2004年7月に公表された「教育技能省:子どもと学習者のための5ヵ年計画(Department for Education and Skills : Five Year Strategy for Children and Learners)」(以下、「教育5ヵ年計画」)は、イギリスにおける教育分野の所管省庁である教育技能省(DfES:Department for Education and Skills)が2004〜2008年の5年間における教育施策を、数値目標を含めて全般的に示したものである。この5ヵ年計画は、2001年の省庁再編(「教育雇用省」から「教育技能省」)にともなって出された「教育と技能:成果の達成、2006年への戦略(Education and Skills : Delivering Results A Strategy to 2006)」に継ぐ計画として位置づけられる。
その他、政府においては、2004年1月に学校の改善プロセスの簡潔化や学校の説明責任能力の強化を目的とした一連の教育プロポーザル、翌2月に教育水準局(Ofsted:Office for Standards in Education)が「(学校)監査の将来(The Future of Inspection)」を公表したが、この2つのプロポーザルは「学校との新たな関係(A New Relationship with Schools)」という方針文書にまとめられ、政府と教育水準局の連名で同年6月に公表された。翌7月に教育技能省から公表された5ヵ年計画は、これらの主要な改革案の一環として位置づけられる。
「高等教育の将来」(Future of Higher Education:2003年1月)は、高等教育の基本的な振興計画を示し、すでに取組を開始している施策を含み、概ね2010年前後の完成を射程に入れている。同書は、知識主導型経済における国民全体の教育・訓練水準の向上や大学の教育力向上の必要性を説くとともに、国際的な見たイギリスの研究力の相対的な地位低下に対する危機感を表明し、研究環境の重点的整備の必要性を強調している。
このため、同書は、高等教育の拡大や財政改善、研究費の増加、産学連携などの施策を打ち出し、2004年高等教育法により実施に必要な法的措置が取られた。「高等教育の将来」の内容は、「教育5ヵ年計画」や「公共サービス合意」にも反映されている。
なお、同書が示す高等教育の基本的な方針は、1997年に公表され、今後20年間のイギリスの高等教育のあるべき姿を示した政府諮問委員会報告書(「デアリング報告」)の枠組みを踏襲している。
教育5ヵ年計画は、計画発表の約3年後、2007年4月に施行された2005年教育法(Education Act 2005)により法的な裏づけがなされた。2005年教育法に付随する教育技能省の注釈(explanatory notes)によれば、同法は5ヵ年計画を含む一連の改革案の実行に必要な法改正を行うものであるとされている。同法の実施に関して各地方当局(local authorities)は毎年の目標を設定することになっている。
政府与党である労働党は教育が政府の最重要課題であるとの認識をこれまで示しており、2005年の総選挙を前に、政府公約ともいえる教育5ヵ年計画を公表した。これは2001年に出された「教育と技能:成果の達成、2006年への戦略(Delivering Results A Strategy to 2006)」(注1)を受け継ぐ計画として、教育技能省の主導により策定されたものである。
計画期間は2004〜2008年の5年間となっている。
教育5ヵ年計画では、以下の5つの基本原則が示されている。
基本原則 | 内容 |
---|---|
より個に応じた教育と選択の拡大 (Greater personalization and choice) |
子ども、親、学習者の希望やニーズに合わせて、教育内容をさらに個別化し、選択肢を増やす。 |
教育サービス分野の開放 (Opening up services) |
教育サービス分野を、これまでと異なる新しいサービス供給者や方法に開放することにより、多様な教育を提供する。 |
学校の裁量・自立性の拡大 (Freedom and Independense) |
学校長、学校理事長、管理者の3者間の責任・役割を明確にするとともに、学校財務面での流れを確実なものとする。 |
スタッフの資質向上 (A major commitment to staff development) |
教育関係者のアセスメント能力、ケア、教育方法を改善するため、質の高い支援・訓練を実施する。 |
