令和6年12月19日(木曜日)14時00分~16時00分
文部科学省内15階特別会議室及びオンラインのハイブリッド形式
小杉主査、高原主査代理、石坂委員、大竹委員、川北委員、岸本委員、阪部委員、高橋正光委員、高橋瑞稀委員、古川委員、矢橋委員、山重委員
野田研究環境課課長、伊藤研究環境課課長補佐
高輝度光科学研究センター坂田理事
【小杉主査】 それでは、定刻になりましたので、ただいまから第12期量子ビーム利用推進小委員会、第57回を開催いたします。
本日はお忙しい中、御出席いただきありがとうございました。まずは事務局から、参加者の定足数の確認、配付資料の確認等、よろしくお願いします。
【伊藤補佐】 本日は、オンラインと対面のハイブリッド形式で会議を開催しています。14名の委員の中で12名の委員の皆様に御出席いただく予定となっており、対面による御参加が9名で、古川先生が遅れていらっしゃることになっております。オンラインでの御参加は3名で、御欠席者は、森先生と唯先生となっております。
また、議題2のSPring-8/SACLAの中間評価に関連いたしまして、高輝度光科学研究センターより坂田理事にお越しいただいております。
なお、本日は、会議公開の原則に基づきまして、報道関係者や一般傍聴者によるユーチューブでの傍聴を認めておりますので、御了承いただければと思います。
次に、配付資料の確認をさせていただければと思います。今、Zoom上に、画面に議事次第を共有いたします。画面が見えにくい方は、適宜事前にお送りしております資料を御覧いただければと思います。議事次第にございますとおり、配付資料は、1から3までございますので、もし、不備がございましたら事務局まで御連絡いただければと思います。そのほか会議中に御不明点ありましたら事務局まで御連絡いただければと思います。
事務局からは以上でございます。
【小杉主査】 ありがとうございました。
それでは、議題1に早速入りたいと思います。議題1は、令和6年度補正予算についてということになっています。資料1につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。
【伊藤補佐】 承知いたしました。それでは、事務局より、資料1について御説明させていただければと思います。
12月17日に補正予算が成立いたしましたので、量子ビーム関係の予算について御説明させていただきます。
まず1ページ目でございますけれども、SPring-8の高度化(SPring-8-Ⅱ)といたしまして、令和6年度の補正予算額、170億円が認められました。こちらは事業内容のところに書いてございますけれども、事業実施期間が令和6年度から令和10年度までで、SPring-8-Ⅱの整備に向けて着実に進めてまいります。
おめくりいただきまして、2ページ目でございますけれども、こちらも先生方に事前評価をしていただきましたNanoTerasuの共用ビームラインの増設につきまして、ユーザーニーズの高いビームライン、まずは1本の整備に着手することが8億円として認められております。
3ページ目でございますけれども、国立研究開発法人等の研究活動等の継続に係る対応ということで、内数にはなりますが、SPring-8、SACLA、J-PARCの機能維持に必要な補正予算が認められているところでございます。
最後、4ページ目でございますけれども、SPring-8/SACLA、J-PARCの省エネ・老朽化対策といたしまして、経年劣化した施設の省エネ・老朽化対策、安全確保に必要な高経年化対策として、合計で19億円が認められているところでございます。
事務局からの御説明は以上でございます。
【小杉主査】 ありがとうございました。かなり予算がしっかり取れているような状況で、研究環境課も対応が大変だったと思いますけど、ありがとうございました。
それでは、御質問等ございましたら、何でもよろしいので。何かございますか。ネット上でもないですかね。
NanoTerasuが1本だけというのが残念なところではあるので、複数本だとつくるときも効率的にやれると思うんですけど、今後も1本ずつとなってくるのか。次回は複数本にできるのか。やはり3本プラス1本ぐらいでは駄目なので、その辺りは文科省側も頑張っていただいて、今後に期待するところ、というのが印象ですけど。
ほか、何かございますか。
この1本は何をつくるかというのは決まっているんですか。
【伊藤補佐】 事前評価で評価いただきました5本のうち、XRDにまずは着手したいということで考えております。
【小杉主査】 立ち上げを早くやっていただくように、現場のQSTにはよろしくお願いします。
では、特に何もなければ、議題2ということで、これは今までSPring-8/SACLAの御紹介いただきましたけど、その後で少し宿題というか、御説明を追加でお願いしたというところだと思いますが、議題としては、SPring-8/SACLAの中間評価についてということになっています。資料は2-1ということで、矢橋委員より説明をお願いいたします。
【矢橋委員】 それでは、資料の説明に移ります。めくっていただきまして、今、小杉主査から御説明ありましたように、前回、指摘事項の若干の残と、あと、ここの議論を通じて追加すべき論点というのをいただいておりまして、それが2ページにまとめてあります。これを順番に説明いたします。
次のページに行っていただきまして、これは前回の評価の論点の残りとなっておりましたが、産学官共用による利用促進ということで、(3-10)の潜在的なユーザーの開拓に向けた事例の公開等の取組状況ということで、これは主にJASRIに準備いただいておりますが、成果事例の公開ということで、利用研究成果集の公開を、パブリックにみることができるJ-STAGEというものに移行しております。
それから、J-Global、国会図書館とも連携、それから、産業利用成果集もホームページで公開しております。
さらに、UIサイト、これはユーザーインターフェースのサイトですが、ここもデザインを見直しまして、おおむね好評だということで効果があったということでございます。
それでは、次に行っていただきまして、これはこの委員会で議論がありましたSPring-8/SACLAの強みを生かした国内の9放射光施設の横展開というところが、特にどうですかというところを問われております。
それで、これを概観したのがここのスライドになっておりまして、主に国内9施設とありますが、予算等々、立てつけの関係から3つのカテゴリーに分かれております。
1つ目が、我々、SPring-8/SACLA、それから、NanoTerasuが含まれる共用施設、それから、学術系の施設、これは文科省の学術系の予算で運営されております。それから、地域を中心とする様々な特色のある施設もございます。この大きなカテゴリーの中で、人材の循環、それから、様々な利用の役割分担が行われているところでございます。その中でも特に、SPring-8/SACLAは、NanoTerasuとともに、共用施設ということで、国内の利用ポートフォリオの基盤をつくっております。それで最先端の利用機会を産学に提供しているということでございますが、さらにSPring-8/SACLAにつきましては、最先端技術の継続的な開発を行っているということで、これについて次のページで状況を説明いたします。
ここには代表的な3つの例を挙げてございます。1つ目は、X線光学素子ということで、かねてより大阪大学、山内先生のグループとの連携をしておりまして、超高精度のX線ミラー、これは「Osaka mirror」というブランドで世界に知られておりますが、この開発に成功しております。これは国内・海外の主要な放射光施設、XFEL施設に導入されておりまして、国内もここに挙げた施設、これからもっと数が増えていくと思いますが、こういう状況になると思います。
それから、高性能検出器の開発ということで、これも様々な取組をしておりますが、その一つとして、最近、高性能の積分型ピクセル検出器、CITIUSと呼んでおりますが、これの開発に成功いたしまして、これはSPring-8のみならず、NanoTerasuにも導入されております。
それから加速器のところでございますが、特に蓄積リングにビームを入射する入射器というところで、これも以前から御説明しておりますように、SPring-8ではSACLAの線型加速器から蓄積リングへ直接入射するという高性能なスキームの実用化に世界で初めて成功しておりますが、このスキームをベースにしまして、当時、建設中のNanoTerasu、それから、NewSUBARUの入射器の設計も最適化しまして、特にNanoTerasuのところでは、高性能と省コストの両立の実現に貢献したということでございます。
次のページに行っていただきまして、また、施設間連携、特に研究基盤間の連携を考える上で、今後は特にデータ流通基盤というところの整備、運用が非常に重要になってきております。SPring-8はデータセンターの整備を進めてきておりましたが、これは当然、所内、6ページの絵で言いますと、ピンクのハッチングがかかっているところがございますが、これは当然所内にとどまらず、外側、例えば、「富岳」であったり、HPCIであったり、こういったところの計算リソース、ストレージとか、あと、さらに右側の、NIMSと書いてありますが、マテリアルDXプロジェクトであったり、GakuNin RDMであったり、あとさらには、大学、企業、それから、商用クラウド、こういったところに接続していくことが非常に重要になっておりますので、こういったところの接続が可能になるような様々な試験を行って、試験運用が現在順調に進んでおります。
また、量子ビーム施設としましても、左下にございますように、J-PARC、それから、NanoTerasuとの連携もスキームの設計ができておりますので、準備が整い次第、これは速やかに進めていくという予定になっております。
また、所内で出てくるデータにつきましても、先ほどの検出器のところから非常に大きなデータが出てきますので、これを圧縮したり、解析したりということが必須になってきておりますが、この辺りも所内のみならず、様々な所外の方々との連携を進めているところでございます。
それから、次のページに行っていただきまして、最後の論点としまして、諸外国のXFEL施設の動向を踏まえた、現時点でのSACLAの将来像の構想はどうかというところを聞かれております。ここは2ページにまとめてございますが、まずXFEL施設の動向としまして、約15年前に、LCLSが運用を開始しましたが、その後、着実に利用ニーズが広がってきておりまして、当時、特に創薬等が注目されておりましたが、最近、例えば触媒であったり、エネルギーであったり、そういったところに広がってきております。
