資料27-2-2 X線天文衛星「ひとみ」の異常事象に関する小委員会の当面の進め方について

平成28年5月10日
科学技術・学術審議会
研究計画・評価分科会
宇宙開発利用部会

1.概要

平成28年4月19日第26回宇宙開発利用部会において、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下「JAXA」という。)より、X線天文衛星「ひとみ」の状況について報告を聴取した結果、専門技術的観点から第三者により、JAXAが実施した異常事象の要因分析の結果について、技術的妥当性を検証する必要があると認めたため、本部会の下にX線天文衛星「ひとみ」の異常事象に関する小委員会(以下「小委員会」という。)を別紙1のとおり設置した。

2.小委員会の構成員

小委員会の構成員は、別紙2のとおり。

3.部会指摘事項への対応について

第26回宇宙開発利用部会の審議において、委員より御指摘いただいた内容のうち、別紙3に掲げる事項については、小委員会において検証を行った上で本部会に報告する。

4.小委員会の当面の進め方

小委員会は、次回の宇宙開発利用部会への報告を目指し検討を進めるものとする。

以上

別紙1 宇宙開発利用部会 X線天文衛星「ひとみ」の異常事象に関する小委員会の設置について

別紙2 科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 宇宙開発利用部会 X線天文衛星「ひとみ」の異常事象に関する小委員会 委員名簿

平成28年5月10日
科学技術・学術審議会
研究計画・評価分科会
宇宙開発利用部会

(五十音順)

(委員)
◎佐藤 勝彦  日本学術振興会学術システム研究センター所長

(臨時・専門委員)
○木村 真一  東京理科大学理工学部電気電子情報工学科教授
白坂 成功  慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究科准教授
野口 和彦  横浜国立大学大学院環境情報研究院教授
横山 広美  東京大学大学院理学系研究科准教授

◎:主査、○:主査代理

別紙3 第26回宇宙開発利用部会指摘事項のうち小委員会にて検証を行う事項について

第26回宇宙開発利用部会指摘事項のうち小委員会にて検証を行う事項について

全般に関する事項

1.FTA(※1)を提示すること。今回有力な推定メカニズムが示されたが、それ以外の要因が排除できることを確認するために必要。
2.姿勢変更マヌーバを可視終了の間際とした考え方について提示すること。初期機能確認フェーズにおいて、このような運用計画立としたことが適切であったか確認する必要がある。
3.不適切であったスラスタ制御パラメータ設定は、どのような検証を行ったのか確認し、その検証プロセスが正しいプロセスであったのか確認・分析する必要がある。
4.一連のメカニズムを打ち上げ前に発見できなかった理由を示すこと。
5.今回の異常事象で、安全側に遷移しなかった理由について確認した上で、機体をセーフホールドモードとして維持するために必要な機能を明確にし、運用中、及び開発中の全ての衛星へ水平展開及び点検を行うこと。

推定メカニズム丸1に関する事項

6.IRU(※2)の誤差推定値が高止まった要因として、STT(※3)が追尾から捕捉に移行した点が挙げられるが、どうしてこの事象が発生したのかについて整理すること。(資料26-1 P27のC)
7.なぜSTT(※3)値を棄却しIRU(※2)を優先するアルゴリズムとしたのかについて、X線天文衛星やASTRO-H衛星に特有な事項なのかも含めて考え方を説明すること。(資料26-1 P27のD)
8.STT(※3)の冗長系を使用するロジックとしなかった理由を明確にすること。
9.本件に関する部品やソフトウェア、アルゴリズム等のヘリテージについて提示すること。海外での実績もあれば示すこと。今回事象との関係の有無について分析を示すこと。

推定メカニズム丸4に関する事項

10.回転による分離を想定するのであれば、どのくらいで部位毎の分離をおこすのか解析結果を示すこと。

※1:Fault Tree Analysis、故障の木解析
※2:Inertial Reference Unit、慣性基準装置
※3:Star Tracker、恒星センサ

お問合せ先

研究開発局宇宙開発利用課