量子科学技術委員会 量子ビーム利用推進小委員会(第9期~)(第40回) 議事録

1.日時

令和3年2月4日(木曜日)10時30分~12時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 我が国全体を俯瞰した量子ビーム施設の在り方(とりまとめ)について
  2. 我が国全体を俯瞰した量子ビーム施設の在り方(とりまとめ)を踏まえた今後の進め方について
  3. その他

4.出席者

委員

雨宮委員、石坂委員、伊地知委員、内海委員、岸本委員、鬼柳委員、小杉委員、阪部委員、佐野委員、高橋委員、高原委員、田中委員、山田委員

文部科学省

仙波研究開発基盤課長、河原研究開発基盤課量子研究推進室長、萩谷研究開発基盤課量子研究推進室室長補佐

5.議事録

【小杉主査】 定刻になりましたので、ただいまから第40回量子ビーム利用推進小委員会を開催いたします。
 本日も前回に続き、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンラインで会議を開催することとなりました。
 本日は、13名の委員の皆様に御出席いただいております。石坂委員、近藤委員、宮内委員の3人の方は御欠席と聞いております。また、今回第40回が今期、第10期になりますが、今期最後の小委員会となります。御出席の委員の皆様には、議題1から3の議事の後、一言ずつコメントを頂戴、一言以上でも良いですが、コメントをいただければと存じておりますので、あらかじめご承知おきいただくと助かります。
 それでは、事務局より文科省の出席者の報告とオンライン会議における留意事項の説明、配付資料の確認をお願いいたします。萩谷さん、よろしいでしょうか。
【萩谷補佐】 事務局を担当しております量子研究推進室の萩谷と申します。皆様も本日もお忙しいところ、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 本日は、文部科学省より仙波課長、河原室長が御出席させていただいております。
 オンライン会議の留意事項について御説明させていただきます。まず、通信を安定させるため、御発言されるとき以外は、可能な限りマイクをミュート、マイクオフの状態にしてください。御発言される際は、ミュートを解除、マイクオンの状態にしてください。議事録作成のため速記者を入れておりますので、御発言の際はお名前を言っていただいた後によろしくお願いいたします。会議中、不具合などトラブルが発生した場合は、事前にお知らせしております事務局の電話番号にお電話をお願いいたします。
 なお、本日は会議公開の原則に基づき、報道関係者や一般傍聴者によるWebexでの傍聴を認めておりますので、御了承ください。
 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。Webex上に画面共有させていただきます。画面共有も少し時間ラグがかかっておりますので御了承いただければと思います。
 お待たせいたしました。本日の議事次第はこちらでございます。配付資料といたしまして、資料1として、(とりまとめ)(案)の概要資料、資料2として、(とりまとめ)(案)の本体資料、資料3に今後の進め方、資料4に予算案の概要、参考資料として、前回議論の概要を配付させていただいておりますので、御確認をお願いいたします。
 何か御不明点ございますでしょうか。会議中、御不明点ございましたら、事務局までお電話いただければと思います。
 以上でございます。
【小杉主査】 ありがとうございました。
 それでは、早速議事に入りたいと思います。本日の議題は御紹介あったように、議題(1)、(2)とありますが、議題(1)については30分ほど議論いただく予定です。それに続きまして、議題(2)は10分から15分で終わりまして、その後、議題(3)、簡単に紹介いただいて、その後、各委員からコメントを頂戴したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 議題(1)は、我が国全体を俯瞰した量子ビーム施設の在り方(とりまとめ)についてです。事務局より趣旨等について説明をお願いいたします。
【萩谷補佐】 事務局でございます。御説明させていただきます。本日は、この量子ビーム小委員会で今まで議論させていただいておりました、我が国全体を俯瞰した量子ビーム施設の在り方として、(とりまとめ)(案)について御説明させていただき、御議論いただいた上で、本日、取りまとめをさせていただきたいと考えております。
 (とりまとめ)(案)の御説明をさせていただきます。現在、画面共有をさせていただいております資料1につきまして、簡単に御説明させていただきます。
 (資料1の上段)まず背景でございますけれども、我が国では、次世代放射光施設の本格的な整備が開始され、2023年度の稼働が予定されております。SACLAの共用開始から約10年ぶりの量子ビームの大型研究基盤となります。また、欧米・アジアでは、量子ビームの大型研究基盤の整備・高度化が急速に進展しております。こうした背景を踏まえまして、各施設の役割やユーザーの分布・ニーズにも大きな変化が想定されます。我が国の研究力・産業競争力を維持向上するために、最先端の加速器技術や量子ビーム利用技術等により諸外国と比肩する高性能な研究基盤を整備・運用する必要があると考えております。
 すみません。説明の途中なのですが、どなたかミュートが解除されていないようでして、少々お待ちください。大丈夫そうですね。御説明を続けさせていただきます。
 (資料1の中段)こうした背景を踏まえまして、課題として3点ピックアップさせていただいております。
 (1)大型研究施設の整備等。各施設が独自に整備しており、計画的な整備改修が行われていない。各施設の位置づけの整理及び施設間の連携強化が必要。DXに対応した施設整備の推進が課題。(2)研究施設の利用の促進等、ユーザー支援の充実・強化、研究データのオープンデータ・オープンアクセス化、データベース整備が必要。複数の量子ビーム施設を利用した横断的・融合的な研究開発の推進が重要などを挙げさせていただいております。(3)研究施設を支える環境・整備。海外施設、海外関連施設との連携・協力の拡大、また、各施設に適した研究者・技術者などが減少傾向であり、職種の明確化、職種ごとの人材育成・確保、人材流動が課題であるというような内容で、課題としてピックアップさせていただいております。こうした内容を踏まえまして、基本方針として3点掲げさせていただき、それらを踏まえて、今後の推進方策として、下の方に掲げさせていただいております。
 (資料1の下段)基本方針につきまして、3点のうち1つ目、量子ビーム施設全体の国際競争力の確保、2つ目、量子ビーム施設を利用した研究開発成果の最大化、3つ目、量子ビーム施設を支える環境・基盤の強化。これら3点を基本方針として掲げさせていただいております。これらを踏まえて、今後の精神方策として、5点挙げさせていただいております。
 (1)量子ビーム施設の整備計画の策定及びDXの推進。各施設の位置づけの明確化、施設間の連携促進のためのプラットフォームの構築を推進していくべき。大型施設の整備計画の策定。DXに対応した施設の遠隔化・自動化などの導入や共通化などを図っていくべきである。
 (2)ユーザー支援の強化。ユーザーの利便性向上に資するポータルサイトの整備・運用。オープンデータ・オープンアクセスの在り方の検討。産学官連携を促進するプラットフォームの構築などが必要である。
 (3)複数の量子ビーム施設の連携及び利活用の促進。複数の量子ビーム施設の利活用を促進するための人材育成・連携プロジェクトの設定・プラットフォーム構築が必要である。
 (4)量子ビーム施設に関する国際的な連携・協力拡大。国際連携を推進するための中核拠点の設定。海外施設の様々なレイヤーでの連携・協力の拡大が必要である。
 (5)量子ビーム施設を支える優れた人材の育成・確保。量子ビーム関連の学生・研究者規模の調査の実施。人材の職種ごとの役割・キャリアパスの明確化、教育プログラムの策定、これらを担うプラットフォームの構築が必要である。
 これら5点の内容を今後の推進方策として取りまとめさせていただければと考えております。
 以上、概要の御説明でございますけども、本体の資料(資料2)に関しましても、簡単に構成を御説明させていただければと思います。今まで委員の先生方にも様々なタイミングで御確認をさせていただきまして、今回、委員の方々に事前に紹介させていただいて、頂いた御意見も最大限反映させていただいて、修正させていただいております。
 こちら、とりまとめ資料の構成だけ簡単に御説明させていただきますが、まず最初に、(資料2の1ページ)「はじめに」ということで、概略を触れさせていただいております。