さらに、研究コミュニティのグローバル化、サイエンスのグローバル化というのは非常に進んでおりますが、XFELはそのフロントを行っておりまして、各国、各施設の課題が速やかに共有されるようになってきており、高度化に求められるスピードも加速しております。特に今求められているのが、専ら今までの施設というのが繰返しが比較的低いと。例えばSACLAが60ヘルツ、それから、LCLSが120ヘルツということでしたが、これをもうちょっと上げていきたいと。そうすると、例えばビームラインを増やして同時に利用するとか、あと、一つのビームラインでも非常に精密な計測が可能になった。
もう一つの要請は波長を短くしたいと。SPring-8もそうでしたが、やはり短波長、高エネルギーのX線というのは非常に透過力が高くて、様々な精密解析が可能になりますので、そこのニーズは非常に高いということが言えます。
そんなこともありまして、諸外国では、XFEL施設のファーストフェーズ、第1期の建設運用フェーズがある程度一段落した段階と言えまして、第2期の新設・アップグレードに今進んでいるところでございます。
下に簡単にまとめてありますが、第二期の特徴としましては、特に超伝導のライナック、線型加速器の技術に基づくCW、等間隔のバンチで、なおかつ高繰り返し、最大メガヘルツというところでございますが、そういったところがある意味トレンドになっておりまして、下にありますように、LCLS-Ⅱ、これは今、オペレーションを始めておりますが、さらにLCLS-Ⅱの加速管を伸ばして、LCLS-Ⅱ-HEということで、これはハイエナジーの略ですが、LCLS-Ⅱは軟X線ですが、ハイエナジーにすることで硬X線にも到達すると。
それから、中国上海のSHINE、あと、深圳のS3FELというのは低エネルギーの軟X線でございますが、こういったところが、開発、運用が進んできているところでございます。
次のページに行っていただきまして、こういうトレンドがありますが、やはり超伝導の加速器でかなり施設の規模も大きなものになりますので、建設コスト、運転コストが非常にかかる。それから、これも4K以下に冷やす必要がありますので、ヘリウム資源の問題もある。あと、実験の観点からは、このメガヘルツはともかくとしまして、例えば100キロヘルツを超えるぐらいのレートになりますと、データレートが非常に膨大になる。それから、放射線の遮蔽の問題、それから、試料へのダメージ等いろいろありまして、これはかなり本質的な難しさを含んでいる問題がありますので、なかなか解決ができない。
差し当たってこれを解消するためには、少しビームを弱めて、ある程度ため込んで、例えばデータを間引く形で計測するといいわけですが、そうすると実は、今、進んでいます先端的な放射光との差異化が非常に難しくなってきています。そういったことで、オプティマイズされた繰り返しというのがちょっとメガヘルツには高過ぎて、キロヘルツ、10キロヘルツ辺りがよいのではないかということが言われていますが、そこに今まだ最適な技術がないという状況になっております。
SACLAの戦略としましては、ここの利用にとって最適化されたスポットであるキロヘルツ程度の繰り返しを目指しまして、超伝導ではなくて、今SACLAで使っている常伝導、カッパーのライナックの技術を先鋭化することでこういったところに届けないか。さらには、短波長のX線も出すことができないかということで、ここの新たなコンセプトを検討しているところでございます。
これはSPring-8で、SACLAでやっておりますグリーンファシリティというところが非常に重要でございますので、そこと性能の先端性を両立すると。時間スケールとしましては、2030年代をめどにコンセプトの確立、プロトタイピングを行いまして、それを踏まえて整備計画を立案、着手を目指すことを計画しております。
あと、SPring-8-Ⅱのときも、加速器の入替え期間、1年間のシャットダウンというところが問題になっておりましたが、蓄積リングとは異なって、線型加速器というのは、原理的には部分的に入れ替えていくということが可能でございますので、その入替えのときに長期のシャットダウンを伴わないようなやり方ができないかというところも併せて検討を進めているところでございます。
以上でございます。
【小杉主査】 ありがとうございました。
それでは、議論の時間、10分程度確保できると思いますが、何か御質問や御意見ございましたら、どなたからでも結構ですのでよろしくお願いします。
阪部委員、お願いします。
【阪部委員】 ありがとうございます。早速ですが、先ほど報告いただきました海外の状況につきまして、LCLS-Ⅱ、3-Ⅱは、建設が23年までということになっていますが、今現在の状況はどのようになっていますでしょうか。
【矢橋委員】 今まさにユーザー運転を始めたところでございます。
【阪部委員】 繰り返しは1メガヘルツで運転しているのですか。
【矢橋委員】 いえ、1メガヘルツでは運転していません。まだ10キロヘルツ前後で運転しております。
【阪部委員】 米国、中国の施設は、繰り返しレートは1メガヘルツとうたっていますが、今、報告がありましたように、データ取得のレートや遮蔽の問題等々を考えると、1メガヘルツ運転というのは現実的ではないと思うのですが。その点について、例えばEuropean XFELは二十数キロヘルツということで、このような問題はないのでしょうか。
【矢橋委員】 まず、ヨーロッパから申し上げますと、ここの第1期というところでコメ印があって、バーストモードと書いてありますが、これは27キロヘルツとは書いてあるんですが、実は均等に来ているわけではなくて、ある固まりで非常にたくさんのバンチが密集してあって、その後、長い休みがある。また固まりで来るということですので、実はユーザーにとっては非常に使いにくいバンチ構造になっています。そういうのがあって、ある意味で、CWと言っていますが、等間隔の繰り返しの1メガヘルツというところに皆さん行っているわけですが、今御指摘がありましたように、なかなかフルで使うことが難しいので、例えば振り分けて、10本に分けて100ヘルツにするとか、皆さん、そういう絵は描いてはいるんですが、なかなかそこが技術と、あと、リソースの関係ですぐには行かないなというところがあります。
【阪部委員】 ありがとうございました。
【小杉主査】 ほかに何かございますか。川北委員、お願いします。
【川北委員】 川北です。短波長をすごく考えておられて、非常に期待したいなと思っているんですけど、特にディフラクション等で解析できる空間レンジが非常に今のところ限られているような感じなので、短波長化するとそれが一気に広がる。非常に期待できるなと思っているんですけど、何か技術的な、超えないといけない壁というのがあるんですか。
【矢橋委員】 基本的には、電子ビームのエネルギーを上げれば、そこは短波長化が容易にできるのですが、例えばSACLAの場合もコンパクトと言っておりまして、ある境界条件、例えば敷地であったり、そういった中でいかに加速勾配を上げるかというところが重要になっておりまして、実は加速勾配を上げるというのと、繰り返しを高めるというのは、効率の高い加速器をつくるという観点からは同じことでございますので、高効率の加速器をつくって、それを場合によっては非常に高い繰り返し、場合によっては非常に短波長で、そこの間もうまくオプティマイズしてできるような形のオペレーションができればよいのかなというところで、検討を進めているところでございます。
【川北委員】 ありがとうございます。
【小杉主査】 ほか、ございますか。
海外と比較して、短波長化というのは、ちょっとSACLAは遅れている。
【矢橋委員】 いや、遅れてはいないんですけども。
【小杉主査】 遅れているわけではない。
【矢橋委員】 ええ。今のを見ると、いいレベルを行っているんですが、やはりその先へ、第2期といったときには、より短波長のところに、皆さん関心がありましたので。
【小杉主査】 それは実際、今、短波長化できていないので、利用範囲が限られていて、短波長化すると広がるというちゃんとした裏づけはある、要望はあるのですね。
【矢橋委員】 はい。それはそうです。
【小杉主査】 ハードウエア的に海外と比較してというのは分かるんですけど、今できていなくて、これをやると何ができるというのは言っていただいたほうがいいような気がしました。
【矢橋委員】 そうですね。そういう意味では、やはり繰り返しが低いところもありますので、非常に、一発でドカンとやる、何か、おお、すごいというのは今かなり進んでいるんですけども、それがやはり精密なケース、特にここにも書いてありますが、触媒等々の非常に原理的なところをやろうと思うと、やはりS/Nをためていく必要がありますので、それが繰り返し短波長というのがキーワードになって、新しいところが拓けていくというところを考えております。
【小杉主査】 昔、XFEL施設が世界各地でできるときはワンショットで測定するというのがメインで、あまり繰り返しで時々刻々追跡するようなイメージじゃなかったんですけど、世界で建設された後、実際にそういう需要が出ているという状況があるということですね。
【矢橋委員】 はい。そうですね。
【小杉主査】 ほか、何かございますか。
では、ネット上で山重委員から手が挙がっているということで、お願いします。
【山重委員】 トヨタ自動車の山重です。僕も短波長のことでコメントさせていただきたいなと思いまして、我々、放射光のほうでも、材料によってはダメージから逃げるために高エネルギーにすることがあるんですけども、それでも逃げられないものは、もしかしたらSACLAの、サンプル自体は壊れますけど、捉えたときのデータは壊れていないので、ダメージレスというところで強みが出せるんじゃないかなと最近思っておりまして、僕もこのことはかなり期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
【矢橋委員】 はい。おっしゃるとおりだと思います。
【小杉主査】 まだ5分ぐらいあるんですけど。
岸本委員、お願いします。
【岸本委員】 御報告ありがとうございました。データのところで御質問といいますか、聞きたいことがあります。先端量子ビーム施設とつながるスキームができつつあるということですけども、ほかの放射光施設との連携というのは今後広がっていくんでしょうか。
【矢橋委員】 基本的には、もちろんお互いシステムは必要になるわけですけども、そこの中身のプロトコルといいますか、メタデータというところは、これは当然、中でデータセンターをつくるためにも整備はしておりますので、これは外向きにも適用ができる。あと、これも多分申し上げておいたほうがよいのですが、例えばデータのフォーマット等も、これは仮決めでやっているわけですけども、例えばここで決めたら新しいフォーマットにしたときにとても困るかというと、そういうわけではなくて、今、トレンドとしまして、当然、フォーマットの変換をしながら、例えば新しい要素が入ってきたらそれをアドするようなことができるようになってきていますので、そういう意味でちゅうちょなく、こちらはこちらで様々なスキームは検討して、実際に運用するということで、他施設が加わってきたときにも速やかにつなぐことができると考えております。