パートナーシップ(すべての教育関係者の連携強化) (Partnerships) |
子どもや若者、大人の人生における機会を最大化するため、親、雇用主、ボランティア、ボランティア組織と連携する。 |
教育5ヵ年計画の対象となる教育分野は、初等中等教育のほか、就学前教育、高等教育、私立専門学校、生涯学習(成人教育)分野、さらには教育行財政等の教育基盤に関わる分野までを含む包括的・総合的なものとなっている。前段の基本原則はそれぞれの分野の施策に反映される形となっている。
教育5ヵ年計画の内容は10章から構成されており、第1章(導入部:Introduction)と第10章(結語:Conclusion)を除くと、第2〜8章がそれぞれ個別の教育段階・分野に関わる内容となっており(教育行財政分野については個別の章立てを行っていない)、2008年までに実現すべき事柄について各章6項目程度の達成目標を定めている。第9章(変革の管理;Managing the Transformation)では、計画実施における教育技能省の役割や改革の基本的な考え方、方向性を述べている。第2〜8章の内容と各教育分野との対応状況は以下のようになっている。
教育分野 | 5ヵ年計画の該当章 |
---|---|
就学前教育 | 第2章「就学前教育(Early Years)」 |
初等教育 | 第3章「初等学校(Primary Schools)」 |
中等教育 | 第5章「中等学校における個に応じた教育と選択(Personalisation and choice in the secondary years)」 |
第6章「14〜19歳の教育と訓練(14-16 Education and Training)」 | |
第4章「専門中等学校(Independent Specialist Schools)」 | |
高等教育 | 第8章「高等教育(Higher Education)」 |
生涯学習 | 第7章「成人の技能(Adult Skills)」 |
教育基盤(教育行財政・学校施設等)関連 | 第1章「導入部(Introduction)」の一部 |
第4章「専門中等学校(Independent Specialist Schools)」の一部 | |
第9章「変革の管理(Managing the Transformation)」の一部 |
教育5ヵ年計画の中では中等教育分野が重点分野として位置づけられている。実際、教育5ヵ年計画について教育段階(就学前、初等、中等、高等、成人教育)別にみると、中等教育に最も多くのボリューム(第5、6、7章)が割かれている。中等教育に注力する背景には、5ヵ年計画の中に明記されているとおり、政府の中等教育に対する問題認識が存在する。すなわち、イギリスの中等教育分野の教育の質・学力は全体として向上しているものの、多くの生徒が16歳までに問題行動を起こしたり、授業についていけなくなるなどの問題に直面しており、生徒・親にとって中等教育が決して十分なものではないという政府認識である。
中等教育における教育5ヵ年計画の主目的は、あらゆる生徒に対する教育の質を向上するとともに、利用可能な教育サービスの選択肢を広げることとされている。中でも今回の改革の中心とされていることは、専門中等学校(independent specialist schools)の設定にあるとしている。これは、新たな種類の学校を開設するというものではなく、従来の公立中等学校の独立性、専門性を高めるという趣旨で導入された仕組みである。具体的には科学、数学、コンピュータ、技術、人文、芸術など全10領域のいずれかの領域の指導に注力する中等学校を指す。専門中等学校の設定に関連して、中等教育分野では以下の8つの変更点が示されている。
技術(数学、科学、設計技術) | 545 |
---|---|
芸術 | 305 |
スポーツ | 283 |
科学 | 224 |
語学 | 203 |
数学ならびにコンピューター | 153 |
ビジネスおよび起業 | 146 |
各種専門の複合 | 38 |
エンジニアリング | 35 |
人文科学 | 18 |
音楽 | 5 |
合計 | 1,955 |
教育5ヵ年計画における各教育段階・分野の主要施策の具体的な内容は、以下のとおりである。施策実施のスケジュールは当面、戦略期間満了までの2008年までとしているが、より長期の目標についても設定されている。
教育5ヵ年計画においては、数値的目標を含む施策とそれ以外の施策が並列的に列記されているが、ここでは数値目標を含むもののみ記述した。教育5ヵ年計画の数値目標に関しては、2008年までに達成すべき数値目標が設定されているほか、一部分野ではより長期の数値目標が設定されている。各教育段階・分野の数値目標は以下のとおりである。
