対応しております。
次に、データが膨大になってまいりますと、先ほど述べたように、どんどん分析官の数が必要になってきて、今、アメリカとかの状況を見ていても、このLUNOプロジェクトやNOAAなどの省庁等が調達するものも、アナリティクス、すなわち解析結果を購入したいという傾向が強まっております。解析結果のほうが重要である、あるいは解析結果やインテリジェンスのほうが機密である、という考え方が広がっていて、入札や調達においても解析結果を重視する方向で、そこに対してどういう衛星サプライヤーを使うというのは、それぞれが提案として書くというような形になっているというのが、私たちがアメリカなどでのビジネスをやっていて認識しているところです。
次に、ここからソリューションと記載しておりますが、解析、すなわちデータ取得後に価値化するところの課題について、私の視点からではありますが、3つほど挙げていまして、1つは、研究開発要素と記載しておりますが、衛星と全く同じデータを別の手段で取得できることはほとんどなく、広範囲を衛星で観測したい対象は、人間が容易にアクセスできない場所であることが多いため、撮像した結果が実際に正しいかどうかを他の手段で検証するすべがないことが多いです。衛星画像しか手がかりがないとなると、そこから正確性を検証しなければならない状況になりますので、研究開発的な取り組みが必要になることが多いです。
2つ目には、個別要件と記載しておりますが、比較的広い範囲を観測したいとなりますと、大規模な施設を有する大企業やゼネコン、鉱山会社、政府機関などが対象となりますので、お客様としては比較的大規模なところで、それなりに確立された計測手法や安全管理基準をお持ちのところです。地上でこのように計測し、このように安全を担保するという手法を確立されているところが多いため、既存のやり方に合わせる必要がございます。そのため、個別の要件に対応することが求められる場面が多くなります。
この2つの要因により、多様な変化への対応力が求められる一方で、データは増加し続けるため、大量処理の仕組みも必要であり、スケーラビリティとのバランスを取ることが課題となっております。
次に、あとはビジネスモデルの部分ですが、弊社もさまざまな試行錯誤を重ねておりまして、「フェーズ1」と書いて、弊社の変遷と市場調査レポートみたいなところを合わせているのですけれども、最初はIT業界のSaaSとかサービス化みたいな形でパッケージ化して登録すれば、クレジットカードを登録すれば地球の情報が得られ、誰もが恩恵を受けられるような世界を構想しておりましたが[KK2] 、政府だとか大企業を想像していただければお分かりかと思いますが、「このようなものが必要だが、対応可能か」という実証を経て、実現の見込みがあれば予算を確保するという順序がどうしても発生します。
今度は、今までの地球、リモートセンシングとか、地球観測データの解析という観点では、個々のプロジェクトに対してお客様のご要望に応じた成果物を作り込むという形で、ワンオフというか、作り込み型のプロジェクトになりますが、しかしそれではスケールせず、個別の実験的プロジェクトが増えるだけで、蓄積型のストックビジネスにはつながらないという課題があります。
弊社としては、その両方のよい点をうまく取り入れることを目指しており、ハイブリッドモデルと記載しておりますが、そこは現在、弊社も模索しているところですが、市場調査レポートを見ても、そのような業界のトレンドがあるという形で紹介されています。
次に、弊社ではこのような仕組みでシステムを構築しております。やや細かい話になりますが、衛星側からデータを処理していく際に、共通部分をできる限り整備し、個別の要件には柔軟に対応できるような設計としております。
次のスライドですが、冒頭に申し上げたような価値提供の観点から、処理速度をどんどん向上させていく必要がありますので、ここをいかに衛星とお客様を直結させていくか、間にあるさまざまなコンポーネントや処理工程を統合していくか。さらには衛星上で解析処理まで行うという形で、社内で一体的に開発を進めております。
次に、モデルですが、バオバブの木に例えると、幹となる堅固な技術基盤は非常に重要であると考えており、品質であるとか安定性であるとか、そういうものを担保したものをしっかりつくると。科学的な裏付けや、これまでの実験で有効性が確認されたものをしっかりと作り込んだ上で、その上で幹から枝葉を伸ばし、さまざまなお客様と実験や検証を行うサイクルを回しております。それをするだけではなくて、そこで有望なものが見つかれば、エンジニアがしっかりとメンテナンスし、より堅牢な実装にして、安定性を確保し、精度もお客様に御説明できるものというところで、どんどん幹を増やしていくことで、大きな木に育てていくというモデルで、先ほどのプラットフォームとかのエンジニアリング的なプラットフォームとかの開発は行うと。
次に、ここから事例的なところをお話しいたします。
まず、衛星データの上流側についてですが、解像度としては世界でも最高レベルを達成していて、SARでは25センチ級です。
もともと、われわれは内閣府に御支援いただいていた時のImPACTプログラムの時点でも、防災や災害対応が念頭にございましたし、われわれ自体もそういう次の世代を支えるようなインフラを構築したいという方針で取り組んでおりますので、撮像範囲についても、左側を御覧いただきますと、結構広いというか、全体が見られるような感じの衛星の設計になっております。われわれ見ていた能登半島のところとかは、防災クロスビューにもアップロードしておりますが、3枚程度で対象地域全体をカバーできる撮像範囲となっております。
次のスライドからは解析についてですが、われわれが今、注力しているのは主に4つでして、1つは、一番左側、やはりSAR衛星が最も活用される安全保障分野で、有事や関心領域で何が起こっているかを監視する分野です。
もう1つが地盤・インフラ分野ですが、SARの衛星というのは、うまく撮像することで、地表のミリメートル単位の変動や形状の変化を把握できますので、そこからインフラや地盤の変動を把握できるようになる点も一つの利点です。
3つ目が、災害領域です。迅速性というところで、何か発生した際に迅速に観測できるという特性を生かし、災害時に洪水や土砂崩れの発生箇所を特定し、どこに対応に向かうべきか、どこを観測すべきかといった判断を支援する仕組みを構築しております。
最後は、弊社としても挑戦的な分野であり、ビジネスとしてはなかなか厳しい面もございますが、SARでは海洋の表面なども観測できますので、そこから風速、風況であるとか、森林ですと、森林がどういうふうに変化しているかというところが分かったりするというところもありまして、そういうものも開発とか、先ほどお話しした東京海洋大学様と共同研究などさせていただいたりしております。
次に、こちらは能登地震の際の解析ですが、左側が撮像した画像で、右側はやや分かりにくいかもしれませんが、色の変化がついているところが地震の前後で変化が大きかったというところで、輪島の市街地で大規模な火災があった地域が検出されているという事例でございます。
次に、こちらも山火事の事例ですが、ロサンゼルスで多数の住宅が焼失したという報道が昨年ございましたが、当該エリアの変化を分析したもので、これは1枚画像とかだけで、ざらざらして見えるのは特性によるものですが、家屋が焼け崩れて散乱した状態になっているものと、比較的平滑な形状を保っている家屋というのを判別するようなとこでは、散乱が大きい箇所に色が付くという解析手法があります。そういう形で、このあたりが焼失しているのではないかというところを判別しているものです。
今までのものは、全部この白黒の画像を見て、それから、ここが火事なのではないかとか災害があったのではないかという箇所を抽出しておりますが、JAXA様のALOS等の大型衛星では、撮像をうまくコントロールすることで、先ほど話したようなミリレベルの地表変動を検出できるため、弊社もその技術の実証に取り組んでおります。弊社は衛星の開発・運用と解析が一体化しておりますので、撮像条件を柔軟に調整し、実験的な撮像を行うことで、このようなミリレベルの変動を検出できる撮像が可能であることを確認しております。
次、あとは、これは今年の終わりに、1年以上前の事例ですが、CONSEOで防災ドリルという仮想の防災を想定して撮像されたパターンもありますけれども、ALOS等も撮像されておりますが、弊社のStriX衛星が比較的高い頻度で撮像を実施できたという結果になっております。
最後になりますが、先ほどの自動化についてですが、昨年前半頃の実績ですが、実際に撮像の要求から解析結果の出力までに約3時間で完了いたします。現在はさらに短縮できるようになっており、衛星設計から処理、解析まで一貫して開発を進めており、処理時間はさらに短縮されていく予定ですし、そのあたりが今後の強みになっていくと考えております。
以上です。ありがとうございます。
中北部会長:藤原さん、どうもありがとうございました。実際の事業の部分を後半に話していただきながら、前半はソリューションということで、プラットフォームのところから、このディベロップメントモデルのこれもですけども、こういう濃いお話もしていただきまして、御社の思いというのがよく理解を皆さんできたんかなと。ありがとうございました。