 (資料2の2~3ページ)次に、国内外の諸情勢の変化として、我が国の動向であったり、諸外国の動向などに関して触れさせていただいております。
 (資料2の4~5ページ)続きまして、研究施設をめぐる現状と課題ということで、先ほどの概要にもございました3点をそれぞれ掲げさせていただいております。(1)が大型研究施設の整備、(2)が研究施設の利用の促進、そして、(3)が研究施設を支える環境・整備と上げさせていただいております。
 (資料2の5ページ)3ポツ、今後の量子ビーム施設の在り方に関する基本方針として、マル1、量子ビーム施設全体の国際競争力の確保。マル2、量子ビーム施設を利用した研究開発成果の最大化。マル3、量子ビーム施設を支える環境基盤の強化を基本方針として掲げさせていただいております。
 これら課題、基本方針を踏まえて、(資料2の7ページ)4ポツ各論点に対する今後の推進方策として、5点、掲げさせていただいております。
 (資料2の7ページ)1点目、量子ビーム施設の整備計画の策定及びDXの推進。また、4、各論点に関する今後の推進方策に関しましては、本体資料には、良好事例という形で、各量子ビーム施設で、これらの論点に関連するような各施設の良好事例を紹介させていただいております。各施設の方々には、自らの施設だけではなくて、ほかの施設でどのような取組を行っているのかということを、本日も量子ビーム施設の方々に多く傍聴いただいているかと思いますけども、是非この良好事例も御覧いただきまして、自分の施設で取り入れることができないかなど、是非御参照いただければと思っております。
 御説明に戻らせていただきます。今後の推進方策として、(資料2の8ページ)2点目、ユーザー支援の強化、(資料2の9ページ)3点目、複数の量子ビーム施設の連携及び利活用の推進、(資料2の10ページ)4点目、量子ビーム施設に関する国際的な連携・協力拡大、(資料2の12ページ)5点目、量子ビーム施設を支える優れた人材の育成・確保、これら5点を今後の推進方策として記載させていただいております。
 次に、別紙の1、2として、本体資料に、更に具体的な内容に関して記載させていただいております。(資料2の14ページ)別紙1といたしまして、量子ビーム施設におけるデジタル・トランスフォーメーションの取組の方向性として、昨年の9月に量子ビーム小委員会で、各施設のDXの取組状況に関してヒアリングを行わせていただきまして、それらを踏まえて、小委員会で様々な御議論を頂きました。それらを踏まえて、量子ビーム施設のDXの今後の取組の、どのような観点に着目した上で進めていくべきかということを記載させていただいております。
 続きまして、(資料2の15ページ)別紙2といたしまして、新たな量子ビーム連携プラットフォームの構築に向けてということで、こちらは昨年11月の量子ビーム小委員会で、現状のプラットフォームの取組ということを御紹介いただきまして、それらを踏まえて、ディスカッションしていただいたわけでございますけども、今後、このとりまとめを踏まえて、具体的に量子ビームの連携プラットフォームというものを構築していくに向けて、どのような内容に具体的にコミットしていくべきかということを記載させていただいております。
 こちらに掲げております各項目につきましては、とりまとめの本体部分に記載している部分のうち、プラットフォームに関連するような内容をピックアップして記載させていただいているというようなところでございます。この後は参考資料といたしまして、もろもろの資料を添付させていただいております。
 議題(1)の御説明に関しましては、簡単ですが、以上でございます。よろしくお願いいたします。
【小杉主査】 ありがとうございました。ただいま事務局より、これまでの小委員会における議論の内容をまとめた(案)について説明があったところですが、委員の皆様には事前に照会しているところではありますけれども、改めて何か御意見等ございましたら、時間を取っておりますので、お願いしたいと思います。とりまとめのページごとに前回はやっておりますが、今回は今、出していただいている資料1の中で、一番重要なのは下の今後の推進方策のところだと思いますので、この(1)から(5)までのところがうまく整理できているかどうかというところだと思いますので、何か御意見等ございましたらお願いいたします。
【佐野委員】 分子研の佐野ですけれども、よろしいでしょうか。
【小杉主査】 よろしくお願いします。
【佐野委員】 今日気がついたのですけれども、新たな量子ビーム施設、ビーム連携プラットフォームの構築に向けて、それから、本文の量子ビーム施設を支える優れた人材の育成・確保というところなのですけれども、そこに具体的に「研究者・技術者・サイエンスコーディネーター」というのが各々出ているのですけれども、特にユーザー研究視点で見ますと、ビームラインサイエンティストみたいな方々は非常に重要かなと思っていまして、その方々というのは、どこに含まれるのかなというのがちょっと。技術者に含まれるのでしょうか。それとも研究者になるのでしょうか。あるいは場合によってはビームラインサイエンティストに適した言葉を入れた方が良いのではないかなというのを感じました。ページで言いますと、(資料2の)12ページのところですね。それから、(資料2の)15ページのところになりますけれども。
【小杉主査】 最後のとりまとめは、基本的に全て「研究者・技術者・サイエンスコーディネーター等」という感じで、全てのところにそういうくくりで書き込まれておりますが、これを細かく言い出すと、ビームラインサイエンティストは研究者でもあり、技術的なところもあって、少し書きにくくなるのですが、佐野委員の方で何か良いアイデアはありますか。
【佐野委員】 すみません。良いアイデアはないのですけども。
【小杉主査】 全てそういうくくりの中に入っているので、どこかでこれを意味するところの、どこか1か所にでもビームラインサイエンティスト等も含むというのを書いた方が良いですか。
【佐野委員】 はい。私は非常に重要な位置づけと思いますので、そうしていただけると良いのかなと思いますけれども。
【田中委員】 理研の田中です。
【小杉主査】 はい。
【田中委員】 もちろん佐野委員の言われることも理解できるのですけれども、正に、今、委員長が言いましたように、それを言い始めると、制御や加速器の人たちに関しても、ある意味では同じことになります。細分化して取り上げるというよりは、これは全部を包含した形で統一された表現と理解したのですけれども。
【小杉主査】 はい。そのつもりにはなっていると思いますが、どこかに今、田中委員が言われたことも含めて書いておいた方が良いのか、このままで共通理解として、これで良いという結論もあるかと思いますが。
【田中委員】 成果を出すところの一番近くにいるのは、確かにビームラインサイエンティストですが、この巨大なシステムを動かしていくためには、上流から下流まで一そろいのセットとしてないと、やはりうまく機能しないのですね。
【小杉主査】 確かにそうですね。
【田中委員】 そこの一部を強調するというよりは、全体を見る形に書いていただいた方が良いのではないかなというのが私の意見でございます。
【小杉主査】 これまでの小委員会の議論でも、各施設でいろいろな職員の位置づけがあって、それを個別に各施設が人材公募していたら、全体として見えないのではないか、全体をうまく見せる形での人材のマーケットがあるところを見せることが必要だという議論もあったかと思いますので、そういう意味で、この段階では余り小分けにしない方が良いという、田中委員の意見というのはそちらの観点かなという気はしますけど、何か異論等ございますか。
 佐野委員、それでよろしいでしょうか。
【佐野委員】 了解いたしました。
【小杉主査】 はい。ほか、関連した御意見でも良いですが、何かございますか。いかがでしょうか。
 今後の推進方策以外に、本文の方では、今、指摘がありましたけど、最後の(資料2の14ページ~15ページ)別紙1、2にDXの部分とプラットフォームのことが書かれておりますが、ここで全てを言い尽くしている感じではないのですけれど、こういうまとめ方でよろしいでしょうかね。最終的には、次の議題にも影響するとは思いますが、一つの推進方策の(1)から(5)まで(資料2の7ページ~13ページ)をどういうふうに実現していくかというところでの、取りあえずまとめたものが(資料2の14ページ~15ページ)別紙1、2となっているようですが、いかがですか。
【萩谷補佐】 事務局から補足させていただきます。(資料2の7ページ~9ページの推進方策)(1)、(2)に関しましては、今後の推進方策の中で、特にホットトピックとして具体的にとりまとめ資料の本文の中に組み入れるには、少し大部な内容というのを別途特集というような形で、(資料2の14ページ~15ページ)別紙の1、2ということで記載させていただきましたので、これがプラットフォームの中身とか、DXに関してでございますけども、これらもこの内容に関して、特に今期の小委員会で、皆様方の関心が特に高かったところということで掲げさせていただいておりますけども、もちろん今後の推進方策(資料2の7ページ~13ページ)の(1)から(5)、それぞれの中身に関して、今後、具体的な施策の具体化ということをしっかり進めさせていただければと考えております。