年齢 | 標準到達レベル(1〜8) | 対象教科 |
---|---|---|
7歳 | レベル2 | 英語、数学、理科(教員評価) |
11歳 | レベル4 | 英語、数学、理科 |
14歳 | レベル5、6 | 英語、数学、理科、ICT(教員評価) |
全国資格枠組(NQF)のレベル(新レベル:2004年9月〜) | |
---|---|
レベル8 | 創造的取り組みを行う高度専門職資格 |
レベル7 | 上級専門職・管理者レベルのディプロマ・フェロー |
レベル6 | 知的専門職・専門的管理者レベルのディプロマ |
レベル5 | 技術者・専門家・管理者レベルのディプロマ |
レベル4 | サーティフィケイト |
レベル3 | Aレベル → (後期中等教育レベル) |
レベル2 | GCSE(A*〜C評価) → (義務教育修了レベル) |
レベル1 | GCSE(D〜G評価) |
入門レベル | 基礎的知識技能 |
イギリスにおいては、政府の教育関連分野への投資額は年々増加している。教育関連分野(教育、訓練、子ども向けサービス)に対する投資総額は、1997〜1998年において年間400億ポンドであったものが、2005〜2006年においては年間610億ポンドに達しており、2007〜2008年においては680億ポンドに達するものと見込まれている。教育・訓練の投資額だけに限ると、2005〜2006年の1年間で総額560億ポンド、1997〜1998年に比べて金額で240億ポンド、50パーセント以上の増加(年率5パーセント)という伸びになっている。教育関連分野の投資額について、対GDP比でみると1997〜1998年の4.7パーセントから2007〜2008年では5.6パーセントに達する見込みである。
政府労働党は、教育分野など政府の優先課題や財政目標に即した計画的かつ効果的な予算執行を目的に、従来の単年度政府予算とは別に、3年間を単位とする政府支出見通し(Spending Review)を導入し、これまで1998年以降、2000年、2002年、2004年と2年毎に見通しを発表してきている(直近は2007年)。このうち、2004年の政府支出見通しが、5ヵ年計画の財政的裏づけを行う形となっている。
教育5ヵ年計画自体には一部の教育分野(初等教育・中等教育の学校予算、成人の技能、高等教育等)に対する教育投資の記述がみられるものの、各教育分野の全体的な教育投資の金額に関する記述はほとんどみられない。
2004〜2005 | 2005〜2006 | 2006〜2007 | 2007〜2008 | ||
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教育技能省 | 政策実施予算 | 23,860 | 26,708 | 28,108 | 29,708 |
うち運営予算 | 267 | 276 | 269 | 262 | |
資本関係予算 | 3,801 | 4,445 | 4,845 | 5,545 | |
予算配分上限 | 27,613 | 31,105 | 32,906 | 35,206 | |
地方当局 | 教育分野予算 | 26,402 | 27,963 | 29,863 | 31,663 |
子どものソーシャルサービス予算 | 3,737 | 4,016 | 4,316 | 4,516 | |
教育関連予算(イングランド) | 52,023 | 56,529 | 60,122 | 64,000 |
2004〜2005 | 2005〜2006 | 2006〜2007 | 2007〜2008 | |
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教育・訓練予算(連合王国) | 64,857 | 69,857 | 74,122 | 78,763 |
教育予算(連合王国) | 63,195 | 68,134 | 72,292 | 76,796 |
教育予算の対GDP比 | 5.4パーセント | 5.5パーセント | 5.5パーセント | 5.6パーセント |
教育5ヵ年計画の中には具体的な投資額についての記述はない。しかし、5ヵ年計画の2年経過時(2006年)の評価報告である「5ヵ年計画:発展の維持(Five Year Strategy for Children and Learners:Maintaining the Excellent Progress)」によれば、子ども向けサービス、就学前教育の投資額は1997〜1998年の12億ポンドから、2005〜2006年には42億ポンドと急増している。伸びが大きいのは子育て関連費で、1997〜1998年の3,000万ポンドから、2004〜2005年には7億ポンドに大きく増えている。