それでは、20分弱ですが、皆さんからご質問とか受けたいと思います。 原田委員、それから竹内委員の順番でまず2人からお願いいたします。
原田委員: 東京大学大気海洋研究所の原田尚美です。
御説明ありがとうございました。私、今、特に極域、南大洋周辺の海氷域を研究対象としているのですけれども、SAR画像について大変お世話になっている海域でありまして、「しらせ」が航行する時に、普通の光学衛星だと、氷山と海氷の区別が全然つかず、雲があると全くデータが取れないため、SAR画像があることで、海氷なのか氷山なのか区別が付きますし、現場で「しらせ」が運航していくルート上で、「あそこにある氷山は、このSAR画像上のこれだね」というふうに確認しながら航行ルートを決めることができる、非常に重要なツールになっています。もうすこし更新の頻度が高まるとさらにありがたいと思っております。新しいデータが取得されていく間隔、更新の頻度について今後どのように改良されていくのかという点と、3年、5年という寿命をこの先どういう改良されていくのでしょうか。さらに最もチャレンジングな開発点、この3点について質問です。よろしくお願いします。
中北部会長:原田委員、どうもありがとうございました。大事な点ですね。ありがとうございます。実際のあれがというのが分かるというのがすごい話なのですけど。
続きまして、竹内委員からお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。その後、前島委員、お願いしたいと思います。竹内委員、よろしくお願いいたします。
竹内委員: 御説明ありがとうございます。大阪公立大学の竹内です。
私自身は森林の生物多様性の研究をしておりまして、SARデータを使用して、森林の樹冠高を推定した経験があります。ユーザー側からの視点での質問ですけれども、ご発表の中で、データは秘密でないけれども、解析結果はクローズドになる傾向があるというようなお話ありました。御社、もしくは同業者で、SARデータ自体をオープン化していく可能性はあり得るのでしょうか。データバリューチェーンの中では、顧客への提供だけではなく、一般に広く提供するという方向もあると思います。そうすることでSARデータを使うコミュニティーが広がって、ニーズも多様化していくのかと思いました。この点をお伺いしたいと思います。
中北部会長:大事な点ですね。プロダクト情報の公開性についてということですもんね。ありがとうございます。
それでは、前島委員。お願いいたします。増田委員まで行きます。
前島委員:JAXAの前島です。
さまざまなソリューションの技術開発を進められているということをお聞きしまして、素晴らしいなと思います。それで、またCONSEOのドリルの話を載せていただきまして、ありがとうございます。CONSEOというのは衛星地球観測コンソーシアムで、こちらのほうで防災ドリルというのをここで2024年もご紹介いただきまして、2025年も参加いただきまして、ありがとうございます。
この実例がよく示していると思うのですけど、これ、さまざまな衛星、ALOSもありますし、StriXも使わせていただきました。こういうやっぱりコンビネーションがこれからすごく大事になってくるだろうと思います。
これからソリューション開発していく上で、やっぱさまざまなソースを組み合わせたコンビネーションというものが非常に大事になってくるだろうと思います。このドリルの例だと、さまざまな分解能とか観測カバーのものを組み合わせた時間的、空間的な組み合わせというもので、一ついい事例だと思いますし、あとはLバンドのデータとXバンドのデータを組み合わせて、例えばALOSはベースマップがたくさんありますので、そういったところをうまく活用していくとか、そういった処理上、解析上のコンビネーションとか、そういったところも非常にこれから進めていくべきだろうというふうに思います。
中北部会長:併せ持っての利用ですね。
前島委員:はい。
中北部会長:これ今、何バンドですか。
藤原ゼネラルマネージャー:Xです。
中北部会長:ありがとうございます。
それでは、増田委員、お願いします。
増田委員:藤原さん、ありがとうございました。
今日は、データバリューチェーンとプラクティスということで、本当の意味でのいいプラクティスを示していただけたと考えています。その中で、やっぱポイントになるのは、一気通貫でできているというところで、それは理想なのですけど、なかなか難しいところでもあります。それをできているというところの理由と、先ほど示されましたワンオフか一般的な汎用性をもたせるかの選択で、ここではハイブリッドで行くのだと。これもなかなか両立は難しく、一般的にはワンオフに振ってしまったら、ハイブリッドで対応できないと思うのですけれども、そのあたりをどううまく処理されているのか、差しさわりの無い範囲で結構ですので、教えていただけたらと思います。
あと、最後に1個だけ、環境の話にも応用していきたいということだったのですけど、先ほど原田委員も言われたように、海上のSAR画像はものすごく利用価値が高くて、海の内部波なども見れる場合があるのですが、全球規模でそのデータを全部取って提供するというのは、ボリューム的に実現可能なことなのでしょうかという3点です。お願いします。
中北部会長:川辺委員、お願いいたします。
川辺委員: ありがとうございます。東京海洋大学の川辺です。本日はたいへん素晴らしいお話をお伺いしました。私も、9ページに記載のある「一気通貫で提供できる強み」というところが特に印象に残りました。御社は、StriXの開発と、データ解析に基づくソリューション展開という二つを両輪として事業を進めておられるとのことですが、今後の展開として、この二つをどのように発展させていかれるのか、差支えない範囲でお聞かせいただければと思います。今、グローバルで約230名体制とのことですが、開発とデータ解析とで、人的資源や労力を概ねどのように配分されているのでしょうか。
さらに、今後、データのオープン化やほかのデータとの組み合わせなどが進むことを想定すると、ソリューション分野をどのように展開していかれるのかが一層大事になるのではないかと感じました。この点についても、可能な範囲でお聞かせいただければありがたいです。よろしくお願いいたします。
中北部会長:ありがとうございます。
そうしましたら、まずお答えしやすいところからお願いします。
藤原ゼネラルマネージャー:順番にお答えします。
原田委員からのご質問からお答えしていきます。
まず、頻度と寿命、そしてチャレンジングな点についてのご質問をいただきました、頻度に関しましては、30機程度になりますと、30分から1時間に1回というレベルで観測できるようになります。また、防衛・安全保障的な側面もございますが、先ほどの話にあった南極や北極といった高緯度帯については、ビジネス的に言うと、市場としての魅力は限定的であり、研究対象としては重要なのですが、高緯度帯はなかなか顧客がつきにくい面がありますので、特に日本も中緯度帯にいるので、日本の関心領域も中緯度になりがちです。そのため、傾斜軌道、すなわち高緯度帯にはあまり行かない衛星も運用しております。それらも含めますと、30機体制ではかなりの頻度で、10分から20分間隔で上空を通過するレベルになります。
中北部会長:傾斜も極も、両方やっているのですか。
藤原ゼネラルマネージャー: 藤原ゼネラルマネージャー:両方取り組んでおりますが、そのあたりは傾斜軌道、すなわち、中緯度のニーズというのは、ビジネス的には大きいです。一方、科学研究的には全球をカバーする必要がありますので、JAXA様やESA、NASAがやられているところは、科学技術的な側面が大きく、太陽同期軌道で南北に全球をカバーする形になります。一方、ビジネスとして取り組む場合は中緯度帯の観測ニーズが大きく、予算の出どころも含めて適切にバランスを取らなければ偏りが生じるところはあるかと思います。
2点目の寿命についてですが、弊社では5年の設計寿命としております。あとは、SARはどうしても電波を出す性質上、大量の充電を行い、電波を送出する際には業務用の電子レンジに匹敵するほどの電力を消費します。なので、バッテリーに蓄えた電力を放出するという過程があるため、普通のカメラで撮るのに比べると、電力面でバッテリーへの負荷が大きいため、寿命を大幅に延ばすことは難しい状況です。
JAXAの衛星とか、十分な冗長系を備えていれば問題ありませんが、小型衛星というのは何をコスト削減しているかというと、冗長系をかなり削減しているため、一部が故障するとそのまま機能喪失につながるリスクがあります。その代わり、小型衛星の戦略としては、次をすぐに打ち上げることができます。なので、使い捨てとまでは申しませんが、短いサイクルで衛星を更新していくという戦略で、大型衛星はできる限り壊れないものをしっかりと長期運用していくという方針になります。
中北部会長:ストックをたくさん持っているのですよね。
藤原ゼネラルマネージャー:そうですね。多数の衛星を製造し、順次打ち上げているところに違いがあります。
中北部会長:ありがとうございました。