【岸本委員】 なるほど。分かりました。やはりユーザーからするといろいろな施設をこれから使っていきたいというのも今後増えてくると思うので、そういった意味では、そのような柔軟性があると、データの利活用というところで非常に強力になると思います。一気には難しいかもしれませんけど、少しずつ整備のほうを進めていっていただけるとありがたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
【矢橋委員】 はい。ありがとうございます。
【小杉主査】 ほか、何かございますか。では、阪部委員、お願いします。
【阪部委員】 今、データの話が出ましたので、加えてお聞きしたいのですが、このデータ形式、フォーマットの国際的な規格化という動向はあるのでしょうか。あるいはもしあれば、それを牽引しているのはどこの国かというのを教えてください。
【矢橋委員】 これは分野次第でございまして、例えばタンパクの構造解析はプロテインデータバンクのフォーマットがあってやっておりますが、分野分野であるものもあれば、ないものもあると。そこに関しましては、少なくとも国内でもある程度、例えばXAFSであったり、幾つかのコミュニティではフォーマットを統一しようという動きがありますので、そことは当然協力してやっています。では、それが国際的になるかどうかというのは、またそれはコミュニティ次第ではありますが、先ほど申し上げたように、様々なフォーマットの変換もできるようになってきておりますので、やはりまず足元をしっかり固めていくということが重要なのかなと思います。
【阪部委員】 分かりました。ありがとうございます。
【小杉主査】 追加ですけど、放射光学会でもそういう議論があって、少なくとも国内でまとめて、海外へ展開していくということを学会でもやっておりますね。
【阪部委員】 よく標準規格をつくるのに、国際的に遅れを取らないようにということは言いますので、そこだけ少し気がかりだったものですから。
【矢橋委員】 私の知る限りでは、そこまでスタンダードにこだわって、つまり、そこが非常に、将来の利害をすするような議論には、分野にもよりますが、全体としてはなっていないと理解しておりますが、ただ、皆さん、当然関心があるところですので、ばらばらではなくて、やはりデータをいかに、様々なデータをインテグレートして答えを出していくかというところは当然やっていかないといけないと思います。
【阪部委員】 どうもありがとうございます。
【小杉主査】 ほか、ございますか。では、高橋委員、お願いします。
【高橋瑞稀委員】 高橋です。データのところ、非常に気になっていて、データ量ですとか、通信速度ですとか、そういったところが非常に制限になってきているというのが現状としてありますので、こういった取組は非常にありがたいと思っています。1点、気になったのがデータの圧縮解析技術、圧縮して必要なときに解凍するといった、そういった技術の開発もということですけども、そこで得られた技術などは皆さんがいろいろな人が自由に使えるようになるものなのか、それとも、先ほどフォーマットの話もありましたけども、フォーマットの変換ですとかそういった技術も広く皆さんに公開するということでいらっしゃるのかというところ。
【矢橋委員】 基本的には、特に圧縮のところは、これは検出器から、例えばデータセンターに行く途中でもうやっておかないと、データセンターがパンクするみたいな事例もありますので、もちろん様々な利用者の方の意見とかいろいろ聞きながらも、実装するときは恐らく利用者は意識しない形にしておく必要があります。これも計測の手法によるのですけども、例えばディフラクションだとすると、ほとんどヌルになるわけですね。なので、そこは全部ないものと思うとか。ただ、一方で、例えばイメージングだと、ほとんどあるわけですね。ただ、CTとかを撮ると、例えばある角度とある角度の差分は非常に小さいみたいな仮定を利用して圧縮するとか。ティピカルな手法ごとに圧縮方法を変えることで、そのデータのクオリティというか、実際の意味を下げずに実効的なところをきちっと担保するところが非常にポイントになってきていますので、それがきちっとできるような形を目指してやっております。だから、逆に言うとあまり、皆さん全ての方が意識するようだと逆に使えないかなと思います。
【高橋瑞稀委員】 なるほど。そうですね。その技術が独占的なものではなく、皆さんに伝えるものであれば、非常にありがたいと思います。ありがとうございます。
【矢橋委員】 もちろんそうですね。そういうことです。
【小杉主査】 これは6ページの図の中には商用クラウドの利用も入っているような感じですけど、実際、直にSPring-8/SACLAと商用クラウドがつながって利用しているという実績はあるのですか。
【矢橋委員】 これは利用者のオプションによってこういうことができると。
【小杉主査】 利用者側が使う場合があるという図なんですか。
【矢橋委員】 そうです。一般的には、やはり商用クラウドは、ためておくだけだったらいいんですけども、データをトランスファーする、出し入れをするとものすごくお金がかかりますので、そこがちゃんとペイできるかというところは、ある意味で利用者が判断されるわけですけども、少なくともネットワークとしてはそういうこともできるというスキームにはしております。
【小杉主査】 現在のデータセンターが持っておられる容量からすると、どれぐらい、何年ぐらいもちそうな感じですか。
【矢橋委員】 一応目標としては3年程度、ここに保存できるということを目標にしておりますが、それも当然、様々な条件によりますので。
【小杉主査】 そんなに長くないですね。
【矢橋委員】 はい。そんなに長くないです。
【小杉主査】 すぐパンクして。どんどん膨らむ一方なので。商用クラウドも積極的に使うという解もあるかもしれないと思いましたが、状況、分かりました。
ほか、何かございますか。高橋委員。
【高橋正光委員】 QST、高橋です。今のデータのところで、これ、よそへつながっていくときに、例えば将来的に技術が進んで規格が変わるとか、新しい規格が出てきて、それに対応するときに各施設が足並みをそろえないと、対応が、機能することが難しくなったりという懸念があるかと思うんですけれども、そういったことに対しての展望といいますか、対応というのはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
【矢橋委員】 何かが起こるとしたら、恐らくここだけではなくて、もうちょっとグローバルに起こるはずなので、そこはそういう流れをきちっと捉えられます。逆に言いますと、この手の検討をするときに必要なのが、先ほどの商用クラウドの話もありましたが、一般的な市場ベースでどうなっているかというところを押さえておくことが重要ですので、それをちゃんと見ながら、こちらに反映していくということが必要で、それはやっておりますし、今後も必要になってくると思います。それをやっていれば、ガラパゴス化は防げるのではないかと思います。
【高橋正光委員】 それぞれの拠点でそれをやっていかないと。
【矢橋委員】 いや、それは恐らく、これは今、SPring-8でデータセンターをやっているんですけども、実は結構これは大変で、やはりビームラインの本数が多くて、ここで結構我々も苦労しておりますので、恐らくそのノウハウを共有していただいて、皆さん使っていただくことができるんじゃないかと思います。
【高橋正光委員】 分かりました。ありがとうございます。
【小杉主査】 では、そろそろお時間ですので、議論はこの辺りで打ち切りたいと思います。
次は同じ議題の中で、資料2-2ということで、中間評価報告書(案)を事務局でつくっていただいております。あと、資料2-3で参考資料がついております。
この報告書の審議に際して、まず利害関係者の確認をさせていただきたいと思います。中間評価を実施するに当たっては、文部科学省における研究及び開発に関する評価指針というものがありまして、それにのっとり、公正で透明な評価を行うという必要があります。原則として、利害関係者が評価に加わらないようにということが定められておりますので、その確認をしたいと思います。
利害関係者として4項目ありますが、まず1番、評価対象課題に参画している者。それから2番は、評価される者、被評価者(実施課題の代表者)と親族関係にある者。3番目として、利害関係を有すると自ら判断する者。4番目として、この分科会で評価に加わらないことが適当であると判断される者ということになっております。
以上、4項目のいずれかなのですけれど、矢橋委員は明らかに1番の評価対象課題に参画している者ですので、まずは利害関係者ということになりますけれど、それ以外で、利害関係者、今の1はないと思いますが、2、3、4で該当する方がいらっしゃいますでしょうか。特にいらっしゃったらお知らせいただきたいですが、ネット参加委員もないですかね。では、該当者はいないということで、矢橋委員だけが1番の評価対象課題に参画している者ということで、審議には参加しないということになります。途中、事実関係等を確認する必要があるという場合には発言をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、事務局より資料2-2と2-3の説明をお願いいたします。
【伊藤補佐】 承知いたしました。資料2-2を中心に御説明させていただければと思います。
まず目次でございますが、こちら、構成といたしまして、1ポツ「はじめに」の後、2ポツで、今までのヒアリングや現地調査を踏まえて、SPring-8/SACLAで実施してきた対応とそちらに対する今後の指摘事項をでまとめており、最後、3ポツとして、SPring-8-Ⅱを見据えまして、今後の重点的な課題と推進方策についてまとめるとしております。
1ポツの「はじめに」、1ページ目でございますけれども、こちらにつきましては、SPring-8とSACLAがどういった施設なのかということを御紹介した後に、両施設は共用法に位置づけられてきており、昨年のSPring-8-Ⅱの報告書も踏まえながら、今回御審議いただいたという背景を述べております。
3ページ目ですけれども、こちらにつきましては、まずSPring-8とSACLAの概要ということで、3ページ目の主な経緯のところですけれども、前回、中間評価以降で言いますと、令和3年にSPring-8で使用する電子ビームをSACLAからの入射に変えたということと、SPring-8-Ⅱの報告書を取りまとめたということを更新しております。この後ろも、4ページ目も予算ですとか運転実績、主な成果の例というものを更新しております。
5ページ目に入りますけれども、SACLAの概要というところも、先ほどと同様ですけれども、SACLA入射を定常化したということと、運転実績や論文本数や成果というものの更新をさせていただいております。