教育5ヵ年計画の中には具体的な投資額についての記述はない。ただし、教育5ヵ年計画の中で、初等学校の自律性向上のため、地方当局からの3年の保証期間がついた、児童数およびニーズに応じた学校予算を支給することとしている(総額については不明)。
前述の「5ヵ年計画:発展の維持」によれば、2006年において、個に応じた学校教育(初等中等教育)の実施のため、5億ポンドの投資がなされ、翌2007年において4.9億ポンドの投資が行われるとしている。また学校給食の改善のため、2006年に2.2億ポンドを投入し、2008年から2011年にかけてさらに2.4億ポンドを投入するとしている。
教育5ヵ年計画の中には具体的な投資額についての記述はない。
教育5ヵ年計画の中には具体的な投資額についての記述はないが、教育5ヵ年計画の中で、レベル2資格取得のために勉強している成人に対し、週30ポンドの給付を新たに行うとしている。
教育5ヵ年計画の中には高等教育全体に対する具体的な投資額についての記述はないが、5ヵ年計画の中で、2005〜2006年においては2002〜2003年に比べて30パーセント増の12.5億ポンドを科学研究費に充当するとしている。この他、資金援助を必要とする学生に対し年3,000ポンドの給付を行うとしている。
教育5ヵ年計画の中には具体的な投資額についての記述はない。ただし、前述の「5ヵ年計画:発展の維持」によれば、教育資本関連の投資額は、1997〜1998年において年間12億ポンドであったものが、2007〜2008年においては年間約83億ポンド(うちPFIによるものが13億ポンド)と約7倍の金額に達している。また、教育技能省の「教育技能省投資戦略2005-08(Departmental Investment Strategy 2005-08)」には、教育資本関連の投資額内訳が示されており(教育技能省投資戦略における記述の範囲は教育資本関連投資に限られる)、最も金額的に多いのは学校関連(学校におけるIT投資を含む)の投資額であり、約83億ポンドのうち、約6割に相当する50億ポンドとなっている。
2005〜2006 | 2006〜2007 | 2007〜2008 | |
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シュア・スタート(Sure Start)、就学前教育および子育て、子供向けソーシャルサービス | 335 | 470 | 585 |
学校関連(ICT投資を含む) | 4,359 | 4,560 | 5,035 |
16歳以降の教育・技能訓練 | 408 | 483 | 603 |
科学研究投資ファンド高等教育(HE SRIF) | 208 | 237 | 267 |
高等教育 | 442 | 468 | 472 |
PFI関連 | 1,220 | 1,270 | 1,320 |
合計 | 6,972 | 7,488 | 8,282 |
教育5ヵ年計画の実施に際して、教育技能省が戦略全体の方向付け、根拠に基づいた政策立案等に関して主導的役割(教育分野における戦略的リーダー)を果たすことが求められている。同時に5ヵ年計画において教育技能省自体をより戦略的、効率的、専門的に改革することも求められている。他省庁との連携に関しては、教育技能省以外の中央官庁との連携のほか、学習・技能審議会(Learning and Skills Council)、評価・カリキュラム局(Qualifications and Curriculum Authority)、公的補助金の配分機関である高等教育財政審議会(Higher Education Funding Council for England)、国の視学機関である教育水準局などの公的主体との連携が求められている。教育関連分野の各種主体との連携が教育技能省に求められているところであるが、若年者の雇用確保という観点から、各種雇用者との連携の優先順位が高くなっている。
また、地方レベルにおいては、地方当局が主体的に計画(特に学校整備面)を実施していくこととなっているが、前述の拡大学校やエデュケアといった子ども向けサービスならびに教育については、各地方当局が設置するチルドレンズ・トラスト(前述)が児童生徒、親の擁護者として機能することが求められている。また、14〜19歳に対しては地域の学習・技術審議会と緊密に連携して児童・親に対する働きかけを行うものとしている。地方当局はこのほか、子どもの安全確保や障害児等に対する特別な教育ニーズ(SEN)の提供、家族・親の支援において、各種サービスのハブ的機能を有することが求められている。