【小杉主査】 はい。そういう趣旨ですので、構成についてはこの形のままで良いかと思います。何かほかに御意見ございますでしょうか。
 人材育成の議論はまだ続いているような状況でまとめに入っているのですが、阪部先生はいかがですか。主要なところは大体言い尽くされていますかね。
【阪部委員】 正直申し上げますと、まだまだ人材育成につきましては今後の政策についての議論は必要かと思いますけれども、今回は時間も限られていますので、この範囲で結構かと思います。本会の後半に1人ずつ意見を述べさせてもらえるということなので、そのときに少しだけ意見を言わせていただければと思います。
【小杉主査】 では、まとめとしてはこれで良いと。今後に向けても含めて、御意見は後で頂ければと思います。
【阪部委員】 お願いします。
【小杉主査】 ほか、この資料1のまとめのところでは、特出しで産業応用的なところはユーザー支援のところに書かれているぐらいなのですけど、産業界から見ていかがですか。山重委員、岸本委員、高橋委員、いかがですか。
【岸本委員】 住友ゴムの岸本ですが、よろしいですか。
【小杉主査】 はい。よろしくお願いします。
【岸本委員】 ありがとうございます。記載の仕方は、私はこれでよろしいかと思っていまして、産学施設連携というのは今後も引き続き重要なところだと思っています。今後の推進方策のところでも触れていただいていますので、引き続きの議論していくことが大切だと思っていますので、よろしくお願いいたします。
【小杉主査】 ありがとうございました。
 山重委員は何かコメントございますか。
【山重委員】 トヨタ自動車の山重ですけども、ユーザーの利便性向上に資するポータルサイトの整備運用、今現在も実施されていらっしゃると思いますし、先ほど岸本さんがおっしゃった産学利用連携プログラムも今後とも活用させていただきたいと思いますので、このような内容で結構だと思います。お願いします。
【小杉主査】 高橋委員はいかがですか。
【高橋委員】 第一三共RDノバーレの高橋です。ありがとうございます。私も前のお二方と同じで、今回のとりまとめの中では、国や各施設の果たしていただく基盤整備に関わる視点が非常によくまとまっていると思うので、この枠組みの中で、産業利用、応用も含めて活用できるという基盤を整えていただくということが中心になってくる。そういった点に論点を置いたまとめとして、非常によいと、これまでの議論を生かしていただいていると思っています。ありがとうございます。
【小杉主査】 ありがとうございました。
 あと、どうしましょうか。まだ少し時間を取っていますので、学術サイドからありますか。大学側、鬼柳委員はいかがですか。
【鬼柳委員】 先ほども出ましたけども、人材育成、そこのところは引き続き、より具体的に持っていって、大学の教育にも反映できるような方向に行ったら良いなと思っています。
 それから、量子ビームプラットフォームという取組、その中でまたDXも進めるという方向で動いているということで、量子ビーム全体をサポート、更に反映させていくというか、進歩させていくという意味では、このまとめ方で良いと考えています。
 以上です。
【小杉主査】 高原委員はいかがですか。
【高原委員】 非常によくまとまっていると思いますけれども、やはり私も人材育成のところは特に気になっていまして、やはり今までも何回か議論ありましたけれども、量子ビーム関連の基礎教育というのが余りなされていないということですね。これはいろんなところで言い続けるしかないのではないかと思います。
 それから、コロナの状況で、やっぱり日本人の国際的なプレゼンスが余り出せていないのではないかなと思っています。特に海外ですと、私たちのソフトマターの分野ですと、ウェビナーをいろいろなグループが開催して、そういうところに若手の人が入ってきて、最新の情報を収集するということをやっていますが、こういう量子ビームでそういう取組を考えてみる必要があると思います。それを日本がイニシアチブを取ってやるというのが理想的だと思います。それは最近、私がウェビナーなどを主宰していて感じるところです。
【小杉主査】 まとめの本文中にも欧米、ヨーロッパ、アメリカではそれぞれ全体をまとめる形での活動があるのに対して、日本は少しそういうところが弱いのではないかというのが書かれていますので、そういうところは今後の議題ですね。
【高原委員】 はい。以上です。
【小杉主査】 どうもありがとうございました。
 あとは、山田委員はちょっと違う観点ですかね。何かコメントございますか。
【萩谷補佐】 すみません。山田先生が音声のトラブルで、山田先生から御発言ができない状態でございます。確認しているところでございます。
【小杉主査】 では、あとは内海委員。
【内海委員】 御指名いただき、ありがとうございます。今回のこのペーパー自身も非常に議論をよく反映されて、今の時点としては非常によくまとめていただいていると思います。それで具体的にここの提言とか、こういうものに対して、具体的にこの後、どう魂を入れていくかということだと思います。そして、恐らく次の委員会の議論になるかと思うのですけれど、私がやらせていただいている次世代についても、例えば先ほどのビームラインサイエンティストに特化したお話が出ましたけれど、それを具体的に、そのしかけの中に、もっとシャープに申し上げると、例えば、今、SPring-8や恐らく次世代でもそうなると思うのですけど、J-PARCであるとか、登録機関という中にたくさんの人がおられるのですけれども、そこの位置づけや、そこの人材ですね。そういうところにどういうふうに魂を入れていくかというような議論に発展していければ良いなと思った次第です。
 今のところ、以上でございます。この報告書自身は非常によくできているというのが感想でございます。
【小杉主査】 ありがとうございました。はい。
【山田委員】 山田です。今まで皆さんが言われたとおりに、非常によく取りまとめができていると思っております。特に人材育成に関して、いろんなことを言えばもう切りがないのですが、取りまとめとしては非常によくできていると思っています。
 以上です。
【小杉主査】 ありがとうございました。
 では、あと、伊地知委員、お願いいたします。
【伊地知委員】 御指名いただきました。恐らく私の役割としては、他の分野から見てあるいは科学技術・イノベーション政策全体の中で、こういったことが適切に位置づけられ、そういった取りまとめになっているのかということかと思いますけど、拝見する限り、妥当なものになっているのではないかと思っております。
 以上です。
【小杉主査】 ありがとうございました。一通り、皆さんから御意見いただきましたとは思いますが、ほかに何かございますか。
 特に文章に手を入れるというような御意見がなかったので、今後は、あと、これで(案)を取るという形になるかと思いますが、それでよろしいですか。
 では、特にございませんでしたら、この形で(案)を取るというところで、報告書として固めたいと思います。委員の皆様には多大なる御協力を頂いて、大変ありがとうございました。
 もう一度、事務局と私で、誤字脱字がないかのチェックはします。(案)を取った形になりますが、今後、このまとめについては、来週開催を予定しております、親の会になりますが、量子科学技術委員会において、私から報告事項として説明する予定になっております。それでよろしいでしょうか。
 では、特に異論ないということで、そのように進めさせていただきます。
 では、続きまして、議題(2)に移ります。議題(2)は、量子ビーム利用推進小委員会の今後の進め方についてです。事務局より説明をお願いいたします。
【萩谷補佐】 事務局でございます。(とりまとめ)(案)の御審議、ありがとうございました。
 私から、資料3につきまして御説明させていただきます。こちらは我が国全体を俯瞰した量子ビーム施設の在り方のとりまとめを踏まえて、今後どのように進めていくべきかということの御説明の資料になってございます。
 本日取りまとめいただいた資料を踏まえまして、以下の取組を中心に施策の具体化を進めていきたいと考えております。具体的な取組といたしまして、(資料3の)左側、左下にございますけども、まず「量子ビーム連携プラットフォーム」の構築・推進ということで、とりまとめの、先ほども御説明させていただきました、(資料2の15ページ)別紙2の内容も踏まえまして、新たなプラットフォームを構築・推進していきたいと考えております。また、プラットフォームの構築につきましては、文部科学省のプラットフォームプログラムなどの活用も検討していきたいと考えております。