6ページ目以降は、前回の中間評価での主な指摘事項への対応です。太枠で囲っている部分は前回の中間評価での指摘ということになっております。その対応状況といたしまして、7ページ目でございますけれども、SPring-8の発展の方向性といたしましては、まずSPring-8を高度化するということで、SPring-8-Ⅱの報告書を取りまとめていただきましたし、また、その取りまとめに当たってはユーザーのアンケート調査も踏まえているということを対応状況として書いており、指摘事項といたしましては、SPring-8-Ⅱの整備が始まりましたので、SPring-8停止期間における対応について検討して、必要な対応をするですとか、あと、新装置ですとか実験手法、データ解析手法の開発に当たっても、利用研究者との連携を図りながら利便性の向上に努めるという指摘をさせていただいております。
8ページ目でございますけれども、SACLAの発展の方向性といたしまして、この5年間でも顕著な成果を創出しており、また、様々な機器も、実験可能な分野の拡大等に貢献をしているところですけれども、現時点でSACLAは、産業界よりはアカデミアに多く利用されていて、トップ10%論文の創出割合が高いという状況をまとめております。指摘事項といたしましては、引き続き産学のユーザーに供することができる計測技術、データ解析の汎用化に取り組むということと、本日御発表もいただきましたけれども、諸外国の動向等を踏まえた今後のSACLAの在り方について引き続き検討するということをまとめさせていただいております。
続きまして、SPring-8/SACLA共通の発展の方向性につきましては、今、NanoTerasuの整備が完了したということで、SPring-8で得られた知見も積極的に展開したということをまとめました。指摘事項といたしましては、国内の9放射光施設が様々な役割分担といいますか、学術・産業界の先端研究開発を支えている状況を踏まえまして、フラッグシップとしてどのように横展開をして、我が国の放射光科学全体の発展を支援するかを検討し、実行するとまとめさせていただいております。
9ページ目は経営基盤の強化のところですけれども、こちらについて運転時間もきちんと維持をしておりますし、運転体制の効率化みたいなことにも取り組まれておりますので、指摘事項といたしましては、こういった技術を引き続き取り入れて、ユーザーへの還元策についてですとか、あと引き続き、JASRIと理研とで連携して、役割分担、連携体制の在り方について検討するということをまとめております。
続きまして、施設を最大限に活用したイノベーション・エコシステムということで、こちらも兵庫県のニュースバルの加速器の整備みたいなことはきちんと対応ができております。今後どう県と連携していくかはまだ検討中のところもございますので、指摘事項といたしましては、引き続き兵庫県と連携協力して進展させるということをまとめております。
国際連携・国際協力につきましては、放射光施設、X線自由電子レーザー施設の両方で、きちんとワークショップを開催して、国際交流を進めてきているということをまとめておりまして、10ページ目になりますけれども、引き続きそれらの連携・協力を進めるとともに、海外の研究機関等に所属するユーザーによる利用研究課題の取扱要領をきちんとJASRIでも整備しておりますので、昨今の国際情勢を鑑みて、そういったことも必要に応じて見直すということを指摘にまとめさせていただいております。
マル2、研究成果の最大化に入りますけれども、こちらも太枠の中が前回の中間評価での指摘事項になっておりまして、11ページ目で対応状況とございますけれども、SPring-8ではユーザー満足度調査というものを実施しまして、それを踏まえて、福利厚生についての改善の取組等を実施しているということになっております。
また、オープンデータ・オープンアクセス、本日も様々御説明いただき、また、御指摘いただきましたけれども、今、SPring-8データセンター構想というものを策定して進めているところですので、引き続き研究データ基盤との連携促進を図るということで、「富岳」等との連携を見据えて高度化をしていくということを指摘事項としてまとめさせていただいているところでございます。
続きまして、おめくりいただきまして、12ページ目でございますけれども、SPring-8のビームラインの改廃と高度化の実現ということで、対応状況といたしまして、ビームラインの位置づけの明確化・再編・高度化を推進し、様々な専用ビームラインの理研ビームラインへの移行等が進められ、このような専用ビームラインの改廃を進めましたが、評価の仕組みは継続して検討ということと、あと、運営費回収分に加えまして、優先利用などのサービスの上乗せということの枠組みも検討しているところでございますので、こういったことを引き続き実施していくということを指摘事項としてまとめさせていただいております。
ビームラインの有効利用による研究成果の最大化につきましても、共用促進法の改正で専用ビームラインにおける一部共用供出が可能となり、また、試料調製サービスが開始予定となっておりますので、こういったことを引き続き実施しながら、様々な状況も踏まえて、見直し等々を図ることを指摘事項としてまとめさせていただいているところでございます。
13ページ目になりますけれども、産学官の共用による利用促進ということで、こちらも太枠の後ろのところに今回の5年間の対応状況をまとめております。産学官の共用施設として、課題募集の時期や頻度、産業利用時間の制限緩和などを検討してきた経緯の詳細を資料2-3にまとめておりますが、きちんと対応ができてきているということになっております。
おめくりいただきまして、次のページでございますけれども、上から二つ目のポツになりますが、利用推進協議会と、SPRUCも連携を強化してきているということでございますし、また、その下のポツも様々なワークショップですとかイベントも、形式を見直しながら続けてきているということと、その下のポツも、研修会もきちんと実施してきておりますし、今度、J-PARCですとかそういったほかの施設とも連携も検討中となっております。
また、新たな研究領域の開拓及び利用者の拡大のところにつきましても、繰り返しですけれども、様々な利用制度みたいなものの見直しや検討、新しいものの導入もされておりますし、また、ウェブサイトも本日御説明いただきましたけれども、新しくしてきているということでございます。おめくりいただきまして、15ページ目ですけれども、指摘事項といたしましては、ただ、昨今、測定対象や分析手法などが多様化しているということで、理研とJASRIで運用方針は、そういったことも踏まえて継続的に見直しまして、利用環境の改善、支援内容の充実に積極的に取り組むこと。また、学術と産業をつなげるコーディネート機能を引き続き充実・強化すること。また、産業界の利用拡大に向けましては、自治体ですとか産学コンソーシアムとの連携を強化すること。また、企業の位置づけを明確化しながら利用ニーズの類型化を図って必要な取組を行うこと。また、SACLAについても産業利用の促進を図ることなどを指摘事項としてまとめさせていただいているところでございます。
また、マル4、人材育成及び国民理解の醸成につきましても、15、16ページ目になりますけれども、対応状況といたしましては、SPring-8をハブとした大学・国研・企業等の連携を促進してきているということですとか、また、自動化を進めて、職員の負担を軽減したりですとか、ソフトウエアの開発の比重が増えてきているという状況です。これを踏まえまして、指摘事項といたしましては、そういったことを限られたリソースで実践するための体制と人材育成の在り方を検討していくということをまとめております。
また、施設の広報や利用支援の情報発信につきましても、ウェブサイトですとかアウトリーチも参考資料にまとめておりますが、きちんと実施してきておりますので、今後それもきちんと実施しつつ、潜在的ユーザーですとか一般国民を含めて、対象や目的を明確化して、それぞれに対して効果的な情報発信を進めていくこととして、まとめているところでございます。
ここまでが前回の中間評価の指摘事項に対する対応と指摘になっておりまして、3ポツ、17ページ以降が今後の重点的な課題及び推進方策といたしまして、特にSPring-8がSPring-8-Ⅱになるということで、研究基盤と人材育成の拠点として、我が国を代表する施設であり続けるためのことについてまとめております。
(1)SPring-8-Ⅱを見据えた利用制度の検討ということで、SPring-8-Ⅱの特徴を生かしまして、新たな利用制度を順次検討、導入することですとか、あとは運営費回収方式に加えまして、物価高騰や円安といった社会経済情勢を踏まえた時代に即した利用料金制度の導入の検討ということをまとめさせていただいております。
(2)SPring-8-Ⅱを見据えた利用環境の高度化のところも、産業界が抱える課題と先端科学による成果を結びつける取組を推進することが求められているということで、これらを踏まえまして、今後速やかに講ずべき取組として、SPring-8-Ⅱの整備を見据えたビームラインの改廃・高度化ですとか、潜在ユーザーを一貫してサポートする仕組みですとか、繰り返しですけれども、J-PARC等々とシームレスな連携を可能とする仕組みについて検討することとしております。
18ページ目ですけれども、さらに加えまして、自治体との連携も強化をするということを再度述べさせていただいた後、(3)ですけれども、人材育成の促進といたしまして、理研、JASRIと大学とか人材交流を計画的に行う在り方についての検討ですとか、ほかの放射光施設との施設間連携の強化といったことについて述べさせていただいております。
事務局からの御説明は以上となります。
【小杉主査】 ありがとうございました。事務局のほうで要領よくまとめていただいていると思いますし、事前に皆さんの目を通していただいておりますが、どうしますかね。各項目がありますので、少しずつ確認していきましょうか。
基本的には、指摘事項のところは、これからの5年程度ですかね。対応していただくことになりますので、まず最初の指摘事項としては、「SPring-8の発展の方向性」ということで、7ページの下に指摘事項として2項目ありますけれど、これでよろしいですかね。
大竹委員。
【大竹委員】 先ほど矢橋委員から報告があった横展開のところの文言が、まさにここでの停止期間の対応のところにも、やはり横展開というようなキーワードが入るほうが評価につながりますよね。実施機関というのは。
【小杉主査】 はい。
【大竹委員】 そういったほうがやはり指摘事項としては適当ではないかと思うので、その辺りを入れて、文章を練っていただけるといいと思います。やはりここは停止期間というと、かなりソサエティにとって……。
【小杉主査】 そうですね。具体的な停止期間の対応のところに横展開とか。
【大竹委員】 ええ。そのところに横展開の新しい。
【小杉主査】 連携ですね。施設間連携も含めた対応ですね。
