参考1 第3期科学技術基本計画における戦略的重点化(原子力関連)

1.第3期科学技術基本計画における戦略的重点化の考え方

(1)「重点推進4分野」及び「推進4分野」

1)「重点推進4分野」(ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料) 基本理念への寄与度が大きい等の観点から特に重点的に研究開発を推進すべき分野として、分野内の重点化の考え方に基づき優先的に資源配分を行う。2)「推進4分野」(エネルギー、ものづくり技術、社会基盤、フロンティア) 国の存立にとって基盤的であり国として取り組むことが不可欠な研究開発課題を重視して研究開発を推進する分野として、分野内の重点化の考え方に基づき適切な資源配分を行う。

(2)以下の分野内の重点化の考え方に基づき「分野別推進戦略」を策定し、「重要な研究開発課題」を選定。

1)将来的な波及効果を客観的に示す。2)国際的なベンチマークに基づく必要性の明確化3)政策目標達成への貢献度等の観点からの投資の必要性を明確化4)官民分担、リスク、公共性等の観点からの投資の必要性を明確化

(3) 以下の視点から重要な研究開発課題のうち基本計画期間中に重点投資する対象を「戦略重点科学技術」として分野別推進戦略に位置づけ。

1)社会的課題を早急に解決するため2)国際的な科学技術競争を勝ち抜くため3)国家的な基幹技術

2.エネルギー分野の分野別推進戦略における戦略的重点化

(1)「重要な研究開発課題」の選定の考え方

○エネルギー政策上の二大命題である「エネルギー安定供給の確保」及び「環境への適合」の両方の同時達成への有効な課題を選定
○経済の活性化及び国際競争力強化に合致する課題を選定
○短期的なニーズへの対応と長期的な課題をバランスよく選定
○投資リスク、需要・供給両面のバランス等を考慮した多様な課題の選定
○官民分担、費用対効果、国際動向、産業競争力等を考慮

(2)エネルギー分野における「重要な研究開発課題」の体系

 エネルギー源の多様化

(a) 原子力エネルギーの利用の推進  

◎次世代軽水炉・軽水炉高度利用技術  
●高速増殖炉(FBR)技術   
○ウラン濃縮・新燃料技術  
○使用済燃料再処理技術(軽水炉関係)  
◎高レベル放射性廃棄物等の地層処分技術  
○原子力施設の廃止措置技術・放射性廃棄物処理処分技術  
◎核融合エネルギー技術  
○原子力基礎・基盤、核不拡散技術研究開発  
○高温ガス炉などの革新的原子力システム技術  

(b) 原子力安全の確保 

○原子力安全研究  

(c) 再生可能エネルギー等の利用の推進 

○太陽エネルギー利用技術、○バイオマス・廃棄物エネルギー利用技術  
○風力等その他の再生可能エネルギー利用技術  

(d) 水素/燃料電池  

○燃料電池・水素関連技術  

(e) 化石燃料の開発・利用の推進  

○エネルギー資源探査技術、○化石燃料採掘技術  
○石油精製・利用技術、○クリーン石炭利用技術  
○化石系新液体燃料製造技術、○高効率天然ガス発電技術  
○高効率ガスエンジン技術、○二酸化炭素回収・貯留技術

エネルギー供給システムの高度化・信頼性向上

(a) 電力関連 ○送電技術、○電力系統制御技術、電力貯蔵技術
(b) ガス関連 ○ガス供給技術
(c) 石油関連 ○石油供給基盤技術

省エネルギーの推進

(a) 民生部門 ○住宅・建築物関連、○高効率空調・給湯・照明、       
○情報家電・通信機器技術、○都市システム技術
(b) 運輸部門 ○次世代自動車、○省エネ航空機・船舶、○物流効率化
(c) 産業部門 ○素材製造プロセス、○組立・加工技術、○産業間連携
(d) 部門横断 ○熱有効利用技術、○高性能デバイス技術

(3)「戦略重点科学技術」の選定

  以下の3つの戦略に基づき14課題を精選。

戦略1:世界一の省エネ国家としての更なる挑戦(4課題)  
戦略2:運輸部門を中心として石油依存からの脱却(6課題)  
戦略3:基幹エネルギーとしての原子力の推進      
◎次世代軽水炉、◎地層処分技術、●FBRサイクル技術、◎核融合               
※FBRサイクル技術は、国家基幹技術として位置づけ

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