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第1章 国際的に魅力ある大学院教育に向けて


第2節 基本的な考え方を支える諸条件について
4 知識基盤社会にふさわしい大学院教育の規模の確保
 今後の大学院教育の量的規模の方向性については、社会人、留学生の入学者を含め、高度専門職業人養成に対する期待など進学需要の増加傾向に合わせ、全体として着実な増加傾向になると予想される。この傾向は、今後の知識基盤社会の到来を展望すると、一般的には望ましいものと考えられる。また、社会・経済・文化の発展や科学技術の進展等、時代の動向や要請に的確にこたえるとともに、人文・社会科学、自然科学の各分野のバランスのとれた発展を目指すことが重要である。

   今後の大学院教育の量的規模の方向性について展望すると、一部の専攻分野において学士課程の修了者等の大学院進学率の伸びの鈍化が起こっているが、社会人の入学者を含め、高度専門職業人養成に対する期待など進学需要の増加傾向に合わせ、全体としては、着実な増加傾向になると予想される。この傾向は、今後の知識基盤社会の到来を展望すると、一般的には望ましいものと考えられる。
 また、欧米と比較すると、我が国の大学院の人文・社会科学系分野の割合が低いが、新しい知識や情報が社会の在り方にも影響を及ぼす知識基盤社会においては、自然科学系分野と人文・社会科学系分野がバランスの取れた発展を目指すことが重要である。
 しかしながら、大学院政策において大学院の全体あるいは分野別に量的な目標を設定すること等は、本審議会答申「我が国の高等教育の将来像」において行わないこととされ、また、多様化・複雑化し、変化の速度を増していく人材需要に対して、一元的な調整を行うことは困難であり、各大学院が、大学院教育に対する社会の諸要請を的確に踏まえつつ、競争的環境の下で自主的・自律的な検討に基づく機能別分化の流れの中で、自らの果たすべき役割を基に新たな専攻等の設置・改組の対応を柔軟かつ機動的に図ることが基本であると考えられる。
 また、各大学における大学院と学部の量的な構成については、大学の機能別分化が進んでいく状況の中で、各大学の責任において検討・判断すべき事柄であると考える。
 産業界等においても、それぞれの業種などに応じて、自らの大学院教育に対するニーズを明確かつ具体的に示すことや、年齢等にかかわらず、課題探求能力等の実力を適正に評価して人材の登用を行うなど、今後の知識基盤社会における国際的な競争に耐えられる職務体制・人材の配置などの構造改革に向けた努力が求められる。

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