【大竹委員】 はい。というのが、今日ちょっと御紹介いただいたところで、人材の循環や産業利用ですとか。
【小杉主査】 では、ちょっとその辺りを付け足すと。
【伊藤補佐】 承知しました。
【小杉主査】 あと、これだけ出ていると何の停止期間か分からないので、SPring-8なのか。その機関の停止期間ということで、ちょっと付け足してということ。
ほかはないですか。2ポツ目も大丈夫ですね。
それでは、次の指摘事項は、「SACLAの発展の方向性」ということで、2つポツがありますけれど、指摘事項の直前が、「SACLAは産業界よりアカデミアで多く利用され」と書いているので、何となく産業界への貢献という重みが少ないような気がするし、それを受けて、「産業利用にも応用可能」と何か付け足しのように書かれた感じがするので、その辺り、産業利用とかにかかわらず、「最先端の計測技術」というのは重要ですし、それから、「産・学ユーザーに供する」ということも言わなくても、「計測技術・データ解析の汎用化に取り組む」というのは、特に前置きが要らないところです。発展の方向性としては、学術ばかりではなく、産業利用もしっかりやっていくというところのコメントにしたほうがいいかなという感じがします。
産業界から見て、この程度のコメントでよろしいですか。次のポツは、諸外国の動向も把握して今後に向けて在り方を検討するということになっています。
ほか、何かなければ、次は、「SPring-8/SACLA共通の発展の方向性ということで、指摘事項として一つポツが上がっておりますけれど、ここは両方を含めてですね。特に問題ないですね。
9ページは、「経営基盤の強化」ということで、指摘事項が2つ挙がっております。省エネとか運転時間の拡大に展開すると。それから、理研とJASRIの役割分担とか、この辺りは一体的にやっておられると思いますけど、検討することとなっています。
よろしいですか。では、次は、その下、「施設を最大限に活用したイノベーション・エコシステムの形成」ということで、指摘事項が一つ挙がっております。兵庫県との関係とかはまだ御報告いただいた中では検討中ということがありますけど、ニュースバルとSPring-8はかなり施設のキャラクターが違うので、相補的利用というのはなかなか難しいような気がするところですが、書かれています。あと、兵庫県は、中小企業等の対応もしていますので、その辺りの連携が必要ですね。それでよろしいですかね。地域全体でのシステムづくりという趣旨が入っているかと思います。
では、その次は、「国際連携・国際協力」で、次のページの上のほうに指摘事項が一つ上がっておりますけど、海外の国際情勢の安全保障とかも含めたニュアンスが書かれております。それぐらいでいいですかね。国際連携・国際協力は、これだけというのはちょっと足りない感じなので。もうちょっとバランスよく書いてもいいような気がしますが。
【古川委員】 すみません。古川です。
【小杉主査】 はい。古川委員。
【古川委員】 ここに対応状況として、3極ワークショップとか、XFEL5極ワークショップとか書いてありますけど、これが国際連携とか協力のところに書いてあるから、そういった施設の人たちが来るものだと分かるけれども、もし可能だったら、そこにどんな国の人たちが参加したからとか。
【小杉主査】 これは次に渡される宿題としては、指摘事項以外に上のところも何らかの形で書かれるんですかね。
【伊藤補佐】 どちらかというと指摘事項を中心に。
【小杉主査】 中心になりますよね。
【伊藤補佐】 そうですね。おっしゃるとおりです。
【小杉主査】 国際連携はこれだけだとちょっとバランスが悪いので。
【伊藤補佐】 はい。そうですね。おっしゃるとおりです。
【小杉主査】 今、古川委員の指摘もあったように、連携を加えているし、これから世界も施設が増えてくるし、そういうところでリーダーシップをちゃんと発揮するようにというのがあってもいいかもしれないですね。
【伊藤補佐】 承知しました。
【古川委員】 82件の共同研究というのも、国際共同研究だったら国際共同研究という言葉があると、まさにドンピシャみたいな気がします。
【伊藤補佐】 承知しました。
【古川委員】 分かりやすいかなと思いました。
【伊藤補佐】 分かりました。
【小杉主査】 では、その辺りの対応をさらに強化するとかの感じでお願いします。
【伊藤補佐】 承知しました。
【小杉主査】 では、次の指摘事項は、11ページの下にありますけど、「オープンデータ・オープンアクセス」のところですが、これは今、説明いただいたところにも関係しておりますけれど、こんな程度ですかね。今の議論でどうですかね。3年程度しかもたないということですから、高度化、次の5年には高度化も検討しないといけない事項だと思いますので。
それでは、次、12ページは、「SPring-8のビームラインの改廃と高度化の実現」ということで、指摘事項が上がっております。これは一応タイトルが「改廃と高度化」と書かれているので、「高度化」を入れていっていただいたほうがいいかもしれません。
【伊藤補佐】 そうですね。分かりました。
【小杉主査】 お願いします。
ほか、何かございますか。
では、次は、「ビームラインの有効利用による研究成果の最大化」ということで、指摘事項は2つです。次のページにつながっておりますけれど。
最初のポツの検討は、今、始まったところですので、少し状況を見ながら、趣旨は横断的に利用できる仕組みというところが重要ですので、そこは間違いなく指摘しないといけない点です。次のポツの検討はなかなか難しいかもしれないですが。
特になければ、その次は、資料2-3にもある「産学官の共用施設としての利用促進、利用者本位の施設運営」というところで、たくさんの項目が上がっておりますけれども。
ちょっと私から。参考資料に書かれている年度ごとにSPring-8が対応してきたリストの中に、2021年にクライオ電顕をビームラインの附帯施設として導入したことになっているんですけれど、クライオ電顕は、結晶化しない1分子の構造決定手法ですし、SACLAもそういう面があるんですけど、この辺りのSACLAとSPring-8を含めた創薬などの申請はどういう対応になっているのでしょうか。一々、申請書は別々になるんですよね。
【高橋瑞稀委員】 私のところは、申請書の中に、そちらも利用する可能性があるということを記載しておいて、利用させていただいているという形になります。
【小杉主査】 その辺りは特に問題ないんですか。
【高橋瑞稀委員】 でも、実際は、年に一度の課題申請のときに申請しないと、その半年、その先の半年、1年使えないという現状はありますので、本当は附帯設備という形ではなく、また別のシステムがあると使い勝手がよりよくなるという仕組み、側面は確かにあると思います。でも、それはどのビームラインに対してもまた同じことだと思うので、分析手法の多様化している中の一つなのかもしれないです。
【小杉主査】 クライオ電顕からSPring-8での普通のX線回析の流れと、クライオ電顕からSACLAの流れとどういう関係に。民間から見て、使い勝手をよくする方法としては。
【高橋瑞稀委員】 実際は結晶化という作業が入るか入らないかという点で、試料の使い方という意味では全然別なもの、どちらかというと別なものなんですね。ただ、試料調製という点では共通するところがあるので、同じ標的に対して、放射光だったり、SACLAだったりといった結晶化する方法と、結晶化しないでクライオ電顕を使うという方法。だから、まとめる方は多分、同じ標的に対してのいろいろなアプローチとしてまとめて申請ができるんだと思います。産業的な利用というのもまた別の問題で、難しそうではあります。
【小杉主査】 特に指摘しなくてもいいですか。その辺の改善を求めるとかいうのもあってもいいような気もするので、私は分野が違うので、専門家に今お伺いしているんですけども。特にいいですか。
【高橋瑞稀委員】 どちらかというと、測定対象や分析手法の多様化の中に含まれるかなと思いました。
【小杉主査】 分析手法の多様化。
【高橋瑞稀委員】 はい。多様なソリューション、多様な可能性が求められるようになっているというところに含まれることでして、なので、産業利用の時間制限緩和ですとか、募集の時期や頻度、その運用状況、実際にどれぐらい使われているかのモニターからのフィードバックを踏まえて、今後の募集時期、頻度などの改善につなげていただければと思っています。
【小杉主査】 では、一応ここに入っていると。最初のほうに。
【高橋瑞稀委員】 はい。載っています。
【小杉主査】 これは施設側に聞いてもよろしいですか。SPring-8とクライオ電顕はつながっていて、SACLAは関係ないんですか。
【矢橋委員】 SACLAとクライオ電顕は今、世界的にも先進的な取組が始まっているところで、SACLA、SPring-8においてもそういうことはやっています。やはりクライオ電顕というか、それは電子線回折も含めてですけども、エレクトロンが見るのとX線が見るのは情報として違っていますので、非常に相補的なものが取れるということで、我々のほうでも、例えば非常に低分子のものであったり、あと、タンパクに限らず、様々な材料科学のところへの応用も含めて、幾つか、昨年度から、例えばネイチャーケミストリーとかそういったところにパブリケーションが出ていますので、それが広がって、これから広げていくというケースになります。
【小杉主査】 では、1ポツ目のところで、そういうのを含めて、今後、検討を進めるということですね。
【矢橋委員】 そうですね。意識して。
【小杉主査】 意識していただいてというところですね。
ほかのポツはどうですか。ここに、下から2つ目のポツに、SACLAについても産業利用の促進を図ることとは書かれておりますね。産業界から見て、特によろしいですかね。
それでは、次のところに行きます。次は「人材育成」のところで、最初の指摘事項が16ページの真ん中辺りに2つ挙がっております。人が少ない中でどうやるかというところを考えていただくということと、何らかの対策ですね。2ポツ目もそれぞれの、人にとっては単にユーザー支援ばかりじゃなく、チャレンジできる要素を入れることによって技術力も上がるし、人も成長するというところだと思います。
それでよろしいですかね。
【阪部委員】 2のポツの1行目の文言は、これは何か人材育成とどのように関係しているのですかね。文言として。
【小杉主査】 外部リソース、アウトソーシングして、インハウスのスタッフは。
【阪部委員】 いや、1行目の「SPring-8/SACLAを活用した研究環境を維持できるよう、運営に必要な経費」。
【小杉主査】 そこの対応状況ですか。
【阪部委員】 すみません。「運営に」。
【小杉主査】 「対応状況」の2つ目ですか。
【阪部委員】 はい。2つ目のポツの「運営に必要な経費を継続的に確保」は人材育成とはどういう関連でしょうか。