 2つ目ですけども、各施設におけるDXの推進ということで、こちらはとりまとめの(資料2の14ページ)別紙1の内容を主に踏まえまして、各施設におけるDXの取組を推進していきたいと考えております。また、大型研究施設のDXの推進につきましては、内閣府のPRISMですとか、文部科学省のリモート化・スマート化事業などの活用も検討していきたいと考えております。
 量子ビーム施設の整備計画の策定につきましてですけども、当面は国の大型研究施設を対象として、中長期的な整備計画の策定について検討していきたいと考えております。また、DXに対応した施設設備の整備や次世代放射光施設の運用に向けた検討も行っていきたいと考えております。
 最後ですけども、課題解決型の量子ビームプロジェクトの検討ということで、量子ビームを活用した研究開発プロジェクトの検討も今後行っていきたいと考えております。これら具体的な取組とリンクさせる形で、来期の量子ビーム小委員会で、どのようなことを議論していくかということを右側に書かせていただいております。
 まず、本日取りまとめいただいたとりまとめを踏まえて、施策の具体化を進めていくということで、左側の具体的な取組を書かせていただいておりますが、プラットフォームの構築・推進や、各施設のDXの推進など、それぞれの論点に関しまして、ヒアリングなどを行いながら、来期の小委員会で議論していきたいと考えております。
 また、次世代放射光施設の整備状況ヒアリング、運用に向けた検討や、SPring-8、SACLA、J-PARC中間評価を踏まえたフォローアップなども、今期の小委員会でも様々御議論いただきましたけども、来期の量子ビーム小委員会でも引き続き議論させていただきたいと考えております。
 御説明は以上になります。
【小杉主査】 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの事務局の御説明について、質問、御意見等ございましたらお願いいたします。
 事務局に質問ですけど、今日の段階で、この(案)というのは、3か所あるのですけど、これが取れるのですか。(案)は(案)のままですかね。
【萩谷補佐】 こちらは、3か所のうち、タイトルの「今後の進め方(案)」と「具体的な取組(案)」に関しましては、本日の御議論を踏まえて、(案)を取らせていただいて、「次期量子ビーム利用推進小委員会の調査事項(案)」につきましては、引き続き(案)はこのままとさせていただければと思います。
【小杉主査】 分かりました。検討するテーマが増えていくということですね。
【萩谷補佐】 はい。
【小杉主査】 そういうことですので、何か御意見ございましたら。左側の(案)を取るというところなのですけど、何かございましたらお願いいたします。
 この小委員会では説明がない部分としては、最初のプラットフォームのところでは、文科省の方で来年度からの5年間のプログラムが走る予定にはなっているのですが、公募等が行われるので、どこが決まるかというところも含めて、まだ見えていないところだと思います。それに相当する説明は何かございますかね。
【萩谷補佐】 後ほど予算の資料に関しましても御説明させていただきますので。
【小杉主査】 予算のところで説明があるということですね。
【萩谷補佐】 はい。
【小杉主査】 具体的な取組の(案)は取れるのですけれど、この小委員会では、まだ説明がない部分が入っているというところです。
【萩谷補佐】 この先端研究設備プラットフォームプログラムに関しましては、今年度まで、今までもプラットフォームプログラムとして走っていたものでございますけども、改めて来年度から新しい後継事業として、文科省の方で事業を進めていく予定でございまして、来年度から5年間支援ということで予定してございます。
 先ほど小杉先生もおっしゃっていただきましたけども、どういった事業を採択するかということは、今後の検討予定でございますので、今のところはそれ以上のことは申し上げられないというようなところでございます。
【小杉主査】 DXは3次補正で、公募は締め切ったところだと思いますので、その結論次第で、PRISMの方は、余り私は情報はないのですけれど、こちらの方もまたあるのでしょうか。
【萩谷補佐】 内閣府のPRISM事業に関しましては、今年度でいろいろ様々な施策が走っていて、各施設で、このDXとして、PRISMのお金がついたところもあるというところでございますけども、こちらに関しましては、今、予算がついたところも踏まえて、各施設で実施していくというところでございまして、今後どういった流れにPRISMがなっていくかということは、また内閣府の方で検討中と聞いております。
【小杉主査】 はい。ほか、よろしいですか。そういう状況が書き込まれているようです。
【雨宮主査代理】 雨宮ですけど、1つ質問良いでしょうか。
【小杉主査】 はい。お願いします。
【雨宮主査代理】 今の資料3で、左側に具体的な取組、右側に次期小委員会での調査事項という整理になっていますけれども、左側にある項目の量子ビーム施設の整備計画の策定というところで、「大型研究施設連絡会(仮)」の設置の検討等という記述があります。これは、次期量子ビーム利用推進委員会で議論するのか、それとも量研室で、この小委員会とは別に新しい連絡会を設置するのか、どのような形になるのでしょうか。
【河原室長】 お答えします。量研室長の河原です。記載されております大型研究施設の連絡会については、ここは今日のとりまとめを踏まえまして、まずは事務的に検討を進めていきたいと考えております。
 具体的には、SPring-8、J-PARC、SACLA、それから、将来的には次世代放射光施設、こういったのもにらみながら、どういった計画的な整備ができるかということを事務的に詰めて、議論がある程度進展しましたら、また小委員会の方に御報告、御審議いただくという形を考えております。
【雨宮主査代理】 了解しました。議題(1)で議論したとりまとめはよくまとまっていて、そこの今後の推進方策で、(資料2の7ページ~13ページ)(1)から(5)まであったわけですが、それを踏まえて、これからのアクションに関して、ここで議論していると理解しています。人材育成のことがいろいろ議論になったのですが、今後のとりまとめ、進め方というところで、人材育成に関して、どのようなアクションの流れになっていくのか、ちょっと見えないような気がします。何か具体的な進め方があるのかお聞きしたいです。
【小杉主査】 事務局の方で何か答えられますか。
【萩谷補佐】 事務局からお答えいたします。人材育成の今後の進め方に関しましては、非常に難しいところでございますけども、先ほどの取りまとめていただいた資料の本文にもございますけども、例えば人材、量子ビームの人材育成という観点で、具体的に大学ですとか産業界でどのような人材が実際に需要と供給ですね。そのニーズがあって、かつ、どのようなニーズがあって、かつ、大学ではどれぐらいの規模で育成がされているのかというようなことをしっかり調査を、学会などの協力も頂きながら調査していきつつ、それらを踏まえて、どういった人材育成の、教育プログラムも含め、推進していくべきかということを議論していきたいと考えているのですけども、それの進め方というのは、今後構築していきたいと考えておりますプラットフォームで人材育成の話も取り上げるのかというようなところも含めて、まだ今後検討を進めていきたいと考えておりまして、今のところお答えできるのはこれぐらいとなるのですが、いかがでしょうか。
【小杉主査】 雨宮委員、よろしいですか。
【雨宮主査代理】 分かります。具体的にそれをどういうように進めるか。特に人材育成やユーザー支援の強化は、非常に重要なところです。せっかくここまで議論して盛り上がったので、まとめて終わりになってしまうことがないようにお願いしたいと思います。施設は施設として、人材育成に引き続き注力していくつもりですが、行政の階層でどういうことができるのかということも重要だと思っているところです。
【小杉主査】 私の理解では、人材育成は、具体的な取組が4つ挙げられていますけど、全てに関わるのだと思います。だから、そういうところで必ず人材育成も含めて検討していくということだと思います。雨宮委員は特に3番目の整備計画の策定に関わる、内海委員もそうですけど、そういうところでは、また人材育成、人材交流を含めて、この連絡会で議論するのではないかと私は解釈しておりますが、その辺りは、雨宮委員の印象としてはいかがですか。
【雨宮主査代理】 分かりました。そうですね。全てに項目に関わるので、そこで具体的な方策を継続審議することになるのだろう、ということですね。小杉主査の言うイメージは分かります。