藤原ゼネラルマネージャー: 課題について申し上げますと、現在のビジネスと将来のビジネスの両面で、いろいろ未来に使えそうな、先ほどオープンデータのお話もございましたが、さまざまな活用可能性を見いだしていく必要がありますが、弊社だけですべてに対応することは困難です。そのため、御指摘いただいたようなオープン化をどのような形で進めるのか、弊社はSAR衛星側の専門家ではございますが、海洋や建設、気象といった各分野の専門家ではございませんので、そうした方々とどのように連携し、互いの強みを生かしていくかという点とビジネスの両立は、大きな課題であると考えております。
竹内委員のデータ自体のオープン化につきましては、これもまさに先ほどの課題の話と関連しておりまして、われわれとしてはやはりビジネスというか商業的にやっていますので、アーカイブデータ、すなわち過去に取得したデータを商品として提供している側面がございますので、それをすべて無料で公開するという判断は容易ではない状況です、そのあたりとかも、国による基盤整備や、適切な資金措置と併せて進められると、非常に実現しやすくなると考えております。
前島委員のほかのデータとのコンビネーションというのはまさにそのとおりで、われわれも実は、弊社が設立されたのは2018年ですが、最初の衛星が打ち上がったのは2021年で、設立から3~4年後のことです。それまでは、JAXA様やヨーロッパの衛星等を活用し、まずはお客様のニーズを発掘するところから始めました。既存データを活用して解析の価値を先に実証するという取り組みを進めておりました。なので、われわれ、今日紹介している事例は、われわれの衛星を使用しているものばかりなのですけども、ALOS-4とか2使った衛星解析のビジネスというのもすごくやっています。そこで先に、ニーズを発掘しています。
中北部会長:御社がやっているのですか。
藤原ゼネラルマネージャー:藤原ゼネラルマネージャー:われわれが行っています。私のチームで実施しています。なので、そこは分野を問わず対応しております。ただ、先ほどワンオフの話もございましたが、分野を問わず対応すると、今度は弊社がその分野の専門家になってしまいます、海洋とか鉱山とか建設とかの。しかし弊社はあくまでSAR衛星側の専門家ですので、そこまでは対応しきれません。その境界の引き方が非常に重要で、あまりにワンオフ側に行き過ぎて、私たちが、仮に森林分野に非常に大きなニーズがあるからといって森林の専門家になるというのは本末転倒ですので、いかに自社の軸を持ちながら適切に対応していくか、各領域の専門家の方々と連携していくかという点が大きな課題になってまいります。
増田委員からの、一気通貫できている理由、ワンオフとハイブリッドの両立の難しさ、そして全球カバーの実現可能性についてですが、一気通貫が実現できている理由としては、1つは、弊社のビジョン、すなわちインフラを構築したいという目標があり、短期的な収益や単に衛星を製造すること自体よりも、より長期的な社会基盤を構築するというビジョンがあることが大きな要因と考えています。
あとは、国をはじめとする各方面からの御支援も大きく、最初の衛星の製造からその後の内閣府のプロジェクト、SBIRのプロジェクトなど、各方面から御支援をいただいており、それにより、将来に向けた投資が可能な環境を整えていただいていることは非常に大きいと考えております。その上で、われわれがもう少し未来に向かった処理システムの開発であるとか、そういうところにはかなり余裕を、投資に充てることができる余地を持たせていただいていることは大変ありがたいと考えております。
ワンオフとハイブリッドの両立についてですが、弊社もさまざまな試行錯誤を経てきておりまして、ソリューション開発においてはかなりの失敗も経験しております。われわれの衛星の利点のところが、やっぱり即時性とか迅速性というところになるので、そこはやっぱりつなげていきたいというモチベーションが結構高くなります。
お客さまのニーズとしても、知見や洞察を迅速にお届けしたいというニーズが強いため、SAR以外の光学衛星等でも、コンステレーションにより迅速性は向上しますが、夜間であったり、その他の理由で観測できないことがありますが、SARはほぼ確実に撮像できますので、撮像後は速やかにお届けしなければならないという要請があり、その点が一気通貫で提供する強い動機になっていると考えております。
全球カバーにつきましては、、やはりSARは充電をして大電力を使用して撮るので、そんなにずっと撮り続けられないという制約があります。小型衛星だとさらにバッテリー等の容量も小さいため、JAXA様の大型衛星のように長時間連続で撮像できるほどの太陽電池パネル等は搭載しておりません。
あとは、これはまたビジネスと科学研究の割合の問題ですが、頻度を求めるお客さまは、本当にごく一部の領域を非常に高い頻度で観測したいということになりますので、実は全球を撮れるだけの衛星の数と撮像能力があっても、一部の地域に大きく偏る傾向があります。それがビジネス的には収益につながるため、そちらに偏りがちです。ただし、科学研究への投資など別の軸でバランスを取っていく必要があると考えております。
最後、川辺委員の一気通貫の今後の展開と、230名の投資の配分ですね。あとは、データのオープン化についてですが、一気通貫の今後の展開としては、弊社としてはさらに高速化を目指しており、先ほども申し上げたとおり、衛星の中と外は問わず、もう衛星の上でどこまで処理する、地球で処理する、もしかしたら地球に、地上に落とさずに、衛星間で処理をやる。「ここに例えば何か怪しいものがあるぞ」といったら、その後の衛星にすぐに渡して高解像度で撮像するといった運用を検討しており、実証や実験に着手している段階です。
本日のお話や他の回答でも述べましたとおり、さまざまな分野の方々との協業が重要であり、専門家の実際の分野、建設や海洋分野の方々と連携していくことが重要であると考えております。そうした方々と弊社のSAR解析結果をうまく組み合わせ、提供する仕組みを自律的に運営できるよう取り組んでおります。
230名の配分についてですが、衛星を製造しなければなりませんので、組み立て作業に携わる人員がかなりの割合を占めております。それ以外に、解析開発、衛星運用、営業のほか、人事や法務などのコーポレート機能もございますが、現時点では衛星の生産・設計部門が比較的大きな割合を占めております。今後は解析部門の拡大を見込んでおり、そちらの体制も強化していく方針です。ただ、ソフトウエアの世界は、私もソフトウエア側にいたのですけど、人数がいればいいというわけではなくて、知的作業が中心ですので、優秀な人材がしっかりとコミュニケーションを取れることが重要であり、そのような体制で開発を進めております。
データのオープン化については、先ほど述べたとおり、やはりビジネスとか、こういうところのバランスというところで、各社さん例えばアメリカのCapella Spaceなどは、解析パートナープログラムのような形で、協業契約を締結すれば、過去に取得したアーカイブデータにアクセスでき、さまざまな実験が可能になるという仕組みを設けています。ただ、全球の話にもありましたように、弊社の衛星データは必ずしも全球を満遍なくカバーしているわけではございません。JAXA様やESA、NASAのように科学研究用ではないので、なかなかデータがあるだけで、それで何かやりたいことができるとも限らないというところもあるので、科学研究用途で活用するためには、民間企業としてそのような観測を実施するインセンティブが得られるような仕組みが必要になると考えております。
以上です。
中北部会長:かなり丁寧にお答えもいただきまして、悩まれているところとかも、私が今、印象深かったのは、ビジネスと科学研究というところ。それがまた、JAXAとあれとかの役割の違いね。どうデマケがあるのかなと、いろいろ技術的な面も、それはいろいろあるのですけど、その社会的使命ということ、どこを果たすかとか、非常におもしろいところがたくさんありますね。また雪もやってください。
堅達委員: 解析ですが、現在、AIがものすごく進歩していると思うのですけれども、そのあたりの戦略といいますか、どうしても中国とかアメリカが強かったりする分野なのですが、日本企業としてAIのところはどんなお考えをお持ちかを教えてください。
藤原ゼネラルマネージャー:AIはすごい大事でして、この画像をどう使うか、認識するかとかというところにもわれわれも使用しています。ただ、万能ではやっぱりなくて、われわれは特に、今何が起こっているか知りたいというふうになると、うそが許されない。ハルシネーションとかLost in the Middleとか言われるような、突然何かぼけたみたいな、おかしなこと言い出すとか、そういうのは許されないので、そこはうまくバランスを取りながら使うとか、あとはやっぱりこの辺の電波みたいなことになると、科学的にもう証明された式とかがあるので、そこはしっかり分かっている、そういうサイエンティストというか、そういう技術者がちゃんとつくらないと、AIにやらせても、結局AIが、マクスウェル方程式とか、そういう何か分かっている方程式でちゃんと使えるわけではないので、そこはそこでちゃんと分かっている人がやるのと、ミックスがやっぱり大事かなと思います。
中北部会長:堅達さん、どうもありがとうございました。
それでは、まだまだ聞きたいことあるとは思いますし、お返事したいと考えていただいたとこもあると思います。本当に奥深い形で進まれているということはよく分かりましたので、ほんのサーフェスかもしれませんが、藤原様、ありがとうございました。