【伊藤補佐】 前回の中間評価での指摘事項のところに、SPring-8やSACLAが人材の育成・確保・交流のための人事・予算を含めた具体的方策を検討するとございまして、そこでSPring-8/SACLAがまず使えないと人材育成もままならないということで、まずは定常的に運営に必要な経費は継続的にずっと確保してきているという意味合いで書かせていただいたところでございます。
【阪部委員】 ああ、そういうことですか。分かりました。装置が維持されなかったら人材確保も何もないということなので。
【伊藤補佐】 そうです。根本がないと、という意味で書かせていただいたところです。
【阪部委員】 分かりました。すみません。失礼いたしました。
【小杉主査】 ほか、よろしいですか。人材育成は重要ですので。
では、次は、「施設の広報、利用支援のための情報発信」ということで、今日も御説明ありましたけれど、指摘事項としては一つですね。「言い難い」という、ちょっと言い方はおかしいと思いますけど、施設側は文句があるかもしれないですけど。
あと、言葉遣いで、「利用者」と「ユーザー」とミックスしているので、「ユーザー」にそろえていただくのがいいと思います。
【伊藤補佐】 承知いたしました。
【小杉主査】 では、次、17ページの第3章が一番重要なところかもしれないんですけど、17ページ、18ページで何かございますか。SPring-8-Ⅱを見据えたということになっておりますけど、(1)利用制度と(2)利用環境。それから、SACLAは特になくて、(3)は全体に係る人材育成というところです。
【川北委員】 すみません。1点だけですけど。
【小杉主査】 川北委員、お願いします。
【川北委員】 「物価高騰や円安など社会経済情勢を踏まえた時代に即した」というのがあるんですけど、これは5年間、こういう状況が続くということを想定してということでしょうか。
【伊藤補佐】 いえ、5年間、これが続くというより、続いたり、続かなかったりすることも含め、時代に合わせてという意味です。特に続くことを前提として書いているわけではなく、いろいろな状況が変化したときに、それでもずっと現状維持というよりは、時代に即していろいろ変えていきましょうと、そういうことを検討していきましょうという意味合いで書かせていただいております。
【川北委員】 というニュアンスがちょっと入ったほうがいいかなと思いました。
【伊藤補佐】 分かりました。そうですね。
【小杉主査】 利用料金の設定を変えるのは、割と随意に、毎年のようにできるものなんですか。
【伊藤補佐】 随意というより、どういうふうな形で、どういう基準で見直しをしていくかということをまずそもそも検討したいと思っております。SPring-8-Ⅱになるとどんどん性能も変わってくるので、そこも含めて検討したいという意味合いでございます。
【小杉主査】 随分昔に設定した料金がずっと、大学共同利用機関もそうですけど、民間に出す場合の単価というのがそんなに動かせない感じなんですけど、しっかり根拠があればですね。時代に即した利用料金制度の導入というのは非常に重要な、それができれば非常に施設側もありがたいとは思います。
【高橋瑞稀委員】 すみません。今のところで質問ですけども、サービスに対する対価という取り方があまりできないというお話も伺ったことがあるんですけども、そういったことはあるんですか。サービス、例えば遠隔操作ですとか、代行測定ですとか、そういったことに対しての、対価としての利用料金の設定というのは今後検討できる余地があるということですか。
【伊藤補佐】 そういったことも根拠を持って設定ができるようにしたいなと思っています。今、確かに、運営費回収方式がベースにあり、使った分だけの対価をいただきましょうという形で運用してきたんですけれども、前回のSPring-8-Ⅱの報告書でも、追加のサービスに対して付加的に料金を加算することが提言されておりますので、きちんと根拠を持って実施するために必要なことをこの5年間で整理し、精度を整備できればと思っております。
【高橋瑞稀委員】 そういう意図を持ってということでよろしいですね。
【伊藤補佐】 そうです。
【高橋瑞稀委員】 ありがとうございます。
【小杉主査】 J-PARCでもやっていますよね。
【川北委員】 まだできていないところが多いんですけど、検討はしております。
【小杉主査】 ビームラインの性能がよくなって、試料も昔は1時間に1個だったのが1時間10個も採れるようになっても単価は同じとか、そういうところをいかに料金に反映させるかというのは、施設側は結構苦労するところなので、そういうのを具体的に文科省側にも理解いただいて、ちゃんと制度設計していくということがこれから重要であるということなので、これは多分、共用施設全般にかかる非常に重要なところだと思いますね。
【高橋瑞稀委員】 ありがとうございます。
【小杉主査】 それをぜひSPring-8が先頭を切って検討していただくというところですね。SPring-8-Ⅱのきっかけで、そこをしっかりやっていただくというところだと思います。
これは見据えたということで、実際にSPring-8-Ⅱが完成したときから制度は変えられるという感じなんですか。その間に検討しながら、今のSPring-8が動いている間でも少しずつ直していけるものなんですか。
【伊藤補佐】 すぐに導入できるものとできないものがあると思っていまして、その辺りも、ユーザーの皆様ですとか施設側の皆様と御相談をしながら進めていきたいなとは思っております。SPring-8-Ⅱの運用を開始するときには、きちんと新しい制度に向けた検討が終わって、すぐに始められるようにしたいという思いを込めて、一応書いているところもあります。
【小杉主査】 (1)と(2)の見出しに「SPring-8-Ⅱを見据えた」という前置きがついているので、その意味づけが入っているということですね。
【伊藤補佐】 そうですね。
【小杉主査】 分かりました。そういうことですね。(2)利用環境のほうはどうですかね。改廃・高度化は今もう進めていただいておりますけれど。あと、いろいろなサポート体制ですね。それから、中性子とか含めた連携のところになりますね。それからあとは、最後の丸は、これは指摘しているということです。あと、人材育成の促進、4つ丸があります。何かございますか。
下から2つ目の丸は、理研とJASRIだけに課された問題ではないと思うんですけど。
【阪部委員】 気になるのですが、「社会に貢献しながらサイエンスに携わり続けたいという若手人材は多いことから」という、この根拠はあるのですか。何か希望的観測のようですが。
【伊藤補佐】 多いというのはあれかもしれませんが、そういった方もいらっしゃるということを。
【阪部委員】 やはりこういうところを書くのでしたら、根拠があるというか、データが示しているということでないと。気持ちとしては私も同感なのですが。
【伊藤補佐】 そうですね。表現ですとか、あと、根拠ですとか、示せないか確認したいと思います。
【阪部委員】 「多いことから」というか、この「多い」という表現が気になります。「続けたいという人材を発掘する」とかのほうがよろしいのでは。多いと言うとやはり具体的なデータや根拠が必要になります。
【伊藤補佐】 おっしゃるとおりです。
【阪部委員】 いや、実際多かったらうれしいのですが、現場としてはそんなに多いとは感じないので。
【小杉主査】 ちょっと表現を直していただくということにします。
古川委員。
【古川委員】 質問になってしまって申し訳ないんですけど、今ちょうどそのところの、ここに書いてある、人材確保を検討するときの人材確保というのは、何のための人材確保かが分からないんですけど。どういう。
【小杉主査】 (3)の「人材育成の促進」の最初の2行に書かれていることを受けて、人材確保という感じだと思いますけど。人口減少が書かれて、2行を受けた。
【古川委員】 2行目ですか。上の2行目の「放射光の利用を推進する人材」というのを。
【小杉主査】 「基盤を支える人材」も含めて、「双方の育成が不可欠である」を受けて。
【古川委員】 もしよかったらもう一度入れていただければ。
【伊藤補佐】 承知いたしました。
【古川委員】 科学基盤を支える人材とか何か。
【小杉主査】 よろしいでしょうか。これがあと、これから5年程度の間の宿題になるというところですので。
あと、19ページの第4章「おわりに」はよろしいですか。
【高橋正光委員】 よろしいでしょうか。QST、高橋です。
【小杉主査】 高橋委員。
【高橋正光委員】 第2段落目になる最初の行ですけども、「我が国の産学官の幅広い研究開発分野」とあるんですが、「産学官」と言うときの「官」というのはどういう意味合い。産は、大学と国研というような感じなのでしょうか。
【伊藤補佐】 はい。
【高橋正光委員】 ここもなのですけど、ちょっと戻って13ページの「産学官共用による利用促進」とあるのですが、何かその後で出てくるときの対比が、学術と産業みたいな感じで書かれている。官というか、大学と国研を分けるような意味があるのかというような感じがちょっとするんですけども、そこは。
【伊藤補佐】 国研も明示的に入っているという意味で、官を使っていたんですけど、確かにおっしゃるとおり、13ページのところに官が明示的に出てくるかという言われますと、そういうことではないので、表現については検討させていただきたいと思います。
【小杉主査】 でも、多分、官は必要だと思いますね。SPring-8の今後の方向性の中でも、主導的に社会問題を解決するようなプログラムをしっかりやっていくという、官的な要素が入っているので。
【高橋正光委員】 そういう意味合いの官なんですね。
【小杉主査】 官は、開発法人とかが国から受ける研究のことだと思いますので、トップダウン的な研究のやり方の官とボトムアップのやり方の学がある。そこが官と学の違い。
【高橋正光委員】 区別が必要という。
【小杉主査】 区別は必要だとは思いますね。
【高橋正光委員】 ただ、そうすると、官の役割があまり書かれていないのかな。
【伊藤補佐】 そもそも理化学研究所が官というところもあって、あまり官、官ということに。
【高橋正光委員】 施設側という意味で、官という。
【伊藤補佐】 はい。つけていなかったかと思いますので。
【小杉主査】 少しその辺の、官が入っているところと入っていないところがあるので、その辺をチェックしていただくというところですね。
【伊藤補佐】 はい。その辺りもきちんと整理をして、やらせていただければと思います。
【小杉主査】 ほかは何かございますか。
大体、確保している、議論する時間はそろそろ終わりなのですけど、あと、どうしましょうかね。まだ意見が出ますかね。今の程度のコメントだったら、事務局と私のほうでも確認して、最終版をつくってということで、多分大きな問題ないと思うんですけど、その場合でも最終版はどうされますか。最終版はこうなりましたということで事務局から流していただくことでよろしいですか。
【伊藤補佐】 皆様に。はい。
【小杉主査】 もう一度、今の踏まえて、出して、皆さんにもう一度見ていただいて、手を入れるということはやらなくてもいいですね。よろしいですか。もし後で気づいたというのがあれば。いつまで言っていただくのがいいですかね。メールで。