【小杉主査】 だから、それぞれがうまく人材育成も含めて検討すると、人材育成だけで次は柱を立てられると。量子ビーム人材をどうするかという感じの議論で、しっかり施策に結びつける議論ができるかと。ただ、どこで手をつけたら良いかというところが、やっぱりこういう柱のところに全て人材をとにかく入れ込むというところかなと、私はずっと2年間まとめてきて、まずはそこかなという印象を持っておりますが、その辺はいろいろ御意見があるかもしれないですけど、何かありますか。
【河原室長】 量研室の河原です。コメントありがとうございます。私も小杉主査がおっしゃった考えに近いのですけれども、人材育成は幅広く関わってきますし、例えば新しいプラットフォーム事業を構築するときにも、人材育成の要素を入れるとか、様々絡んでくるところはあると思います。当然、各施設で取り組んでいただく部分と、それから、国が横断的に見る部分というのは出てくると思うので、ここは引き続き、来期の調査事項の(案)に明示的には入れていないですけれども、そういった観点も来期含めて継続的に議論していければと思います。
【小杉主査】 来期の小委員会の調査事項のどこかに人材育成、最初のところですかね。書いていただくとよいと思いますが、事務局いかがですか。
【萩谷補佐】 では、非常に関心の高いところでございますので、次期量子ビーム利用推進小委員会の調査事項のところで、施策の具体化のところで一つ、人材育成についてということも追記させていただきたいと思います。
【小杉主査】 ほかに御意見ございますか。
【阪部委員】 是非、次期量子ビーム委員会では、人材育成をクローズアップするように書いていただければと思います。よろしくお願いします。
【小杉主査】 はい。阪部先生、ありがとうございます。
 ほか、どなたか。
【佐野委員】 すみません。分子研の佐野ですけども、ちょっと別の話題なのですが、具体的な取組の一番下のところの課題解決型の量子ビームプロジェクトの検討というところなのですけれども、もちろんSPring-8を始め、J-PARC等、サイエンスでは大きな成果を上げているのは議論する余地はないわけですけれども、産業的に見たときに、成果は非常に出ているわけですけども、一つ一つが、量的に見ますと、一企業でやっている内容が多いと思うのですね。それに対して、最後の課題解決型の量子ビームプロジェクトの検討というのは、何というのでしょうかね。もう少し共通基盤的な、少し大きな技術課題を解決するような取組を行うというような、そういったような考えのような取組と思ってよろしいのでしょうか。
【小杉主査】 ここはまだ具体的な話にはなっていないのですけど、事務局側ではどういうイメージでしょうか。
【萩谷補佐】 お答えいたします。おっしゃるとおり、一つの、いろんな捉え方があるかとは思うのですけども、まず一つ掲げさせていただきたいと考えているのは、様々な分野で使えるような、共通となるような量子ビームの活用技術であったり、計測技術であったり、そういうことをこういった課題型のプロジェクトという形で実施できないかということも今後検討させていただきたいと考えております。
【佐野委員】 ありがとうございます。正に、今までそこのところはあんまり重点化されていないといいますか、表に出ていなかったかと思いますので、こういったことをやっていただけると産業界にとっても非常に良いのかなと考えます。よろしくお願いいたします。
【小杉主査】 ほかにございますか。次の委員会への宿題という感じになってきますが、大体よろしいでしょうかね。それでは、この議題は、3つの案のうち、一番上のタイトルの(案)と、それから、具体的な取組の(案)は消すというところで固めたいと思います。ありがとうございました。
 では、続きまして、議題(3)、その他になりますが、本日は、事務局より、令和3年度当初予算案の概要等についてということで説明いただくという予定になっておりますので、よろしくお願いします。
【萩谷補佐】 事務局でございます。資料3の御議論ありがとうございました。議題(3)、その他に関しまして、令和3年度の当初予算の概要などについて御説明させていただきます。簡単に御報告をさせていただきます。こちら、画面共有させていただいておりますけども、量子研究推進室の担当しております予算を中心として御説明させていただきます。
 こちらは(資料4の)1枚目でございますけれども、世界最先端の大型研究施設の整備活用、あと、研究施設・設備のリモート化・スマート化の推進ということですね。これらの施策に関しまして、当初予算(案)として計上させていただいております。具体的に次のページ以降で御説明させていただきます。
 (資料4の2ページ)まず次世代放射光施設でございますけども、こちらは2023年度の稼働に向けて、着々と国側で、加速器等の整備を進めているというところでございまして、令和3年度の当初予算案として、12億円を計上させていただいております。
 次のページ(資料4の3ページ)に、令和2年度の3次補正予算ということで、こちらは加速器の整備が中心になっておりますけども、こちらで37億円措置を頂いております。
 続きまして、既存の大型研究施設に移らせていただきますが、(資料4の4ページ)SPring-8の整備・共用に関しましては、令和3年度予算(案)として95億円を計上させていただいております。こちらは令和2年度の運転時間とほぼ同時間を来年度も確保できる見込みでございます。
 (資料4の5ページ)SACLAの整備・共用に関しまして、こちらも令和3年度当初予算(案)として、69億円計上させていただいております。SACLAの方も令和2年度と同じ運転時間を確保できる見込みでございます。また、SPring-8、SACLAで、令和2年度の予算案と少し増減があるのですけども、こちらは施設整備の老朽化対策ですとかメンテナンスなどの効率化を図った結果、SPring-8、SACLAで若干の微増が出ているというところでございます。
 (資料4の6ページ)J-PARCの整備・共用に関しまして、こちらは令和2年度予算と同額の109億円を令和3年度当初予算(案)として計上させていただいております。こちらは御参考になりますけども、(資料4の7ページ)先端研究基盤共用促進事業ということで、先ほど議題(1)の方でも話題になりましたけども、先端研究設備プラットフォームプログラムとして、真ん中辺りに(新規)ということで記載がございますけども、こちらは来年度から新たにプラットフォームを立ち上げるというところで予算が措置されております。
 次のページ(資料4の8ページ)が最後でございますけれども、研究施設・設備・機器のリモート化・スマート化ということで、こちらは3次補正予算として75億円が計上されておりまして、こちらは既に各施設からもろもろ公募、募集が、申請がなされて、現在審査中というところで聞いております。今月の中旬頃に採択決定の見込みというような流れと聞いております。
 予算案の御説明は以上になります。
【小杉主査】 ありがとうございました。本日の予定していた議題(1)から(3)というのは、これで終わりなのですけど、全体を通して何かございますでしょうか。
 特になければ、これで予定された議題は終わりにしたいと思いますが、せっかくの機会ですので、委員の方々からコメントいただければと思います。五十音順ですけれど、主査代理の雨宮委員は最後に回しまして、伊地知委員から始めたいと思います。コメントいただけましたら幸いです。
【伊地知委員】 では、よろしいでしょうか。伊地知でございます。
 まず今期とりまとめに当たっては、各施設にいろいろとこちらから照会して、それにお答えいただいた、それから、各会合においていろいろ御説明いただいたということで、いろいろな関係の方々にお力添えいただいたのではないかなと思いまして、おかげさまでこのように小委員会としてまとめられたのではないかなと思っております。
 私自身は、直接的なユーザーあるいは施設を運営するといった立場ではありませんけれども、この量子ビーム利用ということが、研究面でも、それから、イノベーション創出面でも非常に重要なものになろうかと思っています。今期にあっても、いろいろと施設の整備あるいは利用に向けて様々な検討が進められ、また、展開が進められたと拝見しておりましたので、引き続き、幅広く有効、有用に活用されるように進めていっていただければと思います。
 私からは以上になります。
【小杉主査】 いろいろ違う切り口でコメントいただいて、ありがとうございました。
 では、次、内海委員、お願いいたします。
【内海委員】 すみません。画面が顔出しできなくて大変恐縮でございます。内海でございます。この委員会、ずっと出席させていただきましてありがとうございました。日本全体の量子ビーム施設を俯瞰して、いろんな議論をしていただいて大変参考になりました。参考になりましたという言い方は不遜な言い方かもしれませんが、皆さん、よく御存じのとおり、次世代放射光施設の完成に向けて、誠心誠意、今、頑張っているところでございます。この委員会での議論の中身をできるだけ新しいステップである次世代放射光に反映させていきたいと思います。いろいろ課題山積ではございますけれども、今のところ、コロナに負けることなく、予定どおりの稼働開始というスケジュールで進んでおりますので、よろしくお願い申し上げます。