就学前教育に関しては、子どものサービスについての国全体の枠組みができており、教育技能省、保健省(Department of Health)、その他中央省庁が連携する体制が整備されている。
「地方子ども安全委員会」(チルドレンズ・トラスト)の設置に伴い、地方当局は自ら教育サービスを提供するよりは、教育サービスについての指導や協力的役割を果たすこととなり、中等学校の独立性向上に向けた支援を行うことになる。また、優れた校長育成のプログラムである「学校のリーダーシップのためのナショナル・カレッジ(National College for School Leadership)」が各学校のリーダーシップに関するハブ的機能を有し、5ヵ年計画を支援することが期待されている。
学校、カレッジ、雇用者の連携を通じて14〜19歳の教育と訓練の内容を改革することとなっているが、主導的役割は教育技能省が担う形となっている。
政府教育技能省が若年者に対する質の高い教育・訓練の提供について責任を有している。しかし、同時にあらゆる技能投資に対して補助金を与えることはできないし、行うべきではないとの見解を示している。
教育5ヵ年計画の中には評価体系・方法に関する記述はなく、5ヵ年計画の評価についての法的根拠、頻度・方法については不明である。しかし、計画発表の2年後の2006年に教育技能省が公表した「5ヵ年計画:発展の維持(Five Year Strategy for Children and Learners:Maintaining the Excellent Progress)」が実質的な評価に相当しており、5ヵ年計画に定める各教育分野の施策の進捗や数値目標の達成度合いについて、教育技能省が評価を行っている。また、「5ヵ年計画:発展の維持」の内容についても、教育関係者など広く一般の意見を求める形となっている。
教育技能省では「5ヵ年計画:発展の維持」の評価結果を踏まえて2009年以降の戦略に活かすことにしている。「5ヵ年計画:発展の維持」の評価結果と予算(政府支出見通し)との関連は必ずしも明確ではないが、「5ヵ年計画:発展の維持」においては、同報告に示されている教育改革の基本的考え方は、2007年の政府支出見通しならびに教育技能省の「公共サービス合意(Public Service Agreement)」(注1)に反映されるとしている。
就学前および育児サービスの年間支出は、1997〜1998年の12億ポンドから2005〜2006年の42億ポンドに大幅に上昇した。登録されている子ども支援の拠点は1997年以来、倍増している。8歳以下の子ども8人に1ヶ所であった拠点は、4歳以下の子ども4人に1ヶ所の割合まで増加している。
キーステージ2における標準到達レベル(レベル4)に達している子供の数は1997年に比べて英語で16パーセント、数学で14パーセント増加している。これらの変化について、教育技能省は、学校教育システムにおいて劇的かつ継続している改善が1997年以来、行われているとしている。
また、GCSEでC以上の成績を5課目で取った生徒の数は1997年に比べて11パーセント増加、英語と数学を含めた5課目でC以上の成績を取った生徒の数は9パーセント増加している。
初等・中等レベルで標準到達レベルに達した生徒割合が低い学校の数も減少したと報告されている。すなわち、2005年までにGCSEsの5課目で好成績をとった生徒割合が30パーセント以下の学校数は約3分の2に減少した。
出席率も改善していることが報告されている。無断欠席率についてはわずかに上昇したが、通常の欠席率は年々低下している。2004〜2005年における教育水準局の査定結果では、初等学校で出席率は92パーセント、中等学校で74パーセントとなっている。
1997年以来、19歳段階でレベル2(GCSEsで5課目がCレベル以上)およびレベル3を達成した生徒の数は過去最高となった。また、16歳のフルタイム教育への参加率は過去数年で初めて増加に転じた。
100万人以上の人々が基本的な読み書き、計算能力を改善された。2001年4月から2005年7月までの期間に、1,275,000人がこの3分野における資格を取得している。2003年から2006年に100万人の成人がレベル2の資格(等級A*-Cか等量の5GCSEs)を達成するという目標は達成されるものと見込まれている。就業中の成人でレベル2以上のの資格を取得した人の割合は、1994年から約12パーセント上昇し、2005年には約73パーセントとなった。
18〜30歳で高等教育を受けている生徒の数は1997年以来増加している。