【伊藤補佐】 後ほど、この日までにもし、ほかに追加でお気づきの点があればということで御連絡させていただければと思います。
【小杉主査】 では、主査の私に一任ということで、あとやっていくということで。その作業の間に意見がまたございましたらお願いいたします。
あと、報告書を(案)を取った形にするんですけれど、その後いろいろ、小委員会ですから、上の委員会にも報告しないといけないですし、さらに研究計画・評価分科会の書式というのは参考資料についていますが、そちらも作成した案を審議していただくということになっています。
【伊藤補佐】 すみません。こちら、書面で、今日、御審議いただいたものを参考資料のほうに落とし込んで、また、事務局から御相談させていただければと思います。
【小杉主査】 それを確認していただくという作業があると思いますけど、基本的にはメール審議になると思います。
では、今後のスケジュールについては、また追って事務局から説明があるかと思います。
それでは、続きまして、議題3ということで、最後の議題ですが、第12期の量子ビーム利用推進小委員会の活動報告。2年間の活動報告と、それから、それを踏まえて、来期どうするかということです。それが資料3ですね。事務局から簡単に御説明をお願いいたします。
【伊藤補佐】 承知いたしました。資料3を投影しておりますけれども、御覧いただければと思います。一枚紙になってございます。資料3ですけれども、第12期の今期の量子ビーム利用推進小委員会の活動ということで、SPring-8の高度化について御議論いただきまして、今年の3月に報告書を取りまとめさせていただきましたし、NanoTerasuの今後の共用ビームラインの整備につきましても御審議いただきまして、報告書を取りまとめたところでございます。まさに今、SPring-8とSACLAの中間評価も御審議いただいておりますし、また、昨年からずっと、今年の1月にかけてはJ-PARCの中間評価というものも作業部会にて取りまとめた後、御審議もいただいているところでございます。
また、量子ビーム施設間の連携ということについても議論をしていただいたということは、大体この2年間で御審議をいただいたことかなと考えておりまして、今後の来期の主な検討課題といたしまして、3つ掲げておりますけれども、まずNanoTerasuが前回の評価から大体5年になりますので、中間評価をしていただくというふうに思っております。また、量子ビーム施設間の連携ですけれども、前回も御審議いただいているんですが、まさにこれをどう進化させていくというか、具体化していくかといったところについても御審議があるかと思っております。また、SPring-8/SACLA、J-PARCの中間評価をしていただきましたので、こちらのフォローアップみたいなこともあるかなというふうに例として考えているところでございます。
次のページは、具体的にどのような会議で、どういう議題があったかということを参考としてつけさせていただいているところでございます。
事務局からは以上となります。
【小杉主査】 ありがとうございました。これまで今期、何をやってきたかということですが、10回やっていますね。10回開催しておりますし、非常にタイトなスケジュールで重要な課題をこなしてきたと思いますが、この委員会としては、今期の最後の回になるということですので、各自の感想も含めて、全員から意見をいただきたいと思うんですが、どうしましょうかね。座っている順番にしますか。最後、ネットの方の御意見をいただくということで。
今期途中からですけど、QSTの高橋委員から何か。NanoTerasuの関係者ですから。
【高橋正光委員】 そうですね。途中からなので、今までの流れとか経緯とかあまり把握できないまま議論に参加させていただいていましたが、勉強しながらなんとか務めてまいりました。今後ともよろしくお願いいたします。そんなところでよろしいでしょうか。
【小杉主査】 はい。来期にもつながると思うので、よろしくお願いします。
では、川北委員。
【川北委員】 J-PARCセンター、川北です。私も途中から参加させていただいたんですが、実はJ-PARCの中間評価という形では参加させていただいていたので、かなり2年間、しっかり参加したかなという気もしております。量子ビーム小委員会の役割というか、ようやく何か理解できてきたようなところがあるので、もし今後も継続があるのであれば、次に向けてまた微力を捧げたいと思っております。
以上です。
【小杉主査】 来期はフォローアップがありますので。
【川北委員】 そうですね。
【小杉主査】 では、私を飛ばして、阪部委員。
【阪部委員】 どうもありがとうございました。この委員を務めさせていただきまして、私自身もいろいろと勉強をさせていただきました。光科学技術の時代と言われていますが、そのような中、放射光施設というのは単なる大型施設ではなくて、国の存続を左右するようなものだと私は考えております。引き続き強固な体制で光科学技術分野の基盤となる環境を整えていただきたいと願っております。
それから、この委員会を通して常々気になっていましたのは、やはり最後も申し訳ないですが、人材育成です。これは文科省全体が真剣に考える必要があるかと。この委員会で人材育成といいましても、単に放射光周りに関わる人材育成の議論が出てくるだけですが、もはや現実はそういう規模の話ではありません。日本中の科学技術に携わる人材ということが、どの委員会でも問題になるので、これに真摯に向かい合っていただくことが重要かと思います。
そのためにもまずは、今、日本中の大学生、理工系の大学生のキャリアフローを調査していただきたいと。理工系を出た人がどこへ進みどういう分野で活動しているのかというデータが必要かと。実は私事で大変恐縮ですが、私は大学を定年退職後、非常勤で現在、大学の理学部の学生の物理の講義をやっているのですが、私より50歳若い子を相手にしています。もう彼らの価値観といい、多様性といい、僅か10年前とも全く違います。そんな中、彼らはどういうものを見て、どういう好奇心を持っている。そういうことをやはり真摯に、正面向かって調査する必要があるのではないかと正直思っております。ちょっと話はそれましたが、人材育成、これはもう喫緊の非常に大事な課題かと思っていますので、よろしくお願いいたします。どうもすみません。長くなりました。
【小杉主査】 では、次、古川委員、お願いします。
【古川委員】 古川です。私は大学に勤めていますけれども、中性子を専門としていて、だから、施設側ではない、大学の一研究者として、世界中のいろいろな中性子施設を渡り歩いているという立場で、この委員会に参加させていただきました。量子ビームの共通利用というのがもう叫ばれているのは、私ももう十数年前から知っているんですけれども、実際にこうやっていろいろな施設の方たちがどんな議論をして、ここの領域を盛り上げようとしているかというのも実際は知らなかった立場でして、こうやって参加させていただいたことで本当に多くのことを学びました。本当にありがとうございました。またどこかでお会いしたらよろしくお願いいたします。
【高橋瑞稀委員】 第一三共、高橋です。産業界、ユーザー側としていろいろ身近な意見を、素朴な意見から言わせていただいていると思います。本当にいろいろ毎回勉強させていただきました。特に今後のSPring-8の高度化、Ⅱの話ですとか、NanoTerasuの高度化についても、将来このようなことができるといいなと思っていることがどんどん提案されてきて、非常に夢のある話、とても楽しみにしています。ユーザーとしても、産業全体としても、また、アカデミアを含めた科学技術の進歩といった点でもまだまだ将来いろいろできることがあるなということを、この場に来るたびに実感させられますので、今後とも期待していますので、よろしくお願いします。
【岸本委員】 岸本ですが、2年間いろいろと勉強させていただきました。ありがとうございました。SPring-8、SACLA、J-PARC、NanoTerasuに加えて、量子ビーム施設というのは本当に日本の宝だと思います。それで、今後、科学技術の発展とともに日本の競争力が向上するためにも、ここに書いていただいているような施設間連携とか、人の育成や雇用、そういった問題を具体的に取り上げて議論していくことが重要かなと思っていますので、ぜひ次期の委員会ではそのようなところをより具体的に取り上げていただいて、議論していただくといいのではないかなと思っていますので、よろしくお願いいたします。
【大竹委員】 理化学研究所、大竹です。御挨拶の前に、今後の主な検討課題のところで、私は中性子をやっていますので、J-PARCの中間評価のフォローアップ、非常に重要と思っておりますし、ぜひここでやはりJ-PARC自身、TS2へ向けて、それから今、様々な取組もしていらっしゃると思いますので、機能強化ですとか、成果の最大化がさらに進むためにということで、ここでも何回か取り上げていただいております。量子ビーム連携というのは、私はこの委員をやらせていただいている間に、中性子科学会の会長も仰せつかりまして、4量子ビーム連携ということで、放射光、陽電子、中間子、中性子ということで、様々な連携の形で、4会長そろっての講演会をやったりとかいろいろな取組をさせていただいています。そんな中で、J-PARCはやはりミュオン、それから、中性子を同じ場でやっておりますし、それから、中性子のほうも今、新試験研究炉ということで福井炉があって、そこは陽電子源としても注目されているということで、今後の検討をしていくところでは、より視野は広く、そして、世界に、やはりトップをずっと走っている大型施設をはじめ、全体の連携というところに関しては、割とそれぞれの施設の方が心を豊かにというか、広く持って取り組んでいただけるような形での検討、また、実施しやすいような形が出てくると、そこがまさに人材育成にもつながるし、国際連携が実を結ぶようなところなのかなという気はしております。
私個人としては、高橋委員も矢橋委員も、私は理研に入った一番最初はSPring-8で、全然放射光が分からないときからお世話になっていたので、今回、本当にいろいろ視察させてもらったりとか、いろいろな形をやらせていただいて、本当に感謝しておりますし、さらにそういった施設なり、それから、ビーム利用の価値が上がるというところですね。潜在ユーザーとか何かというよりは、プローブとしての価値を上げていくところは新しい扉を開けていく必要があると思うので、できるだけ広い心というか、豊かな形で取り組めるようなものがあるといいなと思っておりますし、そういった意味では、まさに環境課の皆様には必死で予算を取っていただいておりますが、さらに勇気を持ってやっていただければと思いますし、非常にそういった意味では、この委員会でいろいろなことを学びました。特に小杉先生の進行であるとか、いろいろなところでたくさん学ばせていただいたのは非常にありがたく思っております。ありがとうございます。