 一つだけこの場を借りて宣伝をさせていただきたいのは、皆さんに既に御案内が行っているかもしれませんが、次世代放射光施設に名前をつけましょうという愛称募集を1月18日に開始いたしまして、3月末が締切りとなっています。おかげさまで、僅か半月弱で、既に150件以上の案が集まっておりまして、非常に感動しているところでございます。この量子ビーム委員会の委員の方々にも応募する権利がございますので、是非とも良い名前となりますよう、皆さんの御協力をお願いできたらと思います。ありがとうございました。
【小杉主査】 委員の中で一番責任のある大変なことをされているので、敬服しております。ありがとうございました。
 では、岸本委員、お願いいたします。
【岸本委員】 岸本でございます。本委員会に産業界として参加させていただきまして、ありがとうございました。何度かお話しさせていただいていたのですけれども、産業界にとっても、この量子ビーム施設というのは、今となってはなくてはならない重要な施設ですし、国の中にこれだけの量子ビーム施設が一堂に整備されているのは本当に我が国の強みであると考えています。本委員会で議論してきました量子ビーム連携利用推進、DX化、スマート化、そして、人材育成というのは、引き続き議論すべき重要な項目であると思っています。
 さらに、産業界、学術ユーザーの利用を広げて、活性化していくためのキーワードとして、成果創出までの利用プロセスや産学施設連携において「気軽さ」がとても大切ではないかと個人的には思っておりまして、それに向かって進んでいっていると感じています。
 会社に戻りましたら、一企業ユーザーとして活用推進に加えて、高度化される施設、技術の活用に向けて進めてまいりたいと考えていますので、今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【小杉主査】 どうもありがとうございました。プレゼンもしていただきましたし、最先端の、まだ確立していない手法まで利用されているところで、いろいろコメントいただきました。ありがとうございました。
 では、次は、鬼柳委員、お願いいたします。
【鬼柳委員】 どうも2年間ありがとうございました。今、岸本さんが言われたように、いろんな観点から量子ビームというものを改めて勉強させていただいた、よい機会になりました。私は中性子という立場で参加させていただいたわけですが、中性子、小型から中型、それから大型施設、大分充実してきまして、正にネットワークを組んで、これから頑張ろうという状況にあると思っています。
 さらに、今、中型の原子炉の研究炉の計画もありまして、そういうのも含めて、更に発展していければと思っています。ネットワーク自体については、放射光と比べると1周、2周遅れぐらいな感じもあるのですけれども、今度新たに量子ビームネットワークというものが動き出しましたら、中性子としても貢献できるように頑張っていきたいなと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。
【小杉主査】 ありがとうございました。鬼柳委員にもプレゼンしていただきましたし、中性子のネットワーク、非常に進んでいるというところですので、ありがとうございました。
 では、次、阪部委員、お願いいたします。
【阪部委員】 主査の先生を始め、委員の先生方、どうもありがとうございました。いろいろと勉強させていただきました。2点ありまして、1点目は、大変くどくて恐縮ですが、未来志向で考えますと、やはり人材育成が最重要かと思っております。次の10年は、更にその後の10年をにらんで、物より人かと思いますので、人材育成については今後より具体的、詳細な方策を検討していただきたいと願っています。
 例えば、少し細かいですが、大型プロジェクトが行われる際には、可能な限り若い方々が中心として参加できるようになれば良いと思っております。恐らく多くの委員の先生方は、昔20代で建設の班長や運転の責任者などの重責を任されたことがあり、それらは大変重要な経験になっているのではと思います。
 またその際、若手の方々の今後のキャリアパスに生かせるように彼らの貢献、業績を見える化してやる必要があります。一般論としては、大型装置の開発や建設などの仕事をしている方は、論文数のような見える業績の生産性というのは決して高くありませんので、他分野で理解、評価していただくことも容易ではありません。その結果、若手の方の流動性が上がらないという課題などもあります。このようなことも含めて詳細な議論をしていただければと思っております。
 2点目ですが、私はレーザーの専門家ということで意見を述べさせていただきますと、現在、レーザーを用いた未来の加速器、中性子源、放射線などの研究が進んでいますが、まだ分野が縦割りで、レーザー科学の専門家の研究分野にとどまっています。早い段階から、加速器や中性子などのほかの量子ビーム分野の特に若い方々が積極的にレーザー分野と交流できるような体制の構築ができればと望んでおります。
 まだまだ課題はあるかと思いますけが、こういう議論を継続的に続けていただいて、より良い方向に進むようによろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
【小杉主査】 ありがとうございました。大学における人材育成とか、今回のまとめでも自由電子レーザーという形では出ておりますが、それ以外の日本に多数のレーザー設備があるところをどうまとめていくかというのはまだまだ課題だと思っております。いろいろ意見を頂いてありがとうございました。
 では、次、佐野委員、お願いいたします。
【佐野委員】 分子研の佐野でございます。2年間、最先端の議論に参加させていただきまして、本当にどうもありがとうございました。また、成果報告書といいますか、とりまとめの報告書もかなり内容の濃い、よいものができたのではないかなと考えております。この報告書を今後にどう生かしていくかというのは、今後我々の課題かなというふうにも思っております。
 先ほどもちょっとお話をしましたけれども、量子ビームは科学技術、それから、産業競争力の向上にとって欠かせない設備だと思っておりますので、欧米に引けを取らないような形で、今後とも計画的に整備していくというのが非常に重要かと思っておりますので、それにまた少しでも協力できたら本望だと感じておりますので、またよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【小杉主査】 ありがとうございました。佐野委員には、レーザーばかりではなく、放射光を含めていろいろ意見を頂いてありがとうございました。
【佐野委員】 ありがとうございました。
【小杉主査】 高橋委員、お願いいたします。
【高橋委員】 第一三共RDノバーレの高橋です。2年間、参加させていただき、ありがとうございました。産業界、ほぼユーザーとしての立場ですけども、ふだんユーザーとして利用しているだけだと余り知ることがない視点について、いろいろ学ぶことができたと思っています。いろいろ勉強させていただきありがとうございました。
 特に、今日も話題になっていましたけども、自動化とかDXについては、こちらもここ数年で非常に恩恵を受けている部分でもありますので、特にDXについては、今後の発展についてとても期待しています。
 また、この委員会、やはり国の委員会ということで、個人的には法規制の扱いですとか、そういった一企業の声ではどうにもならないようなことを、声を上げていくという場として、非常に助かっていると思っています。このような場で議論になることで、法規制の運用ですとか、非常に合理的な方向に進んでいると切実に感じていますので、今後とも規制だけにとらわれずに、現場の状況に即した合理的な運用がいろんな面でできていくと、ユーザーとしては大変有り難いかなと思っています。
 いろいろな面で勉強させていただき、ありがとうございました。とても感謝しています。
【小杉主査】 ありがとうございました。産業界のユーザーとして、我々が気がつかないようなところでいろいろコメントいただいて、大変助かりました。ありがとうございました。
 では、次、高原委員、お願いいたします。
【高原委員】 九州大学の高原です。今回、委員会に2年間出席させていただきまして、いろんな視点から勉強することができました。ありがとうございました。私は必要なときに中性子を使って、また他の情報が必要なときに放射光を使っておりますけれども、量子ビームの連携というのがこの委員会で明確になってきたというのはうれしいことで、それとともに、最近、CRESTのアドバイザーで会議に出ていますと、皆さん、中性子と放射光の連携というのはかなり意識されて、進んでいるようで、これからいろいろな成果が出てくるのではないかと期待しています。