それでは続きまして、資料1-3に基づきまして、株式会社オーシャンアイズの田中様よりご発表いただきます。田中さん、どうぞよろしくお願いいたします。
田中代表取締役社長: 海洋観測データ等を用いたデータの価値化・サービスの実現と観測へのフィードバック等についてとお題をいただいたので、そういう形でまとめさせていただきました。株式会社オーシャンアイズの代表をしています田中と申します。よろしくお願いいたします。
次のページに、今日のコンテンツを書いています。今日のコンテンツ、まず私たちが何をやっているかということを簡単に説明して、その上で、私たち事業、このデータバリューチェーンというところに当てはめてみたらどういうふうになるかというのをすこしやってみまして、つくっているとすごく何か言いたいことがべらべらといっぱい湧いてきてしまったので、そういうところを簡単にまとめさせていただいています。
ということで、まずオーシャンアイズの事業概要というところで御説明します。「透明な海」をつくることで、人が主体的に活動できる海にするというビジョンを掲げて事業をしています。ここにポンチ絵として簡単に書いていますが、衛星データでは海面しか、電波が水を通らないので海面しか測れないと。海の中を知ろうと思うと、その場に行かないと測れない。その場に行くには船で行かないといけないけれども、そうすると、地球の表面の7割を占めるような海全体は分からないと。そういうところで、私たちがシミュレーション技術だったり、解析値を使用して、海の中、それが流れている環境だけではなくて、そこにいる生物であるとかというところの情報も含めて見える化することで、もっと人間が海を効率的に、かつサステナブルに使用していけるような土台になればなというところで事業をしています。
その次に、会社概要を書いています。いつもこれ、私たちが投資家の皆さんとかに紹介する文言なのですけれども、「オーシャンアイズは、海洋データ解析技術で社会貢献を目指すディープテック企業です」というところを標ぼうしていまして、コア技術としては、海洋シミュレーションと画像解析の海洋データへの応用というところです。
このディープテックと、こう標ぼうしていますが、京都大学、あるいはJAMSTECの研究から生まれたというところで、先ほど中北先生おっしゃっていただいたように、大本はRECCAでやっていたアカイカ漁場予測というところが源流になっています。その時に、京都大学とJAMSTECのところで一緒に共同研究をしたアカイカ漁場予測という、リアルタイムのデータを使用して、リアルタイムでアカイカの漁場と、アカイカというイカの漁場予測をするというところをつくり上げて、それはいったんそこで終わったというところです。その後、同じメンバーでCRESTに応募しまして、それはむしろシミュレーションというか、海洋科学よりはAIというところに力点を置いて、AIを使用して海洋データも使いながら、今度は沿岸の漁業です。アカイカは中央太平洋で、すごく外洋の漁場予測だったのですけれども、今度はもっと沿岸に寄ろうというところで、私が東北マリンサイエンス拠点形成支援に関わっていたというところも含めて、三陸であるとか、日本沿岸の、もっと沿岸に寄った漁場予測をしようというところのプロジェクトの中で立ち上がってきた企業になります。CRESTを採択いただく条件の一つとして、会社を建てることというところがついたので、そういういきさつもあり、ちゃんと事業化をしたというところになります。
次のページに、取締役メンバーというのを書いています。この中で、右の2人が元京都大学というところで、機械学習であるとかパターン認識の専門家で、左の3人、私含めて3人が、海洋モデル、データ同化を専門にやってきたメンバーというところになっています。今でもこの創業メンバー、研究者で会社を運営しているというところになります。
この次のページに、私たちが何をやっているかというのを簡単に御説明しています。今、メインでやっているのは、先ほど御説明したように、魚群の場所を推定する技術というところを社会実装をしてるというところになります。どういう枠組みになっているかというところが、このページに簡単にまとめています。一番下からいくと、漁師さんから漁獲のデータ、いつどこでどれだけ取ったかという過去のデータをいただきます。私たち、海洋数値モデルを持っていまして、海洋数値モデルに関してはプロダクトも出ているので、それをたくさんためているというところで、この海洋数値モデルによって計算された海洋環境のデータと漁獲のデータと組み合わせて機械学習にかけることで、どこでどのような環境であれば魚が取れやすいかというところを予測する漁場予測モデルというもの組み上げます。この漁場予測モデルを組み上げた後に、海洋数値モデルでリアルタイムに海洋環境を予測しているので、その海洋環境の予測データとこの漁場予測モデルを組み合わせて、今どこで魚が取れやすいかというような漁場の予測情報を出して、それを漁師さんに提供すると。そのフィードバックとして、漁獲データをいただいて、さらにモデルを改善していくというサイクルを回しているというのが、私たちの大きな一つの事業になっています。
その次のページに、それが実際どうやって提供されているかという例をここでお示ししています。漁場ナビというサービスがありまして、これは魚群がいる可能性が高い海域を御提供するというようなアプリケーションになっています。今ここに描いているのは、海面の水温の予測マップなのですけれども、もちろん漁場がどこにあるかという情報そのままのもあるのですけれども、特に日本だと、皆さんやっぱり自分の思いで漁獲を、魚を取りたいという思いのほう強い漁師さんが多いので、漁場そのものの情報というよりは、環境の予測の情報、水温であるとか流れであるとかクロロフィルであると、海面高度であるとかという情報を御提供するほうが受けがいいというか、使用していただけるというところで、こういう形でやっています。
私たち、今、宇宙戦略基金のほうも採択をいただいていて、それがインドネシアのほうで同じようなことをやっていますが、インドネシアに関しては、このようなデータを今まで使用していなかったというところで、現地の漁師さんに、いわゆる私たち、データリテラシーと言っていますが、こういうデータを提供しても、データを読み解くというところの経験がないので、その場合はダイレクトに、どこに取りに行けば一番いいかという情報を皆さんは欲しがるというところで、すこしそのあたりの戦略は変えながら、インドネシアでまさに漁場の情報そのものを出したりということをしています。
先ほどはパッケージサービスという形で御提供しているのですけど、この次のページは、これは東京都のほうで提供させていただいているデータになっていて、海況情報はどのような魚を取るかによって、やっぱり見たい情報はすこしずつ変わってくるというところもありまして、それはやっぱり各自治体のとかもそういう思いが結構強いというところで、それに対応してカスタマイズした、このような情報のサービスというのもやっています。ここでは、東京都の場合は、伊豆、小笠原諸島の離島での漁業というのを振興というところでやっぱり使いたいっていうところで、メインはキンメダイになりますので、深いところまで見たいから、深いところの情報を出すと。あるいは、漁場という意味では、キンメダイはある程度、漁場が決まっているので、その決まっている場所を時系列で見たいというところにも対応するというところをやっています。これは東京都に御提供している例なのですけど、今、東京都と千葉県でこのようなシステムを運用しています。
次のページは、これは最近の動きなのですけれども、先ほどインドネシアでデータリテラシーという話をしましたが、例えばWindyというアプリは皆さん使用していて、インドネシアでももちろん使用しています。見てはいて、データを出していくことというのは、すごくこのような情報があるということを知ってもらうこと自体が大変大事ですというところで、スマートフォンアプリ化して、ベースとなる環境情報、予測含めて、これはもう無料で出すというところを始めています。データを出して、そこにあるということで、日常的に見てもらって、そうすることで、それが使えるかもしれないというところで、その先のサービスに進めるというところで、これに加えて課金で見られる情報というのを加えながらビジネスを回していくというようなところも今進めているところです。
ここまでが私たちの事業の概要で、大まかに言うと、海洋の環境のシミュレーションをして、その予測情報とデータ解析技術使用して、例えば漁場情報というのを提供しているというところになります。
この次のページに、データバリューチェーンいうところを書いています。第10期で示されていたデータバリューチェーンのものとかを見ながら、私なりに解釈したものになっています。あのポンチ絵の中でも、このフィードバックというところは結構大まかに描かれていて、フィードバックといっても結構難しいなと考えて、思いながらすこしここにも書いてみました。
