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学士・修士・博士等の学位取得者の採用・処遇に関し、産業界は、それぞれの学位の内容や程度に応じた取扱いがなされるよう、十分に配慮することが期待される。例えば、博士課程の教育課程の在り方に関する大学側の努力と博士号取得者に対する企業側の処遇・活用の努力とは、同時並行的になされなければ効果は期待できないと考えられる。 |
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人材の流動化を一層促進し我が国社会の活性化を図るためには、産業界が社会人の大学院等への進学・再入学を積極的に支援することが重要である。この点に関しては、修士課程等への企業派遣の促進の他にも、雇用関係を一旦離れてから進学・再入学し学位を取得した者に対して十分な処遇を用意することも期待される。 |
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各企業の研究開発戦略において産学官連携を明確に位置づけることが期待される。研究開発を自社内部で完結させる「自前主義」には効率性や競争力確保の上でも限界があることから、短期的な経済情勢や国の支援策の如何によらない持続可能な産学官連携の体制の構築が求められる。 |
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産業界には、国内の大学を投資対象として一層積極的に評価・活用することが期待される。各企業の合理的な経済行動に影響を与えるためには、我が国の大学の研究水準や経営状態等に関する大学側からの適時適切な情報の提供が不可欠であるが、より効率的な投資行動のため、産業界側にも最新の正確な情報を能動的に収集する努力が自ずと求められよう。こうした動きは、我が国の大学にとっての競争的環境の醸成にも大いに資するものと思われる。 |
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このような産業界の取組を促進するため、様々な機会を捉えて大学側と産業界側の情報交換の場を設けることは極めて重要である。また、そうした場を通じて、産業界側の意欲的な取組を評価し顕彰すること等も有効と考えられる。 |