 それからあと、東北の次世代放射光と、SPring-8-IIができるだけシームレスにうまく稼働してくれることを祈っています。
 それから、最近、私が感じていることをお話しいたしますと、全然違う視点で、量子ビーム関連のみではありませんが、先月、アメリカ化学会の表面化学関連の学術誌の編集委員会がありまして、この雑誌の国別の採択率、引用などの統計データを見る機会がありました。そうすると、日本から掲載された論文のインパクトファクターが中国に比べて、3分の2ぐらいで、全体のインパクトファクターを落としているのが日本ではないかということがよく分かるデータがありました。そういった点を考えますと、やはり日本の学術の人たちは、この量子ビーム分野もそうなのですけれども、自分たちの成果を論文として対外的にアピールしていくということをやって、国際的なプレゼンスを上げるのが必要で、それが国際的な連携には重要なので、その辺りを人材育成とも絡めて進めていく必要がないかと感じております。
 そういったことに関連した国際的なウェビナーなども自発的にやっていこうとしておりますし、何らかの若手の教育ができれば良いのではないかと思っております。
 以上でございます。ありがとうございました。
【小杉主査】 ありがとうございました。高原委員は、共用施設ばかりでなく、SAGA Light Sourceの九大のビームラインに関わっておられて、いろんな観点から大所高所の御意見を頂いてありがとうございました。
 では、次、田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 理研の田中でございます。2年間、大変お世話になりました。私は、この一つ前の次世代放射光光源の仕様を決めるところから参加しております。自分の専門は加速器ですので、今回の2年間というのは、自分的が勉強するばかりで、委員会への貢献が少なく申し訳なかったと思っております。私にとっては大変勉強になった2年間でした。
 現在いろいろな量子ビームの諸施設がある中で、それらを有機的に統合して効率的に使えるようなプラットフォームをつくっていくというのも一つ重要な方向性であり、全体的な整備プランをこの2年間で、こういう形で取りまとめるという仕事に参加できたことは、個人的にもうれしく思っております。
 自分が今、SPring-8、SACLAというX線の放射光施設で、その基盤に携わっているという関係もありまして、このような方向での整理と整備計画の立案は大変重要かと思いますが、今日、話に出ていました大型研究施設連絡会ですか、そこで取り上げられる、現在ある基盤のアップグレードと、それから、新しい基盤の建設・整備を通して、日本全体の量子ビーム基盤を世界の最先端に維持し続けることも、もう一方で非常に大切であると日々思っております。
 高原先生、また、内海委員からも言及がありました次世代放射光施設、その加速器の建設に現在どっぷり浸(つ)かっております。膨大な仕事量で、日夜、呼吸もできないぐらい、もうあっぷあっぷの状態ですが、今のところ、タイムスケジュールどおりに、少なくとも加速器施設は出来上がりそうです。
 日本全体の量子ビームプラットフォームの放射光部分を考えると、エネルギーの低い軟X線だけでなく硬いX線のところも、そこは今、世界的な潮流の中で日本が取り残されつつありますが、踏ん張っていくことが、トータルのパフォーマンスを維持していくことにとって大変重要だと思っております。今回はこういう形のとりまとめになりましたが、是非そこのところもよろしくお願いしたいと思います。
 そして、最後に全く違う話で締めたいと思います。高原先生がインパクトファクターという切り口で、日本の学術の貢献が、質の劣化により全体として萎(しぼ)んできているというような話をされました。私もこの絡みで最近面白い話を聞きましたのでここで紹介します。10年ぐらい前の日本全体のアカデミックな論文数が大凡(おおよそ)10万ぐらいということでした。それでSPring-8の年間の論文総数が約1,000本ということで、SPring-8は日本全体の学術論文の1%を創出しているという話をずっといろんなところでしてきました。最近日本の年間論文数を調べた方がいまして、そうしますと、日本全体の論文総数は、10年前に比べ20%ぐらい減っているのです。現在、8万ぐらいしかない。SPring-8は大体、年間1,000本は維持されてきているので、いつの間にかSPring-8の成果の日本全体の論文数に占める割合は1.3%に上がっていました。この事実を喜んで良いのか、悲しむべきなのか、そういう酒飲み話ですが、やはり日本全体の学術的な地盤沈下というのは、もう認めざるを得ないところまで来ております。昨今の中国の躍進ぶりは、インパクトファクターでも、中国に比べて日本はその7割程度と高原先生の話にもありましたが、常日頃、いろいろなところで実感させられています。何とかこの傾向を食い止めて、上昇に転じるには、いろいろな角度からの様々な試みが今後もより求められていくのかなと思っています。
 以上です。2年間どうもありがとうございました。
【小杉主査】 ありがとうございました。光源の研究者でありながら、いろいろユーザーには厳しいところもある中で、かなり理解をしていただいているコメントを頂いて、ありがとうございました。
 では、山田委員は大丈夫でしょうか。
【山田委員】 私は、非常に長い期間、委員を務めさせていただきましたが、特に今期の2年間は大変有意義にいろんな議論ができたと思っています。特に人材育成に関して、突っ込んだ議論が結構できて、非常に勉強ができたと思っております。
 次期の委員会で是非議論していただきたいことと関連して、この委員会で十分に議論ができなかった点は何だったのだろうかということを考えてみますと、この委員会は、主に既存の放射光とか中性子あるいはレーザーなどの量子ビームを使ったファシリティーが関与する様々な課題、ユーザーとの関係における課題などをメインに議論してきたという理解です。
 やはり今後20年、30年を見すえ、日本がいかに世界をリードするかを考えると、従来の放射光、中性子、レーザーなどに加えて、新しい量子ビームをいかに見いだし育てていくかをどこかで議論する必要があると思います。
 一つの例として、小杉先生がおられるKEKの物構研に低速陽電子施設が、非常に小さいグループですがあります。そのグループが開発した低速陽電子回折は、表面科学の重要な構造情報を見る手段として、今、世界の最先端を走っています。日本各地には同様に新しい量子ビーム開発をやろうとしている、やっておられるところがあると思います。そういうところに目を配って、世界をリードしていくための新しい量子ビームの開拓と利用、それを既存の量子ビームとどう連携させていくのかという議論をどこかでやっていく必要があるのではないでしょうか。できれば、次期の委員会ではそういうような議論ができる場所をつくっていただければ幸いだと考えています。
 長い間、プレゼンも何もしないで、ただ聞かせていただいただけですが、私にとっては非常に良い勉強になりました。どうもありがとうございました。
【小杉主査】 ありがとうございました。山田委員には大所高所から、将来に向けてのいろんな有益な御意見いただき、次期への宿題も頂きましたので、どこかで反映させるように引き継いでいきたいと思います。ありがとうございました。
【山田委員】 ありがとうございました。
【小杉主査】 山重先生、お願いいたします。
【山重委員】 トヨタ自動車の山重と申します。私は、ユーザーとして狭かったのですけれども、こちらに参加させていただきまして、いろんな情報を広い視野で勉強させていただくことが学びとなっています。ありがとうございました。今後は、先ほども重要な話題になりましたけども、人材育成にもつながると思っておりますので、産業界から量子ビームを製品開発、研究開発に活用させていただいて、盛り上げていけたらなと思っております。今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。
【小杉主査】 ありがとうございました。研究の現場からのいろいろな御意見ありがとうございました。
 それでは、これで間違いないと思いますが、主査代理の雨宮委員にお願いいたします。