【小杉主査】 では、会場から矢橋委員。
【矢橋委員】 理研の矢橋です。第12期の議題も拝見しますと、非常に重要なテーマが並んでおりますが、我々は、特にSPring-8-Ⅱのプロジェクトが正式にスタートしたということで、研究環境課の皆様方とともに、この小委員会の先生方からも多大なサポートをいただきまして、改めて感謝申し上げます。
今後、SPring-8-Ⅱの整備、それから、SACLAの将来もありますので、そこをしっかり進めていきたいと思います。さらに大きなところで、大竹委員からもありましたが、量子ビームを軸とした、ある意味で、科学技術の振興にとどまらず、やはり広く社会へ貢献、還元していくことが非常に重要になってきますので、今後も努力を続けていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【小杉主査】 ありがとうございます。
では、ネット上から、まず石坂委員、お願いします。
【石坂委員】 東京大学工学系の石坂です。結構長い間、この委員会に参加させていただきました。主に私も東大での研究教育を担っている立場と、あと、放射光のユーザーとしての立場から、こちらの委員会に参加させていただいて、いろいろ変な意見も言っていたかもしれないんですけども、大変勉強させていただきました。
やはりユーザーと、あと、日々、若い学生さんたちと一生懸命研究しているところから見ますと、やはり若い方を引きつけるのは個人的には主観が入りますけど、若い方を引きつけるのは、研究者に関しては少なくともシンプルで、やはり世界に勝てる、すごく強い競争力と研究力のある場所が自然と若者を引きつけます。少なくとも短期的にはそうで、長期的にはやはり施設だったり、実験、多分施設に限らずですけども、そこがどういうビジョンを持って、どういうふうに研究を進めていこうとしているかということを見せる、それが見えるところにやはり若い優秀な人が集まるなと思っております。
私は多分、今回で卒業だと思うんですけれども、日本の研究力の強化という意味で、量子ビームは本当にすごく重要な要というか、砦だと思いますので、ぜひ今後も強い研究力、できれば圧倒的な強い研究力が維持されるような議論がここで続けられるといいなと思っております。長い間、ありがとうございました。
【小杉主査】 では、次に、山重委員、お願いします。
【山重委員】 トヨタ自動車の山重です。僕のほうは、産業界のユーザーの立場として参加させていただきまして、ありがとうございました。今でも本当に、SPring-8でも単独で、年間100シフトぐらいはユーザーとして実験に参加させていただいております。この小委員会では、SPring-8-ⅡとかNanoTerasu辺り、非常に勉強させていただきましたし、リクエストのほうもさせていただいたかなと思って、非常にありがたいなと思っております。
先ほど来期の検討課題、3点ありましたけども、量子ビームの施設間利用につきましても本当に具体的なところまで落とし込んで、今後実行していくのが重要かなと思いましたので、引き続きよろしくお願いします。ありがとうございました。
【小杉主査】 では、あと残っているのは私と主査代理ということで、高原委員ですけれど、これは最後に御挨拶するということですので、ほかに資料3について、重要なのは今後の主な検討課題というところで、少し皆さんの感想の中に触れていただいてはおりますけれど、何かほかに。次回、次期にこういうことを検討してほしいというのはございますか。大体言い尽くされていますかね。
【大竹委員】 やはり先ほど申し上げましたJ-PARCのところはなかなかいろいろな議論を、特にこの委員会ですと、放射光の実績を踏まえながらという視点でも、ぜひ機能強化であるとか、広い視野でのユーザー開拓をやるとか。
【小杉主査】 J-PARCはここのマターじゃなくて、あそこはKEKと合同でつくったもので、上のところで審査されるんですね。ここで下りてくるのは共用部分の中性子のところだけになるので、来期はそれのフォローアップがあると思うので、そこでの議論になると思うんですけど、評価というよりは、評価を受けた後、どう対応しているかというところがここでやるという感じなんですけど。
【大竹委員】 ええ。ぜひそういったフォローアップとして、エンカレッジするような形でできていくとありがたいなと思います。
【小杉主査】 少し踏み込んだ、ここの委員会ならではの踏み込んだ意見も取り上げていただく。単にフォローアップで報告を受けて、やり取りするというだけじゃなくて、もうちょっと突っ込んだ議論もあっても。J-PARCの場合は特に、ここが一応全体でやると、本当にこういう量子ビームの利用施設というファクターがほんの一部になっちゃうので、やはりここの委員会のフォローアップのタイミングで、その辺りを突っ込んでいただくというところが、多分委員も残っておられると思うので、その辺よろしくお願いします。
ほかに何かございますか。
では、大体この辺りで議題の3は終わるというところでしたいと思います。
予定されている議題はこれまでですけれど、最後ですので、最後に残った主査と代理の挨拶というのがあるんですけど、まず高原委員、お願いします。
【高原主査代理】 高原でございます。聞こえておりますでしょうか。
【小杉主査】 はい。
【高原主査代理】 実は、最初は行ける予定だったんですけれども、別の会議が入りまして、まだ九州におりまして、最後なのに参加できず、申し訳ございません。
それで、私自身はこういう関係の委員会に、2014年の次世代放射光検討ワーキンググループから参加させていただいて、この量子ビーム利用推進小委員会、57回ということで、その間、NanoTerasuというのが選定されて、それから、建設されて、それから、最終的にはビームが出る段階というのを、こういう歴史的な事業を現実に見て、いろいろ学ぶことができて、この委員会に参加させていただいたことを深く感謝しております。
今期、主査代理としてはほとんど仕事をしておりませんけれども、その間、J-PARCの中間評価に関しましては、一応うまく取りまとめることができて、J-PARC、設立当初から、私ども、反射率計を設置しまして、ずっと使っていたんですが、それが今も多くのユーザーに使われているということで、どこかでアップグレードしていただきながら、日本のサイエンスに寄与していければ、いくことができればと思っております。
それから、人材は幾つか、これまで先生方が指摘されたように、今、先生方が指摘されたように、人材育成というのは、前の、次世代放射光を検討するときも人材育成というテーマが出てきておりまして、それから、量子ビーム施設間、特に放射光施設間の連携についても議論が出ておりました。ちょうど10年ぐらい経つんですけれども、実際、現実にアクションが起こせるところまではまだ至っていないので、次期まで継続される先生方には、ぜひ、この2つは、先ほどから話が出ておりますように、日本の国際競争力にとっては極めて重要だと思いますので、ぜひ次期に集中的に議論していただいて、現実のアクションを起こしていただければと思います。
いろいろ私自身も勉強させていただきまして、大変お世話になりました。あと1年ぐらいは多分、SPring-8の現場で実験していることがあると思いますので、もし私の姿を見られたら、ぜひ声をかけていただければと思います。どうも大変お世話になりました。ありがとうございました。
【小杉主査】 どうもありがとうございました。
最後、私ですけれども、私も高原委員と同じように第1回からずっとやっておりまして、最初のほうは、NanoTerasuがどういう形になるのかということも分からないところからいろいろ皆さんの夢や要望を聞きながらやっていくという作業が随分あって、その間は雨宮先生が主査で、私が代理という感じでやっていたんですが、後半からは主査になって、いろいろ今やっているような審議をまとめてきたことになります。
今期は概算要求につながるSPring-8-ⅡやNanoTerasuのビームラインの増設とかの検討を進めましたが、そんなイメージはその前の期にはなかったんです。そのうちにこういう方向性が具体化してきて、それを急ピッチでまとめていくというところになって、今期は結構大変だったと思います。10回もやっておりますし、いろいろまとめるという作業もあって、そのほか、研究環境課も人が代わったりして、いろいろ引継ぎとかも大変な中でまとめてきて、実際、補正予算ですけど、しっかりSPring-8-Ⅱはついていますし、NanoTerasuは1本だけではちょっと残念ですけど、今後また期待を持ってやっていくという流れができて、非常に実りの多い今期だったような気がしております。
そういうことで、それだけでもこの委員会というのは手いっぱいの状況の中で、やはり今日の矢橋委員からの紹介にあった、資料2-1の4ページにあるような横展開の図ですね。これを見ると結構重要なキーワードが、国際協調あるいは国際競争、国際戦略をしっかりやるとか、人材の循環とか、産業利用とか、その辺でいろいろ重要なキーワードがこの一枚に込められているので、こういうところを単に、SPring-8、SACLA、あるいはJ-PARCの視点だけで議論するんじゃなくて、本当はこの図全体を小委員会で余裕を持って議論する場であったらよかったんですけど、今期はもう手いっぱいで、最終的に予算が取れたし、めでたしめでたしではあるとは思うんですけれど、余裕があればこういう議論をできればよかったと思っています。
第1回から、前半のところはNanoTerasuという具体的なイメージがないところでいろいろな議論をしたというのが、結構そこが蓄積になっていると思いますので、そういうところで幾つか報告書を出すこともできておりますので、小委員会の在り方も含めて、研究環境課には検討していただいて、この図全体をいろいろ、SPring-8、上からの視点だけじゃなくて、下からの視点も入れていただくことが重要かなと思っておりますので、今後ともこの委員会がしっかりやっていけるように、ぜひ委員で残られる方はよろしくお願いします。
私からは以上です。
では、よろしいですかね。ほかにもう付け足すことはないということで、承認審議はまだ残っておりますけど、委員会として顔を合わせるのは今回が今期最後ということになります。
それでは、本日の小委員会はこれをもちまして終わるということと、第12期の活動を終えるということで、委員の皆様には改めてお礼を申し上げます。
では、事務局から最後、何かございますでしょうか。
【伊藤補佐】 本日は本当に御議論いただきまして、ありがとうございました。本日の会議の議事録につきまして、作成次第、委員の皆様にメールにて御確認いただきますので、また、その後、ウェブサイトに掲載させていただきます。
以上でございます。
【小杉主査】 では、以上をもちまして、第57回量子ビーム利用推進小委員会を閉会いたします。本日はどうもありがとうございました。
―― 了 ――
科学技術・学術政策局 研究環境課