同じような枠組みで書いていますが、左から、観測によるデータの取得があったら、まず私たちがそのデータを使うには、データプラットフォームか何かがあって、そこに載ったデータを私たちが使えるという形になります。その観測データを統合して解析して、解析した結果を何かしらのデータ流通システムがないとそのデータ流通させられないというところもあります。それを流通させた上で、解析結果の解釈というか、それはどういう、例えば私たちの事業で言うと、海洋環境データから漁場のデータに変えるというところになると思うのですけれども、その解釈が必要になってくると。その解析結果の解釈を実際にユーザーに届けるには、何かそこにもやっぱり物が必要で、私たちで言うアプリのようなものがないと、なかなかユーザーにその情報を伝えられないというところもあり、こういう枠組みになるかなということを考えています。私たちに関しては、この観測データを統合して解析、からユーザーに届けるまでを全部できているので、データ流通システムは必要はないのですけれども、やっぱりユーザーに届けるというところのアプリは必要になってくるかなというのが、この頃のまず気づきになっています。
最終的には、このデータバリューチェーンの最後、ユーザーが受け取って、それを社会的に価値として創出しないと、バリューチェーンとしてはいったん閉じないかなというふうに考えて、ここをちゃんと社会的な価値を創出してもらえるような情報をつくるというのがすごく大事だというふうに考えています。
ユーザーに届いて、ユーザーが、それをどうフィードバックするかというところなのですけれども、なかなか難しいなと考えていて、例えばユーザーからその事業者、データ提供事業者に何が返ってくるかといったら、やっぱり一つはお金だと思うのですね。お金が返ってこないと事業として回らないから、そこのフィードバックの一つは、そのデータ、アプリの利用料であるとか、あるいはどれだけ使われたか、あるいはどれだけ評価がつくかというところも一つのフィードバックかなというふうに考えています。それが事業者に返ってきたら、その解析結果を精度向上させるために、元のデータの統合解析の部分の精度向上が必要だねというところで、その精度向上をしてほしいというフィードバック、どこが悪いかというところを含めての精度向上のフィードバックであるとか、精度向上するための開発費用としてお金が戻ってくるというのがここにも必要かなというふうに考えています。
ここまでは事業としていいのですけれども、統合解析するところから観測データの取得する人にどうフィードバックをしたらいいのか。何かそれって難しいなというふうに思いました。観測の充実であるとかデータ、もちろんお金として返すというところもあると思うのですけれども、必ずしもこの公的な研究プロジェクトというか、プロジェクトに限らず経常的に取っている観測データも含めて、お金でもないかもしれないですし、観測がそれによって影響受けるということもないという部分で言うと、もう一つの評価としては、どれだけその観測データ自体が社会的インパクトが与えられてるというところのインパクト評価というところも、一つの重要な観点かなというふうに考えています。
これ1つずつ戻っていきましたが、やっぱりユーザー自身が、この観測データがあることによってこのサービスが回るということが分かると、ユーザー自身が観測する人にお金を提供したりとか、自分が観測できるならするというところのモチベーションにもなるかなというふうに考えていて、直接のフィードバックもあったりはするかなというふうに考えています。これは例えば漁業者による海洋観測みたいなところは実際回り始めている部分もあるので、それは漁師さんがデータを取ると、自分の取ったデータが、データ同化システムを通じて、海洋環境の予測の向上に寄与している、漁場予測がよくなるというのが分かると、そういうところになってくるというところもあるので、直接のフィードバックというのもあるのかなというふうには考えています。
この次のページに、私たちが、どういうふうに実際バリューチェーンを組んでいるのかというのをすこし当てはめてみたのですけれども、これ非常に難しいなというのが感想でした。一個一個説明すると大変になるのですけれども、ざくっと説明すると、まず私たち、そもそも海洋が沿岸部に割と特化した海洋環境の予測をしているので、境界条件として気象庁からのデータというのを配信を受けて使用しています。なので、その気象庁のデータとかシステムが海況予測システムの中でもこのバリューチェーンもかんでくるというところで、それを左下のほうに書いています。気象庁のデータを私たち気象業務支援センターを通じて配信をされていて、それを使いながら、個別のデータも使いながら、このバリューチェーンを回しているという形になるかなというふうに思います。
アプリケーションとしては、この右の下のほうに書いている、例えば先ほどご紹介したアプリであるとか、各都道府県の運用システムであるとかというところになるというふうに思います。
フィードバックとしては、サブスクリプトの料金であるとか運営受託費というところを予算措置していただいておるので、そういうところで私たちに返ってきているというところと、ユーザフィードバックをいただくと。
私たちとしてはそれを、この右側の薄い灰色の枠が私たちがやっている範囲なのですけど、これを全部やっていることで、直接私たちは、観測データ側にフィードバックできるというような位置づけにいるかなというところはあります。では、それをどう返すかというと、今の私たちの事業の中で、それを返す仕組みというの、ないということがこれ見て分かるので、総合力のデータバリューチェーンを実際に回して観測側にフィードバックするというところでは、大きな返りになってくるというふうに考えています。
一方で、先ほど申し上げたように、こういう仕組みを回して漁場の予測が向上してくると、漁業者自身が、あるいは漁業者だけではなくて、海に関係する人、私たちとしては海運のほうにも少し事業を広げているのですけれども、船を運航している方が自分でデータを取ることによって予測が向上し、それが自分たちの事業にプラスになるのであったら、そのデータをもっと取っていく、提供するというサイクルが回るので、こういうサイクルは、今、非常に大事だなというふうに考えているところです。
これを書きながらというところで、先ほど申し上げたように、いろいろ考えてきたので、それをざっくりとまとめているのが次のページ以降になります。
観測へのフィードバックというところですね、私たち事業者側からの観測自体にフィードバックするにはどうしたらいいかというところなのですけど、これは先ほど申し上げたように、私たちは今、フィードバックするための手段がないというか、枠組みがないというところがあります。先ほど申し上げたように、ユーザーからサービスベンダーに関しては、アプリを通してフィードバックがあるとは思うのですけども、実際ここも言語化されたフィードバックは得にくいということで、評価の数であるとかダウンロード数であるとかというKPIを設定してせざるを得ない。本当はもっと詳細なフィードバックが欲しいのですけども、そこはなかなか難しいというところと、といえども、特定のユーザー向け、自治体さん向けだと、サービス運用者によって、実際に水産試験場のとこから漁業者さんにヒアリングをするというところもしていただいているので、生の声が聞こえる、聞けるというところは、非常に私たちとしてはおっきなところかなというふうに考えています。
では、その後のサービスベンダーのほうから観測の実施者へのフィードバックというところは、現状そもそも手段がないというところです。
以降で、私たちとしてはここを、フィードバックという形ではないのですけれども、観測の仕様みたいなものを一緒に詰めましょうみたいな動きは今できていて、1つは、ここの超広帯域のデジタル干渉計というところで、JAXAのSAMRAIプロジェクトのほうには事業者として協定を結んで参加させていただいて、衛星のスペックを決めるところから、私たちはどう出てきたデータを使えるかというのを議論しながら、センサーの仕様であるとかというところを決めているので、そういうところは一つこういうところの例になるのかなとも考えています。
先ほど申し上げたように、どのようなフィードバックができるかというのは、やっぱり観測する側で決めていただいたほうがいいのかなという中で、ユースケースの数あるとか、インパクトはアウトカムを数値化したものであるとかというのも一つの例かなと思いつつ、研究と事業化の協業提案みたいな形でもできればいいのかなというふうには思ったりします。
もう1つは、観測の実施者というのはアカデミアの方が多いと思うのですけれども、それとベンダー、民間企業をつなぐ役割を担えるような人材の育成も同時に必要なのかもしれないなというふうに感じました。
次のページですが、そもそも、私たちがデータを取っているのはいいのですけれども、フィードバックの前にどう使用していくかというところが私たちとしてはやっぱり大事で、そうすると、これは海洋に限った話をしていますが、国内の海洋に関するデータプラットフォームは圧倒的に弱いなというふうに考えています。これは、海洋観測のデータプラットフォーム、現業の現場観測データは、今、海上保安庁で運用しているJODC、あるいは海しるに当たるものかなというふうに考えているのですけれども、データの網羅性が乏しいであるとかとか、リアルタイムのデータがほぼない、まず見られていないというところで、現状はリアルタイムの現場観測データはNOAAから発信されているものに依存をしているというところです。