【雨宮主査代理】 雨宮です。今期、2年間、今日まとめた、我が国全体を俯瞰した量子ビーム施設の在り方、これを議論してきたわけですが、こういう視点で取り組んだ2年間、非常に意義があったと思います。前期は次世代をいかに立ち上げるかという議論に集中しましたが、今期は、量子ビーム施設全体の在り方について集中的に議論ができたと思います。この期の最初は、私は量子ビームを使うユーザーの立場で、施設にこうあってほしい、施設はこうあるべきだという視点で物を言う立場だったのですが、この期間の途中で、登録機関であるJASRIに身を置く立場になってからは、見える景色が少し変わってきました。今日取りまとめた今後の推進方策、(資料2の7ページ~13ページ)(1)から(5)までありますが、これは基本的なことをきっちりとまとめてあるので、登録機関に身を置く立場として、これらの点に注力しながら、今後きっちりと運営していくということの自覚を新たにしているところです。
 この委員会から発せられるメッセージを施設側としてどうようなアクションに落とすかということに強い責任を感じているところです。今日、高原先生を始め、何人かの先生方から、日本の科学技術力の低下ということが言われていて、私もそれは非常に懸念しているところです。最近のインパクトファクターの低下というところになっていますが、これは遡ると、2005年をピークにして、日本の博士課程の進学者が減ってきている。それから、2000年に入って、大学における運営費交付金が1%ずつ減ってきて、だんだん大学の体力がなくなってきている。それが最近はインパクトファクターの低下につながってきていると考えるときに、人材育成ということの重要性を非常に強く感じます。
 エフェクトが出るためには長い時間がかかりますが、人材育成は本当に重要だと思います。それと同時に、量子ビーム施設は、先端的な装置、基盤装置が極めて有効に使えるしかけとして、日本の科学技術力を支える上で非常に重要だと思っています。
 良い装置を購入しても、それを十分に使いこなせないで終わるケースも多々あるわけですが、量子ビーム施設では、常に装置が整備されアップグレードされていて、かつ、支援研究員がいますので、先端装置類の有効活用が十分に行われています。量研室の方にも申し上げたいことですけど、量子ビーム施設に重点的に予算をつけることは非常に投資効率が良いと、私は強く思っているところです。
 そして、量子ビームは学術の深掘りだけではなく、産業利用を通して、社会に対する還元もできていますし、世界的な競争力がある量子ビーム施設が中心になって、日本の科学技術力の底上げをしていかなければならないという思いを新たにしているところです。
 今期、コロナ禍の中でリアルに会うことができない中、今日もウェブ会議でしたが、小杉主査が中心になって、この委員会をきっちりまとめていただいたこと、まず小杉主査の御苦労、御尽力に感謝申し上げたいと思います。
 また、事務局である量研室の今日のとりまとめを含めて、この委員会の議論をきっちりまとめていただいたことを非常に感謝しています。この4月からまた新たなメンバーで、次期の量子ビーム利用推進小委員会が開かれるということで、今日、資料3のとりまとめの中にもどんなことが行われるかということが出ていましたけれども、是非今期でまとめた、特に今後の推進方策、(資料2の7ページ~13ページ)(1)から(5)に向けての問題も含めて、そこをモニターする機能、また、更に加速する機能を次の委員会の中で行っていただければということを期待しています。
 この2年間、どうもいろいろとありがとうございました。以上です。
【小杉主査】 ありがとうございました。雨宮委員から主査を引き継いで、どうなるかという感じでしたけれども、いろいろフォローアップしていただいてありがとうございました。
 最後、私からコメントですけれど、微力でしたけれど、小委員会主査として、委員の皆さんの協力もあって、2年間務めさせていただきました。ありがとうございました。2年前のスタート時には、今期は施策に結びつけるようなことはしないで、その前段階ということで、まずは我が国全体を俯瞰するという調査が中心という前提がありまして、大々的な調査から始まったわけです。各施設の成り立ちもいろいろありますし、そういうのをどう俯瞰するかということが重要で、いろいろ施設関係のヒアリング等も行ってきました。
 施設の違いによる課題とか共通課題も見えてきたところで、まとめに入ってきたわけですけれど、突然ウィズコロナの時代に突入して、DX、デジタル化という流れが加速して、少し施策に結びつけて考えるようなことも早まったという印象を持っていますけれど、研究基盤、貴重な研究基盤、研究インフラである量子ビーム施設を造っていくのも、使っていくのも、維持して発展させていくのも全て人ですので、委員の方々からの同じような意見もございましたけれど、多様な人材源である大学の関連施設、大学共同利用機関を含みますが、そういう人材育成機能はもちろんのこと、施設に職を得てからの人材育成というのも国全体で何とかしないといけないということを認識した2年間でした。国際的なプレゼンスが下がっているというところもやっぱり最終的には人材育成につながるかと思っております。
 2年間、ありがとうございました。特に量研室のサポートもありがとうございました。助かりました。
 では、私から以上です。これで皆さんからコメント等もいただけましたし、次に宿題を渡していきたいと思いますが、本日のこの委員会をもちまして、我が国全体を俯瞰した量子ビーム施設の在り方を中心課題としてやってきて、まとめもようやく作成できましたので、改めて委員の皆様にはお礼を申し上げます。
 それでは、最後に、量研室が属している研究開発基盤課の課長の仙波課長から、閉会に当たっての御挨拶をお願いいたします。
【仙波課長】 ありがとうございます。研究開発基盤課長をしております仙波でございます。この第10期量子ビーム利用推進小委員会では、2年間で計11回と活発に開催させていただいて、今期の中核となる審議事項は、正に先ほど取りまとめていただいた我が国全体を俯瞰した量子ビーム施設の在り方についてでした。運営主体が異なる様々な量子ビーム施設について、共通して抱える論点について、その課題と今後の推進方策をおまとめいただいたという形で、この小委員会で活発に御議論いただいた、小杉主査をはじめとする委員の皆様方、それから、御協力いただいた量子ビーム施設の皆様方に感謝申し上げます。
 今回のとりまとめは出発点でありまして、今後、各量子ビーム施設とも連携しながら、施策の具体化を着実に進めてまいりたいと考えてございます。そのためにも来期の量子科学技術委員会においても、量子ビーム利用推進小委員会を設置し、本日も様々に議論されてこられました様々な課題について検討、御議論を頂きたいと考えております。
 改めて、今期の小委員会では、委員の皆様方に大変お世話になり、感謝申し上げます。引き続き、量子ビーム施策の御理解、御協力をお願いしたいと考えております。ありがとうございました。
【小杉主査】 ありがとうございました。
 それでは、事務局から連絡事項等ございますでしょうか。
【河原室長】 量研室長の河原です。多少時間が超過しておりますけれども、私から最後に御礼を申し上げたいと思います。
【小杉主査】 お願いいたします。
【河原室長】 本日の小委員会をもちまして、今期の量子ビーム小委員会の活動は終了ということで、一区切りを迎えます。小杉主査を始め、委員の皆様、それから、関係する各施設の皆様におかれては、お忙しい中で、全11回にわたっての御参加、それから活発な御議論いただきまして、ありがとうございました。
 今後もまだまだ本委員会で議論すべき案件、課題は残っておりますけれども、本日、各委員から頂いた御指摘、それから、今回取りまとめをする内容を踏まえまして、今後、推進方策に掲げた項目についての施策の具体化の検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、先ほど内海委員から御案内いただきましたけれども、次世代放射光施設の名称、愛称の募集の案内を、これはQSTのホームページに掲載してございます。こちらについても後ほど各委員にお送りしたいと思いますので、奮って御応募をいただければと思います。委員の皆様におかれましては、今後とも様々な形で、引き続き御指導、御助言をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【小杉主査】 ありがとうございました。
【萩谷補佐】 すみません。最後に事務的な事務連絡をさせていただければと思います。本日の会議の議事録につきましては、作成次第、委員の皆様にメールにて御確認させていただき、文部科学省のウェブサイトに掲載させていただきます。本日の配付資料につきましても、後日、文部科学省ウェブサイトに公開いたします。
 以上でございます。
【小杉主査】 ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして、第10期第40回量子ビーム利用推進小委員会を閉会します。本日はどうもありがとうございました。

―― 了 ――

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