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第2章 新時代の大学院教育の展開方策
2
国際的な通用性、信頼性の向上(大学院教育の質の確保)のための方策
(2)
国際社会における貢献と競争
大学院の教育研究を通じた国際貢献・協調
我が国の大学院が教育研究を通じた国際貢献・交流を推進することは、教育研究水準の向上等を通じて、大学院の国際的な通用性、信頼性を確保し、世界規模での競争力の強化を促進する上で大きな意義があるものである。
また、国境を越えて展開される教育の提供によるアクセスの拡大を推進するに当たっては、我が国の学位の国際的な通用性の確保に十分留意することが必要であるとともに、国際的な大学の質保証システムの構築が必要であり、それに向け、我が国は積極的に貢献すべきである。
【具体的取組】
●
各大学院における国際化戦略支援
●
国際的な大学の質保証に関する協議への参加・貢献
近年、我が国の大学院では留学生が急増している。これは、諸外国との相互理解の増進と人的ネットワークの形成に効果的であるほか、留学生との交流を通じて国際的な視野を持った日本人学生の育成と開かれた活力ある社会の実現や、我が国の大学の国際化、国際競争力の強化、国際社会に対する知的貢献といった点において意義があることである。その一方で、留学生への学位授与率の低下などに見られる質の低下が懸念されており、「新たな留学生政策の展開について」(平成15年12月中央教育審議会答申)等を踏まえて、外国人学生が学ぶための環境整備を進め、留学生の質の確保と受入れ体制の充実を図っていく必要がある。
また、我が国の大学院においても、海外分校・拠点の設置、外国の教育研究機関との連携、e-ラーニング(情報通信技術を利用した履修形態)等を通じた国境を越えた教育の提供や研究の展開を行うなど、国際的な大学間の競争と協働が進展している。
我が国の大学院が、その果たすべき役割や個性・特色に応じて、海外の教育研究機関との教育研究面での連携体制を構築することにより、教育研究を通じた国際貢献・交流を推進することは、
・
国際社会における競争と協働を通じた我が国の大学教育の魅力の向上
・
国際的に通用する教育研究水準の確立
・
国際的な幅広い視野を持った人材の養成
・
我が国の知的国際貢献
等を促し、大学院の国際的な通用性、信頼性を確保し、世界規模での競争力の強化を促進する上で意義があるものであり、国としても、各大学院における国際化戦略を支援していくことが重要である。
国境を越えて展開される教育の提供によるアクセスの拡大を推進するに当たっては、我が国の学位の国際的な通用性の確保に十分留意することが必要であるとともに、各国の大学制度、各大学の適格認定を含めた評価、教育内容、学位の通用性などについて学習者が判断できるように国際的な大学の質の保証に関する情報ネットワークを構築することが急務である。こうした国際的協議に我が国は積極的に参加・貢献すべきである。
我が国の大学と外国の大学の双方で学位を得られるようなプログラムの開発も期待されるが、各大学院におけるこのようなプログラムの検討に当たっては、我が国の課程制大学院制度の趣旨、学位制度等の在り方を踏まえ、我が国の大学院が授与する学位としてふさわしいものとなるよう留意する必要がある。また、我が国の大学院に、世界各国から優秀な留学生が集う条件の一つとして、我が国の大学院に関する情報が海外からも一元的に把握できるような積極的な情報発信を行っていくことが挙げられる。さらに、一つの授業をセメスター(学期)ごとに完結させる制度であるセメスター制の導入や秋期入学など、留学生を円滑に受け入れるための工夫を行うことも必要である。留学生が学ぶための環境を整備し、積極的に受け入れることは、今後の知識基盤社会の中でますます重要となる我が国と諸外国との間の親密な人的ネットワークを形成することとなり、相互理解の増進や友好関係の深化を図る上で重要である。
国際競争力のある卓越した教育研究拠点の形成支援
今後更に国際競争力のある大学づくりを推進するため、創造性・柔軟性豊かな質の高い研究者の養成が期待される卓越した教育研究拠点に対する重点的支援を一層強力に展開することが重要である。
このため、「21世紀COEプログラム」の実績を踏まえ、より充実・発展した形で拠点形成が推進するよう、今後の在り方を検討し、具体化していく必要がある。
国際競争力のある世界最高水準の大学づくりを推進するため、大学の構造改革の一環として、第三者評価に基づく競争原理により世界的な研究教育拠点の形成を重点的に支援する「21世紀COEプログラム」が平成14年度から実施されている。今後更に、国際競争力のある大学づくりを推進し、世界に
伍
(
ご
)
する教育研究を積極的に展開するため、国際的にも魅力ある教育実施体制と高度な学術研究を基盤として、創造性・柔軟性豊かな質の高い研究者の養成が期待される、卓越した教育研究拠点に対する重点的支援を一層強力に展開することが重要である。
本審議会答申「我が国の高等教育の将来像」においても、大学の機能別分化の一つとして「世界的研究教育拠点」が挙げられており、このような大学全体の構造改革の方向性の中で、「21世紀COEプログラム」の評価・検証を踏まえ、その質的な向上を図るべく、今後の在り方を検討するものとして、ポスト「21世紀COEプログラム」を検討し、より充実・発展した形で具体化していく必要がある。その際、今後、我が国が、大学のみならず国全体の国際競争力を強化し、持続的に発展していく観点から、国公私立大学を通じた競争的環境の下で、国際的にも魅力ある世界的な教育研究拠点(人材養成の場)の形成を重点的に図る、との最も基本的な考え方は堅持していくことが適当である。具体的には、
大学における優れた研究者養成機能の活性化、
独創的・先端的な基礎研究水準の向上、
我が国の知的・文化的価値の創造・充実に資するため、プログラム終了後の将来的な発展も見据えてその研究基盤の重層化、豊富化を図ることを目的とすることが適当である。このため、その対象を特定の学問分野、研究領域等に偏った重点支援の方法ではなく、基礎研究の場の多様性の確保、学際・融合・新領域の創成等の観点から、すべての学問分野を範囲として、世界最高水準の卓越した教育研究の実施が期待される拠点への重点的支援を実施すべきである。
また、国際的な場でリーダーシップを発揮できるなど世界水準の人材養成を行う教育研究拠点の形成を進めるに当たっては、大学院の組織編成を柔軟に行い、学内・学外との連携を強化して、国内外の優秀な研究者、学生が協同で教育研究を進められる体制の整備が求められる。そのための様々な工夫・試みも必要であり、施設・設備の共同利用の促進などを含めた教育研究機能の充実を図っていくことを通じて、国学のトップレベルの研究者や第一線で活躍している研究者にとっても魅力ある大学院を形成していくことが重要である。
なお、このような拠点への重点的支援を行うに当たっては、国は、大学の教育研究活動に係る直接的な支援のみならず、これら世界最高水準の拠点に対する施設・設備の整備や拠点形成の国際化への対応、学生への経済的支援の実施などの関連施策を併せて充実していくことも重要である。
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