実際何が欲しいかというと、私たち、沿岸やっているので、地方自治体の水産研究機関だと、毎月、自分たちの海域の沿岸観測をしています。そのデータ、CTD観測をしているので、そのデータは非常に有用なのですけど、なかなか実際に直接取ることが難しいと。一部はGTSに流れているのですが、全部ではないというところで、現状、私たち、一緒に事業をやっている自治体さんから直接いただいているという形でデータを使用しているのですが、ここはデータプラットフォームとしてはすごく弱いところかなというふうに考えています。
衛星データに関しては、JAXAのほうでしっかりと配信していただいているので、私たちとしては、ここはすごくありがたいなと考えているところです。
あと、研究データに関しても、すごく私たちとして使いたいという点もあるのかもしれないのですが、なかなかここも過去のデータ含めてまとまっているところがないなというイメージがあって、ここがもう少し使えるようになれば、もっと私たちの事業の中でデータを、研究のデータもうまく使用していけるのかなというふうに思ったりもしています。
これが、次のページが最後なのですけど、「そもそも論」となっていますが、一番私たちが海洋というところで事業をやっていく中でも課題になっているのは、地球観測であるとか海洋というところの世間での認知度が圧倒的に低いというところがすごくおっきな課題になっています。海洋での経済活動そのものを含むところの一般の認知が非常に低いです。私たちの事業を例えばこういう場ではない一般のところで御説明しても、なかなか海洋というところのイメージがつかないと。私たちの事業、何かやる時に、ベンチャーキャピタルみたいなところからお金をもらいたいという時も、ベンチャーキャピタルさん、特に日本のベンチャーキャピタル自体に海洋に関する知見を持った人がいないと。そうすると、それに投資していいのかどうかというところの判断がつかないので、なかなか資金調達というのが難しいというところが今の特に日本の現状かなというふうに考えています。
例えばシンガポールであるとか、インドネシアであるとか、フィリピンみたいな、東南アジアはやっぱり海運であるとかというところ、海運、水産が大事というところの観点は、これらのASEANの国のほうが意識が高かったりとかというところで、よい反応が返ってきたりはしますが、あとはヨーロッパについても、環境・生態系保全の観点で注目度が高かったりします。一方で、アメリカというところでいうと、海洋に関してはあんまりビジネスという観点では注目されてないようで、ここでも、アメリカでも日本と同じように、割と海洋に関する認知は低いかなと考えています。国内で海洋というと、大体UAVであるとか水中ドローンなどのロボティクス系になるので、環境の解析であるとか経済活動のサポートツールみたいなところは非常に認知が低いと。それが私たちの事業がなかなか分かりづらいという一つの理由になっているかなというふうに考えています。
その中で、海洋というところが分からない中で、では海洋科学というところになると、さらにもっと課題感も含めて認知がされてないと。例えば、私たちがアルゴデータに関して「どういうデータを使用しているのですか」と言われた時に、例えばアルゴデータ、「アルゴフロートというのがあって、それが地球全体で3,500機ぐらい流されていて、10日に1回自動で観測データ送ってくるのです」という説明をすると、大体皆さん、すごく驚かれるんですね。「そんなすごいものがあるのだ」というところで、「3,500機あったら、すごく詳細なデータが取れますね」と皆さん言うのですけれども、「300キロ四方に行くのです」と話をすると、みんな「ああ……」というのですね。というような状態なので、本当に海洋観測がすごく大事だというところも分かっていないし、知られていないし、それのデータがどれだけ取るのが大変かっていうのも知られていない。なので、お金が必要、大事だけれどもお金がないからできないというところも知られていないというのが現状で、ここはもっと認知を広げられればいいのかなというふうに考えています。
民間、商業ベースでの利活用促進をもっと広げるためには、そこの認知度を上げていく、データがあるということをそもそも皆さんに知ってもらうことが大事かなと考えていて、私たちは研究ベースで使用してきたので、データがあることは知っているし、データは使えるのですけれども、もっとプレーヤーを増やすためには、そういうデータがあるということをもっと認知を向上することが大事かなと。それは、私たちみたいな海洋をやってきた人ではなくて、もっと別の視点の切り口から解析することで、いろんなアイデアも生まれるかもしれないし、そのデータが大事だということで、よりお金がつきやすくなるかもしれないですし、というところは非常に大事かなというふうに考えています。
そうですね、次が最後のスライドで、今日のまとめはこのようになります。
オーシャンアイズの事業を今後の10年の地球観測の実施方針というところに記載されたデータバリューチェーンの考え方に沿って、いったん捉え直してみました。バリューチェーンの中でのフィードバック方向の矢印をうまく働かせるために、私たちのようなサービスベンダーを含めた取り組みが重要になってくるだろうと考えています。海洋観測データに関してはデータを流通させる仕組みがもっとあればなというふうに考えているのと、地球観測そのものの重要性の認知度も上げていければいいのかなというふうに考えました。
以上で私からの発表を終わります。
中北部会長:ありがとうございました。改めて、データバリューチェーンの考え方に沿って見直していただいたということで、その中でもフィードバックのところにも大事な点が見いだされると、データプラットフォームの話と、最後はそもそも論、これだけ認知度低いのは知らなかったんですけども、今、問題点等、挙げていただいたところも聞くと、どう前向けて持っていったらいいかというアドバイスも、文科省のほうも、皆さんも一緒に考えながら、今日が原点になっていったらいいなというふうに、お話を伺って思いました。
それでは、皆さまから御意見いただきたいと思います。それでは、原田委員、それから竹内委員、市村委員、森田委員。それから会場から、森田委員のほうから順にお願いします。
原田委員: ありがとうございます。田中さん、非常にご苦労されている点も含めて、分かりやすくプレゼンテーションいただいて、ありがとうございました。最後のほうにおっしゃっていた認知度が低い、認知度を上げていくという点、おっしゃるとおりなのですが、認知度を高めたところで、日本の場合、さまざまな自然災害が頻発する国において、重要度の優先順位が、海洋の場合、下がらざるを得ないかもしれません。つまり、認知度が上がったとしても、うまく事が進むとは限らないと思いました。素晴らしい技術で事業展開されているので、顧客の多様化・国際化についてどうお考えでしょうか?海洋データの付加価値をさらに上げていくという点で顧客開拓は重要と思うのですけれども、世界に目を向けた時に、国外でオーシャンアイズさんの競争相手になるような会社がどのくらいあるのか。あまりないのだとしたら、レスポンスのいい東南アジアや欧米諸国、そういった世界のユーザーを相手に解析手法やアプリケーションを売っていくというのもありではないのかなと思うのですけれども、オーシャンアイズさんの国際展開の計画などお聞かせいただけたらと思います。
以上です。
中北部会長:どうもありがとうございました、原田委員。それでは、竹内委員、よろしくお願いいたします。
竹内委員: モデル開発についての質問ですが、予測の向上に向けて目指しているところとのことでしたが、どういったデータがリミットになっているでしょうか。特に、海洋のデータはリアルタイムで入手できないというお話がありましたが、時間的、もしくは空間的な解像度はどれくらい必要で、そういった解像度の高いもしくはリアルタイムのデータはどのように取得できるのでしょうか。漁業者の漁獲量のデータをもらっているとお話がありましたが、そのデータはどれくらいの解像度・リアルタイム性でしょうか。あと予測の不確実性は計算されているのかなと思いますが、それもあわせて公開されているのでしょうか。
あと、コメントですが、観察データ提供者へのフィードバックの枠組みについては、生物多様性のデータの収集においては共通の課題です。特に、一般市民や研究者が主な提供者なので、どのようにクレジットを提供できるか、また他のデータとの連携や二次利用を可能にする、などの議論がところがあります。
もう一点、地球観測に関する重要性に対する社会認知が低いというお話がありましたが、昨今のネーチャーポジティブの潮流で少し状況が変わってきたと感じています。御社も例えば生物多様性に配慮した漁場を提案するみたいな取り組みがあると、連動できるのではないかと思いました。
中北部会長:どうもありがとうございました。
それでは続きまして、市村委員、お願いいたします。
市村委員:はい、ありがとうございます。東京大学地震研究所の市村です。
大変興味深いご発表、ありがとうございました。お見せいただいた内容を考えると、やはりデータを活用するエコシステムを構築していく上で、技術を持った研究者の方がデータシミュレーションを活用する、こういうようなベンチャーをするというのは非常に大きな波及効果があるということを見せていただいたのだと思います。
ただ一方で、いろいろと後押しをしているところではあるとは思うのですけれども、一般の研究者というのはやはりなかなかそこは踏み切れないというところがあるわけなのですけれど、そういうようなほかの研究者ですとか文科省に対して、何かコメント等いただけたらと思います。
私からは以上です。
中北部会長: 森田委員、よろしくお願いします。
森田委員: 私は社会科学分野の研究者なのですけれども、3点、手短にお話、質問させていただければと思います。
最後の2つは、藤原さんにも共通する質問なのですけれど、1つは、海についてです。生物多様性などのいろいろな委員会に出ていて、陸について初め結構盛り上がって、今は海にも注目が集まっている印象があります。ブルーエコノミーなどの観点でも、例えばバイオテクノロジーや再エネなどとの関係でも、海はどういう影響を受けるのかということで、トピックとしては、社会科学分野の人や、いろいろな実務の人の中でも議論されていると思います。環境研究総合推進費の海に関するプロジェクトでは海の生態系の在り方を評価するために、デジタルツインなどの開発もされていますが、そういう研究や情報などとどうリンクしていくのかを考える必要もあると思います。私たちは、データがなくても、生物多様性にどういう影響があるのかや、例えば再エネ、洋上風力発電を導入する時に生態系にはどういう影響があるのか、どう取り組むべきかをデータがなくても考える必要がある状況になっているので、そういう議論に関わっている社会科分野の人たちや政策的な議論をしている人たちにインプットできるような議論を、様々な分野の研究者と連携してする必要があります。また、若い人たちを巻き込んだ取り組みの可能性もあり、例えばユース・オーシャン・サミットが、昨年国連大学、日本で開催されて、いろいろな国の若い人が参加したり、今度3月にも、海の環境問題に取り組む学生ワークショップで、私も運営で関わっているのですが、いろいろな人たちが関心を持っている中で、いろいろな可能性があるのではないかなと思いました。
2つ目が、こういうデータを使いたいユーザーはどういう人なのかということで、先ほど藤原さんにも聞きたかったのですけれども、有料で買うとなると、前の事例ですと保険会社などで、海であったら、今回、漁業であれば漁業関係者なのかなと思うのですが、今後、生態系保全に取り組もうとする、何かしたら生物多様性に関わりたいと思ういろいろな企業が出てくる中で、様々なユーザーの可能性があると思います。その観点で、3つ目の質問に関わるのですけれど、オープンデータ化がやはり難しいというところが、研究者とのコラボレーションというところで難しくなるのかなと思いました。
風力発電関係の環境アセスメントの委員会に出ていた時も、環境アセスのデータを研究者も使いたいと思っていても使えない状態であることが分かりました。これは省庁が関わって何かオープンデータ化するなど、そこがないと、研究者とコラボレーションといっても、研究者はお金を払えないので実現が難しそうで、その辺、何か考えがありましたら教えていただければと思います。
以上です。
中北部会長:ありがとうございます。続きまして、前島委員ですね。よろしくお願いします。
前島委員:JAXAの前島です。ありがとうございます。
所感まとめていただきまして、これ非常にためになる情報かなと思いました。
それで1つ、サービスベンダーから観測実施者へのフィードバックする手段がないという御指摘なのですけれども、ここ、確かにそのとおりでして、われわれも今、結構すごくここを気にしまして、いろいろな仕組みづくりを進めています。データバリューチェーンの下流から上流へどうやって要求を渡していくかというところなのですけど、一つの場として、先ほども出ましたCONSEOという組織を3年前につくっています。そちらのほうで今、上流から下流まで、宇宙ではない方々もたくさん入ってきていただいて、そこで要望をいろいろ議論をして、それでフィードバックをかけるというような場をつくっております。というのは一つの解かなと考えているのですけど、ほかにもこういうやり方があったらいいなとかいうご要望があればぜひ教えていただけると、またさらに発展されるかなと思います。よろしくお願いします。
中北部会長:ありがとうございます。
では、筒井委員、お願いします。
筒井委員:Marble Visionsの筒井です。
いろいろな課題が分かりやすく、ありがたいと思いました。藤原さんの話と合わせて、オーシャンアイズのような取り組みが増えると、今回は海の事例でしたが、地域や生態系も含めて、地球観測利用の理想と思いました。1つのサービスに集中するとカスタマイズ要素の大きなお客さんは狙いにくいという部分で、両方とも増えるような仕組みができるといいとお話を伺いながら考えていました。認知度の話もありましたが、認知度は具体的にどうすると良いかということも伺いたく思いました。
最近、生成AIも含めて、テクノロジーが加速化している中で、オーシャンアイズの場合は、高度な研究として物理モデルがありますが、地球観測の取り組みとして、もうすこし手軽な内容でも、地域などで同様の取り組みが広がるかと良いと思いました。その際に、オープン化と課金の間のような事業モデルなど、垣根を下げて利用を広げるような仕組みで利用者と事業者のエコシステムが回っていくなど、これから5年の展望があったら教えていただけるとありがたく思います。
以上です。
中北部会長:大事なところ、ご質問いただき、ありがとうございます。
それでは、堅達委員、お願いいたします。
堅達委員: 私も、お話が何人かの委員からありましたけれども、何のためにこれをやるのかという時に、漁業者がたくさんお魚を取るためだけにやっているとなっちゃうと、今、乱獲とか取り過ぎとかまで懸念されている時に、「えっ、逆ではないの?」とかすこし感じてしまったところがあって、これが漁業資源の保全につながるのかとか、生物多様性の保全につながるのかという観点での活用の方法というのがあったりすればよいのではないか。あるいは認知度とか、意味が国民に伝わらないというお話もありましたけど、例えば脱炭素の観点から言うと、その船、今いっぱい燃料を使用して、右往左往して船で行っていますが、このデータがあることで、すごいいい、ピンポイントでいい適正な漁場を見つけて、適正に漁獲をすれば、燃料費の削減とかにもつながるとか、何かメリットをアピールするやり方もあるのではないかなと考えたのが一つコメントでございます。
もう1個は、日本だけではなくて、日本も海洋国ですけれども、世界とつながっているとことでいった時に、私も去年、グローバル・ティッピングポイント・カンファレンスというイギリスのエクセター大学で開かれた、そこのいろいろ話題とか、海のAMOCが停止してしまうかもしれないという番組もつくったのですが、本当にこの海流の流れが変わったら、世界中が気候変動とか異常気象が起きて、今それが洒落にならない状況になっていることを考えると、せっかくのこのデータを世界の知見とどうリンケージできるのかというあたりについて、オープンデータの問題でいろいろご苦労もあると思いますけど、構想とか将来のチャレンジングな動きがあれば教えていただきたいなと思います。
中北部会長:ありがとうございます。データをもっと生かせるような対処法があるのではないかという大事なことを言っていただきました。ありがとうございます。
それでは最後ですが、川辺委員、お願いいたします。
川辺委員:お話をどうもありがとうございました。非常に興味深く伺いました。
10~11ページで、データバリューチェーンをお示しいただいています。10ページが一般論で、それを具体的に示したのが11ページと理解しております。
10ページの一番右側にある「ユーザーによる価値創出」は、海洋分野では難しいというお話でしたが、この「ユーザー」がどの主体を想定されているのかやや分かりにくいかもしれません。海の公共材的性格から国や都道府県が管理責任を負うことを踏まえると、この価値創出は税金の投入につながるのと思います。それゆえ東京都や千葉県も、こうしたうシステムを導入するために予算を措置しているという理解でよろしいかと思いました。
また、11ページを拝見しますと、一番右側(最終的な価値)に「操業の効率化」「水揚げ高アップ」が挙げられていますが、操業の効率化は想定できるかもしれませんが、それが必ずしも水揚げ金額の増加に結びつかないかと思います。もし水揚げ先や販売先ごとの価格等の情報を含めてアドバイスする意思決定支援システムができれば、より価値が高いものになると思いました。
いずれにしても、海洋における経済活動は、「漁業」という枠組みだけで捉えると広がりが難しいと思うのですが、近年さかんに言われている「ブルーエコノミー」あるいは「海業」といった視点から展開して、持続可能な海洋利用という枠組みを再設定すると、さまざまな可能性があるように思います。例えば、生物多様性への配慮と漁業とをゾーニングで両立させる、漁業資源管理がTACによる数量管理へ移行したことを踏まえた連携、さらに、MSC認証のような持続可能性認証制度との組み合わせなども考えられるかと思います。あるいは、洋上風力発電などあらたな海洋開発において、環境影響評価はきわめて重要です。そうした組み合わせを考えると、海洋の経済活動とは、決して閉じたものではないと思います。
その意味で、こうしたバリューチェーンについては、その構築にとどまらず、「バリューチェーン・マネジメント」、すなわちバリューチェーンをいかに持続させ、さらには拡張させていくかということが、一層重要になるのではないかと思いました。
最後に、漁業者の観測データについてです。GPS等の位置情報や漁獲情報の取得も可能とのことでしたが、それに加えて、漁業者の長年の経験から蓄積された知見、いわゆる「経験知」を組み込むと面白いのではないかなと思いました。特に沿岸漁業では、各漁業者が漁場に関する独自の知識を持っていますが、それは多くの場合、科学的情報と体系的に突き合わせられていないと思われます。そうした経験知もまたデータとして位置づけ、科学的情報と統合できれば、より実効性の高いシステムになるのではないかと感じました。
中北部会長:どうもありがとうございました。
皆様から御意見、ご質問をたくさんいただきましたので、今もうお答えいただいている時間はありませんので、コメントはもうコメントとして大事にお持ち帰りいただいて、あとの文科省の皆さんも、うちでこれ対応できそうなところとかいうのも、ひょっとしたら何か新しいアイデアでやろうかなみたいなの出てきているところもあるというのをすこし考えいただいて。時間もありますので、田中様からどうしても質問で答えておきたいとこだけお答えいただけたらと思います。
田中代表取締役社長:少しだけコメントをさせていただくと、やっぱり私たち、Synspectiveと違って、データそのものを扱っているのではなく、解析結果を扱っていると意味では、割と出しやすいところである。
それは、自分たちが今の状態で最高なものを出しても、次、あしたには次の開発ができて、もっといいものにするというところが私たちはできるので、ある意味、過去データに関してはオープンにするという可能性もあると思いますし、それを研究で使用していただくことであるとか、アセスメントで使用していただくであるとか、もちろん商用であるとお金いただきますけれども、そういうところでうまく使用していただきながら、使用していくことでフィードバックも返ってくるとこあると思うので、そういうところは、私たちとしては、できるところはどんどんやっていきたいなというふうな思いではあります。
中北部会長:藤原さんと田中さん、発表どうもありがとうございました。委員の皆さんも多数の御意見、ご質問をありがとうございました。
それでは、議題2が残っていますので、議題2を御説明いただいて、もうほとんど質疑の時間はありませんけれども、すこし時間気にしながら、どうぞ御説明よろしくお願いいたします。文科省のほうからよろしくお願いいたします。
事務局:事務局から、今年度の「我が国における地球観測の実施計画」につきまして取りまとめましたので、ご報告という形で説明させていただきます。
最初に、この「我が国における地球観測の実施計画」というものですけれども、こちらは昨年度策定されました第2期の実施方針の内容に沿った関係府省庁、機関の連携や効率的な地球観測の推進のために、毎年、実施計画を更新する形で取りまとめを公表しております。
実際の資料で、実際取りまとめた一覧が資料2-2のほうに記載しているとおりでございまして、観測等の取り組みの概要とか、あとは観測対象や手段、観測域とか、期間、データ公開がどこでされているかとか、問い合わせ先がまとまっておりまして、文部科学省の地球観測部会のウェブサイトで公開しております。
この取り組みは非常にたくさんありまして、お時間はないので概要の形で、資料2-1で御説明させていただきます。
主な集計、登録数等の概要を簡単にまとめておりまして、記載のとおり、合計登録件数は375件となっております。再掲というものが213件ございまして、再掲というものは、この実施方針の項目で複数に該当する登録もございますので、そういうところが再掲というふうに記載されておりまして、ユニークな観測登録といたしましては、それを引いた分の162件となっております。
次の2が、省庁等別の登録数を記載しております。登録といたしましては、文部科学省と気象庁、環境省に多く登録いただいている状況となっております。
登録の一例を申し上げたいのですけども、お時間の関係ですこしスキップさせていただきますが、総務省の登録ですと電離圏とか、文科省では、所管法人の衛星とか船舶とか、地震火山観測部門における観測とか、気候モデルの高度化、生態系の影響評価とか、農水省のほうでは林野庁とか水産省の方の観測とか、経産省では研究開発とか、国交省とかだと高性能レーダ雨量ネットワーク「XRAIN」とかが登録されております。
次の3ポツが、項目の種別となりまして、こちら、先ほど申し上げましたとおり、観測そのものだけではなくて、機器開発とか、それを用いたデータ利用研究とか、その他といたしまして、データ共有をしているデータプラットフォームの運用とか、データバリューチェーンで言えば、広報とか人材育成、国際協力等がその他のほうに含まれているということとなっております。
4ポツ目、観測手段ごと登録件数とかを記載しておりまして、観測手段といたしまして、衛星、地上観測、船舶、航空機、その他としておりまして、その他のところでは、漂流ブイとか地震計とか、UAV、IoTのセンサー等も含まれて登録されています。
5ポツが、実際に第2期の実施方針の各項目に対応した登録件数が記載されておりまして、こちらは再掲を含む件数となっております。現時点では、データバリューチェーンの実現に向けた取り組みといたしましては合計111件ほど、分野別の地球観測では合計264件ほど登録されている状況となっております。
6ポツには、SDGsに関連する施策のそれぞれの目標に対して該当する登録件数を記載しております。この件数、地球観測の施策の総数といたしましては314件となっております。
17の目標それぞれについての件数も記載しております。特に多いところといたしましては、6ポツの水とか、13ポツの気候変動や、14の海の豊かさを守ろうとか、15の陸とかいったところの登録が多くなっているというところになります。
最後のページに、今年度新たに新規に追加された取り組みを記載しておりまして、文部科学省からは、国立極地研究所による北極域の観測とそれに基づいた気候予測モデルの開発や影響評価、そして科学知見の社会的実装に関する貢献というものが登録されておりまして、林野庁からは、海面上昇による高潮被害に対するマングローブ林の沿岸域防災や減災機能の評価というものが登録されております。
では、簡単ではございますが、実施計画についての概要のご報告をいたしました。
中北部会長:ありがとうございました。すごく簡単にしていただきまして、ありがとうございました。観測の項目、これエクセルのやつ、膨大な数になっておりますね。
また、ご質問、お聞きしておきたいこと等はよろしいですか。
では、森田委員、お願いしてよろしいですか。
森田委員:ありがとうございました。
この環境分野ごとにというよりは、今は統合領域などがあり、気候変動と生物多様性との統合であったり、循環経済との統合であったり、いろいろな統合がありますけれど、そういうものはあまり地球観測の分野で出てきてないのかというのが1点聞きたいです。それから、冒頭で、すこし社会科学の観点を取り上げていただいたのですけれど、社会システムと地球システムはつながっているので、やはりそこをつなぐものにこの地球観測を使うということをもっと考えていく必要があると考えております。12月にIPCCの第1から第3の作業部会が全部一緒に集まった初めての合同の執筆者会合が開かれまして、地球観測に関わる研究者と政策やファイナンス関連の研究者も一緒に議論する初めての取り組みが行われました。アカデミアの中でも、分野はだいぶ異なるけれど、共通のキーワードでしっかり理解し合って、一緒に問題解決のほうに向けていかなくてはいけないという段階に来ています。まだ地球の状態を理解しましょうというところで何となく止まっているような取り組みや施策に見えるので、もう少し実際動いている環境分野の政策的な議論とどう組み合わせるかということも今後必要なのではないかと思います。
中北部会長:ありがとうございます。前回も強調いただいて、私もすこし似たようなコメント申し上げましたので、やはり引き続き意識をしていただかないといけないポイントかなというふうに思いましたので、よろしくお願いいたします。
ほかはよろしいですか。すいません、時間気にしていただいた面もありますが。
ありがとうございます。田中さんも、またよろしかったら、質問等もあったら声かけていただいたりとかしていただいて、この縁を生かしていただければと思いますので、悩みの点も、田中さんとこだけが悩むのではなくて、やっぱりここのコミュニティーとして大事な点だというふうにお考えいただいて、前に進めればと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
今日は本当にお二方、ご発表ありがとうございました。
では、委員の皆さま方もどうもありがとうございました。
というので、ここでもう議題を終了させていただいて、マイク、事務局にお返しさせていただきます。どうぞよろしくお願いします。
事務局:事務局からですが、本日の議事録案につきましては、後日、事務局よりメールで委員の皆さまにお送りいたします。各委員に御確認いただいた後、文部科学省のホームページで公表いたします。
次回会合につきましては、別途、日程調整の後、御連絡をさせていただきます。
それでは、以上をもちまして、第11期地球観測推進部会の第2回会合を閉会いたします。
本日はご対応ありがとうございました。
一同:ありがとうございました。
-了-
メールアドレス:kankyou@mext.go.jp